JP2668446B2 - 精製したヘモグロビン溶液およびその製造方法 - Google Patents

精製したヘモグロビン溶液およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 参照関連出願 本出願は、1985年6月21日に出願された米国特許第74
7,477号の一部継続出願であり、また1984年3月23日に
出願された米国特許出願第592,633号の一部継続出願で
ある。
技術分野 本発明は、ヘモグロビン溶液の精製方法に関する。特
に、本発明は所望のヘモグロビン製品の生物学的活性を
最小限不活性化するだけでウイルスを不活化し、そして
ヘモグロビン溶液から非ヘモグロビンタンパクを選択的
に沈澱する方法に関する。
現行の医学的実務においては、全血または赤血球含有
懸濁液が患者または外傷被害者へ注入し得る唯一の酸素
運搬液である。提血者および受領者血液型適合の必要性
のため、どんな形においても赤血球の注入は血液型決定
および交差適合を実行し得る施設へ制限される。血液型
判定および交差適合プロセスは45分間ほど長くかかるこ
とがある。この要求の結果として今は大量の出血を蒙っ
た外傷被害者は、適正に血液型判定されそして交差適合
した血液が入手可能とするまで非酸素運搬塩もしくはコ
ロイド溶液を注入されなければならない。それ故多数の
外傷被害者は酸素欠乏期間へ供せられ、これは高度に有
害もしくは致命的でさえあり得る。病院設備においてさ
えも、急性血液損失を蒙っている患者は、適正な血液型
の不足のため折よい態様で輸血を受けられないことがあ
り得る。
血液または血液から誘導された製品の注入に関連する
他の問題はウイルス汚染の伝播の危険である。種々の先
見的研究は、ボランティアドナーから採取したB型肝炎
表面抗原陰性血液の受領者の輸血後肝炎の頻度は4ない
し14%の範囲であることを示している(Blum and Vyas,
Haematologia,(1982),15:153−173)。また、後天性
免疫不全症候群を発生ウイルス(HTLV−III,LAVまたはH
IVなど呼ばれる)、サイトメガロウイルス、成人T細胞
リンパ腫白血病の推定病原体であるEBウイルスもしくは
HTLV−Iの伝播の危険も存在する。動物血液から得られ
た製品は、そのような血液は狂犬病、脳炎、口蹄病等を
発病するウイルスを含む多数の病原体を含むことがある
のでやはり危険が伴う。
これらの配慮の結果、多数の研究者は血球不含ヘモグ
ロビン溶液を基本とする酸素運搬性人工蘇生液の使用可
能性を研究した。この研究の基本的前提条件は、赤血球
から酸素運搬性ヘモグロビンを取出し、そしてその後精
製により、血液型特異性抗原、そして望ましくはバクテ
リアおよびウイルス汚染を除去することである。ヘモグ
ロビンを放出するように赤血球を溶血し、その後残存細
胞膜(ストロマ)の除去は実際に血液型特異性抗原の除
去を生ずることを示したが、文献に記載された種々の調
製物中に存在する残存ウイルスの量については殆どデー
タがない。アルブミンのような血漿タンパクについての
実験は、これら製品を商業的に製造するために使用され
る精巧な分画計画へかけられた血液誘導タンパクについ
てさえもウイルス汚染が問題であることを示唆する。例
えば、プールした血液サンプルから商業的分画操作によ
って製造されたアルブミンは、もしアルブミン溶液が熱
処理されなければ肝炎ウイルスによる有意義な汚染確率
を有している(Gellis et al,J.Clin.Invest.(1948),
17:239−244)。ヘモグロビン溶液についても同様な状
況があてはまることが予期される。それ故、本発明の主
目的はヘモグロビン溶液に存在し得るウイルスを不活化
することである。
米国特許第3,846,478号および第4,439,357号におい
て、Gonhardおよび協力者は、赤血球出発原料が洗浄さ
れ、そしてβ−プロピオラクトンへ露出された事実のた
め、見掛け上肝炎安全性ヘモグロビン溶液の製造をクレ
ームする。しかしながら、この操作はヘモグロビン溶液
中のウイルスを実際に除去または不活化するかどうかを
示すデータは引用されていない。血球洗浄は溶液中に存
在するウイルスの数を減らすかも知れないが、それは血
球へ付着または取込まれているウイルスを除去しない。
β−プロピオラクトン(BPL)はいくらかのウイルス不
活化を誘発し得るが、BarkerおよびMurray(J.Am.Med.A
ssoc.,(1971),216:1970−1976)は、BPL単独で処理し
た肝炎感染血漿はなおヒト受領者へ該疾病を伝播し得た
ことを認めた。BRLによるウイルス不活化は、もとのウ
イルス集団の一部分は該ウイルスのバルクよりも使用し
た不活化剤による不活化に対してより一層抵抗性である
追尾現象をしばしば発現する(Hartman,J.and LaGripp
o,G.A.Hepatitis Frontiers,(1957),Little,Brown a
nd Co.,Burton,Chapt.33)。さらにBPLは既知の発がん
原である(Sax,N.J.,Cancer Causing Chemicals(198
1),Van Nostrand Reinhold Co,.New York,p.404)。米
国特許第4,526,715号において、KotheおよびEichentopf
は、洗浄およびロ過を使用する方法によって肝炎ウイル
ス不含ヘモグロビン溶液の製造を論じている。これら著
者は洗浄が溶液中のウイルスの濃度を減少し得ることを
示したが、提案された方法は白血球を除去しないであろ
う。HTLV−IIIのような白血球中に取込まれたウイルス
はこの処理ステップによっては除去されないであろう。
しかしながらそのようなウイルスは血球溶解の間に溶液
中へ放出されるであろう。ウイルスは微孔質フィルター
を容易に通過し、ウルトラフィルターは膜の公称分子量
カットオフより寸法が大きい粒子の通過を許容するピン
ホールを含んでいることが知られている。従って白血球
に関連したウイルスを定量的に除去する記載操作の能力
は疑問である。今日まで、ヘモグロビン中製品関連ウイ
ルス力価を106以上の係数まで明らかに減らし、そして
血液形成要素中へ取込まれ得るレトロウイルスを信頼し
て不活化し得る操作は発見されていない。
他方、種々の文献および特許は血漿タンパク分画中の
ウイルスの不活化方法を開示する。効果的な一方法の乾
熱不活化を採用し、すなわちウイルス汚染を持つ疑いあ
る凍結乾燥したタンパクが所望のウイルス不活化が達成
されるまで約50℃以上の温度において乾燥状態で単に加
熱される。この種の代表的方法がPCT公報WO82/03871に
開示されている。
他の技術も熱を使用するが、しかしタンパク分画は乾
燥状態ではなく水溶液中で加熱される。所望のタンパク
の生物活性を保存するため溶液中に安定剤が含められ
る。例えば米国特許第4,297,344;4P317P686;ヨーロッパ
特許出願53,338および52,827を見よ。この目的に使用さ
れた安定剤はグリシン、α−またはβアラニン、ヒドロ
