JP2660280B2 - 超電導体 - Google Patents
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
「発明の利用分野」
本発明はセラミック系超電導材料を用いたもので、基
体上に薄膜化した材料に対し帯状(または線状)にレー
ザ光を用いパターンニング(実質的に基体上に帯巻また
は線巻)を施すものである。そしてこのセラミック系超
電導材料を用いて超電導マグネット用強磁場を発生させ
んとするものである。 「従来の技術」 従来超電導材料はNb−Ge(例えばNb3Geの金属材料が
用いられている。この材料は金属であるため延性、展性
を高く有し、超電導マグネット用のコイル巻を行うこと
が可能であった。 しかし、これらの金属材料を用いた超電導材料はTc
(超電導臨界温度を以下単にTcという)が小さく23°K
またはそれ以下しかない。これに対し工業上の応用を考
えるならばこのTcが30°K好ましくは77°Kまたはそれ
以上であるとさらに有効である。特に77°K以上の温度
ににTcを有する超電導材料が開発されるならば、液体窒
素温度雰囲気下での動作を可能とし、工業上の運転維持
価格をこれまでの約1/10またはそれ以下にすることが可
能であると期待されている。 「従来の問題点」 このため、Tcの高い材料として金属ではなくセラミッ
ク系材料、特に酸化物セラミック系材料が注目されてい
る。しかしこの注目されているセラミック系超電導材料
はTcが高いにもかかわらず,曲げ性、延性、展性にとぼ
しく、少し曲げてもわれてしまう。いわんや線材料とし
て作ることはまったく不可能である。特にこれを円板状
または円筒状の基体の表面にマグネット用のコイルを構
成すべく巻くことはまったく不可能であった。そしてこ
のコイルに大電流(大きい電流密度)を流して結果とし
て強磁場を発生させることはまったく不可能であった。 「問題を解決すべき手段」 本発明はかかるコイル状とし、ここに大電流を流すこ
とを可能としたセラミック超電導材料に関する。 本発明は予め所望の形状を有する基体、例えば円筒状
または円板状の基体に対し薄膜状にセラミック材料特に
酸化物セラミック材料をスパッタ法により形成する。こ
のスパッタ法で形成するとこの薄膜はアモルファスまた
は格子歪および格子欠陥を多量に有する微結晶を有する
多結晶構造を呈する。この構造では一般に半導体性また
は超電導性を有さない導電性または絶縁性である。 このためかかる状態の膜に対し、本発明は選択的にレ
ーザ光を照射、走査(スキャン)し、一定の巾を有する
帯状に再結晶化する工程を有せしめる。このレーザアニ
ールによりレーザ光の照射された領域のみレーザアニー
ル工程が行われて結晶化率(結晶粒径を大きく、また超
電導を呈する微結晶構造とさせる)を上げ、この領域内
のみ、格子歪、格子欠陥を少なくさせ得る。同時に一度
溶融して再結晶化をさせるため本来超電導を有すべき結
晶構造以外の不純物をある程度照射された表面に偏析さ
せ、内部の不純物を除去し、高純度化を行い得る。する
とこの部分のみ一定のTcを有する超電導材料とすること
ができる。このスパッタ法等で形成される薄膜はターゲ
ットを調整しセラミック超電導材料例えば(La1-XBax)2C
uO4(BLCO),(La1-XSrx)2(SLCO)、一般的に表現するなら
ば(La1-XAx)2CuO4但しAはBa,Srその他となり得るター
ゲット材料を用いた。 本発明のレーザ光源は例えばYAGレーザ(波長1.06
μ)またはエキシマレーザ(KrF,KrCl等)を用いた。前
者は円状のレーザビームを5〜30KHzの周波数で繰り返
して照射することができ、そしてこの照射された部分の
み一度溶融し、再結晶化させることによりこの部分を超
電導材料とし得ることが特徴である。また後者のエキシ
マレーザを用いる場合は面例えば20×30mm2に対してパ
ルス照射をすることが可能となる。他方、これを光学系
でしぼることにより線または帯状(巾5〜100μm)の
レーザビームを作ることができ、このレーザビームをセ
ラミック膜に帯状に照射することが可能である。 本発明はかくの如く基体の表面に形成されたセラミッ
ク材料に対し選択的にレーザ光を照射してその部分のみ
超電導材料とさせることを特徴としている。するとこの
周辺部の残存した領域は実質的に絶縁領域(Tc以下の湿
度においては超電導を有する部分に比べて理論的には無
限に抵抗が大きく絶縁領域とすることが可能となる。そ
してこの部分を除去することも可能であるが、多層配線
の段差を少なくする場合には凹部のうめこみ材料とする
ことが可能となる。即ち多層巻が可能となる。 「作用」 これまでの金属超電導材料を用いる場合、その工程と
してまず線状とする。そしてこれを所定の基体にまいて
