JP2669683B2 - 波動歯車の波動発生器 - Google Patents
波動歯車の波動発生器Info
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- JP2669683B2 JP2669683B2 JP1010717A JP1071789A JP2669683B2 JP 2669683 B2 JP2669683 B2 JP 2669683B2 JP 1010717 A JP1010717 A JP 1010717A JP 1071789 A JP1071789 A JP 1071789A JP 2669683 B2 JP2669683 B2 JP 2669683B2
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H49/00—Other gearings
- F16H49/001—Wave gearings, e.g. harmonic drive transmissions
-
- H—ELECTRICITY
- H02—GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
- H02K—DYNAMO-ELECTRIC MACHINES
- H02K99/00—Subject matter not provided for in other groups of this subclass
- H02K99/20—Motors
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Retarders (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、波動歯車に係り、特に、波動歯車に用いら
れる波動発生器の改良に係る。
れる波動発生器の改良に係る。
従来の技術 代表的な波動歯車は、剛性材料で成る円形のサーキュ
ラスプラインと、このスプラインの内側に設けられ、該
スプラインの歯数より2k枚(kは正の整数である)少な
い歯数にされた可撓性材料で成るフレクスプラインと、
このフレクスプラインの内側に嵌合してそのフレクスプ
ラインを非円形、例えば楕円形に変形させて2個所で噛
み合うようにするとともに、その楕円形を回転させる波
動発生器とから成り、この波動発生器は、内側の楕円形
のカム板と、このカム板の外周に嵌合して楕円形に撓め
られたポールベアリングから成り、該波動発生器の外輪
がフレクスプラインに嵌合している。
ラスプラインと、このスプラインの内側に設けられ、該
スプラインの歯数より2k枚(kは正の整数である)少な
い歯数にされた可撓性材料で成るフレクスプラインと、
このフレクスプラインの内側に嵌合してそのフレクスプ
ラインを非円形、例えば楕円形に変形させて2個所で噛
み合うようにするとともに、その楕円形を回転させる波
動発生器とから成り、この波動発生器は、内側の楕円形
のカム板と、このカム板の外周に嵌合して楕円形に撓め
られたポールベアリングから成り、該波動発生器の外輪
がフレクスプラインに嵌合している。
このような構成で成る波動歯車は、波動発生器のカム
板に設けられた入力軸を回転させると、フレクスプライ
ンの楕円形が回転させられ、この楕円形の回転によりサ
ーキュラスプラインとフレクスプラインがその歯数差に
対応して相対的に回転し、両スプラインの一方を固定し
他方に出力軸を設けると該出力軸は入力軸に対して大き
い減速比で回転する。従って、この波動歯車は少ない要
素で大きな減速比を得ることができ、占有空間が小さ
く、またバックラッシも少なく、更に慣性等も少ないの
で精密機械等に多用されている。
板に設けられた入力軸を回転させると、フレクスプライ
ンの楕円形が回転させられ、この楕円形の回転によりサ
ーキュラスプラインとフレクスプラインがその歯数差に
対応して相対的に回転し、両スプラインの一方を固定し
他方に出力軸を設けると該出力軸は入力軸に対して大き
い減速比で回転する。従って、この波動歯車は少ない要
素で大きな減速比を得ることができ、占有空間が小さ
く、またバックラッシも少なく、更に慣性等も少ないの
で精密機械等に多用されている。
発明が解決しようとする課題 従来の波動歯車に用いられる波動発生器は、上記のよ
うに、内側の楕円形のカム板と外周に嵌合して非円形に
撓められたボールベアリングから成り、機械的にフレク
スプラインを撓め且つその非円形を回転するものであっ
たために、ベアリング部分の潤滑が必要であるとか、ベ
アリングが可撓性でなければならないのでその材料に制
