JP2670132B2 - 光カード記録再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、光カードの記録再生装置に関する。

［従来技術］ 光カードを記録媒体として用いるデータの記録再生装
置においては、互いに平行な複数のトラックを有する光
カードと、この光カードに対してデータを光学的に記録
再生する光学ヘッドとを、トラック方向及びこれと直交
する方向にそれぞれ相対的に往復運動させてデータの記
録再生を行なうようにしている。

第５図はこのような光カード記録再生装置に用いられ
る光カードの構成の一例である。光カード１はカード長
手方向に延在するトラック２をカード幅方向に平行に複
数本有する。このような光カードでは、従来はトラック
２にあらかじめフォーマットが形成されている。このプ
リレコードフォーマットはその一例を第６図に示すよう
に、両端のID部とその間にデータを記録するデータ部と
から成り、ID部はID部開始点を示すＩマーク3a、3bおよ
びトラックアドレス等のトラック情報が記録されている
ID4a、4bを有し、データ部は例えば５つのセクタマーク
５によって分割された４つのセクタ6a、6b、6c、6dを有
する。通常これらのID部やセクタマークはプリレコード
されている。なお、このような光カードは広いデータ記
録領域を得るためにセクタ毎にID部は設けていない。光
カードではアプリケーションによって一度に記録するデ
ータ量は様々であり、限られた記録領域を有効に使用す
るために、アプリケーションに適したセクタサイズを持
ったトラックフォーマットを用意する必要がある。この
ため対策のひとつとして、一枚のカードに複数の異なる
セクタサイズを持ったトラックフォーマットが構成可能
なよう前述のセクタマーク等を複数種類プリレコードし
ておく事も考えられる。しかし、この場合アプリケーシ
ョンに合わないセクタサイズを持ったトラックフォーマ
ットのトラックは未使用となり無駄になるという問題が
ある。

この問題を解決するために、前述のようなセクタを分
割するためのプリレコード領域を設けないトラックから
なる光カードを用いる例が特開昭63−4476号に開示され
ている。ここでは１トラック全体を１セクタとして記録
するデータトラックと、このデータトラックに書かれた
記録情報を管理するディレクトリトラックの２種類のト
ラックフォーマットを任意のトラックに記録するように
している。このディレクトリトラックは１トラックに３
ブロック記録されるが、その方法を第７図を用いて説明
する、第７図（ａ）は再生データ信号であり、（ｂ）は
再生データ信号（ａ）を入力とする再トリガ可能ワンシ
ョットバイブレータの出力であり、この信号がHighの時
にデータが記録されている領域を再生していることを示
している。（ｃ）は（ｂ）の立ち下がりを検知して一定
時間Highとなる信号である。（ｄ）は記録データ信号で
あり、（ｃ）の立ち下がりを検知して出力される。すな
わち、この記録方法は直前の記録済みブロックの終了点
を基準として記録開始点を決定している。

［発明が解決しようとする問題点］ 光カードではアクセス時間を短縮するために、光カー
ドと光学ヘッドの相対的往復運動の両方向においてデー
タを記録再生させることが考えられる。しかし、上述の
ようにトラックをセクタに分割するためのプリレコード
領域を設けないトラックから成る光カードを用いた従来
の光カード記録再生装置では、所望セクタへのデータの
記録は直前の記録済みのセクタの終了点を基準として記
録開始点を決定して行なっていたため、記録時の光カー
ドと光学ヘッドの相対的移動方向は一方向に制限されて
しまい、アクセス時間が遅いという問題点があった。

