JP2673222B2 - 吸水性組成物の製造方法 - Google Patents
吸水性組成物の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸水性組成物に関す
る。特にはその製造方法に関し、さらには製品の吸収性
質を改善する目的で製品中に吸水性組成物を含有させる
ことに関する。 【0002】 【従来の技術】吸収剤組成物は高い吸収能力を必要とす
る製品の製造において広く使用されている。例えば、吸
水性組成物が外科用及び歯科用スポンジ、タンポン、衛
生ナプキン及びパッド、包帯、使い捨ておしめ、肉用ト
レイ及び家庭用ペット用寝所の製造に使用されている。
吸水性組成物はまた水保持性を改良し、かつ空気容量を
増加させるよう土壤の改良にかつ多数の他の用途にも使
用される。 【0003】本明細書中で使用したように「吸水性(W
ater−absorbing)」及び「吸水剤(Wa
ter−absorbent)」という表現中に使用さ
れた場合、「水(water)」という語は単に水のみ
ではなく、体液のような電解質溶液も意味すると理解さ
れる。 【0004】吸水能力を示す多数の吸収剤組成物が開発
されている。例えば、米国特許第3,954,721号
及び同第3,983,095号は無水マレイン酸と少な
くとも1種の好適なビニル単量体との繊維状形態をした
共重合体の誘導体の製造を開示している。繊維状共重合
体はアンモニアまたは水酸化アルカリ金属との反応によ
り親水性かつ水膨潤性にされる。米国特許第3,81
0,468号は実質的に線状の共重合体として製造され
次いでジオールまたはジアミンと反応されることにより
架橋が導入された軽く架橋されたオレフィン−無水マレ
イン酸共重合体を開示している。得られた軽く架橋され
た共重合体はアンモニアまたは水酸化アルカリ金属の水
性もしくはアルコール溶液で処理される。米国特許第
3,989,586号はスチレンまたはオレフィン類の
無水マレイン酸との架橋共重合体を紙ウエブ中に含有さ
せ、次いでこれを処理することにより共重合体を水膨潤
性塩形態に転換することによる収着性紙製品の製造を記
載している。米国特許第3,980,663号はグリセ
リンジグリシジルエーテルとの架橋によりカルボキシル
系高分子電解質から製造した水膨潤性吸収剤製品を記載
している。米国特許第4,332,917号及び同第
4,338,417号はスチレン及び無水マレイン酸の
共重合体の、ビニル不飽和を有する単量体系エステルか
ら誘導された重合体、例えばポリ(酢酸ビニル)、セル
ローストリアセテート、セルロースアセトブチレート、
ポリ(アクリル酸エチル)及びポリ(メタクリル酸メチ
ル)とのブレンドを開示している。米国特許第4,42
0,588号は1,3−ジエンゴム及びゴム中に分散さ
れた吸水性樹脂を含む吸水性ゴム組成物を教示してい
る。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】繊維状形態をした吸水
性組成物を有することの望ましさはよく知られている。
例えば、使い捨ておしめ及びタンポンのような衛生製品
において、繊維は製品中により簡単に拘束されうる。こ
の点に関し、従来技術の吸水性組成物は不十分である。
それらは繊維形成を促進しない。それらの架橋反応の速
度のために、従来技術の吸水性組成物は何ら顕著な保存
寿命を有さない。繊維形成は組成物が製造された後すぐ
に完結されなければならない。 【0006】本発明の方法により製造される吸水性組成
物は優れた保存寿命を有している。それらは広い範囲の
時間及び温度に亘って繊維形成を促進する。それらはま
たハイドロゲルまたは水膨潤状態にて優れた一体性を有
し、優れた水及び電解質溶液吸収能力を示し、かつ通常
の方法を用いて通常の吸水性製品中に容易に含有され
る。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、(A)(i)25 〜75モルパーセントの(イ)カルボ
キシル基及びその塩から選ばれる少なくとも1の懸垂基
をもつ少なくとも1のα,β−不飽和単量体の反復単位
及び75〜25モルパーセントの(ロ)カルボキシル基
及びその塩のいずれももたない少なくとも1の共重合可
能なコモノマーの反復単位を含み且つ、該懸垂基全体の
20〜80パーセントがカルボキシル基であって80〜
20パーセントがその塩である共重合体、及び(ii)ヘ
テロ環カーボネートの配合物を製造し、(B) 得られた配合物を成形するか又は成形することな
く硬化させる工程を含む吸水性組成物の製造方法が提供
される。 【0008】さらに本発明によれば、(i)25 〜75モルパーセントの(イ)カルボキシル
基及びその塩から選ばれる少なくとも1の懸垂基をもつ
少なくとも1のα,β−不飽和単量体の反復単位及び7
5〜25モルパーセントの(ロ)カルボキシル基及びそ
の塩のいずれももたない少なくとも1の共重合可能なコ
モノマーの反復単位を含み且つ、該懸垂基全体の20〜
80パーセントがカルボキシル基であって80〜20パ
ーセントがその塩である共重合体、及び (ii) ヘテロ環カーボネートの配合物の硬化体からなる
水吸収性組成物が提供される。該組成物はそれを支持す
る物品に組み入れて使い捨ておむつ、タンポン、衛生ナ
プキン、外科用又は歯科用スポンジ、使い捨て包帯等と
することができる。 【0009】さらに本発明によれば、(i)25 〜75モルパーセントの(イ)カルボキシル
基及びその塩から選ばれる少なくとも1の懸垂基をもつ
少なくとも1のα,β−不飽和単量体の反復単位及び7
5〜25モルパーセントの(ロ)カルボキシル基及びそ
の塩のいずれももたない少なくとも1の共重合可能なコ
モノマーの反復単位を含み且つ、該懸垂基全体の20〜
80パーセントがカルボキシル基であって80〜20パ
ーセントがその塩である共重合体;及び(ii) ヘテロ環カーボネートの配合物の硬化体からなる
吸水性組成物を製品中に含有させる工程を含み、なお該
組成物は組成物の不存在下における製品の吸水特性と比
較して該製品の少なくとも一つの吸水特性を向上させる
のに効果的な量で含有される、製品の吸水特性を向上さ
せる方法が提供される。該製品は使い捨ておむつ、タン
ポン、衛生ナプキン、外科用又は歯科用スポンジ、使い
捨て包帯等であることができる。 【0010】さらに本発明によれば、(i)25 〜75モルパーセントの(イ)カルボキシル
基及びその塩から選ばれる少なくとも1の懸垂基をもつ
少なくとも1のα,β−不飽和単量体の反復単位及び7
5〜25モルパーセントの(ロ)カルボキシル基及びそ
の塩のいずれももたない少なくとも1の共重合可能なコ
モノマーの反復単位を含み且つ、該懸垂基全体の20〜
80パーセントがカルボキシル基であって80〜20パ
ーセントがその塩である共重合体;及び(ii) ヘテロ環カーボネートの配合物の硬化体からなる
吸水性組成物と、吸収されるべき水または電解質溶液を
接触させる工程を含む水及び電解質溶液の吸収方法が提
供される。 【0011】 【発明の実施の形態】吸水性組成物を製造するため使用
するのに適した共重合体は約25〜75全モルパーセン
トの少なくとも1種のα,β−不飽和単量体(側鎖即ち
懸垂基としてカルボキシル基とその塩をもつ)の反復単
位及び約75〜25全モルパーセントの少なくも1種の
共重合可能な上記の懸垂基をもたないコモノマーの反復
単位を含有する。好ましくは、共重合体は約35〜65
全モルパーセントの少なくとも1種のα,β−不飽和単
量体の反復単位及び約65〜35全モルパーセントの少
なくとも1種の共重合可能なコモノマーの反復単位を含
有する。最も好ましくは、共重合体は等モル共重合体で
ある。 【0012】α,β−不飽和単量体は少なくとも1個の
側鎖カルボキシル基又はその誘導体を有するものであ
る。カルボキシル誘導体にはカルボキシル塩の基、カル
