JP2673336B2 - 空気−金属水素化物二次電池 - Google Patents
空気−金属水素化物二次電池Info
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Description
の第三電極、負極にMH極を有する空気−MH電池に関
するものである。
化物二次電池を「空気−MH電池」と略し、金属水素化
物電極を「MH極」と略す。
のアルカリ二次電池としてNi−MH電池が実用化され
ているが、この電池の正極をガス拡散電極としての空気
極と置き換えた空気−MH電池も検討され(J.Sarradi
n, G.Broneil, A.Percheron-Guegan and J.C.Achard, "
Power Sources", 7巻, p.345 (1979).)、また、アルカ
リ電解液の代わりにイオン交換膜を用いて二酸化炭素の
影響を除くアイディアも提案されてきた(C.Folonari,
G.Iemmi, F.Manferdi and A.Rolle,"Journal of the Le
ss-Common Metals", .74巻, p.371 (1980).)。
て、水素ガスで充電する新しいエネルギー変換システム
も提案されている(K.Videm,"Hydrides for Energy Sto
rage", p.463 (1978), Pergamon Press, Oxford.)。こ
の空気−MH電池には、正極活性物質(O2)を電池内
に蓄えなくて良いので重量エネルギー密度が高い、負極
のみの充電で良いので、電気化学充電・ガス再生の両方
が可能な電池を形成できるというメリットがある。
電すれば良い。よって、充電時に空気極が酸化されるの
を防ぐために、第三電極としてNiスクリーンなどが用
いられている。これは、ポリアミド、親水化ポリプロピ
レン、親水化ポリエチレンなどで出来た不織布を用いて
MH極と隔離されている。
池、Ni−Cd電池等は、特に密閉型では、過充電、過
放電時に正極で発生するガスが素早くセパレーター内を
拡散して、負極上で消費される必要があったために、セ
パレーターの孔径が数十μm〜数百μmであることが必
要であり、空気−MH電池でもそのセパレーターをその
まま用いていた。しかし、空気−MH電池では、セパレ
ーターの孔径が数十μm〜数百μmと大きいと、充電時
に第三電極上で発生する酸素ガスがセパレーター中を拡
散して行き、MH極中に蓄えられた水素と反応してしま
い、充電効率が低くなるという問題点があった。
を提供することを目的とする。
を解決するため鋭意研究をし、空気−MH電池では、密
閉電池ではないこと、第三電極は充電のための補助極で
あり放電には関与しないことから、O2ガスが拡散しな
い様にする目的のために、孔径が小さいセパレーターで
済むようになることを見いだし、本発明を完成した。本
発明は、以下の空気−MH電極を提供するものである。
を有し、空気極とMH極の間及びMH極と第三電極の間
にセパレーターを有してなる空気−MH電池において、
MH極と第三電極の間に酸素ガスの透過しにくいセパレ
ーターを有する空気−MH電池(以下、第1発明とい
う)を提供するものであり、具体的には以下の空気−M
H電池を提供するものである。
が酸素ガスの透過率が0.5〜5リットル/min・c
m 2 の親水性微細孔性ポリマーフィルムである空気−M
H電池(以下、第2発明という)。
が酸素ガスの透過率が0.01〜0.1リットル/mi
n・cm 2 の親水性非多孔性ポリマーフィルムである空
気−MH電池(以下、第3発明という)。
がポリアミド及び/又はポリオレフィン系ポリマーの不
織布を親水性ポリマーフィルムの両側に配した構造であ
る空気−MH電池(以下、第4発明という)。
が、多孔性支持体上に親水性ポリマーフィルムの薄膜が
形成されたセパレーターである空気−MH電池(以下、
第5発明という)。
が耐アルカリ性の無機化合物を多孔性樹脂シートに充填
した複合膜である空気−MH電池(以下、第6発明とい
う)。
6O13、ZrO2、Al2O3、SiO2またはBNである
5.に記載の空気−MH電池。
が石綿やジルコニウム繊維、チタン酸カリウム繊維、ア
ルミナ繊維および人造無機化合物繊維からなる群から選
ばれる少なくとも一種であるか、あるいは、それらをポ
リマーと複合化したシートである空気−MH電池(以
下、第7発明という)。
電極の間を酸素ガスが透過しにくい0.01〜1μmの
微細孔性、あるいはイオン交換膜やセルロース膜の様な
非多孔性、あるいは無機繊維のシートや無機化合物とポ
リマーとを複合化したポリマーフィルムで隔離すること
