JP2002122005A - 火力発電プラントの熱効率診断方法および装置 - Google Patents

火力発電プラントの熱効率診断方法および装置

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JP2002122005A
JP2002122005A JP2000314367A JP2000314367A JP2002122005A JP 2002122005 A JP2002122005 A JP 2002122005A JP 2000314367 A JP2000314367 A JP 2000314367A JP 2000314367 A JP2000314367 A JP 2000314367A JP 2002122005 A JP2002122005 A JP 2002122005A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒートバランス解析手法を用いて最適状態評価
を行ない、プラント熱効率低下要因部位を精度よく正確
に診断し、プラント熱効率の診断精度を向上させたもの
である。 【解決手段】本発明に係る火力発電プラントの熱効率診
断装置50は、低圧タービン併合型発電プラントを対象
とし、プラント熱効率診断を各構成機器の熱入出力に関
する計測データを用い、ヒートバランス解析手法を用い
た最適状態評価によりプラント熱効率診断を行なうもの
である。プラント熱効率診断方法は、各計測センサ51
で測定された計測データをコンピュータシステム52に
入力させ、計測された計測データの計測精度を考慮して
収束計算を行ない、現状のヒートバランスを決定し、こ
の現状のヒートバランスを設計ベースのヒートバランス
と比較考量し、各プラント構成機器がプラント熱効率に
与える寄与度を分析し、プラント熱効率低下要因機器で
ある熱効率劣化要因機器を特定する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低圧タービン併合
型の火力発電プラントの熱効率を診断する火力発電プラ
ントの熱効率診断技術に係り、特に火力発電プラントの
熱効率低下要因部位(熱効率劣化要因機器)を高精度判
定し、点検および補修等を通じて熱効率の回復を適正に
かつ能率よく行なうことができる火力発電プラントの熱
効率診断方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電プラントの熱効率は、燃料節
約、発電コストの低減さらには環境保全の観点からもま
すます重要視されている。実際にプラント熱効率が変化
した場合、その性能低下要因が火力発電プラント中のど
の機器であるのか特定することは、プラント熱効率管理
上重要である。
【0003】プラント熱効率は発電プラントの性能を表
わす数値であり、消費した燃料のエネルギに対する発電
した電力の比で表わす。プラント熱効率の向上は、燃料
消費量の節減につながり、環境対策上も重要である。
【0004】しかし、火力発電プラントには沢山の構成
機器が存在するので、プラント熱効率低下時に、どの構
成機器の性能低下がプラント熱効率に影響を与えている
かを特定することは困難である。
【0005】現在、火力発電プラントにおいては、日々
の計測や定期的なプラント性能試験によってプラント全
体および各プラント構成機器個別に傾向管理が実施され
ている。
【0006】火力発電プラントの運用・保守のための熱
効率管理の方法として、従来一般に、タービン設備機器
全体、ボイラ設備全体、またタービン設備のうち幾つか
の機器に関し、個別にプラント性能計算を行なってい
る。
【0007】火力発電プラント全体については、プラン
ト熱効率を燃料発熱量、燃料流量、発電機出力を用いて
計算している。また、タービン側については、タービン
室効率を給水流量計測値および発電機出力を用いて計算
している。
【0008】高圧タービンについては、高圧タービン出
入口の蒸気温度や圧力の計測値を用いて内部効率を計算
しており、中圧タービンについても同様に中圧タービン
出入口の蒸気温度や圧力の計測値を用いて内部効率を計
算している。
【0009】ところで、火力発電プラントでは、1つの
発電プラントに2つの発電機を備えたものが一般的であ
り、1つのプラントには高圧・中圧および低圧の3種類
の蒸気タービンが備えられている。
【0010】1つの火力発電プラントに備えられる高圧
・中圧および低圧の各蒸気タービンのうち、本出願人が
提案した特開平11−229820号公報では、図9に
示すように、高圧タービン1および中圧タービン2を第
1番目の発電機(Pri発電機)3に、低圧タービン
4,5同士を第2番目の発電機(Sec発電機)6に連
結した例を開示した。
