JP2674800B2 - 注射針の廃棄処理容器 - Google Patents

注射針の廃棄処理容器

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JP2674800B2 JP63238772A JP23877288A JP2674800B2 JP 2674800 B2 JP2674800 B2 JP 2674800B2 JP 63238772 A JP63238772 A JP 63238772A JP 23877288 A JP23877288 A JP 23877288A JP 2674800 B2 JP2674800 B2 JP 2674800B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、注射針の廃棄処理容器に関するものであ
り、特に、注射針の注射筒の取り付けられたままの状態
の使用済み注射針を安全に廃棄するための容器に関す
る。
〔従来の技術〕
医療器具の再使用による感染を防止するため、一般に
注射針には、1回使用に限るデスポーザルシステムが採
用されている。即ち、このような注射針は、減菌乃至殺
菌して市販され、1回使用後は直ちに廃棄されることに
なる。
ところで、市販のデスポーザブル注射針には、注射筒
への取り付け具となるプラスチック製のハブが根元部分
に接着固定されており、このハブにはプロテクター(キ
ャップ)が嵌め込まれており、これにより針部が完全に
覆われている。従って、ユーザは、プロテクターを外し
て注射針を注射筒に取り付けて使用し、使用後は、再び
注射筒に取り付けられている注射針に再びプロテクター
を取り付けて注射針を覆ってから廃棄処理に付する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
然しながら、このような注射針の廃棄処理方法では、
使用済みの注射針にプロテクターを取り付ける時に、誤
って針先で手などを傷つけるおそれがある。また、注射
筒に取り付けられたままの状態で廃棄処理に付するた
め、まとめて廃棄処分する場合には必要以上に嵩張り、
搬送時等にプロテクターが外れるというトラブルを生じ
やすく、廃棄処理作業者が危険に晒されるという問題が
ある。
そこでプロテクターを取り付けた状態で注射針を注射
筒から分離し、両者を別個に廃棄することが考えられ
る。しかし、注射針と注射筒との接合部分には血液等が
溜まっている場合があり、注射針を注射筒から取り外す
際に、この血液等が飛び散るおそれがあり、注射針を注
射筒から取り外して廃棄するにはかなりの危険を伴うの
が実情である。
従って本発明の目的は、使用済みの注射針を、簡単且
つ安全に、しかも注射筒とは別個に廃棄することのでき
る注射針の廃棄処理容器を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明によれば、廃棄する注射針を収容する容器本体
と、容器本体の口部に取り付けられた注射針分離用蓋
と、該注射針分離用蓋にヒンジ連結された上蓋とから成
る注射針の廃棄処理容器において、 前記注射針分離用蓋は、頂板部とその周縁から垂下し
たスカート部とから成り、該頂板部には、ハブ付注射針
を注射筒から分離するための拡縮可能な分離口が形成さ
れ、且つ該分離口の周囲には、頂板部上面から切り離し
可能に環状部材が設けられており、 前記分離口は、容器本体側に向かって先細りのテーパ
ー形状を有しており、注射筒に注射針が装着されている
注射針を挿入すると、ハブ付の注射針は、分離口の拡開
により分離口を通り抜け可能であるが、前記注射筒は、
分離口の拡開によっても分離口を通り抜け不能であり、
且つ分離口の自己収縮により、分離口を通り抜けた注射
針のハブは分離口を逆行することがないように構成され
ており、 前記上蓋の内面には、前記分離口内に突入して引出し
不能に係合し得る突起部が形成されており、上蓋を閉じ
ると、前記環状部材の上端と係合して前記分離口を完全
に覆うが、この状態では前記突起部は少なくとも引出し
不能になるまで分離口内に突入することはなく、前記環
状部材を切り離した場合には、上蓋を閉じると前記突起
部が前記分離口内に突入して引出し不能に係合すること
を特徴とする廃棄処理容器が提供される。
〔作用〕
本発明の廃棄処理容器においては、注射筒に取り付け
