JP2672635B2 - 穿孔機の方向制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、例えば光ファイバー、電話回線等の通信ケ
ーブルを収容する管を地中に埋設する際に使用する穿孔
機の方向制御装置に関するものである。

［従来の技術］ 通信ケーブル等を収容する管を地中に埋設する場合、
第１工程で直径10〜15cmの管を１本通し、第２工程で前
記管に取り付けた約25cmのカッタで掘削排土して拡径
し、複数本の電線管を牽引挿通している。

前記第１工程で使用される穿孔機には貫入型、振動貫
入型、オーガによる排土型等種々あるが、穿孔方向は必
ずしも直線と限らず、方向を変更する必要が生じる場合
もあり、或は穿孔方向が予定のラインから外れてしまっ
た場合には方向を修正する必要がある。

そのため、従来は、第４図及び第５図に示すように、
オーガａを回転自在に内蔵する内管ｂと外管ｃとの間
に、前記内管ｂの周囲を囲むように斜板ｄを設け、該斜
板ｄを回転用油圧シリンダｅにより修正すべき方向に回
転し、前後進用油圧シリンダｆにより軸線方向に前進又
は後退させて、シューｇ及びビットｈの方向を変更して
いる。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、穿孔する水平孔の１区画は前記内管ｂ
の長さに比べて長いため、内管ｂを順次継ぎ足す際、元
押部に設置した元押機本体から供給される前記油圧シリ
ンダe,f作動用の油圧配管の接続もその都度行なわねば
ならず、管の継ぎ足し作業がめんどうなものとなり時間
もかかっていた。

又、先導管ｉ内に斜板ｄの回転用油圧シリンダｅや前
後進用油圧シリンダｆを内蔵するため、構造も複雑とな
っていた。

［課題を解決するための手段］ 本発明は回転可能な外管の内部先端近傍に球面軸受を
設け、該球面軸受に嵌合する球面軸に、先端にカッタを
有する回転自在な内管を摺動可能に挿通せしめ、前記外
管の球面軸受よりも基端側内面に突起を設け、前記内管
の前記突起近傍部にテーパリングを内管と相対回転可能
に且つ内管の軸線方向に移動不能に嵌装してなることを
特徴とする穿孔機の方向制御装置にかかるものである。
更に、外管の先端部に先細のテーパを設けることができ
る。

［作用］ 回転駆動される内管を先端側に突出させると、該内管
に嵌装されたテーパリングが外管の突起と接してテーパ
リング部の内管が反突起側に撓められ、内管の先端部の
カッタは球面軸を中心として突起側に変位する。

従って、予め外管を回転させて突起の位置を掘削方向
に一致させておくことにより、方向制御が可能となる。

外管の先端部にテーパを設ければ、該テーパによりク
サビ効果による横力を受けるため、方向修正効果が大き
くなる。

［実 施 例］ 以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。

第１図乃至第３図は本発明の一実施例であり、中空の
外管１の先端部に先細のテーパ部２を形成し、該テーパ
部２の基端部内側に球面軸受３を固設する。該球面軸受
３に嵌合可能な球面軸４の貫通孔５に、図示してない元
押側の回転駆動装置により回転駆動される中空の内管６
を回転及び摺動可能に挿通し、該内管６の先端にカッタ
７を取り付ける。

前記外管１の球面軸受３を固設した位置よりも基端側
内面に、板状の突起８を円周方向１ヶ所に該突起８の球
面軸受３側が高くなるよう設ける。

前記内管６の前記突起８近傍部に、先端側が細径とな
るテーパリング９を自動調芯コロ10を介して内管６が回
転可能に且つスラスト軸受11を介して軸線方向に移動不
能に嵌装する。

図中、12は内管６と外管１との間の水等の輸送流体の
流路、13は掘削土砂の排出流路、14は球面軸受３に設け
た輸送流体の通路であり、前記外管１は図示していない
が、元押部における固定装置の回転により360゜回転可
能としてある。

以上のように構成したので、元押部において内管６と
外管１との間に供給された水は流路12及び球面軸４の通
路14を経て、テーパ部２内に至り、該テーパ部２とカッ
タ７との間から地山に水が流出し、球面軸受３及び球面
軸４に支持されて回転駆動される内管６により回転され
るカッタ７により掘削された土砂が内管６内に流入し、
元押部から排泥されて掘削が進行する。元押部における
元押シリンダの１ストローク或は外管11本分の長さ掘削
したら新らしい外管１及び内管６を継ぎ足す。