ゆくことによりコイルを構成せしめた。 しかし本発明のセラミック超電導体に関しては最終形
状の基体を設け、この基体上に帯状に超電導を結晶化処
理の後呈すべき材料を膜状(そのままでは超電導を呈さ
ない)に形成する。そしてこの膜に対し選択的にレーザ
アニールを行うことによりアニールを行った部分のみ結
晶化度を向上せしめる。そしてこのレーザ光を任意に走
査することにより、その表面領域にのみ任意の線、帯ま
たは面を導出させることができる。そしてこの領域のみ
Tc以下の温度では抵抗「0」の状態を生ぜしめ得る。そ
の際、その周辺の膜材料は製造工程の簡略化のため、そ
のまま残存させる。するとこの残存領域はTcを有さない
ため、またはTcが十分結晶化領域に比べて小さいため、
絶縁材料とみなすことができる。即ち抵抗0の領域の周
辺部には絶縁物を充填させている。かくして曲げ性、延
性、展性のほとんどないセラミックを用いても超電導マ
グネットを構成させることを可能とせしめる。 「実施例1」 第1図は本発明の製造工程を示す。 第1図(A)において基体(1)はセラミック材料例
えばアルミナ、ガラスを用いた。金属を用いてもよい。
この基体をこの実施例では板状を有する基体上にBLCOを
スパッタ法により0.5〜20μm例えば2μmの厚さに形
成した。このスパッタに際しては予めターゲットに(La
1-XBax)2CuO4例えばX=0.075として十分混合したもの
を用いた。 それをスパッタ法で飛翔化させ、基体(1)上に膜
(2)を形成させた。この際基体は室温〜400℃例えば2
50℃に加熱した雰囲気でアルゴンに酸素を若干加えた。
かくして第1図(B)の形状が作られた後第1図(C)
に示すごとく、YAGレーザの光(波長1.06μ)(3)を
照射する。これはパルス光であるため、そのパルスが帯
上に走査するために1つの円形スポットに次の円形スポ
ットの60〜80%が重なるようにした。即ちレーザ光の走
査速度は2m/分とし、周波数8KHz、スポット径50μmと
した。するとこのレーザ光の照射された部分のみ選択的
に溶融し、レーザ光がまったく照射されなくなった後再
結晶化がなされる。この再結晶化の速度を余り急峻にし
ないため、この第1図(C)の工程の際、基体全体を20
0〜800℃、例えば600℃の温度にハロゲンランプにより
加熱した雰囲気でレーザアニールを行った。するとレー
ザ光により照射される部分は1300℃またはそれ以上の温
度に瞬間的になるためそこより室温への急激な除冷によ
りクラックの発生を防ぐことができた。そしてこの実施
例でのTcは29°Kを得た。 かくしてこのレーザ光を照射して実質的に帯または線
状にTcを有する領域を作ることができた。 「実施例2」 第2図は本発明の他の実施例を示す。 図面において基体(1)は円筒状を有する。ここに実
施例1と同様に膜状にセラミック材料(2)をスパッタ
法で形成する。 この作製はスパッタ装置でこの円筒基体を矢印(12)
に示す如くに回転しつつコーティングすればよい。 次にこれら膜の形成された基体にYAGレーザ(3)を
照射しつつこのレーザ光を(11)の方向に徐々に移す。
同時に円筒を矢印(12)の方向に回転をする。するとこ
の円筒状基体に対し一本の連続した帯状のTcを有する領
域(4)を構成させることができる。その隣接部(5)
はTcを有さない領域として残存させる。即ちコイル状に
熱電荷ワイヤを実質的に形成したことと同じ超電導マグ
ネットコイルを構成させることができた。 第4図はかかる工程を繰り返し行うことにより多層に
超電導ワイヤを形成したものである。 これに第2図におけるA−A′の縦断面図が対応す
る。図面の構成を略記する。 基体(1)上に第1のセラミック材料を膜コーティン
グ(2−1)する。この後レーザ光を(4−1),(4
−2)・・・(4−n)に照射する。これは基体を回転
しつつレーザ光を右へ移すことにより成就し得る。する
とこのレーザ光が照射され、かつアニールされた領域部
分のみ超電導材料に変成する。 次にこれら上に第2のセラミック材料を膜コーティン
グ(2−2)を形成する。さらにレーザアニールを行
い、帯状のTcを有する領域(4′−n),・・・(4′
−2),(4′−1)を作る。この時レーザはその深さ
方向の制御が比較的困難のため下側ににじみ出しやす
い。そのため(4′−1),(4′−2)の位置はその
下側のTcを有する領域(4−1),(4−2)・・・の
上方を避け、Tcのない領域(5−1),(5−2)・・
・上方に配設する。この(4−1)は1回コイルをまわ
って(4−2)に電気的に連携している。これら端部の
(4−n)では2層目の(4′−n)に(10−1)にて
連結している。 さらにこの2層目の他方の端部(4′−1)は3層目
の(4″−1)と(10−2)で連結しており、3層目の
