JP2670854B2 - 耐衝撃性,成形外観,流動性に優れた熱可塑性樹脂の製造方法 - Google Patents

耐衝撃性,成形外観,流動性に優れた熱可塑性樹脂の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐衝撃性、成形外観、流動性に優れた熱可
塑性樹脂の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
耐衝撃性の優れた熱可塑性樹脂として現在ABS樹脂、
ハイインパクトポリスチレンに代表されるゴム変性熱可
塑性樹脂が広く使用されている。
しかし、用途によつては耐衝撃性、成形外観、流動性
等の性能においてまだ改良すべき点があり、その改良法
の一つとしてグラフト共重合体を製造する際、2以上の
粒径の異なつたゴムを混合し、それをグラフトゴム成分
として使用することが実施さえている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、粒径の異なるゴムの混合物を製造する方法と
しては、粒径の異なるゴムをそれぞれ個別に重合し、そ
れを混合する方法が一般的に採用されている。しかし大
粒径のゴムを製造する場合、非常に長い重合時間を必要
とするために生産性が悪く、また粒径の異なるゴムを個
別に生産し、それらを個々のタンクに貯蔵しなければな
らないという場所的、経済的な解決すべき問題を有して
いるのが現状である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上述した如き現状に鑑み、鋭意検討し
た結果、多分散の粒径分布を有する混合ゴムを短時間で
製造する方法を開発し、その得られた混合ゴムの存在下
に、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及びこ
れらと共重合可能なビニル他の単量体の混合物を重合さ
せることにより、上記の問題点が解決され、耐衝撃性、
成形外観、流動性に優れた熱可塑性樹脂が得られること
を見出し本発明に到達した。
即ち、本発明の耐衝撃性、成形外観、流動性に優れた
熱可塑性樹脂の製造方法は、1,3−ブタジエン50〜100重
量%及びこれと共重合可能な他の単量体0〜50重量%
(合計量100重量%)とから得られるpH7以上のゴム
(A)ラテツクス100重量部(固形分)に対し酸基含有
単量体3〜40重量%、アルキル基の炭素数が1〜12のア
クリル酸アルキルエステルの1種以上の35〜97重量%及
びおれと共重合可能な他のビニル単量体0〜48重量%
(合計量100重量%)を重合させることにより得られる
肥大化能力を異にする少なくとも2種の酸基含有共重合
体(B)ラテツクスの混合物0.1〜10重量部(固形分)
を添加して得らえる2以上の多分散粒径分布を有する肥
大化ゴム(C)ラテツクス5〜70重量部(固形分)の存
在下に、芳香族ビニル単量体70〜90重量%、シアン化ビ
ニル単量体10〜40重量%及びこれらと共重合可能な少な
くとも1種の他のモノビニル単量体0〜20重量%(合計
100重量%)からなる単量体混合物95〜30重量部を重合
することを特徴とする。
本発明におけるジエン系ゴム(A)ラテツクスは1,3
−ブタジエン50〜100重量%及びこれと共重合可能な他
の単量体0〜50重量%(合計100重量%)とから構成さ
れるものであり、1,3−ポリブタジエンホモポリマー又
は1,3−ブタジエン単位50重量%以上から構成される共
重合体である。該共重合体の例としては、例えばブタジ
エン−スチレン共重合体、ブタジエン−ビニルトルエン
共重合体などのような8ブタジエン−芳香族ビニル化合
物共重合体;ブタジエン−アクリロニトリル共重合体;
ブタジエン−メタクリロニトリル共重合体;ブタジエン
−アクリル酸メチル共重合体、ブタジエン−アクリル酸
エチル共重合体、ブタジエン−アクリル酸ブチル共重合
体、ブタジエン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合
体などのようなブタジエン−アクリル酸アルキルエステ
ル共重合体;ブタジエン−メタクリル酸メチル共重合
体、ブタジエン−メタクリル酸エチル共重合体などのよ
うなブタジエン−メタクリル酸アルキルエステル共重合
体;などを包含し、さらに1,3−ブタジエン単位50重量
%以上から構成される三元共重合体も包含する。これら
は、通常、公知の乳化重合によつて容易に製造すること
