JP2664371B2 - 光起電力素子 - Google Patents

光起電力素子

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JP2664371B2 JP62078485A JP7848587A JP2664371B2 JP 2664371 B2 JP2664371 B2 JP 2664371B2 JP 62078485 A JP62078485 A JP 62078485A JP 7848587 A JP7848587 A JP 7848587A JP 2664371 B2 JP2664371 B2 JP 2664371B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、透光性受光面電極,光電変換部,裏面電
極を有する光起電力素子に関する。 〔従来の技術〕 一般に、pn接合の光起電力効果を利用した光起電力素
子はたとえば第4図または第5図に示すように構成され
ている。 第4図はpin構造の光起電力素子を示し、同図におい
て、(1)はガラス基板、(2)は基板(1)上に形成
されたインジウム酸化錫から成る透光性受光面電極、
(3)は受光面電極(2)上に形成されたp型半導体
層、(4)はp型半導体層(3)上に形成されたi型半
導体層、(5)はi型半導体層(4)上に形成されたn
型半導体層であり、半導体層(3)〜(5)により光電
変換部が形成されている。(6)はn型半導体層(5)
上に形成された裏面電極であり、アルミニウム等の金属
が蒸着されて形成されている。 つぎに、第5図はpinの2層構造の光起電力素子を示
し、同図において第4図と同一記号は同一のものを示
し、(7),(8),(9)はn型半導体層(5)上に
順次に形成されたp型半導体層,i型半導体層およびn型
半導体層であり、各半導体層(3)〜(9)により光電
変換部が形成されている。(10)はn型半導体層(9)
上に形成されたアルミニウム等から成る裏面電極であ
る。 そして、前記した第4図に示す光起電力素子の収集効
率スペクトルは第6図に示すようになり、第5図に示す
素子の場合も同様になり、ほぼ550〜600nmの波長の入射
光に対して収集効率が最大となり、可視光の波長範囲に
おいて高い感度を示す。 〔発明が解決しようとする問題点〕 前記第4図,第5図の従来の光起電力素子の場合、80
0nm以上の赤外領域の長波長の光が半導体層(3)〜
(5),(7)〜(9)中で熱エネルギに変化し、ある
いは800nm以上の長波長の光が半導体層(3)〜
(5),(7)〜(9)を透過したのち,裏面電極
(6),(10)で反射され、再び半導体層(9)〜
(7),(5)〜(3)を逆方向に透過して表面側へ散
逸するため、800nm以上の長波長の光を有効に光電変換
に利用することができず、第6図に示すように、800nm
以上の長波長の光に対する感度がほとんどなく,収集効
率が極めて低くなり、素子の出力電流の増大を図ること
ができないという問題点がある。 ところで、16th IEEE Photovoltaic Specialists Con
ference−1982,p.1421〜1422において、アモルフアスシ
リコン系の半導体層を有する光起電力素子の800nm前後
の波長の光に対する感度が、前記した第6図のように、
急に低下することが報告されている。 本発明は、裏面電極での光の吸収損失,電気的特性の
低下なく、800nm以上の長波長の光を光電変換に有効に
利用して素子の出力電流の増大を図ることを技術的課題
とする。 〔問題点を解決するための手段〕 この発明は、前記の点に留意してなされたものであ
り、透光性受光面電極、光電変換部、裏面電極を有する
光起電力素子において、半導体層から成る前記光電変換
部と裏面電極との間に、前記光電変換部よりも小面積且
つ赤外光を可視光に変換する赤外可視変換層が前記光電
変換部の一部を露出して設けられ、前記裏面電極が前記
赤外可視変換層を覆って前記光電変換部の露出部に被着
されたことを特徴とする光起電力素子である。 〔作用〕 従って、この発明によると、光電変換部の半導体層に
吸収されずに透過した波長800nm以上の赤外光は、光電
変換部と裏面電極との間に設けられた赤外可視変換層に
より、半導体層が高い感度を有する可視光に変換された
後、裏面電極で反射されて再び半導体層内に入射する。 そして、赤外可視変換層を光電変換部と裏面電極との
間,すなわち裏面電極より光電変換部側(半導体層側)
に設けたため、透光性受光面電極から光電変換部の半導