【0011】この火力発電プラントにおいては、高圧タ
ービン1および中圧タービン2は出入口側が乾き蒸気で
あり、入口も出口も状態がそれぞれ計測可能なため、高
圧および中圧タービンの内部効率をそれぞれ容易に計算
することができる。第1番目および第2番目の発電機
3,6の発電機出力も計測精度が高く精度よく計測でき
る。したがって、第1番目の発電機3側の一軸だけでヒ
ートバランス計算を行なうことができ、このヒートバラ
ンス計算結果から高精度測定が難しい給水流量を求める
ことができる。
【0012】また、第1番目の発電機3側で測定した給
水流量を用いて、第2番目の発電機6側の最適化計算を
行なえば、低圧タービン4,5の内部効率を求めること
ができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】低圧タービン併合型火
力発電プラントとは、低圧タービンが2つに分かれ、高
圧タービンと一方の低圧タービンが第1番目の発電機
に、中圧タービンと残りの低圧タービンが第2番目の発
電機に連結したクロスコンパウンド型の二軸発電プラン
トや高圧タービン、中圧タービンおよび低圧タービンを
1つのタービン軸で発電機に接続したタンデム型一軸発
電プラント等を意味する。このような低圧タービン併合
型の火力発電プラントは、我国の火力発電プラントの中
でも大きな割合を占めている。
【0014】しかしながら、低圧タービン併合型の火力
発電プラントでは、全てのタービン軸が低圧タービンと
連結されるが、この低圧タービンは入口が乾き蒸気であ
るが出口は湿り蒸気状態となって蒸気と水が混在する状
態であるため、エネルギ状態を温度、圧力計測により特
定できない。このため、低圧タービンの内部効率を計算
することができない。
【0015】低圧タービン併合型の火力発電プラントで
は、全てのタービン軸に低圧タービンが直結されている
ため、低圧タービンの内部効率を計算することができな
い。発電機出力は精度よく測定できても、低圧タービン
の内部効率の計算が困難であるため、最適なヒートバラ
ンス計算を行なうことができない。したがって、低圧タ
ービン併合型の火力発電プラントでは最適な給水流量を
求めたり、低圧タービンの内部効率を決定することが困
難であった。
【0016】このため、低圧タービン併合型の火力発電
プラントでは、プラント熱効率低下要因部位を精度よく
診断することができず、また、各プラント構成機器個別
の性能変化がプラント効率に与える影響を精度よく解析
することが困難であった。
【0017】また、火力発電プラントの点検や補修等に
ついては、設備機器が大掛かりであることから、作業量
が多く、要する機材、期間、人員、コスト等も多大なも
のとなり、定期検査期間内に熱効率劣化要因機器を特定
し、劣化部位の補修を行なうことが困難であった。
【0018】このような大掛かりな点検・補修を効率よ
く行なってプラント熱効率を回復させるためには、点検
・補修箇所を特定する熱効率診断装置によって効率劣化
要因機器をより一層明確に特定することが望まれる。プ
ラント熱効率の診断自体にはコンピュータ処理が多く導
入されているが、この処理に費やされる設備や作業量、
運用コスト等についても可能な限り低廉であることが望
まれる。
【0019】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、ヒートバランス解析手法を用いて最適状態評
価を行なってプラント熱効率の効率低下要因部位を精度
よく正確に診断し、プラント熱効率の診断精度をより一
層向上させた火力発電プラントの熱効率診断方法および
装置を提供することを目的とする。
【0020】本発明の他の目的は、プラント熱効率を精
度よく正確に診断するとともに、各プラント構成機器個
別の性能変化がプラント熱効率に与える影響を精度よく
解析することができる火力発電プラントの熱効率診断方
法および装置を提供するにある。
【0021】本発明のさらに他の目的は、プラント熱効
率低下要因部位を精度よく特定し、点検・補修等の保守
管理を効率的にかつ簡単に行なうことができ、補修によ
るプラント熱効率の回復を適確に図って、運用のコスト
ダウンを図ることができる火力発電プラントの熱効率診
断方法および装置を提供するにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明では、既設火力発
電プラントの熱効率診断の精度向上を図る手法として、
最適状態評価を用いたヒートバランス解析手法を導入し
た。
【0023】ヒートバランスとは、発電プラント全体に
おける各構成機器毎の熱エネルギや電気エネルギの熱収
支をいう。
【0024】従来ヒートバランスは、火力発電プラント
のプラントメーカが設計時に、大型コンピュータで解析