キシプロリン、グルタミン、α−,β−またはγ−アミ
ノ酪酸、単糖類、オリゴ糖類、糖アルコール、有機カル
ボキシル酸、中性アミノ酸、キレート剤およびカルシウ
ムイオンである。
これらの方法は、剤または安定剤が存在するか、また
は所望のタンパクを安定化するがしかしウイルス汚染物
は同時に同様に安定化しない条件が同定される限り、熱
はウイルスをタンパクより大きい割合で不活化するであ
ろうとの発見を基にしている。
不幸なことに、タンパクはそれらの化学的および物理
的構造の差によって加熱時の変性に対して広く変化する
感受性を発揮することが知られている。タンパクの生物
学的活性はその構成アミノ酸間の複雑な相互作用によっ
て維持されている。これらの相互作用は、水素結合、帯
電基間の塩結合、双極子間相互作用、疎水性効果および
分散力を含む。タンパク一般の安定性、特にヘモグロビ
ンの安定性を支配する要因は他年研究されて来たが、タ
ンパクの熱安定性はたとえアミノ酸配列が既知であって
も予知することができない。BullおよびBreiseは、彼ら
が研究した20種のタンパクの変性温度に35℃のひろがり
を認め、この温度とタンパク構造特徴の間の相関関係は
明らかでないことを認めた(Arch.Biochem.Biophys.(1
972)156:604−612)。
タンパク安定性はまた、タンパクが置かれる媒体の組
成の関数として変化し、pH、塩濃度、洗剤または有機溶
媒の存在、タンパクへ結合するリガンドの存在または不
存在に対して感受性である。例えば、ある種のタンパク
は酸性pHによって容易に変性されるが、他のものはこれ
ら条件下で実際に安定化される(Tanford,Physical che
mistry of Macromolecules(1961)John Wiley and Son
s,New York,p.625;White et al.,Principals of Bioche
misyry(1978)McGraw−Hill,New York,p.164)。リガ
ンド結合によるタンパクの安定化はしばしば起こり(し
かしいつもではない)、そして精製中タンパクを保存す
るために使用されている。この戦術は加熱中アルブミン
を安定化するためカプリル酸のような長鎖脂肪酸の使用
によって例示される。しかしながら異なるタンパクは異
なるリガンドと結合するから、あるタンパクを安定化す
るリガンドは必ずしも他のタンパクを安定化しない。
同じ組織(例えば血液)もしくは同じ細胞から得られ
たタンパクでも熱安定性において著しい差を示すことが
あることを強調しなければならない。たとえば、血漿タ
ンパク第VIII因子は溶液中60℃において加熱する時非常
に速かに不活化されるが、前記のようにアルブミンはあ
る種の脂肪酸で安定化される時そのような温度で生存で
きる。これは、タンパク安定化のための最適条件はタン
パク源を基にして予知できない事実を例証する。
ヘモグロビン安定性に関しては、現存の文献は特に混
乱しており、しばしば抵触している。ヘモグロビンは、
ヘム鉄が正常の第一鉄(+2)状態ではなく第二鉄(+
3)形であるメト形へ酸化され易いことが長年知られて
いる。メトヘモグロビンは可逆的に酸素結合せず、それ
故酸素運搬体として機能しない。それはまた溶液中にお
いて一層不安定である。従ってヘモグロビン形酸素運搬
溶液はメトヘモグロビンの低い量を含まなければならな
いことは一致して認められているが。しかし長年の集中
研究にもかかわらず、ヘモグロビンが酸化される正確な
機構は知られていない。しかしながら一般に冷所もしく
は冷凍保存されたヘモグロビン溶液は高温貯蔵されたも
のよりより遅く酸化される(Iorio,Method in Enzymolo
gy(1981)78、57−71)。このようにヘモグロビン構造
および機能を保存しようと努力する研究者は一般に高温
度を避ける。
酸素とヘモグロビン安定性間の関係は複雑であり、文
献は矛盾している。菊川ら(Chem.Pharm.Bull.(1961)
29:1382−1389)は、デオキシヘモグロビンはオキシヘ
モグロビンよりも37℃におけるインキュベーションの間
一層安定であったと主張し、Rieder(J.Clim.Invest.
(1970)49:2369−2376)およびWinterbourn,Carrell
(J.Clin.invest.(1974)54:67−689)は、真空容器中
で加熱したデオキシヘモグロビンは、環境酸素分圧下で
加熱したオキシヘモグロビンより一層熱安定性であると
主張した。MullerおよびSchmidは、デオキシヘモグロビ
ンはオキシヘモグロビンよりも両者が熱量計中で加熱さ
れた時高温度で変性されたことを報告した。他方、Mans
ouriおよびWinterhalter(Biochemistry(1973)12:494
6−4949)は彼らの研究において酸素圧力の低下は自動
酸化速度を増したことを認めている。BanerjieおよびSt
etzkowski(Biophys.Acta(1970)22:636−639),Walla
ce et al.,(J.Biol.Chem.(1982)257:4699−4977),
およびBrooks(Proc.Royal Soc.London B(1935)118:5
6−577)も同様な現象を認め、これら研究者の何人かを
メト形への変換を優先的に受けるのは実際は脱酸素化ヘ
モグロビンであると提案することへ導いた。Eyerおよび
協力者は(Mol.Pharmacol.(1975)11:326−334)は、
過酸化水素によるメトヘモグロビン生成は、酸化剤を酸
化したタンパクでなくデオキシヘモグロビンの溶液へ注
入した時一層高いことを発見した。この複雑性の一部
は、酸素はヘモグロビンと可逆的に会合できるリガンド
であると同時に、タンパクを酸化する反応剤であるとい
う事実から来ている。
ヘモグロビン安定性の複雑さは、抗酸化剤および還元
剤の報告された影響によってさらに実証される。抗酸化
剤アスコルビン酸はメトヘモグロビンを還元し(Gibso
n,Biochem.J.(1943)37:615−618)、そしてオキシヘ
モグロビンを酸化する(Harveyおよび金子,Brit.J.Haem
atol.(1976)32:193−203)ことが示されている。還元
されたグルタチオンは、生体内においてヘモグロビンに
対する保護剤として機能するものと信じられているが
(SampathおよびCaughey,J.Am.Chem.Soc.(1985)107:4
076−4078)、精製したヘモグロビンの溶液へ加える時
メトヘモグロビン生成を誘発する他の抗酸化剤である。
実際のところ、多数の還元剤メトヘモグロビン生成を増
強し、けれども他のものは酸化されたタンパクを還元す
る予期した能力を発揮することが知られている(Eyer e
t al.,Biochemical and Clinical Aspects of Hemoglob
in Abnomalities(1978)Academic Press,New York,pp.
