JP2667500B2 - 立坑清掃装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、鋼製円筒ケーシングによる立坑掘削に際し
て、ケーシング内壁の残土を除去し、底盤を平坦化する
ための清掃装置に関する。

〔従来の技術〕

従来から、鋼製円筒ケーシングによる立坑掘削につい
て種々開示されており、とくに、特開昭61−83719号公
報には、チュービングマシンと掘削装置とを一体的に設
け、効率良く立坑を形成する装置が開示されている。

しかしながら、鋼製円筒ケーシングによる立坑掘削に
よると、鋼製円筒ケーシングの内壁面には残土が付着
し、そのまま放置すると、底盤コンクリート打設後の底
盤とケーシング内壁との水密性が阻害され、この残土の
部分から地下水の湧水等を惹起し、ひいては立坑全体の
崩壊の危険すら生じかねないものであった。

このため、従来は立坑を機械掘削した後、掘削機械の
バケットの上下動、水の撹拌、ウオータージェットによ
る洗浄、場合によっては地下水を汲み上げた後人手によ
る清掃等によって、ケーシング内壁に付着した残土を除
去して底盤を作成していた。

しかしながら、これらの作業は確実性がなく、また人
手による清掃においては非常に手間がかかるうえに、掘
削時の湧水や時にはガスの発生等により作業の安全性に
欠けるものであった。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明において解決すべき課題は、竪穴掘削装置によ
り掘削された立坑の内壁あるいは底面の残土の除去に際
しての問題点を排除することにあって、それによって、
十分な強度と水密性を有する底盤を打設して掘削された
立坑内で諸設備の安全確保と保守を行うことができる立
坑を得るための立坑清掃装置を提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を達成するために、本発明の立坑清掃装置
は、本体を非回転上部胴体と回転下部胴体とで構成し、
前記非回転上部胴体には鋼製ケーシング内に清掃装置本
体を固定するための伸縮装置をもつ固定装置を装備し、
前記回転下部胴体には回転下部胴体を回転させるための
旋回モーターと旋回装置を装備し、且つ回転下部胴体の
下端に鋤状カッターと、回転下部胴体から水平方向に伸
縮するアームの先端にモーター等で回転する清掃用の回
転ブラシとを装備するものとした。

〔作用〕

本発明の立坑清掃装置は、外部から操作できる装置で
あり、ケーシング内壁に付着した残土を回転ブラシによ
り除去し、且つ掘削立坑底面に凹凸状に堆積した土をカ
ッターで機械的に平坦化できる。さらに、これに、機械
掘削装置と残土排出装置を組み合わせることによって、
掘削から清掃、さらには残土排出までの一連の工程を機
械化することが可能になる。

〔実施例〕

以下、添付図に示す一実施例により本発明を具体的に
説明する。

第１図〜第３図は立坑清掃装置の構造を示す。

第１図を参照して、本図は本実施例の立坑清掃装置１
の構造を示す。

この立坑清掃装置１は、非回転上部胴体１−１と回転
下部胴体１−２とからなる。

非回転上部胴体１−１には、立坑清掃装置１を鋼製ケ
ーシング22に固定するために圧力流体または電力により
伸縮作動するシリンダー４を内蔵した複数の伸縮固定装
置３を設けている。なお、伸縮固定装置３が、鋼製ケー
シング22と接する面は、固定が確実となるように、例え
ば先端が角錐状の多数の突起物を有した滑り止めとする
のが望ましい。

回転下部胴体１−２は、それ自体が回転し鋼製ケーシ
ング内壁面等を清掃するためのものであり、鋼製ケーシ
ング22内壁に接し残土24を掻き落とす回転ブラシ５を持
つ。この回転ブラシ５は直接鋼製ケーシング22内壁に接
する側面ブラシ５−１と鋼製円筒ケーシング22の内壁近
くの底面を掃き均す平面ブラシ５−２とからなるものと
した。この回転ブラシ５は、回転モーター６により回転
し、圧力流体又は電力により伸縮作動するアーム７と連
動して、回転ブラシ５を所定の位置に移動させることが
できる。

