JP2662931B2 - 摩擦材 - Google Patents

摩擦材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属等からなる被摩擦
体と摺動する改良された摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】摩擦材又は、摺動部材については、既に
種々な製品が開発され実用化されている。例えばエポキ
ジ樹脂、フェノール樹脂又はポリイミド系樹脂等の熱硬
化型の樹脂をマトリックス樹脂として、これに補強又は
潤滑剤として二硫化モリブデン、グラファイト等の無機
化合物を初めとして、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド
繊維、窒化ケイ素繊維等からのチョップ化繊維をブレン
ドして、これを目的とする形状に成形加工している。し
かしこれらの摺動部材は、耐熱性の点では優れてはいる
が、被摩擦体に損傷を与えやすいという問題がある。被
摩擦体の材料の種類によっては、実用できない状況にも
なっている。
【0003】ー方、炭素繊維等からなる糸状を直線状に
配列して、これを熱可塑性樹脂繊維糸条で編成した編成
シートが、特願平1−509509号公報等にて公開さ
れている。この中で樹脂繊維糸条としてナイロン6とナ
イロン66の各繊維糸条が例示されている。また実施例
にはポリエーテルエーテルケトン繊維糸条が記載されて
いる。本発明者らは、これら例示される樹脂繊維糸条に
よる炭素繊維被覆編成シートについて、加熱加圧成形し
板状の成形品として、これを超音波モーターの摩擦材と
して実用テストを行った。その結果前記熱硬化型樹脂に
よる摩擦材に比較して、被摩擦体の損傷は小さかった
が、満足できるものでなく、また耐摩擦性も更に改良す
べきレベルの性能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者は従来
技術の欠点を解決し、より優れた摩擦材の開発について
鋭意検討した結果、被摩擦体を損傷することはなく、し
かも耐摩擦性に優れた性能を同時に発揮できる摩擦材を
見いだし、本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とする処
は、強化・耐熱性繊維が、吸湿率が0.3〜1.0重量
%である脂肪族系ポリアミド繊維によって均一に編成被
覆され、前記強化・耐熱性繊維は一方向に直線状に配列
され、加熱加圧成形されている摩擦材を提供する点にあ
り、更に、脂肪族系ポリアミド繊維には5重量%以下の
カーボンブラックを含有していること、脂肪族系ポリア
ミド繊維はポリアミド610繊維、ポリアミド612繊
維、ポリアミド11繊維及びポリアミド12繊維から選
ばれた少なくとも1種であることをも特徴とする。
【0006】本発明において、強化・耐熱性繊維とは、
それ自身、耐熱性の高い繊維ではあるが、強度の点では
極めて劣っている。または更に他の物との複合によっ
て、より強度の高い製品にすることのできる繊維といえ
る。したがってこの強化・耐熱性繊維は他の物、例えば
合成樹脂との複合によって、顕著な効果を発現するもの
である。このような強化・耐熱性繊維であれば特に制限
されるものでなく、例えば炭素繊維、窒化ケイ素繊維等
の無機繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリイミド系繊維
等の有機繊維が例示できるがこれらに限定はされない。
また、これら繊維の断面形状、太さ等には特に制限はさ
れないが、太さについては単糸で通常は約0.4〜10
0デニール程度である。これを何本か交絡、合撚等によ
り集束して、糸条の形で編成に供することが好ましい。
【0007】吸湿率が0.3〜1.0重量%である脂肪
族系ホリアミド繊維について説明する。ここでいう吸湿
率とは、繊維化前の樹脂を厚さ3mm、直径60mmの
円盤に成形加工したものを試験片として、これを23
℃、相対湿度(RH)65%の環境に20時間放置した
場合の吸湿増量を、重量%で表したものである。本発明
では、特にこの吸湿率において、0.3〜1.0重量%
の範囲にある脂肪族系ポリアミド樹脂を繊維化したもの
である。この吸湿率の範囲にある脂肪族系ポリアミド繊
維の使用に限って、本発明の目的は達成されるので、極
めて重要な要件である。それは、0.3重量%より小さ
いと、摩擦材としての強靭性(耐久性)に欠け、1.0
%より大きいと使用環境(温度とか湿度等)に左右され
易く、摩耗量に変動が現れ、安定した摩耗機能を発現し
なくなるからであり、更に、高温、高湿での変化に極め
て大きく影響されるからである。
【0008】この脂肪族系ポリアミド繊維は、主として
脂肪族系有機基がアミド結合により高分子量を形成して
いるポリマーを繊維化しているが、この繊維の摩擦材の
機能としての作用は、加熱加圧成形されることにより強
化・耐熱性繊維を溶融接合し、より高い強度と耐摩耗性
の向上、さらには被摩擦体に対する損傷を与えない摩擦
材としての性状を発揮するものである。
【0009】脂肪族系ポリアミド繊維は、吸湿率が0.
