JP2672193B2 - 液圧金型圧縮法 - Google Patents
液圧金型圧縮法Info
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- JP2672193B2 JP2672193B2 JP3049772A JP4977291A JP2672193B2 JP 2672193 B2 JP2672193 B2 JP 2672193B2 JP 3049772 A JP3049772 A JP 3049772A JP 4977291 A JP4977291 A JP 4977291A JP 2672193 B2 JP2672193 B2 JP 2672193B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】セラミックや金属粉を成形し焼結
することにより、複雑な形状をした大型部材あるいは高
寸法精度を必要とする大型部材を製造する技術に関す
る。
することにより、複雑な形状をした大型部材あるいは高
寸法精度を必要とする大型部材を製造する技術に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】粉末を金型成形しこれを焼結する方法
は、最終製品あるいはその形状に近い部材を製造する方
法として、古くから知られている。しかし、この方法は
専ら小物部品を製造する手段としてのみ用いられ、たと
えば断面寸法が数100cm2以上もあるような大型部品の製
造にはほとんど用いられていない。それは、粉末材料を
固化成形するためには１トン／cm2 以上の面圧をかける
必要があり、そのためには数百トン以上のプレス機械が
必要になるからである。そこで従来は、このような複雑
形状の大型部材あるいは高寸法精度の大型部材はＣＩＰ
（冷間静水圧成形装置、文献 The International Journ
al of Powder Technology, July, 1985)により単純な形
状の成形体を製造し、これを焼結収縮を見込み最終製品
寸法より若干大きい寸法に素地加工した後焼結すること
により製造していた。しかし、この方法には、加工に時
間とコストがかかるという欠点がある。
は、最終製品あるいはその形状に近い部材を製造する方
法として、古くから知られている。しかし、この方法は
専ら小物部品を製造する手段としてのみ用いられ、たと
えば断面寸法が数100cm2以上もあるような大型部品の製
造にはほとんど用いられていない。それは、粉末材料を
固化成形するためには１トン／cm2 以上の面圧をかける
必要があり、そのためには数百トン以上のプレス機械が
必要になるからである。そこで従来は、このような複雑
形状の大型部材あるいは高寸法精度の大型部材はＣＩＰ
（冷間静水圧成形装置、文献 The International Journ
al of Powder Technology, July, 1985)により単純な形
状の成形体を製造し、これを焼結収縮を見込み最終製品
寸法より若干大きい寸法に素地加工した後焼結すること
により製造していた。しかし、この方法には、加工に時
間とコストがかかるという欠点がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は大型の
プレス機械を用いないで金型プレスを実施する方法を開
発するところにある。
プレス機械を用いないで金型プレスを実施する方法を開
発するところにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは、各種方法について研究を行ない、以
下のような方法が効果的であることを見出した。すなわ
ち、金型内のキャビティの中程に中間パンチを設置し、
キャビティの下部に粉末材料を装入し、またキャビティ
上部にグリースとグラファイトの混合物からなる圧力媒
体を注入し、さらに上キャビティ内でパスカルの原理を
用いて上パンチによる加圧力を大幅に増加させて中間パ
ンチに伝え、この大きな加圧力で粉末材料を加圧成形す
る方法である。
め、本発明者らは、各種方法について研究を行ない、以
下のような方法が効果的であることを見出した。すなわ
ち、金型内のキャビティの中程に中間パンチを設置し、
キャビティの下部に粉末材料を装入し、またキャビティ
上部にグリースとグラファイトの混合物からなる圧力媒
体を注入し、さらに上キャビティ内でパスカルの原理を
用いて上パンチによる加圧力を大幅に増加させて中間パ
ンチに伝え、この大きな加圧力で粉末材料を加圧成形す
る方法である。
【０００５】
【作用】図１は本発明の作用を示すための液圧金型の正
面断面図である。簡単のため、金型、ＣＩＰとも軸対称
とする。１は上パンチ、２は上下に分割可能な構造のダ
イス、２−１は上ダイス、２−２は下ダイス、３は中間
ダイス、４は下パンチ、５は圧力媒体、６は粉末材料で
ある。上パンチの下面７の面積をＡ0、中間ダイス３の
上面８の面積をＡ1 とする。９は上パンチを下降させて