られたままの状態で、注射針を注射針分離用蓋の分離口
に挿入すると、分離口の拡開により、注射針及びハブは
分離口を完全に通過するが、注射筒は分離口を通過し得
ず、分離口を間に挟んで、下側(容器側)に注射針及び
ハブが位置し、上側(容器外部)には注射筒が位置した
状態で係止される。この状態で注射筒を引き抜くと、分
離口は収縮しているため、ハブは分離口で止められ、こ
の結果、注射筒と注射針とは簡単に外れ、ハブの付いた
注射針は容器内に落下し、収容される。即ち、注射針は
容器側で注射筒から外れるため、残留血液等が飛び散る
ことがなく、極めて安全である。また、分離口は収縮し
て元の大きさに戻っているため、注射針に付いているハ
ブが分離口を通過することがなく、従って注射針が容器
から飛び出ることもない。
また本発明においては、分離口の周囲に頂板部上面か
ら切り離し可能に環状部材を設けることも重要である。
即ち、上蓋の内面には、分離口に引き抜き不能に突入し
得る突起部が形成されており、上蓋を閉じて環状部材の
上端を係合させた時には、この突起部が分離口を閉じる
ことはなく、従って、再び上蓋を開けて注射針の容器内
への廃棄を行うことができる。一方、容器内が廃棄され
た注射針で満杯になった時には、環状部材を切り取り、
この状態で上蓋を閉じれば、上記の突起部が分離口内に
突入して引き抜き不能になるため、上蓋を再び開封する
ことはできず、従って容器内は確実に密封され、その搬
送及び焼却等の処理を安全に行うことができる。環状部
材が設けられていないと、一度上蓋を閉じると再開封で
きなくなってしまうため、注射針の容器内への廃棄は、
多数本をまとめて連続して行わなければならず、時間を
置いて1本毎に容器内への廃棄を行うことができない等
の不都合を生じてしまうわけである。
〔実施例〕
以下、本発明を添付図面に示す具体例に基づいて説明
する。
第1図(A)乃至(C)は、本発明に係る注射針廃棄
処理容器の一例を示す部分上面図、部分側断面図及び部
分斜視図である。また第2図には、廃棄処理すべき注射
針の側面図を注射筒の一部と共に示した。
第2図に示す通り、注射針18は、針部20と、針部20の
付け根に接着剤等のよって固定された筒状のハブ22とか
ら成っており、ハブ22の上端には、通常、大径のフラン
ジ24が形成されている。このハブ22に注射筒16の端部の
小径部が嵌入され、これにより、注射針18は注射筒16に
固定されている。
第1図において、本発明の廃棄処理容器は、廃棄する
と注射針18を収容する容器本体10と、注射針分離用蓋12
と、上蓋30とから成っている。特に第1図(B)に明瞭
に示されている様に、注射針分離用蓋12の頂板部の周縁
からはスカート部が下方に垂下しており、この注射針分
離用蓋12は容器本体10に打ち込みにより固定されてい
る。また上蓋30は、ヒンジバンド32により、注射針分離
用蓋12に旋回可能に設けられている。
容器本体10は、ガラス、金属或いはプラスチック等で
形成され、また注射針分離用蓋12及び上蓋30は、通常、
弾性プラスチックで形成される。
本発明において、注射針分離用蓋12の頂板部の中央部
分には分離口14が形成され、この分離口14に第2図に示
す注射針18が挿通される。
第1図に示す通り、分離口14は容器本体10側に向かっ
て先細りのテーパー形状を有しており、その下端には、
一定間隔でスリット26,26……が形成されて拡縮可能に
なっている。即ち、注射針18を分離口1に差し込むと、
分離口14はその形状に合わせて一時的に拡開し、ハブ20
を備えた注射針18が分離口14を通過するわけである。
尚、注射針分離用蓋12が弾性の大きいプラスチックで形
成されている場合には、スリット26は形成されていなく
ともよい。
また注射針分離用蓋12の頂板部上面には、前記分離口
14を取り囲む様にして環状バンド28が設けられている。
この環状バンド28の付け根部分には、スコア等の切り込
み(図示せず)が形成されており、容易に切り離すこと
が可能となっている。
ヒンジ32を介して注射針分離用蓋12に設けられている
上蓋30の内面中央部には、突起部34が設けられており、
この突起部34の下端部は大径となっている。上蓋30を旋
回して閉じると、環状バンド28の上蓋に嵌合するが、こ
の場合、上記突起部34と分離口14とは係合しておらず、
従って上蓋30を再び旋回して開放することができる。一
