JP2670937B2 - 高強度ボルトの製造方法 - Google Patents

高強度ボルトの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は高強度ボルトに関し、よ
り詳細には、特定成分組成を有する高強度ボルトの熱処
理による製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】最近、
自動車の燃費低減を目的とした各部品の軽量化に伴い、
部品の締結用ボルトの分野においても、高強度化の要請
が高まってきている。 【0003】例えば、自動車用部品を小型化、高強化す
れば、コンロッドボルト、シリンダーヘッドボルトなど
の締結用ボルトも小型化にせざるを得ず、小型のボルト
で締付け力を確保するにはそのボルトの強度を上げるこ
とが必要になる。 【0004】従来、この種のボルトとしては、ISO
(国際標準化機構)規格に基づく強度区分12.9ボル
トが使用されていた。このボルトの強度規格としては引
張り強さ120〜140kgf/mm2、0.2%耐力≧0.9
×(引張強さ)の条件を満たすべきことが要求されてい
るが、このような規格条件を満足するボルトを用いてい
た部品に対して前述の小型化に伴う高強度化の要請に応
えるためには、強度区分としてISO14.9の条件、
すなわち引張強さ140〜160kgf/mm2、0.2%耐力
≧0.9×(引張強さ)を満たす高強度ボルトの出現が
必要とされる。 【0005】しかしながら、このようなより高強度のボ
ルトについてISOで規格され、またJIS規格でも1
4.9クラスが規定されてはいるものの、かゝる条件を
満たし得る高強度ボルト用鋼の開発の点で十分ではな
く、材料面での追従が遅れているのが現状である。 【0006】すなわち、この種のボルトの材質として従
来使用されていたボルト用鋼は、JIS SCM440
などのクロム・モリブデン鋼であるが、ボルトの高強度
化に当たって最大の課題である耐遅れ破壊性の点に関し
て、従来より引張強さが120kgf/mm2を超えると急激
にこの耐遅れ破壊性が劣化することが知られており、そ
のために、引張強さの点でそれなりのレベルが得られて
も、実際に引張強さ140〜160kgf/mm2で用いるこ
とができなかった。 【0007】更には、上記耐遅れ破壊性以外でも高強度
ボルトに要求されることがある性質、例えば疲労強度の
点でも、高引張強さと共に兼ね備え得る所望のボルト用
鋼が見い出されていなかった。 【0008】本発明は、このような状況に鑑みて前述の
小型化に伴う高強度化の要請に応えるべくなされたもの
であって、高強度ボルトとして規格上必要とされる高引
張強さ、特に140〜160kgf/mm2の強さ並びに0.2
%耐力の点で満足でき、更には付加的に耐遅れ破壊性の
みならず疲労強度などの性質にも優れた高強度ボルトを
熱処理により製造する方法を提供することを目的とする
ものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】従来より確認されている
ように、ボルト用に供される高強度クロム・モリブデン
鋼での遅れ破壊は、旧オ−ステナイト粒界を起点として
発生する。 【0010】そこで、本発明者等は、この遅れ破壊の発
生機構に及ぼす金属組織、合金元素及び不純物元素の影
響を明らかにすべく種々実験、研究を重ねた結果以下に
示すような知見を得るに至った。すなわち、その要点は
次の(1)〜(3)のとうりである。 【0011】(1)焼もどし温度はできるだけ高いこと
が好ましい。焼もどしの第3段階、すなわちセメンタイ
トが析出する領域では粒界に析出したセメンタイトが粒
界を脆化させるため、特に140〜160kgf/mm2の高
い引張強さを得るにはこの領域を避け、これより高温の
焼もどしを施すことが好ましい。 (2)P、S等の不純物は、焼入れ時のオ−ステナイト
化中にオ−ステナイト粒界に偏析し、これを脆化させる
ので、それらの含有量を可能な限り低く抑制するのが好
ましい。 (3)熱処理時の粒界酸化は著しく粒界強度を低下さ
せ、耐遅れ破壊性をも劣化させる。したがって、粒界酸
化させ易い元素Mn、Siなどは極力低減させることが好
ましい。 【0012】これらのうち、特に上記(3)については、
従来より耐遅れ破壊性と粒界酸化との関係について言及
された例はなく本発明者によってはじめて見い出された
独創的な知見である。 【0013】また、引張強さと耐遅れ破壊性の双方を満
足させるには、熱処理条件、特に焼もどし温度領域を詳
細に管理する必要があることも見い出した。 【0014】本発明者等は、以上の諸知見に基づき、高
強度ボルト用鋼として有すべき化学成分並びに熱処理条
件を更に詳細に具現化するために検討を重ねた結果、こ
こに特定の化成分を有する高強度ボルトの熱処理による
製造方法の発明をなしたものである。 【0015】すなわち、本発明の要旨とするところは、
C:0.30〜0.50%、Si:0.15%以下、Mn:0.
