JP2663004B2 - 回転ドラム式緯糸測長貯留装置の係止ピン駆動装置 - Google Patents

回転ドラム式緯糸測長貯留装置の係止ピン駆動装置

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JP2663004B2 JP31331788A JP31331788A JP2663004B2 JP 2663004 B2 JP2663004 B2 JP 2663004B2 JP 31331788 A JP31331788 A JP 31331788A JP 31331788 A JP31331788 A JP 31331788A JP 2663004 B2 JP2663004 B2 JP 2663004B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、織機において、回転ドラム上に巻付け貯
留している糸を、所定の緯入れ時期に所定巻数に亘って
解舒し、その他の時期に回転ドラム上に係止するよう
に、回転ドラムに配設した係止ピンを適確に駆動制御す
るための回転ドラム式緯糸測長貯留装置の係止ピン駆動
装置に関する。
従来の技術 織機におけるドラム式緯糸測長貯留装置は、固定ドラ
ム式と回転ドラム式とがあり、両者は、糸を巻付け貯留
するためのドラムが回転するか、ドラムに糸を巻き付け
るためのヤーンガイドが回転するかによって相異する。
前者は、巻き付けられた糸を係止し、解舒するための係
止ピンをドラムの外部に配設することができるために、
その全体構造が簡単であり、広く、一般的に用いられ
る。後者は、ドラムが回転することにより糸の解舒速度
が遅くなり、バルーンを小さくして解舒抵抗を小さくす
ることができる上、糸の走行経路中における屈曲が少な
く、糸を無理なく供給することができるために、大重量
の太糸や屈曲性のよくない特殊糸等に好適である。
回転ドラム式緯糸測長貯留装置においては、係止ピン
は、回転ドラムとともに回転する必要があり、殊に電気
制御方式のソレノイド駆動形の係止ピンに対しては、そ
の駆動方法に、特殊の工夫が必要である。すなわち、回
転ドラムに対する電力伝達手段として、回転トランス
や、ブラシとスリップリングを用い、その一次側を所定
の時期に開閉するようにしたものが知られている(たと
えば、特開昭56−26038号公報)。
発明が解決しようとする課題 而して、かかる従来技術によるときは、ブラシとスリ
ップリングとによるものは、機械的な接触形であるため
に、部材の摩耗消耗が避けられず、必ずしも実用的では
ない。回転トランスによるものは、無接触形であるので
部材の摩耗の問題がないが、係止ピンの応答特性が劣化
するおそれがあるという問題があった。すなわち、回転
トランスは、一次側の励磁コイルと、これに対峙して回
転する二次側の誘導コイルとの組合せからなり、両者
は、係止ピンを駆動するに足る電力の授受を行なわねば
ならないから、一定の磁束鎖交数を確保するために、所
定の有効断面積を有する鉄心入りコイルとせざるを得な
い。したがって、回転トランス全体としては、大きなイ
ンダクタンス分を有する応答性の悪いものとなってしま
い、その一次側におけるスイッチング制御では、二次側
の係止ピンの応答を十分速くすることが困難であった。
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に
鑑み、回転トランスの二次側に、スイッチング回路を含
む制御回路を配設することによって、回転トランスが応
答性の悪いものであっても、係止ピンとしては、十分高
速の応答性を実現することができる、新規の回転ドラム
式緯糸測長貯留装置の係止ピン駆動装置を提供すること
にある。
課題を解決するための手段 かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、固定
の励磁コイルと、この励磁コイルに対峙して回転ドラム
と一体に回転する誘導コイルと、回転ドラムと一体に回
転し、誘導コイルと係止ピンとの間に介装した制御回路
とからなり、制御回路は、無接触の信号伝達手段を介し
て、回転ドラムの外部から制御されるスイッチング回路
を備えることをその要旨とする。
なお、信号伝達手段としては、磁気センサまたは光セ
ンサを使用することができる。
作 用 而して、この構成によるときは、励磁コイルと誘導コ
イルとは回転トランスを形成するから、励磁コイルを交
流励磁することにより、誘導コイルには、常時、係止ピ
ンを駆動するための電圧を発生させておくことができ
る。
そこで、回転ドラムの外部から、信号伝達手段を介し
てスイッチング回路を制御すれば、係止ピンを駆動制御