限があるとかの問題がある、更に、ベアリング部分の寿
命が有限である点でも改良の余地があった。
うに、内側の楕円形のカム板と外周に嵌合して非円形に
撓められたボールベアリングから成り、機械的にフレク
スプラインを撓め且つその非円形を回転するものであっ
たために、ベアリング部分の潤滑が必要であるとか、ベ
アリングが可撓性でなければならないのでその材料に制
限があるとかの問題がある、更に、ベアリング部分の寿
命が有限である点でも改良の余地があった。
上記の機械的にフレクスプラインを非円形に撓める波
動発生器とは別に、波動歯車の原理を利用したステップ
モータが知られている(例えば、特開昭53−89918号公
報参照)。このステップモータは、フレクスプラインを
非円形に撓める波動発生器を、フレクスプラインの外周
に設けた多数の電磁石によって構成し、前記したカム板
とボールベアリングとで成る機械的な構成の波動発生器
をなくしたので、波動発生器における潤滑等の上記問題
は無くなった。
動発生器とは別に、波動歯車の原理を利用したステップ
モータが知られている(例えば、特開昭53−89918号公
報参照)。このステップモータは、フレクスプラインを
非円形に撓める波動発生器を、フレクスプラインの外周
に設けた多数の電磁石によって構成し、前記したカム板
とボールベアリングとで成る機械的な構成の波動発生器
をなくしたので、波動発生器における潤滑等の上記問題
は無くなった。
しかし、このステップモータは、本来モータとして機
能するものであり、減速機等の運動力の機械的伝達手段
としては高価であり、また、波動発生器を多数の電磁石
によって構成するため、大きい電力を必要とし、更に、
フレクスプラインの外周に電磁石が設けられるため、波
動歯車全体の構成が大きくなってしまうという別の問題
を生じてしまった。
能するものであり、減速機等の運動力の機械的伝達手段
としては高価であり、また、波動発生器を多数の電磁石
によって構成するため、大きい電力を必要とし、更に、
フレクスプラインの外周に電磁石が設けられるため、波
動歯車全体の構成が大きくなってしまうという別の問題
を生じてしまった。
従って、本発明の目的は、フレクスプラインを非円形
に撓める波動発生器が、フレクスプラインに対して機械
的に撓めず、しかも電力を必要とせず、更に、装置全体
の大きさを大型化しない構成を有する波動歯車を提供す
ることにある。
に撓める波動発生器が、フレクスプラインに対して機械
的に撓めず、しかも電力を必要とせず、更に、装置全体
の大きさを大型化しない構成を有する波動歯車を提供す
ることにある。
課題を解決するための手段 かかる目的を達成するため、本発明によれば、剛性円
形のサーキュラスプラインと、このサーキュラスプライ
ンの内側に配置され、該サーキュラスプラインの歯数と
は異なる歯数を備え、可撓性の材料で形成されているフ
ラクスプラインと、該フレクスプラインを撓ませて非円
形に変形させることにより当該フレクスプラインを前記
サーキュラスプラインに対して部分的に噛み合わせると
共に、当該噛み合わせ部分を回転させる波動発生器とを
有し、当該波動発生器による前記噛み合わせ部分の回転
により前記サーキュラスプラインおよび前記フラクスプ
ラインに相対回転を生じさせる波動歯車において、前記
波動発生器は、前記フレクスプラインを吸引して非円形
に撓めることにより前記サーキュラスプラインに対して
部分点に噛み合わせる永久磁石によって形成されてお
り、該永久磁石には、前記サーキュラスプラインおよび
前記フレクスプラインの噛み合わせ部分を回転させるよ
うに、入力シャフトが取り付けられていることを特徴と
する波動歯車の波動発生器が提供される。
形のサーキュラスプラインと、このサーキュラスプライ
ンの内側に配置され、該サーキュラスプラインの歯数と
は異なる歯数を備え、可撓性の材料で形成されているフ
ラクスプラインと、該フレクスプラインを撓ませて非円
形に変形させることにより当該フレクスプラインを前記
サーキュラスプラインに対して部分的に噛み合わせると
共に、当該噛み合わせ部分を回転させる波動発生器とを
有し、当該波動発生器による前記噛み合わせ部分の回転
により前記サーキュラスプラインおよび前記フラクスプ
ラインに相対回転を生じさせる波動歯車において、前記
波動発生器は、前記フレクスプラインを吸引して非円形
に撓めることにより前記サーキュラスプラインに対して
部分点に噛み合わせる永久磁石によって形成されてお
り、該永久磁石には、前記サーキュラスプラインおよび
前記フレクスプラインの噛み合わせ部分を回転させるよ