することはあったが、電力会社が熱効率管理にヒートバ
ランス解析法を用いることはほとんどなかった。この理
由としては、プラント構成機器設置後のプラント運転に
おいては相互のプラント構成機器の関連が複雑なため
に、非常に大型のコンピュータを用いて熱収支(ヒート
バランス)計算を行なう必要があり、設備、作業量、運
用コスト等が厖大となって、現実的な面から採用が困難
であったことが挙げられる。
【0025】これに対し、本発明者における種々の研
究、試みの結果、火力発電プラント全ての構成機器につ
いて個別に性能計算を行なうのではなく、火力発電プラ
ントにおける各計測データを基に、火力発電プラント全
体のヒートバランスを組んだとき整合性がとれているか
否かを検討することにより、各計測データのクロスチェ
ックが可能であることから、プラント熱効率診断の精度
向上が可能であるとの着想を得るに至った。
【0026】すなわち、火力発電プラントの各構成機器
についての熱入出力に関する計測データには計測機器の
精度上のバラツキがあり、例えばボイラからの主蒸気流
量については、流量センサとしての流量計の経年劣化等
の計測精度上の問題や流量計の汚れによる劣化によっ
て、低精度となる傾向がある。
【0027】一方、高圧および中圧タービンにおいて
は、入口も出口も乾き蒸気であり、かつ温度や圧力の計
測が比較的容易で正確であるため、内部効率を容易に求
めることができ、また、復水給水系統の加熱機器である
給水加熱器や脱気器周りの温度、圧力等については高精
度の計測データが得られる。
【0028】しかし、低圧タービンのように入口側は乾
き蒸気であるが、出口側が湿り蒸気で蒸気に水が混在し
ている状態であるため、エネルギ状態を特定できず、低
圧タービンの内部効率を計算することができない。
【0029】そこで、火力発電プラントの各計測データ
を計測精度的に区分し、高精度データに基づいて低精度
データを高精度データ側に収束計算させ、最適状態評価
を行なうことで、低精度計測データの高精度化を図れ
ば、火力発電プラント全体のヒートバランスを高精度で
一貫性があるように組むことが考えられる。
【0030】この計測時のヒートバランスは、予め設計
段階で計算によって求めた設計時のヒートバランスと比
較することによって各構成機器の性能変化量を検討する
ことが可能である。
【0031】この各構成機器の性能変化量が、火力発電
プラント全体の熱効率に対して影響を及ぼす程度、すな
わちプラント熱効率の寄与度については、全てのプラン
ト構成機器が同列ではなく、構成機器如何によって差が
ある。
【0032】この差を「各機器のプラント熱効率への影
響係数」として予め求め、得られた設計値からの性能変
化量にその影響係数を乗じて各機器の「寄与度」を算出
すれば、熱効率劣化要因機器の特定がより明確に行なえ
ることになる。
【0033】本発明は以上の知見に基づいてなされたも
のであり、請求項1に係る火力発電プラントの熱効率診
断方法は、低圧タービン併合型の火力発電プラントの各
構成機器について熱入出力に関する計測を行ない、得ら
れた計測データの中で計測精度の高い発電機出力を基準
データとして火力発電プラントのヒートバランスを決定
し、プラント熱効率診断を行なう際、プラント熱効率診
断のキーパラメータで高精度計測が難しい計測データ
を、計測精度の範囲内で最適状態評価を行なって収束さ
せ、上記最適状態評価においては、上記キーパラメータ
ならびにこのキーパラメータを用いて計算されるプラン
ト熱効率の診断に必要な他のキーパラメータおよび各状
態値の計算値と計測値の偏差が最小で、起こり得る確率
が最大となるように最適状態を決定し、この最適状態の
キーパラメータを用いてプラント熱効率の診断を行なう
方法である。
【0034】また、請求項2に係る火力発電プラントの
熱効率診断方法は、プラント熱効率診断のキーパラメー
タは計測された給水流量あるいは復水流量であり、この
キーパラメータを最適状態に収束させてプラント熱効率
診断に必要な他のキーパラメータの精度向上を含むプラ
ント全体の熱効率診断精度向上を図る方法であり、さら
に、請求項3に係る火力発電プラントの熱効率診断方法
は、プラント熱効率診断に必要な他のキーパラメータ
は、タービン室効率、ボイラ室効率および低圧タービン
内部効率であり、プラント熱効率診断のキーパラメータ
である給水流量あるいは復水流量を収束させることで、
他のキーパラメータの精度向上を含むプラント全体の熱
効率診断精度向上を図る方法であり、さらに、請求項4
に係る火力発電プラントの熱効率診断方法は、前記キー
パラメータならびにキーパラメータを用いて計算される
プラント熱効率診断に必要な他のキーパラメータおよび
各状態値の計算値と計測値の各偏差により起こり得る確
