JP2660580B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2660580B2
JP2660580B2 JP1194528A JP19452889A JP2660580B2 JP 2660580 B2 JP2660580 B2 JP 2660580B2 JP 1194528 A JP1194528 A JP 1194528A JP 19452889 A JP19452889 A JP 19452889A JP 2660580 B2 JP2660580 B2 JP 2660580B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、非磁性支持体と磁性層からなる磁気記録媒
体に関し、更に詳しくはポリエチレンテレフタレート
(P.E.T)とポリエチレン−2,6ナフタレンジカルボキシ
レート(PEN)よりなる二軸延伸複合フイルムを非磁性
支持体とする磁気記録媒体に関する。
〔従来の技術〕
従来から、ポリエチレンテレフタレートよりなる二軸
延伸フイルムは、表面平担性や機械特性が良好で、かつ
磁気記録媒体にしたときの耐摩耗性、走行性に優れるこ
とから、磁気記録媒体の支持体(以下ベースともいう)
として多用されている。そして近年ポリエステルを支持
体としたビデオテープの分野において、高密度記録化、
長時間記録化の要求が高まり、これに伴なつて支持体は
平滑でかつ滑り性に優れ、かつ薄手高強度で走行耐久性
に優れたものの要求が強くなつている。
この問題を解決する手段として、磁気テープ製造者達
は縦方向横方向共に高強度化されたPET支持体を使用し
ているが、薄手化に伴つて強度的に不足し、テープ走行
系においてテープエツヂの変形や損傷を生じて記録、再
生の特性を著しく損なつてしまう。
また薄手で高強度化する手段として、特開昭62−2342
33に記載されるようなポリアラミドを用いる技術やEP−
229346Aに記載されているようなPENを用いた技術があ
る、これらのベースは、これらの素材の強い面内配向性
によつて高強度が達成されている、一方この強い面内配
向性のために引裂伝幡抵抗が著しく低い。そのため磁気
記録材料の塗布、カレンダー、スリツトの工程での切断
故障が多く大幅な歩留り低下となる。またテープ化され
た後でも走行系でトラブルがあつてテープに少しでも傷
がつくと極めて容易に切断してしまい製品品質上の大き
な問題となる。また特開昭63−197643や特開昭63−2125
49に記載されているような複合ポリエステルを用いた技
術があるが、これらも適切な積層比を選択しないと上記
同様に強い面内配向性のために引裂伝幡抵抗の著しい低
下や強度不足を生じて磁気記録材料の塗布、カレンダ
ー、スリツトの工程での切断故障が多く大幅な歩留り低
下やテープ走行系においてテープエツヂの変形や損傷を
生じて記録、再生の特性を著しく損なつてしまう。
すなわち特開昭63−197643には芯層が二軸配向ポリエ
チレンテレフタレートフイルム、両外層が二軸配向ポリ
エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートフイル
ムよりなる三層複合フイルムであつて、両外層の厚みが
フイルム全厚みの1/40〜1/5であることを特徴とする複
合ポリエステルフイルムが提案されている。
これはこのような構成とすることによつてドロツプア
ウトの原因となるオリゴマーの結晶が析出するのを防止
する試みである。しかしながら通常のバランスタイプで
このような構成では長手方向(縦方向)、巾方向(横方
向)の強度が不足し、エツジ変形が生じ大巾に出力低下
するという問題があつた。
又PENは極めて強度の高い材料として知られているが
横方向(巾方向)の引裂き強度が小さく、実用するレベ
ルにはなかつた。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、電磁変換特性を損なう事なく、テー
プ走行系においてテープエツジの変形や損傷を生じない
走行耐久性を有し、また生産工程において切断等のない
工程適正を向上させた長時間記録用の薄手高強度磁気記
録媒体を提供することにある。
〔発明の構成〕
すなわち、本発明の上記目的は、非磁性支持体の一面
に磁性層を設けた磁気記録媒体において、前記非磁性支
持体が二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムと
二軸配向ポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ートを積層してなる二層又は三層構成の積層複合フイル
ムであり、二層の場合は磁性層に接する層がポリエチレ
ン2,6−ナフタレンジカルボキシレートフイルムであっ
て、その層の厚みが前記積層複合フイルムの全厚みの2/
10〜3/10であり、三層の場合は両外層がポリエチレン2,
6−ナフタレンジカルボキシレートフイルムであって、
その両外層の厚みの和が前記積層複合フイルムの全厚み
の1/5〜3/5であり、かつ前記積層フイルムの全厚みが5
〜12μで、縦方向及び横方向のヤング率がそれぞれ690k
g/mm2以上である高強度積層複合フイルムであることを
特徴とする磁気記録媒体によって達成できる。
