JP2672680B2 - 薄膜の製造方法及びこれに用いる蒸発源 - Google Patents
薄膜の製造方法及びこれに用いる蒸発源Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、粉末状の蒸着原料から該原料の薄膜を製
造する方法及びこれに用いて好適な蒸着源に関するもの
である。
造する方法及びこれに用いて好適な蒸着源に関するもの
である。
(従来の技術) 従来より、電子写真用感光体の電荷発生層(例えば特
開昭59−44054号公報)、光メモリの記録層、非線形抵
抗素子等のような可塑性素子の機能膜(例えば特開昭63
−234501号公報)、または有機エレクトロルミネッセン
ス素子の発光膜等に、機能性有機材料の薄膜が利用され
ている。
開昭59−44054号公報)、光メモリの記録層、非線形抵
抗素子等のような可塑性素子の機能膜(例えば特開昭63
−234501号公報)、または有機エレクトロルミネッセン
ス素子の発光膜等に、機能性有機材料の薄膜が利用され
ている。
このような薄膜は、真空蒸着法によって製造されるこ
とが多く、従来は以下に説明するような方法で製造され
ていた。
とが多く、従来は以下に説明するような方法で製造され
ていた。
その一例としては、第6図に示すように、蒸発源とし
てはアルミナ等で構成されたるつぼ11の中に蒸着原料と
しての機能性有機材料(図示せず)を充填し、このるつ
ぼ11をヒーター13によって加熱して蒸着原料を気化さ
せ、るつぼと対向する位置に置いた基材(図示せず)上
に機能性有機材料の薄膜を製造する方法があった。
てはアルミナ等で構成されたるつぼ11の中に蒸着原料と
しての機能性有機材料(図示せず)を充填し、このるつ
ぼ11をヒーター13によって加熱して蒸着原料を気化さ
せ、るつぼと対向する位置に置いた基材(図示せず)上
に機能性有機材料の薄膜を製造する方法があった。
また他の例としては、るつぼの代りに、7図に示すよ
うに、モリブデン、タンタル等のような金属板で作られ
たボート21を用い、このボート21に蒸着原料23を充填し
このボートに通電しこれを加熱して蒸着原料を気化さ
せ、ボート21と対向する位置に置いた基材上に機能性有
機材料の薄膜を製造する方法があった。
うに、モリブデン、タンタル等のような金属板で作られ
たボート21を用い、このボート21に蒸着原料23を充填し
このボートに通電しこれを加熱して蒸着原料を気化さ
せ、ボート21と対向する位置に置いた基材上に機能性有
機材料の薄膜を製造する方法があった。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、機能性有機材料は、蒸着原料の状態で
は一般に粉末状であるため、蒸着時に蒸気に変化する際
に未気化部分が周囲例えば基材上にまで飛散してしまい
基材上に蒸着原料の粒子が付着してしまうという問題点
があった。
は一般に粉末状であるため、蒸着時に蒸気に変化する際
に未気化部分が周囲例えば基材上にまで飛散してしまい
基材上に蒸着原料の粒子が付着してしまうという問題点
があった。
また、真空容器(チャンバー)内を真空引きする段階
においても、真空容器内を減圧する際の真空容器内での
空気の流れ及び蒸着原料内の空気の膨張のために、蒸着
原料の粒子が真空容器内に舞い上がり飛散し、これによ
っても、基材上に蒸着原料の粒子が付着してしまうとい
う問題点があった。
においても、真空容器内を減圧する際の真空容器内での
空気の流れ及び蒸着原料内の空気の膨張のために、蒸着
原料の粒子が真空容器内に舞い上がり飛散し、これによ
っても、基材上に蒸着原料の粒子が付着してしまうとい
う問題点があった。
このような問題点があると、均一な有機機能性材料の
薄膜を得ることが出来ない。
薄膜を得ることが出来ない。
このような問題点を解決する方法として、例えば、以
下の又はで示すような方法も考えられる。
下の又はで示すような方法も考えられる。
…昇華性金属の蒸着に用いられているボート(以下、
昇華金属用ボートと称する。詳細は実施例の比較例の項
において説明する。)を蒸発源として用いる方法。
昇華金属用ボートと称する。詳細は実施例の比較例の項
において説明する。)を蒸発源として用いる方法。
…SiO等のような昇華性無機材料の蒸着に用いられる
チムニー型蒸発源(詳細は実施例の比較例の項において
説明する。)を蒸発源として用いる方法。
チムニー型蒸発源(詳細は実施例の比較例の項において
説明する。)を蒸発源として用いる方法。
しかし、詳細は後述するが、これら及びのいずれ
の方法でも機能性有機材料の粉末の基材への付着を実害
がない程度に防止することは困難であった。
の方法でも機能性有機材料の粉末の基材への付着を実害
がない程度に防止することは困難であった。
この発明はこのような点に鑑みなされたものであり、
従ってこの発明の目的は、上述した問題点を解決し、粉
末状の蒸発原料から膜質の優れた薄膜を製造することが
出来る方法及びこの方法の実施に用いて好適な蒸発源を
提供することにある。
従ってこの発明の目的は、上述した問題点を解決し、粉
末状の蒸発原料から膜質の優れた薄膜を製造することが
出来る方法及びこの方法の実施に用いて好適な蒸発源を
提供することにある。
(課題を解決するための手段) この目的の達成を図るため、この出願の第一発明によ
れば、真空蒸着法を用い粉末状の機能性有機材料からな
る蒸着原料から機能性有機材料の薄膜を製造するに当た
り、 前述の蒸着原料の蒸気のみを通過する各孔径5μm以
下の多孔質部を有する蒸発源内に前述の蒸発原料を密閉
し該蒸発原料の蒸着を行うことを特徴とする。
れば、真空蒸着法を用い粉末状の機能性有機材料からな
