JP2667142B2 - アナログ式電子時計 - Google Patents

アナログ式電子時計

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JP2667142B2 JP19275996A JP19275996A JP2667142B2 JP 2667142 B2 JP2667142 B2 JP 2667142B2 JP 19275996 A JP19275996 A JP 19275996A JP 19275996 A JP19275996 A JP 19275996A JP 2667142 B2 JP2667142 B2 JP 2667142B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、中心を外した位置
に秒針を有するアナログ表示式電子時計の構造に関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】時計の成熟化に伴い、アナログ表示式電
子時計に於いても、例えば多針のクロノグラフ、指針表
示式オートカレンダー等の多針表示による多機能品の要
求、あるいは小秒針時計など、中心から外した位置に小
針を配置する必要性が高まって来ている。 【0003】このような中で多針表示に注目すると、従
来より多針表示による多機能品の出願は多数されてお
り、例えば多針によるクロノグラフ表示の出願としては
特開昭61−73085号公報のように、中央に3針
を、また周囲にも3針の小指針を有し、通常時刻とクロ
ノグラフの時分秒2/100秒を表示させることのでき
る時計も提案されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、中心か
ら外した位置に小秒針を配置する場合、通常はモーター
から指針車までの輪列の中から分岐させた位置で秒表示
をするため、中央の指針からあまり離れた位置に小秒針
を配置することが出来ず、比較的限られたデザインの物
しか提供できないという欠点を有している。 【0005】又、特開昭61−73085号公報に提案
された時計は、機能的には中央の時分針で通常時刻の時
分を、また周囲の指針でクロノグラフの時分2/100
秒を、更に中央の秒針で通常時刻の秒とクロノグラフの
秒を切替表示させるもので、特に多機能の秒針を中央の
長い針で表示させるため非常に見易い時計を得ることが
できるものの、一方で上記の如き多機能品は生産数がそ
れ程多くないため、合理化生産が難しく、どうしてもコ
スト高になり、それが市場でのネックとなっていた。 【0006】ところでコストの安い時計を得るために
は、大量生産を行ない量産効果をねらうことが最も良い
方法である。このような量産効果をねらうためには、通
常大量生産をしている3針表示式のアナログ時計を基本
モジュールとして用い、その基本モジュールをアレンジ
させることによって時計のデザインの多様性をもたせ、
モジュールの大規模な合理化生産を行なって大巾なコス
トダウンを狙う方法がある。 【0007】このような通常の時計をベースにして多機
能化をねらう思想としては、実開昭52−34275号
公報等にアラーム時計を実施例とした開示が見られる
が、このアラーム時計の詳細は示されておらず、中心か
ら外した位置に小針を配置する多針時計としては不完全
なものである。 【0008】一方コストダウンの方法として、量産通常
モジュールの複数を使用して1ケの多針表示時計にする
等の製品も出て来ているが、複数のモジュールを使用す
る場合、全ての指針を多機能的に使い分けることは難し
く、どうしても多時刻表示や世界時計等の時刻表示形態
に限られてしまい、又時計サイズ全体も大きくなり、満
足のいく小針表示の多機能多針表示時計は難しく、且つ
中央の長い針を多機能用として使えないと非常に見づら
い時計となってしまう。 【0009】本発明の目的は、時計中心に通常時刻を示
す時分表示と、時計中心を外した位置に秒表示を備えた
アナログ式電子時計を、コストの安い構成にて提供しよ
うとするものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は以下の様な構成
にてアナログ式電子時計のコストダウン、及び使い易い
指針表示を提供しようとするものである。 【0011】すなわち、3針モジュール、該3針モジュ
ールの巻真位置と反対側の外部近傍を時計中心とする第
2地板を設け、該3針モジュールより中間車を介して回
転力が伝達される第2筒車、第2分カナ及び第2日ノ裏
車を、前記第2地板の時計中心に設けることで、前記3
針モジュールは秒車に固着される指針により秒を表示
し、第2地板の時計中心に配置した第2筒車と第2分カ
ナに固着される指針により時と分の表示を行なうことを
特徴とする。 【0012】 【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態を示す
完成時計の平面図、図2は本発明の実施の形態によるム
ーブメント平面図、図3、図4は本発明の実施の形態の
要部断面図である。 【0013】1は、前述の大規模量産をしているコスト
が安く比較的小型である、呼称6×8”(15.3mm
×17.8mm)サイズの3針ムーヴメント(以下基本
ムーヴメントと呼ぶ)(図2の斜線部にて示す)であ
る。 【0014】水晶2やIC3や回路基板4からなる複合