すなわち本発明はポリエチレンテレフタレートフイル
ム(PET)の高強度化に限界がある点、及び強度の高い
ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートフ
イルム(PEN)が引裂き強度が極めて不足する点を解決
するため、一定の比率で合せたこれら両者の複合フイル
ムを更に延伸により縦方向及び横方向のヤング率をそれ
ぞれ690kg/mm2以上とすることにより顕著にテープエツ
ジ変形、出力低下、引裂け性が改良されたものである。
この理由は以下のように考えられる。
PETは工程での温度条件によりオリゴマーの析出が多
いのに対し、PENはオリゴマーの析出が著しく少い。こ
のため磁性層をPEN側に接する事により、析出オリゴマ
ーによるドロツプアウトがなくなる。
本発明におけるポリエチレンテレフタレート(PET)
は、ポリエチレンテレフタレートホモポリマーをはじ
め、エチレンテレフタレート繰返し単位を70重量%以上
含む共重合体、これらと多種ポリマーの混合体(但し、
PET成分が70重量%以上を占める)の如く本質的にPETの
性質を失わないポリエステル組成物等を包含する。この
PETはフイルム形成能を有するポリマーである。
また、本発明におけるポリエチレン−2,6−ナフタレ
ンジカルボキシレート(PEN)は、ポリエチレン−2,6−
ナフタレンジカルボキシレートホモポリマーをはじめ、
エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート繰返し
単位を70重量%以上含む共重合体、これらと多種ポリマ
ーの混合体(但し、PEN成分が70重量%以上を占める)
の如く本質的にPENの性質を失わないポリエステル組成
物等を包含する。このPENはフイルム形成能を有するポ
リマーである。
本発明における複合ポリエステルフイルムは、例えば
PEN/PETの二層構造又はPEN/PET/PENの三層構造からなる
未延伸複合フイルムを二軸配向させることによつて製造
することができる。この未延伸複合フイルムは公知の複
合法で製造することができる。例えば別々の押出機でPE
T,PENをそれぞれ溶融し、押出ダイ内で複合させて製造
するのが一般的であるが、フイードブロツクダイ,スタ
ツクプレートダイ等を用いて複合させることもできる。
二軸配向法は逐次二軸延伸法でもよく、また同時二軸延
伸法でも良いが、前者が好ましい。二軸配向は、例えば
逐次二軸延伸法では、PENのガラス転移温度(Tg)より
も高い温度、好ましくは(Tg+3)〜(Tg+10)℃で1
段目の延伸を行い、次いで1段目の延伸温度と同じ乃至
10℃高い温度の範囲で2段目の延伸を行う。延伸倍率は
少くとも一軸方向で2倍以上、更には2.5倍以上とし、
面積倍率で6倍以上、更には8倍以上とするのが好まし
い。熱処理(ヒートセツト)は170℃以上、更には190℃
以上の温度で緊張下に行うのが好ましい。熱処理温度の
上限は処理時間にもよるが、フイルムが安定した形状を
とる温度であることは云うまでもない。熱処理時間は数
秒〜数十秒間、更には3秒〜30秒間が好ましい。その後
さらにTg(Tgはガラス転移温度)+10〜Tm(Tmは溶融温
度)−40℃の条件下で縦方向に1.05〜2.5倍、横方向に
1.05〜2.5倍の逐次延伸を行い、再熱処理はTg+50゜〜T
m−10℃の温度で行うのが好ましい。
このようにして本発明の縦方向、横方向のヤング率が
それぞれ690kg/mm2以上という高強度のポリエステルフ
イルムを製造することができる。
本発明の複合ポリエステルフイルムは二軸配向後の厚
みの構成で2層の場合は磁性層側の層の厚みをフイルム
全厚の2/10〜3/10、三層の場合、両外層の厚みの和を、
フイルム全厚1/5〜3/5とする。両外層の厚みの比が二層
で2/10、三層で1/5以下になると、ベースの強度が不足
してエツジ折れが発生する、また、両外層の厚みの比が
二層で3/10、三層で3/5以上になるとPENフイルムの機械
特性の影響が過大となり、引裂性が悪化するので好まし
くない。
本発明においては、複合ポリエステルフイルムの滑り
性を改善するために、ポリエステル特にPENに、無機や
有機の不活性微粒子、有機高分子不活性微粒子等の滑剤
を含有させることができる。
無機不活性微粒子としては、例えばMgO,ZnO,MgCO3,Ca
CO3,CaSO4,BaSO4,Al2O3,SiO2,TiO2,C等が挙げられ、代
表例としてシリカ、酸化チタン、アルミナ等が挙げられ
る。有機不活性微粒子としては、ソルビタン、サイロイ
ドやカタロイド等が挙げられ、有機高分子不活性微粒子
としては、テトラフルオロエチレンやポリエチレンの微
粒子が挙げられる。
これらの滑剤を添加含有させることによつて複合ポリ
エステルフイルムの表面形状を制御でき、たとえば塗布
型の磁気記録媒体に用いる場合には中心線平均表面粗さ
0.007μm乃至0.03μmとし、また、金属薄膜型の磁気
記録媒体、特に垂直磁気記録媒体に用いる場合には0.00
7μm以下とするようにするのが良い。カツトオフ値は
0.25mmである。
本発明に使用される強磁性粉末としては、Co−含有γ
−酸化鉄粉末が用いられ、強磁性粉末の特性としては、
保磁力Hcが850Oe〜1200Oe、結晶子サイズとしては200〜