る蒸着原料から機能性有機材料の薄膜を製造するに当た
り、 前述の蒸着原料の蒸気のみを通過する各孔径5μm以
下の多孔質部を有する蒸発源内に前述の蒸発原料を密閉
し該蒸発原料の蒸着を行うことを特徴とする。
また、この出願の第二発明によれば、真空蒸着法にお
いて用いられる蒸発源を、粉末状の機能性有機材料から
なる蒸着原料を密閉し収納する容器であって前述の蒸着
原料の蒸気のみを通過する各孔径5μm以下の多孔質部
を具えた容器で構成したことを特徴とする。
いて用いられる蒸発源を、粉末状の機能性有機材料から
なる蒸着原料を密閉し収納する容器であって前述の蒸着
原料の蒸気のみを通過する各孔径5μm以下の多孔質部
を具えた容器で構成したことを特徴とする。
なお、この第二発明の実施に当たり、前述の容器を蒸
着原料を投入するための開口部を有する本体部と該開口
部を封じるための蓋部材とで構成し、これら本体部及び
蓋部材のいずれか一方又は双方の一部分又は全部分に蒸
着原料の蒸気のみを通過するための多孔質部を設けた構
成とするのが好適である。
着原料を投入するための開口部を有する本体部と該開口
部を封じるための蓋部材とで構成し、これら本体部及び
蓋部材のいずれか一方又は双方の一部分又は全部分に蒸
着原料の蒸気のみを通過するための多孔質部を設けた構
成とするのが好適である。
なお、第一及び第二発明でいう蒸着原料の蒸気のみを
通過するための多孔質部とは、例えば以下のような構成
のものである。
通過するための多孔質部とは、例えば以下のような構成
のものである。
…多孔質部孔の各孔径(丸孔であれば直径)自体を5
μm以下というように、蒸発分子のみしか通過出来ない
程度に小さくした構成のもの。
μm以下というように、蒸発分子のみしか通過出来ない
程度に小さくした構成のもの。
…孔の長さ(奥行)を長くし(孔が曲折している場合
も含む)て蒸着原料の粒子が孔の内壁で捕獲され易くし
た構成のもの。このの場合、蒸発源は加熱されている
ため孔の内壁も高温になるので、捕獲された蒸着原料の
粒子についても孔内で気化され蒸気として蒸発源外部に
出るように出来る。また、このの場合は、孔の大きさ
は、の場合より大きくしても目的の効果が得られる。
も含む)て蒸着原料の粒子が孔の内壁で捕獲され易くし
た構成のもの。このの場合、蒸発源は加熱されている
ため孔の内壁も高温になるので、捕獲された蒸着原料の
粒子についても孔内で気化され蒸気として蒸発源外部に
出るように出来る。また、このの場合は、孔の大きさ
は、の場合より大きくしても目的の効果が得られる。
上述のの具体例としては、セラミックフィルタを挙
げることが出来る。
げることが出来る。
(作用) 第一及び第二発明の構成によれば、蒸発源からは粉末
状の機能性有機材料からなる蒸着原料の蒸気のみが出る
ため、基材上には蒸着原料のままの状態の粒子が付着す
ることがなくなる。
状の機能性有機材料からなる蒸着原料の蒸気のみが出る
ため、基材上には蒸着原料のままの状態の粒子が付着す
ることがなくなる。
(実施例) 以下、図面を参照して第一発明の薄膜の製造方法の実
施例及び第二発明の蒸発源の実施例を併せて説明する。
なお、以下の説明で述べる使用材料および数値的条件は
この発明の範囲内の単なる一例にすぎない。従って、こ
の発明がこれら使用材料および数値的条件にのみ限定さ
れるものでないことは理解されたい。
施例及び第二発明の蒸発源の実施例を併せて説明する。
なお、以下の説明で述べる使用材料および数値的条件は
この発明の範囲内の単なる一例にすぎない。従って、こ
の発明がこれら使用材料および数値的条件にのみ限定さ
れるものでないことは理解されたい。
<実施例1> 先ず、以下に説明する実施例の蒸発源を用い以下に説
明する手順により実施例1の薄膜を形成する。
明する手順により実施例1の薄膜を形成する。
ここで、蒸発源としては以下のようなものを用いる。
第1図(A)は、その構造を概略的に示した斜視図、第
1図(B)は多孔質部の説明に供する図である。
第1図(A)は、その構造を概略的に示した斜視図、第
1図(B)は多孔質部の説明に供する図である。
この蒸発源31は、上下が開口している円筒形状のセラ
ミックフィルタで構成した本体部33と、この本体部33上
下の開口部(蒸着原料を投入するための開口部に相当)
を封じるため高純度アルミナセラミックスで構成した蓋
部材35とで構成してある。なお、詳細は後述するが、本
体部33に蒸着原料を投入後、本体部33及び蓋部材35は、
セラミック接着剤37で接着する。
ミックフィルタで構成した本体部33と、この本体部33上
下の開口部(蒸着原料を投入するための開口部に相当)
を封じるため高純度アルミナセラミックスで構成した蓋
部材35とで構成してある。なお、詳細は後述するが、本
体部33に蒸着原料を投入後、本体部33及び蓋部材35は、
セラミック接着剤37で接着する。
ここで、本体部33を構成しているセラミックフィルタ
として、この場合、東芝セラミック製のものでビール酵
母の濾過に使用されているものを用いている。具体的に
は、円筒の外径、内径、肉厚及び長さがそれぞれ19mm、
15mm、2mm、20mmのもので円筒の壁部分が以下に説明す
るような多孔質構造になっているものである。第1図
(B)はその説明に供する図であり、第1図(A)に示
したセラミックフィルタの壁部分を該フィルタの長さ方
向と直交する方向に切って示した断面図である。壁部分
39は円筒の外壁側の層39a(以下、表面層39a)と、円筒
の内壁側の層39b(以下、濾過層39b)とで異った構造に
なっている。具体的には、表面層39aにおける各孔の径
は約10μmとなっており、濾過層39bにおける各孔の径