方、環状バンド28を切り離した状態を示す第3図を参照
すると、この場合、上蓋30を閉じると、環状バンド28が
存在しないため、上蓋30の内面に形成されている突起部
34は分離口14内に突入し、突起部34の下端大径部が分離
口14を完全に通過し分離口14と係合する。即ち、分離口
14はテーパー状に形成されており、下端が最小径となっ
ているため、突起部34は引出し不能になり、上蓋30を再
度開封することはできなくなる。
上述した本発明の注射針廃棄処理容器の機能を説明す
るための第4図において、上蓋30を開放した状態で、注
射筒16に取り付けられている使用済みの注射針18を分離
口14内に挿入する。注射針18の通過に伴って分離口14は
拡開し、従ってハブ22及びその上端のフランジ部24迄は
分離口14を通過するが、注射筒16は、フランジ部24より
も更に大径に形成されているため分離口14を通過するこ
とはない。また、フランジ部24が通過した後の分離口14
は、収縮して注射筒16の先端の小径部に沿った小径とな
る。この注射筒16の先端の小径部とフランジ部24との間
に大きな段差があるため、注射筒16を持ち上げると、注
射針18は、ハブ22のフランジ部24が分離口14で止めら
れ、従って注射筒16のみが分離口14から引き抜かれ、注
射針18は注射筒16と分離して容器本体10内に落下して収
容される。従って、分離口14は、注射針18に対して一種
の逆止弁的機能を有するものである。さらに、注射針18
の注射筒16からの分離は、容器本体10内で行われ、また
環状バンド28により分離口14の周囲は囲まれているた
め、注射筒16の残留血液等は容器本体10外に飛び散るこ
とがなく、極めて安全性が高い。
注射針18の注射筒16からの分離及び容器本体10内への
収容を行った後は、再び上蓋30を閉じ、環状バンド28の
上端に嵌合せしめるが、先に述べた通り、この時に上蓋
30の突起部34は分離口14とは係合していないので、再
度、上蓋30を開放して使用済みの注射針18の廃棄処理を
同様にして行うことができる。容器本体10が使用済みの
注射針18で満杯になった時は、環状バンド28を切り取
り、第3図に示されている様に、上蓋30の突起部34を分
離口14内に完全に押し込んで分離口14を閉じ、これを所
定の焼却場所迄搬送し、焼却を行う。第3図の状態で
は、突起部34は分離口と係合して引き抜き不能となって
いるので、この容器の搬送及び焼却に際して上蓋30が偶
発的に開いてしまうことがなく、この点でも安全性が極
めて高い。
かかる本発明によれば、多数の使用済みの注射針18の
注射筒16からの分離及び容器本体10内への収容を連続し
て行うこともできるし、また注射針18の使用が行われた
時点で、その都度行うこともできる。環状バンド28を設
けていない場合は、一度上蓋30を閉じてしまうと、これ
を再び開封することができない。従って、多数の使用済
みの注射針18を、上蓋30を閉じることなく一挙に行わな
ければならず、1本ずつ、使用される毎にその都度注射
針の廃棄を行うことができなくなってしまい、本発明に
比して、使用方法が制限されてしまう。また本発明で
は、使用前に偶発的に突起部34が分離口と係合してしま
い、使用不能となってしまうこともない。
更に前述した実施例(第1図乃至第4図)では、分離
口14はテーパー状に形成され、最下端が最小径となって
いるが、例えば第6図に示す様に、最下端にいくまでの
途中に、小径の一時係止部36を設けることもできる。こ
の様な一時係止部36を設けた場合の注射針18の注射筒16
からの分離及び容器本体10への収容は、第5図(A)乃
至(C)に示す手順で行われる。
即ち、上蓋30を開けて注射針18を分離口14内に挿入し
ていくと、注射針18のハブ22(フランジ2)は一時係止
部36を乗り越えるが、注射筒16が分離口14内には挿入で
きないため、その時点で注射針18の挿入がストップされ
る(第5図(A)参照)。この状態で注射筒16を引き抜
くと、ハブ22のフランジ24は一時係止部36に当接するた
め、注射筒16のみが引き抜かれ、注射針18は、注射筒16
から分離し、フランジ24が一時係止部36に当接した状態
で保持される。この状態で上蓋30を閉じると、環状部材
28により、突起部34が分離口14を貫通することはない
が、一時係止部36を通過すた時点で停止するように形成
されている。従って、第5図(B)に示す様に、一時係