ボン酸アミド基、カルボン酸イミド基、カルボン酸無水
物基及びカルボン酸エステル基が含まれる。 【0013】好適なα,β−不飽和単量体にはマレイン
酸、クロトン酸、フマール酸、メサコン酸、マレイン酸
のナトリウム塩、2−メチル−2−ブテンジカルボン酸
のナトリウム塩、イタコン酸のナトリウム塩、マレイン
アミド酸、マレアミド、N−フェニルマレイミド、マレ
イミド、無水マレイン酸、無水フマル酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸、無水メサコン酸、無水イタコン
酸メチル、無水マレイン酸エチル、マレイン酸ジエチ
ル、マレイン酸メチル等及びそれらの混合物が含まれ
る。 【0014】任意の好適な共重合可能なコモノマーが使
用できる。好適な共重合可能なコモノマーにはエチレ
ン、プロピレン、イソブチレン、C1 〜C4 アルキルメ
タクリレート類、酢酸ビニル、メチルビニルエーテル、
及び式: 【0015】 【化1】 【0016】(式中、Rは水素または1〜6個の炭素原
子を有するアルキル基を示し、かつベンゼン環は低分子
量アルキルまたはヒドロキシ基により置換されていても
よい)を有するスチレン系化合物が含まれる。好適なC
1 〜C4 アルキルアクリレート類にはアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アク
リル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル等及びそれ
らの混合物が含まれる。 【0017】そして、好適なスチレン系化合物にはスチ
レン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−
ブチルスチレン等及びそれらの混合物が含まれる。 【0018】α,β−不飽和単量体上の側鎖単位(懸垂
基)は、吸水性組成物を製造するのに必要な必須側鎖単
位、すなわち約20〜80パーセントの側鎖カルボキシ
ル基及び約80〜20パーセントの側鎖カルボキシル塩
の基を有する共重合体を得るために、必要に応じてどの
ような追加反応を行わなければならないかを決定するで
あろう。好ましくは、両方の単位即ちカルボキシル基又
はその塩の基は約30〜70パーセントの量で存在す
る。 【0019】一般に、α,β−不飽和単量体がカルボン
酸アミド、カルボン酸イミド、カルボン酸無水物、カル
ボン酸エステル基またはその混合物のみを有するなら
ば、このようなカルボキシル誘導体基の少なくとも一部
を、例えば加水分解反応により、カルボキシル基に転換
する必要があろう。もしα,β−不飽和単量体がカルボ
キシル塩の基のみを有するならば、カルボキシル基を形
成するための酸性化が必要となろう。 【0020】同様に、最終共重合体は約80〜20パー
セントの側鎖カルボキシル塩の基を含有しなくてはなら
ない。従って、中和反応を行う必要があろう。カルボキ
シル基の例えばNaOH、KOH、アンモニア、アンモ
ニア水溶液または有機アミン類のような強有機または無
機塩基による中和はカルボキシル塩の基、好ましくはカ
ルボキシル金属塩の基の形成を生じよう。 【0021】更に、共重合体主鎖に結合された望ましい
官能性を得るため行われる反応(加水分解、酸性化、中
和等)の順序及び数は重要ではない。約20〜80パー
セントの側鎖カルボキシル基及び約80〜20パーセン
トの側鎖カルボキシル塩の基を有する最終共重合体を生
じる任意の数及び順列が好適である。 【0022】使用に特に好適な一つの共重合体は無水マ
レイン酸及びイソブチレンの共重合体である。他は無水
マレイン酸及びスチレンである。好適な共重合体は約5
000〜500,000またはそれ以上のピーク分子量
を有する。 【0023】無水マレイン酸及びイソブチレンの好適な
共重合体は任意の好適な通常の方法を用いて製造でき
る。このような共重合体はまたクラレイソブレン化学工
業(株)から商標ISOBAMとして市販されている。
ISOBAM共重合体は粘度分子量により区別されたい
くつかの等級、すなわちISOBAM−10、160,
000〜170,000;ISOBAM−06、80,
000〜90,000;ISOBAM−04、55,0
00〜65,000及びISOBAM−600、6,0
00〜10,000として入手できる。 【0024】吸水性組成物を製造するため、少なくとも
1種の共重合体及び少なくとも1種のヘテロ環カーボネ
ートを、吸水性組成物が重量パーセントで約80〜9
9.5全共重合体及び約0.5〜20ヘテロ環カーボネ
ートを含有するよう配合する。好ましくは、組成物は約
90〜99重量パーセントの全共重合体及び約1〜10
重量パーセントの全ヘテロ環カーボネートを含有するで
あろう。 【0025】任意の好適なヘテロ環カーボネートが使用
できる。好ましくはヘテロ環カーボネートは以下の一般
構造 【0026】 【化2】 【0027】(式中、各Rは別個に水素原子、アルキル
基、芳香族基、ハロゲン基、置換アルキル基、または置
換芳香族基を示す)で表されるものである。 【0028】上記構造で表されるヘテロ環カーボネート
類にはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネー
ト、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレン
カーボネート、フェニルエチレンカーボネート等及びそ
れらの混合物が含まれる。プロピレンカーボネートが好
ましい。 【0029】吸水性組成物が以下の実施例に記載された
ような任意の好適な配合方法を用いて製造できる。吸水
性組成物が製造された後、但し典型的にはそれが硬化さ
れる前にあるいは場合によってはそれが硬化中に、それ
は通常の加工方法を用いて任意の所望の形態に加工され
る。例えば、吸水性組成物は注型、スプレー乾燥、空気
補助スプレー乾燥、空気繊維化、湿式、乾式もしくはフ
ラッシュ紡糸等にかけることができる。方法の選択は典
型的には最終用途に必要な形や形態により支配される。
吸水性組成物が加工されてなりうる形態には薄膜または
シート、粉末及び顆粒、繊維及び繊維が加工されてなり
うる任意の形態、例えば、加撚、束化(beamin
g)、糊付け(slashing)、たて織り(war
ping)、よこ織り(quilling)、切断(s
evering)、織物化(texturizin
g)、製織、編成、編組等も含めた様々な方法を用いた
ミルドファイバー、チョップドファイバー、フラックま
たはバルクファイバー、ストランド、糸、織布、不織マ
ットが含まれる。 【0030】いかなる理論にも拘束されるつもりはない
が、ヘテロ環カーボネートは硬化により共有架橋結合を
生じる共重合体にとって高温遅延反応性架橋剤として作
用すると考えられる。例えば、もしスチレン−無水マレ
イン酸共重合体がプロピレンカーボネートと配合されて
吸水性組成物を形成する場合、典型的に150℃以上の
温度が硬化のために必要であることが見出された。同様
に、エチレン−無水マレイン酸共重合体が使用される場
合、典型的に140℃以上の温度が硬化のために必要で
ある。そして、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体
が使用される場合、典型的には200℃以上の温度が硬
化のために必要である。 【0031】本発明を制限する意図はないが、吸水性組
成物はそれらが成型されうる広い時間及び温度範囲のた
め繊維に製造されるのに特によく適している。より詳し
くは、吸水性組成物は約140℃から約250℃または
それ以上の範囲の温度で硬化するため処方でき、かつ実
施例11中で立証したように2ヶ月を超す保存寿命を有
する。吸水性組成物は本発明の方法及び装置を用いて簡
単に繊維に製造できる。 【0032】本発明の、組成物が含有される製品は広範