また、例えば第１セクタの次に第３セクタに記録する
といったこともできないために、記録する順序が制限さ
れ、任意のセクタへの記録ができないという問題もあっ
た。

本発明は、トラック内でのデータ記録領域を複数のセ
クタに分割するためのプリレコード領域を設けないトラ
ックから成る光カードを用いても、光カードと光学ヘッ
ドの相対的往復運動の両方向においてデータの記録再生
を行なうことができ、もって記録時のアクセス時間を短
縮することができ、また、任意のセクタへの記録が可能
な光カード記録再生装置を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために本発明の光カード記録再生
装置は、各トラックの両端部にトラックアドレスを含む
ID部と、該ID部間にデータ部とを有する複数のトラック
からなる光カード上に、データの記録及び／または再生
を行う光カード記録再生装置であって、前記光カードに
データの記録及び／または再生を行う光ビームを照射す
る光学ヘッドと、前記光カードと前記光学ヘッドとを前
記トラックに沿った往復方向に相対的に移動させる移動
手段と、前記トラックに沿った方向において前記光カー
ドと前記光学ヘッドとの相対位置を検出する位置検出手
段と、前記各トラックの前記データ部を構成するセクタ
の個数に応じて、該セクタの区切りの位置に相当する所
定値を出力するフォーマット選択手段と、前記位置検出
手段からの出力と該フォーマット選択手段から出力され
た所定値とを比較し、一致したときにセクタ位置検出信
号を出力するセクタ位置検出手段と、前記相対移動手段
による前記光カードと前記光学ヘッドとの相対的な移動
方向を認識する認識手段と、前記セクタ位置検出信号及
び前記認識手段からの出力に基づいて、往復両方向にお
いて前記データ部内の所望のセクタの開始位置を検出
し、前記光学ヘッドにより前記所望のセクタにデータの
記録及び／または再生が行われるよう制御する制御手段
とを有することを特徴としている。

［実施例］ まず、本発明の光カード記録再生装置において用いら
れる光カードのトラックのプリレコードフォーマットの
一構成例を第１図を用いて説明する。なお、光カード全
体の構成は第５図と同一である。このトラックは第６図
と同様に両端のID部とその間のデータを記録するデータ
部とからなり、ID部はID開始点を示すIDマーク7a、7b、
及びトラックアドレス等のトラック情報が記録されてい
るID8a、8bを有している。第６図と異なるのはデータ部
であり、様々なアプリケーションに対応可能なようにセ
クタ毎のセクタマーク等のプリレコード領域をなくして
いる。

以上のような光カードを用いる本発明にかかる光カー
ド記録再生装置の一実施例を第２図に示す。この例では
光カード１をトラック方向に、光学ヘッド21をトラック
と直交する方向に移動させてデータの記録再生を行な
う。光カード１はプーリ22a、22b間に掛け渡した搬送ベ
ルト23の所定の位置に装着し、モータ駆動回路24による
モータ25の駆動によってトラック方向に往復搬送する。
モータ25には光カード１の光学ヘッド21に対する位置を
検出するためエンコーダ26を取り付け、その出力をセク
タ位置検出回路27に供給する。

光学ヘッド21は、レーザダイオード21aからの書き込
みまたは読み取り光を光学系21bを介して光カード１上
に投射し、その反射光をディテクタ21cに入射させるよ
うに構成する。ディテクタ21cの出力は復調回路28に供
給して読み出し信号35を得るとともに、フォーカス・ト
ラックサーボ回路29に供給してフォーカスエラー信号及
びトラックエラー信号を検出して、これにより光学ヘッ
ド21をフォーカス及びトラッキング方向に入射光が常に
合焦状態で追従するように制御する。

読み出し信号35はコントローラ30に供給してデータ再
生信号やトラックアドレス情報を検出するようにする。

コントローラ30は、データの再生においては、まずセ
クタ位置検出回路27にトラックフォーマットの種類を示
すフォーマット選択信号36を出力し、トラックフォーマ
ットを選択する。そしてレーザ駆動回路31を介してレー
ザダイオード21aから低出力の読み取り光を出力させる
とともに、モータ駆動回路24の駆動を制御し、復調回路
28で復調されたトラックアドレス情報及びセクタ位置検
出回路27からのトラックフォーマットに応じたセクタ位
置検出信号37に基づいて、所望のトラックの所望のセク
タをシークしてアクセスを行ないデータの再生を開始さ
せる。また、データの記録においては、上記と同様にま
ずコントローラ30はセクタ位置検出回路27にフォーマッ
ト選択信号36を出力し、トラックフォーマットを選択
し、データを記録する所望のトラックの所望のセクタを
シークしたときに、レーザ駆動回路31を介してレーザダ
イオード21aから高出力の書き込み光を記録すべきデー
タにより変調して出力させて、当該セクタにデータを記
録する。