400Åで、Co量が10%以下で、Fe++/Fe+++比が10%以下
であり、好ましくは、強磁性粉末の特性としては、保持
力Hc850〜1000Oe、結晶子サイズとしては200〜300Å、C
o量が4〜7%、Fe++/Fe+++の比が5〜9%である。こ
れらの強磁性粉末の表面に後で述べる分散剤、潤滑剤、
帯電防止剤等をそれぞれの目的の為に分散に先だつて溶
剤中で含浸させて、吸着させてもよい。
本発明に使用されるバインダーとしては従来公知の熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合
物が使用される。
熱可塑性樹脂としては軟化温度が150℃以下、平均分
子量が10,000〜300,000、重合度が約50〜1,000程度のも
ので、例えば塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルアクリロニトリ
ル共重合体、アクリル酸エステルアクリロニトリル共重
合体、アクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、ア
クリル酸エステルスチレン共重合体、メタクリル酸エス
テルアクリロニトリル共重合体、メタクリル酸エステル
塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステルスチレ
ン共重合体、ウレタンエラストマー、ナイロン−シリコ
ン系樹脂、ニトロセルロース−ポリアミド樹脂、ポリフ
ツカビニル、塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合
体、ブタジエンアクリロニトリル共重合体、ポリアミド
樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セル
ロースアセテートブチレート、セルロースダイアセテー
ト、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネ
ート、ニトロセルロース等)、スチレンブタジエン共重
合体、ポリエステル樹脂、クロロビニルエーテルアクリ
ル酸エステル共重合体、アミノ樹脂、各種の合成ゴム系
の熱可塑性樹脂及びこれらの混合物等が使用される。
さらに熱可塑性樹脂として好ましいものとして側鎖に
下記の一般式 −SO3M,−OSO2M,−OSO3M,−COOM,および (式中、MはH,Li,NaまたはKを表わす) で表わされる極性基からなる群から選ばれた極性基を有
する樹脂、特に塩化ビニル系共重合体を使用するとその
効果が顕著に現われる。
熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては塗布液の状態で
は200,000以下の分子量であり、塗布、乾燥後に加熱す
ることにより、縮合、付加等の反応により分子量は無限
大のものとなる。又、これらの樹脂のなかで、樹脂が熱
分解するまでの間に酸化又は溶融しないものが好まし
い。具体的には例えばフエノール樹脂、エポキシ樹脂、
ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ア
ルキツド樹脂、シリコン樹脂、アクリル系反応樹脂、エ
ポキシ−ポリアミド樹脂、ニトロセルロースメラミン樹
脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポ
リマーの混合物、メタクリル酸塩共重合体とジイソシア
ネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオール
とポリイソシアネートとの混合物、尿素ホルムアルデヒ
ド樹脂、低分子量グリコール/高分子量ジオール/トリ
フエニルメタントリイソシアネートの混合物、ポリアミ
ン樹脂及びこれらの混合物等である。
これらの結合剤の単独又は組合わされたものが使わ
れ、ほかに添加剤が加えられる。強磁性微粉末と結合剤
との混合割合は重量比で強磁性微粉末100重量部に対し
て結合剤5〜300重量部の範囲で使用される。
添加剤は分散剤、潤滑剤、研磨剤等が加えられる。
本発明に用いるポリイソシアネートとしては、トリレ
ンジイソシアネート、4,4′−ジフエニルメタンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシア
ネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、トリフエニルメタントリイソシアネ
ート等のイソシアネート類、又当該イソシアネート類と
ポリアルコールとの生成物、又イソシアネート類の縮合
に依つて生成したポリイソシアネート等を使用すること
ができる。これらポリイソシアネート類の市販されてい
る商品名としては、コロネートL、コロネートHL、コロ
ネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオ
ネートMTL(日本ポリウレタン(株)製)、タケネート
D−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タ
ケネートD−202(武田薬品(株)製)、デスモジユー
ルL、デスモジユールIL、デスモジユールN、デスモジ
ユールHL(住友バイエル社製)等があり、これらを単独