495−503:川西およびCaughey,Biochemical and Chinica
l Aspect of Oxygen(1979)Caughey W.S.ed,Academic
Press,New York,pp.27−34)。この挙動は明らかに、メ
トヘモグロビンを直接還元する能力に加えて、還元剤は
それらが他の反応において酸化される過酸化物を発生し
得るために起こる。このように、特定の還元剤の添加の
正味の効果は、どんな他の酸素および反応剤が存在する
かにより、そしてその還元剤の酸化完全電位に依存す
る。
酸化防止剤は過去にヘモグロビンと共に使用されてい
た。Hollochr,“J.Biol.Chem"241:9(1966)は、チオシ
アネートはヘモグロビンの熱安定性を減ずることを観察
した。
ヨーロッパ特許出願78961は、抗酸化剤の使用による
酸化に対する架橋ヘモグロビンの安定化を教える。
Daland et al.,“J.Lab.Clin.Med."33:1082−1088(1
948)は、鎌状赤血球症をアッセイするために、赤血球
を還元する還元剤を使用する。
アスコルビン酸ナトリウムは長期貯蔵中ヘモグロビン
分子を劣化から保護するのに効果がないことが開示され
た。Rabiner et al.,“Ann.Surg."171:615(1970)。
ヘモグロビン溶液は結晶性ヘモグロビンとして、また
は他のヘモグロビンもしくは多糖類のような他の巨大分
子へ架橋したポリマーとして、代用血液として使用する
ことが提案されている。例えば米国特許第4,001,401;4,
061,736;4,053,590;4,001,200;西ドイツ公開特許302930
7および2616086を見よ。これら製品のすべては、出発原
料として全血からヒト赤血球を使用する方法によって得
られる。ヘモグロビンは溶解および遠心によって赤血球
の生成物質(ストロマを含んでいる)から分離され、ピ
リドキサール基による置換を含む既知技術に従って処理
される。これら方法は全血中に存在するウイルスが除去
されることを確実にすることには関心がない。
全体として考える時、先行技術はヘモグロビン安定性
は溶液組成,pHおよび温度の複雑関数であることを示唆
するだけであり、ヘモグロビン溶液60℃以上へ長時間加
熱できるかどうか、またはどのようにすればそれができ
るかに関して指示しない。このことはヘモグロビン構造
および機能について実施された莫大な量の研究と、そし
て酸素運搬静脈内溶液の処方中にこのタンパクを使用す
ることに強い関心があるにもかかわらず、何故ウイルス
を不活化する目的でヘモグロビン溶液の成功的加熱が試
みられなかったかの明白な理由である。驚くべきこと
に、私は構造的一体性または酸素運搬能力の僅かの損失
だけで、ヘモグロビンを60℃以上の温度において10時間
以上加熱することができ、架橋していようといまいと、
ヘモグロビン中のウイルスの熱不活化を可能とする一連
の条件を発見した。
ヘモグロビンを基にする酸素運搬溶液の開発における
他の問題はヘモグロビンの精製である。部分的に精製さ
れたヘモグロビン溶液(いわゆるストロマ不含ヘモグロ
ビン)を得るために普通に使用される方法は、溶媒によ
る、または高張条件への暴露による血球溶解と、ロ過、
遠心および/または酸性条件下の沈澱による膜断片の除
去を採用する。例えば、Rabiner et al.,Ann.Surg.(19
70)171:615−622;Feola et al.,Surg.Gyn.Obstet.(19
83)157:399−408;Bonsen et al.,(1977)米国特許第
4,001,401;Bonhard(1975)米国特許第3,864,478を見
よ。これら操作は血球ストロマの実質量を除去するが、
それらは夾雑する可溶性タンパクの多数を効果的に除去
しない。もしヘモグロビンを化学的に、特にグルタルア
ルデヒドのような非特異性試薬で修飾することを望むな
らば、細胞内タンパクの存在は後からの精製を複雑に
し、収率を減じ、そして製品毒性の確率を増大する種々
の副生成物を生ずる。そのような問題を軽減するため、
研究者は種々のクロマトグラフィー技術によってしばし
ばヘモグロビンを精製している。これらの技術は効果的
に精製可能であるが、それらはしばしば手間がかかり、
そして滅菌およびパイジエン除去が困難な高価なクロマ
トグラフィー媒体の使用を必要とする。電気泳動たは超
遠心のような他の精製技術は大規模生産には耐えられな
い。本発明においては、実質的な精製は、容易に滅菌お
よびパイロジエン除去される設備によって大量生産に容
易に実施することができる簡単な加熱プロセスによって
達成される。それ故本発明により、ヘモグロビンの実質
的部分が変性し、そのためその生体内酸素運搬機能を実
行不能にすることなしに、非ヘモグロビンタンパクの選
択的除去によってヘモグロビン溶液を精製することがで
きる。
ここで使用する“ヘモグロビン”なる術語は、特記し
ない限り、オキシ−,カルボキシ−,およびデオキシヘ
モグロビン、それにピリドキサール化(ピリドキサール
−5′−リン酸との反応によってピリドキサール基へ共
有結合した)および/またはその架橋した誘導体につい
ての一般語である。架橋誘導体は、中でもグルタルアル
デヒド、開環ジオール、および3,5−ジブロモサリチル
−ビス−フマレート(DBBF)架橋ヘモグロビンを包含す
る。これらヘモグロビン誘導体は良く知られている。
本発明の概要 今や私は、ヘモグロビン含有組成物中の生物学的に感
染性ウイルスの危険を減らし、そして熱沈澱性非ヘモグ
ロビンタンパクを除去する方法を発見した。該方法は、
実質上血球不含ヘモグロビン溶液を前記ヘモグロビンを
実質上そのデオキシヘモグロビン形に保ちながら、前記
ヘモグロビンを実質的に不活化することなく存在するウ
イルスを不活化するため、45℃ないし85℃の温度におい
て加熱することよりなる。付加的または代替的に、この
同じ方法は、やはりヘモグロビンを生物学的に実質的に
不活化することなく、いくつかの非ヘモグロビンタンパ
クを選択的に沈澱させることができる。この方法はウイ
ルス不活化および非ヘモグロビンタンパク沈澱の前記目
的のどちらかもしくは両方を達成するために使用するこ
とができる。ヘモグロビンは任意の所望方法によって脱
酸素化することができる。
一具体例において、ヘモグロビン溶液はヘモグロビン
をその実質上デオキシヘモグロビン形へ変換しそして維
持する化学的還元剤と混合することによって脱酸素化
し、そしてこの試薬の存在下加熱することができる。代
わって、ヘモグロビンは、その実質上デオキシヘモグロ
ビン形へ変換し、そして維持し、そしてそのような還元
剤の存在下加熱することができる。好ましくは、ヘモグ
ロビンは、ヘモグロビンから酸素を除去し、ヘモグロビ
ンの他の形をデオキシヘモグロビンへ変換するため、不
活性の実質上酸素不含ガスまたは真空へ露出することに
よってそのデオキシヘモグロビン形へ実質上変換し、維
持することができる。前述の目的の一方または両方を達
成するため、前記加熱の間デオキシヘモグロビンを酸素
不含環境に維持する。特に、ヘモグロビン、例えばRobe
rt Schmukler et al.Biorheoloyy,(1985)22:21−29に
よる論文に記載されているような、酸素透過性ヘモグロ
ビン残留性膜を通ってそのようなガスまたは真空へ露出
することができる。
さらに詳しくは、実質上血球を含まないヘモグロビン
を拡散セル手段を通過させることができる。この拡散セ
ル手段はそれに沿ってヘモグロビンが流れる膜壁手段を
有し、そのような膜壁手段は、ヘモグロビン溶液から酸
素を除去し、そしてヘモグロビンの他の形をデオキシヘ
モグロビンへ変換するため、ヘモグロビン溶液に対し反
対の膜壁手段の側に沿って不活性ガスを循環しながら、
膜壁手段をヘモグロビンでなく酸素を通過させることが
できる。次に存在するウイルスを不活化し、および/ま
たはヘモグロビンを実質上不活化することなく熱沈澱性
非ヘモグロビンタンパクを沈澱するため、得られたデオ
キシヘモグロビン溶液を実質上45℃ないし85℃において
加熱する。
好ましくは、循環不活性ガスの流量は拡散セル手段を