うに、入力シャフトが取り付けられていることを特徴と
する波動歯車の波動発生器が提供される。
実施例 以下、本発明の実施例を説明する前に、本発明を理解
する上の参考として、一般の波動歯車について、第1図
及び第1図(a)〜(d)を参照しながら説明する。第
1図は、波動歯車1の原理を示している。この波動歯車
1は、剛性材料で成り円筒に形成され内歯が形成された
サーキュラスプライン2と、このサーキュラスプライン
2の内側に設けられ、可撓性の材料で成り薄肉のリング
部分に外歯を有するフレクスプライン3と、このフレク
スプラインの内側に嵌合して三つ葉形状や楕円形等の非
円形(図示の例では、楕円形)に撓ませる波動発生器4
から成る。波動発生器4は、楕円形形成部材としての内
側の楕円形のカム板5と、このカム板5の外周に嵌合し
て楕円形に撓められたボールベアリング6とから成り、
波動発生器4のベアリングの外輪7がフレクスプライン
3に嵌合している。
する上の参考として、一般の波動歯車について、第1図
及び第1図(a)〜(d)を参照しながら説明する。第
1図は、波動歯車1の原理を示している。この波動歯車
1は、剛性材料で成り円筒に形成され内歯が形成された
サーキュラスプライン2と、このサーキュラスプライン
2の内側に設けられ、可撓性の材料で成り薄肉のリング
部分に外歯を有するフレクスプライン3と、このフレク
スプラインの内側に嵌合して三つ葉形状や楕円形等の非
円形(図示の例では、楕円形)に撓ませる波動発生器4
から成る。波動発生器4は、楕円形形成部材としての内
側の楕円形のカム板5と、このカム板5の外周に嵌合し
て楕円形に撓められたボールベアリング6とから成り、
波動発生器4のベアリングの外輪7がフレクスプライン
3に嵌合している。
フレクスプライン3は、波動発生器4によって楕円形
に撓められているので、サーキュラスプライン2に対し
て、直径方向に対向する2点を中心としてその両側の一
部で噛み合わない。第1図では矢印A及びBの方向の2
点が噛み合い点となる。また、波動発生器4はボールベ
アリング6を有するので、波動発生器4のカム板5が回
転すると、フレクスプライン3はその楕円形状が回転さ
せられるだけで、カム板によって直接回転させられるこ
とはない。なお、フレクスプライン3は、サーキュラス
プラインの歯数より2k(kは正の整数)枚少ない歯数
(第1図ではサーキュラスプラインより4枚少ない)に
されている。
に撓められているので、サーキュラスプライン2に対し
て、直径方向に対向する2点を中心としてその両側の一
部で噛み合わない。第1図では矢印A及びBの方向の2
点が噛み合い点となる。また、波動発生器4はボールベ
アリング6を有するので、波動発生器4のカム板5が回
転すると、フレクスプライン3はその楕円形状が回転さ
せられるだけで、カム板によって直接回転させられるこ
とはない。なお、フレクスプライン3は、サーキュラス
プラインの歯数より2k(kは正の整数)枚少ない歯数
(第1図ではサーキュラスプラインより4枚少ない)に
されている。
この波動歯車1の動作について、第2図(a)〜
(d)を用いて説明する。波動発生器4のカム板5が第
2図(a)の位置にあるとき、フレクスプライン3の楕
円形の長軸において、サーキュラスプライン2の歯溝8
がフレクスプライン3の歯9に噛み合っている。カム板
5を第2図(b)に示すように90度回転させると、フレ
クスプライン3はその楕円形が回転し、フレクスプライ
ン3の噛み合い点が楕円の長軸の移動に従って移動して
歯溝8が歯9から離れる。第2図(c)に図示のよう
に、カム板5が180度回転すると歯溝8と歯9とが再び
噛み合うが、その位置は歯数差(図示の例で4枚すなわ
ちk=2)の半分だけすなわちk枚分(図示の例では2
枚分)だけずれる。そして第2図(d)に示すように、
カム板5が360度回転すると、歯溝8と歯9とは歯数差
(4枚)だけずれる。このように噛み合い位置が順次ず
れる動きを出力として取り出せば大きな減速比を得るこ
とができる。
(d)を用いて説明する。波動発生器4のカム板5が第
2図(a)の位置にあるとき、フレクスプライン3の楕
円形の長軸において、サーキュラスプライン2の歯溝8
がフレクスプライン3の歯9に噛み合っている。カム板
5を第2図(b)に示すように90度回転させると、フレ
クスプライン3はその楕円形が回転し、フレクスプライ
ン3の噛み合い点が楕円の長軸の移動に従って移動して
歯溝8が歯9から離れる。第2図(c)に図示のよう
に、カム板5が180度回転すると歯溝8と歯9とが再び
噛み合うが、その位置は歯数差(図示の例で4枚すなわ