加圧するときに、ダイス２−１，２−２および下パンチ
を一体化させておくための治具である。
面断面図である。簡単のため、金型、ＣＩＰとも軸対称
とする。１は上パンチ、２は上下に分割可能な構造のダ
イス、２−１は上ダイス、２−２は下ダイス、３は中間
ダイス、４は下パンチ、５は圧力媒体、６は粉末材料で
ある。上パンチの下面７の面積をＡ0、中間ダイス３の
上面８の面積をＡ1 とする。９は上パンチを下降させて
加圧するときに、ダイス２−１，２−２および下パンチ
を一体化させておくための治具である。
【０００６】作業手順を以下に示す。まず、ダイス２−
２に下パンチ４をセットし、粉末材料６を充填する。こ
のとき金型を置いている台を振動させるとより均一に粉
末材料を充填することができる。その後中間ダイス３を
挿入し、さらに上ダイス２−１をセットする。つぎに、
ダイス２−１，２−２および下パンチ４を金型治具９で
結合する。中間ダイス３の上方に圧力媒体５を注入し、
プレス機械などによって上パンチ１を下降させて加圧す
る。このとき、粉末材料６を成形するために必要な荷重
をＰとすると、上パンチ１による加圧力はパスカルの原
理によりＰ×Ａ 0 ／Ａ1 となる。したがって、上パンチ
１により加圧力はＡ1 に対してＡ0 を小さくすることに
より著しく小さくすることが可能である。
２に下パンチ４をセットし、粉末材料６を充填する。こ
のとき金型を置いている台を振動させるとより均一に粉
末材料を充填することができる。その後中間ダイス３を
挿入し、さらに上ダイス２−１をセットする。つぎに、
ダイス２−１，２−２および下パンチ４を金型治具９で
結合する。中間ダイス３の上方に圧力媒体５を注入し、
プレス機械などによって上パンチ１を下降させて加圧す
る。このとき、粉末材料６を成形するために必要な荷重
をＰとすると、上パンチ１による加圧力はパスカルの原
理によりＰ×Ａ 0 ／Ａ1 となる。したがって、上パンチ
１により加圧力はＡ1 に対してＡ0 を小さくすることに
より著しく小さくすることが可能である。
【０００７】圧力媒体５として通常のＣＩＰや油圧機器
で用いられる水＋ソリブル油や粘度の低い油を用いる場
合は、上パンチ１と上ダイス２−１の間や中間ダイス３
と上ダイス２−１の間などのクリアランス部のシールを
完全に行なう必要がある。種々研究した結果、グリース
などのように粘度の高い油に黒鉛や雲母などの数10ミク
ロン以下の微粉を混合したものを圧力媒体として用いれ
ば、これらのクリアランスを通常の機械精度（１／ 100
mm程度）で仕上げるのみでも500MPa程度の圧力に耐える
ことが判明した。
で用いられる水＋ソリブル油や粘度の低い油を用いる場
合は、上パンチ１と上ダイス２−１の間や中間ダイス３
と上ダイス２−１の間などのクリアランス部のシールを
完全に行なう必要がある。種々研究した結果、グリース
などのように粘度の高い油に黒鉛や雲母などの数10ミク
ロン以下の微粉を混合したものを圧力媒体として用いれ
ば、これらのクリアランスを通常の機械精度（１／ 100
mm程度）で仕上げるのみでも500MPa程度の圧力に耐える
ことが判明した。
【０００８】以上で説明した液圧を用いる金型圧縮法に
より製造された粉末成形体は通常は焼結することによ
り、さらにち密化される。ただし、焼結により寸法が収
縮するので、金型のキャビティ寸法はその分を見込んで
製品寸法より大きくしておくのが普通である。
より製造された粉末成形体は通常は焼結することによ
り、さらにち密化される。ただし、焼結により寸法が収
縮するので、金型のキャビティ寸法はその分を見込んで
製品寸法より大きくしておくのが普通である。
【０００９】
【実施例】図２に示す形状の大型の浅い容器を以下の方
法で製造した。容器の寸法はｄ1 ＝ 300mm、ｄ2 ＝ 200
mm、ｈ1 ＝80mm、ｈ2 ＝40mmであった。粉末材料６は平
均粒径１ミクロンのアルミナを平均粒径 100ミクロンの
スプレー造粒粉にしたものであり、造粒に用いた結合剤
は水＋ＰＶＡであった。
法で製造した。容器の寸法はｄ1 ＝ 300mm、ｄ2 ＝ 200
mm、ｈ1 ＝80mm、ｈ2 ＝40mmであった。粉末材料６は平
均粒径１ミクロンのアルミナを平均粒径 100ミクロンの
スプレー造粒粉にしたものであり、造粒に用いた結合剤
は水＋ＰＶＡであった。
【００１０】図３に使用した金型の主要部の形状を示し
た。実験によりこの造粒粉を成形焼結するときの焼結収
縮率は20％であることがわかっているので、金型寸法は
Ｄ1 ＝ 360mm、Ｄ2 ＝ 240mm、Ｈ1 ＝96mm、Ｈ2 ＝48mm
とした。粉末材料６に対する成形に必要な加圧力は1.５
トン／cm2程度なので中間ダイス３は約1500トンの加圧
力を粉末材料におよぼす必要があった。図示していない
が、Ａ0 ／Ａ1 ＝0.05としたので、上パンチ１の加圧力
は75トンに設定した。上パンチ１と上ダイス２−１の間
および中間ダイス３と上ダイス２−１の間のクリアラン
スは１／100mmとし、圧力媒体５はグリース＋黒鉛を用