体層に入射する光に影響を与えることなく、しかも、光
電変換部を透過した光が裏面電極に吸収されることもな
く、従来は利用できなかった赤外光も光電変換部により
吸収して利用することができ、光起電力素子の出力電流
の増大が図られる。 また、裏面電極が光電変換部の露出部に直接被着され
ることから、電気的特性も良好なものとすることができ
る。 〔実施例〕 つぎに、この発明を、その実施例を示した第1図ない
し第3図とともに詳細に説明する。 (実施例1) まず、実施例1を示した第1図および第2図について
説明する。 第1図において、(11)はガラス基板、(12)は基板
(11)上に形成されたインジウム酸化錫からなる透光性
受光面電極、(13)はグロー放電法により受光面電極
(12)上に形成されたボロン〔B〕ドープのアモルフア
スシリコンカーバイド〔a−SiC:H:B〕からなる厚さ100
〜300Åのp型半導体層、(14)はグロー放電法により
p型半導体層(13)上に形成されたノンドープのアモル
フアスシリコン〔a−Si:H〕からなる厚さ5000〜8000Å
のi型半導体層、(15)は厚さ100〜300Åのn型半導体
層であり、リン〔P〕ドープのアモルフアスシリコン
〔a−Si:H:P〕からなり、グロー放電法によりi型半導
体層(14)上に形成されている。 (16)はn型半導体層(15)上に形成されインジウム
酸化錫から成る透光性導電膜であり、前記p,i,n型の半
導体層(13),(14),(15)と透光性導電膜(16)と
で光電変換部を構成する。(17)は、該光電変換部上に
形成された赤外可視変換層であり、3フツ化ランタン
〔LaF3〕をイツテルビウム〔Yb〕,エルビウム〔Er〕に
より付活した赤外可視変換蛍光体〔LaF3:Yb:Er〕が2〜
3mg/mm3の割合でエポキシ系透明樹脂に混合され、この
混合材料が導電膜(16)上に塗布されて形成されてい
る。このとき、光電変換部が一部露出されて、該光電変
換部よりも小面積の所定パターンに変換層(17)が形成
されている。 (18)は変換層(17)を覆って、前記光電変換部の露
出部上にアルミニウムが蒸着されて被着された裏面電極
である。従って、光電変換部の露出部にて裏面電極(1
8)と導電膜(16)が直接接続されることとなり、電気
的な接続が良好なものとなる。このため光電変換部と裏
面電極(18)との間に変換層(17)を挿入しても、電気
的特性が低下することがない。 尚、前記光電変換部を透光性導電膜(16)が形成され
ていない構成とし、n型半導体層(15)と裏面電極(1
8)の間に変換層(17)を設けた構造としてもよいが、
この場合には裏面電極(18)とn型半導体層(15)との
間の接触面積が小さく電気的特性が低下する場合がある
ので、本実施例にようにn型半導電層(15)よりも導電
性の高い導電膜(16)を介したほうが、電気的特性は向
上する。 また、導電膜(16)の膜厚は厚いほど素子の電気的特
性は向上するが、導電膜(16)による光の吸収損失が増
加することから、導電膜(16)の膜厚は2000Å以下にす
ることが好ましい。 さらに、グロー放電法による各半導体層(13)〜(1
5)の形成条件は例えば次表のように設定されている。 そして、基板(11),受光面電極(12)を介して光電
変換部の半導体層(13)〜(15)に光が入射すると、入
射光のうち400〜800nmの波長範囲の可視光成分は半導体
層(13)〜(15)により吸収され、800nm以上の長波長
の赤外光成分は、半導体層(13)〜(15)及び導電膜
(16)からなる光電変換部を透過して変換層(17)に入
射し、変換層(17)により可視光に変換されて裏面電極
(18)へ出力され、裏面電極(18)により変換層(17)
からの可視光が反射され、この反射光が変換層(17),
導電膜(16)を介して半導体層(15)〜(13)に入射
し、半導体層(15)〜(13)により変換層(17)からの
可視光が吸収される。 従って、第1図の光起電力素子の収集効率スペクトル
は第2図中の実線に示すようになり、同図中に破線で示
した前記第6図の従来の光起電力素子の収集効率スペク
トルと比較してわかるように、800〜1100nmの長波長の
光に対しても感度を有することになり、これは800〜110
0nmの波長の赤外光が変換層(17)により可視光に変換
されて半導体層(15)〜(13)により吸収され、有効に
光電変換に利用されるためであり、光起電力素子の出力
電流の増大を図ることが可能となり、素子特性の向上を