Tcを有する領域を(4″−1),(4″−2)・・・
(4″−n)として作り得、さらに(10−3)にて4層
目と連結させる。かくして多層構造(ここでは4層構
造)をしても1本の長い線が繰り返し巻かれ、実質的に
コイルの多層巻と同じ構成とすることができる。 この第4図の実施例では(4−1),(4−2)の巾
の約5倍に(5−1),(5−2)を有せしめ、(4′
−1),(4″−1)(4−1)は(5−1)の上方
に形成され、それぞれの層間で互いのリード線のショー
トが発生しないようしている。多層配線はこれを繰り返
し、1層〜数十層とし得る。またこの際は直列にあたか
も1本の導体の如くに連結した。しかし用途により並列
に連結してもよい。そして外部取り出し電極、リード
(30),(30′)を設けた。 その他は実施例1と同様である。 「実施例3」 第3図は本発明の他の実施例を示す図面である。図面
において、基体(1)は円板状(ディスク状)を有し、
一方の端部(6)より超電導の線状の領域(4)は円を
描きつつ中央部の他の端部(7)と連結すべくレーザ光
(3)により選択的に再結晶化させている。 この図面では1層のディスク構成を示すが、第4図に
示した実施例と同様に多層構成を有せることが可能であ
る。 このレーザアニールを加えた領域のTcは27°Kを得
た。 「効果」 本発明によりこれまでまったく不可能とされていたセ
ラミック超電導体を実質的にコイル状、ディスク状に線
または帯状に構成させることが可能となった。 そして曲げるとすぐわれてしまうセラミックス超電導
をして金属とまったく同様の超電導マグネットを作るこ
とが可能となった。 さらにこの際、非放電領域はアイソレイション領域と
して用い、このパターニングに対しフォトリソグラフィ
ー技術をまったく用いていないことはきわめて多量生産
に優れたものと推定される。 本発明の超電導材料は延性、展性、曲げ性を有さない
材料特にセラミック材料であればなんでもよい。
体上に薄膜化した材料に対し帯状(または線状)にレー
ザ光を用いパターンニング(実質的に基体上に帯巻また
は線巻)を施すものである。そしてこのセラミック系超
電導材料を用いて超電導マグネット用強磁場を発生させ
んとするものである。 「従来の技術」 従来超電導材料はNb−Ge(例えばNb3Geの金属材料が
用いられている。この材料は金属であるため延性、展性
を高く有し、超電導マグネット用のコイル巻を行うこと
が可能であった。 しかし、これらの金属材料を用いた超電導材料はTc
(超電導臨界温度を以下単にTcという)が小さく23°K
またはそれ以下しかない。これに対し工業上の応用を考
えるならばこのTcが30°K好ましくは77°Kまたはそれ
以上であるとさらに有効である。特に77°K以上の温度
ににTcを有する超電導材料が開発されるならば、液体窒
素温度雰囲気下での動作を可能とし、工業上の運転維持
価格をこれまでの約1/10またはそれ以下にすることが可
能であると期待されている。 「従来の問題点」 このため、Tcの高い材料として金属ではなくセラミッ
ク系材料、特に酸化物セラミック系材料が注目されてい
る。しかしこの注目されているセラミック系超電導材料
はTcが高いにもかかわらず,曲げ性、延性、展性にとぼ
しく、少し曲げてもわれてしまう。いわんや線材料とし
て作ることはまったく不可能である。特にこれを円板状
または円筒状の基体の表面にマグネット用のコイルを構
成すべく巻くことはまったく不可能であった。そしてこ
のコイルに大電流(大きい電流密度)を流して結果とし
て強磁場を発生させることはまったく不可能であった。 「問題を解決すべき手段」 本発明はかかるコイル状とし、ここに大電流を流すこ
とを可能としたセラミック超電導材料に関する。 本発明は予め所望の形状を有する基体、例えば円筒状
または円板状の基体に対し薄膜状にセラミック材料特に
酸化物セラミック材料をスパッタ法により形成する。こ
のスパッタ法で形成するとこの薄膜はアモルファスまた
は格子歪および格子欠陥を多量に有する微結晶を有する
多結晶構造を呈する。この構造では一般に半導体性また
は超電導性を有さない導電性または絶縁性である。 このためかかる状態の膜に対し、本発明は選択的にレ
ーザ光を照射、走査(スキャン)し、一定の巾を有する
帯状に再結晶化する工程を有せしめる。このレーザアニ
ールによりレーザ光の照射された領域のみレーザアニー
ル工程が行われて結晶化率(結晶粒径を大きく、また超
電導を呈する微結晶構造とさせる)を上げ、この領域内
のみ、格子歪、格子欠陥を少なくさせ得る。同時に一度
溶融して再結晶化をさせるため本来超電導を有すべき結
晶構造以外の不純物をある程度照射された表面に偏析さ
せ、内部の不純物を除去し、高純度化を行い得る。する
とこの部分のみ一定のTcを有する超電導材料とすること
