JP2660080B2 - 給水加熱器性能診断装置 - Google Patents

給水加熱器性能診断装置

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JP2660080B2
JP2660080B2 JP2875390A JP2875390A JP2660080B2 JP 2660080 B2 JP2660080 B2 JP 2660080B2 JP 2875390 A JP2875390 A JP 2875390A JP 2875390 A JP2875390 A JP 2875390A JP 2660080 B2 JP2660080 B2 JP 2660080B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、たとえば火力・原子力発電プラント等の熱
サイクルプラントで使用される給水加熱器の性能劣化を
診断し、その経済的運用を可能にし、予防保全の支援を
行う給水加熱器の性能診断装置に関する。
(従来の技術) 火力発電所や原子力発電所の熱サイクルプラントで
は、ボイラあるいは蒸気発生器に給水する復水を加熱す
るため、給水加熱器が使用されている。
以下の説明を火力発電プラントを例にとって行う。
第17図は、火力発電プラント1の概略構成を示すもの
で、ボイラ20で発生した蒸気は主蒸気管21を通って高圧
タービン22に入り、ここで仕事をした後、低温再熱蒸気
管23を介して再熱器24に導入され、再熱された上、再熱
蒸気管25を通って中圧タービン26に入り、そこで仕事を
した後、クロスオーバ管27を通って低圧タービン28に入
り仕事をする。
これらの仕事によって失われた熱エネルギーは、各タ
ービンによって駆動される発電機29により電気エネルギ
に変換される。低圧タービン28で仕事を終えた蒸気は排
気として復水器30に導入され、海水等の冷却水で冷却さ
れて復水となる。
この復水は、復水ポンプ31により昇圧され、低圧給水
加熱器32a,32b,32cで加熱され、脱気器33で加熱脱気さ
れた後、ボイラ給水ポンプ34により昇圧され、高圧給水
加熱器35a,35b,35cで再び加熱され、給水管36を通って
ボイラ20へ給水される。
低圧給水加熱器32a〜32c、脱気器33および高圧給水加
熱器35a〜35cはタービン22,26,28からの抽気で加熱され
る。
第18図は、蒸気タービンプラントの水加熱器の構成の
例を簡単に示したものである。円筒状の胴体40の一方、
例えば図中右端には、半球状の給水水室41が形成されて
おり、この水室41は、胴体40の一方端を閉塞する管板42
により胴体40と隔離されている。
この水室41内は、水室壁に設けられた給水入口43から
の給水を導入する給水導入室44aと水室壁に設けられた
給水出口45から高温蒸気と熱交換された給水を排出する
ための給水排出室44bに仕切壁46に分離されている。
また胴体40内にはU字状管である加熱管47が多数その
開放端を管板42に挿通して胴体40の軸方向に並設されて
おり、各加熱管47の開放端の一方側は水室41内の給水導
入室44a内へ、そして他方端は水室41内の給水排出室44b
内へ連通されており、給水入口43から導入された給水
は、水室41の給水導入室44aに流れ込み管板42により支
持された加熱管47を通って、水室41の給水排出室44bに
流れ給水出口45から排出されるように構成されている。
さらに胴体40内には、胴体40を軸方向に仕切り加熱管
47を支持するとともに、蒸気と給水とを効率よく熱交換
させるための仕切板48が多数配設されており、胴体40の
周壁に設けられた蒸気導入口49から導入された高温蒸気
は、各仕切板48間で仕切られた胴体40内を流通しながら
加熱管47内を流通する給水を加熱する。
上記のように構成された火力発電所の給水加熱器にお
いて、従来、給水加熱器の性能は、タービンサイクルの
熱効率ひいてはプラント熱効率にも影響を与えるので、
高温および低圧給水加熱器32a〜32c,35a〜35cの給水出
口ターミナル温度差とドレン出口温度差の性能計算結果
を基に、性能の長期変化傾向を定期的に発電所管理技術
者がチェックする事によって、性能管理を行っている。
また、運転期間が長くなるにつれて、給水加熱器が劣