若しくは硬化反応性の差を利用して二つ若しくはそれ以
上の組み合わせによつて使用することができる。
本発明に使用する分散剤としては、カプリル酸、カプ
リン酸、ウラリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、
リノレン酸、ステアロール酸等の炭素数10〜22個の脂肪
酸(R1COOH,R1は炭素数9〜21個のアルキル基)、前記
の脂肪酸のアルカリ金属(Li,Na,K等)またはアルカリ
土類金属(Mg,Ca,Ba等),Cu,Pd等から成る金属石鹸;レ
シチン等が使用される。この他に炭素数10以上の高級ア
ルコール、及びこれらの硫酸エステル、燐酸エステル等
も使用可能である。これらの分散剤は結合剤100重量部
に対して0.05〜20重量部の範囲で添加される。これら分
散剤の使用方法は、強磁性微粉末や非磁性微粉末の表面
に予め披着させても良く、また分散途中で添加してもよ
い。このようなものは、例えば特公昭39−28369号、特
公昭44−17945号、特公昭48−15001号、米国特許338799
3号、同3470021号等に於いて示されている。
本発明に使用される潤滑剤としては、シリコンオイ
ル、グラフアイト、二硫化モリブデン、チツカ硼素、フ
ツカ黒鉛、フツ素アルコール、ポリオレフイン(ポリエ
チレンヴツクス等)、ポリグリコール(ポリエチレンオ
キシドワツクス等)、アルキル燐酸エステル、ポリフエ
ニルエーテル、二流化タングステン、炭素数10〜20の一
塩基性脂肪酸と炭素数3〜12個の一価のアルコールもし
くは二価のアルコール、三価のアルコール、四価のアル
コール、六価のアルコールのいずれか1つもしくは2つ
以上とから成る脂肪酸エステル類、炭素数10個以上の一
塩基性脂肪酸と該脂肪酸の炭素数と合計して炭素数が11
〜28個と成る一価〜六価のアルコールから成る脂肪酸エ
ステル類等が使用できる。又、炭素数8〜22の脂肪酸或
いは脂肪酸アミド、脂肪族アルコールも使用できる、こ
れら有機化合物潤滑剤の具体的な例としては、カプリル
酸ブチル、カプリル酸オクチル、ラウリン酸エチル、ラ
ウリン酸ブチル、ラウリン酸オクチル、ミリスチン酸エ
チル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸オクチル、パ
ルミチン酸エチル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸
オクチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、
ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、アンヒド
ロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタン
ジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレー
ト、アンヒドロソルビタンテトラステアレート、オレイ
ルアルコール、ラウリルアルコール等がある。また本発
明に使用される潤滑剤としては所謂潤滑油添加剤も単独
で使用出来、酸化防止剤(アルキルフエノール等)、錆
どめ剤(ナフテン酸、アルケニルコハク酸、ジラウリル
フオスフエード等)、油性剤(ナタネ油、ラウリルアル
コール等)、極圧剤(ジベンジルスルフイド、トリクレ
ジルフオスフエート、トリブチルホスフアイト等)、清
浄分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、泡どめ剤等
がある。これらの潤滑剤は結合剤100重量部に対して0.0
5〜20重量部の範囲で添加される。
本発明に用いる帯電防止剤としてはグラフアイト、カ
ーボンブラツク、カーボンブラツクグラフトポリマー等
の導電性粉末;サポニン等の天然界面活性剤;アルキレ
ンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、多価
アルコール、多価アルコールエステル、アルキルフエノ
ールEO付加体等のノニオン界面活性剤;高級アルキルア
ミン類、環状アミン、ヒダントイン誘導体、アミドアミ
ン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ピリジ
ンそのほかの複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウ
ム類、等のカチオン界面活性剤;カルボン酸、スルホン
酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基などの酸性
基を含むアニオン界面活性剤;アミノ酸類;アミノスル
ホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル
類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤等が使用さ
れる。
これらの界面活性剤は単独又は混合して添加しても良
い。これらは帯電防止剤として用いられるものである
が、時としてそのほかの目的、例えば分散、磁気特性の
改良、潤滑性の改良、塗布助剤として適用される場合も
ある。
