JP2665255B2 - コアドリル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、コンクリート材等に対して大口径穴を穿
穴するのに用いるコアドリルに関する。

（従来技術） 従来より、大口径穴の穿穴用として多種多様のコアド
リルが開発され市販されている。

これ等のコアドリルでは、作業能率を向上する上から
被穿穴体の材質に適合させた穿穴刃を備えている。

ところで、固化したコンクリートを対象とするコアド
リルでは、円筒状コア体の開放下端縁部に超硬合金チッ
プからなる穿穴刃を設けた構成のコアドリルが汎用され
ており、穿穴刃の側面はコア体の内外両面に対して僅か
に突出させた分厚い形態を採っている。

上記するように、円筒状コア体の開放下端縁部に設け
る穿穴刃が、コア体の内外両面に突出状とするコアドリ
ルを用いてコンクリート材に対して貫通穴を穿穴する場
合、穿穴後にコア体内部には円柱状に刳り貫かれた切削
塊が残るが、この切削塊をコア体内から抜き取る時に、
コア体内面側に突出する穿穴刃部が邪魔してコア体の下
端開口側への抜き取りを困難にする。

そこで、コア体内に残る切削塊の抜き取りを容易にす
るために、シャンクと一体とする頂盤に対してコア体を
別体に構成し、穿穴後には両者を分離して切削塊をコア
体の上端開口側へ抜き取るようにした構成のコアドリル
が提案されている。

（発明が解決しようとする問題点） ところが、頂盤とコア体を別体とする従来のコアドリ
ルの構成からすると、頂盤とコア体との結合構造からし
て両者の脱着に手間が掛かって作業性が悪く、繰り返し
の使用で結合部が損耗して両者の結合関係にも影響を与
える問題がある。

この発明は上記の点に鑑みなされたものであって、頂
盤とコア体との脱着がワンタッチ的にでき、結合状態で
も自然に緩みを生じることのない取り扱い面からも便利
なコアドリルを提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するためのこの発明の要旨とすると
ころは、上面中央にシャンクを有する頂盤と、下端開口
周縁部に穿孔刃を設けた円筒状コア体からなり、上記頂
盤に形設したコア体取付け部の外周面複数個所に、該取
付け部外周面に開口した保持孔を設け、該保持孔内に結
合用転がり部材を周方向へ移動自在に遊嵌保持すると共
に、転がり部材を外向きに押圧附勢する弾圧器を配装し
て転がり部材の一部を保持孔開口より突出させ、保持孔
内に設定した待機位置まで転がり部材は弾圧器に抗して
保持孔内に没却可能とし、結合位置では転がり部材の一
部を保持孔開口から突出状態に保持するようにし、上記
コア体上部開口部に、コア体取付け部を嵌入して転がり
部材が係脱する係合孔を穿設したことを特徴とするコア
ドリルにある。

（作 用） 上記のように構成したコアドリルにおいて、頂盤から
コア体を外した状態では、コア体取付け部における転が
り部材は保持孔内に設定した待機位置にあって弾圧器に
よる附勢下にその一部を保持孔開口から突出させてい
る。

転がり部材にコア体の係合孔を合わせるようにしてコ
ア体取付け部をコア体の上部開口部に嵌入すると、弾圧
器に抗して一旦は転がり部材に保持孔内に没却して後、
係合孔内に再突出して係合する。

この状態でコアドリル回転方向に頂盤とコア体とを相
対的に捻回すると、転がり部材は係合孔縁部に押されて
結合位置側に向けて移動し、途中、弾圧器の最大附勢力
点を通過して結合位置に達し、弾圧器による自由移動を
阻止しての保持で頂盤とコア体が結合される。

こうして、コンクリート材等に対する貫通穴の穿穴作
業の後、コア体内に残留する切削塊は、上記の逆順の操
作で頂盤からコア体を外し、コア体の開放された上端開
口部から取り出す。

（実施例） 以下、この発明の実施例を図面を参照しながら具体的
に説明する。

第１図はこの発明のコアドリルの分解斜視図、第２図
は要部の横断面部である。

図において、１は頂盤で、上面中央にシャンク２を有
する。３は頂盤１に形設したコア体取付け部で、その上
部にストッパー用鍔４を設けている。５はコア体取付け
部３の外周面複数個所に、取付け部３外周面に開口６さ
せて設けた細長い保持孔で、傾斜底部７を有する。