により、充電時に発生する酸素ガスがセパレーター中を
拡散して行き、MH極中に蓄えられた水素と反応し充電
効率が低下するのを抑制することを特徴とする。
極及び第三電極を有するが、これらは、従来公知のもの
が広く用いられる。例えば、空気極としてはNi焼結体
に銀触媒を担持したもの、カーボン粉に白金触媒を担持
してポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等で結着
してシート状にしたもの等が挙げられ、MH極としては
LaNi5系、MmNi5系、Ti−Ni系、Zr−Ni
系などの水素吸蔵合金粉末をPTFEなどで結着してシ
ート状にしたもの等が用いられ、第三電極としては、エ
キスパンドNi、Ni繊維シート、発泡Ni等が例示さ
れる。また、電解液などのその他の成分も従来公知のも
のが広く用いられる。
極の間の酸素ガスの透過を制限するものであり、具体的
には、該セパレーターの酸素ガスの透過率は、微細孔膜
では0.5〜5リットル/min・cm2、非多孔性膜
では0.01〜0.1リットル/min・cm2であ
る。これに対し、従来のポリアミド(ナイロン)不織布
では5リットル/min・cm2以上である。また、本
発明において使用するセパレーターとしては、酸素の透
過を制限する性質を有することに加えて、親水性を有す
るもの、絶縁性を有するもの、アルカリ性溶液中で高い
イオン導電性を示すものが好適である。
ポリマーフィルムを使用する。該フィルムは、親水性ポ
リマーをフィルム状にして製造される。該親水性ポリマ
ーとしては、ポリプロピレン、PTFE、テトラフルオ
ロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FE
P)、ポリエチレン、ポリスチレンなどの重合体を親水
化処理したもの等が挙げられ、好ましい親水性ポリマー
としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げられ
る。該ポリマーから製造されるフィルムの厚みは10〜
100μm程度、好ましくは20〜50μm程度であ
る。「微細孔性」とは、孔の平均孔径が0.01〜1μ
m、好ましくは0.05〜0.5μmであることを意味
する。微細孔性ポリマーフィルムを得るための方法とし
ては、ポリマーを溶媒に溶かし、成膜後に、溶媒を乾燥
させる湿式乾燥法や機械的に膜を延伸することにより孔
径を調節する延伸法等が挙げられる。本発明においてセ
パレーターとして使用できるフィルムとして、ダイセル
化学工業(株)製のセルガード3501(商品名)を挙
げることができる。
ポリマーフィルムを使用する。該フィルムは、親水性ポ
リマーをフィルム状にして製造される。親水性ポリマー
としては、上記第2発明で例示したものが用いられる。
フィルムの厚みは、10〜150μm程度、好ましくは
30〜80μm程度である。「非多孔性」とは、実質的
に孔がないことを意味する。親水性非多孔性膜では、ガ
スは膜に溶解して拡散することがあるが、本発明におい
て使用する親水性非多孔性膜は酸素ガス透過度が小さ
い。
び第3発明で用いる親水性ポリマーフィルムと同じ材
質、厚みのフィルムを用いることができる。このフィル
ムは微細孔性であっても、また、非多孔性であってもよ
く、特に制限はない。また、不織布の材質として、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリアミド(例えばナイロ
ン)を使用することができる。また、不織布は、セパレ
ーターの片側だけに配することも、また、両側ともに配
することも可能である。不織布の厚みは、100〜30
0μm程度、好ましくは150〜250μm程度であ
る。
樹脂等の非金属からなる厚みが100〜300μmであ
り、多孔度が50〜90%である板状のものである。親
水性ポリマーフィルムの材質、厚みは、本第2及び第3
発明と同様である。このフィルムからなる薄膜は、微細
孔性、非多孔性の薄膜である。
であり、且つアルカリ性溶液中で高いイオン導電性を示
すものであり、例えばTiO2、K2Ti6O13、Zr
O2、Al2O3、SiO2、BN等が挙げられる。多孔性
樹脂シートとは、PTFE、FEP、ポリプロピレン、
ポリエチレンなどの材質のシートであって、孔の大きさ
は100〜300μm程度であり、多孔度は50〜90
%程度である。該シート1cm2あたり、無機化合物を
20〜100mg程度充填する。複合膜とは、ポリマー
と無機化合物とを含んでいる膜を意味する。
チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維又はその他の人造
