JP2669090B2 - C/c複合ロッドを用いたc/c複合材の製造方法 - Google Patents
C/c複合ロッドを用いたc/c複合材の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は強度、靭性に優れたC/C複合ロッドを用い
たC/C複合材の製造方法に関するものである。
たC/C複合材の製造方法に関するものである。
[従来の技術] 炭素繊維は高い引っ張り強度を有しており、この性質
を利用して、炭素繊維と他の炭素質材料とを複合化した
炭素繊維強化炭素(以下C/Cと略称する)複合材があ
る。かかるC/C複合材は在来の炭素材料と比較して数倍
の強度を有し、炭素材料の持つ脆くて弱い材料というイ
メージを一変させるものであり、その高強度、耐熱、耐
摩耗性等の物性を生かしてエレクトロニクス産業、原子
力産業、航空宇宙産業等の分野で巾広い利用が期待され
ている素材である。
を利用して、炭素繊維と他の炭素質材料とを複合化した
炭素繊維強化炭素(以下C/Cと略称する)複合材があ
る。かかるC/C複合材は在来の炭素材料と比較して数倍
の強度を有し、炭素材料の持つ脆くて弱い材料というイ
メージを一変させるものであり、その高強度、耐熱、耐
摩耗性等の物性を生かしてエレクトロニクス産業、原子
力産業、航空宇宙産業等の分野で巾広い利用が期待され
ている素材である。
この種の複合材の製造方法としては、例えば第6図に
示すような工程が知られている(例えば、炭素NO.115,
P.196〜208,(1983))。即ち、プリフォーム工程
(4)に於て、セルロースやポリアクリロニトリル系繊
維を炭化して得る炭素繊維のトウ、編織布、不織布など
を熱硬化性樹脂により、所要の形状に成形(プリフォー
ムの作製)する。次いで、炭化処理工程(5)にて、前
記プリフォームを不活性ガス雰囲気中で熱処理を行って
樹脂を炭化させ、必要に応じてピッチなどの含浸(7)
と黒鉛化処理(9)、さらに冷却後、再度同じ工程を繰
り返して製造する方法である。この方法で得られたC/C
複合材は耐衝撃性に優れており、比較的安価であること
もあって実用に供されている。しかし、樹脂の熱処理に
よる炭化工程で体積収縮が非常に大きいことから、条件
によっては繊維の抜け出しや亀裂の発生、また、残留気
孔を完全に除去することは不可能であり、このことによ
り強度、靭性が不十分である。
示すような工程が知られている(例えば、炭素NO.115,
P.196〜208,(1983))。即ち、プリフォーム工程
(4)に於て、セルロースやポリアクリロニトリル系繊
維を炭化して得る炭素繊維のトウ、編織布、不織布など
を熱硬化性樹脂により、所要の形状に成形(プリフォー
ムの作製)する。次いで、炭化処理工程(5)にて、前
記プリフォームを不活性ガス雰囲気中で熱処理を行って
樹脂を炭化させ、必要に応じてピッチなどの含浸(7)
と黒鉛化処理(9)、さらに冷却後、再度同じ工程を繰
り返して製造する方法である。この方法で得られたC/C
複合材は耐衝撃性に優れており、比較的安価であること
もあって実用に供されている。しかし、樹脂の熱処理に
よる炭化工程で体積収縮が非常に大きいことから、条件
によっては繊維の抜け出しや亀裂の発生、また、残留気
孔を完全に除去することは不可能であり、このことによ
り強度、靭性が不十分である。
第7図は従来の製造方法で作製したC/C複合材の断面
を示す図で、成形体の炭素質(18)中に閉塞気孔(19)
が残留する。また、他の方法として、セルロースやポリ
アクリロニトリル系繊維を炭化して得る炭素繊維のト
ウ、編織布、不織布などを簡単に成形した後、炉に入れ
て1000〜1500℃に加熱し、そこへ炭化水素ガスを導入し
て炭素繊維表面で分解炭化させ、炭素を該繊維表面に沈
着せしめて固める方法が知られている。(以下この方法
をCVD法と称する)。該CVD法で得るC/C複合材は、機械
的特性に優れているものの複合化に長時間を要し、複雑
な形状の成形体を効率よく製造することは困難であっ
た。また、大きな成形物のCVDでは完全に残留気孔を除
去することもかなり困難であった。また、改良法として