率は、上記各偏差の算出精度に基づいた正規分布関数あ
るいは正規分布関数の積算計を用いて算出する方法であ
る。
【0035】さらに、本発明に係る火力発電プラントの
熱効率診断方法は、請求項5に係る火力発電プラントの
熱効率診断方法は、低圧タービン併合型の火力発電プラ
ントの各構成機器の計測データをコンピュータシステム
を入力させ、入力された各計測データの計測精度を考慮
し、最適状態評価を行なって火力発電プラントの現状の
ヒートバランスを決定し、この現状のヒートバランスを
予め設定された設計ベースのヒートバランスと比較考量
し、火力発電プラントの各構成機器がプラント熱効率に
与える寄与度を分析し、各構成機器の寄与度からプラン
ト熱効率低下要因部位である熱効率劣化要因機器を特定
する方法である。
【0036】またさらに、本発明に係る火力発電プラン
トの熱効率診断装置は、請求項6に係る火力発電プラン
トの熱効率診断方法は、低圧タービン併合型の火力発電
プラントの各構成機器について熱入出力に関する計測を
行なう計測センサと、この計測センサから出力された計
測データを記憶するメモリと、前記計測データの中から
予め高精度と認定された計測データを抽出し、その抽出
された計測データに基づいて高精度データが得られる構
成機器のヒートバランス計算を行なうヒートバランス計
算手段と、高精度計測データを基準値として低精度と認
められる計測データの最適状態評価を行なう計算手段
と、この計算手段で決定されたデータ最適値および前記
高精度と認められた計測データを入力し、プラント熱効
率診断に必要なタービン室効率、ボイラ室効率および低
圧タービン内部効率を求め、プラント全体のヒートバラ
ンスを決定するプラント熱効率計算手段とを備えたもの
である。
【0037】また、本発明に係る火力発電プラントの熱
効率診断装置は、請求項7に係る火力発電プラントの熱
効率診断方法は、火力発電プラントの各構成機器につい
て各構成機器の性能がプラント全体の熱効率に与える寄
与度を計算する寄与度計算手段と、得られた寄与度とプ
ラント全体のヒートバランスとに基づいて、熱効率劣化
要因機器を特定する劣化要因機器特定手段とを備えたも
のである。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明に係る火力発電プラントの
熱効率診断方法および装置の実施の形態について添付図
面を参照して説明する。
【0039】図1は、熱効率診断の対象となる低圧ター
ビン併合型の火力発電プラントの構成例を示す系統図で
あり、図2は図1に示された火力発電プラントに備えら
れる低圧タービン併合型二軸プラントの例を示すもので
ある。プラント熱効率診断対象の火力発電プラントは、
例えば低圧タービンが分かれて2つの発電機にそれぞれ
連結されるクロスコンパウンド型発電プラントである。
【0040】この火力発電プラントは図1に全体を符号
10で示すように、例えば35万kW級および60万k
W級出力の発電プラントである。火力発電プラント10
は、蒸気発生器であるボイラ11と、このボイラ11か
ら主蒸気系12を通って供給される主蒸気によって駆動
される高圧タービン13と、この高圧タービン13から
排出され、再熱蒸気系14を通って再熱されるボイラ再
熱蒸気によって駆動される中圧タービン15と、この中
圧タービン15からの排蒸気によって駆動される低圧タ
ービン16とを備える。
【0041】低圧タービン16は2基16a,16bに
分かれて設置されており、このうち、高圧タービン13
と一方の低圧タービン16aは第1発電機(Pri発電
機)18にタービン軸で連結され、中圧タービン15と
他方の低圧タービン16bは第2発電機(Sec発電
機)19に連結され、クロスコンパウンド型二軸発電プ
ラントを構成している。このクロスコンパウランド型発
電プラントは図2に示すように各低圧タービン16a,
16bが発電機18,19にそれぞれ接続された低圧タ
ービン併合型発電プラントを構成している。
【0042】低圧タービン16(16a,16b)で仕
事をし、発電機18,19を駆動した蒸気はタービン排
気となって復水器20に案内され、ここで冷却され復水
となる。復水器20で凝縮された復水は、復水給水系2
1と通って加熱され、給水となってボイラ11に戻され
るようになっている。
【0043】復水給水系21には復水ポンプ22でポン
プ駆動され、復水熱交換器23およびグランドコンデン
サ24に案内された後、多段構成、例えば3段構成の低
圧給水加熱器25(25a,25b,25c)に案内さ
れ、順次加熱される。低圧給水加熱器25a〜25cで
順次加熱された給水は続いて脱気器27に導かれて脱気
される。
【0044】脱気器27で脱気された給水は、給水ポン
プ28によりポンプアップされて多段構成の高圧給水加