化して性能が低下する傾向にあるため、ある程度以上に
劣化の進んだ給水加熱器に対しては、加熱管両面の酸洗
いあるいは加熱管内面のジェットクリーニング、ブラッ
シング等を給水加熱器の保守管理面で計画的に実施する
必要がある。
(発明が解決しようとする課題) 給水加熱器の性能評価により長期的な劣化の傾向を把
握し、給水加熱器の予防保全を行うためには、劣化の判
定とともに変化の状態を判定することが不可欠である。
即ち、劣化が同程度のものであっても、その変化が徐々
に進行したもの(以下、漸次変化という)であるか、ま
たはある期間を境に急激に進行したもの(以下、突変変
化という)であるかにより、給水加熱器内部の異常要因
が異なる。
たとえば、給水加熱器の性能、即ち給水出口終端温度
差とドレン出口温度差が徐々に変化する漸次変化の段階
では、加熱管47の汚れによる伝熱性能の低下が要因と考
えられる。
この場合は過去の定期点検等の経緯を基に比較的長期
的な計画に沿った対策、並びにその発生原因である水質
管理等の処理を行う必要がある。一方、突変変化の場合
には、水室仕切壁46の損傷による給水のショートパス等
が考えられ、早急な開放点検が必要となる。
ところが、従来の給水加熱器性能管理方法では、性能
劣化判断の作業を主に人間系に頼っており、非常に手間
のかかるものであった。特に性能劣化の原因(要因)と
部位を同定するには、給水加熱器設計専門家等の詳細な
分析作業を必要とするために時間がかかり、給水加熱器
の運転管理や予防保全のための詳細点検や補修等の計画
立案に充分利用出来ないというように、適切さを欠く場
合があった。
本発明は、このような実状に鑑み、オンラインで自動
的に給水加熱器の性能劣化の要因・部位を特定できる給
水加熱器性能診断装置を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明は、発電プラント熱サイクルの運転中のプロセ
スデータに基づいてその給水加熱器の性能診断を行う給
水加熱器診断装置において、給水加熱器の性能診断をオ
ンラインで自動的に最適時期に実施するための、プラン
トの整定/不整定情報から給水加熱器性能診断処理部を
自動的に起動するタイミングを判定する性能診断起動判
定手段と、給水加熱器性能劣化の原因同定に必要なプロ
セスデータの長期の変化状況を把握するための、給水加
熱器の出入口差圧、給水ポンプ吐出圧力、給水ポンプ回
転数、ドレン流量の計測データを一定期間保存する過去
プロセス値記憶部と、前記計測データの格納処理を行う
プロセス値記憶手段と、給水加熱器性能の長期の変化状
況を把握するための、給水出口終端温度差およびドレン
出口温度差を計算する給水加熱器性能計算手段と、前記
給水出口終端温度差およびドレン出口温度差を一定期間
保存する給水加熱器性能記憶部と、負荷に応じて設定し
た給水加熱器性能を記憶する基準性能記憶部と、記憶さ
れた基準性能から診断時の基準性能を算出するととも
に、性能変化をオンラインで自動的に判定するための、
前記性能診断時の基準性能と診断時性能との比較判断か
ら性能変化を判定する性能変化判定手段と、給水加熱器
性能の時間に対する変化状況を判定するための、性能計
算結果記憶部に記憶された過去の性能の時系列データか
ら給水加熱器性能の漸次・突変変化を判定する給水加熱
器性能漸次・突変変化判定手段と、給水加熱器の劣化原
因の同定に必要なプロセスデータの時間に対する変化状
況を判定するための、前記過去プロセス値記憶部に記憶
された過去の給水加熱器の出入口差圧、給水ポンプ吐出
圧力、給水ポンプ回転数、ドレン流量の計測データの時
系列データからプロセスデータの漸次・突変変化を判定
するプロセスデータ漸次・突変変化判定手段と、オンラ
インで自動的に給水加熱器の性能劣化原因・部位を同定
するための、前記性能変化判定手段による性能変化判定
結果及び給水加熱器性能及びプロセスデータの漸次・突
変変化判定結果とから給水加熱器の性能劣化要因を判定
する性能劣化要因判定手段と、給水加熱器の運転管理、
予防保全のため詳細点検や補修等の計画立案に資するた
めの、性能診断時の基準性能、実績性能、性能劣化要因
判定結果の診断結果情報を表示する表示手段とを有する
ことを特徴とする。
(作 用) 給水加熱器の運転中に劣化が生じた場合、オンライン