40%以下、Cr:0.30〜1.50%、Mo:0.10〜
0.70%及びV:0.15〜0.40%を含み、更にNb:
0.05〜0.15%、Ti:0.05〜0.15%及びZr:
0.05〜0.15%のうちの1種又は2種以上を含み、
残部がFe及び不可避的不純物P:0.015%以下、S:
0.010%以下よりなる鋼を、940±10℃から焼
入れ後、575±25℃の焼きもどし温度で焼きもどし
を行うことを特徴とする高強度ボルトの製造方法であ
る。 【0016】以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説
明する。 【作用】 【0017】従来のクロム・モリブデン鋼などでは前述
の高強度化の要請に応えることができないため、本発明
は以下の成分を特定の範囲に限定し、更に熱処理条件を
詳細に管理するものであり、次にそれらの限定理由を述
べる。 【0018】Cは引張強さを増すために必要な成分であ
り、140〜160kgf/mm2の引張強さを確保するうえ
で下限を0.30%とする。しかし、0.50を超えると
靭延性を劣化させると共に耐遅れ破壊性も劣化するの
で、上限を0.50%とする。なお、他成分との関係で
特に耐遅れ破壊性を更によくするためには、C含有量を
0.40〜0.50%の範囲に保つのが好ましい。 【0019】Siは前述のとうり粒界酸化を助長し、こ
れを起点として遅れ破壊をもたらすので、極力低減させ
る必要があるが、脱酸元素であるので上限のみを0.1
5%とする。なお、粒界酸化をより効果的に防止して耐
遅れ破壊性を劣化させないために0.10%以下にする
のが好ましい。MnはSiとともに粒界酸化を助長する元
素であるので極力少ない方がよいが、焼入れ性をよくす
るので上限のみを0.40%とする。 【0020】Pはオ−ステナイト化時にオ−ステナイト
粒界に偏析し、粒界を脆化するので、精錬技術上可能な
限り低減すべきであり、0.015%以下とし、0.01
0%如何にするのが好ましい。 【0021】SはPと同様に、粒界に偏析するとともに
MnSとしても存在し、耐遅れ破壊性を劣化させるの
で、これも精錬技術状可能な限り低減すべきであり、
0.010%以下とし、0.005%以下にするのが好ま
しい。 【0022】Crは、焼入れ性を確保するのに必要であ
り、またセメントタイトが旧オ−ステナイト粒界に析出
する領域(本系では約500℃)を超えた焼もどし温度
を確保するために、最低0.30%を必要とする。しか
し、Cr量が増加すると高温焼もどし領域での硬さが低
下し、140kgf/mm2以上の引張強さが安定して得られ
なくなり、またSi、Mnと同様、粒界酸化を助長する
ので、上限を1.50%とする。なぉ、引張強さを安定
して確保するとともに耐遅れ破壊性の劣化を防止し、焼
入れ性や高焼もどし温度の確保などをより効果的たらし
めるためには0.90〜1.10%の範囲で添加するのが
好ましい。 【0023】Moは、他元素とのバランスによるが、5
00℃以上の焼もどし温度で140〜160kgf/mm2
引張強さを得るのに最低0.10%を必要とする。しか
し、0.70%以上の量を添加してもその効果が飽和
し、またMoは高価な元素でもあるので、0.70%を
上限とする。なお、高焼もどし温度で高い引張強さを確
実に得るために0.45〜0.65%の範囲で添加するの
が好ましい。 【0024】Vは、炭化物を形成し、結晶粒の微細化に
効果があり、その結果、耐力を上昇させ靭延性を向上さ
せることができ、またMoと同様、高温焼もどし時に炭
化物として析出し、2次硬化を示して軟化抵抗を増大さ
せることができる。そのためには0.15%以上、好ま
しくは0.25%以上添加する必要がある。しかし、必
要以上に添加してもこれらの効果は飽和し、むしろ、イ
ンゴット鋳造時或いは鋳片製造時に粗大炭化物(一次炭
化物)を形成して靭性を劣化させるので、上限を0.4
0%とし、好ましくは0.35%以下にする。 【0025】Nb、Ti及びZrは、いずれも結晶粒微細
化元素であってVと同様の効果を示すが、Vを必須添加
するので、必要に応じて1種又は2種以上を添加するこ
とができる。添加する場合には各元素とも0.05%以
上0.15%以下とする。0.05%未満では上記効果が
得られず、0.15%を超えて添加してもVが必須添加
されているので効果が飽和するためである。 【0026】一方、これらの特定成分組成を有する鋼の
熱処理条件については、広い範囲の熱処理温度、例えば
焼入れ温度が900〜980℃、焼もどし温度が500
〜650℃で焼入れ・焼もどしの熱処理を行っても、I