ができる。また、このジエン系ゴムの製造に使用する触
媒、乳化剤等としては特に制限なく各種のものが使用で
きるが、この得られるゴムの粒子径は0.04〜0.2μmの
ものが好ましい。
本発明における上記ジエン系ゴムを肥大化するための
酸基含有共重合体(B)ラテツクスは、酸基含有単量体
とアクリル酸アルキルエステルとを必須構成成分とする
ことが条件である。酸基含有単量体としてはアクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸及びクロトン酸等があげ
られる。またアクリル酸アルキルエステルとしては、ア
ルキル基の炭素数が1〜12のアクリル酸アルキルエステ
ルの少なくとも1種が選ばれる。
アクリル酸アルキルエステルの代わりに、例えばメタ
クリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル等の単
量体を用いても全く肥大化効果は見られない。しかし、
アクリル酸アルキルエステルの半重量以下を上記他の単
量体等で置換することな可能である。
酸基含有単量体は、酸基含有重合体の構成単量体の3
〜40重量%となる範囲で使用される。3重量%未満では
肥大化能力が小さく、また、40重量%を越えると逆に肥
大化能力が強すぎて、1.5μmを越える課題な粒子を生
成させる傾向になりあまり好ましくない。
また、酸基含有単量体の最適構成量は、用いるアクリ
ル酸アルキルエステルの新水性の度合によつても変化す
る。アクリル酸アルキルエステルの新水性が高い場合に
は、酸基含有単量体の量が少ない領域で肥大化の効果が
発揮されるが、酸基含有単量体の量が多くなるとラテツ
クスが破壊されるため好ましくない。逆にアクリル酸ア
ルキルエステルの親水性が低い場合には、酸基含有単量
体の量の低い領域では肥大化効果が少なく、酸基含有単
量体の量がある程度よりも多くならないと十分効果が発
揮できない。例えば親水性の高いアクリル酸アルキルエ
ステルであるアクリル酸メチルやアクリル酸エチルの場
合には、酸基含有単量体の量が5〜10重量%のときが最
適であるのに対し、アルキル基の炭素数が4以上の疎水
性アクリル酸アルキルエステルであるからアクリル酸ブ
チルやアクリル酸2−エチルヘキシルの場合には、酸基
含有単量体の量が13〜20重量%の場合に最適となる。な
お親水性の高いアクリル酸アルキルエステルを用いる
と、酸基含有単量体の量が5〜10重量%の場合であつて
も系が不安定になりやすく、そのためにカレツト(粗大
粒子)が生じやすいという難点がある。それに対し、疎
水性アクリル酸アルキルエステルを用いれば、系が不安
定になることもなく、均一な肥大化粒子が得られること
が多い。
酸基含有単量体としては、前記単量体の他に、桂皮
酸、無水マレイン酸、ブテントリカルボン酸等がある
が、これらは肥大化能力が小さいので実用的でない。
この酸基含有共重合体はラテツクスの形で使用される
が、その粒子の大きさは肥大化能力に大きな影響を与
え、好ましい平均粒子径は0.05〜0.2μmの範囲であ
る。0.05μmより小さい場合はその肥大化能力は著しく
低下し、また0.2μmより大きい場合には肥大化後のゴ
ム粒子径が大きくなり過ぎるので、引続いてグラフト重
合を行つたりする場合に不安定となり凝集しやすくな
る。
酸基含有共重合体は、公知の乳化重合法によつて製造
することができ、使用する触媒、乳化剤等は特に制限は
なく、各種のものを用いることができる。
酸基含有共重合体(B)ラテツクスは、使用に際し
て、肥大化能力の異なる(種類の異なる)2以上の酸基
含有共重合体ラテツクスうを混合して用いられる。
本発明において使用する酸基含有共重合体は、肥大化
能力の異なるものを混合しても、それぞれが相互作用を
及ぼさないので、混合系においても、それぞれが十分に
肥大化能力を発揮することができ、精度のよい粒径コン
トロールが可能である。
また目的とするゴム粒径の分布比率は、使用する肥大
化能力を異にする酸基含有共重合体の比率に対応するの
で、肥大化能力の異なる酸基含有共重合体を適宜選択し
て使用することにより、所望の粒径分布を有する肥大化
ゴム(C)を得ることができる。肥大化能力の異なる酸
基含有共重合体は、酸基含有共重合体中の酸基含有単量
体の種類及び含有量、並びに酸基含有共重合体の粒子径
を変えることにより調製される。
2以上の多分散粒径分布を有する肥大ゴム(C)の調
製は、0.04〜0.2μmのような小粒径のジエン系ゴム