で自動的に給水加熱器の性能劣化要因と部位が特定する
ことができ、適切な運転管理および補修を行うことがで
きる。
(実施例) 以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施例を火
力発電プラントの高圧給水加熱器を例にとって詳細に説
明する。
第1図は、本発明の一実施例にかかる給水加熱器の性
能診断装置の不可欠な手段の構成を示している。
同図において符号2は発電プラント1の給水加熱器の
性能を診断する給水加熱器性能診断装置であって、その
給水加熱器性能診断装置には一定周期Tで給水加熱器の
性能診断に必要なプロセスデータを収集するプロセス値
収集手段3が設けられており、このプロセス収集手段3
によって収集されたプロセスデータは、第2図に示す態
様でプロセス値記憶部4に記憶される。この収集される
プロセスデータとしては、発電機出力(負荷)、主蒸気
温度、再熱蒸気温度、給水ポンプ吐出圧力、給水ポンプ
回転数、給水加熱器加熱蒸気圧力、給水加熱器加熱蒸気
温度、給水加熱器ドレン出口温度、給水加熱器給水入口
温度、給水加熱器給水出口温度、給水加熱器給水入口
圧、給水加熱器給水出口圧、ドレン流量等がある。
性能診断起動判定手段5では、前記プロセス値記憶部
4に記憶された、プラントの整定の指標となる負荷、主
蒸気/再熱蒸気温度データの時間に対する変化の変動幅
が予め設定した変動幅内にあるかどうかでプラントの整
定/不整定が判断され、プラントの整定/不整定情報か
ら以下に述べるプロセス値記憶手段6、給水加熱器性能
計算手段8、性能変化判定手段10、性能漸次・突変変化
判定手段12、プロセスデータ漸次・突変変化判定手段1
3、性能劣化要因判定手段14の各性能診断処理部を順次
起動するタイミングを判定するようにしてある。
性能診断処理を起動するタイミングの詳細は第3図、
第4図に示すように、発電プラントの負荷が一定に達し
た後、負荷変動幅がA分間あらかじめ設定した負荷変動
範囲ΔW内に有るかどうかの負荷整定を確認し、前記負
荷整定条件が満たされたら、次に前記負荷整定条件と共
に主蒸気/再熱蒸気温度変動幅がB分間あらかじめ設定
した温度変動範囲ΔT内に有るかどうかの主蒸気/再熱
蒸気温度設定の確認を行う、次に負荷整定判定、主蒸気
/再熱蒸気温度整定判定を同時にかつ周期的に行い、前
記負荷整定条件・主蒸気/再熱蒸気温度整定条件のいず
れかが整定から不整定に移った時、性能診断処理部を起
動する。
性能診断起動判定手段5によりプロセス値記憶手段6
が起動されると、そのプロセス値記憶手段6は、後述す
るプロセスデータ漸次・突変変化判定手段14で使用する
性能診断時の給水加熱器出入口差圧、給水ポンプ吐出圧
力、給水ポンプ回転数、ドレン流量を性能診断処理部が
起動された時の年月時分データ、負荷(発電機出力)と
共に過去プロセス値記憶部7に第5図に示す態様で格納
する。尚、給水加熱器出入口差圧については、プロセス
値記憶部4に格納されている給水加熱器給水入口圧、給
水加熱器給水出口圧から計算して、前記過去プロセス値
記憶部7に格納する。
一方、給水加熱器性能計算手段8では、給水出口終端
温度(TD)及びドレン出口温度差(DC)を第2図に示す
プロセス値記憶部4の記憶内容、即ち、給水出口温度、
給水入口温度、ドレン出口温度、さらに加熱蒸気圧力に
対する飽和温度を蒸気表から求め、下式に基づいて算出
する。
給水出口終端温度差TD=Ts−T2 ドレン出口温度差DC=Td−T1 ここで、 Ts:加熱蒸気圧力に対する飽和温度 T2:給水出口温度 Td:ドレン出口温度 T1:給水入口温度 給水出口終端温度差(TD)及びドレン出口温度差(D
C)の計算結果は、第6図に示すような態様で、診断年
月時分データ、診断時発電機負荷と共に性能計算結果記
憶部9に記憶される。
性能変化判定手段10は、第7図に示すような負荷に応
じて設定された各給水加熱器の基準性能記憶部11の記憶
内容に基づき、そのときの発電機出力に対応した各給水
加熱器の性能診断時TD/DC基準性能を、前記基準性能記
憶部11内のTD/DC基準性能から線形補間により算出する
とともに、性能計算結果記憶部9に記憶されているその
時の性能診断時の各給水加熱器実績TD/DC性能と、算出