この間、掘削は直進するが、例えば掘削方向を第３図
において右方向へ変更したい場合、元押部において外管
１を支持固定する固定装置により突起８が第３図に示す
ように右横に位置するよう外管１を強制的に回転させ
る。

次いで、内管６を前方に突出させると、該内管６に回
転可能に且つ軸芯方向の移動を拘束されて嵌装されたテ
ーパリング９が突起８に干渉され、テーパリング９嵌装
部の内管６が左横方向に撓められる。該内管６は先端側
において球面軸受３及び球面軸４を介して支持され、且
つ球面軸４と回転可能及び摺動可能になっているため、
内管６の突出長さ分だけカッタ７も突出され且つ前記球
面軸４を中心に内管６の先端及びカッタ７が右横方向に
変位し、掘削方向が修正、制御される。

以上において、突起８の外管１円周上の位置は元押部
の外管１の端部にマークしておくことにより、外管１を
継ぎ足した場合でも、突起８の位置を正確に知ることが
でき、方向制御を確実に為し得る。

更に、外管１の先端部にテーパ部２が形成されている
ため、方向修正時に該テーパ部２がクサビ効果により横
方向から力を受け方向修正が容易になる。

尚、本発明の穿孔機の方向制御装置は、上述の実施例
にのみ限定されるものではなく、外管の先端のテーパ部
はなくても方向制御可能であること、テーパリングのテ
ーパの向きは逆向きでもよいこと、内管から送水或は送
泥して外管と内管との間から排泥してもよいこと等本発
明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得
ることは勿論である。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明の穿孔機の方向制御装置
によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。

カッタを支持、回転する二重管の内管を球面軸により
回転及び摺動可能に支持すると共に、外管内側に設けた
突起と内管に回転可能に且つ軸線方向に移動不能に嵌装
したテーパリングとにより前記内管を撓ませるようにし
たので、外管を回転させて突起を掘削方向に向け、内管
を軸線方向に移動させることにより内管が方向制御した
い方向と反対側に撓められ、内管の先端部のカッタが方
向制御したい方向に変位し、確実且つ容易に方向制御で
きる。

構造が単純であり、製作コストが安価である。

穿孔機内に油圧シリンダ等のアクチュエータが不要な
ため、接続管の接続作業の際油圧配管の接続が不要であ
り、接続作業が著しく容易に且つ迅速に行なえる。

カッタの首振りに加え、外管の先端部にテーパを設け
ることにより、方向修正時に外管先端がテーパ部のクサ
ビ効果により横力を受け、方向修正効果が更に高められ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の水平断面図、第２図は第１
図のII部詳細図、第３図は第１図のIII−III方向矢視
図、第４図は従来の穿孔機の方向修正装置の一例を示す
断面図、第５図は第４図に示した装置による方向修正状
態を示す図である。 １は外管、２はテーパ部、３は球面軸受、４は球面軸、
６は内管、７はカッタ、８は突起、９はテーパリングを
示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川崎 清 東京都千代田区内幸町１丁目１番６号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 福元 隆明 東京都千代田区内幸町１丁目１番６号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 山下 博之 東京都千代田区内幸町１丁目１番６号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 上原 俊明 愛知県名古屋市港区昭和町13番地 石川 島播磨重工業株式会社名古屋工場内 (72)発明者 田中 洋一 愛知県名古屋市港区昭和町13番地 石川 島播磨重工業株式会社名古屋工場内 (72)発明者 佐藤 啓次郎 東京都台東区秋葉原５―８ 秋葉原富士 ビル アイレック技建株式会社内

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転可能な外管の内部先端近傍に球面軸受
   を設け、該球面軸受に嵌合する球面軸に、先端にカッタ
   を有する回転自在な内管を摺動可能に挿通せしめ、前記
   外管の球面軸受よりも基端側内面に突起を設け、前記内
   管の前記突起近傍部にテーパリングを内管と相対回転可
   能に且つ内管の軸線方向に移動不能に嵌装してなること
   を特徴とする穿孔機の方向制御装置。
2. 【請求項２】外管の先端部に先細のテーパを設けた請求
   項１記載の穿孔機の方向制御装置。