(A)ラテツクスに、上記の構成からなる肥化能力の異
なる2種又はそれ以上の酸基含有共重合体ラテツクスの
混合物を添加することにより行われる。
酸基含有共重合体(B)ラテツクスの添加量は、ジエ
ン系ゴムラテツクス100重量部(固形分として)に対し
て、0.1〜10重量部(固形分として)、好ましくは0.5〜
5重量部であり、0.1重量部未満ではゴム粒子の肥大化
効果が十分でなく、また10重量部を越える場合にはラテ
ツクスの安定性がそこなわれる。
また、2以上の多分散粒径分布を有する肥大化ゴムを
調製する場合、ジエン系ゴム(A)ラテツクスのpHは7
以上に保つておくことが必要である。pH値が酸性にある
場合には、酸基含有共重合体(B)ラテツクスを添加し
ても肥大化効率が低く、本発明の目的とする多分散の粒
径分布をもつジエン系ゴムラテツクスを得ることが困難
となる。
このジエン系ゴム(A)ラテツクスのpHを7以上にす
るには、このジエン系ゴムの重合中に調節してもよい
し、また酸基含有共重合体の添加処理の前に行つてもよ
い。
また、本発明においては酸基含有共重合体(A)ラテ
ツクスのみの使用てもよいが、無機電解質をジエン系ゴ
ム(A)ラテツクス100重量部(固形分として)辺り0.0
5〜4重量部、特に0.1〜1重量部併用するとジエン系ゴ
ムの肥大化がより効率的に行われ、得られる大粒径ゴム
ラテツクスの安定性が大幅に向上する。使用できる無機
電解質としては、KCl,NaCl,Na2SO4,K2SO4等の無機塩が
使用できる。またこの無機電解質は、ジエン系ゴムの重
合時に予め添加しておくことも可能であり、また肥大化
する時に添加することもできる。
肥大化ゴムの粒径範囲としては、耐衝撃性、成形外
観、流動性に優れた樹脂を得るためには0.05〜1.5μm
の範囲でもあるのが好ましい。
また、ジエン系ゴムを肥大化する際には、未肥大化の
小粒子が一部残存することが一般的であるが、衝撃性、
成形外観、流動性の樹脂性能にはほとんど影響しないも
のである。
次に本発明の熱可塑性樹脂は、上記の方法によつて得
られた2以上の多分散粒径分布を有する肥大化ゴム
(C)ラテツクス50〜70重量部(固形分として)の存在
下に、芳香族ビニル単量体70〜90重量%、シアン化ビニ
ル単量体10〜40重合%及びこれらと共重合可能な少なく
とも1種の他のモノビニル単量体0〜20重量%とからな
る単量体混合物95〜30重量部を重合させることにより得
られる。
本発明における芳香族ビニル単量体としてはスチレ
ン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、ビニル
トルエンあるいはハロゲン置換、芳香族ビニル短量体等
があげられ、単独又は2種以上混合して用いることがで
きる。
シアン化ビニル単量体としてはアクリロニトリルやメ
タクリロニトリル、エタクリロニトリル等があげられ、
単独又は2種以上混合して用いることができるが、好ま
しくはアクリロニトリルである。
また、これらと共重合可能なビニル単量体としては、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸エチル等のメタクリ
酸アルキルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルエステ
ル等があげられ、単独又は2種以上混合して用いること
ができる。
この乳化グラフト重合に際しては、通常公知の乳化剤
及び触媒が使用され、その種類及び添加量について特に
制限はない。
ジエン系ゴム(C)含有量が重量部未満では耐衝撃性
が低いため実用的価値はなく、また70重量部を越えると
流動性及び加工性が悪くなるので好ましくない。好まし
いゴムの含有量は10〜45重量部である。
肥大化ゴム(C)にグラフト重合させる場合、グラフ
ト単量体は一度に加えてもよく、また分割添加を行つた
り、連続添加を行つたり、各単量体を個々に段階的にグ
ラフト重合させてもよい。
得られたグラフト又はグラフト−ブレンド重合物には
公知の抗酸化剤、活剤、着色剤、充填剤等を加えること
ができる。
また、上記グラフト重合体にゴムを含まない樹脂をブ
レンドすることにより耐衝撃性及び耐熱性の良好な樹脂
組成物を得ることができる。この場合には母体となるグ
ラフト重合物中のゴム含有量は、5〜70重量%の範囲に
はなくてもよいが、ブレンド後の最終含有量は5〜70重
量%の範囲にあることが好ましい。この時に用いられる