ちk=2)の半分だけすなわちk枚分(図示の例では2
枚分)だけずれる。そして第2図(d)に示すように、
カム板5が360度回転すると、歯溝8と歯9とは歯数差
(4枚)だけずれる。このように噛み合い位置が順次ず
れる動きを出力として取り出せば大きな減速比を得るこ
とができる。
上記のフレクスプライン3を、第1図の紙面に直角な
方向に且つ一方の側に延長させたカップ形状に形成した
ものがある。これがいわゆるカップ波形動歯車であり、
簡単な構造であるという利点がある。しかし、フレクス
プラインがカップ形状に形成されるため、装置全体がど
うしても大型となり、占有空間が大きくなるという欠点
を持っている。
方向に且つ一方の側に延長させたカップ形状に形成した
ものがある。これがいわゆるカップ波形動歯車であり、
簡単な構造であるという利点がある。しかし、フレクス
プラインがカップ形状に形成されるため、装置全体がど
うしても大型となり、占有空間が大きくなるという欠点
を持っている。
かかる欠点をなくするため、第1のサーキュラスプラ
インと、このスプラインに共軸に並置され、異なる歯数
にされた第2のサーキュラスプラインと、両サーキュラ
スプラインの内側に共軸に配置され、且つ第1サーキュ
ラスプラインと同じ歯数のリング形状のフレクスプライ
ンと、このフレクスプラインを楕円形等の非円形に変形
させ、両サーキュラスプラインの各内歯に部分的に噛み
合わせるとともに、非円形に変形したフレクスプライン
の楕円形を回転させる波動発生器とを備えた波動歯車が
知られている。この波動歯車は、環状の2つのサーキュ
ラスプラインが並置され、また、フレクスプラインもカ
ップ形状でなく、環状に形成され、全体が偏平に且つ薄
く形成されることから、フラット型波動歯車と呼ばれて
いる。
インと、このスプラインに共軸に並置され、異なる歯数
にされた第2のサーキュラスプラインと、両サーキュラ
スプラインの内側に共軸に配置され、且つ第1サーキュ
ラスプラインと同じ歯数のリング形状のフレクスプライ
ンと、このフレクスプラインを楕円形等の非円形に変形
させ、両サーキュラスプラインの各内歯に部分的に噛み
合わせるとともに、非円形に変形したフレクスプライン
の楕円形を回転させる波動発生器とを備えた波動歯車が
知られている。この波動歯車は、環状の2つのサーキュ
ラスプラインが並置され、また、フレクスプラインもカ
ップ形状でなく、環状に形成され、全体が偏平に且つ薄
く形成されることから、フラット型波動歯車と呼ばれて
いる。
本発明は上記したカップ型波動歯車にもフラット型波
動歯車にも適用できるものであり、かかる波動歯車の波
動発生器を改良するものである。この波動発生器を使用
した本発明に係る波動歯車について、第3図〜第5図を
参照しながら説明する。
動歯車にも適用できるものであり、かかる波動歯車の波
動発生器を改良するものである。この波動発生器を使用
した本発明に係る波動歯車について、第3図〜第5図を
参照しながら説明する。
第3図において、本発明に係る波動歯車は、第1図の
波動歯車と同様に、剛性円形のサーキュラスプライン11
と、このサーキュラスプラインの内側に配置され、該ス
プラインの歯数とは異なる歯数で成り、可撓性の材料で
成るフレクスプライン12と、このフレクスプラインを左
円形に撓ませてその形状を回転させる波動発生器とから
構成され、波動発生器による非円形形状の回転により両
歯車に相対回転を生じさせる。かかる点では、一般の波
動歯車と同じである。
波動歯車と同様に、剛性円形のサーキュラスプライン11
と、このサーキュラスプラインの内側に配置され、該ス
プラインの歯数とは異なる歯数で成り、可撓性の材料で
成るフレクスプライン12と、このフレクスプラインを左
円形に撓ませてその形状を回転させる波動発生器とから
構成され、波動発生器による非円形形状の回転により両
歯車に相対回転を生じさせる。かかる点では、一般の波
動歯車と同じである。
しかしながら、本発明においては、波動発生器が、第
3図に示すように、フレクスプライン12を非円形(例え
ば楕円形)に撓めるため、両端に電極13及び14を有する
棒形状の永久磁石部材15で構成されている。他方、フレ
クスプライン12も、永久磁石部材15の各磁極によって変
形される程に吸引できるように、磁性材料で構成された
り、あるいは磁性材料が貼付されたりして成る。特に、
フレクスプライン12は、永久磁石部材15で吸引されたと
き、十分に楕円形等の非円形に撓むように、非常に薄く
形成されるのが好ましい。しかし、この薄さは、楕円形
への変形力によってフレクスプライン部分が座屈するこ