通過するヘモグロビン溶液の流量の少なくとも5倍、最
も好ましくはその流量の約10ないし50倍であるが、経済
的考慮を離れれば、使用し得る循環不活性ガス流量には
実際上有意義な上限は存在しない。典型的には、循環不
活性ガスは窒素またはアルゴンでよく、そして加熱温度
は約45−50℃ないし85℃でよい。例えば、約60℃の温度
における約10時間の加熱時間は、本発明方法に従った非
ヘモグロビンタンパクの沈澱と、そしてヘモグロビン溶
液中のウイルスの不活化の両方においてすぐれた結果を
提供することができる。
加熱前に、溶液のpHはメトヘモグロビン生成と加水分
解を阻止するため、好ましくは6.0と9.0の間へ調節され
る。次に所望のヘモグロビン誘導体を実質上不活化する
ことなく、存在するウイルスを不活化しそして/または
非ヘモグロビンタンパクを沈澱するため、得られるデオ
キシヘモグロビン溶液を酸素不含環境中で好ましくは実
質上55℃ないし80℃の温度において加熱する。さらに詳
しくは、約60ないし70℃の温度における約8ないし12時
間、例えば10時間の加熱時間は、本発明方法に従った非
ヘモグロビンタンパクの沈澱とそしてヘモグロビン溶液
中のウイルスの不活化の両方においてすぐれた結果を与
えることができる。
本発明の詳細な説明 生物学的に活性なヘモグロビンは、天然ヘモグロビン
の酸素運搬機能を生体外および生体内において実行する
ことができるヘモグロビンである。しかしながら、ヘモ
グロビンはその赤血球環境において見られる有効性を持
って機能することは必要でない。むしろこの熱処理なし
の原料と、そしてそのような熱処理後の比較し得るロッ
トとの間に比較がなされる。この比較は既知の生体内ま
たは生体外アッセイにより、例えばテスト組成物による
交換輸血後のラット中の動脈静脈酸素の差の測定によ
り、処理前および処理後のヘモグロビンの吸収スペクト
ルの変化により、または加熱したおよび加熱しないヘモ
グロビンの酸素結合特性の直接測定によって実施するこ
とができる。生物学的に不活性なヘモグロビンは、例え
ばメトヘモグロビンへ変換しているか、そのタンパク成
分が変性されたか、または熱または他の手段によって他
の様に悪影響されている。
ヘモグロビン組成物は、先に論じたヘモグロビン誘導
体、天然、実質上精製されたヘモグロビン、または粗製
赤血球溶解物を包含する。通常、生物学的に有効でない
ためメトヘモグロビンまたはその誘導体は興味がないで
あろう。
適当なヘモグロビン組成物は、総タンパクの少なくと
も99%のヘモグロビンと、約3μg/ml未満の総リン脂質
分と、約1μg/ml未満のホスファチジルセリンまたはホ
スファチジルエタノールアミンと、6%未満の非活性ヘ
ム色素と、約24ないし28mmHgの酸素親和性P50(37℃,pH
7.4,pCO2 40mmHg,ヘモグロビン1mM)、少なくとも約1.8
のヒル定数と、そして少なくとも約17mlO2/dlヘモグロ
ビン溶液の酸素結合能力を含むことができる。これらの
仕様書は臨界的ではなく、他のものも採用し得る。
本発明に従って処理するために好ましいヘモグロビン
組成物は、ジアスピリン試薬3,5−ブロモサリチル−ビ
ス−フマレートとの反応によって主としてアルファ鎖間
で架橋したヘモグロビン5ないし15g/dlを含み、それに
6%未満の非活性ヘム色素含量と、少なくとも26mmHgの
生理条件下のP50とを有し、そして塩化ナトリウム100−
160mmol/,塩化カリウム3−5mmol/,乳酸ナトリウ
ム0−30mmol/,ピリビン酸ナトリウム0−25mmol/
,重炭酸ナトリウム0−30mmol/,塩化マグネシウ
ム0−20mmol/の電解質濃度を含有し、37℃において
7.25ないし7.45のpHの水溶液からなることができる。
前記したヘモグロビンの一つのそのような好ましい溶
液は、14g/dlの濃度で、非活性ヘム色素6%未満を有
し、生理的条件下で32mmHgのP50を示すものである。そ
のような好ましい溶液は、塩化ナトリウム約100mmol/
,塩化カリウム4mmol/,乳酸ナトリウム10mmol/
,ピルビン酸ナトリウム20mmol/,塩化カルシウム
0.5mmol/,および塩化マグネシウム0.25mmol/を含
有する。37℃における溶液のpHは7.4でよい。
ヘモグロビン組成物は一般に水または緩衝液中に約1
ないし40g/dl,好ましくは約1ないし14.5g/の濃度に
熱処理前に溶解されるであろう。選択される濃度は、溶
液を治療用途にそのまま使用することを意図するか、そ
れとも限外ロ過等によってさらに処理されるか、または
凍結乾燥されるかに依存するであろう。後者の状況にお
いては、濃度は後の処理工程において便利に取扱い得る
任意のものでよい。製品を注入すべき場合は、それは1
当りヘモグロビン組成物約13.5ないし14.5gの濃度を
持つことができる。
本発明において有用なストロマ不含ヘモグロビン溶液
は慣用技術を使用して調製することができる。そのよう
な技術は、Simmonds et alの米国特許第4,401,652;Bonh
ard et alのヨーロッパ特許出願82106849.1;Cheng et a
l.,Anal.Biochem.(1984)137:481−484;およびDe Vinu
to et al.,J.Lab.Clin.Med.(1977)98:509−516に記載
されているものを含むが、それらに限定されない。その
ような溶液を製造する他の方法は当業者に自明であろ
う。
熱処理工程は、ヘモグロビンがデオキシ型である限
り、ヘモグロビンの化学的修飾の前または後で実施する
ことができる。
ヘモグロビン組成物は、一般に熱処理前約0.001ない
し40g/dl,好ましくは約0.03ないし3g/dlまたは1〜14g/
dlの濃度に水中に溶解される。選択される濃度は、適切
なpHを維持しながら脱酸素化し得る能力と、前もしくは
後処理工程から得られる、または望ましいヘモグロビン
濃度のそれぞれに依存するであろう。
前に記載したように、脱酸素化は化学的または物理的
手段によって実行することができる。もし還元剤を使用
するならば、それは実質上メトヘモグロビンの生成を誘
発することなく加熱前または加熱中、好ましくは加熱前
ヘモグロビンを完全にデオキシ型へ変換することができ
なければならない。私はアスコルビン酸はこの目的のた
めのヘモグロビンとの熱安定化に比較的有効でないこと
を発見した。このため還元剤はアスコルビン酸より大き
いまたはもっと有効な還元電位を持っていなければなら
ない。還元したレドックス染料およびスルフヒドリルま
たはスルホキシ化合物は多数の許容し得る剤を含んでい
る。適当な還元剤は亜二チオン酸、重亜硫酸、メタ重亜
硫酸または亜硫酸のアルカリ金属塩、還元したグルタチ
オン、およびジチオスレイトールである。亜二チオン酸
塩が好ましい。中間レベルの保護を与える他の好ましい
還元剤は、加熱中、しかし加熱前ではなくヘモグロビン
脱酸素化を誘発する化合物である。これらは、還元した
グルタチオン、N−アセチル−L−システインおよびN
−2−メルカプトプロピオニルグリシンを含むが、それ
らに限定されない。他の適切な還元剤は後記実施例1に
記載する日常的実験によって容易に決定されるであろ
う。
ヘモグロビン組成物の水溶液中に含まれるべき還元剤
の量は、還元剤の還元力、ヘモグロビンの量、推定した
ウイルス負荷およびまたは非ヘモグロビンタンパクの量
(および、その結果熱処理の強さ)、酸化性溶質および
酸素の存在、適切なpHコントロールの必要性、および当
業者には自明な他の要因に応じて変化するであろう。従
って最適濃度は日常的実験によって決定されるであろ
う。これは、ウイルス不活化条件等のもとでヘモグロビ
ンの生物学的活性の実質的部分を保存するのに十分であ
るが、しかしその量より多くない還元剤が含まれている
ことを確実にするため、後で実施例2および第1図に記
載されているヘモグロビンUV−可視スペクトルにおける
試験管内変化を追跡することによって実施することがで
きる。添加できる亜二チオン酸塩の量は、酸素との反応
によって酸均等物を発生するこの試薬の性質によって制
限される。溶液はpHが6.0以下に低下するのを防止する
