JP2664245B2 - 硬性内視鏡装置 - Google Patents

硬性内視鏡装置

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JP2664245B2 JP1119526A JP11952689A JP2664245B2 JP 2664245 B2 JP2664245 B2 JP 2664245B2 JP 1119526 A JP1119526 A JP 1119526A JP 11952689 A JP11952689 A JP 11952689A JP 2664245 B2 JP2664245 B2 JP 2664245B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は外套管内に光学視管を挿通させた組合わせ
状態で使用する硬性内視鏡装置の改良に関する。
[従来の技術] 一般に、硬性内視鏡装置として実開昭57−45905号公
報に示すように光学視管を挿通する外套管を設け、この
外套管内に光学視管を挿通させた組合わせ状態で使用す
る構成のものが知られている。この場合、外套管には例
えば人体の体腔内等に挿入される管状の挿入部とこの挿
入部の基端部に連結された手元側握り部が設けられてい
る。さらに、この手元側握り部には光学視管の手元側操
作部を固定する固定手段が設けられている。また、光学
視管には挿入部とこの挿入部の基端部に連結された手元
側握り部とが設けられている。さらに、この光学視管の
挿入部には照明光学系、観察光学系等が設けられている
とともに、手元側握り部には鉗子挿入部、観察部等が設
けられている。そして、この硬性内視鏡装置の使用時に
は外套管の挿入部内に光学視管の挿入部を挿入させ、こ
の光学視管の手元側操作部を外套管の手元側握り部に固
定させた状態にセットするとともに、このセット状態
で、外套管の挿入部内に適宜の処置具を挿入させること
により、光学視管の観察部で患部の状況を観察しながら
処置具を使用するようにしている。
[発明が解決しようとする課題] 実開昭57−45905号公報に示されている従来構成のも
のにあっては光学視管の手元側操作部を固定ねじによっ
て外套管の手元側握り部に着脱可能に固定させるように
しているので、光学視管の手元側操作部を外套管の手元
側握り部に固定させたセット状態では外套管の挿入部と
光学視管との間の軸方向の相対的な位置関係は定位置で
固定されていた。しかしながら、第16図に示すように例
えば人体の体腔内等に外套管1の挿入部2を挿入させた
場合には生体組織3の一部3aが外套管1の挿入部2の先
端から挿入部2の内部に侵入するおそれがあるので、外
套管1内に光学視管4を正規のセット状態で組合わせた
場合には光学視管4の挿入部5の先端が外套管1の挿入
部2の先端から侵入した生体組織3の一部3aによって閉
塞され、光学視管4を介して正常な観察が行なえなくな
るおそれがあった。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、外套
管の挿入部と光学視管の間の軸方向の相対的な位置関係
を調整することができ、生体組織の一部が外套管の挿入
部の先端から挿入部の内部に侵入した場合であっても常
に正常な観察を行なうことができる硬性内視鏡装置を提
供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] この発明は挿入部を有する外套管と、前記外套管内を
進退自在に移動する光学視管と、前記外套管の基端側に
連結された手元側構成部と、先端側が前記手元側構成部
と進退自在に連結され、基端側が前記光学視管を固定的
に装着可能であって、該光学視管と一体的に前記挿入部
軸方向を進退移動可能な移動操作機構と、を有するもの
である。
[作用] 外套管内を移動操作機構によって光学視管と一体的に
挿入部軸方向を進退移動操作することにより、生体組織
の一部が外套管の挿入部の先端から挿入部の内部に侵入
した場合であっても外套管の挿入部に侵入した生体組織
の一部から光学視管を離す方向に移動させて常に正常な
観察を行なわせるようにしたものである。
[実施例] 以下、この発明の第1の実施例を第1図乃至第5図を