８は保持孔５内に移動自在に抜出を防止して遊嵌保持
したボールで、このボール８の一部が狭窄状とされる開
口６から突出する。９は保持孔５の底部７に配装され、
ボール８を外向きに押圧附勢し、保持孔５内に設定した
待機位置Ａと結合位置Ｂにボール８を保持するばねで、
彎曲線状をなし、開口６部からの深さを深くした待機位
置Ａではボール８はばね９に抗して保持孔５内に没却可
能とし、開口６部からの深さが浅い結合位置Ｂではボー
ル８はボール８の一部を開口６から突出させたままに保
持するもので、ばね９の形状としては、ボール８が待機
位置Ａと結合位置Ｂを移動する途中で最大附勢力を発揮
するように中央部を山形に形成している。

10は下端開口周縁部に穿孔刃11を設けた円筒状コア体
で、穿孔刃11は超硬合金チップからなり、その側面はコ
ア体10の内外両面に対して僅かに突出状とするコンクリ
ートの穿孔に適合させた構成のものである。

12はコア体取付け部３が嵌入するコア体上端開口部を
おいて、ボール８に対応して穿設され、ボール８が係脱
する係合孔で、開口６から突出するボール８に適合させ
た大きなものである。

尚、上記実施例では転がり部材がボール８である場合
を示したが、ロール状のもの等であっても良い。また、
弾圧器はばね９である場合を示したが、これも保持孔内
において転がり部材をその附勢下に待機位置と結合位置
に自由移動を阻止するように保持するように、その最大
附勢力を待機位置と結合位置との中間点で発揮する適宜
のゴム部材等からなるものであっても良い。

上記構成のコアドリルは、使用に際して頂盤１とコア
体10の結合は、ボール８を待機位置Ａに保持した状態
で、コア体10の係合孔12をボール８に合わせてコア体取
付け部３をコア体10の上部開口部に嵌入し、ボール８と
係合孔12を突出係合させた状態で、頂盤１とコア体10と
の相対的捻回でボール８を結合位置Ｂに移動させ、この
状態で使用に供する。

穿穴作業の後、コア体10内部に残る円柱状に刳り貫か
れた切削塊の取り出しは、上記の逆順の操作で頂盤１か
らコア体10を外し、コア体10の上端開口部から取り出
す。

（効 果） 上記の如く構成したこの発明のコアドリルは、次のよ
うな効果を奏する。

（１） 頂盤とコア体との結合は、頂盤のコア体取付け
部をコア体の上部開口部に挿入して両者を相対的に僅か
な角度を捻回するだけで良いから、殆どワンタッチ的に
堅牢確実な結合作業を完了して作業性を向上する。

（２） コア体の上端開口部には、複数個の結合孔が穿
設してあるだけであるから、穿孔作業後にコア体内部に
残る切削塊の抜き取りで、これを邪魔するものが全くな
く切削塊の取り出しを簡単にし、また、繰り返しの使用
でも結合関係に支障を来すような損耗は一切なく、耐用
寿命の延長が図られる。

（３） 頂盤とコア体との結合部を規格化しておくと、
一つの頂盤に対して穿孔刃の種類を違えた複数種のコア
体が共用できるから、被穿孔体の種類を違えての穿穴
や、穿孔刃が損耗した時のコア体の交換等に便利であ
り、経済的で汎用性が高い。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明のコアドリルの分解斜視図、第２図は
要部の横断面部である。 １……頂盤、２……シャンク、３……コア体取付け部、
４……ストッパー用鍔、５……保持孔、６……開口、７
……傾斜底部、８……ボール、９……ばね、10……円筒
状コア体、11……穿孔刃、12……係合孔、Ａ……待機位
置、Ｂ……結合位置。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上面中央にシャンクを有する頂盤と、下端
   開口周縁部に穿孔刃を設けた円筒状コア体からなり、上
   記頂盤に形設したコア体取付け部の外周面複数個所に、
   該取付け部外周面に開口した保持孔を設け、該保持孔内
   に結合用転がり部材を周方向へ移動自在に遊嵌保持する
   と共に、転がり部材を外向きに押圧附勢する弾圧器を配
   装して転がり部材の一部を保持孔開口より突出させ、保
   持孔内に設定した待機位置では転がり部材は弾圧器に抗
   して保持孔内に没却可能とし、結合位置では転がり部材
   の一部を保持孔開口から突出状態に保持するようにし、
   上記コア体上部開口部に、コア体取付け部を嵌入して転
   がり部材が係脱する係合孔を穿設したことを特徴とする
   コアドリル。