囲の吸収機能に使用するのに適している。一般に、吸水
性組成物が含有される製品は組成物を支持しかつそれを
吸収最終用途に適した形態で提供する機能に役立つ。吸
収用途のための組成物を支持しかつ提供する手段には包
帯、外科用及び歯科用スポンジ、タンポン、衛生ナプキ
ン及びパッド、使い捨ておしめ、肉トレイ、汗吸収用パ
ッド等が含まれるが、それらに限定されない。 【0033】一つの実施態様において、吸水性組成物を
通常の加工方法を用いて使い捨ておしめ中に含有させる
ことにより下記の典型的な層:(1)不透過性ポリエチ
レンフィルムの外膜(身体から離れている)、(2)フ
ィルム上に載せられた第一のセルロース系パルプ層、
(3)例えば粉末、繊維、フラック、例えば繊維状塊、
不織繊維マットまたは織物の形態をした本発明の硬化し
た吸水性組成物の層、(4)存在任意の第二のセルロー
ス系パルプ層及び(5)内側透過性ポリエチレンフィル
ム層、を有するおしめ製品が形成される。 【0034】吸水性組成物から製造された繊維は特に吸
収剤用途に特に適している。繊維の塊は吸収させるべき
液体物質と接触させる大きな表面積を与え、かつ繊維が
それらが含有される製品中に容易に拘束されうるからで
あることがよく知られている。 【0035】以下、本発明を更に立証するために実施例
を示す。 【実施例】 実施例1 この実施例は本発明の実施に使用するのに適したα,β
−不飽和単量体及び共重合性コモノマーの共重合体の製
造を示す。約240gの無水マレイン酸、約255gの
スチレン、及び2370mlのメチルエチルケトンの溶
液を製造し、窒素雰囲気中で室温で1ガロン入り攪拌下
反応器中に導入した。反応器に約8.20gのVAZO
65重合開始剤(アゾイソブチロニトリル.E.I.D
upont)を仕込むことによりフリーラジカル重合を
開始した。重合を約55℃の温度で約24時間行った。
次いで、反応器内容物を希釈するためテトラヒドロフラ
ンを添加した。そして、重合生成物、すなわちスチレン
及び無水マレイン酸の共重合体を高速攪拌下でメタノー
ル中に沈澱させることにより回収した。共重合体を真空
オーブン中で30℃にて1晩、次いで90℃で約1時間
乾燥させた。約499gの共重合体が回収された。 【0036】乾燥したスチレン−無水マレイン酸共重合
体を、マレイン酸の滴定により分析し、43モルパーセ
ントの無水マレイン酸(41.7重量%)を含有するこ
とが分かった。共重合体の残りはスチレンであった。共
重合体は示差走査熱量法により234℃のガラス転移温
度及びポリスチレン標準を用いるゲル透過クロマトグラ
フィーにより108,000のピーク分子量を有するこ
とが見出された。 【0037】実施例2 この実施例は実施例1で製造したスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体を用いる5種の吸水性組成物の製造を示
す。シリーズとして5種の吸水性組成物(I〜V)を製
造した。各組成物は以下のように個々に製造した。 【0038】約10gの共重合体及び約150gの脱イ
オン水を攪拌下で混合器に添加し、混合器内容物を約9
0℃に加熱した。約90℃の温度で、所定量の水酸化ナ
トリウム(純度98.9%、ペレット)の10gの脱イ
オン水中溶液を攪拌下1時間要して混合器にゆっくり添
加した。各組成物に添加された水酸化ナトリウムの量
は、(酸無水物から転換された)側鎖カルボキシル基の
特定割合をカルボン酸ナトリウム塩の基に転換(ここで
は中和)させるため計算した。添加完結後、攪拌を約1
時間続け、共重合体を溶液中に溶解した。 【0039】得られた共重合体含有溶液を室温まで冷却
し、0.5gのプロピレンカーボネート(純度99%、
Aldrich Chemical)を攪拌下で溶液に
添加した。得られた組成物をマイラー(Mylar)フ
ィルム上に注加した。マイラーフィルム上の組成物を空
気乾燥させ、次いで更に真空オーブン中で60℃で30
分間乾燥させた。組成物を約300ミクロンの直径を有
する粒子へと粉砕し、熱風循環オーブン中で約30分間
160℃で硬化させた。 【0040】上記した方法を用いて、5種の吸水性組成
物(I−V)を、下表に示す水酸化ナトリウムの量を用
いて製造した。更に、各組成物をそれらの膨潤指数、溶
解度を決定するための試験にかけ、その結果もまた表に
示した。膨潤指数及び溶解度を決定するため用いた方法
を下記に示す。 【0041】 【表1】【0042】膨潤指数 この試験方法は米国特許第4,454,055号に記載
されている。ここで用いた試験方法及び装置は米国特許
第4,454,055号中に記載された方法及び装置と
比較してわずかに変更されている。 【0043】大気(室)圧下における膨潤指数を決定す
るため、試験すべき吸水性組成物約0.2〜0.3gを
空のW字型ティーバッグ中に入れる。組成物を含有する
ティーバッグを10分間食塩水(0.9重量% NaC
l)中に浸漬し、30秒間ペーパータオル上に置いて表
面の食塩水を除去する。組成物の膨潤指数、すなわち、
試料単位当りに吸収された液体の量を以下の式を用いて
計算する。 【0044】 【数1】 【0045】圧力下での膨潤指数を決定するため、以下
の変更方法を用いた。試料組成物を含有するティーバッ
グを食塩水に浸漬し、次いで表面食塩水を除去した後、
それを、2000mlのサイドアーム真空フィルターフ
ラスコを備えかつ圧力計を接続させた内径16cmのブ
フナー・ロート中に直ちに置く。次いで、1片の歯科用
ダムゴム連続シートをロートの口周囲に、シートが丁度
ティーバッグを支えるように、ロートの口周囲にしっか
り固定する。次いで、所望の圧力を生じるのに十分な真
空を5分間フラスコ上に生じさせ、上記の式を用いて圧
力下の膨潤指数を計算する。 【0046】溶解度(%) 約5gの試験すべき吸水性組成物を時折緩かな攪拌を行
いながら約150gの食塩水(0.9重量% NaC
l)中に分散する。20分後、混合物を150ミクロン
のポリプロピレンスクリーン中に通す。次いで、濾液を
オーブン中に恒量になるまで乾燥させ、可溶性組成物の
重量は乾燥濾液の全重量からNaClの重量を引くこと
により決定した。次いで、溶解度(%)を以下の式を用
いて決定した。 【0047】 【数2】 【0048】実施例3 この実施例は実質的に実施例2の方法を用いて本発明の
吸水性組成物の製造を示し、更にその吸収剤性質に対す
る異なる硬化温度の効果を示す。実質的に実施例2に記
載した方法を用いて、実施例1中で製造したスチレン−
無水マレイン酸共重合体約10gを加水分解し、次いで
1.7gの水酸化ナトリウムを用いて一部中和すること
により共重合体上の側鎖カルボキシル基の約50%を転
換した。次いで、得られた組成物(VI)を10phr
(9.1重量%)のプロピレンカーボネートと配合し、
次いで組成物を3等分した。3等分した各々を異なる硬
化温度で30分間硬化した。一つは150℃で硬化し、
一つは160℃で硬化し、他方は170℃で硬化した。
結果は以下の通りである。 【0049】 【表2】【0050】実施例4 この実施例は本明細書中に記載したように、実質的に実
施例2の方法を用いて本発明の吸水性組成物の製造を示
す。吸収剤性質に対するヘテロ環カーボネート含量の効
果を示すデータも下記に提示した。実質的に実施例2の
方法、組成物IIを用いて、3種の組成物(VII 及びVIII
及び対照)を製造した。全ての組成物を加水分解し、次
いでNaOHで一部中和することにより側鎖カルボキシ
ル基をカルボン酸ナトリウム塩に転換した。 【0051】組成物VII はこれがスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体を10phrのプロピレンカーボネートと
配合することにより製造された点で組成物IIとは異なっ
