JP2669226B2 - キャピラリ電気泳動装置 - Google Patents

キャピラリ電気泳動装置

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JP2669226B2
JP2669226B2 JP3274673A JP27467391A JP2669226B2 JP 2669226 B2 JP2669226 B2 JP 2669226B2 JP 3274673 A JP3274673 A JP 3274673A JP 27467391 A JP27467391 A JP 27467391A JP 2669226 B2 JP2669226 B2 JP 2669226B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアミノ酸、蛋白質、核酸
など電荷をもつ物質を分離分析するキャピラリゾーン電
気泳動装置及びバッファ液に含まれる成分との相互作用
により中性物質を含めて分離分析する界面導電クロマト
グラフィーの両者を総称したキャピラリ電気泳動装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】キャピラリ電気泳動装置ではキャピラリ
の両端に印加された電圧によってキャピラリ中を電気泳
動する物質及び電気浸透法により移動する中性物質を検
出器で検出し、その検出信号からデータ処理装置で各ピ
ークの溶出時間を検出し、その溶出時間から各ピークの
成分を同定する。各ピーク成分の移動度は成分の種類と
置かれている状況によって決まることから、保持時間は
クロマトグラフィの場合と同様に同定のための指標とな
る。キャピラリ電気泳動において各成分の移動速度Vi
は次のように与えられる。 Vi=(Mi+Me.o)E ここでEは電場の強さ、Miはイオン種iのイオンとし
ての実効移動度、Me.oはキャピラリ内面の電気二重層
による電気浸透流の移動度である。電気浸透流の移動度
Me.oはキャピラリ内面の表面状態により変化する。M
e.oが変化するとイオン溶出時間が変化するので、キャ
ピラリ内面を充分に洗浄するために、その洗浄方法とし
てアルカリ溶液を用いた方法、水による方法、バッファ
液による方法などの各種の洗浄方法が提唱されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】キャピラリの洗浄中は
キャピラリ内面の状態がわからないので、一定条件での
洗浄を行なってから実際に分析を行なって洗浄が十分で
あったかどうかを確認するという方法を採っている。そ
のため、洗浄の能率が悪い。もし、キャピラリの洗浄状
態を洗浄途中で知ることができれば、例えば洗浄状態が
規定の状態に達したら洗浄を終了して分析に入るという
ように操作することができるので、好都合である。そこ
で、本発明は洗浄状態を洗浄途中で知ることができるよ
うにして洗浄作業を能率的に行なうことのできるキャピ
ラリ電気泳動装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明ではキャピラリ両
端間に圧力差を生じさせてキャピラリ中を送液させると
きに発生する流動電圧を測定することにより、送液中に
キャピラリ内面の表面状態を知り、それを洗浄動作にフ
ィードバックすることにより、常に安定した状態で分析
できるようにする。そのため、本発明では、キャピラリ
両端間の圧力差によりキャピラリ内に送液する手段と、
キャピラリ両端間に圧力差を生じさせた状態下でキャピ
ラリ中への送液によりキャピラリ両端間に発生する流動
電圧を測定する手段とを備える。
【0005】
【作用】電気浸透流による流速Ve.o(=Me.o・E)
は、次のように表される。 Ve.o=εζE/4πη ただし、ζは電気二重層のゼータ電位、ε,ηは電気二
重層を満たしている物質のそれぞれ誘電率及び粘性係数
である。オームの法則から V=IL/ak である。ここで、Vは電圧、Iは電流、Lは長さ、aは
断面積、kは比伝導度である。故に Ve.o=(εζ/4πη)(V/L) =(εζ/4πηk)(I/a) ……(1) となる。
【0006】一方、電気浸透とは逆の現象で毛管を通じ