熱器29(29a,29b,29c,29d)に案内さ
れ、この高圧給水加熱器29a〜29dを通る間により
温度上昇せしめられてボイラ11に給水される。高圧給
水加熱器29a〜29dは例えば4段構成に構成されて
いる。
【0045】また、高圧タービン13および中圧タービ
ン15の途中等からタービン抽気系が分岐されている。
高圧タービン13の途中から分岐され高圧タービン抽気
系31は最終段の高圧4段給水加熱器29dに導かれ、
復水給水系21を通る給水を加熱している。さらに、高
圧タービン13のタービン排気系は再熱蒸気系14を構
成しており、ボイラ11にタービン排気が導かれ、再熱
されるが、このタービン排気系あるいは高圧タービン1
3の下段側から分岐された高圧タービン排気分岐(抽
気)系32は高段側、例えば高圧3段給水加熱器29c
にタービン排気を案内して給水を加熱している。
【0046】さらに、高圧タービン13のタービン排気
系から給水ポンプ駆動タービン34を駆動させる高圧タ
ービン排気分岐(抽気)系33が分岐されており、この
排気分岐系33を通る高圧タービン排気あるいは抽気で
給水ポンプ駆動(BFP)タービン34が駆動されるよ
うになっている。BFPタービン34の駆動により給水
ポンプ28がポンプ作動するようになっている。BFP
タービン34には主蒸気系12から分岐された主蒸気補
助系35が接続されており、この主蒸気補助系35を通
って送られる主蒸気補助蒸気によってもBFPタービン
34が駆動されるようになっている。
【0047】BFPタービン34にもタービン抽気系が
多段に設けられる。これらBFPタービン抽気系37の
うち、高段側のタービン3段および2段抽気系37a,
37bは低圧段側高圧給水加熱器29、例えば高圧2段
および1段給水加熱器29b,29aにそれぞれ接続さ
れ、これらのタービン抽気で高圧1段および2段給水加
熱器29b,29aを通る給水を加熱している。
【0048】BFPタービン抽気系37のうち低段側タ
ービン一段抽気系37cは、中圧タービン15から分岐
された中圧タービン排気分岐系(タービン抽気系)38
と合流して脱気器27に導かれ、脱気器27内での給水
の脱気作用を促進している。
【0049】また、BFPタービン34のタービン排気
系39は高段側低圧給水加熱器25、例えば低圧3段給
水加熱器25cに導かれ、ここで給水を加熱している。
さらに、低段側低圧給水加熱器25、例えば低圧1段お
よび2段給水加熱器25a,25bに低圧タービン16
a,16bからのタービン抽気系41,42が設けら
れ、低圧タービン抽気系41,42からのタービン抽気
は低圧1段および2段給水加熱器25a,25bを通る
給水を加熱している。
【0050】なお、図1において、符号43はグランド
シール蒸気が案内されるSSRであり、符号44はドレ
ンポンプである。符号45は高圧タービン13のグラン
ドシール蒸気系であり、このグランドシール蒸気系45
は高圧側の低圧タービン抽気系42に接続されて合流せ
しめられるようになっている。
【0051】火力発電プラント10はプラントメーカ側
が設計ベースで熱収支計算が行なわれており、設計ベー
スのヒートバランス値は予め既知である。
【0052】次に、火力発電プラントの熱効率診断装置
の構成について説明する。
【0053】図3は、本実施形態による低圧タービン併
合型二軸発電プラントの熱効率診断装置50を示すシス
テム構成図であり、図4は図3に示した熱効率診断装置
50を用いてプラント熱効率を診断する方法のうち、ヒ
ートバランス解析法を用いてプラント熱効率計算を行な
う手順を示すフローチャートである。
【0054】火力発電プラント10の熱効率診断装置5
0は、プラント熱効率に関する計測を行なう多数の計測
センサ51(51a,51b,…,51n)と、これら
各計測センサ51からの計測データを取り込んでデータ
処理を行なうコンピュータシステム52とを備える。計
測センサ51は例えば各プラント構成機器やその前後に
取り付けられる流量計、温度計、圧力計、電気出力計等
である。
【0055】コンピュータシステム52は計測センサ5
1からのセンサ信号(アナログ信号)をデジタルセンサ
信号に変換するA/D変換器53と、変換されたデジタ
ル信号を入力して各種ヒートバランス計算を行なって最
適状態評価を行なうCPU54と、このCPU54との
間で情報交換を行ない、必要な情報をアドレスに分けて
記憶するメモリ55等を備えたシステム本体56と、こ
のシステム本体56に接続された入力装置57および出
力装置58とを備える。
【0056】各計測センサし51a〜51nは、図1に
示された火力発電プラント10のボイラ11、高圧ター
ビン13、中圧タービン15、低圧タービン16(16
a,16b)、第1および第2発電機18,19、高圧