参照して説明する。第3図は硬性内視鏡装置全体の概略
構成を示すもので、11はトラカール外套管、12は軸方向
の対して斜め下方向を観察する斜視型の光学視管であ
る。さらに、トラカール外套管11には第1図に示すよう
に例えば人体の体腔内等に挿入される管状の挿入部13お
よびこの挿入部13の基端部に連結された手元側構成部14
がそれぞれ設けられている。この場合、トラカール外套
管11の挿入部13は断面形状が第2図に示すように略長円
形状に形成されている。なお、トラカール外套管11の挿
入部13の先端は光学視管12の観察方向に合せて斜めに切
欠されている。
また、手元側構成部14には略円筒状の手元側構成部本
体15が設けられている。この手元側構成部本体15の先端
部には挿入部13の取付け孔16が形成されており、この取
付け孔16内に挿入部13の基端部が嵌着されている。さら
に、手元側構成部本体15先端の挿入部13の嵌着部には送
水口金17が連結されているとともに、指掛け18が取付け
られている。この場合、挿入部13の基端部には送水口19
が形成されており、この送水口19に送水口金17の先端が
連結されている。
一方、手元側構成部本体15の基端部には光学視管12の
固定部(固定手段)20およびこの固定部20を軸方向に所
定距離移動操作する移動操作機構(移動操作手段)21が
それぞれ設けられている。この場合、光学視管12の固定
部20には内筒22と外筒23とが設けられている。そして、
内筒22の筒穴22a内には光学視管12の挿入部12aが挿通さ
れるようになっているとともに、この筒穴22aの基端部
側には第1図および第3図中で右方向に向かうにしたが
って内径寸法が大きくなるテーパ状の光学視管12の保持
面22bが形成されている。なお、手元側構成部本体15の
基端部には円筒状のガイド筒15aが形成されている。そ
して、このガイド筒15aの内周面には内筒22の軸方向の
移動をガイドする第1のガイド面24、ガイド筒15aの外
周面には外筒23の軸方向の移動をガイドする第2のガイ
ド面25がそれぞれ設けられており、固定部20の内筒22お
よび外筒23はこれらの第1,第2のガイド面24,25に沿っ
て軸方向に移動自在に装着されている。
また、固定部20の内筒22の基端部側にはガイド筒15a
の外径寸法と略同径の大径部26が形成されているととも
に、この内筒22の先端部側外周面には軸方向に沿って延
設させた長溝27が形成されている。さらに、手元側構成
部本体15のガイド筒15aの内周面には内筒22の回り止め
ピン28が突設されており、この回り止めピン28が内筒22
の長溝27内に挿入されている。したがって、固定部20の
内筒22は回り止めピン28によって周方向の回転が防止さ
れ、内筒22の長溝27に沿う軸方向にのみ移動可能になっ
ている。
また、内筒22の大径部26の外周面には円周方向に沿っ
て延設させた円弧溝29が形成されている。この大径部26
の円弧溝29には外筒23の外周面に固定された操作レバー
30の内端部が挿入されている。したがって、固定部20の
外筒23は内筒22と一体的に軸方向に移動可能になってい
るとともに、操作レバー30によって大径部26の円弧溝29
に沿って円周方向にも所定量回動可能になっている。
さらに、この外筒23の基端部には周縁部の一部に内方
向に屈曲された光学視管12固定用の係合突起31が形成さ
れている。この係合突起31は操作レバー30によって光学
視管12の着脱位置から係止位置まで円周方向に沿って外
筒23と一体に所定量回動操作されるようになっている。
そして、この係合突起31を光学視管12の着脱位置に保持
させた状態で、外筒23の基端面開口部によって形成され
る光学視管12の挿入口32からトラカール外套管11内に光
学視管12を挿脱可能になっている。また、第3図に示す
ように光学視管12がトラカール外套管11内の正規の装着
位置まで挿入された状態で、操作レバー30によって係合
突起31を光学視管12の係止位置まで円周方向に回動させ
ることにより、光学視管12の手元側握り部33に突設され
たストッパ34の外面に外筒23の係合突起31が係合し、光
学視管12側の接続部33aがトラカール外套管11内の正規
の装着位置で固定されるようになっている。