ため適切に緩衝化されなければならない。亜二チオン酸
塩は系内の酸素、そしてこのためヘモグロビンの量より
過剰に添加しなければならないので、ヘモグロビン、緩
衝液および亜二チオン酸塩の濃度間には複雑な関係が存
在する。これらパラメータの有用な組合せは、ヘモグロ
ビン濃度1−9g/dl,亜二チオン酸塩濃度10−100mM,およ
びリン酸ナトリウム緩衝液濃度100mMである。
還元剤に加え、種々の添加剤、例えばリン酸塩、重炭
酸塩またはトリス(約7−8のpHへ)のような緩衝剤、
血漿中に見られるのよりも一般に低いもしくは等しい濃
度の無機イオン(例えば典型的には約150meq/以下の
濃度においてナトリウム、塩化カリウム、マグネシウム
各イオン、および塩化カルシウム)、そしてアミノ酸ま
たはサッカライドのような凍結乾燥安定剤が組成物に存
在してもよい。凍結乾燥したヘモグロビン組成物が熱処
理される時は、マンノースまたは糖アルコールのような
非還元糖を使用することができる。ヘモグロビン溶液中
の添加剤の濃度はヘモグロビン安定性に対する効果に応
じて変化し得る。例えばリン酸ナトリウム(pH7.4)が
緩衝剤として使用される時は、70mM以上の濃度はヘモグ
ロビン安定性の減少をもたらす。これはヘモグロビン安
定性は高張媒体中で低下することを示唆する。溶液のpH
も還元剤の種類、添加剤および熱処理条件に応じて変化
し得る。pHは6.0ないし9.0の範囲とすることができる。
好ましい範囲は約7.0ないし約8.5である。最も好ましい
pHは約7.4ないし約7.6である。
ヘモグロビンは種々の溶液脱気操作を使用してデオキ
シ形に保つことができる。これらは、例えばSchmukler
et al.,(Biorheology(1985)22:21−29)によって記
載されているような、窒素のような不活性ガスによって
同時にフラッシュされる膜ガス交換装置を通るヘモグロ
ビン溶液の循環、溶液の真空への露出、および/または
例えば米国特許第3,892,534または3,792,377に記載され
ている泡型血液オキシジエネーターの既知デザインを使
用して溶液を通って不活性ガスの吹き込みを含むが、し
かしこれに限定されない。そのような操作の適正は、起
泡、酸性化等によってそれらがヘモグロビンの分解を促
進する程度によって制限されるであろう。起泡は、もし
熱安定性に対して悪影響しなければカプリル酸のような
適合しえる消泡剤を溶液へ添加することによって制御す
ることができる。代わりに、この問題を軽減するこめ機
械的消泡装置を使用することができる。機械的な脱酸素
化は、完全な脱酸素化を実行するのに必要とする化学的
還元剤の量を減らすため、化学的還元剤と組合せて使用
することもできる。
熱処理の時間および温度は、ウイルス負荷、タンパク
濃度、ヘモグロビンの性格(すなわち架橋されているか
いないか)、および未修飾ヘモグロビン沈澱の所望性の
ような多数の要因に依存するであろう。最初の非グロブ
リンタンパクは典型的には約60℃において30分ないし1
時間以内に沈澱する。熱処理が続くとき、もっと多くの
非ヘモグロビンタンパクが沈澱する。ウイルス負荷も減
らされる好ましい具体例においては、熱処理は約10また
は15時間続けられる。溶液の精製は、典型的には非ヘモ
グロビンタンパクの少なくとも20重量%,好ましくは少
なくとも50重量%の減少が達成されるまで進めることが
できる。これはヘモグロビン生物学的活性の実質的損失
なしで、すなわち通常のケースにおいてはヘモグロビン
の約1ないし15モル%だけが不活性になるだけで、本発
明方法によって達成することができる。熱処理温度は、
もし不活化が合理的時間内で発生すべきならば、典型的
には約45℃ないし85℃,典型的には50ないし80℃,好ま
しくは約60−66℃の範囲であろう。時間は典型的には約
1ないし30時間、しかし場合によっては150時間まで、
好ましくは溶液について2−10時間の範囲であろう。温
度が高ければ高い程短いインキュベーションが使用され
るであろう。脱酸素化したヘモグロビン溶液の熱処理
は、マイクロウエーブまたは赤外線、または抵抗ヒータ
ーまたは水浴のような装置による熱接触のような任意の
加熱方法によって実施することができる。
組成物の温度は、典型的にはウイルス不活化および沈
澱温度まで局部過熱を避ける態様において昇温される。
加熱時間は典型的には乾燥組成物については約20ないし
96時間の範囲であろう。不活化の時間および温度は、ウ
イルス負荷、タンパク濃度、ヘモグロビンの性格(架橋
または非架橋)、および還元剤濃度(存在する時)のよ
うな多数の要因に依存するであろう。
ウイルス殺滅のための処理プロセスの有効性は、処理
すべき組成物の部分標本にシンドビス、サイトメガロウ
イルスまたはT4のような候補ウイルスを接種することに
よって最良にアッセイされる。そのようなアッセイのた
めの適当な方法はPCT公報WO82/03871に開示されてい
る。還元剤濃度(使用した時)および候補ウイルス不活
化の時間と温度がヘモグロビン生物学的活性に対してバ
ランスされ、熱不活化のための最適条件に到達する。候
補ウイルスの不活化はウイルス活性の少なくとも3,そし
て好ましくは6対数減少が得られるまで進めなければな
らない。これは本発明により、ヘモグロビン生物学活性
の実質的損失なしに、すなわちヘモグロビンの約1ない
し15モル%が生物学的に不活性になるだけで達成するこ
とができる。
生成する製品は生物学的に活性なヘモグロビンを含有
し、生物学的に不活性なヘモグロビンを含有せず、そし
て生物学的に感染性のウイルスを含有しないであろう。
生物学的に非感染性のウイルス残渣は、このプロセスに
よってウイルス抗原が免疫学的に破壊されないため、こ
れら抗原の免疫アッセイによって検出することができ
る。しかしながら、ウイルス感染性アッセイは、ウイル
ス不活化が起こったことを示すであろう。ウイルス感染
性の消失または実質的欠如と組合せたウイルス抗原の存
在は、ウイルス不活化が望まれる本発明方法に従って処
理された製品の指示である。
熱処理した溶液はそれらを治療用途に対して便利とす
るために処理することができる。希薄ヘモグロビン溶液
は限外ロ過および/または凍結乾燥によって濃縮するこ
とができる。
限外ロ過は存在する時必要ならば過剰の還元剤を除去
するために、すなわち還元剤の濃度を生理学的に許容し
得るレベルに減らすためにも有用である。これは通常約
5mM以下のオーダーであろうが、しかし正確な量は推定
される注入速度および還元剤との性格に依存するであろ
う。例えば、還元型グルタチンは比較的無害であり、そ
して組成物中に比較的高割合で残存し得る。
熱処理工程は前述したピリドキサール化または架橋の
前または後で実施することができる。好ましくは、ヘモ
グロビンは熱処理前にピリドキサール化および架橋され
る。これは製造中発生し得るウイルス汚染も処理される
ことを確かにする。もし熱処理の間使用された還元剤の
量が生理学的に許容し得るならば、加熱はバッグまたは
バイアルのような最終充填容器中で実施することができ
る。
ヘモグロビン組成物は有利には熱処理される時水溶液
中にあるが、しかし乾燥組成物も熱処理することができ
る。例えば、もしヘモグロビン組成物が長期間貯蔵を意
図するならば、それは還元剤を含む溶液から凍結乾燥ま
たは乾燥され、そして加熱されることができる。
本発明において有用なストロマ不含ヘモグロビン溶液
は慣用技術を使用して調製することができる。そのよう
な技術は、Simmond et alの米国特許第4,401,652;Bonha
rd et alのヨーロッパ特許出願82106849.1;Cheung et a
l.,“The Preparation of Stroma−free Hemoglobin by
Selective DEAE−Cellulose Abrorption", Analytical Biochemistry 137:pp.481−484(1984),De
Venuto et al.,“Characteristics of Stroma−free H
emoglobin Prepared by Crystallization",J.Lab.Clin.