することができ、このときの係止ピンの応答性は、回転
トランスの応答性に何ら影響されることがない。
信号伝達手段としては、発電性能を有する能動形の光
センサや磁気センサの他に、常時、誘導コイルから制御
電源を供給することができるから、発電性能のない受動
形のセンサも使用することができる。
以上のように作用するものである。
実施例 以下、図面を以って実施例を説明する。
回転ドラム式緯糸測長貯留装置(以下、単に、貯留装
置という)の係止ピン駆動装置は、励磁コイル11aと、
誘導コイル11bと、信号伝達手段を形成する別の励磁コ
イル12aと誘導コイル12bと、制御回路20とを主要部材と
してなる(第1図)。
貯留装置は、回転軸SHと、回転軸SHの先端に固着され
た回転ドラムDと、回転ドラムDに組み込まれて、これ
と一体に回転し、回転ドラムDの周面D1に対し、小孔D2
を介して出退する係止ピンKとを備えてなる。係止ピン
Kは、ソレノイドK1によって駆動され、回転軸SHは、ベ
アリングBG、BGを介して、固定フレームFに回転自在に
支持されている。
励磁コイル11aは、円環状のコイルであって、固定フ
レームFの前端面に固着した円筒状のコイルブラケット
F1の内面に装着されている。一方、誘導コイル11bは、
励磁コイル11aに対峙する円環状のコイルであって、回
転軸SHに嵌着したリング状のコイルブラケットSH1の外
面に装着されている。励磁コイル11aを励磁するとき
は、励磁コイル11aからの磁束が誘導コイル11bに有効に
鎖交し、励磁コイル11aと誘導コイル11bとは、係止ピン
Kを駆動するに足る電力容量の回転トランスを形成する
ものとする。
励磁コイル12aと誘導コイル12bとほ、それぞれ、励磁
コイル11aと誘導コイル11bと同様に配設されており、励
磁コイル12aからの磁束は、誘導コイル12bに鎖交する。
すなわち、励磁コイル12aと誘導コイル12bとは、鉄心入
りまたは空心コイルとし、独立の極小容量の回転トラン
スを形成するものとする。
励磁コイル11a、12aは、それぞれ、外部の発振器13、
14によって励磁されている(第2図)。ただし、発振器
13は、連続発振動作をなす一方、発振器14は、図示しな
い係止ピン制御回路からの制御信号Sが入力されるとき
にのみ、作動するものとする。
誘導コイル11b、12bの各出力は、制御回路20に導入さ
れ、制御回路20の出力は、係止ピンKのソレノイドK1に
接続されている。すなわち、誘導コイル11bの出力は、
制御回路20の内部において、駆動電源回路21、スイッチ
ング回路22を通過する一方、制御電源回路23を介して信
号処理回路24にも分岐されている。また、誘導コイル12
bの出力は、信号処理回路24を介して、ゲート信号24Aと
して、スイッチング回路22に導かれている。制御回路20
は、回転ドラムDに組み込まれでおり、回転ドラムDと
一体に回転するものとする。
いま、図示しない駆動機構によって回転軸SHを回転駆
動すると回転ドラムDを回転することができ、これによ
って、図示しない給糸体からの糸を、回転ドラムDの周
面D1に巻付け貯留することができる。そこで、所定の緯
入れ時期において係止ピンKを周面D1から退出させれ
ば、回転ドラムD上の糸を解舒を緯入れすることがで
き、係止ピンKを周面D1に突出させれば、解舒中の糸を
係止して緯入れを完了することができる。ただし、係止
ピンKは、ソレノイドK1を励磁することにより周面D1か
ら退出し、その励磁を断つことにより、周面D1に突出す
るものとする。
発振器13は連続発振しているので、励磁コイル11a、
誘導コイル11bからなる回転トランスは、回転ドラムD
の回転の有無に拘らず、駆動電源回路21に電圧を印加す
ることができる。そこで、所定の緯入れ時期に、発振器
14に制御信号Sを加えれば、励磁コイル12a、誘導コイ
ル12b、信号処理回路24を介してスイッチング回路22を
作動せしめ、係止ピンKのソレノイドK1を励磁すること
ができ、その後の適当な時期に、制御信号Sを消滅させ
て発振器14を停止させれば、ソレノイドK1の励磁を断つ
ことができ、係止ピンKの駆動制御を行なうことができ
る。
信号処理回路24は、励磁コイル12a、誘導コイル12bを
介して伝達される発振機14の出力から、スイッチング回
路22を開閉するための所定のゲート信号24を作るもので
あり、一般的には、発振器14の発振周波数に適合するハ
イパスフィルタと、適当な検波整流回路によって構成す
ることができる。
駆動電源回路21は、適当な整流回路と平滑用のコンデ
ンサ回路によればよく、さらには、ソレノイドK1の応答