3〜1.0重量%の範囲内にあれば制限はされない。例
えばヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との縮重合に
よるポリアミド610、ヘキサメチレンジアミンとドデ
カン二酸との縮重合によるポリアミド612、ω(オメ
ガ)−アミノウンデカン酸の縮重合によるポリアミド1
1及びラウロラクタムの開環重合によるポリアミド12
等を各々繊維化したものが例示できる。中でもポリアミ
ド11繊維又はポリアミド12繊維がより好ましい。
【0010】一般にポリアミドはアミド基の多い程耐熱
性も高く、強靱性にも優れているものである。その点で
はポリアミド6とか66の各繊維は優れているが、しか
し本発明に係る摩擦材では、意外なことに改良された実
用性のあるものは得られない。これらの繊維は吸湿率で
見ると1.5重量%位であることから水分の影響がアミ
ド基の影響以上に大きいことが予想される。
【0011】該脂肪族系ポリアミド繊維を均一に編成す
る場合は、一般的には何本かのフィラメントからなる撚
糸やその他の加工糸の形態が好ましいが、モノフィラメ
ントであっても良く、太さとしても約10〜1000デ
ニールが例示できるがこれらに限定されるものでない。
又、該脂肪族系ポリアミド繊維を2種以上混合して合撚
糸等加工糸としてもよい。
【0012】該肪族系ポリアミドの繊維化については特
に限定されず、通常の方法で溶融紡糸等を行う。断面形
状にも限定はない。また、脂肪族系ポリアミドに他の成
分を混合して、溶融紡糸をしてもよい。他の成分は、本
発明の効果をそこなわず、より改良されるものであれ
ば、種類とか、混合量については特に制限はされない
が、中でもカーボンブラックは好ましいものの1つとし
て例示できる。これは被摩擦体に対する摺動・摩擦特性
が改善され、その結果被摩擦体の損傷をより軽滅し、耐
久性を改善し、また摩擦係数の変動をおさえるのに有効
に働く場合があるからである。
【0013】このカーホンブラックを混合する場合に
は、該脂肪族系ポリアミドに対して、約5重量%以下、
好ましくは3重量%以下の量を混合することが必要であ
って、多いと改悪の傾向があるので好ましくない。この
カーボンブラックの種類には、特に制限はなく、一般に
使用されているもので充分である。
【0014】次に均一に編成することについて説明す
る。編成においての条件として、強化・耐熱性繊維は損
傷を受けることなく一方向に直線状に配列されているこ
とが重要であり、決してランダム配列してはならないこ
とである。そのために特に編成組織による編成が行われ
強化・耐熱性繊維が被服保持されなければならない。強
化・耐熱性繊維をチョップ化(短く切断する)して、こ
れを本発明の脂肪族系ポリアミドにブレンドするものは
勿論、織物とか不織布のような布状物であっても強化・
耐熱性繊維が直線状に配列されないので、本発明の効果
は大きく低下し、その目的は全く達成されない。
【0015】均一に編成する方法には、特に制限される
ものでないが、例えば多本数の強化・耐熱性繊維を所定
の太さの糸条とするため、これに前記脂肪族系ポリアミ
ド繊維の糸条をスパイラル状に巻きつけて一本の集束体
とし、この一本の集束体が一方向に直線状に配列される
ように、脂肪族系ポリアミド繊維糸条にて編成するフラ
イス変化編みとか、縦編み等の袋状編地の1レピートに
1本づつ編み込み編成する、ここで例示したフライス変
化編みとしてはミラノリブ変化編組織、モックミラノリ
ブ変化編組織等、また縦編みの構造は図2に示すが、こ
れらに限定されるものではない。
【0016】図1は、フライス変化編みで編成した袋状
編地により強化・耐熱性繊維を編成被覆した編成物の斜
視図である。吸湿率0.3〜1.0重量%の脂肪族系ポ
リアミド繊維であるポリアミド12繊維からなる糸条3
がスパイラル状に巻きつけられた強化・耐熱性繊維であ
る炭素繊維集束体2が、同ポリアミド12繊維からなる
糸条によって編成された袋状編地1の表地7と、裏地8