回路、コイル5やヨーク6やローター7からなる変換
機、5番車8や秒車9や3番車10あるいは中心車11
や日ノ裏車12等より成る輪列、地板13や輪列受14
や中受15のエボーシュ類、巻真16やオシドリ17や
カンヌキ18や小鉄車19や裏押エ20あるいはツヅミ
車66等より成る裏回り機構、及び電池21より形成さ
れた通常アナログ時計の構成になっている。 【0015】該基本ムーヴメント1を本発明の多針表示
用ムーヴメント22(以下単にムーヴメントと呼ぶ)の
第2地板23に、巻真16が3時(図2の上方)位置に
くる様にネジ24(図3)にて固定する。ネジ止め箇所
は複数箇所で本発明の場合、カレンダー部の日板押エネ
ジ部3ケ所(図示せず)を使用している。 【0016】基本ムーヴメント1の筒車25は、地板1
3より厚くなる様に変更して、第2地板23に設けられ
たボス挽き23aに軸支される中間車26に噛み合うよ
うになっている。なお、基本ムーヴメント1の中心車1
1、筒車25には、指針は設けないで、秒車9のみに秒
針30が設けられる様になっている。 【0017】前述の中間車26は、ムーヴメント22の
中心部に設けられた第2筒車27を駆動し、第2日ノ裏
車28から第2分カナ29を回転させる。第2日ノ裏車
28、第2分カナ29は第2地板23と第2中受36に
より軸支されている。 【0018】第2筒車27には時針32、第2分カナ2
9には分針31が設けられており、通常の時分による時
刻表示をする様になっている。 【0019】時刻修正等の時計操作は、基本ムーヴメン
ト1のリューズ37(図1に図示)の操作による巻真1
6の操作により、リューズ37の2段引で秒針30の停
止、リューズ37の回転により、時針32、分針31の
修正が行なわれるようになっている。 【0020】第2分カナ29の内心部には、第1機能針
33を駆動する第1機能車38が設けられている。この
第1機能車38を駆動するのは、第2変換機であり、第
2コイル40、第2ヨーク41、第2ローター42がほ
ぼムーヴメント22の中心部近傍に設けられており、第
2減速車43を経て、前記第1機能車38が駆動され
る。 【0021】第2ローターは第2地板23と第2輪列受
39に、又第2減速車43は第2中受36と第2輪列受
39にそれぞれ軸支されている。 【0022】さらに、周辺部に第2及び第3機能針3
4、35が設けられており、第3及び第4変換機は第3
及び第4コイル44、50、第3及び第4ヨーク45、
51、第3及び第4減速車47、53を経て、それぞれ
第2、第3機能針34、35を運針させる。第3ロータ
46、第3減速車47、第2機能車48は第2地板23
と第3輪列受49に、又第4ローター50、第4減速車
53、第3機能車54は第2地板23と第4輪列受55
にそれぞれ軸支されている。 【0023】この第2、第3、第4の各コイル40、4
4、50、各ヨーク41、45、51、さらに第2、第
3、第4輪列受39、49、55は全て共通仕様に、又
第3、第4ロータ46、50及び各減速車47、53も
同様共通仕様になっているため、量産効果が期待出来、
コストダウンを計っている。 【0024】56は第2回路基板であり、第2水晶5
7、第2、第3、第4変換機を駆動する信号を出力する
ドライバー用IC59、また、それらの駆動信号をコン
トロールするマイコンIC58が実装されている。 【0025】64は第2電池であり、第2、第3、第4
各変換機の駆動用電源、基準信号を作る発振用電源及び
マイコンの駆動用電源になっている。 【0026】60、61は外部操作用のプッシュボタン
であり、各プッシュ動作によりスイッチレバー(I)、
(II)63、64の端子部63a、64bが第2回路基
板56に設けられたパターンと導通し、スイッチングを
する様になっている。 【0027】65は、リューズ37の押し引き動作によ
り作動するスイッチレバー(III )であり、基本ムーヴ
メント1のオシドリ17に設けられた裏押エ20と係合
する節度用ピン17aと係合する星形穴65dにより、
中心部65bを中心に先端部65cが左右に回転して第
2回路基板56に設けられたパターンと導通してスイッ
チングを行う。 【0028】リューズ37の1段引き、及び2段引き
(針修正)の位置で、各スイッチングがされるようにな
っている。 【0029】図1に基づいて本発明の実施の形態(この
場合クロノグラフ)についての操作を説明する。 【0030】当初使用する場合、リューズ37を2段引
きにすると、基本ムーヴメント1はカンヌキ18が作動
し、ツヅミ車66が小鉄車19と噛み合い、さらにカン
ヌキの先端部18aが回路基板4のパターンと導通して
リセット状態となり、秒針30は即停止し、リューズ回
転動作により、時、分針31、32により通常時刻を修
正する。 【0031】これは通常の時計と全く同様である。この
ときスイッチレバー(III )65は、その先端部65c
がスイッチングされ、各機能針33、34、35はリッ
セト状態になる。 【0032】この時、プッシュボタン60のプッシュ動
作にて、第1機能針33が0位置に来る様に修正し、プ
ッシュボタン61のプッシュ動作にて第2機能針34
を、更にプッシュボタン60とプッシュボタン61の同
時押しにて、第3機能針35をそれぞれ0位置に修正す
る。 【0033】本実施の形態では、第1機能針30をクロ
ノグラフ秒針、第2機能針34をクロノグラフ分針、第