無機化合物繊維を用いてもよく、あるいは、それらをポ
リマーと複合化したシートとして用いてもよい。上記そ
の他の人造無機化合物繊維としては、酸化チタン繊維、
チッ化ホウ素繊維等が例示される。また、シート形成用
のポリマーとしては、PTFE、FEP、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等が例示される。複合化とは、上記繊
維を該ポリマーを結着剤としてシート化することや、上
記酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナなど
の粉末を上記ポリマーの多孔体中に充填することを意味
する。
酸素ガスがセパレーター中を拡散していくことによって
MH極中の水素が消費されることがなく、充電効率が低
くなることがない。
る。ここで、Mは水素吸蔵合金のことである。
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
において、1はMH極でMm1.02Ni3.75Co0.75Mn
0.2Al0.3粉末をポリテトラフルオロエチレン(PTF
Eディスパージョン、ダイキン工業D−2)で結着して
シート状にしたものである。2は空気極でNi焼結体に
銀触媒を担持したもので、PTFEにより撥水化処理さ
れている。3は第三電極側セパレーターである。4はエ
キスパンドNiを用いた第三電極である。5は親水化処
理したポリプロピレン製の空気極側セパレーターであ
る。6は電池ケースである。7は電解液で6N−水酸化
カリウム水溶液からなる。1のMH極は容量既知の焼結
式Ni極との組み合わせで容量が960mAhであった
ため、充電は192mA(0.2C)で5時間行い、3
0分の休止後、放電は192mAでMH極の電位が−
0.6V(酸化水銀電極基準)になるまで行った。
を表1に示した。比較例には5の空気極側セパレーター
と同一のものを用いた。
膜はポリプロピレン製に限定したものではなく、その他
のポリマー、例えばPTFE、FEP、ポリエチレン、
スチレンなどを親水化処理して用いることが出来る。
0μmであり、特に20〜50μmであることが望まし
い。これは、厚さが100μmを超えると電解液が浸み
込みにくくなるために電気抵抗が大きくなり充電電圧が
大きくなり、10μmより薄いと充電時に発生する酸素
の拡散を防ぐことが出来なくなり、充電効率が低下する
ことや機械的強度が低下するためである。よって、機械
的強度を増すために、この両側をポリアミドやポリプロ
ピレンの不織布で保持しても良い。また、多孔性支持体
上に上記ポリマーの薄膜を形成して用いても良い。その
薄膜の厚さは1〜10μmに出来る。
基を有するものではあるが、これに限定したものではな
く、スルホン酸基やカルボン酸基を有するカチオン交換
膜などを用いることが出来る。材質は炭化水素でもフッ
素系樹脂でもよい。
であり、特に30〜80μmであることが望ましい。こ
れは、厚さが150μmを超えると電気抵抗が大きくな
るために充電電圧が上昇し、10μmより薄いと充電時
に発生する酸素が透過してしまうために充電効率が低下
したり機械的強度が低下するためである。よって、機械
的強度を増すために、この両側をポリアミドやポリプロ
ピレンの不織布で保持しても良い。また、多孔性支持体
上にイオン交換樹脂の薄膜を形成したものでも良い。そ
の薄膜の厚さは1〜10μmとすることが出来る。
れるものではなく、それ自身が親水性を持つポリマーで
あれば良い。例えば、ポリアミド(例えばナイロン)な
どである。しかし、それらは加水分解されて性能が低下
する可能性があるため、ポリプロピレン、フッ素系樹脂
の表面にスルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基などの
親水性基を付加したものや、表面を界面活性剤で処理し
て親水化するなどして用いることも出来る。また、多孔
性支持体上にポリマーの薄膜を形成して用いることが出
来る。その薄膜の厚さは1〜10μmとすることが出来
る。
は、これに限ったものではなく、TiO2代用として、
K2Ti6O13、ZrO2、Al2O3、SiO2、BNなど
を多孔性樹脂膜に充填して用いることも出来る。
ではなく、その代用として、酸化ジルコニウム繊維、チ
タン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、その他人造無機化
合物繊維などを単独で、または、ポリマーと複合化して
用いることも出来る。