炭素繊維のマットにピッチ類を含浸後、加熱炭化させ、
さらに多孔質部分を熱分解炭素で充填し、高強度、計量
かつ耐熱、耐蝕性に優れた複合材を得るというプロセス
が知られている。しかし、この場合も全体の製造時間の
短縮や性能向上はあるものの、依然としてミクロな気孔
の完全消滅は期待できなかった。
を示す図で、成形体の炭素質(18)中に閉塞気孔(19)
が残留する。また、他の方法として、セルロースやポリ
アクリロニトリル系繊維を炭化して得る炭素繊維のト
ウ、編織布、不織布などを簡単に成形した後、炉に入れ
て1000〜1500℃に加熱し、そこへ炭化水素ガスを導入し
て炭素繊維表面で分解炭化させ、炭素を該繊維表面に沈
着せしめて固める方法が知られている。(以下この方法
をCVD法と称する)。該CVD法で得るC/C複合材は、機械
的特性に優れているものの複合化に長時間を要し、複雑
な形状の成形体を効率よく製造することは困難であっ
た。また、大きな成形物のCVDでは完全に残留気孔を除
去することもかなり困難であった。また、改良法として
炭素繊維のマットにピッチ類を含浸後、加熱炭化させ、
さらに多孔質部分を熱分解炭素で充填し、高強度、計量
かつ耐熱、耐蝕性に優れた複合材を得るというプロセス
が知られている。しかし、この場合も全体の製造時間の
短縮や性能向上はあるものの、依然としてミクロな気孔
の完全消滅は期待できなかった。
[発明が解決しようとする課題] 従来のC/C複合材の製造方法では炭素系繊維を出発原
料にして、それらの織物など所要の形状に成形された成
形体に対して、樹脂の含浸、焼成、またはCVDによる炭
素質の充填などを行うため、残留気孔による機械的性質
の不十分さ、製造時の低効率、また、成形体の形状、大
きさなどの制約を免れないという課題があった。。
料にして、それらの織物など所要の形状に成形された成
形体に対して、樹脂の含浸、焼成、またはCVDによる炭
素質の充填などを行うため、残留気孔による機械的性質
の不十分さ、製造時の低効率、また、成形体の形状、大
きさなどの制約を免れないという課題があった。。
この発明は上記のような課題を解決するためになされ
たもので、完全に緻密化された強化材を用いて、成形体
の残留気孔をほぼ完全になくし、強度の改善を可能にす
るとともに、高速の成形を可能にすることを目的として
いる。
たもので、完全に緻密化された強化材を用いて、成形体
の残留気孔をほぼ完全になくし、強度の改善を可能にす
るとともに、高速の成形を可能にすることを目的として
いる。
[課題を解決するための手段] この発明に係るC/C複合ロッドを用いたC/C複合材の製
造方法は、レーヨン、ポリアクリロニトリル、石油およ
び石炭ピッチを出発原料とした炭素系繊維のトウ(繊維
の数100−20000本よりなる束)の空間をCVD法あるいは
樹脂成分の含浸及びその焼成、またはこれらの組合せと
繰り返しなどの方法を用いて、炭素質で充填しC/C複合
ロッドを製造し、このC/C複合ロッドを用いた編物、織
物等所要の形状に成形した予備成形物(以下プリフォー
ムと称す)の空間をCVD法あるいは樹脂成分の含浸及び
その焼成、またはこれらの組合せと繰り返しなどの方法
を用いて、炭素質で充填し最終成形物に成形する方式を
行うものである。
造方法は、レーヨン、ポリアクリロニトリル、石油およ
び石炭ピッチを出発原料とした炭素系繊維のトウ(繊維
の数100−20000本よりなる束)の空間をCVD法あるいは
樹脂成分の含浸及びその焼成、またはこれらの組合せと
繰り返しなどの方法を用いて、炭素質で充填しC/C複合
ロッドを製造し、このC/C複合ロッドを用いた編物、織
物等所要の形状に成形した予備成形物(以下プリフォー
ムと称す)の空間をCVD法あるいは樹脂成分の含浸及び
その焼成、またはこれらの組合せと繰り返しなどの方法
を用いて、炭素質で充填し最終成形物に成形する方式を
行うものである。
[作用] この発明におけるC/C複合ロッドを用いたC/C複合材の
製造方法は、炭素系繊維のトウを第1の工程としてC/C
複合ロッドとするもので、この際に用いる複合化の方法
はCVD法であっても、樹脂成分を含浸、焼成する方法で