ゴムを含まない樹脂としてはポリスチレン、スチレン−
無水マレイン酸共重合体、α−メチルスチレン−無水マ
レイン酸共重合体、ポリメチルメタクリレート、メチル
メタクリレート−α−メチルスチレン−アクリロニトリ
ル共重合体、AS樹脂、α−メチルスチレン−アクリロニ
トリル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等
があげられる。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を具体的に説明する。
下記実施例中「部」及び「%」は、それぞれ「重量
部」及び「重量%」を意味する。
なお、実施例中で示す測定方法は次の如くである。
(1) アイゾット衝撃強度 ASTM D−256 (2) メルフローインデツクス(MI) ASTM D−1238(200℃,荷重5kg) (3) 粒径分布 ゴムラテックス水稀釈溶液を、光散乱法を原理とした
大塚電子(株)製測定装置(DLS−700)を使用して測定
する。
(4) 平均粒子径 電顕法で求めた粒子径とそのラテツクスの稀釈溶液
(0.15g/)の波長700mmにおける吸光度との関係から
検量線を作成し、ラテツクスの吸光度を測定して検量線
から求める。
(5) 成形外観 黒着色板を成形により製造し、成形板表面の黒色の発
色製を目視で判定する。
○;良好(アクリル樹脂並み) △;悪い ×;極めて悪い 実施例1 ジエン系ゴム(A−E)の合成 1,3−ブタジエン 66 部 アクリル酸n−ブチル 9 部 スチレン 25 部 ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド 0.2 部 オレイン酸カリウム 1.0 部 不均化ロジン酸カリウム 1.0 部 ピロリン酸ソーダ 0.5 部 硫酸第一鉄 0.005部 デキストローズ 0.3 部 無水硫酸ナトリウム 0.3 部 水 200 部 上記組成に従つて100オートクレーブで50℃で重合
した。9時間でほぼ重合は完了し、添加率97%、平均粒
子径0.08μm、PH9.0のジエン系ゴムラテツクスが得ら
れた。
酸基含有共重合体(B−1)の合成 アクリル酸n−ブチル 85 部 メタクリル酸 15 部 オレイン酸カリウム 2 部 ジオクチルスルホコハク酸ソーダ 1 部 クメンヒドロパーオキサイド 0.4部 ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.3部 イオン交換水 200 部 上記組成物を別の重合装置で70℃で4時間重合させ
た。転化率は98%であり。平均粒子径0.08μmの酸基含
有共重合体ラテツクスが得られた。
酸基含有共重合体(B−2)の合成 上記酸基含有共重合体(B−1)の合成において、ア
クリル酸n−ブチルを75部、メタクリル酸を25部に変え
る以外全く同様な方法をくり返して重合した。転化率は
97%であり、平均粒子径0.13μmの酸基含有共重合体ラ
テツクスが得られた。
肥大化ゴム(C−1)の調製 ジエン系ゴム(A−1)のラテツクス100部(固形
分)に、酸基含有共重合体の混合ラテツクス2部(B−
1/B−2=80/20、固形分比)を撹拌下に添加し、さらに
30分間撹拌し、多分散粒径分布を有する肥大化ゴムラテ
ツクスを得た。表1にこのラテツクスの粒径分布の測定
結果を示す。
熱可塑性樹脂の製造 上記の肥大化ゴム(C−1)ラテツクスを用いて下記
に示すような重合条件でグラフト重合を行つた。
肥大化ゴム(C−1)ラテツクス(固形分) 15 部 スチレン 67 部 アクリロニトリル 18 部 クメンハイドロパーオキサイド 0.6 部 不均化ロジン酸カリウム 2.0 部 ピロリン酸ソーダ 0.2 部 硫酸第一鉄 0.01部 デキストローズ 0.35部 水 200 部 重合温度 70℃ 重合時間 4時間 得られた重合体ラテツクス(添加率98%)に抗酸化剤
としてブチル化ヒドロイペルオキシトルエン2部、ジラ
ウリルチオプロピオネート0.5部を加え5%硫酸水溶液
で凝固し、洗浄、乾燥して白色粉末を得た。この粉末に
フオスフアイト系安定剤0.1部及びカーボンブラツク0.5
部を加えヘンシエルミキサーで回転数3,000r.p.m.に25
分間混合した後、シリンダー温度230℃で押出してペレ
ツト化し、スクリユー式射出成形機(シリンダー温度23
0℃、金型温度60℃)を用いて物性測定用の試片及び成
形外観測定用平板を成形した。評価結果を表1に示す。