また、手元側構成部本体15のガイド筒15aの基端部側
外周面には小径なばね座部35が形成されている。さら
に、このばね座部35と内筒22の大径部26との間にはコイ
ルばね36が介設されている。そして、このコイルばね36
の付勢力によって固定部20が手元側構成部本体15のガイ
ド筒15aに対して第1図および第3図中で右方向に付勢
されている。したがって、常時はこのコイルばね36の付
勢力によってトラカール外套管11の挿入部13と光学視管
12との間が所定の基準位置方向(トラカール外套管11の
挿入部13の内方向に光学視管12を引込む方向)に付勢さ
れた状態で保持されるとともに、コイルばね36の付勢力
に抗してトラカール外套管11の固定部20を手元側構成部
本体15のガイド筒15aに対して第1図および第3図中で
左方向に押し込み操作することにより、トラカール外套
管11の挿入部13と光学視管12との間を軸方向に所定距離
移動操作できるようになっている。
さらに、トラカール外套管11の光学視管固定部20の内
筒22には先端部外周面に例えばOリング等によって形成
されるシール部材37が装着されているとともに、内筒22
の大径部26の基端部外周面にも同様のシール部材38が装
着されている。なお、光学視管12の手元側握り部33には
観察部39が設けられているとともに、処置具挿入部40が
設けられている。そして、この手元側握り部33の処置具
挿入部40から挿入された外科用切除器具41等の処置具は
光学視管12の挿入部12aと並設状態でトラカール外套管1
1の挿入部13内に挿入されるようになっている。この場
合、外科用切除器具41には二重管の外管42によって形成
される外刃と二重管の内管43によって形成される内刃と
が設けられている。これらの外管42および内管43の先端
部には略円形状の開口部42a,43aがそれぞれ形成されて
おり、外管42および内管43の開口部42a,43aの端縁部に
よって外管42の外刃および内管43の内刃がそれぞれ形成
されている。さらに、これらの外管42および内管43の各
先端部は閉止されているとともに、これらの外管42およ
び内管43の各基端部は図示しない吸引装置に接続されて
いる。そして、この外科用切除器具41の使用時には外管
42内の内管43を回転させることにより、外管42の外刃お
よび内管43の内刃によって例えば髄核44等の体腔内組織
が切除されるとともに、切除された体腔組織片等の切屑
が外管42および内管43の各開口部42a,43aを介して吸引
されるようになっている。
次に、上記構成の作用について説明する。
まず、硬性内視鏡装置の使用時には体腔内等にトラカ
ール外套管11を挿入し、所定の位置にセットさせたの
ち、このトラカール外套管11内に光学視管12の挿入部12
aを挿入させ、トラカール外套管11に光学視管12を装着
させる。
この光学視管12の装着作業時にはトラカール外套管11
の操作レバー30を光学視管12の着脱位置に保持させた状
態で、固定部20の外筒23の基端面開口部によって形成さ
れる光学視管12の挿入口32からトラカール外套管11内に
光学視管12の挿入部12aを挿入させる。さらに、この光
学視管12をトラカール外套管11内の正規の装着位置まで
挿入させた状態で、操作レバー30を光学視管12の着脱位
置から光学視管12の係止位置まで回動させることによ
り、光学視管12の手元側握り部33に突設されたストッパ
34の外面に外筒23の係合突起31を係合させ、光学視管12
側の接続部33aをトラカール外套管11内の正規の装着位
置に固定させる。
また、このようにトラカール外套管11内の正規の装着
位置に光学視管12を固定させたのち、光学視管12の手元
側握り部33の処置具挿入部40から外科用切除器具41等の
処置具を光学視管12の挿入部12aと並設状態でトラカー
ル外套管11の挿入部13内に挿入させる。そして、光学視
管12によって患部等を観察しながら外科用切除器具41等
の処置具によって所定の治療、例えば髄核44等の体腔内
組織を切除する作業が行われる。
また、トラカール外套管11の固定部20の内筒22は常時
はコイルばね36の付勢力によってトラカール外套管11の
挿入部13と光学視管12との間が所定の基準位置方向(ト
ラカール外套管11の挿入部13の内方向に光学視管12を引