ていた。組成物VIIIはこれが共重合体を15phrのプ
ロピレンカーボネートと配合することにより製造された
点で異なっていた。対照組成物には何らプロピレンカー
ボネートは添加しなかった。これらの組成物の吸収剤性
質に対するプロピレンカーボネート含量の効果の結果を
下記に示す。組成物IIの吸収剤性質を比較目的のため掲
げた。それは5phrのプロピレンカーボネートを用い
た。 【0052】 【表3】 【0053】実施例5 この実施例はモンサント(Monsanto)から市販
のEMA−31(分子量100,000)と命名された
エチレン−無水マレイン酸の等モル交互共重合体を用い
る吸水性組成物の製造を示す。約15gのEMA−31
共重合体、150gの脱イオン水及び0.6g(4ph
r)を、攪拌下でかつ約90℃に加熱した混合器に添加
した。容器内容物が約90℃に到達したとき、20ml
の水に溶解した約4.85gのNaOHを30分間要し
てゆっくり導入した。 【0054】NaOH添加が完結した後、混合器の内容
物を約30分間攪拌した後、EMA−31共重合体は完
全に溶解していることが観察された。得られた溶液のp
Hは約6であった。得られた溶液中の水を固体組成物が
得られるまで蒸発させ固体組成物を更に真空オーブン中
で50℃で2時間乾燥させた。次いで、組成物を約30
0ミクロンの粒径を有する粉末に粉砕し、粉末を熱風循
環オーブン中で30分間160℃で硬化した。得られた
吸水性組成物IXの吸収剤性質を下記の表中に示す。 【0055】 【表4】【0056】実施例6 この実施例は上述したように、実質的に実施例5の方法
を用いる2種の吸水性組成物(組成物X及びXI)の製造
を示す。組成物XはEMA−31共重合体が1phrの
エチレンカーボネートと配合された点で実施例5の方法
及び物質と異なっていた。組成物XIはEMA−31共重
合体が1phrのエチレンカーボネートと配合され15
0℃で硬化された点で実施例5の方法及び物質と異なっ
ていた。組成物X及びXIの吸収剤性質は以下の通りであ
った。 【0057】 【表5】 【0058】実施例7 この実施例はクラレイソブレン化学(株)から市販のI
SOBAM10、イソブチレン/無水マレイン酸共重合
体を用いる吸水性組成物、組成物XII の製造を示してい
る。ISOBAM10は170,000の分子量及びマ
レイン酸の滴定により決定した約59.3重量%(4
6.6モル%)の無水マレイン酸含量を有する。 【0059】約957gのイソブチレン−無水マレイン
酸共重合体及び約1740gの脱イオン水を1ガロンの
攪拌下反応器に仕込み、約90℃に加熱した。248g
のNaOHを約372gの水に溶解した溶液を約45分
間要してゆっくり反応器に添加した。次いで、47.8
g(5phr)のプロピレンカーボネートを反応器に導
入し、反応器内容物を約10時間攪拌することによりイ
ソブチレン−無水マレイン酸共重合体を溶解した。得ら
れた溶液のpHは6.5であった。中和反応により4
6.6モル%の無水マレイン酸の反復単位上の側鎖の約
53.5%がカルボン酸ナトリウム塩に転換された。 【0060】得られた溶液を室温まで放冷し、次いで溶
液をオリフィスを通して温空気流に押出し、得られた繊
維化繊維でマイラーフィルム被覆ドラム上を包むことに
より繊維へと繊維化した。得られた繊維は約10ミクロ
ンの直径を有していた。得られた組成物XII から製造し
た繊維の2種の繊維状塊試料を別個に210℃及び22
0℃にて30分間硬化させた。下記表に繊維形態の組成
物XII の吸収剤性質を示す。 【0061】 【表6】 【0062】実施例8 この実施例は実質的に実施例7の物質及び方法を用いる
4種の吸水性組成物(組成物XIII〜XVI )の製造を示
す。各組成物は、処理により44.6モル%のマレイン
酸の反復単位を介して共重合体中に導入した側鎖の5
3.5%をカルボキシル基に転換させたイソブチレン−
無水マレイン酸共重合体(ISOBAM10)を用いて
製造した。4種の全ての組成物を粉末に粉砕し、粉末を
別個に硬化させ、それらの吸収剤性質を試験した。掲げ
た組成物及び方法データに従って製造した4種の組成物
について得られた吸収剤性質を下記の表に示す。 【0063】 【表7】【0064】実施例9 この実施例は吸水性組成物がハイドロゲル状態で優れた
一体性を有することを示す。 (硬化の前に採取した)組成物IIの試料を30分間18
0℃で硬化した。次いで、硬化した組成物の試料2.2
885gを500mlの蒸留水を用いるソックスレー抽
出にかけた。抽出を環流温度で約6時間行った。抽出し
た重合体ゲルを真空オーブンで100℃で20時間乾燥
させることにより回収した。抽出し乾燥させた組成物は
2.1147gであった。 【0065】可溶性生成物の量は0.1738gまたは
7.6重量%であった。抽出した溶液中には何らプロピ
レンカーボネート残渣は見出せなかった。抽出した組成
物に行った膨潤指数試験の結果は下記の通りである。 【0066】 【表8】 【0067】上記のデータは吸水性組成物がソックスレ
ー抽出の後優れた吸収剤性質を有することを示してい
る。更に、試験結果は吸水性組成物が共有結合を介して
架橋されていることを示す。 【0068】実施例10 この実施例は実施例7の吸水性組成物−組成物XII から
の異なる直径を有する繊維の製造を示す。4種の異なる
直径6、75、110及び190ミクロンを有する繊維
を、アメリカ、イリノイ州ウイートン(Wheato
n)のスプレイング・システムズ・カンパニー(Spr
aying Systems Company)から市
販されるタイプのスプレーノズル集成装置を乱気流を低
減させるため先端を円錐状に変形したものを用いて組成
物XII (硬化前)の液流を空気繊維化することにより製
造した。異なる直径を有する繊維を形成した後、それら
を別個に210℃で30分間硬化し、繊維を吸収性につ
いて試験した。試験結果を下記に示す。 【0069】 【表9】 【0070】上記データは吸水性組成物から製造した繊
維は自重の69.5倍の吸収能力があることが見出され
たことを示している。 【0071】実施例11 この実施例は吸水性組成物は溶液形態をしたとき優れた
保存寿命を有することを立証する。組成物XII を製造す
るために使用した溶液の2種の試料を老化させた。一方
の試料は周囲温度で1ヶ月次いで100℃で2日間老化
させた。他方の試料は周囲温度で2ヶ月間老化させた。
老化後、繊維を溶液から製造し、得られた繊維を210
℃で30分間硬化させた。老化後製造した繊維の吸収剤
性質データを、老化をさせなかった実施例7にて製造し
た繊維の吸収剤性質データと比較した。 【0072】 【表10】【0073】上記のデータは、吸水性組成物を2ヶ月間
老化させ、次いで繊維を形成させた後でさえ、繊維はそ
れらの膨潤指数値において何ら目につく変化を示さず、
従って吸収剤性質において何ら顕著な損失を示さないこ
とを立証している。 【0074】以上の記載から本発明に様々な変更がなさ
れうることが明らかであろう。しかしながら、このよう
なものは本発明の範囲に包含されると解される。
る。特にはその製造方法に関し、さらには製品の吸収性
質を改善する目的で製品中に吸水性組成物を含有させる
ことに関する。 【0002】 【従来の技術】吸収剤組成物は高い吸収能力を必要とす
る製品の製造において広く使用されている。例えば、吸
水性組成物が外科用及び歯科用スポンジ、タンポン、衛
生ナプキン及びパッド、包帯、使い捨ておしめ、肉用ト
レイ及び家庭用ペット用寝所の製造に使用されている。
吸水性組成物はまた水保持性を改良し、かつ空気容量を
増加させるよう土壤の改良にかつ多数の他の用途にも使
用される。 【0003】本明細書中で使用したように「吸水性(W
ater−absorbing)」及び「吸水剤(Wa
ter−absorbent)」という表現中に使用さ