ができる。このスパッタ法等で形成される薄膜はターゲ
ットを調整しセラミック超電導材料例えば(La1-XBax)2C
uO4(BLCO),(La1-XSrx)2(SLCO)、一般的に表現するなら
ば(La1-XAx)2CuO4但しAはBa,Srその他となり得るター
ゲット材料を用いた。 本発明のレーザ光源は例えばYAGレーザ(波長1.06
μ)またはエキシマレーザ(KrF,KrCl等)を用いた。前
者は円状のレーザビームを5〜30KHzの周波数で繰り返
して照射することができ、そしてこの照射された部分の
み一度溶融し、再結晶化させることによりこの部分を超
電導材料とし得ることが特徴である。また後者のエキシ
マレーザを用いる場合は面例えば20×30mm2に対してパ
ルス照射をすることが可能となる。他方、これを光学系
でしぼることにより線または帯状(巾5〜100μm)の
レーザビームを作ることができ、このレーザビームをセ
ラミック膜に帯状に照射することが可能である。 本発明はかくの如く基体の表面に形成されたセラミッ
ク材料に対し選択的にレーザ光を照射してその部分のみ
超電導材料とさせることを特徴としている。するとこの
周辺部の残存した領域は実質的に絶縁領域(Tc以下の湿
度においては超電導を有する部分に比べて理論的には無
限に抵抗が大きく絶縁領域とすることが可能となる。そ
してこの部分を除去することも可能であるが、多層配線
の段差を少なくする場合には凹部のうめこみ材料とする
ことが可能となる。即ち多層巻が可能となる。 「作用」 これまでの金属超電導材料を用いる場合、その工程と
してまず線状とする。そしてこれを所定の基体にまいて
ゆくことによりコイルを構成せしめた。 しかし本発明のセラミック超電導体に関しては最終形
状の基体を設け、この基体上に帯状に超電導を結晶化処
理の後呈すべき材料を膜状(そのままでは超電導を呈さ
ない)に形成する。そしてこの膜に対し選択的にレーザ
アニールを行うことによりアニールを行った部分のみ結
晶化度を向上せしめる。そしてこのレーザ光を任意に走
査することにより、その表面領域にのみ任意の線、帯ま
たは面を導出させることができる。そしてこの領域のみ
Tc以下の温度では抵抗「0」の状態を生ぜしめ得る。そ
の際、その周辺の膜材料は製造工程の簡略化のため、そ
のまま残存させる。するとこの残存領域はTcを有さない
ため、またはTcが十分結晶化領域に比べて小さいため、
絶縁材料とみなすことができる。即ち抵抗0の領域の周
辺部には絶縁物を充填させている。かくして曲げ性、延
性、展性のほとんどないセラミックを用いても超電導マ
グネットを構成させることを可能とせしめる。 「実施例1」 第1図は本発明の製造工程を示す。 第1図(A)において基体(1)はセラミック材料例
えばアルミナ、ガラスを用いた。金属を用いてもよい。
この基体をこの実施例では板状を有する基体上にBLCOを
スパッタ法により0.5〜20μm例えば2μmの厚さに形
成した。このスパッタに際しては予めターゲットに(La
1-XBax)2CuO4例えばX=0.075として十分混合したもの
を用いた。 それをスパッタ法で飛翔化させ、基体(1)上に膜
(2)を形成させた。この際基体は室温〜400℃例えば2
50℃に加熱した雰囲気でアルゴンに酸素を若干加えた。
かくして第1図(B)の形状が作られた後第1図(C)
に示すごとく、YAGレーザの光(波長1.06μ)(3)を
照射する。これはパルス光であるため、そのパルスが帯
上に走査するために1つの円形スポットに次の円形スポ
ットの60〜80%が重なるようにした。即ちレーザ光の走
査速度は2m/分とし、周波数8KHz、スポット径50μmと
した。するとこのレーザ光の照射された部分のみ選択的
に溶融し、レーザ光がまったく照射されなくなった後再
結晶化がなされる。この再結晶化の速度を余り急峻にし
ないため、この第1図(C)の工程の際、基体全体を20
0〜800℃、例えば600℃の温度にハロゲンランプにより
加熱した雰囲気でレーザアニールを行った。するとレー
ザ光により照射される部分は1300℃またはそれ以上の温
度に瞬間的になるためそこより室温への急激な除冷によ
りクラックの発生を防ぐことができた。そしてこの実施
例でのTcは29°Kを得た。 かくしてこのレーザ光を照射して実質的に帯または線
状にTcを有する領域を作ることができた。 「実施例2」 第2図は本発明の他の実施例を示す。 図面において基体(1)は円筒状を有する。ここに実
施例1と同様に膜状にセラミック材料(2)をスパッタ
法で形成する。 この作製はスパッタ装置でこの円筒基体を矢印(12)
に示す如くに回転しつつコーティングすればよい。 次にこれら膜の形成された基体にYAGレーザ(3)を
照射しつつこのレーザ光を(11)の方向に徐々に移す。
同時に円筒を矢印(12)の方向に回転をする。するとこ