Med.89:3,pp.509−516(1977)に開示されているものを
含むが、それらに限らない。そのような溶液の他の製造
方法は当業者には自明であろう。
本発明の目的に対しては、使用する時還元剤は加熱時
ヘモグロビンをデオキシ型に維持することによってヘモ
グロビン変性を防止する物質もしくは薬剤もしくは物理
的介入でよい。還元剤はヘモグロビンを脱酸素化型へ変
換する化学還元剤を含む。好ましい剤は同時にメトヘモ
グロビン生成なしにオキシヘモグロビンをデオキシ型へ
変換する。
前記したように、ヘモグロビンは種々の溶液脱気操作
を使用してデオキシ型に保つことができる。これらは窒
素ガスによる泡立て、不活性ガスの吹き込み、および溶
液の真空への露出を含むが、これらに限らない。そのよ
うな操作の適性は、例えば起泡、酸性化等によってそれ
らがヘモグロビンの分解を促進する程度によって制限さ
れるであろう。
溶液中に好ましく存在するヘモグロビンの濃度は、使
用する還元剤の強度と、そして後の処理工程に応じて変
化するであろう。還元剤が化学還元剤である場合、ヘモ
グロビンの濃度は一般に約0.001ないし約40g/dlを変化
するであろう。好ましい濃度は約0.03ないし3および約
14g/dlまでの範囲である。例えば、亜二チオン酸ナトリ
ウムが還元剤であり、そしてヘモグロビンの高濃度が使
用されるならば、非酸化形に維持するために添加しなけ
ればならない亜二チオン酸塩の量は溶液を過度に酸性に
し得る。そのような場合、非特異的な沈澱の確率が増加
し得る。もし還元剤が物理的介入、例えば不活性ガスの
吹き込みまたは拡散であれば、酸性化問題は無い。その
ような状況のもとでは、ヘモグロビン濃度は約0.001な
いし約30g/dlの範囲とすることができる。
図面の簡単な説明 第1図は、溶液中56℃において10時間加熱後のヘモグ
ロビン中の亜二チオン酸塩還元剤により脱酸素化された
ヘモグロビンのデオキシ型の安定化効果を示すグラフで
ある。
第2図は、ヘモグロビン溶液を脱酸素化するための装
置の概略図である。
第3図は、ヘモグロビン溶液をガス吹き込みするため
の装置の正面図である。
以下の実施例は例証であることを意図し、本発明の範
囲の限定として解釈してはならない。
実施例1 この計画した操作は、ヘモグロビン組成物が本発明に
従って処理されることができる態様の例証である。スト
ロマ不含ヘモグロビン1g%,亜二チオン酸ナトリウム30
mM、およびpHを7.5に保つのに十分な重炭酸ナトリウム
緩衝剤(0.1ないし0.3M)を含有する溶液を調製する。
この溶液100mlをガラスバイアル中に気体頭部スペース
を残さないようにシールし、水浴中へ浸漬することによ
って60℃で10時間加熱する。加熱後溶液を浴から取出
す。加熱後溶液をバイアルから取出し、過剰の亜二チオ
ン酸塩を除去し、そして媒体のイオン含量を調節するた
め30,000MWカットオフ膜上で透析ロ過し、ヘモグロビン
含量14g/dlへ限外ロ過し、粒状物を除去し、そしてバク
テリアを除去するため0.2ミクロンフィルターを通過さ
せる。
実施例2 上記のようにして調製したストロマ不含ヘモグロビン
溶液の2本の部分標本を0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液,p
H7.4中に濃度0.04g/dlへ希釈した。一方の部分標本を92
mMの最終濃度を与えるのに十分な亜二チオン酸ナトリウ
ムと混合し、頭部に空隙を残さないでガラスバイアル中
へ速かにシールした。他方の部分標本は同様なバイアル
中へしかし添加した亜二チオン酸なしでシールした。両
方のサンプル400−700nmの範囲の吸収スペクトルをバイ
アルから直接取った。これらスペクトルは亜二チオン酸
塩を含有するサンプルは完全に脱酸素化されたことを示
したが、(第1図に示すように)、他のサンプルは典型
的なオキシヘモグロビンスペクトルを示した。両方のサ
ンプルを50℃で10時間インキュベートし、室温へ冷却
後、吸収スペクトルを再び取った。これらスペクトル
は、脱酸素化サンプル中のヘモグロビンは第1図に示す
ように実質上変化しなかったが、酸素化したサンプルの
吸収スペクトルは高度に劣化したサンプルの指標である
ことを示した。デオキシ型で加熱したサンプルを亜二チ
オン酸塩を除去するため透析した時、正常なオキシヘモ
グロビンスペクトルが得られた。このように、ヘモグロ
ビンの生物学的活性はオキシ型ではなく、デオキシ型に
おいて加熱する間保持された。
実施例3 この計画実施例においては還元剤を含んでいる加熱し
たテスト組成物について実施例1の操作がくり返され
る。この組成物は3本の部分標本に分割され、それぞれ
にシンドビス、脳心筋炎(EMC)、およびアデノタイプ
5ウイルスが、それぞれウイルス濃度が6−7log10プラ
ック形成単位(PFU)/ml,4log10PFU/ml,および4.5log10
組織培養50%感染投与量(TCID−50)mlになるように接
種された。
TCIDは以下のように説明することができる。生物学的
定量においては、テスト系細胞のある集団が反応または
死滅する希釈度としてエンドポイントが通常取られる。
100%エンドポイントがしばしば使用される。しかしな
がらその精度は小さいチャンス変動によって大きく影響
される。望ましいエンドポイントはテスト系の半分は反
応するが他の半分が反応しない状態を表すものである。
最良の方法は50%反応のための値に近い密接に離れた希
釈度における多数のテスト系を使用し、そして次に正確
な値を補内することである。TCIDエンドポイント力価の
負対数は、 である。
組織培養50%エンドポイントは、非接種培養物中の細
胞の50%に細胞病理変化を生じさせるウイルス力価を表
わす。濃度決定のため上の技術を使用する場合には、最
小必須媒地プラス2%ウシ胎児血清中に対数希釈が調製
される。各希釈液の0.2mlがマイクロタイタープレート
中のBGMK(Buffalo Green Monkey kidney)細胞の複製
培養物へ添加される。接種した培養物を5%二酸化炭素
下36℃でインキュベートし、そして7ないし8日間にわ
たって顕微鏡観察する。与えられた希釈度における培養
物の細胞の死滅%は、屈折性の細胞によって証明される
細胞退化について観察することによって決定される。次
にTCID−50は上記のように計算することができる。
EMCおよびシンドビスウイルス感染力価は、前記のよ
うなウイルス懸濁液の希釈液を調製することによって得
られる。BGMK細胞単層は35mmペトリ皿中に準備された。
細胞へのウイルス吸着は単層へ懸濁液0.2mlを加えるこ
とによって開始された。1時間後単層は栄養寒天培地2m
lで覆われ、そして37℃で24〜72時間インキュベートさ
れた。生成したプラックは食塩水中の1:2000重量におけ
る中性レッドによって細胞を染色することによって可視
化された。
ウイルスについての結果は、直線のデータへの適合を
許容する最小自乗法により回帰分析へかけられ、プロッ
トされた。同様な結果はすべてのウイルスについて得ら
れた。3本の部分標本のすべてのウイルス感染力価は熱
処理方法によって有意義に減らされ、それによって肝炎
または他のウイルスによる患者感染の危険が減らされ
た。