止部36の下側に保持されていた注射針18は、突起部34に
よって押し出され、容器本体10内に落下する。この様に
して、注射針18の注射筒16からの分離等が行われ、容器
本体10が注射針18が満杯になった時には、第1図乃至第
4図の例と同様、環状部材28を切り離し、上蓋30を閉じ
れば、突起部34が分離口14を貫通し、引き抜き不能に保
持されることになる(第5図(C)参照)。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の注射針の廃棄処理容器
によれば、ユーザーが直接手で持つことなく注射針の注
射筒からの分離及び容器内への収容を行うことができ、
また注射針の注射筒からの分離に際して、残留血液等が
容器外に飛び散ることもない。しかもプロテクターの挿
入時の危険な作業を行う必要もなく、極めて安全性が高
い。更に、使用済みの注射針が収容された容器を持ち運
びや焼却に際しても、容器の蓋(上蓋)が偶発的に外れ
るおそれもなく、廃棄物処理業者の安全性も確保され
る。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)乃至(C)は本発明に係る注射針の廃棄処
理容器の部分上面図、部分側断面図及び部分斜視図、 第2図は本発明に係る注射針の廃棄処理容器に使用され
る注射針及び注射筒の側面図、 第3図は注射針の廃棄処理容器に注射針が挿通された要
部側断面図、 第4図は環状バンドを切り取った時の注射針の廃棄処理
容器の要部断面図、 第5図(A)乃至(C)は本発明に係る注射針の廃棄処
理容器の他の実施例について、注射針の分離及び容器本
体内への収容の手順を説明する図、 第6図は第5図の廃棄処理容器の要部を示す断面図であ
る。 10……容器本体、12……注射針分離用蓋、14……分離
口、 16……注射筒、18……注射針、20……針部、 22……ハブ、24……フランジ部、26……スリット、 28……環状バンド、30……上蓋、34……突起部 36……一時係止部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−70064(JP,A) 特開 平1−195866(JP,A) 実開 平1−150952(JP,U) 実開 平1−178049(JP,U) 実開 平1−195865(JP,U) 実開 平1−82033(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】廃棄する注射針を収容する容器本体と、容
    器本体の口部に取り付けられた注射針分離用蓋と、該注
    射針分離用蓋にヒンジ連結された上蓋とから成る注射針
    の廃棄処理容器において、 前記注射針分離用蓋は、頂板部とその周縁から垂下した
    スカート部とから成り、該頂板部には、ハブ付注射針を
    注射筒から分離するための拡縮可能な分離口が形成さ
    れ、且つ該分離口の周囲には、頂板部上面から切り離し
    可能に環状部材が設けられており、 前記分離口は、容器本体側に向かって先細りのテーパー
    形状を有しており、注射筒に注射針が装着されている注
    射器を挿入すると、ハブ付の注射針は、分離口の拡開に
    より分離口を通り抜け可能であるが、前記注射筒は、分
    離口の拡開によっても分離口を通り抜け不能であり、且
    つ分離口の自己収縮により、分離口を通り抜けた注射針
    のハブは分離口を逆行することがないように構成されて
    おり、 前記上蓋の内面には、前記分離口内に突入して引出し不
    能に係合し得る突起部が形成されており、上蓋を閉じる
    と、前記環状部材の上端と係合して前記分離口を完全に
    覆うが、この状態では前記突起部は少なくとも引出し不
    能となるまで分離口内に突入することはなく、前記環状
    部材を切り離した場合には、上蓋を閉じると前記突起部
    が前記分離口内に突入して引出し不能に係合することを
    特徴とする廃棄処理容器。
  2. 【請求項2】前記分離口には、注射針のハブが分離口を
    通過する際に、これを一時的に係止する小径の一時係止
    部が形成されている請求項第1項記載の廃棄処理容器。
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