した各給水加熱器の診断時TD/DC基準性能との差に基づ
いて、各給水加熱器の実績TD/DC性能偏差を算出する。
さらに、基準性能記憶部11の記憶内容に基づき、その
ときの発電機出力に対応した各給水加熱器の診断時基準
TD/DC性能基準偏差を線形補間により算出する。
そして、対象としている給水加熱器の実績TD/DC性能
偏差が、診断時TD/DC基準性能偏差より大きくなってい
るとき、その給水加熱器の性能が変化していると判断
し、その判定結果を第8図に示す様な態様で診断結果記
憶部15に格納する。即ち、前記第8図の診断結果記憶部
15において、TD性能変化情報を実績TD性能偏差が、診断
時TD基準性能偏差より大きくなっていると判定した時は
「1」とし、それ以外の時は「0」とする。また、同様
にDC性能変化情報を実績DC性能偏差が、診断時DC基準性
能偏差より大きくなっていると判定した時は「1」と
し、それ以外の時は「0」とする。
性能漸次・突変変化判定手段12では性能計算結果記憶
部9(第6図参照)内に記憶された過去の給水加熱器TD
/DCの時系列データからTD/DCの漸次・突変変化を判定す
る。
すなわち、TD/DCの突変変化は、性能診断時のTD/DCが
性能計算結果記憶部9内に記憶されている性能診断時か
ら過去一定期間・性能診断時と同一負荷のTD/DCデータ
の平均値ならびにバラツキ度からもとめられる突変判定
基準値を越えることで判定される。
同様に、漸次変化の判定は前記性能計算結果記憶部9
内に記憶された性能診断時から過去一定期間・性能診断
時と同一負荷のTD/DCデータによる予測値(最小二乗法
による外挿値)が性能診断を開始する時点での初期デー
タで定められる判定基準値を越えることで判定される。
即ち、突変の判定は第9図に示すように、過去の一定
期間(第9図では、一ケ月間)のデータを使用した最小
二乗法等を用いて外挿した今回データの予測値AOS′
と、データのバラツキ度等により定めた突変判定基準裕
度DAOで定義される範囲を、今回算出したデータAが越
えたか否かで判定する。この基準裕度は、標準偏差等に
より算出し、次の条件とする。
|A−AOS′|≧DAO ここで、TDが突変と判定された時は、第8図に示す診
断結果記憶部15内のTD突変変化情報を「1」とし、突変
変化がないと判定した時は「0」とする。
同様に、DCが突変と判定された時は、DC突変変化情報
を「1」とし、突変変化がないと判定した時は「0」と
する。
一方、漸次変化の判定は第10図に示すように、過去一
定期間のデータを基に外挿して求めた今回データの予測
値AOS′と、突変判定基準裕度DAOで定義される範囲内に
今回のデータがあり、かつ、今回のデータを含めて求め
た診断対象値AOSが、劣化診断を始める際に定義した初
期値AO、ならびに、初期段階の一定期間(第10図では一
ケ月)のデータで定めた変化有無の判定基準裕度DA1、
で定めた範囲外になった時に漸次変化と判定する。
即ち、 |A−AOS′|DAC かつ、 |AO−AOS|≧DA1 ここで、TDが漸次変化と判定された時は、第8図に示
す診断結果記憶部15内のTD漸次変化情報を「1」とし、
漸次変化がないと判定した時は「0」とする。
同様に、DCが漸次変化と判定された時は、DC漸次変化
情報を「1」とし、漸次変化がないと判定した時は
「0」とする。
また、前記過去プロセス値記憶部7に格納している給
水加熱器出入口差圧、給水ポンプ吐出圧力、給水ポンプ
回転数、ドレン流量のプロセスデータの時系列データか
ら、これらのプロセスデータの漸次・突変変化はプロセ
スデータ漸次・突変変化判定手段13によって判定され
る。判定方法については、前記性能漸次・突変変化判定
手段12での判定方法と同じ方法で行う。判定結果を診断
結果記憶部15内のプロセスデータ漸次・突変変化情報
(ビット情報)に第11図に示す態様でフラグ情報として
格納する。
そして、TD/DCの変化判定結果、漸次・突変変化判定
結果及びプロセスデータの漸次・突変変化判定結果、即
ち前記診断結果記憶部15内のTD/DC性能変化情報、TD漸
次変化情報、TD突変変化情報、DC漸次変化情報、DC突変
変化情報、プロセスデータ漸次・突変変化情報から給水
加熱器の性能劣化要因が性能劣化要因判定手段14によっ
て判定される。