込む方向)に付勢された状態で保持される。そのため、
第4図に示すように例えば髄核44等の生体組織の一部が
外套管11の挿入部13の先端からこの挿入部13の内部に侵
入した場合であっても従来のように光学視管12の挿入部
12aの先端が外套管11の挿入部13の先端から侵入した髄
核44等の生体組織の一部によって閉塞され、視野が遮ら
れることを防止することができるので、光学視管12を介
して正常な観察を行なわせることができる。
さらに、例えば光学視管12の手元側握り部33に親指、
トラカール外套管11の手元側構成部本体15の指掛け18に
他の指等をそれぞれ掛けた状態で、コイルばね36の付勢
力に抗してトラカール外套管11の固定部20を手元側構成
部本体15のガイド筒15aに対して第1図および第3図中
で左方向に押し込み操作することにより、トラカール外
套管11の挿入部13に対して光学視管12および外科用切除
器具41等の処置具を軸方向に所定距離前進させることが
できる。そのため、第5図に示すように髄核44等の体腔
内組織を切除する作業の進行に合せてトラカール外套管
11の挿入部13に対して光学視管12および外科用切除器具
41等の処置具を軸方向に所定距離前進させることによ
り、光学視管12によって患部等を観察しながら外科用切
除器具41等の処置具によって髄核44等の体腔内組織を切
除する作業等を能率的に行わせることができる。
そこで、上記構成のものにあってはトラカール外套管
11の挿入部13と光学視管12との間を軸方向に所定距離移
動操作する移動操作機構21を設けたので、この移動操作
機構21によって外套管11の挿入部13と光学視管12との間
を所定距離軸方向に移動操作することができる。そのた
め、髄核44等の生体組織の一部が外套管11の挿入部13の
先端からこの挿入部13の内部に侵入した場合であっても
外套管11の挿入部13に侵入した髄核44等の生体組織の一
部から光学視管12を離す方向に移動させることができ、
光学視管12によって常に正常な観察を行なわせることが
できる。
なお、この発明は上記実施例に限定されるものではな
い。例えば、上記実施例ではトラカール外套管11の挿入
部13の断面形状を略長円形状に形成したものを示した
が、第6図に示す第2の実施例のようにトラカール外套
管11の挿入部13の断面形状を円形状に形成してもよい。
また、第7図に示す第3の実施例のようにトラカール
外套管11の挿入部13の先端部に円筒形状の略上半分を前
方向に突出させた突出部51を設け、この突出部51によっ
て光学視管12の挿入部12aの先端部上方からトラカール
外套管11の挿入部13の内部に生体組織等が侵入すること
を防止する構成にしてもよい。
さらに、第1の実施例では軸方向に対して斜め下方向
を観察する斜視型の光学視管12を使用したものを示した
が第8図および第9図に示す第4の実施例のように軸方
向を真直ぐに観察する直視型の光学視管52を使用すると
ともに、トラカール外套管53の挿入部54の先端を光学視
管52の観察方向に合せて直角に切欠させる構成にしても
よい。
また、第10図に示す第5の実施例のようにトラカール
外套管11の挿入部13の先端部に円筒形状の上下部に前方
向に突出させた突出部55,56をそれぞれ設け、上部の突
出部55によって光学視管12の挿入部12aの先端部上方か
らトラカール外套管11の挿入部13の内部に生体組織等が
侵入することを防止するとともに、下部の突出部56によ
って光学視管12の挿入部12aの先端部下方からトラカー
ル外套管11の挿入部13の内部に生体組織等が侵入するこ
とを防止する構成にしてもよい。
さらに、第11図乃至第15図はこの発明の第6の実施例
を示すものである。これは、脊髄鏡のトラカール外套管
11の挿入部13の基端部に配設された手元側構成部61に着
脱可能に連結される別体のワーキングエレメント62を設
け、このワーキングエレメント62に光学視管12の固定部
(固定手段)63およびこの固定部63を軸方向に所定距離
移動操作する移動操作機構(移動操作手段)64をそれぞ
れ設けたものである。第13図はワーキングエレメント62
の概略構成を示すもので、65は接続筒、66はこの接続筒
65に軸方向に進退自在に装着された移動体である。この