の円筒状基体に対し一本の連続した帯状のTcを有する領
域(4)を構成させることができる。その隣接部(5)
はTcを有さない領域として残存させる。即ちコイル状に
熱電荷ワイヤを実質的に形成したことと同じ超電導マグ
ネットコイルを構成させることができた。 第4図はかかる工程を繰り返し行うことにより多層に
超電導ワイヤを形成したものである。 これに第2図におけるA−A′の縦断面図が対応す
る。図面の構成を略記する。 基体(1)上に第1のセラミック材料を膜コーティン
グ(2−1)する。この後レーザ光を(4−1),(4
−2)・・・(4−n)に照射する。これは基体を回転
しつつレーザ光を右へ移すことにより成就し得る。する
とこのレーザ光が照射され、かつアニールされた領域部
分のみ超電導材料に変成する。 次にこれら上に第2のセラミック材料を膜コーティン
グ(2−2)を形成する。さらにレーザアニールを行
い、帯状のTcを有する領域(4′−n),・・・(4′
−2),(4′−1)を作る。この時レーザはその深さ
方向の制御が比較的困難のため下側ににじみ出しやす
い。そのため(4′−1),(4′−2)の位置はその
下側のTcを有する領域(4−1),(4−2)・・・の
上方を避け、Tcのない領域(5−1),(5−2)・・
・上方に配設する。この(4−1)は1回コイルをまわ
って(4−2)に電気的に連携している。これら端部の
(4−n)では2層目の(4′−n)に(10−1)にて
連結している。 さらにこの2層目の他方の端部(4′−1)は3層目
の(4″−1)と(10−2)で連結しており、3層目の
Tcを有する領域を(4″−1),(4″−2)・・・
(4″−n)として作り得、さらに(10−3)にて4層
目と連結させる。かくして多層構造(ここでは4層構
造)をしても1本の長い線が繰り返し巻かれ、実質的に
コイルの多層巻と同じ構成とすることができる。 この第4図の実施例では(4−1),(4−2)の巾
の約5倍に(5−1),(5−2)を有せしめ、(4′
−1),(4″−1)(4−1)は(5−1)の上方
に形成され、それぞれの層間で互いのリード線のショー
トが発生しないようしている。多層配線はこれを繰り返
し、1層〜数十層とし得る。またこの際は直列にあたか
も1本の導体の如くに連結した。しかし用途により並列
に連結してもよい。そして外部取り出し電極、リード
(30),(30′)を設けた。 その他は実施例1と同様である。 「実施例3」 第3図は本発明の他の実施例を示す図面である。図面
において、基体(1)は円板状(ディスク状)を有し、
一方の端部(6)より超電導の線状の領域(4)は円を
描きつつ中央部の他の端部(7)と連結すべくレーザ光
(3)により選択的に再結晶化させている。 この図面では1層のディスク構成を示すが、第4図に
示した実施例と同様に多層構成を有せることが可能であ
る。 このレーザアニールを加えた領域のTcは27°Kを得
た。 「効果」 本発明によりこれまでまったく不可能とされていたセ
ラミック超電導体を実質的にコイル状、ディスク状に線
または帯状に構成させることが可能となった。 そして曲げるとすぐわれてしまうセラミックス超電導
をして金属とまったく同様の超電導マグネットを作るこ
とが可能となった。 さらにこの際、非放電領域はアイソレイション領域と
して用い、このパターニングに対しフォトリソグラフィ
ー技術をまったく用いていないことはきわめて多量生産
に優れたものと推定される。 本発明の超電導材料は延性、展性、曲げ性を有さない
材料特にセラミック材料であればなんでもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の超電導体の作製工程を示す。
第2図、第3図および第4図は本発明の超電導体の実施
例を示す。 1……基体 2……セラミック材料 3……レーザ光 4……超電導を呈する帯状領域 5……超電導を呈さない領域
例を示す。 1……基体 2……セラミック材料 3……レーザ光 4……超電導を呈する帯状領域 5……超電導を呈さない領域
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(56)参考文献 特開 昭61−266387(JP,A)
特開 昭61−261467(JP,A)
特開 昭61−225808(JP,A)
Japanese Journal
of Applied Physics
26[2] (1987−2) P.L123
〜L124
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.基体上に設けられたセラミック材料中に結晶化率を
高めた領域が設けられており、 前記領域は超電導性を有し、 前記領域の周辺部は結晶化率が高められておらず半導体