実施例4 この実施例においては、ストロマ不含ヘモグロビンが
Bolin et al編、Advances in Blood Substitute Resear
ch,New York,Alan R.Liss(1988)中にTye et alによ
り、およびそれに引用された文献によって開示された方
法に従って、3,5−ジブロモサリチル−ビス−フマレー
トで架橋され、そしてその後ピリドキサール化されたこ
とを除き、実施例1の方法がくり返された。
実施例5 ストロマ不含ヘモグロビン(SFH)8g/dlを含有し、そ
して標準的技術によって調製された部品標本を等張リン
酸ナトリウム緩衝液、pH7.4の7容積で希釈し、SFHの溶
液(1g/dl)を得た。亜二チオン酸ナトリウムを最終濃
度8.7mg/mlを与えるようにこの溶液へ添加し、pHを水酸
化ナトリウムで7.5へ調節した。この溶液を気密容器中
へシールし、60℃で10時間加熱した。室温へ冷却後、溶
液を5000×gで5分間遠心し、上清を回収し、残りの粒
状物を除去するため再遠心した。最初の遠心から得られ
るペレットを等張リン酸ナトリウム緩衝液pH7.4で5回
洗い、そして同じ緩衝液の最小体積中に再懸濁した。加
熱前のSFHの部分標本と、加熱遠心後の上清と、そして
加熱後得られた洗った沈澱とをジチオスレイトール1mg/
mlを含んでいる1.5%SDS中に可溶化し、ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動によって分析した。この分析結果は、
不純物レベルは元の加熱しない溶液と比較して加熱した
SFH溶液において減少したことと、そしてペレットは主
として不純物タンパクよりなることを示した。
実施例6 この実施例においては、ストロマ不含オキシヘモグロ
ビン溶液は、所望のようにウイルスを不活化しそして非
ヘモグロビンタンパクを沈澱する前に記載した態様にお
いて加熱する前に、オキシヘモグロビン分子から酸素を
除去するため溶液から溶解酸素を生理的に不活性なガス
で交換するため、化学的でなく物理的に処理される。こ
のアプローチは、その生物学的活性を保存しながら(す
なわちメトヘモグロビンの僅かのまたは皆無の生成)、
ヘモグロビンの比較的速いそして完全脱酸素化のための
緩和なそして生体適合性プロセスを提供する。
第2図を参照すると、ヘモグロビンを脱酸素化するた
めの典型的な装置が概略形で示されている。ヘモグロビ
ン溶液は分配容器10に収容される。慣用のローラーポン
プ12がヘモグロビン溶液をライン14を通って膜型オキシ
ジマネーター、例えばミネソタ州ミネアポリスのSciMed
Life Systems,Inc.のモデルNo.08−2Aの一端へポンプ
する。この膜型オキシジエネーター(これはここではオ
キシジエネーターとしてではなく、拡散装置として使用
される)を通過した後、ヘモグロビン溶液はライン18を
通って分配容器10へ戻る。
温度計20,圧力ゲージ22,真空/ガスライン24を容器10
へ接続することができ、ライン24はリリーフ弁26によっ
て制御される。これは容器から酸素を除去するためライ
ン24を通って分配容器10の減圧を許容する。
酸素不含ガス、例えば窒素またはアルゴンは、ガス源
28から慣用の酸素トラップ30を通ってライン34により多
方向弁32中へ送られることができる。真空ライン36はラ
イン24へ吸入を提供するため任意の慣用真空源へ、そし
てまた膜型オキシジエネーター16のガス側の出口と連通
する真空ライン38へ接続される。ガスライン38は多方向
弁32を通って流量計42およびオキシジエネーターのガス
入口ポート46へのライン44へ通過するライン40と連通し
得る。このように、多方向弁32の適切な制御により、酸
素ガスを容器10から除去することができ、そして次に源
28からのガスをオキシジエネーター16の液体側へヘモグ
ロビン溶液の流れに対して向流態様でオキシジエネータ
ー16のガス側に向けることができる。このため拡散プロ
セスにより、溶液中のヘモグロビンはデオキシヘモグロ
ビンへ脱酸素化される。
脱酸素化プロセスに続いて、分配容器10は酸素の侵入
を許容することなくシステムの残部から断ち、そしてヘ
モグロビン溶液中のウイルスを不活化し、そして非ヘモ
グロビンタンパクを沈澱するため前述した条件に従っ
て、典型的には添加した化学的還元剤の不存在下加熱す
ることができる。
酸素トラップ30はカリフォルニア州オークランドのLa
bClearのOxiclearモデルNo.DPG−250でよい。多方向弁3
2は、イギリスRotaflo Companyのストップコック48を付
加したニュージャージー州ビネランドのKontes Glass C
o.によって販売されているものでよい。他の部品は慣用
デザインのものであり、そして市販されている。
分配容器10は、ガスをその源28から分配容器中へポン
プすることによって脱酸素しそして与圧することができ
る。これは多方向弁32とローラーポンプ12の適切な制御
と、そして容器10の排気によって達成することができ
る。次に膜型オキシジエネーターのガス側に水銀柱約マ
イナス20インチまでの真空を加え、次にオキシジエネー
ターを通って所望の選択した流量へ源28からのガス流を
調節することができる。脱酸素化のコースは流れクベッ
トを通ってヘモグロビン溶液をサンプリングすることに
よってモニターすることができる。
(A)第2図の記載した装置を使用するこの特定のプロ
セスにおいては、オキシヘモグロビン1g/dlを含有し、p
H7.0,そしてリン酸ナトリウム10mMで緩衝化したストロ
マ不含オキシヘモグロビン溶液1を、膜面積0.8m2
有する膜装置16を通って、10容積を有する分配容器10
中へ流れることを許容した。容器10は前に記載した態様
で脱酸素化し、そして窒素で僅かに(+35kPa)与圧し
た。
溶液を次にぜん動ポンプ12によって150ml/分の流量で
循環させた。酸素不含窒素を膜型オキシジエネーター16
のガス側を通って2,000ml/分の流量で通過されながら、
−500mmHgの真空を膜装置16のガス出口50へ適用した。
このガス対ヘモグロビン溶液流の比は操作中13対1に比
較的コンスタントに保った。
プロセスの間、システムから窒素気流下サンプルを採
取し、0.2cmの通路長を有する。フロースルークベット
を使用して吸収およびスペクトルを記録した。結果を表
Iに示し、そして循環60分後に完全脱酸素化(99.7%)
が得られたことを示した。
(B)膜装置16のガス側を通る1,000ml/分の窒素流量
と、膜型オキシジエネーター16の他の側を通るヘモグロ
ビン溶液500ml/分の流量を使用し、ガス対ヘモグロビン
溶液流比を2対1へ減らしたことを除いて、実施例6
(A)の操作をくり返した。この操作の結果を下記表II
に示し、脱酸素化はこれら条件下では少し効率的でない
ことを示した。
(C)高純度アルゴンガス(ユニオンカーバイド社リン
デ部門)を使用したことを除いて、実施例6(A)の操
作をくり返した。酸素は酸素トラップ30を使用して1ppm
以下へ純化した。膜装置16のガス側のアルゴンガス流量
を4/分とし、膜装置16の他の側のヘモグロビン溶液
の流量を0.1/分とし、アルゴンガス対ヘモグロビン
溶液流比を40対1としたことを除き、すべてのシステム