れた場合、「水(water)」という語は単に水のみ
ではなく、体液のような電解質溶液も意味すると理解さ
れる。 【0004】吸水能力を示す多数の吸収剤組成物が開発
されている。例えば、米国特許第3,954,721号
及び同第3,983,095号は無水マレイン酸と少な
くとも1種の好適なビニル単量体との繊維状形態をした
共重合体の誘導体の製造を開示している。繊維状共重合
体はアンモニアまたは水酸化アルカリ金属との反応によ
り親水性かつ水膨潤性にされる。米国特許第3,81
0,468号は実質的に線状の共重合体として製造され
次いでジオールまたはジアミンと反応されることにより
架橋が導入された軽く架橋されたオレフィン−無水マレ
イン酸共重合体を開示している。得られた軽く架橋され
た共重合体はアンモニアまたは水酸化アルカリ金属の水
性もしくはアルコール溶液で処理される。米国特許第
3,989,586号はスチレンまたはオレフィン類の
無水マレイン酸との架橋共重合体を紙ウエブ中に含有さ
せ、次いでこれを処理することにより共重合体を水膨潤
性塩形態に転換することによる収着性紙製品の製造を記
載している。米国特許第3,980,663号はグリセ
リンジグリシジルエーテルとの架橋によりカルボキシル
系高分子電解質から製造した水膨潤性吸収剤製品を記載
している。米国特許第4,332,917号及び同第
4,338,417号はスチレン及び無水マレイン酸の
共重合体の、ビニル不飽和を有する単量体系エステルか
ら誘導された重合体、例えばポリ(酢酸ビニル)、セル
ローストリアセテート、セルロースアセトブチレート、
ポリ(アクリル酸エチル)及びポリ(メタクリル酸メチ
ル)とのブレンドを開示している。米国特許第4,42
0,588号は1,3−ジエンゴム及びゴム中に分散さ
れた吸水性樹脂を含む吸水性ゴム組成物を教示してい
る。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】繊維状形態をした吸水
性組成物を有することの望ましさはよく知られている。
例えば、使い捨ておしめ及びタンポンのような衛生製品
において、繊維は製品中により簡単に拘束されうる。こ
の点に関し、従来技術の吸水性組成物は不十分である。
それらは繊維形成を促進しない。それらの架橋反応の速
度のために、従来技術の吸水性組成物は何ら顕著な保存
寿命を有さない。繊維形成は組成物が製造された後すぐ
に完結されなければならない。 【0006】本発明の方法により製造される吸水性組成
物は優れた保存寿命を有している。それらは広い範囲の
時間及び温度に亘って繊維形成を促進する。それらはま
たハイドロゲルまたは水膨潤状態にて優れた一体性を有
し、優れた水及び電解質溶液吸収能力を示し、かつ通常
の方法を用いて通常の吸水性製品中に容易に含有され
る。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、(A)(i)25 〜75モルパーセントの(イ)カルボ
キシル基及びその塩から選ばれる少なくとも1の懸垂基
をもつ少なくとも1のα,β−不飽和単量体の反復単位
及び75〜25モルパーセントの(ロ)カルボキシル基
及びその塩のいずれももたない少なくとも1の共重合可
能なコモノマーの反復単位を含み且つ、該懸垂基全体の
20〜80パーセントがカルボキシル基であって80〜
20パーセントがその塩である共重合体、及び(ii)ヘ
テロ環カーボネートの配合物を製造し、(B) 得られた配合物を成形するか又は成形することな
く硬化させる工程を含む吸水性組成物の製造方法が提供
される。 【0008】さらに本発明によれば、(i)25 〜75モルパーセントの(イ)カルボキシル
基及びその塩から選ばれる少なくとも1の懸垂基をもつ
少なくとも1のα,β−不飽和単量体の反復単位及び7
5〜25モルパーセントの(ロ)カルボキシル基及びそ
の塩のいずれももたない少なくとも1の共重合可能なコ
モノマーの反復単位を含み且つ、該懸垂基全体の20〜
80パーセントがカルボキシル基であって80〜20パ
ーセントがその塩である共重合体、及び (ii) ヘテロ環カーボネートの配合物の硬化体からなる
水吸収性組成物が提供される。該組成物はそれを支持す
る物品に組み入れて使い捨ておむつ、タンポン、衛生ナ
プキン、外科用又は歯科用スポンジ、使い捨て包帯等と
することができる。 【0009】さらに本発明によれば、(i)25 〜75モルパーセントの(イ)カルボキシル
基及びその塩から選ばれる少なくとも1の懸垂基をもつ
少なくとも1のα,β−不飽和単量体の反復単位及び7
5〜25モルパーセントの(ロ)カルボキシル基及びそ
の塩のいずれももたない少なくとも1の共重合可能なコ
モノマーの反復単位を含み且つ、該懸垂基全体の20〜
80パーセントがカルボキシル基であって80〜20パ
ーセントがその塩である共重合体;及び(ii) ヘテロ環カーボネートの配合物の硬化体からなる
吸水性組成物を製品中に含有させる工程を含み、なお該
組成物は組成物の不存在下における製品の吸水特性と比
較して該製品の少なくとも一つの吸水特性を向上させる
のに効果的な量で含有される、製品の吸水特性を向上さ
せる方法が提供される。該製品は使い捨ておむつ、タン
ポン、衛生ナプキン、外科用又は歯科用スポンジ、使い
捨て包帯等であることができる。 【0010】さらに本発明によれば、(i)25 〜75モルパーセントの(イ)カルボキシル
基及びその塩から選ばれる少なくとも1の懸垂基をもつ
少なくとも1のα,β−不飽和単量体の反復単位及び7
5〜25モルパーセントの(ロ)カルボキシル基及びそ
の塩のいずれももたない少なくとも1の共重合可能なコ
モノマーの反復単位を含み且つ、該懸垂基全体の20〜
80パーセントがカルボキシル基であって80〜20パ
ーセントがその塩である共重合体;及び(ii) ヘテロ環カーボネートの配合物の硬化体からなる
吸水性組成物と、吸収されるべき水または電解質溶液を
接触させる工程を含む水及び電解質溶液の吸収方法が提
供される。 【0011】 【発明の実施の形態】吸水性組成物を製造するため使用
するのに適した共重合体は約25〜75全モルパーセン
トの少なくとも1種のα,β−不飽和単量体(側鎖即ち
懸垂基としてカルボキシル基とその塩をもつ)の反復単
位及び約75〜25全モルパーセントの少なくも1種の
共重合可能な上記の懸垂基をもたないコモノマーの反復
単位を含有する。好ましくは、共重合体は約35〜65
全モルパーセントの少なくとも1種のα,β−不飽和単
量体の反復単位及び約65〜35全モルパーセントの少
なくとも1種の共重合可能なコモノマーの反復単位を含
有する。最も好ましくは、共重合体は等モル共重合体で
ある。 【0012】α,β−不飽和単量体は少なくとも1個の
側鎖カルボキシル基又はその誘導体を有するものであ
る。カルボキシル誘導体にはカルボキシル塩の基、カル
ボン酸アミド基、カルボン酸イミド基、カルボン酸無水
物基及びカルボン酸エステル基が含まれる。 【0013】好適なα,β−不飽和単量体にはマレイン
酸、クロトン酸、フマール酸、メサコン酸、マレイン酸
のナトリウム塩、2−メチル−2−ブテンジカルボン酸
のナトリウム塩、イタコン酸のナトリウム塩、マレイン
アミド酸、マレアミド、N−フェニルマレイミド、マレ
イミド、無水マレイン酸、無水フマル酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸、無水メサコン酸、無水イタコン
酸メチル、無水マレイン酸エチル、マレイン酸ジエチ
ル、マレイン酸メチル等及びそれらの混合物が含まれ
る。 【0014】任意の好適な共重合可能なコモノマーが使
用できる。好適な共重合可能なコモノマーにはエチレ
ン、プロピレン、イソブチレン、C1 〜C4 アルキルメ
タクリレート類、酢酸ビニル、メチルビニルエーテル、
及び式: 【0015】 【化1】 【0016】(式中、Rは水素または1〜6個の炭素原