は約0.8μmとなっている。
として、この場合、東芝セラミック製のものでビール酵
母の濾過に使用されているものを用いている。具体的に
は、円筒の外径、内径、肉厚及び長さがそれぞれ19mm、
15mm、2mm、20mmのもので円筒の壁部分が以下に説明す
るような多孔質構造になっているものである。第1図
(B)はその説明に供する図であり、第1図(A)に示
したセラミックフィルタの壁部分を該フィルタの長さ方
向と直交する方向に切って示した断面図である。壁部分
39は円筒の外壁側の層39a(以下、表面層39a)と、円筒
の内壁側の層39b(以下、濾過層39b)とで異った構造に
なっている。具体的には、表面層39aにおける各孔の径
は約10μmとなっており、濾過層39bにおける各孔の径
は約0.8μmとなっている。
次に、この本体部33内に蒸着原料としてこの場合クロ
ロインジウムフタロシアニン(特開昭59−174845号に開
示したもの)を50mg投入する。次に、本体部33及び蓋部
材35を、東亜合成化学工業(株)製のアロンセラミック
Cによって接着する。これにより、内部に蒸着原料を密
閉した蒸発源を得る。ここで、セラミック接着剤は、90
℃の温度で1時間の熱処理を行いさらに150℃の温度で
1時間の熱処理を行うことで硬化させている。
ロインジウムフタロシアニン(特開昭59−174845号に開
示したもの)を50mg投入する。次に、本体部33及び蓋部
材35を、東亜合成化学工業(株)製のアロンセラミック
Cによって接着する。これにより、内部に蒸着原料を密
閉した蒸発源を得る。ここで、セラミック接着剤は、90
℃の温度で1時間の熱処理を行いさらに150℃の温度で
1時間の熱処理を行うことで硬化させている。
次に、この蒸着源を真空蒸着装置内のボートに固定す
る。
る。
なお、ボートはこの場合モリブデンボートとしてお
り、具体的には、以下に説明するような構造のものとし
ている。第2図(A)はこのボートの構造を概略的に示
した斜視図、第2図(B)はこのボートを第2図(A)
のI−I線に沿って切って示した断面図である。
り、具体的には、以下に説明するような構造のものとし
ている。第2図(A)はこのボートの構造を概略的に示
した斜視図、第2図(B)はこのボートを第2図(A)
のI−I線に沿って切って示した断面図である。
このボート40は、下部ボート41及び上部ボート43から
成る2体構成となっている。下部ボート41は凹部41aを
有している。そして、凹部41aの深さが35mm、ボートの
幅が35mm、ボートの長さが150mmとなっている。下部ボ
ート41の凹部41a中に上述の蒸発源31を入れる。一方、
上部ボート43は、下部ボート41の蓋に相当するが、少な
くとも凹部41aに対向する領域に幅1mmのスリット43aを
具えている。
成る2体構成となっている。下部ボート41は凹部41aを
有している。そして、凹部41aの深さが35mm、ボートの
幅が35mm、ボートの長さが150mmとなっている。下部ボ
ート41の凹部41a中に上述の蒸発源31を入れる。一方、
上部ボート43は、下部ボート41の蓋に相当するが、少な
くとも凹部41aに対向する領域に幅1mmのスリット43aを
具えている。
また、用いた真空蒸着装置は、第3図に示すように、
真空容器(成膜室)51と、液体窒素トラップ53a、油拡
散ポンプ53b及び油回転ポンプ53を具える真空排気系53
とを具えたものである。真空容器51内には、上述のボー
ト40(後の実験ではるつぼに変更される。)と、該ボー
ト40から200mm離れた位置に設けた基材55とが設けてあ
る。基材としてシリコン基板49を用いている。ボート40
には、図示しない外部電源が接続してある。
真空容器(成膜室)51と、液体窒素トラップ53a、油拡
散ポンプ53b及び油回転ポンプ53を具える真空排気系53
とを具えたものである。真空容器51内には、上述のボー
ト40(後の実験ではるつぼに変更される。)と、該ボー
ト40から200mm離れた位置に設けた基材55とが設けてあ
る。基材としてシリコン基板49を用いている。ボート40
には、図示しない外部電源が接続してある。
次に、真空容器51内を排気し該真空容器51内の真空度
を2×10-5Torrとし、さらに、図示しない外部電源から
ボート40に10V−200Aの電力を供給する。この電力によ
りボートは加熱されボート内に入れた蒸発源31が間接的
に加熱され結果的に蒸着原料が加熱される。蒸発源31内
のクロロインジウムフタロシアニンを約450℃程度に加
熱してクロロインジムフタロシアニンを気化させ蒸着速
度が1.0Å/秒の条件で所定の時間基材55上に実施例1
に係る薄膜を形成する。なお、蒸着速度は図示しない例
えば水晶発振式モニターにより管理している。
を2×10-5Torrとし、さらに、図示しない外部電源から
ボート40に10V−200Aの電力を供給する。この電力によ
りボートは加熱されボート内に入れた蒸発源31が間接的
に加熱され結果的に蒸着原料が加熱される。蒸発源31内
のクロロインジウムフタロシアニンを約450℃程度に加
熱してクロロインジムフタロシアニンを気化させ蒸着速
度が1.0Å/秒の条件で所定の時間基材55上に実施例1
に係る薄膜を形成する。なお、蒸着速度は図示しない例
えば水晶発振式モニターにより管理している。
次に、シリコン基材55上に形成された実施例1に係る
薄膜について付着物の粒度分布を光学顕微鏡及びアナラ
イザ(日本レギュレーター社製LUZEX450)を用いて測定
する。別表1の実施例1の項に、実施例1に係る薄膜の
膜厚及び付着物の粒度分布を示した。
薄膜について付着物の粒度分布を光学顕微鏡及びアナラ