場合、ワーキングエレメント62の接続筒65の基端部には
円筒状のガイド筒67が連結されている。このガイド筒67
の接続筒65側の端部には支持円板68が固定されている。
さらに、この支持円板68の外周部位には移動体66の進退
動作をガイドする複数のガイドロッド69…が後方に向け
て軸方向と平行に延設されている。
また、移動体66には略中央にガイド筒挿入孔70,外周
部位に複数のガイドロッド挿入孔71…がそれぞれ形成さ
れている。そして、この移動体66はガイド筒挿入孔70内
に挿入されるガイド筒67およびガイドロッド挿入孔71…
内に挿入されるガイドロッド69…に沿って軸方向に所定
距離移動自在に装着されている。さらに、この移動体66
には光学視管12の固定部63の内筒72が固定されている。
この場合、固定部63には内筒72と外筒73とが設けられて
いる。そして、内筒72の筒穴72a内には光学視管12の挿
入部12aが挿通されるようになっているとともに、この
筒穴72aの基端部側には第13図中で右方向に向かうにし
たがって内径寸法が大きくなるテーパ状の光学視管12の
保持面72bが形成されている。
また、内筒72の外周面には円周方向に沿って延設させ
た円弧溝74が形成されている。この円弧溝74には外筒73
の外周面に固定された操作レバー75の内端部が挿入され
ており、この外筒73は操作レバー75によって円弧溝74に
沿って円周方向に所定量回動可能になっている。
さらに、この外筒73の基端部には周縁部の一部に内方
向に屈曲された光学視管12固定用の係合突起76が形成さ
れている。この係合突起76は操作レバー75によって光学
視管12の着脱位置から係止位置まで円周方向に沿って外
筒73と一体に所定量回動操作されるようになっている。
そして、この係合突起76を光学視管12の着脱位置に保持
させた状態で、外筒73の基端面開口部によって形成され
る光学視管12の挿入口77から光学視管12を挿脱可能にな
っている。また、光学視管12がワーキングエレメント62
を介してトラカール外套管11内の正規の装着位置まで挿
入された状態で、操作レバー75によって係合突起76を光
学視管12の係止位置まで円周方向に回動させることによ
り、光学視管12の手元側握り部33の接続部33a後端に外
筒73の係合突起76が係合し、光学視管12の接続部33aが
ワーキングエレメント62に正規の装着位置で固定される
ようになっている。なお、トラカール外套管11の手元側
構成部61にもワーキングエレメント62の固定部63と略同
一構成の固定部63が設けられており、このトラカール外
套管11の手元側構成部61に設けられた固定部63によって
ワーキングエレメント62の接続筒65が着脱可能に連結さ
れるようになっている。
また、移動体66の後端部にはハンドル78が取着されて
いる。さらに、この移動体66の前端部と支持円板68との
間には板ばね部材79が架設されている。そして、この板
ばね部材79の付勢力によって固定部63がワーキングエレ
メント62の接続筒65に対して第13図中で右方向に付勢さ
れている。したがって、常時はこの板ばね部材79の付勢
力によってトラカール外套管11の挿入部13と光学視管12
との間が所定の基準位置方向(トラカール外套管11の挿
入部13の内方向に光学視管12を引込む方向)に付勢され
た状態で保持されるとともに、板ばね部材79の付勢力に
抗してトラカール外套管11の固定部63を接続筒65に対し
て第13図中で左方向に押し込み操作することにより、ト
ラカール外套管11の挿入部13と光学視管12との間を軸方
向に所定距離移動操作できるようになっている。
さらに、ワーキングエレメント62の移動体66の内周面
におけるガイド筒67との接合面には例えばOリング等に
よって形成されるシール部材80が装着されているととも
に、内筒72の基端部外周面にも同様のシール部材81が装
着されている。
また、82は外科用切除器具41のハンドピース、83はこ
のハンドピース82に接続された電気コードである。この
ハンドピース82は接続アタッチメント84を介して光学視
管12の手元側握り部33に連結されている。さらに、この
接続アタッチメント84にはハンドピース82に固定される