て液を移動させるときに両端に生じる流動電位(Stream
ing Potential)Vstは Vst=(εζ/4πηk)P ……(2) と表される。ここで、Pはキャピラリ両端間の圧力差で
ある。したがって、キャピラリ両端間の圧力差Pが一定
であれば流動電位Vstの変動によって係数(εζ/4π
ηk)の変動を知ることができ、またPを変化させた場
合はPを測定することにより係数(εζ/4πηk)の
変動を知ることができる。
【0007】一方、(1)式で断面積aはほぼ不変と考
えられ、また電気浸透によって生じる電流Iは I=Vak/L であり、泳動時の電圧Vは既知、Lは不変、電気二重層
内の比伝導度kは既知ではないが(εζ/4πηk)の
値が一定となればkも一定と考えられることから、流動
電位Vstの測定により電気浸透に寄与するキャピラリ内
面の表面状態を知ることができる。
【0008】洗浄中に流動電位Vstを測定し、それが定
常値になったところで洗浄を終了することにより、電気
浸透が一定の状態で分析することができる。初めにキャ
ピラリを洗浄液で洗浄し、その後送液をバッファ液に代
えて流動電圧を測定していると、流動電圧が定常値にな
ったところで直ちに分析に入ることができる。
【0009】
【実施例】図1は一実施例の全体を表わす概略構成図、
図2は送液部を詳細に示す断面図である。図1におい
て、一方のターンテーブル7に複数のバイヤル9が保持
されており、バイヤル9には試料、バッファ液、洗浄液
などが入れられている。他方のターンテーブル8にも複
数のバイヤル10が保持されており、バイヤル10には
バッファ液が入れられているか、空である。ターンテー
ブル7,8はそれぞれの回転軸によってテーブル16に
回転可能に支持されている。ターンテーブル7の回転軸
の下端にはプーリ13が取りつけられ、駆動用のステッ
ピングモータ15の回転軸に取りつけられたプーリ14
との間にベルト12がかけられて、ターンテーブル7が
ステッピングモータ15により駆動されて回転する。他
方のターンテーブル8も同様にして、その回転軸の下端
にはプーリ13aが取りつけられ、駆動用のステッピン
グモータ15aの回転軸に取りつけられたプーリ14a
との間にベルト12aがかけられて、ターンテーブル7
がステッピングモータ15aにより駆動されて回転す
る。
【0010】テーブル16には雌ねじが設けられ、その
雌ねじにはステッピングモータ19の回転軸にカップリ
ング18により取りつけられたボールねじ17が噛み合
っており、ボールねじ17の回転によりテーブル16が
上下方向に移動し、その移動にともなって2つのターン
テーブル7,8も上下方向に移動する。ターンテーブル
7,8の上方には溶融石英にてなるキャピラリ1が保持
されている。キャピラリ1の一端は接近して配置された
電極2とともに保持部材32に固定して保持され、キャ
ピラリ1の他端は接近して配置された電極3とともに他
の保持部材に固定して保持されており、キャピラリ1の
他端側には検出器4が配置されている。キャピラリ1の
一端と電極2はターンテーブル7に保持されたバイヤル
9に挿入される位置に配置されており、キャピラリ1の
他端と電極3は他方のターンテーブル8のバイヤル10
に挿入される位置に配置されている。
【0011】キャピラリ1内にその一端から洗浄液又は
バッファ液を加圧して送液するために、電極2とキャピ
ラリ1の一端をバイヤル9に挿入したときにバイヤル9
内を密閉できるように、図2に示されるように、保持部
材32はバイヤル9のキャップになっており、バイヤル
9内を密閉するシール部材27を備え、キャピラリ1を
シール28で気密を保って保持し、電極2も気密を保っ
て保持している。バイヤル9内を加圧するために保持部
材32のジョイント29を介して配管30が接続され、
配管30は三方電磁弁31によってガス圧源又は開放口
に接続されている。
【0012】図1に戻ると、キャピラリ1の一端側には
電極2に高圧用接点20又は流動電圧測定用接点21を
接触させるために、接点20と21がラック22に取り
つけられており、ラック22はモータ24の回転軸に取
りつけられたギヤ23と噛み合っている。キャピラリ1