次に、回転下部胴体１−２内部には旋回モーター８及
び旋回装置を有している。この装置は、回転下部胴体１
−２を回転させるために、旋回モーター８の回転力をピ
ニオン10及び旋回ギヤ11に伝達するものであり、旋回モ
ーター８の回転軸にピニオン10を固定し、さらにピニオ
ン10と旋回ギヤ11を接続するものとした。従って、旋回
モーター８の回転により旋回ギヤ11が回転し、さらに回
転下部胴体１−２が中心軸の廻りを回転しながら下降し
ていくこととなる。

なお、立坑清掃装置１の上端部には、立坑清掃装置１
をクレーンで吊り上げるためのアイプレート２を設け
た。

第２図は第１図のＩ−Ｉ線矢視断面図であり、立坑清
掃装置１のシリンダー４を伸長し立坑清掃装置１を鋼製
ケーシング22に固定した状態を示している。

また、第３図は第１図のII−II線矢視断面図であり、
回転下部胴体１−２に設けた鋤状カッター９を示してい
る。この鋤状カッター９は、回転下部胴体１−２に固定
されており、回転下部胴体１−２の回転に伴い鋤状カッ
ター９が回転して、立坑底盤を切削し平坦にする。

次に順次工程を示す第４図〜第７図によって本実施例
装置の使用方法を説明する。

まず第４図は、竪穴掘削装置で掘削した立坑に地上21
から圧入された鋼製円筒ケーシング22の底部内壁の残土
24を除去するため、立坑清掃装置１を鋼製円筒ケーシン
グ22内にクレーン23で吊り込んだ状態を示す。ここで12
は立坑清掃装置１のシリンダー４や旋回モーター８等を
駆動させるための圧力流体供給ホース或いは電線を示し
ている。

次に第５図に示すように、立坑清掃装置１を適当位置
まで吊り込み、複数の伸縮固定装置３のアームを圧力流
体又は電力により伸縮作動するシリンダー４で伸長し、
非回転上部胴体１−１を鋼製円筒ケーシング22に固定し
宙吊りの状態にする。

そして第６図に示すように、旋回モーター８を回転さ
せて回転下部胴体１−２を旋回させ、下端に設置された
鋤状カッター９で残土24を切削し平坦にする。同時に回
転下部胴体１−２に水平方向に張り出して付けられた複
数の回転ブラシ５を圧力流体又は電力により伸縮作動す
るアーム７で鋼製円筒ケーシング22の内壁まで張り出
し、回転モーター６により回転ブラシ５を回転させる。

次に第７図に示すように、回転下部胴体１−２は旋回
すると同時に徐々に下降し、回転ブラシ５が鋼製円筒ケ
ーシング22の内壁面を清掃しながら順次下がっていく。
そして回転ブラシ５の端面が鋼製円筒ケーシング22の内
壁近くの底面を掃き均すことによって清掃作業を完了す
る。

〔発明の効果〕

この発明に係る立坑清掃装置によって、格別人手を要
することなく、鋼製円筒ケーシング側壁に付着した底盤
打設に障害を与える残土を機械的に除去し、また、底部
を平坦にすることにより、完全な水密能を有する底盤コ
ンクリートを打設することができ、立坑完成後の作業を
安全に且つ能率良く行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の立坑清掃装置の構造を示す図、
第２図は第１図のＩ−Ｉ線矢視断面図、第３図は第１図
のII−II線矢視断面図、第４図〜第７図は第１図の立坑
清掃装置を使用した工法の工程を説明するための図であ
る。 1:立坑清掃装置、１−1:非回転上部胴体 １−2:回転下部胴体、2:アイプレーート 3:伸縮固定装置、4:シリンダー 5:回転ブラシ、５−1:側面ブラシ ５−2:平面ブラシ、6:回転モーター 7:伸縮アーム、8:旋回モーター 9:鋤状カッター、10:ピニオン 11:旋回ギヤ 12:圧力流体供給ホース（電線） 13:スイベルジョイント 21:地上、22:鋼製円筒ケーシング 23:クレーン、24:残土

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体を非回転上部胴体と回転下部胴体とで
   構成し、前記非回転上部胴体に固定装置を装備し、前記
   回転下部胴体に該回転下部胴体を回転させる旋回モータ
   ーと旋回装置を装備し、且つ該回転下部胴体の下端に鋤
   状カッターと、回転下部胴体から伸縮するアームの先端
   に回転ブラシとを装備することを特徴とする立坑清掃装
   置。