給水加熱器29a〜29d、低圧給水加熱器25a〜2
5c、主蒸気系12、再熱蒸気系14、タービン抽排気
系31,32,33,37a〜37c,38,39、給
水ポンプ駆動タービン34および脱気器27等の熱入出
部にそれぞれ配設されており、主蒸気流量、各タービン
抽気流量、各タービン入出熱、各給水加熱器および脱気
器周りの入出熱、各発電機出力,温度,圧力,給水流
量,復水流量等を計測し、これらの計測データがコンピ
ュータシステム52に取り込まれる。
【0057】これらの計測データのうち、主蒸気流量、
高圧,中圧および低圧タービンの抽気流量、低圧タービ
ンの内部効率や給水流量,復水流量等に関する計測デー
タは、計測センサとしての流量計等のセンサ機器の計測
精度上の問題から計測誤差が見込まれるために、本実施
形態では、計測精度の劣る計測データを仮入力の形でコ
ンピュータシステムに取り込む。取り込まれた計測精度
の劣る計測データは一旦メモリ55の各アドレスに記憶
された後、CPU54において最適状態評価のための収
束計算の対象とされる。
【0058】一方、コンピュータシステム52に取り込
まれる各種計測データのうち、計測精度の高いデータは
直接的な熱入力データとして取り込まれる。計測精度の
高いデータには、各発電機18,19の出力、各タービ
ン13,15の入出熱、各給水加熱器および脱気器27
周りの入出熱等があり、これらの計測データは計測誤差
が殆どなく、高精度データであることから、メモリ55
の各アドレスに基準データ値(確定値)として記憶され
る。
【0059】さらに、本実施形態においては、入力装置
56を介し、予め求められた各プラント構成機器の性能
が発電プラント全体の効率に与える寄与度がCPU54
に入力されて計算され、メモリ55内に格納される。そ
して、この寄与度と、前述したヒートバランスに基づく
各プラント構成機器の熱効率の決定値との関係に基づい
て、CPU54において熱効率低下要因部位である熱効
率劣化要因機器の特定が行なわれ、その結果がグラフ等
の形で出力装置57に出力できるようになっている。C
PU54はプラント熱効率劣化要因機器の特定する劣化
要因機器特定手段59を備えている。
【0060】なお、メモリ55の別のアドレス中には、
メーカによる設計段階でのヒートバランス計算値、およ
び入出熱法あるいは熱損失法によって求められたボイラ
室効率、タービン室効率等の各種データ等も格納され、
CPU54で比較計算その他の作図、作表等が行なえる
ようになっている。
【0061】ところで、低圧タービン併合型の火力発電
プラント10においては、各計測センサ51からの計測
データを用い、測定精度の高い発電機出力を基準データ
として発電プラントのヒートバランスを決定し、プラン
ト熱効率診断を行なう。このプラント熱効率診断を行な
う際、診断のキーパラメータであるが高精度計測が難し
いパラメータを計測精度の範囲内で最適状態評価を行な
って収束させる。このパラメータには、計測データとし
て給水流量や復水流量がある。
【0062】最適状態評価においては、火力発電プラン
ト10における低圧タービン設計効率偏差やボイラ効率
偏差等がプラント全体で最小となり、起こり得る確率が
最大となるようなキーパラメータの最適状態を決定して
いる。確率を算出する関数は、例えば上記各偏差の算出
精度に基づいた正規分布関数あるいは正規分布関数の積
分形を用いて算出し、求める。
【0063】しかして、キーパラメータである給水流量
あるいは復水流量を最適状態に収束させることによっ
て、プラント性能診断に重要な他のキーパラメータの精
度向上を図ることができる。他のキーパラメータとして
火力発電プラント10のタービン室効率、ボイラ室効率
および低圧タービンの内部効率等がある。
【0064】ここで、タービン室効率およびボイラ室効
率は次の関係式を有する。
【0065】
【数1】
【0066】一方、低圧タービン16(16a,16
b)の内部効率は、給水流量を仮入力値として火力発電
プラント10のヒートバランス計算を行なって収束さ
せ、最適状態評価を行なうことで求めることができる。
【0067】また、各発電機18,19の発電機出力の
計測データは計測誤差が殆ど発生しない確定値データで
あり、この火力発電プラント10では各発電機出力を基
準値としてCPU54に入力させ、並列に収束計算を行
ない、プラント全体で最適状態評価を行なった。
【0068】CPU54では、発電機出力の計算値が実
際の発電機出力値(計測値)と比較し、異なる場合に
は、給水流量ひいては主蒸気流量または低圧タービンの
内部効率に誤差が含まれていると判断される。したがっ
て、これらの誤差を除去する収束計算の基準値として発
電機出力の計測データが適用される。