貴金属を用いることも可能であり、カーボン粉末に白
金、銀などの触媒を担持したものをテフロン系の樹脂で
結着したもの、その他のガス拡散電極を用いることも出
来る。
n0.2Al0.3に代えて、LaNi5やMmNi5をベース
とした類似の水素吸蔵合金やTiNi系、Ti(Zr)
Ni2ラーベス系の水素吸蔵合金を用いることも可能で
ある。
較例の充電特性を調査したので、その結果を表2に示
す。
で実施例3となった。これは、非孔性膜や微細孔膜が有
効に酸素の拡散を防いだためである。
電池が得られた。
ター 4:第三電極 5:空気極側セパレーター 6:電槽 7:電解液
Claims (5)
- 【請求項1】空気極と第三電極の間にMH極を有し、空
気極とMH極の間及びMH極と第三電極の間にセパレー
ターを有してなる空気−MH電池において、MH極と第
三電極の間のセパレーターが酸素ガスの透過率が0.5
〜5リットル/min・cm 2 の親水性微細孔性ポリマ
ーフィルム又は酸素ガスの透過率が0.01〜0.1リ
ットル/min・cm 2 の親水性非多孔性ポリマーフィ
ルムからなる親水性ポリマーフィルムである空気−MH
電池。 - 【請求項2】MH極と第三電極の間のセパレーターがポ
リアミド及び/又はポリオレフィン系ポリマー製の不織
布を親水性ポリマーフィルムの両側に配した構造である
請求項1に記載の空気−MH電池。 - 【請求項3】MH極と第三電極の間のセパレーターが、
多孔性支持体上に親水性ポリマーフィルムの薄膜が形成
されたセパレーターである請求項1に記載の空気−MH
電池。 - 【請求項4】空気極と第三電極の間にMH極を有し、空
気極とMH極の間及びMH極と第三電極の間にセパレー
ターを有してなる空気−MH電池において、MH極と第
三電極の間のセパレーターが耐アルカリ性の無機化合物
を多孔性樹脂シートに充填した複合膜である空気−MH
電池。 - 【請求項5】無機化合物がTiO2、K2Ti6O13、Z
rO2、Al2O3、SiO2またはBNである請求項4に
記載の空気−MH電池。
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JPH07272771A JPH07272771A (ja) | 1995-10-20 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Cited By (1)
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JP4829453B2 (ja) * | 1999-09-30 | 2011-12-07 | エバレデイ バツテリ カンパニー インコーポレーテツド | 超薄セパレータを有する電気化学電池及びその製造法 |
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JP5626872B2 (ja) * | 2010-09-16 | 2014-11-19 | 学校法人同志社 | 水素/空気二次電池 |
JP6912200B2 (ja) * | 2014-08-08 | 2021-08-04 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 蓄電装置および携帯電話 |
EP3396740B1 (en) * | 2015-03-19 | 2020-06-17 | NantEnergy, Inc. | Electrochemical cell comprising an electrodeposited fuel |
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JPS4423621Y1 (ja) * | 1966-05-13 | 1969-10-06 | ||
JPS5629337B2 (ja) * | 1974-11-28 | 1981-07-08 | ||
JPH05290873A (ja) * | 1992-04-14 | 1993-11-05 | Yuasa Corp | 空気−水素電池 |
JP3272075B2 (ja) * | 1993-01-25 | 2002-04-08 | 三洋電機株式会社 | 空気−水素化物電池 |
-
1994
- 1994-03-31 JP JP6062362A patent/JP2673336B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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