とがない程度に抑えられるべきである。また、このよう
に薄く形成してサーキュラスプラインの内歯に噛合うフ
レクスプライン12の外歯が十分な歯たけを有しない場合
には、サーキュラスプライン11の内側とフレクスプライ
ン12の外側の面には、スプラインに替えて、それぞれ、
相補形状の凹凸の歯を形成して噛合わせるようにしても
よい。勿論、この場合にも、サーキュラスプラインとフ
レクスプラインとは一定の歯数差を有するように形成さ
れる。また、フラット型波動歯車である場合にも一方の
サーキュラスプラインとフレクスプラインとには歯数差
が設けられる。
3図に示すように、フレクスプライン12を非円形(例え
ば楕円形)に撓めるため、両端に電極13及び14を有する
棒形状の永久磁石部材15で構成されている。他方、フレ
クスプライン12も、永久磁石部材15の各磁極によって変
形される程に吸引できるように、磁性材料で構成された
り、あるいは磁性材料が貼付されたりして成る。特に、
フレクスプライン12は、永久磁石部材15で吸引されたと
き、十分に楕円形等の非円形に撓むように、非常に薄く
形成されるのが好ましい。しかし、この薄さは、楕円形
への変形力によってフレクスプライン部分が座屈するこ
とがない程度に抑えられるべきである。また、このよう
に薄く形成してサーキュラスプラインの内歯に噛合うフ
レクスプライン12の外歯が十分な歯たけを有しない場合
には、サーキュラスプライン11の内側とフレクスプライ
ン12の外側の面には、スプラインに替えて、それぞれ、
相補形状の凹凸の歯を形成して噛合わせるようにしても
よい。勿論、この場合にも、サーキュラスプラインとフ
レクスプラインとは一定の歯数差を有するように形成さ
れる。また、フラット型波動歯車である場合にも一方の
サーキュラスプラインとフレクスプラインとには歯数差
が設けられる。
フレクスプライン12の磁性材料も、永久磁石部材15か
らの磁力を効率良く受け取るように、珪素鋼板等の高透
磁率を有する材料で成るのが好ましい。これに対応し
て、本発明の波動発生器を構成する永久磁石部材15も、
各磁極から出る磁束の密度が高くなるように、例えば、
希土類磁石材料等で構成されるのが好ましい。このよう
に、フレクスプライン12及び永久磁石部材15を構成する
ことにより、第4図に示す磁気回路が形成されて、永久
磁石部材15の各磁極13、14がフレクスプライン12の部分
を磁気吸引して、第3図に図示のように、フレクスプラ
イン12を楕円形に変形させ、その長軸上の交点を中心と
する2箇所で、フレクスプライン12がサーキュラスプラ
イン11に噛合う。なお、サーキュラスプライン11の材料
について、フレクスプライン12へ向かうべき磁束を吸引
してフレクスプラインへの磁束を減らさないものである
のが好ましく、このため、一定の剛性を有する非磁性材
料が用いられるのが好ましい。
らの磁力を効率良く受け取るように、珪素鋼板等の高透
磁率を有する材料で成るのが好ましい。これに対応し
て、本発明の波動発生器を構成する永久磁石部材15も、
各磁極から出る磁束の密度が高くなるように、例えば、
希土類磁石材料等で構成されるのが好ましい。このよう
に、フレクスプライン12及び永久磁石部材15を構成する
ことにより、第4図に示す磁気回路が形成されて、永久
磁石部材15の各磁極13、14がフレクスプライン12の部分
を磁気吸引して、第3図に図示のように、フレクスプラ
イン12を楕円形に変形させ、その長軸上の交点を中心と
する2箇所で、フレクスプライン12がサーキュラスプラ
イン11に噛合う。なお、サーキュラスプライン11の材料
について、フレクスプライン12へ向かうべき磁束を吸引
してフレクスプラインへの磁束を減らさないものである
のが好ましく、このため、一定の剛性を有する非磁性材
料が用いられるのが好ましい。
第3図に図示のように、永久磁石部材15にはその中心
に入力シャフト16が設けられ、該入力シャフト16を回転
させると、永久磁石部材15が回転し、これにより、フレ
クスプライン12の楕円形が回転し、カップ型波動歯車の
場合には両スプラインの一方を固定し、また、フラット
型波動歯車の場合にはサーキュラスプラインの一方を固
定すると、固定されないスプラインが、サーキュラスプ
ライン11との歯数差に対応した減速比で回転する。ま
た、この回転の際に、永久磁石部材15がフレクスプライ
ン12の内側壁面に摩擦接触しないようにすべきである。
このため、一定の内径を有するサーキュラスプライン11
に対して永久磁石部材15によりフレクスプライン12を変