もよいが、大きな成形物の広範囲に分布する空隙を炭素
質で充填するのではなく、繊維数100−10000本程度の束
の内部空隙のみを炭素質で充填するので比較的容易に緻
密化ができ、短時間に完全に残留気孔を消滅させること
ができる。こうして得られたC/C複合ロッドは容易に編
物、織物などの成形物に成形することができ、所要のプ
リフォームを得ることができる。このプリフォームは比
較的大きな連続気孔を持ったものであり、次の炭素質の
充填は容易である。即ち、炭素系繊維同士の狭い空間は
既にC/C複合ロッドの成形時に完全緻密化されており、
最終製品製造時の炭素質充填工程では、均一の比較的大
きな連続空隙にCVD法あるいは樹脂成分の浸付、焼成、
またはこれらの組合せ、繰り返しで緻密化が実現でき
る。
製造方法は、炭素系繊維のトウを第1の工程としてC/C
複合ロッドとするもので、この際に用いる複合化の方法
はCVD法であっても、樹脂成分を含浸、焼成する方法で
もよいが、大きな成形物の広範囲に分布する空隙を炭素
質で充填するのではなく、繊維数100−10000本程度の束
の内部空隙のみを炭素質で充填するので比較的容易に緻
密化ができ、短時間に完全に残留気孔を消滅させること
ができる。こうして得られたC/C複合ロッドは容易に編
物、織物などの成形物に成形することができ、所要のプ
リフォームを得ることができる。このプリフォームは比
較的大きな連続気孔を持ったものであり、次の炭素質の
充填は容易である。即ち、炭素系繊維同士の狭い空間は
既にC/C複合ロッドの成形時に完全緻密化されており、
最終製品製造時の炭素質充填工程では、均一の比較的大
きな連続空隙にCVD法あるいは樹脂成分の浸付、焼成、
またはこれらの組合せ、繰り返しで緻密化が実現でき
る。
[実施例] 以下、この発明の一実施例を図について説明する。第
1図はこの発明の製造方法を示す工程図で、図におい
て、第1の工程はC/C複合ロッドの製造工程(1)でレ
ーヨン、ポリアクリロニトリル、石油あるいは石炭ピッ
チを原料とした炭素系繊維のトウ(繊維数100−10000本
からなる繊維の束)の空間を炭素質で充填する。第2の
工程は第1の工程で製造されたC/C複合ロッドを所要の
形状に成形するプリフォームの製造工程(2)である。
第3の工程は第2の工程で成形されたプリフォームの空
間は、炭素質で充填する最終のC/C複合材の製造工程
(3)である。
1図はこの発明の製造方法を示す工程図で、図におい
て、第1の工程はC/C複合ロッドの製造工程(1)でレ
ーヨン、ポリアクリロニトリル、石油あるいは石炭ピッ
チを原料とした炭素系繊維のトウ(繊維数100−10000本
からなる繊維の束)の空間を炭素質で充填する。第2の
工程は第1の工程で製造されたC/C複合ロッドを所要の
形状に成形するプリフォームの製造工程(2)である。
第3の工程は第2の工程で成形されたプリフォームの空
間は、炭素質で充填する最終のC/C複合材の製造工程
(3)である。
第2図はこの発明の第1の工程の一例を示す図であ
り、炭素系繊維のトウ(10)を一端から連続的に反応容
器11に供給し、炭化水素ガスを熱分解して繊維一本一本
の空間に蒸着、堆積させる。この結果C/C複合ロッド(1
2)が得られる。
り、炭素系繊維のトウ(10)を一端から連続的に反応容
器11に供給し、炭化水素ガスを熱分解して繊維一本一本
の空間に蒸着、堆積させる。この結果C/C複合ロッド(1
2)が得られる。
第3図はC/C複合ロッドの模式図である。C/C複合ロッ
ドは炭素系繊維(14)が炭素質(15)によって完全に充
填緻密化されており、繊維の強度発現率の向上が得ら
れ、約80%にまで達した。炭化水素原料ガスとしてメタ
ン、プロパン、ベンゼンなど種々のガスが使用可能であ
るが、メタンガスが比較的良好であった。熱分解は繊維
に直接通電し、700〜2000℃の範囲で行った。特に、130
0〜1400℃の時、メタンの分圧40〜80Torrで約3時間程
度で繊維のトウがほぼ完全に緻密化された。ここでメタ
ンの分圧は20〜200Torrの範囲で十分に良好な結果を得
ているが、特に好ましい範囲は40〜80Torrであった。こ