実施例2〜5 酸基含有共重合体(B−3)の合成 実施例1の酸基含有共重合体(B−1)の合成におい
て、アクリル酸n−ブチルとメタクリル酸の量をそれぞ
れ20部,80部に変える以外は全く同様な方法をくり返し
て重合した。転化率は98%であり、平均粒子径0.10μm
の酸基含有共重合体ラテツクスが得られた。
肥大化ゴム(C−2)ラテツクスの調製 実施例1のジエン系ゴム(A−1)ラテツクス100重
量部(固形分)に、上記酸基含有共重合体(B−1),
(B−2)及び(B−3)の混合ラテツクス(混合割合
は表1に示す)2部を撹拌しながら添加し、さらに30分
間撹拌した。表1にこのラテツクスの粒径分布の即定結
果を示す。
熱可塑性樹脂の製造 上記肥大化ゴム(C−2)ラテツクスを用いて、実施
例1と同じ重合組成物及び重合条件でグラフト重合を行
つた。得られた樹脂を実施例1と同じ方法で評価した。
表1にその評価結果を示す。
比較例1〜2 ジエン系ゴム(A−2)の合成 1,3−ブタジエン 66 部 アクリル酸n−ブチル 9 部 スチレン 25 部 過酸化カリ 0.3部 ドデシルメルカプタン 0.4部 オレイン酸カリウム 0.5部 不均化ロジン酸カリウム 0.5部 水 50 部 を100オートクレーブに仕込み60℃、80r.p.m.の撹拌
下で重合を開始した。重合転化率が30%に達した時撹拌
回転数を140r.p.m.まで上昇させ、重合転化率が50%を
すぎると撹拌回転数を100r.p.m.まで下げ、 オレイン酸カリウム 1.0部 不均化ロジン酸カリウム 1.0部 水 15 部 を重合系へ断続的に加えた。45時間でほぼ重合は完了し
重合転化率97.5%、粒子径0.28μ、pH8.9のゴムラテツ
クスが得られた。
ジエン系ゴム(A−3)の合成 上記ジエン系ゴム(A−2)の合成において、初期仕
込みのオレイン酸、不均化ロジン酸カリウムの量をそれ
ぞれ0.3部及び0.3部に変える以外は、全く同様な方法を
くり返し重合した。70時間でほぼ重合を完結した。添加
率は98.1%であり、平均粒子径0.38μm、pH9.0のゴム
ラテツクスが得られた。
熱可塑性樹脂の製造 上記ジエン系ゴム(A−2)及び(A−3)ラテツク
スを表1に示す割合に混合し、実施例1に示す重合組成
物及び重合条件にてグラフト重合を行つた。得られた樹
脂を実施例1と同じ方法で評価した。表1に結果を示
す。
以上の実施例及び比較例から明らかなように、本発明
の製造方法は従来の製造法に比べてゴムラテツクスの製
造時間が大幅に短縮され、しかもそれの知用によつて得
られる樹脂も従来法の樹脂の性能と同等もしくはそれ以
上の性能を有するものが得られることがわかる。
〔発明の効果〕 本発明は、以上述べてきた如き構成からなるものであ
るから、従来法に比べてゴムラテツクスの重合時間が短
縮され、またゴムラテツクスの個別重合、その貯蔵及び
それらの配合といった操作が不要となり、工業的にきわ
めて有利な樹脂の製造方法を提供できるものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,3−ブタジエン50〜100重量%及びこれと
    共重合可能な他の単量体0〜50重量%(合計量100重量
    %)とから得られるpH7以上のジエン系ゴム(A)ラテ
    ツクス100重量部(固形分)に対し酸基含有単量体3〜4
    0重量%、アルキル基の炭素数が1〜12のアクリル酸ア
    ルキルエステルの1種以上35〜97重量%及びこれと共重
    合可能な他のビニル単量体0〜48重量%(合計量100重
    量%)を重合させることにより得られる肥大化能力を異
    にする少なくとも2種の酸素含有共重合体(B)ラテツ
    クスの混合物0.1〜10重量部(固形分)を添加して得ら
    れる2以上の多分散粒径分布を有する肥大化ゴム(C)
    ラテツクス5〜70重量部(固形分)の存在下に、芳香族
    ビニル単量体70〜90重量%、シアン化ビニル単量体10〜
    40重量%及びこれらと共重合可能な少なくとも1種の他
    のモノビニル単量体0〜20重量%(合計100重量%)か
    らなる単量体混合物95〜30重量部を重合することを特徴
    とする耐衝撃性、成形外観、流動性に優れた熱可塑性樹
    脂の製造方法。
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