本発明に使用されるカーボンブラツクはゴム用フアー
ネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラツク、アセチレン
ブラツク等を用いる事ができる。これらカーボンブラツ
クの米国における略称の具体例をしめすとSAF,ISAF,IIS
AF,T,HAF,SPF,FF,FEF,HMF,GPF,APF,SRF,MPF,ECF,SCF,C
F,FT,MT,HCC,HCF,MCF,LFF,RCF等があり、米国のASTM規
格のD−1765−82aに分類されているものを使用するこ
とができる。本発明に使用されるこれらカーボンブラツ
クの平均粒子サイズは10〜1000ミリミクロン(電子顕微
鏡)、窒素吸着法比表面積は1〜800m2/g、pHは6〜11
(JIS規格K−6221−1982法)、DBP吸油量は10〜400ml/
100g(JIS規格K−6221−1982法)である。本発明に使
用されるカーボンブラツクのサイズは、塗布膜の表面電
気抵抗を下げる目的で10〜100ミリミクロンのカーボン
ブラツクを、また塗布膜の強度を制御するときに50〜10
00ミリミクロンのカーボンブラツクをもちいる。また塗
布膜の表面粗さを制御する目的でスペーシングロス減少
のための平滑化のためにより微粒子のカーボンブラツク
(100ミリミクロン以下)を、粗面化して摩擦係数を下
げる目的で粗粒子のカーボンブラツク(50ミリミクロン
以上)をもちいる。このようにカーボンブラツクの種類
と添加量は磁気記録媒体に要求される目的に応じて使い
分けられる。また、これらのカーボンブラツクを、後述
の分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して
使用してもよい。また、カーボンブラツクを製造すると
きの炉の温度を2000℃以上で処理して表面の一部をグラ
フアイト化したものも使用できる。また、特殊なカーボ
ンブラツクとして中空カーボンブラツクを使用すること
もできる。これらのカーボンブラツクは磁性層の場合強
磁性微粉末100重量部に対して0.1〜20重量部で用いるこ
とが望ましい。本発明に使用出来るカーボンブラツクは
例えば「カーボンブラツク便覧」,カーボンブラツク協
会編(昭和46年発行)を参考にすることが出来る。
本発明の分散、混練、塗布の際に使用する有機溶媒と
しては、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロ
ン、テトラヒドロフラン等のケトン系;メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアル
コール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサ
ノールなどのアルコール系;酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸
エチル、酢酸グリコール、モノエチルエーテル等のエス
テル系;エーテル、グリコールジメチルエーテル、グリ
コールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコー
ルエーテル系;ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾ
ール、クロルベンゼン、スチレンなどのタール系(芳香
族炭化水素);メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリ
ン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素、N,N−ジメ
チルホルムアルデヒド、ヘキサン等のものが使用でき
る。
混練の方法には特に制限はなく、また各成分の添加順
序などは適宜設定することができる。磁性塗料の調製に
は通常の混練機、例えば、二本ロールミル、三本ロール
ミル、ボールミル、ペブルミル、トロンミル、サンドグ
ラインダー、Szegvariアトライター、高速インペラー、
分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、デイスパ
ー、ニーダー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニ
ーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、フレンダ
ー、デイスパーサー、ホモジナイザー、単軸スクリユー
押し出し機、二軸スクリユー押し出し機、及び超音波分
散機などを用いることができる。混練分散に関する技術
の詳細は、T.C.PATTON著“Paint Flow and Pigment Dis
persion"(1964年John Wiley & Sons社発行)や田中信
一著「工業材料」25巻37(1977)などに記載されてい
る。また、米国特許第2581414号及び同第2855156号など
の明細書にも記載がある。本発明においても上記の文献
などに記載された方法に準じて混練分散を行い磁性塗料
を調製することができる。
磁気記録層の形成は上記の組成などを任意に組合せて
有機溶媒に溶解し、塗布溶液として支持体上に塗布・乾
燥する。テープとして使用する場合には支持体の厚み2.