により均一に編成されている。
【0017】図2は、前記脂肪族系ポリアミド繊維糸条
5ど強化・耐熱性繊維の集束体4を使って、縦編みした
場合の編成物の斜視図である。つまり同集束体4は一方
向に直線状に配列された炭素繊維集束体で、脂肪族系ポ
リアミド繊維糸条5はポリアミド12繊維からなる糸条
で、前記炭素繊維集束体4にスパイラル状に巻きつけら
れている糸条6は、脂肪族系ポリアミド繊維であるポリ
アミド12繊維からなる糸条である。該強化・耐熱性繊
維と該脂肪族系ポリアミド繊維との編成組織は特に限定
はされないが、例示するならば体積比率で約50〜70
%対50〜30%である。
【0018】前記編成物が本発明の摩擦材として実用さ
れる場合には、その用途において、適宜その形状に成形
され、更に必要に応じて切削等の加工がなされる。成形
については、例えば前記編成物の1枚又は2枚以上を強
化・耐熱性繊維が一方向に配列するように重ねてプレス
板に狭持する。これをプレス成形機等にセットして必要
によっては真空又は不活性ガス雰囲気にして加熱加圧す
る。加熱は少なくとも該脂肪族系ポリアミド繊維の溶融
点以上の温度で行う。従って、加熱温度は異なるが約2
00〜400℃が例示できる。加熱時間も各々で異なる
が、約数10分前後で終了する。加熱と加圧は所定条件
で一挙に行ってもよいが、むしろ多段的に徐々に行う方
が望ましい。以上は板状での成形例であるが他の形状で
の成形についても夫々に応じてその条件下で成形可能で
ある。
【0019】本発明に係る摩擦材は、物と物との摩擦部
分への利円において顕著な効果をもたらすが、例えばそ
の具体的な用途として、超音波モーターの摺動部に採用
した場合に卓越した効果を発現する。この摺動部の被摩
擦体は多くの場合ステンレス鋼である。また、耐摩耗性
の高い摺動材としても活用可能である。
【0020】
【作用】本発明に係る摩擦材は、特に吸湿率が0.3〜
1.0重量%の脂肪族系ポリアミド繊維によって、強化
・耐熱性繊維を均一に編成被覆せしめ、かつ編成に際し
て、強化・耐熱性繊維が一方向に直線状に配列された状
態にある編成物が加熱加圧成形されていることで、被摩
擦体への損傷を解消するという大きな作用効果をもたら
すと其に摩耗量についても格段に減少するものである。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例により、更に詳しく説
明する。強化・耐熱性繊維を一方向に直線状に配列せし
めるために編成される前記脂肪族系ポリアミド繊維とし
て、次の糸条(A)、(B)及び(C)を作成した。糸
条(A)は、吸湿率0.5重量%のポリアミド12を溶
融紡糸して、太さ10デニールの繊維を得た。これを3
2本集束し、320デニールの糸条とする。糸条(B)
は、前記糸条(A)に用いたポリアミド12に対して、
1重量%のカーボンブラック(ライオン(株)製のケッ
チンブラック)を混合したカーボンブラック混合のポリ
アミド12を溶融紡糸して太さ10デニールの繊維を得
た。これを32本集束して、太さ320デニールの糸条
とする。糸条(C)は、吸湿率0.8重量%のポリアミ
ド610を溶融紡糸して太さ10デニールの繊維を得
た。これを32本集束して、太さ320デニールの糸条
とする。
【0022】一方、強化・耐熱性繊維として、ポリアク
リルニトリル繊維の焼成によって製造された太さ0.6
デニールの炭素繊維を使って、次の集束体(D)、
(E)及び(F)を作製した。集束体(D)は、前記炭
素繊維3000本に、糸条(A)のポリアミド12繊維
糸条をスパイラル状に巻き付け、太さ2200デニール
の集束した糸条とする。集束体(E)は、前記炭素繊維
3000本に、糸条(B)のカーボンブラック混合のポ
リアミド12繊維糸条をスパイラル状に巻き付けて、太
さ2200デニールの集束した糸条とする。集束体
(F)は、前記炭素繊維3000本に、糸条(C)のポ
リアミド610繊維糸条をスパイラル状に巻き付けて、
太さ2200デニールの集束した糸条とする。