セクタ位置検出回路27は、コントローラ30からのフォ
ーマット選択信号36により選択されるトラックフォーマ
ットに応じて、セクタの区切りに対応した光カード上の
位置に光学ヘッドがさしかかったときにセクタへの開始
位置への到達を表すセクタ位置検出信号を出力するもの
で、第３図にその一例の回路構成を示す。このセクタ位
置検出回路27は、入力されるフォーマット選択信号36に
応じて光カード上のセクタ区切りの位置に相当する所定
値を比較器33に出力するフォーマット選択器32と、エン
コーダ26からの出力信号をカウントするカウンタ34と、
カウンタ34からの出力カウント値とフォーマット選択器
32から出力される所定値とを比較し、一致した時にセク
タ位置検出信号を出力する比較器33とから構成される。
カウンタ34は光学ヘッドに対する光カードの位置の基準
となる点（例えば、光カードのエッジ、あるいは、第１
図のIDマーク7a、7b等）においてリセットする必要があ
る。このセクタ位置検出信号はコントローラ30に出力さ
れ、コントローラ30はこの信号をカウントする事により
所望のセクタを判断できる。もちろん、セクタ位置検出
回路27内にこのようなカウンタを設け、そのカウンタ値
をセクタ番号としてコントローラに与えてもよい。

なお、エンコーダ26からは光カード上の長さに換算し
て50−100μｍピッチ程度のパルスを出力する事は容易
にできるので、光カードからのデータの再生および光カ
ードへのデータの記録を行なうための位置決め精度とし
ては十分である。

また、第２図ではモータ25にとりつけたエンコーダ26
から光学ヘッドに対する光カードの位置信号を得るよう
にしたが、光カードを搬送ベルトに保持する部材にリニ
アエンコーダを取り付けて位置信号を得るようにしても
よい。

第４図は第１図のプリレコードフォーマットのトラッ
クを持つ光カードを用いる上述の光カード記録再生装置
において、特定トラックの特定セクタをアクセスする場
合の一例のフローチャートを示すものである。まず、目
的とする特定トラックのトラックフォーマットを選択す
るためにフォーマット選択信号36をセクタ位置検出回路
27に与える。

次に、第１図に示したID部を読み取り、光学ヘッドが
現在光を照射しているトラックの位置を認識する。目的
とする特定トラックの位置との差分だけ、光学ヘッドを
トラックを横切る方向に移動させる。再びID部を読み取
り、光学ヘッドが目的とする特定トラックに達したか否
かを認識する。目的とする特定トラックに達するまで、
光学ヘッドは繰り返し移動させる。トラックを認識する
場合は、第５図に示した光カード１に対して光学ヘッド
21がトラック方向に左から右へ移動するとき（以下、順
方向という）は、第１図に示したID8aを読み取り、右か
ら左へ移動するとき（以下、逆方向という）は、ID8bを
読み取ることにより、トラックを認識することになる。
続いて、特定トラック上で光学ヘッドと光カードをトラ
ック方向に相対的に移動させて、セクタ位置検出回路27
から出力されるセクタ位置検出信号をカウントする。こ
のセクタ位置検出信号をカウントするカウンタは移動方
向が変化する毎にあらかじめリセットしておく。カウン
ト値が目的セクタ番号に一致した時点で、そのセクタの
アクセスが終了する。ここで、セクタ番号の認識は次の
ように行なう。すなわち、例えば１トラックを４セクタ
で構成するトラックフォーマットのトラックにおけける
セクタへのアクセスの場合には、順方向アクセスなら
ば、カウント値＝１はセクタ番号＝１に、カウント値＝
２はセクタ番号＝２に、カウント値＝３はセクタ番号＝
３に、カウント値＝４はセクタ番号＝４に、それぞれ対
応させる。また、逆方向アクセスならば、カウント値＝
１はセクタ番号＝４に、カウント値＝２はセクタ番号＝
３に、カウント値＝３はセクタ番号＝２に、カウント値
＝４はセクタ番号＝１に、それぞれ対応させる。順方向
アクセスか逆方向アクセスかの認識はモータ駆動回路24
によりモータをどちらに回転させるかを指示する信号か
ら容易にできる。