【0069】次に、図4は、火力発電プラントにおける
プラント熱効率診断のためのフローチャートを示すもの
である。
【0070】このフローチャートは、例えば35万kW
級および60万kW級出力の低圧タービン併合型プラン
ト10に対応するように開発したものである。低圧ター
ビン併合型の火力発電プラント10では、低圧タービン
16a,16bが図1および図2に示すように、Pri
発電機18およびSec発電機19に分かれているた
め、高精度計測が可能な発電機出力を基準値として用
い、並列に収束計算を行ない、発電プラント全体で最適
評価を行なうようにしたものである。
【0071】低圧タービン併合型の火力発電プラント1
0においては、主要構成機器の性能診断に重要なキーパ
ラメータでありながら、高精度測定が難しい給水流量
(または復水流量)に対して最適状態評価を実施して、
整合性のとれたヒートバランスを決定できることが判明
した。
【0072】この最適状態評価では、入出熱法および損
失法を用いたボイラ効率の偏差、低圧タービン設計効率
の偏差、給水流量偏差、復水流量偏差等を考慮して統計
分析を行ない、最大確率ポイントを決定している。
【0073】プラント熱効率診断のための図4のヒート
バランス解析法による解析手順を詳述すると、スタート
後、コンピュータシステム52へプラント熱効率診断の
キーパラメータである給水流量(復水流量でもよい。)
の仮入力が行なわれる(ステップA)。給水流量に代え
て、低圧給水加熱器25を通る復水流量を入力させても
よい。上記給水流量はボイラ11への給水流量計測によ
って測定されるが、この計測データには計測誤差が含ま
れることから仮入力とする。但し、給水流量は、主蒸気
流量発生の基礎となり、タービン効率およびボイラ効率
計算上の基礎的要素であるから、後の収束計算によって
計測誤差(偏差)の解消が図られる。
【0074】なお、プラント熱効率およびタービン効
率、ボイラ効率は次の関係を有する。
【0075】
【数2】
【0076】また、高圧・中圧タービン出力を正確に求
める場合には、タービン中の各セクションを流れる蒸気
流量を求めるため主蒸気流量Gの値から各抽気流量やリ
ーク流量を差し引く必要がある。そこで、ステップBで
は、高圧タービン13のタービン抽気流量を高圧4段給
水加熱器29dへの抽気量から算出し、コンピュータシ
ステム52に入力する一方、ステップCでは、高圧ター
ビン13からのグランドリーク量や補助蒸気流量等を算
出してコンピュータシステム52に入力し、タービン中
の各セクションを流れる蒸気流量の算定を図る。
【0077】なお、高圧タービンの抽気流量等は高精度
が見込まれる高圧および中圧タービンへの入出熱量差お
よび高圧給水加熱器29および脱気器27周りの入出熱
量差の計測値と比較考量される。
【0078】ステップDおよびEにおいて、高精度な計
測データである高圧および中圧タービン13,15の入
出熱量からヒートバランス計算を行なって高圧タービン
13の内部効率および中圧タービン15の内部効率をそ
れぞれ算出する。
【0079】また、給水ポンプ28の入出熱量、同動力
を求め、ヒートバランス計算を行なって、それと同じ値
になるように給水ポンプ駆動(BFP)タービン34の
出力および内部効率を算出する。
【0080】このようにして、高圧および中圧タービン
13,15とその付属機器に関連するBFPタービン3
4とのヒートバランス計算により、出力や内部効率を算
出した後、次に低圧タービン16a,16bの内部効率
を求める計算に移行する。
【0081】低圧タービン16a,16bの内部効率を
精度よく求めるために、ステップGにおいてプラント熱
効率診断に必要なキーパラメータである低圧タービン1
6a,16bの内部効率をコンピュータシステム52に
仮入力させる。この低圧タービン16a,16bの計算
要素となる。出口側蒸気は湿り度が高く、それに基づく
誤差により出口熱量計算の高い計測精度が見込まれない
ことから仮入力とする。但し、低圧タービン16a,1
6bへの入口側の乾き蒸気は安定しているので高精度な
測定データが得られる。
【0082】低圧タービン16a,16bの内部効率を
仮入力した後、低圧タービン出口ポイント(ELEP)
をステップGで決定し、このELEPの温度等の計測デ
ータから低圧タービン16の膨脹曲線をステップIで算
出し、決定する一方、低圧タービン16a,16bから
のタービン抽気流量を計測し、算出する(ステップ
J)。
【0083】低圧タービン16a,16bの膨脹曲線お
よびタービン抽気流量から低圧タービン16a,16b
で実際に仕事に寄与する蒸気量を算出する。
【0084】しかして、低圧タービン16の蒸気流量か
らタービン排気損失を考慮して、低圧タービン16a,
16bの出力をそれぞれ決定する。この低圧タービン1