パワメーターは不変とした。この実験の結果は以下の表
IIIに示すとおりである。
従って、デオキシヘモグロビンの上記処理溶液を本発
明に従って実質上45ないし85℃の温度に加熱し、そして
その温度に維持する時、存在するウイルスの実質量を不
活化し、そして非ヘモグロビンタンパクの実質量を沈澱
することができる。存在するデオキシヘモグロビンは改
良された熱安定性を発揮し、処理中のヘモグロビンの損
失を減らす。
実施例7 第3図を参照すると、ヘモグロビン溶液に酸素不含不
活性ガス吹き込むための装置が提供される。基本的に
は、血液のための気泡型オキシジエネーターの既知デザ
イン、例えば米国特許第3,892,534または3,729,377に開
示されているデザインをこの新しい目的に使用すること
ができる。
装置50は、溶液貯槽56から延びるヘモグロビン溶液入
口ライン54を有するガス交換カラム52を備える。ヘモグ
ロビン溶液を貯槽56からカラム52およびそれをこえて循
環するためローラーポンプ58または類似物が設けられ
る。
酸素不含不活性ガスは、ガス源60からライン62および
多孔質撒布器64を通ってカラム52の底中へ吹き込まれ、
ヘモグロビン溶液で満たしながらカラム52を通って気泡
を上昇させる。カラム52の頂部において、ガスおよび溶
液は慣用のシリコン塗布ワイヤー消泡スポンジ68を収容
する水平カラム66を通過し、ガスはベント70を通って排
気され、流れているヘモグロビン溶液はカーブした脱泡
チャンネル72を下方へ通過する。そこからヘモグロビン
溶液は出口ライン74を通って貯槽56へ戻る。
このプロセスにより、溶液中のヘモグロビンは脱酸素
化され、そして前記したようにウイルスを不活化し、非
ヘモグロビンタンパクを沈澱するため加熱されることが
できる。
実施例8 ウイルス不活化操作としてヘモグロビン溶液熱処理の
有効性を測定するため、シンドビス、ポリオおよび偽狂
犬病ウイルスを亜二チオン酸ナトリウム50mMを含有する
ヘモグロビン1g/dlの別々の溶液へ接種した。溶液をバ
イアル中へシールし、60℃で加熱し、種々の時間で部分
標本を取出し、そしてウイルス活性の後の分析のために
貯蔵した。ウイルス活性は標準的プラックアッセイによ
って決定した。この研究の結果を以下の表IVに示す。
これらの結果は、3種のウイルスすべてはヘモグロビ
ン溶液中でこれら条件下で速かに不活化されることを示
す。
実施例9 この実施例においては、ストロマ不含オキシヘモグロ
ビン溶液は、加熱前溶液から酸素を除去するため化学的
ではなく、実施例6のように物理的に処理される。
脱酸素化を実行するため、0.54g/dlヘモグロビン溶液
をSciMed Life System0.8m2膜型オキシジエネーターを
通って閉鎖系で循環し、同時に窒素ガスでフラッシュし
た。循環70分後、ヘモグロビンは分光光度分析によって
評価するとき96%脱酸素化された。溶液を次に60℃で5
時間加熱し、総ヘモグロビン含量の93%回収を得た。こ
れら結果は、ヘモグロビン溶液は膜型装置の通過によっ
て脱酸素化した後、成功して熱処理し得ることを示す。
実施例10 ヘモグロビン1g/dlを含有する溶液約45mlを実施例7
におけるように酸素不含アルゴンで吹き込みし、次に60
℃で加熱した。加熱前、加熱中および加熱後フロースル
ーセルを使用してこの溶液から吸収スペクトルを記録
し、そしてオキシ、デオキシおよびメトヘモグロビンの
相対濃度を計算した。この実験においては、吹き込み後
の脱酸素化の程度は約95%であり、それ以上の脱酸素化
は表Vに示すように加熱後に起こった。
加熱中のヘモグロビン生成は最小であり、そして非ヘ
モグロビンタンパクの沈澱が観察された。総ヘモグロビ
ン濃度は加熱期間中測定可能な程度に減少しなかった。
これらデータは、ヘモグロビン熱処理は不活性ガスの吹
き込みにおいて溶液脱酸素化後に実施し得ることを示
す。
実施例11 ストロマ不含ヘモグロビンをビス(3,5−ジブロモサ
リチル)フマレート(DBBF)と反応させることによって
架橋し、得られた生成物をカラムクロマトグラフィーに
よって精製した。架橋したヘモグロビンをリン酸ナトリ
ウム緩衝液pH7.4に対して透析ロ過し、濃度を1g/dlへ調
節し、部分標本をガラスバイアル中へシールした。この
溶液の一部分を50mMの最終濃度を与えるのに十分な亜二
チオン酸ナトリウムと混合し、溶液のpHを水酸化ナトリ
ウムで7.5へ調節し、そしてこの溶液の部分標本をガラ
スバイアル中へシールした。亜二チオン酸塩と混合した
ヘモグロビンの部分標本を60℃で10時間加熱し、透析に
より亜二チオン酸塩を除去した後、ヘモグロビンを加熱
しないサンプルと比較した。加熱および加熱しなかった
サンプルの吸収スペクトルは実質上同一であり、そして
Aminco Hem−O−Scanアナライザーによって測定した酸
素結合特性もそうであった。これらデータは、架橋ヘモ
グロビンはヘモグロビン機能の有意な損失なしにウイル
スを不活化しそして夾雑タンパクを沈澱するため60℃で
10時間加熱し得ることを示す。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質上血球不含ヘモグロビン溶液中に存在
    するウイルスを不活化し、かつ該溶液から熱沈澱性非ヘ
    モグロビンタンパクを除去する方法であって、 酸素は通過させるがヘモグロビンは通過することができ
    ない膜壁手段を有する拡散セル手段を用意し、該膜壁手
    段の一方の側に沿って前記ヘモグロビン溶液を流すこと
    により前記拡散セル手段を通過させ、同時に該膜壁手段
    の反対側に沿って不活性ガスを循環させることにより前
    記ヘモグロビン溶液から酸素を除去し、かつデオキシヘ
    モグロビン以外の形のヘモグロビンをデオキシヘモグロ
    ビンへ転換し、 その後前記ヘモグロビンを実質上不活性化することなく
    存在するウイルスを不活化しかつ熱沈澱性非ヘモグロビ
    ンタンパクを沈澱させるため生成したデオキシヘモグロ
    ビンの溶液を実質上45℃ないし85℃の温度において加熱
    することを特徴とする精製したヘモグロビン溶液の製造
    方法。
  2. 【請求項2】循環させる不活性ガスの流量は、前記拡散
    セル手段を通過する前記ヘモグロビン溶液の流量の少な
    くとも5倍である請求項1の方法。
  3. 【請求項3】前記不活性ガスは窒素である請求項2の方
    法。
  4. 【請求項4】前記不活性ガスはアルゴンである請求項2
    の方法。
  5. 【請求項5】前記加熱温度は実質上60℃ないし70℃であ
    る請求項2の方法。
  6. 【請求項6】循環させる不活性ガスの流量は、前記拡散
    セル手段を通過する前記ヘモグロビン溶液の流量の10な
    いし50倍である請求項2の方法。
  7. 【請求項7】前記ヘモグロビンは架橋されている請求項
    1ないし6のいずれかの方法。
  8. 【請求項8】前記ヘモグロビンはビス(3,5−ジブロモ
    サリチル)フマレートにより架橋されている請求項7の
    方法。
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