イザ(日本レギュレーター社製LUZEX450)を用いて測定
する。別表1の実施例1の項に、実施例1に係る薄膜の
膜厚及び付着物の粒度分布を示した。
<実施例2> 使用するセラミックフィルタを日本ガイシ製のもの
で、第1図(B)に示した濾過層39bの孔径が5μm
(表面層は実施例と1と同じ)であり、円筒の外径、内
径、肉厚及び長さがそれぞれ30mm、23mm、3.5mm、30mm
のセラミックフィルタとしたこと以外は実施例1と全く
同様にして、実施例2に係る薄膜を基材55上に形成す
る。
で、第1図(B)に示した濾過層39bの孔径が5μm
(表面層は実施例と1と同じ)であり、円筒の外径、内
径、肉厚及び長さがそれぞれ30mm、23mm、3.5mm、30mm
のセラミックフィルタとしたこと以外は実施例1と全く
同様にして、実施例2に係る薄膜を基材55上に形成す
る。
実施例2に係る薄膜について付着物の粒度分布を実施
例1と同様な方法で測定する。別表1の実施例2の項
に、実施例2に係る薄膜の膜厚及び付着物の粒度分布を
示した。
例1と同様な方法で測定する。別表1の実施例2の項
に、実施例2に係る薄膜の膜厚及び付着物の粒度分布を
示した。
<比較例1> 蒸発源を第6図に示した構造のアルミナ製るつぼ(具
体的には日本バックスメタル製CH−20型)とし、このる
つぼの中に実施例1で用いたと同じクロロインジウムフ
タロシアニンを実施例1と同様に50mg入れる。次に、第
3図に示した真空蒸着機からボート40をはずしその代り
このるつぼを取り付ける。モニターにおける蒸着速度が
実施例1と同様になるようにるつぼへの供給電力を10V
−40Aとしたこと以外は真空度、成膜時間等の条件を実
施例1と同様にして、基材55上に比較例1に係る薄膜を
形成する。
体的には日本バックスメタル製CH−20型)とし、このる
つぼの中に実施例1で用いたと同じクロロインジウムフ
タロシアニンを実施例1と同様に50mg入れる。次に、第
3図に示した真空蒸着機からボート40をはずしその代り
このるつぼを取り付ける。モニターにおける蒸着速度が
実施例1と同様になるようにるつぼへの供給電力を10V
−40Aとしたこと以外は真空度、成膜時間等の条件を実
施例1と同様にして、基材55上に比較例1に係る薄膜を
形成する。
比較例1に係る薄膜について付着物の粒度分布を実施
例1と同様な方法で測定する。別表1の比較例1の項
に、比較例1に係る薄膜の膜厚及び付着物の粒度分布を
示した。
例1と同様な方法で測定する。別表1の比較例1の項
に、比較例1に係る薄膜の膜厚及び付着物の粒度分布を
示した。
<比較例2> 蒸発源を第7図に示した構造のボート(具体的には日
本バックスメタル製SV−210型モリブデンボート)と
し、このボートに実施例1で用いたと同じクロロインジ
ウムフタロシアニンを実施例1と同様に50mg入れる。次
に、第3図に示した真空蒸着機からボート40をはずしそ
の代りにこのモリブデンボートを取り付ける。モニター
における蒸着速度が実施例1と同様になるようにボート
への供給電力を10V−50Aとしたこと以外は真空度、成膜
時間等の条件を実施例1と同様にして、基材55上に比較
例2に係る薄膜を形成する。
本バックスメタル製SV−210型モリブデンボート)と
し、このボートに実施例1で用いたと同じクロロインジ
ウムフタロシアニンを実施例1と同様に50mg入れる。次
に、第3図に示した真空蒸着機からボート40をはずしそ
の代りにこのモリブデンボートを取り付ける。モニター
における蒸着速度が実施例1と同様になるようにボート
への供給電力を10V−50Aとしたこと以外は真空度、成膜
時間等の条件を実施例1と同様にして、基材55上に比較
例2に係る薄膜を形成する。
比較例2に係る薄膜について付着物の粒度分布を実施
例1と同様な方法で測定する。別表1の比較例2の項
に、比較例2に係る薄膜の膜厚及び付着物の粒度分布を
示した。
例1と同様な方法で測定する。別表1の比較例2の項
に、比較例2に係る薄膜の膜厚及び付着物の粒度分布を
示した。
<比較例3> 蒸発源を昇華金属用ボート(具体的には日本バックス
メタル製SS−1−10型)とし比較例3に係る薄膜を製造
する。なお、昇華金属用ボートとは、次のようなもので
ある。第4図(A)及び(B)は、この昇華金属用ボー
トの説明に供する斜視図及び断面図である。この昇華金
属用ボートは、蒸着原料が充填される下部ボート61と、
直径1mm程度の開口部63aを2個有した中間板63と、中間
板63の開口部63aとは重ならない位置に直径が1mm程度の
開口部65aを有する上部ボート65との3部分から成るも
のである。
メタル製SS−1−10型)とし比較例3に係る薄膜を製造
する。なお、昇華金属用ボートとは、次のようなもので
ある。第4図(A)及び(B)は、この昇華金属用ボー
トの説明に供する斜視図及び断面図である。この昇華金
属用ボートは、蒸着原料が充填される下部ボート61と、
直径1mm程度の開口部63aを2個有した中間板63と、中間
板63の開口部63aとは重ならない位置に直径が1mm程度の
開口部65aを有する上部ボート65との3部分から成るも
のである。
この昇華金属用ボートの下部ボート61に実施例1で用
いたと同じクロロインジウムフタロシアニンを実施例1
と同様に50mg入れる。次に、第3図に示した真空蒸着機
からボート40をはずしその代りにこの昇華金属用ボート
を取り付ける。モニターにおける蒸着速度が実施例1と
同様になるようにこのボートへの供給電力を10V−80Aと
したこと以外は真空度、成膜時間等の条件を実施例1と
同様にして、基材55上に比較例3に係る薄膜を形成す
る。