このような光カード記録再生装置によれば、トラック
内のデータ記録領域を複数のセクタに分割するためのプ
リレコード領域を設けないトラックからなる光カードを
用いても、１トラックに複数のセクタの記録が可能であ
り、また、セクタ毎の記録開始点は記録済みセクタの状
況に依存しないセクタ位置検出回路の出力に基づき決定
されるので、１トラック内の任意のセクタに記録が可能
である。さらに、アクセス時間を短縮するための順逆両
方向においてのデータの記録再生は、セクタ位置検出回
路の出力のカウント値からセクタ番号を認識する際、そ
の認識方法を、順方向アクセスか逆方向アクセスかによ
り切り替えるだけで容易に実現できる。

［発明の効果］ 以上のような光カード装置によれば、移動方向を認識
しながら光学ヘッドと光カードとの相対的な位置関係よ
りセクタ毎の記録開始点を得られるので、セクタマーク
などのプリレコード領域のないトラックからなる光カー
ドを用いた場合でも、従来のプリレコード領域のある光
カードを用いた場合と同様に、光カードと光学ヘッドの
相対的往復運動の両方向において、所望のセクタへの情
報の記録及び／または再生を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、光カードのプリレコード例を示す図、 第２図は、本発明の実施例を示す図、第３図は、第２図
におけるセクタ位置検出回路の構成例を示すブロック
図、第４図は、アクセス動作を示すフローチャート図、 第５図は、光カードを示す図、第６図は、従来用いられ
る光カードのプリレコードの一例を示す図、第７図は、
従来の記録方法を示す図である。 １……光カード、２……トラック、27……セクタ位置検
出回路、36……フォーマット選択信号、37……セクタ位
置検出信号

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】各トラックの両端部にトラックアドレスを
   含むID部と、該ID部間にデータ部とを有する複数のトラ
   ックからなる光カード上に、データの記録及び／または
   再生を行う光カード記録再生装置であって、 前記光カードにデータの記録及び／または再生を行う光
   ビームを照射する光学ヘッドと、 前記光カードと前記光学ヘッドとを前記トラックに沿っ
   た往復方向に相対的に移動させる移動手段と、 前記トラックに沿った方向において前記光カードと前記
   光学ヘッドとの相対位置を検出する位置検出手段と、 前記各トラックの前記データ部を構成するセクタの個数
   に応じて、該セクタの区切りの位置に相当する所定値を
   出力するフォーマット選択手段と、 前記位置検出手段からの出力と該フォーマット選択手段
   から出力された所定値とを比較し、一致したときにセク
   タ位置検出信号を出力するセクタ位置検出手段と、 前記相対移動手段による前記光カードと前記光学ヘッド
   との相対的な移動方向を認識する認識手段と、 前記セクタ位置検出信号及び前記認識手段からの出力に
   基づいて、往復両方向において前記データ部内の所望の
   セクタの開始位置を検出し、前記光学ヘッドにより前記
   所望のセクタにデータの記録及び／または再生が行われ
   るよう制御する制御手段とを有することを特徴とする光
   カード記録再生装置。