性を改善するための適当な過励磁回路を含むものであっ
てもよい。制御電源回路23は、信号処理回路24に能動素
子を含む場合の制御電源供給回路であり、信号処理回路
24が受動素子のみで構成されるときは、これを省略する
こともできるものとする。
他の実施例 無接触の信号伝達手段を形成する励磁コイル12aと誘
導コイル12bとは、任意の形式の光センサを使用するこ
とができる。たとえば、回転軸SHに嵌着した小径のリン
グSH2の外周面に太陽電池素子12cを貼着するとともに
(第3図)、この太陽電池素子12cに対し、図示したい
発光素子から光Lを投射するようにしてもよい。ただ
し、このときの発光素子は、制御信号Sに従って点滅す
るものとする。また、回転軸SH上の円板SH3の一面に、
多数の分割形の太陽電池素子12d、12d…を並列接続した
状態で円形に貼着し(第4図)、これに対して光Lを投
射してもよい。
なお、これらの実施例においては、太陽電池素子12c
を分割形とし、また、太陽電池素子12dを連続形として
もよい。さらに、分割形の態様にあっては、光Lは、リ
ングSH2、円板SH3の回転方向に厚みを有するように投射
し、太陽電池素子12c、12dの分割個所におけるゲート信
号24aの途切れがないようにするのがよい。
以上の各実施例における太陽電池素子12c、12dは、一
般的の光導電セル、ホトダイオード、ホトトランジス
タ、ホトサイリスタ等の各種の受光素子(いわゆる赤外
線センサを含む)に変更してもよいことはいうまでもな
い。また、これらに組み合わせる発光素子も、発光ダイ
オード、EL(エレクトロルミネセンス)素子、半導体レ
ーザ素子等を使用することができる。
さらには、これらの光センサは、回転トランス以外の
無接触の磁気センサに代えることもできる。すなわち、
励磁コイル12aに対峙して、励磁コイル12aからの磁束に
感応するホール素子や、半導体または強磁性体による磁
気抵抗素子等を配設し、その出力を、信号処理回路24に
導入すればよい。
なお、これらの各実施例において、信号伝達手段に発
電能力を有する素子を使用し、信号処理回路24を受動素
子のみによって構成し得るときは、制御電源回路23は省
略することができるものである。
発明の効果 以上説明したように、この発明によれば、励磁コイル
と誘導コイルとを設け、誘導コイルの出力に接続した制
御回路を介して係止ピンに給電するとともに、無接触の
信号伝達手段を介し、制御回路中のスイッチング回路を
制御するようにすることによって、回転トランスを形成
する励磁コイルと誘導コイルとは、その一次側でなく二
次側において開閉されるから、両者は常時作動してお
り、その応答性が悪くても、それによって係止ピンの応
答特性が劣化するおそれがなく、したがって、必要な高
速応答特性を簡単に実現することができるという優れた
効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図と第2図は実施例を示し、第1図は全体構成図、
第2図は電気系統図である。 第3図と第4図は、それぞれ別の実施例を示す要部斜視
説明図である。 D……回転ドラム K……係止ピン 11a……励磁コイル 11b……誘導コイル 20……制御回路 22……スイッチング回路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定の励磁コイルと、該励磁コイルに対峙
    して回転ドラムと一体に回転する誘導コイルと、回転ド
    ラムと一体に回転し、前記誘導コイルと係止ピンとの間
    に介装した制御回路とからなり、該制御回路は、無接触
    の信号伝達手段を介して、回転ドラムの外部から制御さ
    れるスイッチング回路を備えることを特徴とする回転ド
    ラム式緯糸測長貯留装置の係止ピン駆動装置。
  2. 【請求項2】前記信号伝達手段は、磁気センサを使用す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の回転ド
    ラム式緯糸測長貯留装置の係止ピン駆動装置。
  3. 【請求項3】前記信号伝達手段は、光センサを使用する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の回転ドラ
    ム式緯糸測長貯留装置の係止ピン駆動装置。
JP31331788A 1988-12-12 1988-12-12 回転ドラム式緯糸測長貯留装置の係止ピン駆動装置 Expired - Lifetime JP2663004B2 (ja)

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