いたと同じクロロインジウムフタロシアニンを実施例1
と同様に50mg入れる。次に、第3図に示した真空蒸着機
からボート40をはずしその代りにこの昇華金属用ボート
を取り付ける。モニターにおける蒸着速度が実施例1と
同様になるようにこのボートへの供給電力を10V−80Aと
したこと以外は真空度、成膜時間等の条件を実施例1と
同様にして、基材55上に比較例3に係る薄膜を形成す
る。
比較例3に係る薄膜について付着物の粒度分布を実施
例1と同様な方法で測定する。別表1の比較例3の項
に、比較例3に係る薄膜の膜厚及び付着物の粒度分布を
示した。
例1と同様な方法で測定する。別表1の比較例3の項
に、比較例3に係る薄膜の膜厚及び付着物の粒度分布を
示した。
<比較例4> 比較例3で用いた昇華金属用ボートの中間板をステン
レス金網(メッシュ工業製の孔径が約20μm、500メッ
シュの金網)に変えたボートを用いる。モニターにおけ
る蒸着速度が実施例1と同様になるようにボートへの供
給電力を10V−70Aとしたこと以外は真空度、成膜時間等
の条件を実施例1と同様にして、基材55上に比較例4に
係る薄膜を形成する。
レス金網(メッシュ工業製の孔径が約20μm、500メッ
シュの金網)に変えたボートを用いる。モニターにおけ
る蒸着速度が実施例1と同様になるようにボートへの供
給電力を10V−70Aとしたこと以外は真空度、成膜時間等
の条件を実施例1と同様にして、基材55上に比較例4に
係る薄膜を形成する。
比較例4に係る薄膜について付着物の粒度分布を実施
例1と同様な方法で測定する。別表1の比較例4の項
に、比較例4に係る薄膜の膜厚及び付着物の粒度分布を
示した。
例1と同様な方法で測定する。別表1の比較例4の項
に、比較例4に係る薄膜の膜厚及び付着物の粒度分布を
示した。
<比較例5> 蒸発源を昇華性無機材料の薄膜形成に用いられている
チムニー型蒸発源(具体的には日本バックスメタル製SM
C−7型)とし比較例5に係る薄膜を製造する。なお、
チムニー型蒸発源とは、次のようなものである。第5図
(A)及び(B)は、このチムニー型蒸発源の説明に供
する斜視図及び要部断面図である。ただし、第5図
(B)は、断面を示すハッチングを省略して示してあ
る。このチムニー型蒸発源は、孔径が1mm程度の穴開き
板71を丸めてチムニー73を構成しこの穴開き板71の外側
空間に蒸着原料75を充填しこれをこの空間で気化させ蒸
気はチムニー73により外部に出す構成のものである。
チムニー型蒸発源(具体的には日本バックスメタル製SM
C−7型)とし比較例5に係る薄膜を製造する。なお、
チムニー型蒸発源とは、次のようなものである。第5図
(A)及び(B)は、このチムニー型蒸発源の説明に供
する斜視図及び要部断面図である。ただし、第5図
(B)は、断面を示すハッチングを省略して示してあ
る。このチムニー型蒸発源は、孔径が1mm程度の穴開き
板71を丸めてチムニー73を構成しこの穴開き板71の外側
空間に蒸着原料75を充填しこれをこの空間で気化させ蒸
気はチムニー73により外部に出す構成のものである。
このチムニー型蒸発源の所定部分に実施例1で用いた
と同じクロロインジウムフタロシアニンを実施例1と同
様に50mg入れる。次に、第3図に示した真空蒸着機から
ボート40をはずしその代りにのチムニー型蒸発源を取り
付ける。モニターにおける蒸着速度が実施例1と同様に
なるようにチムニー型蒸発源への供給電力を10V−120A
としたこと以外は真空度、成膜時間等の条件を実施例1
と同様にして、基材55上に比較例5に係る薄膜を形成す
る。
と同じクロロインジウムフタロシアニンを実施例1と同
様に50mg入れる。次に、第3図に示した真空蒸着機から
ボート40をはずしその代りにのチムニー型蒸発源を取り
付ける。モニターにおける蒸着速度が実施例1と同様に
なるようにチムニー型蒸発源への供給電力を10V−120A
としたこと以外は真空度、成膜時間等の条件を実施例1
と同様にして、基材55上に比較例5に係る薄膜を形成す
る。
比較例5に係る薄膜について付着物の粒度分布を実施
例1と同様な方法で測定する。別表1の比較例5の項
に、比較例5に係る薄膜の膜厚及び付着物の粒度分布を
示した。
例1と同様な方法で測定する。別表1の比較例5の項
に、比較例5に係る薄膜の膜厚及び付着物の粒度分布を
示した。
考察 別表1で示した結果からも明らかなように、各実施例
の薄膜の製造方法によれば、各比較例の方法に比し、付
着物が非常に少い薄膜が得られることが分る。特に、各
実施例の薄膜の製造方法によれば、粒径が5μm以上の
粒子の付着が全く無い薄膜が得られることが分る。
の薄膜の製造方法によれば、各比較例の方法に比し、付
着物が非常に少い薄膜が得られることが分る。特に、各
実施例の薄膜の製造方法によれば、粒径が5μm以上の
粒子の付着が全く無い薄膜が得られることが分る。
各実施例の薄膜の製造方法において薄膜への付着物の
量が減少する理由は、 (A)…各実施例においては蒸着原料はセラミックフィ
ルタ部分以外では蒸発源内に密閉されているので、蒸着
原料中の粒子のうちのセラミックフィルタの孔径より大
きな粒子は蒸発源外部に飛散出来ないためであること、
及び、 (B)…蒸着原料中の粒子のうちのフィルタの孔径より
小さな粒子についても、フィルタの厚さがこの粒子径に
比し充分に厚いので孔の内壁に捕獲され、さらにまた、
フィルタ自体が加熱されているので捕獲された粒子は孔
内で気化し蒸気となって蒸発源外部に出るためであると
思われる。
量が減少する理由は、 (A)…各実施例においては蒸着原料はセラミックフィ
ルタ部分以外では蒸発源内に密閉されているので、蒸着