の他端側の電極3は切換え用リレー6に接続されてお
り、リレー6は高圧電源5と電圧測定器25とに切り換
えて接続されるようになっている。高圧電源5の陽極は
高圧用接点20に接続され、陰極は接地され、またリレ
ー6を介して電極3に接続される。流動電圧測定用接点
21は電圧測定器25と接続されており、電圧測定器2
5はリレー6を介して電極3に接続される。26はコン
トローラであり、ターンテーブル7,8の回転やテーブ
ル16の上下移動を制御し、また高圧電源5のオン・オ
フ動作や電圧測定器25の測定動作を制御する。
【0013】次に、本実施例の動作について説明する。
ターンテーブル7を回転させて任意のバイヤル9を選択
し、テーブル16を上昇させることにより選択されたバ
イヤル9が保持部材32のシール27により密閉され、
そのバイヤル9内にキャピラリ1の一端と電極2が挿入
される。このとき、ターンテーブル8のバイヤル10に
はキャピラリ1の他端と電極3が挿入される。キャピラ
リ1の洗浄を行なうときは、バイヤル9は洗浄液の入っ
たものを選択する。バイヤル9を密閉した状態で電極2
には流動電圧測定用接点21を接触させ、三方電磁弁3
1をガス圧源側に切り換えてバイヤル9の中の洗浄液を
キャピラリ1の内部に流し、バイヤル10側に排出させ
る。このときに、リレー6は電圧測定器25側に切り換
えておき、電圧測定器25により電極2,3間の電圧を
測定し、流動電圧を計ってコントローラ26にその値を
送る。流動電圧が定常状態になった時点で洗浄動作を終
了する。
【0014】他の洗浄方法として、洗浄を洗浄液で開始
し、途中でテーブル16を一端下げ、ターンテーブル7
でバッファ液を選択し、再びテーブル16を上昇させて
バイヤル9にキャピラリ1の一端と電極2を挿入して密
封し、バイヤル10にキャピラリ1の他端と電極3を挿
入して、バイヤル9を加圧してキャピラリ1内にバッフ
ァ液を送り、キャピラリ両端間の流動電圧を測定する。
流動電圧が定常状態になった時点で洗浄動作を終了し、
直ちに測定動作に切り換えるようにすることもできる。
実施例ではキャピラリに送液するのに加圧しているが、
逆に電極2側のバイヤル9を開放し、電極3側のバイヤ
ル10を密閉して減圧状態にすることによりキャピラリ
に送液することもできる。
【0015】
【発明の効果】本発明ではキャピラリの洗浄途中で流動
電圧を検出することによりキャピラリ内面の洗浄状態を
知るようにしたので、従来は実際に試料を分析してみな
ければキャピラリの洗浄状態がわからなかったものが、
本発明では洗浄過程で洗浄状態を判断することができる
ようになり、常に同じ状態で分析を行なうことができる
ようになる。複数の液を用いて洗浄を行なう場合、従来
であればそれぞれの洗浄液で十分洗浄効果を発揮したか
どうかを判断しにくいが、本発明ではその判断が可能に
なる。したがって、洗浄工程に不必要に長時間を要する
ことがなくなり、キャピラリ内の状態に応じて最短時間
で洗浄が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の全体を示す概略構成図である。
【図2】同実施例における送液部の断面図である。
【符号の説明】
1 キャピラリ 2,3 電極 4 検出器 5 高圧電源 6 切換え用リレー 7,8 ターンテーブル 9,10 バイヤル 20 高圧用接点 21 流動電位測定用接点 25 電圧測定器 31 三方電磁弁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャピラリの両端に印加された電圧によ
    ってキャピラリ中を電気泳動する物質及び電気浸透法に
    より移動する中性物質を検出器で検出し、その検出信号
    から各ピークの溶出時間を測定するキャピラリ電気泳動
    装置において、キャピラリ両端間の圧力差によりキャピ
    ラリ内に送液する手段と、キャピラリ両端間に圧力差を
    生じさせた状態下でキャピラリ中への送液によりキャピ
    ラリ両端間に発生する流動電圧を測定する手段とを備え
    たキャピラリ電気泳動装置。
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