SO強度区分14.9の規格を満足し得るが、本発明に
係る化学成分のうち、上記の好ましい範囲に限定した鋼
に対し、更に熱処理条件を限定すると、特に耐遅れ破壊
性の向上が顕著であることが判明した。したがって、優
れた引張強さと耐遅れ破壊性の双方を満足させるべく、
焼入れ温度を940±10℃、焼もどし温度を575±
25℃の範囲に厳格に管理するものである。 【0027】以下に本発明の実施例を示す。 【0028】 【実施例1】 【表1】に示す化学成分を有する鋼をいずれも8.0mmφの線材
に圧延し、940℃から焼入れ後、575℃で焼もどし
を施し(但し、供試材Mについてのみ、焼入れ温度85
0℃、焼もどし温度450℃)、M8ボルトを製造し、
140〜160kgf/mm2級に調質した。ボルト実体の性
質を調べるとともに一部、素材での性質をも調べた。 【0029】まず、前記ボルトよりJIS 14A号試
験片(図3)を加工し、引張試験を行った。その結果を 【表2】に示す。 【0030】表2よりわかるように、いずれの本発明鋼
もISO 14.9の強度規格(引張強さ、0.2%耐
力)を十分に満足しており、特にNb、Ti、Zrの1種
以上を添加してより微細化した本発明鋼は各々これらの
元素を含まない本発明鋼に比べて0.2%耐力が高い。
これに対し、比較鋼(AMS 6304D)及び(JI
SSCM440)ともに引張り強さは得られているもの
の、特に後者の比較鋼は0.2%耐力の点で前記規格を
満たしていない。 【0031】また、ボルト実体について遅れ破壊試験を
行った。試験方法としてはボルト実体を0.2%耐力ま
で締め付けて応力を負荷し、0.1N、HClの環境下で
200時間まで浸漬保持して、20本のうち破断した本
数の割合(%)を調べた。試験結果を引張強さ140〜
160kgf/mm2の得られる範囲内で、焼もどし温度で整
理した結果を図1に示す。なお、比較鋼としてAMS
6304Dを示した。 【0032】このボルト実体遅れ破壊試験の結果よりわ
かるように、20本中、1本も破断が生じなかった焼も
どし温度領域は、比較鋼のAMS 6304Dが600
〜625℃であるのに対し、本発明鋼はこれより広く、
特に本発明鋼(3)、(4)は550〜600℃の温度領
域で皆無であった。 【0033】また、8mmφの素材より曲げ型促進試験片
(図4)を加工し、遅れ破壊試験(曲げ型促進試験)を
行った。試験方法としては、試験片を片持ちで支持し、
ノッチ部に0.1N、HClを滴下しながら自由端側に重
りを下げることにより曲げ応力をかけて、遅れ破壊曲線
(曲げ応力vs.破断時間)を作成した。この曲線に基づい
て30時間強度σ30hr(30時間経過時の応力)と静曲げ
応力σsb(曲げ応力をかけた零時間のときの応力)を求
め、その比σ30hr/σsbを遅れ破壊強度比と定義して、
これをもって対遅れ破壊性を評価した。遅れ破壊強度比
と引張強さとの関係を図2に示す。なお、通常ISO
12.8クラスに用いられるJIS SCM440及び比
較的優れた耐遅れ破壊性の得られるAMS6304Dに
ついても比較鋼として併わせて示した。 【0034】その結果、本発明鋼はいずれも比較鋼に比
べて高強度域で優れた耐遅れ破壊性を示し、特に本発明
鋼のうちでも化学成分を好ましい範囲に限定した本発明
鋼(3)、(4)が特に高い遅れ破壊強度比を示してい
る。一方、比較鋼JIS SCM440は120〜14
0kgf/mm2級の底強度域でも遅れ破壊強度比が高強度化
とともに低下しているが、本発明鋼はそのような強度域
でも上記比較鋼と同等以上の効果を示している。 【0035】 【実施例2】本発明の製造方法における熱処理条件、特
に焼入れ温度の耐遅れ破壊性に及ぼす影響を調べるため
に、実施例1と同様の条件で、但し焼入れ温度を変化さ
せてボルトを製造し、引張試験を行うとともに、一部、
素材について同様に遅れ破壊強度比を調べた。その結果
を 【表3】 に示す。これより、焼入れ温度が940±10℃の範囲
を若干外れ低い温度或いは高い温度であっても、引張強
さの点では140kgf/mm2以上を確保できるが、耐遅れ
破壊性が劣化する。 【0036】 【実施例3】高強度ボルトとして用いるに当たっては、
耐遅れ破壊性のみならず、疲労強度の高いことも重要で
ある。疲労強度を上昇させる手段として、ねじ転造を熱
処理の前後に分割して行い、熱処理後の圧縮残留応力を
高めることが考えられる。熱処理前後の転造の割合とし
ては、熱処理前に50〜95%、熱処理後で50〜5%
が妥当である。 【0037】この点を確認するため、実施例1の本発明