図ることができる。 そして、赤外可視変換層(17)を光入射側に設ける
と、該層(17)での光の反射や吸収により、入射された
可視光の利用率が低下するという問題が生じるため、本
実施例では、赤外可視変換層(17)が光電変換部と裏面
電極(18)との間に設けられ、入射された可視光に影響
を与えることなく、赤外光が可視光に変換されて利用さ
れる。 この場合、変換層(17)が裏面電極(18)より光電変
換部側に設けられているため、光電変換部を透過した光
が裏面電極(18)に吸収されることなく変換層(17)に
より変換される。 加えて、裏面電極(18)が変換層(17)を覆って光電
変換部の露出部に直接被着されているので、電気的特性
が低下することもない。 (実施例2) つぎに、実施例2を示す第3図について説明する。 第3図において、第1図と同一符号は同一のものもし
くは相当するものを示し、第1図と異なる点はn型半導
体層(15)と透光性導電膜(16)との間に、p型,i型,n
型半導体層(13)〜(15)それぞれと同じ材質のp型,i
型,n型半導体層(19),(20),(21)を設け、半導体
層(13)〜(21)及び透光性導電膜(16)により光電変
換部を形成した点であり、第3図の構成により、前記実
施例1と同等の効果が得られる。 なお、赤外可視変換層材料として、前記したようなY
b,Erにより付活した3フツ化ランタンのほか、Yb,Erに
より付活した3フツ化イツトリウム〔YF3:Yb:Er〕など
の蛍光体や、Ba2NaNb5O15などの非線形光学結晶材料等
を用いても、この発明を同様に実施することができる。 また、光電変換部の各半導体層の材質は、前記したア
モルフアスシリコン系に限るものではない。 さらに、半導体層はpin構造に限らないのは勿論であ
る。 〔発明の効果〕 以上のように、この発明の光起電力素子によると、光
電変換部と裏面電極との間に赤外可視変換層を設けたた
め、透光性受光面電極から光電変換部の半導体層に入射
する光に影響を与えることなく、800nm以上の赤外領域
の長波長の光を可視光に変換して光電変換に有効に利用
することができ、光起電力素子の出力電流の増大を図る
ことができる。このとき、赤外可視変換層が裏面電極よ
り光電変換部側に位置するため、光電変換部を透過した
光が裏面電極で吸収されることなく赤外可視変換層によ
り変換され、裏面電極での吸収損失も生じない。加えて
赤外可視変換層は光電変換部よりも小面積であり、裏面
電極は前記変換層を覆って直接光電変換部の露出部上に
被着されているので、電気的特性も良好なものとなる。
従って、素子特性の向上を図ることが可能となり、その
効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】 第1図ないし第3図は本発明の実施例を示し、第1図は
実施例1の構成図、第2図は実施例1の収集効率スペク
トルを示す図、第3図は実施例2の構成図、第4図およ
び第5図はそれぞれ従来例の構成図、第6図は従来例に
おける収集効率スペクトルを示す図である。 (12)……透光性受光面電極、(13)〜(15),(19)
〜(21)……光電変換部を形成する半導体層、(17)…
…赤外可視変換層、(18)裏面電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津田 信哉 守口市京阪本通2丁目18番地 三洋電機 株式会社内 (72)発明者 中野 昭一 守口市京阪本通2丁目18番地 三洋電機 株式会社内 (72)発明者 桑野 幸徳 守口市京阪本通2丁目18番地 三洋電機 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−200576(JP,A) 特開 昭55−82471(JP,A) 実開 昭61−79546(JP,U) 実開 昭54−47380(JP,U)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.透光性受光面電極、光電変換部、裏面電極を有する
    光起電力素子において、半導体層から成る前記光電変換
    部と裏面電極との間に、前記光電変換部よりも小面積且
    つ赤外光を可視光に変換する赤外可視変換層が前記光電
    変換部の一部を露出して設けられ、前記裏面電極が前記
    赤外可視変換層を覆って前記光電変換部の露出部に被着
    されたことを特徴とする光起電力素子。
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