ハンドピース側取付け具85、光学視管12の手元側握り部
33に固定される光学視管側取付け具86,86およびハンド
ピース側取付け具85と光学視管側取付け具86,86との間
に架設されたガイドレール87がそれぞれ設けられてい
る。この場合、ガイドレール87の一端部側は光学視管側
取付け具86,86に固定されているとともに、このガイド
レール87の他端部側はハンドピース側取付け具85に軸方
向に進退可能に支持されている。また、ハンドピース側
取付け具85には外科用切除器具41の移動つまみ88が設け
られている。この移動つまみ88は第15図に示すように回
転軸89に取着されている。さらに、この回転軸89にはピ
ニオンギア90が固定されている。このピニオンギア90は
ガイドレール87に形成されたラック91に噛合され、ラッ
クアンドピニオン式の外科用切除器具41の移動機構部が
形成されている。
そして、上記構成の脊髄鏡の使用時にはトラカール外
套管11の手元側構成部61に設けられた固定部63によって
ワーキングエレメント62の接続筒65を着脱可能に連結さ
せ、トラカール外套管11とワーキングエレメント62とを
一体的に組合わせる。続いて、この状態で光学視管12を
ワーキングエレメント62を介してトラカール外套管11内
の正規の装着位置まで挿入させ、この光学視管12の接続
部33aをワーキングエレメント62に正規の装着位置で固
定させることにより、トラカール外套管11、ワーキング
エレメント62および光学視管12の3部品を一体的に組合
わせる。さらに、このように3部品を一体的に組合わせ
たのち、光学視管12の手元側握り部33の処置具挿入部40
から外科用切除器具41等の処置具を光学視管12の挿入部
12aと並設状態、或いは光学視管12の鉗子挿通チャンネ
ルを介してトラカール外套管11の挿入部13内に挿入させ
る。また、外科用切除器具41のハンドピース82は接続ア
タッチメント84を介して光学視管12の手元側握り部33に
連結させる。そして、光学視管12によって患部等を観察
しながら外科用切除器具41等の処置具によって所定の治
療、例えば髄核44等の体腔内組織を切除する作業が行わ
れる。
また、常時はワーキングエレメント62の板ばね部材79
の付勢力によってトラカール外套管11の挿入部13と光学
視管12との間が所定の基準位置方向(トラカール外套管
11の挿入部13の内方向に光学視管12を引込む方向)に付
勢された状態で保持される。そのため、この場合も第1
の実施例と同様に例えば髄核44等の生体組織の一部が外
套管11の挿入部13の先端からこの挿入部13の内部に侵入
した場合であっても光学視管12の挿入部12aの先端が外
套管11の挿入部13の先端から侵入した髄核44等の生体組
織の一部によって閉塞され、視野が遮られることを防止
することができるので、光学視管12を介して正常な観察
を行なわせることができる。
さらに、例えばワーキングエレメント62のハンドル78
に親指、トラカール外套管11の手元側構成部本体61の指
掛け18に他の指等をそれぞれ掛けた状態で、板ばね部材
79の付勢力に抗してワーキングエレメント62の固定部63
を第11図および第13図中で左方向に押し込み操作するこ
とにより、トラカール外套管11の挿入部13に対して光学
視管12および外科用切除器具41等の処置具を軸方向に所
定距離前進させることができる。そのため、髄核44等の
体腔内組織を切除する作業の進行に合せてトラカール外
套管11の挿入部13に対して光学視管12および外科用切除
器具41等の処置具を軸方向に所定距離前進させることに
より、光学視管12によって患部等を観察しながら外科用
切除器具41等の処置具によって髄核44等の体腔内組織を
切除する作業等を能率的に行わせることができる。
そこで、上記構成のものにあっても第1の実施例と同
様の効果を得ることができる。また、この第6の実施例
では光学視管12の手元側握り部33と外科用切除器具41の
ハンドピース82との間を連結する接続アタッチメント84
を設け、この接続アタッチメント84のハンドピース側取
付け具85の移動つまみ88を回転操作させることにより、
光学視管12と外科用切除器具41との相対位置を軸方向に
調整できるようにしたので、外科用切除器具41等の処置