の熱分解は他の方法によっても可能であり、例えば反応
容器の外部から加熱し、反応容器内を所要の反応温度に
する方法、あるいは繊維の部分だけを外部から加熱する
方法、また、繊維の部分に光、あるいは電磁波で励起し
反応を促進する方法などがある。いずれの方法によって
も繊維のトウへの炭素質の充填は可能であった。特に、
繊維への直接通電による方法が簡便で効率が良かった。
また、繊維への直性通電に加えて、マイクロ波の照射に
よって、炭素質の充填効率は一層向上した。
ドは炭素系繊維(14)が炭素質(15)によって完全に充
填緻密化されており、繊維の強度発現率の向上が得ら
れ、約80%にまで達した。炭化水素原料ガスとしてメタ
ン、プロパン、ベンゼンなど種々のガスが使用可能であ
るが、メタンガスが比較的良好であった。熱分解は繊維
に直接通電し、700〜2000℃の範囲で行った。特に、130
0〜1400℃の時、メタンの分圧40〜80Torrで約3時間程
度で繊維のトウがほぼ完全に緻密化された。ここでメタ
ンの分圧は20〜200Torrの範囲で十分に良好な結果を得
ているが、特に好ましい範囲は40〜80Torrであった。こ
の熱分解は他の方法によっても可能であり、例えば反応
容器の外部から加熱し、反応容器内を所要の反応温度に
する方法、あるいは繊維の部分だけを外部から加熱する
方法、また、繊維の部分に光、あるいは電磁波で励起し
反応を促進する方法などがある。いずれの方法によって
も繊維のトウへの炭素質の充填は可能であった。特に、
繊維への直接通電による方法が簡便で効率が良かった。
また、繊維への直性通電に加えて、マイクロ波の照射に
よって、炭素質の充填効率は一層向上した。
第4図は前工程で製造されたC/C複合ロッドを直行三
軸の織物に成形した例を示したものである。プリフォー
ム(13)の製造工程では最終製品の用途に応じてC/C複
合ロッドの配向や複合ロッドの体積率などを適宜制御す
ることができる。また、従来の繊維のトウを用いてプリ
フォームを成形する場合に比べて、繊維の毛羽立ちや切
れなどを考慮する必要がなく、一定形状のプリフォーム
を短時間で製造することができる。また、同様にこの工
程を機械化することも容易であり、工業的に非常に有利
である。この実施例では、プリフォームの形状を保持す
るために後工程で容易に炭化が可能な樹脂を用いた。
軸の織物に成形した例を示したものである。プリフォー
ム(13)の製造工程では最終製品の用途に応じてC/C複
合ロッドの配向や複合ロッドの体積率などを適宜制御す
ることができる。また、従来の繊維のトウを用いてプリ
フォームを成形する場合に比べて、繊維の毛羽立ちや切
れなどを考慮する必要がなく、一定形状のプリフォーム
を短時間で製造することができる。また、同様にこの工
程を機械化することも容易であり、工業的に非常に有利
である。この実施例では、プリフォームの形状を保持す
るために後工程で容易に炭化が可能な樹脂を用いた。
第5図はC/C複合ロッドを成形して得たプリフォーム
の空間を炭素質で充填するC/C複合材の最終製造工程を
示す。この実施例では圧力勾配を設けたCVD法を用いて
炭素質の充填を行った。メタンガスはプリフォーム(1
3)の一端から導入され、プリフォーム内部で熱分解さ
れて空間に堆積して行く。このとき、加熱は高周波コイ
ル(16)によってプリフォームのみ分解に必要な温度と
なっており、効率よく炭素質の充填が行われる。この結
果得られたC/C複合材から試験片を切り出し、機械的な
性能を評価したところ、著しい性能の向上が見られた。
の空間を炭素質で充填するC/C複合材の最終製造工程を
示す。この実施例では圧力勾配を設けたCVD法を用いて
炭素質の充填を行った。メタンガスはプリフォーム(1
3)の一端から導入され、プリフォーム内部で熱分解さ
れて空間に堆積して行く。このとき、加熱は高周波コイ
ル(16)によってプリフォームのみ分解に必要な温度と
なっており、効率よく炭素質の充填が行われる。この結
果得られたC/C複合材から試験片を切り出し、機械的な
性能を評価したところ、著しい性能の向上が見られた。
この実施例ではCVD法のみを用いたが、樹脂の含浸、