原料中の粒子のうちのセラミックフィルタの孔径より大
きな粒子は蒸発源外部に飛散出来ないためであること、
及び、 (B)…蒸着原料中の粒子のうちのフィルタの孔径より
小さな粒子についても、フィルタの厚さがこの粒子径に
比し充分に厚いので孔の内壁に捕獲され、さらにまた、
フィルタ自体が加熱されているので捕獲された粒子は孔
内で気化し蒸気となって蒸発源外部に出るためであると
思われる。
特に、実施例2の場合は、濾過層(第1図(B)参
照)の孔径が5μmのセラミックフィルタを用いている
にもかかわらず、粒径が1〜5μmの粒子の付着が防止
出来ている。これは、上記(B)の効果によるものと考
えて良い。
照)の孔径が5μmのセラミックフィルタを用いている
にもかかわらず、粒径が1〜5μmの粒子の付着が防止
出来ている。これは、上記(B)の効果によるものと考
えて良い。
なお、実施例1の方法で形成した薄膜に粒径1〜5μ
mの粒子が付着しているが、実施例1では濾過層の孔径
が0.8μmのセラミックフィルタを用いているのでこの
粒子は蒸発源内の蒸着原料に起因するものではないと考
えて良い。おそらくは、真空容器内壁或は蒸発外壁等に
付着していた何等かの粒子(ゴミも含む)が再付着した
と考えて良い。
mの粒子が付着しているが、実施例1では濾過層の孔径
が0.8μmのセラミックフィルタを用いているのでこの
粒子は蒸発源内の蒸着原料に起因するものではないと考
えて良い。おそらくは、真空容器内壁或は蒸発外壁等に
付着していた何等かの粒子(ゴミも含む)が再付着した
と考えて良い。
また、各実施例の薄膜の製造方法によれば、蒸着原料
を蒸発源内に密閉しているにもかかわらず比較例の場合
と同程度の膜厚の薄膜が得られている。したがって、第
一発明の薄膜の製造方法は、付着効率の点からも問題が
なく実用的な方法であることが分る。
を蒸発源内に密閉しているにもかかわらず比較例の場合
と同程度の膜厚の薄膜が得られている。したがって、第
一発明の薄膜の製造方法は、付着効率の点からも問題が
なく実用的な方法であることが分る。
また、上述の実施例とは別にこの第一発明の薄膜の製
造方法を用いて電子写真用感光体を作製して実際に印字
テストを行ったところ、黒点等のような画像欠陥が非常
に生じにくい感光体が得られることが分った。この点か
ら見ても、第一発明の薄膜の製造方法は従来法より優れ
ていることが分る。
造方法を用いて電子写真用感光体を作製して実際に印字
テストを行ったところ、黒点等のような画像欠陥が非常
に生じにくい感光体が得られることが分った。この点か
ら見ても、第一発明の薄膜の製造方法は従来法より優れ
ていることが分る。
一方、アルミナるつぼを用いた比較例1の薄膜の製造
方法は、るつぼの形状から蒸発方向に指向性が生じ蒸発
分子は基材側に多く向うので膜厚が厚い薄膜が得られ付
着効率は高い方法といえるが、粒径が5μm以上の付着
物が存在し、また、粒径が1〜5μmの付着物の量も実
施例1の160倍となっているので、膜質の点では実施例
の方法より劣る。
方法は、るつぼの形状から蒸発方向に指向性が生じ蒸発
分子は基材側に多く向うので膜厚が厚い薄膜が得られ付
着効率は高い方法といえるが、粒径が5μm以上の付着
物が存在し、また、粒径が1〜5μmの付着物の量も実
施例1の160倍となっているので、膜質の点では実施例
の方法より劣る。
また、通常のボートを用いた比較例2の薄膜の製造方
法は、蒸発方向がるつぼの場合より広くなるので膜厚の
薄い薄膜しか得られず付着効率が低い方法といえる。さ
らに、蒸着原料の未気化部分はるつぼの場合より飛散し
易いので粒径が5μm以上の付着物は比較例1の2倍も
存在し、また、粒径が1〜5μ比の付着物の量も実施例
1の220倍となり、膜質の点においても比較例1の方法
より劣る。
法は、蒸発方向がるつぼの場合より広くなるので膜厚の
薄い薄膜しか得られず付着効率が低い方法といえる。さ
らに、蒸着原料の未気化部分はるつぼの場合より飛散し
易いので粒径が5μm以上の付着物は比較例1の2倍も
存在し、また、粒径が1〜5μ比の付着物の量も実施例
1の220倍となり、膜質の点においても比較例1の方法
より劣る。
また、昇華金属用ボートを用いた比較例3の薄膜の製
造方法は、第4図に示すように中間板63、上部ボート65
それぞれに設けた開口部の位置が互いにずれているの
で、通常のボートを用いた比較例2の方法よりも粒子の
飛散の防止効果があることが分る。しかし、昇華による
蒸着原料の急激なガス化が起こった場合、各開口部63a,
65aと、下部ボート61、中間板63及び上部ボート65の重
ね合わせ目とから粒子の吹き出しが生じると思われ、比
較例1のレベルの効果しか得られない。
造方法は、第4図に示すように中間板63、上部ボート65
それぞれに設けた開口部の位置が互いにずれているの
で、通常のボートを用いた比較例2の方法よりも粒子の
飛散の防止効果があることが分る。しかし、昇華による
蒸着原料の急激なガス化が起こった場合、各開口部63a,
65aと、下部ボート61、中間板63及び上部ボート65の重
ね合わせ目とから粒子の吹き出しが生じると思われ、比
較例1のレベルの効果しか得られない。
また、昇華金属用ボートの中間板をステンレス金網と
した比較例4の薄膜の製造方法によれば、中間板の蒸気
の通過を邪魔する効果が比較例3より少いので付着効率
は比較例3より向上することが分る。さらに、メッシュ
20μmのステンレス金網を用いているので粒径20μm以
上の粒子が他の比較例に比し極端に減少しているのが分
る。
した比較例4の薄膜の製造方法によれば、中間板の蒸気
の通過を邪魔する効果が比較例3より少いので付着効率
は比較例3より向上することが分る。さらに、メッシュ