具によって髄核44等の体腔内組織を切除する作業等の作
業能率をさらに高めることができる。
また、第1の実施例ではトラカール外套管11の手元側
構成部14に光学視管12の固定部20およびこの固定部20を
軸方向に所定距離移動操作する移動操作機構21をそれぞ
れ設けた構成のものを示したが、光学視管12の手元側握
り部33側の接続部33aに、この接続部33aを光学視管12の
本体に対してスライド可能な移動操作機構を設け、この
移動操作機構によってトラカール外套管11に対して光学
視管12を軸方向に所定距離移動操作する構成にしてもよ
い。
さらに、その他この発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々変形実施できることは勿論である。
[発明の効果] この発明によれば先端側が外套管の手元側構成部と進
退自在に連結され、基端側が光学視管を固定的に装着可
能な移動操作機構を設け、この移動操作機構によって外
套管内を光学視管と一体的に挿入部軸方向を進退移動可
能にしたので、外套管の挿入部と光学視管の間の軸方向
の相対的な位置関係を調整することができ、生体組織の
一部が外套管の挿入部の先端から挿入部の内部に侵入し
た場合であっても常に正常な観察を行なうことができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第5図はこの発明の第1の実施例を示すもの
で、第1図は硬性内視鏡のトラカール外套管全体の概略
構成を示す縦断面図、第2図は第1図のII−II線断面
図、第3図は硬性内視鏡装置の縦断面図、第4図は外套
管の挿入部内に生体組織の一部が侵入した状態を示す要
部の縦断面図、第5図は外科用切除器具を前進させた状
態を示す要部の縦断面図、第6図は第2の実施例を示す
要部の横断面図、第7図は第3の実施例を示す要部の横
断面図、第8図および第9図は第4の実施例を示すもの
で、第8図は外套管の挿入部内に生体組織の一部が侵入
した状態を示す要部の縦断面図、第9図は外科用切除器
具を前進させた状態を示す要部の縦断面図、第10図は第
5の実施例を示す要部の縦断面図、第11図乃至第15図は
第6の実施例を示すもので、第11図は硬性内視鏡装置全
体の概略構成を示す側面図、第12図は同分解側面図、第
13図はワーキングエレメントの概略構成を示す縦断面
図、第14図は接続アッタチメントの取付け状態を示す要
部の側面図、第15図は接続アッタチメントの移動操作機
構を示す要部の斜視図、第16図は従来例を示す要部の縦
断面図である。 11……外套管、12……光学視管、13……挿入部、20,63
……固定部(手元側固定手段)、21,64……移動操作機
構(移動操作手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 窪田 哲丸 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 小川 元嗣 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 寺山 俊樹 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 中村 剛明 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 青木 義安 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−110528(JP,A) 実開 昭63−158301(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】挿入部を有する外套管と、 前記外套管内を進退自在に移動する光学視管と、 前記外套管の基端側に連結された手元側構成部と、 先端側が前記手元側構成部と進退自在に連結され、基端
    側が前記光学視管を固定的に装着可能であって、該光学
    視管と一体的に前記挿入部軸方向を進退移動可能な移動
    操作機構と、 を有することを特徴とする硬性内視鏡装置。
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