焼成工程をとってもよく、また、これらの組合せを用い
てもよく、用途によって選択できる。特に気密性などが
問題になる用途や、超高温での使用などでC/C複合材中
の残留気孔が問題になる場合には、最終のC/C複合材製
造工程はCVD法であるほうが望ましい。しかし、樹脂の
含浸、焼成の工程をとっても、比較的残留気孔は少な
く、また、多少の気孔があっても完全緻密なC/C複合ロ
ッドが強度を発揮し、従来製造のC/C複合材にくらべ、
著しく高い強度と靭性が得られる。この発明の製造方法
として、ピッチ系繊維1000本からなるトウを用いて、10
00℃、メタンの分圧50Torrの条件で作製したC/C複合ロ
ッドを強化材とし、繊維体積率約50%の一方向強化のC/
C複合材を作製して、強度を測定した。最終的なC/C複合
材の製造はメタンガスと水素ガスの複合ガスを用い、全
圧1atmとした。直径70mm、厚さ20mmの成形体から試験用
の試料を切り出し、曲げ試験を行った。比較試料とし
て、従来の製造法、即ちピッチ系炭素繊維1000本からな
るトウを用いて、一方向の予備成形体を作製し、樹脂成
分の含浸、焼成を繰り返し、70mm×30mm×20mmの成形体
を作製し、試験片を切り出した。試験の結果、この発明
の製造法によって作製した試料では曲げ強度500MPa以上
であり、従来の製造方法で作製した試料の曲げ強度は30
0MPa以下であった。
焼成工程をとってもよく、また、これらの組合せを用い
てもよく、用途によって選択できる。特に気密性などが
問題になる用途や、超高温での使用などでC/C複合材中
の残留気孔が問題になる場合には、最終のC/C複合材製
造工程はCVD法であるほうが望ましい。しかし、樹脂の
含浸、焼成の工程をとっても、比較的残留気孔は少な
く、また、多少の気孔があっても完全緻密なC/C複合ロ
ッドが強度を発揮し、従来製造のC/C複合材にくらべ、
著しく高い強度と靭性が得られる。この発明の製造方法
として、ピッチ系繊維1000本からなるトウを用いて、10
00℃、メタンの分圧50Torrの条件で作製したC/C複合ロ
ッドを強化材とし、繊維体積率約50%の一方向強化のC/
C複合材を作製して、強度を測定した。最終的なC/C複合
材の製造はメタンガスと水素ガスの複合ガスを用い、全
圧1atmとした。直径70mm、厚さ20mmの成形体から試験用
の試料を切り出し、曲げ試験を行った。比較試料とし
て、従来の製造法、即ちピッチ系炭素繊維1000本からな
るトウを用いて、一方向の予備成形体を作製し、樹脂成
分の含浸、焼成を繰り返し、70mm×30mm×20mmの成形体
を作製し、試験片を切り出した。試験の結果、この発明
の製造法によって作製した試料では曲げ強度500MPa以上
であり、従来の製造方法で作製した試料の曲げ強度は30
0MPa以下であった。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば炭素系繊維のトウに
炭素質を完全緻密に充填してC/C複合ロッドを成形し、
このC/C複合ロッドを所定の形状に成形してプリフォー
ムを製造する工程を経て、最終的にプリフォームの空間
に炭素質をほぼ完全に緻密に充填するC/C複合材の製造
方法をとることによって、強度と靭性に優れたC/C複合
材を得ることができ、さらに大型の複雑形状のC/C複合
材を得ることができる効果がある。
炭素質を完全緻密に充填してC/C複合ロッドを成形し、
このC/C複合ロッドを所定の形状に成形してプリフォー
ムを製造する工程を経て、最終的にプリフォームの空間
に炭素質をほぼ完全に緻密に充填するC/C複合材の製造
方法をとることによって、強度と靭性に優れたC/C複合
材を得ることができ、さらに大型の複雑形状のC/C複合
材を得ることができる効果がある。
第1図はこの発明の製造工程を示すブロック図。第2図
はC/C複合ロッドの成形工程図、第3図はC/C複合ロッド
を示す模式図。第4図はC/C複合ロッドを用いたプリフ
ォームの成形工程図、第5図はプリフォームの空間を炭
素質で充填して最終的な製品を製造する工程を示す説明
図、第6図は従来のC/C複合材の製造工程を示すブロッ