20μmのステンレス金網を用いているので粒径20μm以
上の粒子が他の比較例に比し極端に減少しているのが分
る。
さらに、ステンレス金網自体も加熱されているのでこ
れに捕獲された粒子がここで気化するようになるので、
粒径が5〜20μmの粒子の数を他の比較例に比し低減出
来ることが分る。しかし、粒径が1〜5μmの粒子はス
テンレス金網に捕獲されにくいので減少させることが出
来ない。
れに捕獲された粒子がここで気化するようになるので、
粒径が5〜20μmの粒子の数を他の比較例に比し低減出
来ることが分る。しかし、粒径が1〜5μmの粒子はス
テンレス金網に捕獲されにくいので減少させることが出
来ない。
また、チムニー型蒸発源を用いた比較例5の薄膜の製
造方法によれば、実用的な付着効率が得られ、また、粒
径が10μm以上の粒子の付着数を減少させることは出来
るが、粒径が1〜10μmの粒子の付着数の減少効果は比
較例3と同程度であり実施例よりは劣る。
造方法によれば、実用的な付着効率が得られ、また、粒
径が10μm以上の粒子の付着数を減少させることは出来
るが、粒径が1〜10μmの粒子の付着数の減少効果は比
較例3と同程度であり実施例よりは劣る。
上述においては、第一発明の薄膜の製造方法の実施例
と、第二発明の蒸着源の実施例につき説明したが、これ
ら発明は上述の実施例のみに限られるものではなく以下
に説明するような種々の変更を加えることが出来る。
と、第二発明の蒸着源の実施例につき説明したが、これ
ら発明は上述の実施例のみに限られるものではなく以下
に説明するような種々の変更を加えることが出来る。
上述の実施例で用いた蒸発源は、本体部と蓋部材とを
接着剤により接着することで蒸着原料を投入するための
開口部を蓋部材で封じる構成のものであった。しかし、
開口部を封じる手段は嵌合手段やネジを用いた手段等通
常行われている手段で勿論良い。
接着剤により接着することで蒸着原料を投入するための
開口部を蓋部材で封じる構成のものであった。しかし、
開口部を封じる手段は嵌合手段やネジを用いた手段等通
常行われている手段で勿論良い。
また、上述の実施例では蒸着原料の蒸気のみを通過す
る多孔質部をセラミックフィルタで構成していた。その
理由は、セラミックフィルタによれば多孔質部が容易に
得られること、粒子を捕獲し易い構造が容易に得られる
こと、耐熱性に優れるためそれ自体を加熱出来捕獲した
粒子を気化させることが容易なこと等の数々の利点が得
られるからである。しかし、多孔質部の構成物はこれに
限られるものではなく他のものでも良い。
る多孔質部をセラミックフィルタで構成していた。その
理由は、セラミックフィルタによれば多孔質部が容易に
得られること、粒子を捕獲し易い構造が容易に得られる
こと、耐熱性に優れるためそれ自体を加熱出来捕獲した
粒子を気化させることが容易なこと等の数々の利点が得
られるからである。しかし、多孔質部の構成物はこれに
限られるものではなく他のものでも良い。
また、上述の蒸発源の実施例では、本体部の壁部分全
部を多孔質部としていたが、本体部の一部を多孔質部と
しても良い。また、必要に応じては蓋部材を多孔質部と
しても良い。また、本体部の一部をセラミックフィルタ
で構成し残りの部分をモリブデン等のような材料で構成
した複合構造としても良い。
部を多孔質部としていたが、本体部の一部を多孔質部と
しても良い。また、必要に応じては蓋部材を多孔質部と
しても良い。また、本体部の一部をセラミックフィルタ
で構成し残りの部分をモリブデン等のような材料で構成
した複合構造としても良い。
また、上述の蒸発源の実施例では円筒形の蒸発源につ
き説明しているが、蒸発源の形状はこれに限られるもの
ではなく任意好適なものと出来る。
き説明しているが、蒸発源の形状はこれに限られるもの
ではなく任意好適なものと出来る。
また、上述の実施例では、真空蒸着を抵抗加熱により
行う例であったが、この発明は他の真空蒸着法に対して
も適用出来る。
行う例であったが、この発明は他の真空蒸着法に対して
も適用出来る。
また、上述の実施例はクロロインジウムフタロシアニ
ンの薄膜を形成する例により説明したが、第一及び第二
発明は有機無機を問わず蒸着原料が粉末状の材料の薄膜
形成に広く適用出来る。
ンの薄膜を形成する例により説明したが、第一及び第二
発明は有機無機を問わず蒸着原料が粉末状の材料の薄膜
形成に広く適用出来る。
(発明の効果) 上述の説明からも明らかなように、この出願の第一発
明の薄膜の製造方法及び第二発明の蒸発源各々によれ
ば、蒸発源からは粉末状の機能性有機材料からなる蒸着
原料の蒸気のみが出るため、基材上に機能性有機材料の
ままの状態の粒子が付着することを防止出来る。このた
め、機能性有機材料の粒子の付着により該材料の薄膜の
膜質が不均一になることを防止出来る。
明の薄膜の製造方法及び第二発明の蒸発源各々によれ
ば、蒸発源からは粉末状の機能性有機材料からなる蒸着
原料の蒸気のみが出るため、基材上に機能性有機材料の
ままの状態の粒子が付着することを防止出来る。このた
め、機能性有機材料の粒子の付着により該材料の薄膜の
膜質が不均一になることを防止出来る。
従って、この発明を適用して光ディスクメモリ、エレ
クトロルミネッセンス素子、可塑性素子等のような素子
を構築した場合従来より特性に優れた素子の実現が期待
出来る。
クトロルミネッセンス素子、可塑性素子等のような素子
を構築した場合従来より特性に優れた素子の実現が期待
出来る。
第1図(A)は、実施例で用いた蒸発源の説明に供する
図、 第1図(B)は、多孔質部の説明に供する図、 第2図(A)及び(B)は、蒸発源の加熱に用いたボー