鋼の一部を用いて得たボルト実体について、 【表4】 に示す条件で転造を行い、疲労試験を行った。試験条件
及び結果は同表に示すとうりである。その結果、本発明
鋼は元来、耐遅れ破壊性が優れているため、耐遅れ破壊
性を劣化させずに疲労強度を高めることが可能である
が、ねじ転造を熱処理前後に分割して行えば、一層疲労
強度の上昇を期待できる。但し、従来用いられている通
常のボルト用鋼種では、圧縮応力を高め強度を高めるこ
とは耐遅れ破壊性の劣化につながることを別途確認し
た。 【0038】なお、本発明鋼は140〜160kgf/mm2
級を対象として開発したものであるが、上記実施例でも
明らかなように、これ以下の強度で用いても当然、従来
鋼と同等以上の性能を有するものである。また、本発明
の高強度ボルトは、常温で使用するのみならず、高温用
ボルトとしても適用可能である。 【0039】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
高強度化の要請に十分応え得る優れた強度を有し、特に
140〜160kgf/mm2の高引張強さと0.2%耐力の
向上の双方を満足でき、更には耐遅れ破壊性、疲労強度
などの性質でも優れた高強度ボルトを提供することがで
きる。勿論、従来鋼の使用強度レベルでもそれと同等以
上の性能を有するほか、高温用ボルトとしても使用でき
るので、一層の適用範囲の拡大を可能とする等々、その
効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】 【図1】ボルト実体遅れ破壊試験の結果を示す図であっ
て、破断試験片の割合と焼もどし温度との関係を示して
いる。 【図2】遅れ破壊強度比と引張強さとの関係を示す図で
ある。 【図3】試験片の形状、寸法(mm)を示す図である。 【図4】試験片の形状、寸法(mm)を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 並木邦夫 愛知県名古屋市守山区牛牧字牛牧7−1 西城住宅2−310 (56)参考文献 特開 昭58−117856(JP,A) 日本金属学会会報 第21巻第6号「高 強度鋼の遅れ破壊と金属組織」第441〜 448頁 昭和57年6月発行 METALLURGICAL TRA NSACTIONS A VOLOME 9A「INTERGRANULAR FRACTURE IN 4340〜TYP E STEELS:EFFECTS O F IMPURITIES AND H YDROGEN」第237〜247頁 昭和53 年2月発行

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.重量%で(以下同じ)、C:0.30〜0.50%、S
    i:0.15%以下、Mn:0.40%以下、Cr:0.30〜
    1.50%、Mo:0.10〜0.70%及びV:0.15〜
    0.40%を含み、残部がFe及び不可避的不純物P:0.
    015%以下、S:0.010%以下よりなる鋼を、94
    0±10℃から焼入れ後、575±25℃の焼きもどし
    温度で焼きもどしを行うことを特徴とする高強度ボルト
    の製造方法。 2.C:0.30〜0.50%、Si:0.15%以下、Mn:
    0.40%以下、Cr:0.30〜1.50%、Mo:0.10
    〜0.70%及びV:0.15〜0.40%を含み、更にN
    b:0.05〜0.15%、Ti:0.05〜0.15%及びZ
    r:0.05〜0.15%のうちの1種又は2種以上を含
    み、残部がFe及び不可避的不純物P:0.015%以
    下、S:0.010%以下よりなる鋼を、940±10℃
    から焼入れ後、575±25℃の焼きもどし温度で焼き
    もどしを行うことを特徴とする高強度ボルトの製造方
    法。
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METALLURGICAL TRANSACTIONS A VOLOME 9A「INTERGRANULAR FRACTURE IN 4340〜TYPE STEELS:EFFECTS OF IMPURITIES AND HYDROGEN」第237〜247頁 昭和53年2月発行
日本金属学会会報 第21巻第6号「高強度鋼の遅れ破壊と金属組織」第441〜448頁 昭和57年6月発行

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