子を有するアルキル基を示し、かつベンゼン環は低分子
量アルキルまたはヒドロキシ基により置換されていても
よい)を有するスチレン系化合物が含まれる。好適なC
1 〜C4 アルキルアクリレート類にはアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アク
リル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル等及びそれ
らの混合物が含まれる。 【0017】そして、好適なスチレン系化合物にはスチ
レン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−
ブチルスチレン等及びそれらの混合物が含まれる。 【0018】α,β−不飽和単量体上の側鎖単位(懸垂
基)は、吸水性組成物を製造するのに必要な必須側鎖単
位、すなわち約20〜80パーセントの側鎖カルボキシ
ル基及び約80〜20パーセントの側鎖カルボキシル塩
の基を有する共重合体を得るために、必要に応じてどの
ような追加反応を行わなければならないかを決定するで
あろう。好ましくは、両方の単位即ちカルボキシル基又
はその塩の基は約30〜70パーセントの量で存在す
る。 【0019】一般に、α,β−不飽和単量体がカルボン
酸アミド、カルボン酸イミド、カルボン酸無水物、カル
ボン酸エステル基またはその混合物のみを有するなら
ば、このようなカルボキシル誘導体基の少なくとも一部
を、例えば加水分解反応により、カルボキシル基に転換
する必要があろう。もしα,β−不飽和単量体がカルボ
キシル塩の基のみを有するならば、カルボキシル基を形
成するための酸性化が必要となろう。 【0020】同様に、最終共重合体は約80〜20パー
セントの側鎖カルボキシル塩の基を含有しなくてはなら
ない。従って、中和反応を行う必要があろう。カルボキ
シル基の例えばNaOH、KOH、アンモニア、アンモ
ニア水溶液または有機アミン類のような強有機または無
機塩基による中和はカルボキシル塩の基、好ましくはカ
ルボキシル金属塩の基の形成を生じよう。 【0021】更に、共重合体主鎖に結合された望ましい
官能性を得るため行われる反応(加水分解、酸性化、中
和等)の順序及び数は重要ではない。約20〜80パー
セントの側鎖カルボキシル基及び約80〜20パーセン
トの側鎖カルボキシル塩の基を有する最終共重合体を生
じる任意の数及び順列が好適である。 【0022】使用に特に好適な一つの共重合体は無水マ
レイン酸及びイソブチレンの共重合体である。他は無水
マレイン酸及びスチレンである。好適な共重合体は約5
000〜500,000またはそれ以上のピーク分子量
を有する。 【0023】無水マレイン酸及びイソブチレンの好適な
共重合体は任意の好適な通常の方法を用いて製造でき
る。このような共重合体はまたクラレイソブレン化学工
業(株)から商標ISOBAMとして市販されている。
ISOBAM共重合体は粘度分子量により区別されたい
くつかの等級、すなわちISOBAM−10、160,
000〜170,000;ISOBAM−06、80,
000〜90,000;ISOBAM−04、55,0
00〜65,000及びISOBAM−600、6,0
00〜10,000として入手できる。 【0024】吸水性組成物を製造するため、少なくとも
1種の共重合体及び少なくとも1種のヘテロ環カーボネ
ートを、吸水性組成物が重量パーセントで約80〜9
9.5全共重合体及び約0.5〜20ヘテロ環カーボネ
ートを含有するよう配合する。好ましくは、組成物は約
90〜99重量パーセントの全共重合体及び約1〜10
重量パーセントの全ヘテロ環カーボネートを含有するで
あろう。 【0025】任意の好適なヘテロ環カーボネートが使用
できる。好ましくはヘテロ環カーボネートは以下の一般
構造 【0026】 【化2】 【0027】(式中、各Rは別個に水素原子、アルキル
基、芳香族基、ハロゲン基、置換アルキル基、または置
換芳香族基を示す)で表されるものである。 【0028】上記構造で表されるヘテロ環カーボネート
類にはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネー
ト、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレン
カーボネート、フェニルエチレンカーボネート等及びそ
れらの混合物が含まれる。プロピレンカーボネートが好
ましい。 【0029】吸水性組成物が以下の実施例に記載された
ような任意の好適な配合方法を用いて製造できる。吸水
性組成物が製造された後、但し典型的にはそれが硬化さ
れる前にあるいは場合によってはそれが硬化中に、それ
は通常の加工方法を用いて任意の所望の形態に加工され
る。例えば、吸水性組成物は注型、スプレー乾燥、空気
補助スプレー乾燥、空気繊維化、湿式、乾式もしくはフ
ラッシュ紡糸等にかけることができる。方法の選択は典
型的には最終用途に必要な形や形態により支配される。
吸水性組成物が加工されてなりうる形態には薄膜または
シート、粉末及び顆粒、繊維及び繊維が加工されてなり
うる任意の形態、例えば、加撚、束化(beamin
g)、糊付け(slashing)、たて織り(war
ping)、よこ織り(quilling)、切断(s
evering)、織物化(texturizin
g)、製織、編成、編組等も含めた様々な方法を用いた
ミルドファイバー、チョップドファイバー、フラックま
たはバルクファイバー、ストランド、糸、織布、不織マ
ットが含まれる。 【0030】いかなる理論にも拘束されるつもりはない
が、ヘテロ環カーボネートは硬化により共有架橋結合を
生じる共重合体にとって高温遅延反応性架橋剤として作
用すると考えられる。例えば、もしスチレン−無水マレ
イン酸共重合体がプロピレンカーボネートと配合されて
吸水性組成物を形成する場合、典型的に150℃以上の
温度が硬化のために必要であることが見出された。同様
に、エチレン−無水マレイン酸共重合体が使用される場
合、典型的に140℃以上の温度が硬化のために必要で
ある。そして、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体
が使用される場合、典型的には200℃以上の温度が硬
化のために必要である。 【0031】本発明を制限する意図はないが、吸水性組
成物はそれらが成型されうる広い時間及び温度範囲のた
め繊維に製造されるのに特によく適している。より詳し
くは、吸水性組成物は約140℃から約250℃または
それ以上の範囲の温度で硬化するため処方でき、かつ実
施例11中で立証したように2ヶ月を超す保存寿命を有
する。吸水性組成物は本発明の方法及び装置を用いて簡
単に繊維に製造できる。 【0032】本発明の、組成物が含有される製品は広範
囲の吸収機能に使用するのに適している。一般に、吸水
性組成物が含有される製品は組成物を支持しかつそれを
吸収最終用途に適した形態で提供する機能に役立つ。吸
収用途のための組成物を支持しかつ提供する手段には包
帯、外科用及び歯科用スポンジ、タンポン、衛生ナプキ
ン及びパッド、使い捨ておしめ、肉トレイ、汗吸収用パ
ッド等が含まれるが、それらに限定されない。 【0033】一つの実施態様において、吸水性組成物を
通常の加工方法を用いて使い捨ておしめ中に含有させる
ことにより下記の典型的な層:(1)不透過性ポリエチ
レンフィルムの外膜(身体から離れている)、(2)フ
ィルム上に載せられた第一のセルロース系パルプ層、
(3)例えば粉末、繊維、フラック、例えば繊維状塊、
不織繊維マットまたは織物の形態をした本発明の硬化し
た吸水性組成物の層、(4)存在任意の第二のセルロー
ス系パルプ層及び(5)内側透過性ポリエチレンフィル
ム層、を有するおしめ製品が形成される。 【0034】吸水性組成物から製造された繊維は特に吸