5〜100ミクロン程度、好ましくは3〜70ミクロン程度が
良い。
これらの支持体は塗布に先立つて、コロナ放電処理、
プラズマ処理、下塗処理、熱処理、除塵埃処理、金属蒸
着処理、アルカリ処理をおこなつてもよい。
支持体上へ前記の磁性層を塗布する方法としてはエア
ードクターコート、ブレードコート、エアナイフコー
ト、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコー
ト、トランスフアーロールコート、グラビヤコート、キ
スコート、キヤストコート、スプレイコート等が利用出
来、その他の方法も可能であり、これらの具体的説明は
朝倉書店発行の「コーテイング工学」253頁〜277頁(昭
和46.3.20.発行)に詳細に記載されている。
このような方法により、支持体上に塗布された磁性層
は必要により層中の強磁性粉末を直ちに乾燥しながら配
向させる処理を施したのち、形成した磁性層を乾燥す
る。このときの支持体の搬送速度は、10m/分〜500m/分
でおこなわれ、乾燥温度が20℃〜120℃で制御される。
又必要によりカレンダー処理等の表面平滑化加工を施し
たり、所望の形状に裁断したりして、本発明の磁気記録
体を製造する。
〔発明の効果〕
本発明によれば次のような効果が得られる。
磁気記録媒体において、極めて薄い非磁性支持体を用
いる場合に際して、フイルムを積層することにより、PE
Nの強度の強さを反映して積層フイルムの強度が向上
し、ビデオデツキ走行時の上下規制ガイドの接触に対
し、曲げ弾性が強くなるためにテープのエツジ損傷を防
ぐことができる。特にこの損傷に対しては横方向ヤング
率が690kg/mm以上ある事が必要で、本発明のベースで対
応が出来る。
又フイルムを積層することによりベースの強度(ヤン
グ率)が向上し、剛性が増すため、ヘツドでの浮き上り
が小さくなり出力の低下を抑える事が出来る。
更に走行時や工程でのベース切断に対して、PETは引
裂けにくいが、PENは引裂け易い特徴がある。この積層
フイルムでは、PENの引裂け易さを、PETでカバーし、PE
Tの強度不足をPENでカバーする様な積層比率にする事
で、走行時や工程での切断をなくし、市場のクレームや
工程での生産性低下を防ぐことが出来る。
〔実施例〕
以下実施例を挙げて更に具体的に説明する。なお、実
施例中「部」との表示は「重量部」を表わす。
(実施例1) 第1表に示すベース強度の異なるフイルムは以下のよ
うにして作成した。未延伸複合フイルムは別々の押出機
でPETとPENそれぞれ溶融し、押出ダイ内で複合させて製
造するが、各厚味のコントロールはそれぞれの押出機の
回転数を制御する事により達成できる。この様にして得
られた未延伸複合フイルムをニツプロールの周速差を利
用して95℃で3.5倍に延伸后、次にテンター内で110℃で
横方向に3,5倍延伸した。これをテンター内に於いて180
℃で緊張熱固定し、更にロール方式によつて135℃で1.5
倍再縦延伸し、テンター内で150℃1.6倍再横延伸して、
最後に200℃で緊張下で再熱固定を施し、最終厚みを10
μとした。
例12は特開昭63−197643の実施例1と同様な方法で複
合フイルムを作成した。
下記に示す組成の磁性塗料を調整して、実施例の様に
強度の異る厚さ10μのベースフイルム上に塗布しカレン
ダー処理後、スリツトして1/2″ビデオテープNo.1〜No.