トの説明に供する図、 第3図は、実験に用いた真空蒸着装置の説明に供する
図、 第4図(A)及び(B)は、比較例3で用いた昇華金属
用ボートの説明に供する図、 第5図(A)及び(B)は、比較例5で用いたチムニー
型蒸発源の説明に供する図、 第6図は、従来技術の説明に供する図、 第7図は、他の従来技術の説明に供する図である。 31……蒸発源 33……本体部(円筒状のセラミックフィルタ) 35……蓋部材、37……セラミック接着剤 39……壁部分、39a……表面層 39b……濾過層、40……実施例で用いたボート 41……下部ボート、41……凹部 43……上部ボート、43a……スリット 51……真空容器、53……真空排気系 53a……液体窒素トラップ 53b……油拡散ポンプ、53c……油回転ポンプ 55……基材、61……下部ボート 63……中間板、63a……開口部 65……上部ボート、65a……開口部 71……穴開き板、73……チムニー。
図、 第1図(B)は、多孔質部の説明に供する図、 第2図(A)及び(B)は、蒸発源の加熱に用いたボー
トの説明に供する図、 第3図は、実験に用いた真空蒸着装置の説明に供する
図、 第4図(A)及び(B)は、比較例3で用いた昇華金属
用ボートの説明に供する図、 第5図(A)及び(B)は、比較例5で用いたチムニー
型蒸発源の説明に供する図、 第6図は、従来技術の説明に供する図、 第7図は、他の従来技術の説明に供する図である。 31……蒸発源 33……本体部(円筒状のセラミックフィルタ) 35……蓋部材、37……セラミック接着剤 39……壁部分、39a……表面層 39b……濾過層、40……実施例で用いたボート 41……下部ボート、41……凹部 43……上部ボート、43a……スリット 51……真空容器、53……真空排気系 53a……液体窒素トラップ 53b……油拡散ポンプ、53c……油回転ポンプ 55……基材、61……下部ボート 63……中間板、63a……開口部 65……上部ボート、65a……開口部 71……穴開き板、73……チムニー。
Claims (4)
- 【請求項1】真空蒸着法を用い粉末状の機能性有機材料
からなる蒸着原料から機能性有機材料の薄膜を製造する
に当たり、 蒸着原料の蒸気のみを通過する各孔径5μm以下の多孔
質部を具える蒸発源内に前記蒸着原料を密閉して該蒸着
原料の蒸着を行うこと を特徴とする薄膜の製造方法。 - 【請求項2】粉末状の機能性有機材料からなる蒸着原料
を密閉し収納する容器であって前記蒸着原料の蒸気のみ
を通過する各孔径5μm以下の多孔質部を具えた容器で
構成したこと を特徴とする蒸発源。 - 【請求項3】請求項2に記載の蒸発源において、 前記容器を蒸着原料を投入するための開口部を有する本
体部と該開口部を封じるための蓋部材とで構成し、 前記本体部及び蓋部材のいずれか一方又は双方の一部分
又は全部分に前記蒸着原料の蒸気のみを通過するための
多孔質部を設けて成ること を特徴とする蒸発源。 - 【請求項4】請求項2又は3に記載の蒸発源において、 前記多孔質部をセラミックフィルタで構成したことを特
徴とする蒸発源。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2029909A JP2672680B2 (ja) | 1990-02-09 | 1990-02-09 | 薄膜の製造方法及びこれに用いる蒸発源 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2029909A JP2672680B2 (ja) | 1990-02-09 | 1990-02-09 | 薄膜の製造方法及びこれに用いる蒸発源 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03232962A JPH03232962A (ja) | 1991-10-16 |
JP2672680B2 true JP2672680B2 (ja) | 1997-11-05 |
Family
ID=12289121
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2029909A Expired - Fee Related JP2672680B2 (ja) | 1990-02-09 | 1990-02-09 | 薄膜の製造方法及びこれに用いる蒸発源 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2672680B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW490714B (en) * | 1999-12-27 | 2002-06-11 | Semiconductor Energy Lab | Film formation apparatus and method for forming a film |
KR20020089288A (ko) * | 2002-11-07 | 2002-11-29 | 정세영 | 유기물 증착용 소스 |
-
1990
- 1990-02-09 JP JP2029909A patent/JP2672680B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03232962A (ja) | 1991-10-16 |
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---|---|---|---|
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