いた。粉末材料６に直接接触するキャビティ部分はステ
アリン酸亜鉛の水との混合液を塗布して潤滑した。
た。実験によりこの造粒粉を成形焼結するときの焼結収
縮率は20％であることがわかっているので、金型寸法は
Ｄ1 ＝ 360mm、Ｄ2 ＝ 240mm、Ｈ1 ＝96mm、Ｈ2 ＝48mm
とした。粉末材料６に対する成形に必要な加圧力は1.５
トン／cm2程度なので中間ダイス３は約1500トンの加圧
力を粉末材料におよぼす必要があった。図示していない
が、Ａ0 ／Ａ1 ＝0.05としたので、上パンチ１の加圧力
は75トンに設定した。上パンチ１と上ダイス２−１の間
および中間ダイス３と上ダイス２−１の間のクリアラン
スは１／100mmとし、圧力媒体５はグリース＋黒鉛を用
いた。粉末材料６に直接接触するキャビティ部分はステ
アリン酸亜鉛の水との混合液を塗布して潤滑した。
【００１１】このようにして成形した粉末成形体を、昇
温速度20℃／Ｈr 、均熱時間10時間、降温速度20℃／Ｈ
r の条件で大気加熱炉で焼結したところ、ゆがみが少な
く高密度でしかも予期した寸法の焼結体の容器が得られ
た。
温速度20℃／Ｈr 、均熱時間10時間、降温速度20℃／Ｈ
r の条件で大気加熱炉で焼結したところ、ゆがみが少な
く高密度でしかも予期した寸法の焼結体の容器が得られ
た。
【００１２】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれば
小容量プレスで大寸法の部品を金型成形することが可能
になったので、その工業的効果は大きい。
小容量プレスで大寸法の部品を金型成形することが可能
になったので、その工業的効果は大きい。
【図１】本発明の液圧金型の正面断面図である。
【図２】本発明の方法で製造した容器の斜視図である。
【図３】図２の容器を製造するために用いた液圧金型要
部の正面断面図である。
部の正面断面図である。
１…上パンチ ２−１…上ダイス ２−２…下ダイス ３…中間ダイス ４…下パンチ ５…圧力媒体 ６…粉末材料 ７…上パンチの下面 ８…中間パンチ３の上面 ９…金型治具
Claims (1)
- 【請求項１】 ダイスと上パンチ及び下パンチとからな
るキャビティ内に、ダイス内面を摺動する中間ダイスを
設置すると共に、前記上パンチの下面の面積を前記中間
ダイスの上面の面積より小さくして金型を構成し、しか
して前記中間ダイスの下面と下パンチの上面の間に粉末
材料を装入し、かつ中間ダイスの上面と上パンチの下面
の間に、グリースとグラファイトの混合物からなる圧力
媒体を注入したのち、前記上パンチを加圧降下させ、こ
れにより中間ダイスに前記加圧力よりも大きい加圧力を
加えて粉末材料を圧縮成形することを特徴とする液圧金
型圧縮方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3049772A JP2672193B2 (ja) | 1991-03-14 | 1991-03-14 | 液圧金型圧縮法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3049772A JP2672193B2 (ja) | 1991-03-14 | 1991-03-14 | 液圧金型圧縮法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04285104A JPH04285104A (ja) | 1992-10-09 |
| JP2672193B2 true JP2672193B2 (ja) | 1997-11-05 |
Family
ID=12840461
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3049772A Expired - Fee Related JP2672193B2 (ja) | 1991-03-14 | 1991-03-14 | 液圧金型圧縮法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2672193B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58171503A (ja) * | 1982-04-02 | 1983-10-08 | Hitachi Ltd | 粉末成形装置 |
| JPH0420574Y2 (ja) * | 1985-04-08 | 1992-05-12 |
-
1991
- 1991-03-14 JP JP3049772A patent/JP2672193B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04285104A (ja) | 1992-10-09 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19970603 |
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