11を得た。
<磁性塗料> (重量) 強磁性粉末(SBET40m2/g、 Hc=880、針状比=8 300部 リン酸基含有塩化ビニル共重合体 30部 ポリウレタン樹脂 20部 ポリイソシアネート 10部 カーボンブラツク 8部 研磨剤(α−Al2O3) 5部 レシチン 3部 ラウリン酸 3部 オレイン酸 3部 酢酸ブチル 100部 メチルエチルケトン 150部 この様にして得られた磁気テープは保磁力(Hc)約95
0Oe飽和磁束密度(Bm)1850Gaussであつた。
得られたテープについての評価は次の様に実施した。
(1) 複合フイルム強度(ヤング率) フイルムを試料巾12.7mm長さ150mmに切り、チヤツク
間100mmにして、引張速度60mm/分にてインストロンタイ
プの万能引張試験装置にて引張り、得られた荷重−伸び
曲線の立上り部の接線よりヤング率を求めた。
(2) テープエツジ変形 試料テープをVHS用カセツトに組み込み後、VTRデツキ
にてローデイングさせ1パス後のテープエツジの変形を
目視判定した。判定の基準は全く変形のないものから、
弱い変形があるが、折れていないものを○とし、折れて
しまつたもの、エツジが伸び変形したものは×とした。
更に変形の激しいものを××とした。
(3) 出力低下 ビデオデツキにて、富士フイルム(株)製のスーパー
XG−T−120を2時間のヘツド慣し走行をさせた後、該
当のテープを走行させ、オシロスコープにて出力波形
(エンベローブ)を記録し、その最大値に対する入口,
出口の低下分をdB表示したものである。
計算式は、出力低下(dB)=20logB/A A:出力max B:出力min (4) 引裂き強度 ASTMD1922に従い、エルメンドルフ型引裂試験機を用
いて評価した。サンプルは63mm×40mmに切り出し20mmの
切込みを入れた后、当試験機により引裂強度を測定し
た。
(5) 引き裂き性 これは官能検査で行い、巾20mmのテープ状のサンプル
を手で切断した時に容易に切断できるものを×、容易に
切断できないものを○とした。
例3〜5、例9〜10が本発明の範囲内の磁気テープで
あるが、表に示す様にテープエツジ変形、出力低下−2d
B以上でかつ、引裂け性を満足したものが得られてい
る。これに対して例1、2、8は、引裂け性は充分に得
られているが、複合フイルム強度不足のため、テープエ
ツジ変形や出力低下が劣つてしまう。また例6、7、11
はテープエツジ変形や出力低下は充分に得られているも
のの、引裂性が悪く、工程やビデオデツキでのテープ切
断故障になつてテープ適性が実現できていない。
以上の事から、本件特許請求の範囲が示す様な積層構
成比とヤング率を有する積層複合フイルムを使つて作成
した磁気テープによりビデオデツキでの折れ耐性、出力
低下を防ぎ、かつ工程やビデオデツキでのテープ切断を
防止したテープが実現できることがわかる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体の一面に磁性層を設けた磁気
    記録媒体において、前記非磁性支持体が二軸配向ポリエ
    チレンテレフタレートフイルムと二軸配向ポリエチレン
    2,6−ナフタレンジカルボキシレートを積層してなる二
    層又は三層構成の積層複合フイルムであり、二層の場合
    は磁性層に接する層がポリエチレン2,6−ナフタレンジ
    カルボキシレートフイルムであって、その層の厚みが前
    記積層複合フイルムの全厚みの2/10〜3/10であり、三層
    の場合は両外層がポリエチレン2,6−ナフタレンジカル
    ボキシレートフイルムであって、その両外層の厚みの和
    が前記積層複合フイルムの全厚みの1/5〜3/5であり、か
    つ前記積層フイルムの全厚みが5〜12μで、縦方向及び
    横方向のヤング率がそれぞれ690kg/mm2以上である高強
    度積層複合フイルムであることを特徴とする磁気記録媒
    体。
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