性または絶縁性であることを特徴とする超電導体。 2.特許請求の範囲第1項において、結晶化率を高めた
領域は5〜100μmの巾の帯状を有するとともに、この
帯状を有する領域の側周辺には同一主成分材料の非超電
導状態を有する材料が残存されたことを特徴とする超電
導体。 3.特許請求の範囲第1項において、セラミック材料は
(La1-XSrx)2CuO4又は(La1-XBax)2CuO4の構造を有するこ
とを特徴とする超電導体。 4.特許請求の範囲第2項において、基体は円筒状を有
し、帯状を有する領域はコイル状に複数回巻いて設けら
れたことを特徴とする超電導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62041750A JP2660280B2 (ja) | 1987-02-24 | 1987-02-24 | 超電導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62041750A JP2660280B2 (ja) | 1987-02-24 | 1987-02-24 | 超電導体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63207007A JPS63207007A (ja) | 1988-08-26 |
JP2660280B2 true JP2660280B2 (ja) | 1997-10-08 |
Family
ID=12617097
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62041750A Expired - Lifetime JP2660280B2 (ja) | 1987-02-24 | 1987-02-24 | 超電導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2660280B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
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---|---|---|---|---|
JP2855614B2 (ja) * | 1987-03-30 | 1999-02-10 | 住友電気工業株式会社 | 超電導回路の形成方法 |
DE3854238T2 (de) * | 1987-04-08 | 1996-03-21 | Hitachi Ltd | Verfahren zur Herstellung eines supraleitenden Elements. |
JP2553658B2 (ja) * | 1988-09-01 | 1996-11-13 | 松下電器産業株式会社 | 電子部品用電極材料 |
JP4984466B2 (ja) * | 2005-09-21 | 2012-07-25 | 住友電気工業株式会社 | 超電導テープ線材の製造方法 |
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JP2012109263A (ja) * | 2012-02-08 | 2012-06-07 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 超電導テープ線材の製造方法、超電導テープ線材、および超電導機器 |
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JPS61225808A (ja) * | 1985-03-29 | 1986-10-07 | Kobe Steel Ltd | 超電導コイルの製造方法 |
JPS61261467A (ja) * | 1985-05-15 | 1986-11-19 | Hitachi Ltd | 耐熱材料 |
JPS61266387A (ja) * | 1985-05-20 | 1986-11-26 | Fujitsu Ltd | 半導体薄膜のレ−ザ再結晶化法 |
-
1987
- 1987-02-24 JP JP62041750A patent/JP2660280B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Japanese Journal of Applied Physics 26[2] (1987−2) P.L123〜L124 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63207007A (ja) | 1988-08-26 |
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