【0023】次に、前記糸条(A)と集束体(D)、糸
条(B)と集束体(E)及び糸条(C)と集束体(F)
との各々の組み合わせを用いてフライス変化編みを行っ
た。炭素繊維の各集束体は、各ポリアミド繊維糸条で均
一に炭素繊維の飛び出しも無く編成被覆され、一方向に
直線状に配列した編成物とされ、柔軟な厚い布といった
感じで、カット等の加工も容易であった。尚、ここでの
各ポリアミド繊維糸条と各集束体との組み合わせにおけ
る両者の各編成物での体積比率は各々42%対58%で
あった。
【0024】次に、前記各編成物を円いて、板状に成形
して摩擦材とし、耐摩耗性と被摩擦体に対する耐損傷性
についてテストした。まず、次の板状の成形体(G)、
(H)、(I)の各々を成形した。成形体(G)は、糸
条(A)と集束体(D)の組み合わせの編成物を200
×200mmにカットして、これの3枚を集束体(D)
がすべて同一方向に直線状に配列しているように重ね合
わせた。これを金型に入れ、真空装置付きの平圧プレス
機にセットして、240℃、30kg/cmで15分
間加熱、加圧した後冷却し板状の成形体を得た。成形体
(G)の吸湿率は0.3〜0.5%である。成形体
(H)は、糸条(B)と集束体(E)の組み合わせの編
成物を成形体(G)と同様の条件で成形して、板状の成
形体を得た。成形体(H)の吸湿率は0.3〜0.8%
である。成形体(I)は、糸条(C)と集束体(F)の
組み合わせの編成物を200×200mmにカットし
て、これの3枚を集束体(F)がすべて同一方向に直線
状に配列しているように重ね合わせた。これを金型に入
れ、真空装置付きの平圧プレス機にセットして、285
℃、30kg/cmで15分間加熱、加圧した後、冷
却して板状の成形体を得た。
【0025】次に成形体(G)、(H)、(I)の板状
体を摩耗輪によって、耐摩耗性をテストした。テスト方
法は、JIS(日本工業規格)−K7204に記載の摩
耗輸によるブラスチックスの摩耗試験法によるもので摩
耗量をmgで示す。一方、被摩擦体の損傷試験は次の方
法で行った。被摩擦体としてステンレス鋼の平滑な板を
用いこれを固定した。このステレス綱の板面に各成形体
(G)、(H)、(I)の板状物の各々を圧接して回転
させた。加圧は40kg/cmで行い、100回/分
で24時間摩擦した(室温60℃、相対湿度95%)。
ステンレス鋼の板面の傷の状態を肉眼観察するど共に、
その状態を◎○△×で評価した。以上の結果を表1にま
とめた。
【0026】
【表1】
【0027】
【比較例】次の編成物(J)と(K)と、シート(L)
を作製した。編成物(J)は、吸湿率1.25重量%の
ポリアミド66を溶融紡糸して、太さ10デニールの繊
維を得、これを32本集束して320デニールの糸条を
作製し、一方、前記炭素繊維3000本に、前記ポリア
ミド66繊維糸条をスパイラル状に巻き付けて太さ22
00デニールの集束体とし、次に、前記ポリアミド66
繊維糸条と前記炭素繊維糸条の集束体とにより、前記実
施例1と同様にフライス変化編みを行い編成物とした。
編成物(K)は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂を溶
融紡糸して、太さ10デニールの繊維を得、これを32
本集束して320デニールの糸条を作製し、一方、前記
炭素繊維3000本に、前記ポリエーテルエーテルケト
ン繊維糸条をスパイラル状に巻き付けて、太さ2200
デニールの集束体とし、次に、前記ポリエーテルエーテ
ルケトン繊維糸条と前記炭素繊維糸条の集束体とによ
り、前記実施例1と同様にフライス変化編みを行い編成
物とした。シート(L)は、一方向に直線状に配列した
前記炭素繊維糸条の集束体に、未硬化のエポキシ樹脂を
含漫させてシートとした。尚、以上の編成物(J)、編
成物(K)、シート(L)における、炭素繊維と各繊維
糸条または樹脂の使用体積比率は58%対42%であっ
た。
【0028】次に、前記編成物(J)、編成物(K)、