第12図は、性能劣化要因判定手段14の処理フローを示
したものである。
処理ステップ101では、診断結果記憶部15に格納され
たTD性能変化情報、DC性能変化情報から、TD,DCが増加
していると判定された場合には、処理ステップ102へ、T
D,DCが変化なしと判定された場合には、処理ステップ10
3への処理に移る。
ここで、処理ステップ102あるいは処理ステップ103で
は、TD/DCの変化状況(漸次もしくは突変変化)、プロ
セスデータの変化状況(漸次もしくは突変変化)、即ち
診断結果記憶部15内のTD漸次変化情報、TD突変変化情
報、DC漸次変化情報、DC突変変化情報、プロセスデータ
漸次・突変変化情報と性能劣化要因との関連をまとめた
要因判定表から、性能劣化要因を同定する。
処理ステップ102の要因判定表Aを第13図、処理ステ
ップ103の要因判定表Bを第14図に示す。処理ステップ1
03で要因が成立しない場合、次の処理ステップ104で、
給水加熱器の性能上問題なしと判定する。(処理ステッ
プ103はTD/DCの値の変化として現れない劣化要因を同定
するものである。) すなわち、TD,DCの増加、給水加熱器出入口差圧増
加、および給水ポンプ吐出圧力の上昇が漸次変化である
場合には、加熱管チューブのよごれによる熱貫流率の低
下であると判定し、TD,DCの増加および給水加熱器出入
口差圧の減少が突変変化である場合には水室仕切板損傷
による給水のショートパスであると判定する。また、DC
の増加が突変変化である場合には、ドレン冷却部囲い板
リークによるドレンのショートパス、或はドレン冷却部
への加熱蒸気の巻込みによるものと判定する(第13
図)。
さらに、TDおよびDCに変化がなく、給水ポンプ吐出圧
力上昇および給水ポンプ回転数上昇が漸次変化である場
合には、加熱管チューブのよごれによる熱貫流率の低下
であると判定し、ドレン流量の増加が突変変化である場
合には、加熱管チューブのリークによるものと判定す
る。
処理ステップ105では、処理ステップ102,103,104での
要因判定結果を、診断結果記憶部15内の診断結果情報に
第15図に示す態様でフラグ情報として格納する。
従って、性能劣化要因判定手段14では、診断結果記憶
部15内のTD/DC性能変化情報、TD漸次変化情報、TD突変
変化情報、DC漸次変化情報、DC突変変化情報、プロセス
データ漸次・突変変化情報と、第13図、第14図に示す要
因判定表とを使用することによって、給水加熱器の性能
劣化要因を判定することが可能となる。
最後に、前記性能計算記憶部9に格納された給水加熱
器実績性能(TC/DC)データ、基準性能記憶部11に記憶
された基準性能から算出される性能診断時の基準性能
(TC/DC)、さらに診断結果記憶部15に記憶された診断
結果情報から第16図に示すような診断結果が診断結果表
示手段16により表示装置17に表示されるようにしてあ
る。第16図では、右上にバーチャートで基準性能及び実
績性能、右下に診断結果をメッセージで表示している。
しかして、本発明はオンラインで自動的にプラントの
整定/不整定状態を判定し、給水加熱器のTC/DC計算精
度が最も良いプラント状態の時に性能診断処理部を動作
させ、負荷に応じて設定された基準性能から性能診断時
の基準性能を求め、それと正能診断時のTC/DCとの比較
から給水加熱器性能が低下しているかどうかを判定す
る。
さらに、性能診断時から過去一定期間の給水加熱器性
能TC/DCの時系列データから、そのときのTC/DCが漸次変
化しているか、突変変化しているかどうかを判定する。
また、給水加熱器出入口差圧、給水ポンプ吐出圧力、給
水ポンプ回転数、ドレン流量のプロセスデータについ
て、それらのプロセスデータの時系列データから、その
ときのプロセスデータが漸次変化しているか、突変変化
しているかどうかを判定する。
最後に、TC/DCの変化状況と、プロセスデータの変化
状況から給水加熱器の性能劣化要因を同定し、性能診断
時の基準性能、実績性能、性能劣化要因判定結果の診断
結果情報を表示する。
〔発明の効果〕
本発明は上述のように構成したので、給水加熱器の性
能診断が性能計算精度が最も良い時にオンラインで実施
可能となり、さらに給水加熱器の出入口差圧、給水ポン
プ吐出圧力、給水ポンプ回転数、ドレン流量等のプロセ