収剤用途に特に適している。繊維の塊は吸収させるべき
液体物質と接触させる大きな表面積を与え、かつ繊維が
それらが含有される製品中に容易に拘束されうるからで
あることがよく知られている。 【0035】以下、本発明を更に立証するために実施例
を示す。 【実施例】 実施例1 この実施例は本発明の実施に使用するのに適したα,β
−不飽和単量体及び共重合性コモノマーの共重合体の製
造を示す。約240gの無水マレイン酸、約255gの
スチレン、及び2370mlのメチルエチルケトンの溶
液を製造し、窒素雰囲気中で室温で1ガロン入り攪拌下
反応器中に導入した。反応器に約8.20gのVAZO
65重合開始剤(アゾイソブチロニトリル.E.I.D
upont)を仕込むことによりフリーラジカル重合を
開始した。重合を約55℃の温度で約24時間行った。
次いで、反応器内容物を希釈するためテトラヒドロフラ
ンを添加した。そして、重合生成物、すなわちスチレン
及び無水マレイン酸の共重合体を高速攪拌下でメタノー
ル中に沈澱させることにより回収した。共重合体を真空
オーブン中で30℃にて1晩、次いで90℃で約1時間
乾燥させた。約499gの共重合体が回収された。 【0036】乾燥したスチレン−無水マレイン酸共重合
体を、マレイン酸の滴定により分析し、43モルパーセ
ントの無水マレイン酸(41.7重量%)を含有するこ
とが分かった。共重合体の残りはスチレンであった。共
重合体は示差走査熱量法により234℃のガラス転移温
度及びポリスチレン標準を用いるゲル透過クロマトグラ
フィーにより108,000のピーク分子量を有するこ
とが見出された。 【0037】実施例2 この実施例は実施例1で製造したスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体を用いる5種の吸水性組成物の製造を示
す。シリーズとして5種の吸水性組成物(I〜V)を製
造した。各組成物は以下のように個々に製造した。 【0038】約10gの共重合体及び約150gの脱イ
オン水を攪拌下で混合器に添加し、混合器内容物を約9
0℃に加熱した。約90℃の温度で、所定量の水酸化ナ
トリウム(純度98.9%、ペレット)の10gの脱イ
オン水中溶液を攪拌下1時間要して混合器にゆっくり添
加した。各組成物に添加された水酸化ナトリウムの量
は、(酸無水物から転換された)側鎖カルボキシル基の
特定割合をカルボン酸ナトリウム塩の基に転換(ここで
は中和)させるため計算した。添加完結後、攪拌を約1
時間続け、共重合体を溶液中に溶解した。 【0039】得られた共重合体含有溶液を室温まで冷却
し、0.5gのプロピレンカーボネート(純度99%、
Aldrich Chemical)を攪拌下で溶液に
添加した。得られた組成物をマイラー(Mylar)フ
ィルム上に注加した。マイラーフィルム上の組成物を空
気乾燥させ、次いで更に真空オーブン中で60℃で30
分間乾燥させた。組成物を約300ミクロンの直径を有
する粒子へと粉砕し、熱風循環オーブン中で約30分間
160℃で硬化させた。 【0040】上記した方法を用いて、5種の吸水性組成
物(I−V)を、下表に示す水酸化ナトリウムの量を用
いて製造した。更に、各組成物をそれらの膨潤指数、溶
解度を決定するための試験にかけ、その結果もまた表に
示した。膨潤指数及び溶解度を決定するため用いた方法
を下記に示す。 【0041】 【表1】【0042】膨潤指数 この試験方法は米国特許第4,454,055号に記載
されている。ここで用いた試験方法及び装置は米国特許
第4,454,055号中に記載された方法及び装置と
比較してわずかに変更されている。 【0043】大気(室)圧下における膨潤指数を決定す
るため、試験すべき吸水性組成物約0.2〜0.3gを
空のW字型ティーバッグ中に入れる。組成物を含有する
ティーバッグを10分間食塩水(0.9重量% NaC
l)中に浸漬し、30秒間ペーパータオル上に置いて表
面の食塩水を除去する。組成物の膨潤指数、すなわち、
試料単位当りに吸収された液体の量を以下の式を用いて
計算する。 【0044】 【数1】 【0045】圧力下での膨潤指数を決定するため、以下
の変更方法を用いた。試料組成物を含有するティーバッ
グを食塩水に浸漬し、次いで表面食塩水を除去した後、
それを、2000mlのサイドアーム真空フィルターフ
ラスコを備えかつ圧力計を接続させた内径16cmのブ
フナー・ロート中に直ちに置く。次いで、1片の歯科用
ダムゴム連続シートをロートの口周囲に、シートが丁度
ティーバッグを支えるように、ロートの口周囲にしっか
り固定する。次いで、所望の圧力を生じるのに十分な真
空を5分間フラスコ上に生じさせ、上記の式を用いて圧
力下の膨潤指数を計算する。 【0046】溶解度(%) 約5gの試験すべき吸水性組成物を時折緩かな攪拌を行
いながら約150gの食塩水(0.9重量% NaC
l)中に分散する。20分後、混合物を150ミクロン
のポリプロピレンスクリーン中に通す。次いで、濾液を
オーブン中に恒量になるまで乾燥させ、可溶性組成物の
重量は乾燥濾液の全重量からNaClの重量を引くこと
により決定した。次いで、溶解度(%)を以下の式を用
いて決定した。 【0047】 【数2】 【0048】実施例3 この実施例は実質的に実施例2の方法を用いて本発明の
吸水性組成物の製造を示し、更にその吸収剤性質に対す
る異なる硬化温度の効果を示す。実質的に実施例2に記
載した方法を用いて、実施例1中で製造したスチレン−
無水マレイン酸共重合体約10gを加水分解し、次いで
1.7gの水酸化ナトリウムを用いて一部中和すること
により共重合体上の側鎖カルボキシル基の約50%を転
換した。次いで、得られた組成物(VI)を10phr
(9.1重量%)のプロピレンカーボネートと配合し、
次いで組成物を3等分した。3等分した各々を異なる硬
化温度で30分間硬化した。一つは150℃で硬化し、
一つは160℃で硬化し、他方は170℃で硬化した。
結果は以下の通りである。 【0049】 【表2】【0050】実施例4 この実施例は本明細書中に記載したように、実質的に実
施例2の方法を用いて本発明の吸水性組成物の製造を示
す。吸収剤性質に対するヘテロ環カーボネート含量の効
果を示すデータも下記に提示した。実質的に実施例2の
方法、組成物IIを用いて、3種の組成物(VII 及びVIII
及び対照)を製造した。全ての組成物を加水分解し、次
いでNaOHで一部中和することにより側鎖カルボキシ
ル基をカルボン酸ナトリウム塩に転換した。 【0051】組成物VII はこれがスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体を10phrのプロピレンカーボネートと
配合することにより製造された点で組成物IIとは異なっ
ていた。組成物VIIIはこれが共重合体を15phrのプ
ロピレンカーボネートと配合することにより製造された
点で異なっていた。対照組成物には何らプロピレンカー
ボネートは添加しなかった。これらの組成物の吸収剤性
質に対するプロピレンカーボネート含量の効果の結果を
下記に示す。組成物IIの吸収剤性質を比較目的のため掲
げた。それは5phrのプロピレンカーボネートを用い
た。 【0052】 【表3】 【0053】実施例5 この実施例はモンサント(Monsanto)から市販
のEMA−31(分子量100,000)と命名された
エチレン−無水マレイン酸の等モル交互共重合体を用い
る吸水性組成物の製造を示す。約15gのEMA−31
共重合体、150gの脱イオン水及び0.6g(4ph
r)を、攪拌下でかつ約90℃に加熱した混合器に添加
した。容器内容物が約90℃に到達したとき、20ml
の水に溶解した約4.85gのNaOHを30分間要し
てゆっくり導入した。 【0054】NaOH添加が完結した後、混合器の内容