形させても、永久磁石部材がフレクスプラインに摩擦接
触しないように、該フレクスプラインはその変形前の直
径が一定に選択されるのが好ましい。すなわち、フレク
スプライン12の直径は、該フレクスプラインが永久磁石
部材15によって吸引されても、楕円形の長軸上での噛合
い部分すなわちサーキュラスプライン11の直径によって
制限されて、短軸の直径が永久磁石部材15の長さより長
くなるように選択されるのが好ましい。また、これに限
らず、摩擦接触しない限り、他の任意の方法を用いても
よい。
に入力シャフト16が設けられ、該入力シャフト16を回転
させると、永久磁石部材15が回転し、これにより、フレ
クスプライン12の楕円形が回転し、カップ型波動歯車の
場合には両スプラインの一方を固定し、また、フラット
型波動歯車の場合にはサーキュラスプラインの一方を固
定すると、固定されないスプラインが、サーキュラスプ
ライン11との歯数差に対応した減速比で回転する。ま
た、この回転の際に、永久磁石部材15がフレクスプライ
ン12の内側壁面に摩擦接触しないようにすべきである。
このため、一定の内径を有するサーキュラスプライン11
に対して永久磁石部材15によりフレクスプライン12を変
形させても、永久磁石部材がフレクスプラインに摩擦接
触しないように、該フレクスプラインはその変形前の直
径が一定に選択されるのが好ましい。すなわち、フレク
スプライン12の直径は、該フレクスプラインが永久磁石
部材15によって吸引されても、楕円形の長軸上での噛合
い部分すなわちサーキュラスプライン11の直径によって
制限されて、短軸の直径が永久磁石部材15の長さより長
くなるように選択されるのが好ましい。また、これに限
らず、摩擦接触しない限り、他の任意の方法を用いても
よい。
更に、第5図に図示のように、波動発生器を構成する
永久磁石部材15は、回転軸の軸芯方向に複数の磁石部材
17、18、19(個数に制限はない)を並置したもので構成
してもよく、これによれば、フレクスプライン12の磁気
吸引力が更に強力になり、楕円形等の非円形への変形が
更に確実になる。
永久磁石部材15は、回転軸の軸芯方向に複数の磁石部材
17、18、19(個数に制限はない)を並置したもので構成
してもよく、これによれば、フレクスプライン12の磁気
吸引力が更に強力になり、楕円形等の非円形への変形が
更に確実になる。
なお、以上の例では、サーキュラスプラインとフレク
スプラインとが2箇所で噛み合う形式の波動歯車につい
て説明したが、本発明はこのような波動波車に限定され
ない。例えば、両スプラインの歯数差を3k枚として3箇
所で噛み合う形式すなわち三つ葉形の波動歯車にも、本
発明を適用することができ、他の類似の歯車装置にもま
た適用することができる。
スプラインとが2箇所で噛み合う形式の波動歯車につい
て説明したが、本発明はこのような波動波車に限定され
ない。例えば、両スプラインの歯数差を3k枚として3箇
所で噛み合う形式すなわち三つ葉形の波動歯車にも、本
発明を適用することができ、他の類似の歯車装置にもま
た適用することができる。
発明の効果 発明によれば、波動発生器が、永久磁石で形成されて
フレクスプラインを非円形に撓めるようにフレクスプラ
イン部分を吸引し、該永久磁石にはフレクスプラインの
非円形を回転させるように入力シャフトが取付けられて
いるので、フレクスプラインに対して機械的に撓めず、
しかも電力を必要としぜ、更に、装置全体の大きさを大
型化しない。特に、ボールベアリングの潤滑等の厄介な
問題や、機械的な摩耗の問題や電力の消費もなくなる。
更に、ボールベアリングの回転の際の騒音や、電磁石を
使用した場合の粘り等の騒音もなくなる。本発明による
波動歯車は、回転等の運動を大きい減速比で伝達するの
に特に適しており、高い精度でその運動を伝達すること
ができる。
フレクスプラインを非円形に撓めるようにフレクスプラ
イン部分を吸引し、該永久磁石にはフレクスプラインの
非円形を回転させるように入力シャフトが取付けられて
いるので、フレクスプラインに対して機械的に撓めず、
しかも電力を必要としぜ、更に、装置全体の大きさを大
型化しない。特に、ボールベアリングの潤滑等の厄介な
問題や、機械的な摩耗の問題や電力の消費もなくなる。
更に、ボールベアリングの回転の際の騒音や、電磁石を
使用した場合の粘り等の騒音もなくなる。本発明による
波動歯車は、回転等の運動を大きい減速比で伝達するの
に特に適しており、高い精度でその運動を伝達すること
ができる。
第1図は従来の波動歯車の概略正面図、第2図(a)〜
(d)は第1図の波動歯車動作説明図、第3図は本発明