3機能針35をクロノグラフ時針として使用しており、
前述のリューズ37の2段引きの状態で各クロノグラフ
針を0リセットすることにより、各クロノグラフ針の0
位置を回路的に認知させる。 【0034】リューズ37を押し込んだ通常状態にて、
プッシュボタン60でスタート、ストップ動作を、プッ
シュボタン61でリセット(復針)動作をする様にマイ
コンIC58にてコントロールする様になっている。 【0035】図5は本発明の他の実施形態による、指針
表示式オートカレンダーの平面図であり、基本ムーヴメ
ント1の時、分、秒針の修正は、クロノグラフの場合と
全く同様である。又、リューズ37の2段引きの状態で
の各機能針の修正も、クロノグラフと同様で0位置に修
正できる。 【0036】次にリューズ37を1段押し込んで1段引
きの状態にする。そしてプッシュスイッチ60の操作に
て第2機能針34を分針31と同時刻に、又プッシュス
イッチ61の操作にて第3機能針35を時針32と同時
刻に修正する。この時、現時刻が午後であれば第3機能
針を1回転以上させ、午前であれば1回転以内にて現在
時刻を入力する様にする。 【0037】以上の操作により、カレンダーの変わる午
前0時位置と現在時刻を、回路的に認知することにな
る。 【0038】次にリューズを通常位置に戻し、プッシュ
スイッチ60により第1機能針33にて日付を、プッシ
ュスイッチ61により第2機能針34にて曜日を、プッ
シュスイッチ60と61の同時押しにより第3機能針3
5にて月を、それぞれ入力することにより、現在が何月
何日何曜日であるかを認知させ表示させる。日付と曜日
は毎日、月は月末にいずれも午前0時に表示が切り変わ
り、修正は4年に1度行えば良い。 【0039】クロノグラフやオートカレンダーは、いず
れの場合もムーヴメントは各機能車の減速化のわずかの
歯数差以外は共通であり、マイコンIC58のソフト変
更及び文字板等の外装部品の仕様変更で対応出来るよう
になっている。当然、他に世界時計等の仕様も各種考え
られる事は言うまでもない。 【0040】このように本実施の形態によれば、アナロ
グ多針多機能時計に於いて、大規模量産の基本ムーヴメ
ントを出来るだけ変更部品を少なくして使用することで
大巾なコストダウンを計り、多機能表示の特徴である機
能針の1つを時計中心にすることで細部目盛の必要な機
能針(例えば、クロノグラフの秒表示、オートカレンダ
ーの日付表示)を時計中心に、又通常時刻を示す時、分
針も時計中心に配置し、周辺に通常の秒及び第2、第3
の機能針を配置するに際し、基本ムーヴメントの巻真方
向を時計外周側に配置することで、共通部品を多用する
という簡単な構成で達成することが可能である。 【0041】さらに基本ムーヴメントの巻真、裏回り部
品を有効に使用することで、機能時計の指針のリッセト
状態をレバー1ケで容易に可能にする事も出来る。 【0042】又時計システムも、時刻表示関係は電池、
IC、水晶も含めた基本ムーヴメントと、機能表示部を
完全に分ける事で、基本ムーヴメント部の量産効果、機
能表示部分はマイコンのソフト変更により多様性を持た
せ、各種の機能が容易に達成出来る。 【0043】 【発明の効果】以上説明した如く、本発明によれば、時
計中心に時分針を配置することは一般的ながら、中心か
ら外した位置に小秒針を配置する場合、基本モジュール
部分に配した秒車により秒針表示を行なうようにしたの
で、小秒針の配置位置が比較的自由にでき、種々のデザ
インに対応できるという効果を上げることが出来る。 【0044】しかも、基本モジュールは大量生産をして
いる部品を使用できるので、新に設計するよりは非常に
安価に作ることが出来、コストの安い小秒針付きの時計
を提供することが出来るという効果も達成することが出
来る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の形態による時計の平面図であ
る。 【図2】本発明のムーヴメントの要部平面図である。 【図3】本発明の実施の形態による要部断面図である。 【図4】本発明の実施の形態による要部断面図である。 【図5】本発明の実施の形態による時計の平面図であ
る。 【符号の説明】 1 基本ムーヴメント 6 ヨーク 7 ロータ 8 5番車 9 秒車 10 3番車 11 中心車 12 日ノ裏車 13 地板 14 輪列受 15 中受 16 巻真 21 電池 22 ムーヴメント 23 第2地板 25 筒車 26 中間車 27 第2筒車 28 第2日ノ裏車 29 第2分カナ 30 秒針 31 分針 32 時針 36 第2中受

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.3針モジュール、該3針モジュールの巻真位置と反
    対側の外部近傍を時計中心とする第2地板を設け、該3
    針モジュールより中間車を介して回転力が伝達される第
    2筒車、第2分カナ及び第2日ノ裏車を、前記第2地板
    の時計中心部分に設けることで、前記3針モジュール位
    置で秒車に固着される秒針により秒を表示し、第2地板
    の時計中心に配置した第2筒車と第2分カナに固着され
    る指針により時と分の表示を行なうことを特徴とするア
    ナログ式電子時計。
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