ク図。第7図は従来の製造方法で製造したC/C複合材の
断面図である。。 図において、(1)はC/C複合ロツド成形工程、(2)
はプリフォーム成形工程、(3)は気相含浸処理工程、
(10)は炭素系繊維のトウ、(11)は反応容器、(12)
はC/C複合ロッド、(13)はプリフォーム、(14)は炭
素系繊維、(15)は炭素質、(16)は高周波コイル、
(17)は炭素繊維、(18)は炭素質、(19)は残留気孔
である。 なお、各図中同一符号は同一叉は相当部分を示す。
はC/C複合ロッドの成形工程図、第3図はC/C複合ロッド
を示す模式図。第4図はC/C複合ロッドを用いたプリフ
ォームの成形工程図、第5図はプリフォームの空間を炭
素質で充填して最終的な製品を製造する工程を示す説明
図、第6図は従来のC/C複合材の製造工程を示すブロッ
ク図。第7図は従来の製造方法で製造したC/C複合材の
断面図である。。 図において、(1)はC/C複合ロツド成形工程、(2)
はプリフォーム成形工程、(3)は気相含浸処理工程、
(10)は炭素系繊維のトウ、(11)は反応容器、(12)
はC/C複合ロッド、(13)はプリフォーム、(14)は炭
素系繊維、(15)は炭素質、(16)は高周波コイル、
(17)は炭素繊維、(18)は炭素質、(19)は残留気孔
である。 なお、各図中同一符号は同一叉は相当部分を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】炭素繊維束の空間を炭素質で充填し、ロッ
ド状のC/C複合材を形成する第1の工程、得られたロッ
ド状のC/C複合材を2次元もしくは3次元に配向させ所
定の形状に成形して、予備成形物を形成する第2の工
程、及び上記予備成形物の2次元もしくは3次元に分布
する空間を炭素質で充填し複合化する第3の工程からな
るC/C複合ロッドを用いたC/C複合材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016965A JP2669090B2 (ja) | 1990-01-26 | 1990-01-26 | C/c複合ロッドを用いたc/c複合材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016965A JP2669090B2 (ja) | 1990-01-26 | 1990-01-26 | C/c複合ロッドを用いたc/c複合材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03223164A JPH03223164A (ja) | 1991-10-02 |
JP2669090B2 true JP2669090B2 (ja) | 1997-10-27 |
Family
ID=11930813
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016965A Expired - Fee Related JP2669090B2 (ja) | 1990-01-26 | 1990-01-26 | C/c複合ロッドを用いたc/c複合材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2669090B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
KR101230532B1 (ko) * | 2012-09-03 | 2013-02-06 | 국방과학연구소 | 탄소 복합재료 |
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1990
- 1990-01-26 JP JP2016965A patent/JP2669090B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03223164A (ja) | 1991-10-02 |
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