による波動歯車の正面図、第4図は第3図の波動歯車の
等価磁気回路を示す図、第5図は本発明の波動歯車の変
形例を示す、第3図のV−V線より見た部分断面図であ
る。 符号の説明 1……波動歯車 2……サーキュラスプライン 3……フレクスプライン 4……波動発生器 11……サーキュラスプライン 12……フレクスプライン 13、14……磁極、15……永久磁石部材 16……入力シャフト
(d)は第1図の波動歯車動作説明図、第3図は本発明
による波動歯車の正面図、第4図は第3図の波動歯車の
等価磁気回路を示す図、第5図は本発明の波動歯車の変
形例を示す、第3図のV−V線より見た部分断面図であ
る。 符号の説明 1……波動歯車 2……サーキュラスプライン 3……フレクスプライン 4……波動発生器 11……サーキュラスプライン 12……フレクスプライン 13、14……磁極、15……永久磁石部材 16……入力シャフト
Claims (1)
- 【請求項1】剛性円形のサーキュラスプラインと、この
サーキュラスプラインの内側に配置され、該サーキュラ
スプラインの歯数とは異なる歯数を備え、可撓性の材料
で形成されているフレクスプラインと、該フレクスプラ
インを撓ませて非円形に変形させることにより当該フレ
クスプラインを前記サーキュラスプラインに対して部分
的に噛み合わせると共に、当該噛み合わせ部分を回転さ
せる波動発生器とを有し、当該波動発生器による前記噛
み合わせ部分の回転により前記サーキュラスプラインお
よび前記フレクスプラインに相対回転を生じさせる波動
歯車において、 前記波動発生器は、前記フレクスプラインを吸引して非
円形に撓めることにより前記サーキュラスプラインに対
して部分的に噛み合わせる永久磁石によって形成されて
おり、該永久磁石には、前記サーキュラスプラインおよ
び前記フレクスプラインの噛み合わせ部分を回転させる
ように、入力シャフトが取り付けられていることを特徴
とする波動歯車の波動発生器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1010717A JP2669683B2 (ja) | 1989-01-19 | 1989-01-19 | 波動歯車の波動発生器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1010717A JP2669683B2 (ja) | 1989-01-19 | 1989-01-19 | 波動歯車の波動発生器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02190646A JPH02190646A (ja) | 1990-07-26 |
JP2669683B2 true JP2669683B2 (ja) | 1997-10-29 |
Family
ID=11758051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1010717A Expired - Lifetime JP2669683B2 (ja) | 1989-01-19 | 1989-01-19 | 波動歯車の波動発生器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2669683B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007302983A (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-22 | Ihi Corp | 材料圧縮加工装置 |
JP4814302B2 (ja) * | 2008-03-07 | 2011-11-16 | アイパルス株式会社 | 電子部品用テープフィーダ |
CN104930125B (zh) * | 2015-06-19 | 2018-05-15 | 苏州大学 | 磁力谐波齿轮减速器 |
KR102215507B1 (ko) * | 2019-07-29 | 2021-02-15 | (주)고려기연이엔지 | 혼합 변형 파동 기어 시스템 |
-
1989
- 1989-01-19 JP JP1010717A patent/JP2669683B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02190646A (ja) | 1990-07-26 |
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