スデータや、給水出口終端温度差および出口温度差の給
水加熱器性能の長期の変化状況の把握が可能となり、給
水加熱器性能劣化要因の同定に必要なプロセスデータ等
の時間に対する変化状況を判定することができる。そし
てプロセスデータの漸次・突変変化判定結果等によって
給水加熱器の性能劣化原因や部位の同定が可能となり、
給水加熱器の運転管理、予防保全のための詳細点検や補
修等の計画立案に寄与させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の給水加熱器性能診断装置の系統図、第
2図はプロセス値記憶部の性能診断用データ図、第3図
は性能診断処理部を起動するタイミング説明図、第4図
は性能診断起動判定手段説明図、第5図は過去プロセス
値記憶部の格納プロセスデータ説明図、第6図は性能計
算結果記憶部の計算結果データ説明図、第7図は基準性
能記憶部の説明図、第8図は診断結果記憶部の診断結果
情報説明図、第9図はデータの突変変化判定説明図、第
10図はデータの漸次変化判定説明図、第11図はプロセス
データ漸次・突変変化情報説明図、第12図は性能劣化要
因判定手段の処理フロー説明図、第13図および第14図は
要因判定表を示す図、第15図は診断結果情報説明図、第
16図は診断結果表示例を示す図、第17図は発電プラント
の概略構成図、第18図は給水加熱器の構造説明図であ
る。 1……タービンプラント、2……給水加熱器性能診断装
置、3……プロセス値収集手段、4……プロセス値記憶
部、5……性能診断起動判定手段、6……プロセス値記
憶手段、7……過去プロセス値記憶部、8……給水加熱
器性能計算手段、9……性能計算結果記憶部、10……性
能判定手段、11……基準性能記憶部、12……性能漸次・
突変変化判定手段、13……プロセスデータ漸次・突変変
化判定手段、14……性能劣化要因判定手段、15……診断
結果記憶部、16……診断結果表示手段、17……表示装
置。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発電プラント熱サイクルに設置された給水
    加熱器の性能診断を運転中のプロセスデータに基づいて
    行う給水加熱器性能診断装置において、 プラントの整定/不整定情報から、給水加熱器性能診断
    処理部を起動するタイミングを判定する性能診断起動判
    断手段と、 給水加熱器の出入口差圧、給水ポンプ吐出圧力、給水ポ
    ンプ回転数、給水加熱器ドレン流量の性能診断時計側デ
    ータを一定期間保存する過去プロセス値記憶部と、 給水加熱器における加熱蒸気圧力に対する飽和温度と給
    水出口温度との差からなる給水出口終端温度差、及びド
    レン出口温度と給水入口温度との差からなるドレン出口
    温度差を計算する給水加熱器性能計算手段と、 負荷に応じて設定した給水出口終端温度差及びドレン出
    口温度差の基準値を記憶する基準性能記憶部と、 記憶された基準性能から診断時の基準性能を算出すると
    ともに、前記性能診断時の基準性能と前記給水加熱器性
    能計算手段により計算された性能計算結果との比較判断
    から性能変化を判定する性能変化判定手段と、 前記性能計算結果を一定期間保持する性能計算結果記憶
    部に記憶された過去の性能計算結果の時系列データから
    性能の漸次・突変変化を判定する性能漸次・突変変化判
    定手段と、 前記過去プロセス値記憶部に記憶された過去の給水加熱
    器の出入口差圧、給水ポンプ吐出圧力、給水ポンプ回転
    数、給水加熱器ドレン流量の計測データの時系列データ
    からプロセスデータの漸次・突変変化を判定するプロセ
    スデータ漸次・突変変化判定手段と、 前記性能変化判定手段による性能変化判定結果及び性能
    ・プロセスデータの漸次・突変変化判定結果とから給水
    加熱器の性能劣化要因を判定する性能劣化要因判定手段
    と、 性能診断時の基準性能、実績性能、性能劣化要因判定結
    果の診断結果情報を表示する表示手段 とを有することを特徴とする給水加熱器性能診断装置。
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