シート(L)の各々について、実施例と同じく次の板状
の成形体(M)、(N)、(O)を成形した。成形体
(M)は、編成物(J)を200×200mmに切断し
たもの3枚を準備し、これを炭素繊維糸条の集束体が同
一方向を向くように重ね合わせて金型に入れ、真空装置
付きプレス成形機にセットした。そこで290℃、30
kg/cmで10分間加熱加圧した後冷却し、板状の
成形体とした。成形体(M)の吸湿率は0.8〜1.1
%である。成形体(N)は、編成物(K)を200×2
00mmに切断したもの3枚を準備し、これを炭素繊維
糸条の集束体が同一方向を向くように重ね合わせて金型
に入れ、真空装置付きプレス成形機にセットした。そし
て390℃、30kg/cmで10分間加熱加圧した
後冷却し、板状の成形体とした。成形体(N)の吸湿率
は0.3〜0.5%である。成形体(O)は、シート
(L)を200×200mmに切断したもの6枚を炭素
繊維が一方向に並ぶように重ね合わせて金型にいれて、
真空装置付きプレス成形機にセットした。そして、12
0℃、30kg/cmで60分間加熱加圧した後冷却
し、板状の成形体とした。成形体(O)の吸湿率は0.
5〜0.7%である
【0029】以上のようにして得られた板状の成形体
(M)、(N)、(O)について、前記実施例1と同様
にして摩擦材の耐摩耗性と被摩擦体に対する耐損傷性に
ついてテストした。結果を表2に示す。表2を表1と比
較して、明らかなように、本発明に係る摩擦材では耐摩
耗性と耐損傷性の両方に優れていることが容易に理解で
きる。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る摩擦材は次のような顕著な効果をもたらす。それ
自身極めて耐摩耗性に優れ、使用環境(温度、湿度)に
よる耐摩耗性への影響も小さく、かつ被摩擦体を損傷さ
せることが極めて軽微であり、更には、成形性、切削等
の加工性も良好であり、全体としてバランスのとれた摩
擦材とし優れた性能を有している。このような特性は、
特に超音波モーターの摺動部材として、卓越した性能と
して評価されるが、その用途は更に拡大されることが期
待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる編成の1態様のフライス変化編
みの斜視図である。
【図2】本発明にかかる編成の1態様の縦編みの斜視図
である。
【符号の説明】
1・・・脂肪族系ポリアミド繊維糸条 2・・・炭素繊維糸条 3・・・脂肪族系ポリアミド繊維糸条でのスパイラル巻
き 4・・・炭素繊維糸条 5・・・脂肪族系ポリアミド繊維糸条 6・・・脂肪族系ポリアミド繊維糸条でのスパイラル巻
き 7・・・表地 8・・・裏地
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C09K 3/14 520 C09K 3/14 520M 530 530H (C10M 111/04 103:02 107:44) C10N 20:06 40:02 50:08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強化・耐熱性繊維が、吸湿率が0.3〜
    1.0重量%である脂肪族系ポリアミド繊維によって均
    一に編成被覆され、前記強化・耐熱性繊維は一方向に直
    線状に配列され、加熱加圧成形されていることを特徴と
    する摩擦材。
  2. 【請求項2】前記脂肪族系ポリアミド繊維が5重量%以
    下のカーボンブラックを含有している請求項1に記載の
    摩擦材。
  3. 【請求項3】 前記脂肪族系ポリアミド繊維がポリアミ
    ド610繊維、ポリアミド612繊維、ポリアミド11
    繊維及びポリアミド12繊維から選ばれた少なくとも1
    種である請求項1または請求項2記載の摩擦材。
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