物を約30分間攪拌した後、EMA−31共重合体は完
全に溶解していることが観察された。得られた溶液のp
Hは約6であった。得られた溶液中の水を固体組成物が
得られるまで蒸発させ固体組成物を更に真空オーブン中
で50℃で2時間乾燥させた。次いで、組成物を約30
0ミクロンの粒径を有する粉末に粉砕し、粉末を熱風循
環オーブン中で30分間160℃で硬化した。得られた
吸水性組成物IXの吸収剤性質を下記の表中に示す。 【0055】 【表4】【0056】実施例6 この実施例は上述したように、実質的に実施例5の方法
を用いる2種の吸水性組成物(組成物X及びXI)の製造
を示す。組成物XはEMA−31共重合体が1phrの
エチレンカーボネートと配合された点で実施例5の方法
及び物質と異なっていた。組成物XIはEMA−31共重
合体が1phrのエチレンカーボネートと配合され15
0℃で硬化された点で実施例5の方法及び物質と異なっ
ていた。組成物X及びXIの吸収剤性質は以下の通りであ
った。 【0057】 【表5】 【0058】実施例7 この実施例はクラレイソブレン化学(株)から市販のI
SOBAM10、イソブチレン/無水マレイン酸共重合
体を用いる吸水性組成物、組成物XII の製造を示してい
る。ISOBAM10は170,000の分子量及びマ
レイン酸の滴定により決定した約59.3重量%(4
6.6モル%)の無水マレイン酸含量を有する。 【0059】約957gのイソブチレン−無水マレイン
酸共重合体及び約1740gの脱イオン水を1ガロンの
攪拌下反応器に仕込み、約90℃に加熱した。248g
のNaOHを約372gの水に溶解した溶液を約45分
間要してゆっくり反応器に添加した。次いで、47.8
g(5phr)のプロピレンカーボネートを反応器に導
入し、反応器内容物を約10時間攪拌することによりイ
ソブチレン−無水マレイン酸共重合体を溶解した。得ら
れた溶液のpHは6.5であった。中和反応により4
6.6モル%の無水マレイン酸の反復単位上の側鎖の約
53.5%がカルボン酸ナトリウム塩に転換された。 【0060】得られた溶液を室温まで放冷し、次いで溶
液をオリフィスを通して温空気流に押出し、得られた繊
維化繊維でマイラーフィルム被覆ドラム上を包むことに
より繊維へと繊維化した。得られた繊維は約10ミクロ
ンの直径を有していた。得られた組成物XII から製造し
た繊維の2種の繊維状塊試料を別個に210℃及び22
0℃にて30分間硬化させた。下記表に繊維形態の組成
物XII の吸収剤性質を示す。 【0061】 【表6】 【0062】実施例8 この実施例は実質的に実施例7の物質及び方法を用いる
4種の吸水性組成物(組成物XIII〜XVI )の製造を示
す。各組成物は、処理により44.6モル%のマレイン
酸の反復単位を介して共重合体中に導入した側鎖の5
3.5%をカルボキシル基に転換させたイソブチレン−
無水マレイン酸共重合体(ISOBAM10)を用いて
製造した。4種の全ての組成物を粉末に粉砕し、粉末を
別個に硬化させ、それらの吸収剤性質を試験した。掲げ
た組成物及び方法データに従って製造した4種の組成物
について得られた吸収剤性質を下記の表に示す。 【0063】 【表7】【0064】実施例9 この実施例は吸水性組成物がハイドロゲル状態で優れた
一体性を有することを示す。 (硬化の前に採取した)組成物IIの試料を30分間18
0℃で硬化した。次いで、硬化した組成物の試料2.2
885gを500mlの蒸留水を用いるソックスレー抽
出にかけた。抽出を環流温度で約6時間行った。抽出し
た重合体ゲルを真空オーブンで100℃で20時間乾燥
させることにより回収した。抽出し乾燥させた組成物は
2.1147gであった。 【0065】可溶性生成物の量は0.1738gまたは
7.6重量%であった。抽出した溶液中には何らプロピ
レンカーボネート残渣は見出せなかった。抽出した組成
物に行った膨潤指数試験の結果は下記の通りである。 【0066】 【表8】 【0067】上記のデータは吸水性組成物がソックスレ
ー抽出の後優れた吸収剤性質を有することを示してい
る。更に、試験結果は吸水性組成物が共有結合を介して
架橋されていることを示す。 【0068】実施例10 この実施例は実施例7の吸水性組成物−組成物XII から
の異なる直径を有する繊維の製造を示す。4種の異なる
直径6、75、110及び190ミクロンを有する繊維
を、アメリカ、イリノイ州ウイートン(Wheato
n)のスプレイング・システムズ・カンパニー(Spr
aying Systems Company)から市
販されるタイプのスプレーノズル集成装置を乱気流を低
減させるため先端を円錐状に変形したものを用いて組成
物XII (硬化前)の液流を空気繊維化することにより製
造した。異なる直径を有する繊維を形成した後、それら
を別個に210℃で30分間硬化し、繊維を吸収性につ
いて試験した。試験結果を下記に示す。 【0069】 【表9】 【0070】上記データは吸水性組成物から製造した繊
維は自重の69.5倍の吸収能力があることが見出され
たことを示している。 【0071】実施例11 この実施例は吸水性組成物は溶液形態をしたとき優れた
保存寿命を有することを立証する。組成物XII を製造す
るために使用した溶液の2種の試料を老化させた。一方
の試料は周囲温度で1ヶ月次いで100℃で2日間老化
させた。他方の試料は周囲温度で2ヶ月間老化させた。
老化後、繊維を溶液から製造し、得られた繊維を210
℃で30分間硬化させた。老化後製造した繊維の吸収剤
性質データを、老化をさせなかった実施例7にて製造し
た繊維の吸収剤性質データと比較した。 【0072】 【表10】【0073】上記のデータは、吸水性組成物を2ヶ月間
老化させ、次いで繊維を形成させた後でさえ、繊維はそ
れらの膨潤指数値において何ら目につく変化を示さず、
従って吸収剤性質において何ら顕著な損失を示さないこ
とを立証している。 【0074】以上の記載から本発明に様々な変更がなさ
れうることが明らかであろう。しかしながら、このよう
なものは本発明の範囲に包含されると解される。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.(A)(i)25〜75モルパーセントの(イ)カ
ルボキシル基及びその塩から選ばれる少なくとも1の懸
垂基をもつ少なくとも1のα,β−不飽和単量体の反復
単位及び75〜25モルパーセントの(ロ)カルボキシ
ル基及びその塩のいずれももたない少なくとも1の共重
合可能なコモノマーの反復単位を含み且つ、該懸垂基全
体の20〜80パーセントがカルボキシル基であって8
0〜20パーセントがその塩である共重合体、及び(i
i)ヘテロ環カーボネートの配合物を製造し、(B) 得られた配合物を成形するか又は成形することな
く硬化させる工程を含む吸水性組成物の製造方法。 2.配合物をそれが完全に硬化される前に成形品に成形
する請求項1の方法。 3.配合物が繊維、粉末又はフィルムに成形される請求
項2の方法。 4.該硬化は配合物を140°以上に加熱することによ
り誘発される請求項1〜3のいずれか一つに記載の方
法。 5.(i)25〜75モルパーセントの(イ)カルボキ
シル基及びその塩から選ばれる少なくとも1の懸垂基を
もつ少なくとも1のα,β−不飽和単量体の反復単位及
び75〜25モルパーセントの(ロ)カルボキシル基及
びその塩のいずれももたない少なくとも1の共重合可能
なコモノマーの反復単位を含み且つ、該懸垂基全体の2
0〜80パーセントがカルボキシル基であって80〜2
0パーセントがその塩である共重合体、及び(ii)ヘテ
ロ環カーボネートの配合物の硬化体からなる水吸収性組
成物。 6.該組成物が繊維、粉末又はフィルムの形態である請
求項5記載の組成物。
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