6a,16bの出力計測値は、仮入力のタービン内部効
率を考慮して決定されるものであるから、必ずしも精度
が高いものとはいえない。
【0085】一方、高圧タービン13や中圧タービン1
5の出力計測値は出入口の計測データの測定精度が高
く、また、発電機出力も精度の高い測定データである。
精度の高い発電機出力と高圧タービン13や中圧タービ
ン15の出力を基準として低圧タービン16a,16b
の出力計算値を求めることができる。
【0086】しかして、ステップKおよびLにて計算に
て求められた低圧タービン16a,16bの出力計算値
を低圧タービン16a,16bの出力計測値と比較し、
両出力値が一致していれば、この一致した出力値に基づ
いて低圧タービン16a,16bの内部効率を算出する
ことができる。
【0087】低圧タービン16a,16bの出力計算値
と出力計測値とが一致しない場合には、ステップGで仮
入力した低圧タービン16a,16bの内部効率に誤差
があると判断し、ステップGにフィードバックさせて低
圧タービン16a,16bの内部効率値として別の値を
仮入力させる。このフィードバック操作は、ステップM
にて低圧タービン16a,16bの出力計算値と出力計
測値とが一致(整合)するまでフィードバックにより繰
り返され,低圧タービン16a,16bの内部効率の収
束計算が行なわれる。
【0088】また、低圧タービン16a,16bの出力
計算値と出力計測値との誤差が解消されると、この出力
値に基づいて最適状態評価が行なわれて低圧タービン1
6a,16bの内部効率が決定される(ステップN)。
この場合の低圧タービン16a,16bの内部効率は、
高精度データとして採用できる。
【0089】そして、図4のヒートバランス解析手順に
より高精度データとして算出された低圧タービン16
a,16bの内部効率や高圧タービン13の内部効率、
中圧タービン15の内部効率、発電機出力から、給水流
量偏差やタービン設計効率偏差、ボイラ効率偏差を求め
る。これらの偏差が大きな場合には、ステップAで仮入
力した給水流量に誤差があると判断し、偏差が小さくな
るようにフィードバック操作される。
【0090】このフィードバック操作により、給水流量
偏差や、タービン設計効率偏差、ボイラ効率偏差が収束
して最小偏差となった最適値を使用することで高精度が
見込まれる。
【0091】なお、ボイラ効率については、高圧および
中圧タービン13,15側でのフローで決定した主蒸気
流量Gを使用して前述した式(2)に基づく熱効率計算
を行なって求める。ボイラ効率は、主蒸気流量の最適値
を使用することで高精度が見込まれる。
【0092】この低圧タービン併合型火力発電プラント
においては、各タービン効率およびボイラ効率が求めら
れた後は、これらを使用して式(2)により発電プラン
ト全体の熱効率計算が行なわれ、ヒートバランス解析法
に基づくヒートバランス作成フローが終了する。
【0093】その際、低圧タービン併合型の火力発電プ
ラント10において、低圧タービン16の内部効率は、
給水流量を入力値として発電プラントのヒートバランス
計算から求め得ることが分かった。また、火力発電プラ
ント10中における各偏差には、低圧タービン設計効率
偏差やボイラ効率偏差、給水流量偏差、復水流量偏差等
がある。
【0094】このうち、低圧タービン設計効率偏差は、
タービン性能試験時や設計時の低圧タービン内部効率の
算出に使用する計測値から求めることができるが、蒸気
タービンの内部効率は設計値を上廻ることはない。
【0095】また、ボイラ効率偏差は、入出熱法による
ボイラ効率値と損失法によるボイラ効率値から求めら
れ、本来一致する筈であるが、実際には、プラント性能
試験時の入出熱法と損失法の計測精度にバラツキがあ
る。この場合、損失法によるボイラ効率は計測精度が高
いので、入出熱法によるボイラ効率の計測精度のバラツ
キから偏差を求める。
【0096】さらに、給水流量偏差や復水流量偏差は最
適値と計測値との間の差であり、偏差算出には計測値が
用いられる。
【0097】図5には、ボイラ効率偏差、低圧タービン
設計効率偏差、給水流量偏差および復水流量偏差と確率
との相関関数をそれぞれ示すものである。
【0098】図4に示されたプラント熱効率診断のフロ
ーチャートで求めた現状の計測ヒートバランスを設計ベ
ースのヒートバランスと比較して、その精度検証を行な
った。
【0099】火力発電プラントとして35万kW級の低
圧タービン併合型プラント実機を用意し、このプラント
実機の計測データを用いてプラント熱効率診断を行なっ
た。
【0100】表1は図4のプラント熱効率診断フローチ
ャートで求めたヒートバランスの解析結果を示すもので
ある。表1の上段はプラントメーカの設計ベースに基づ
くヒートバランスのメーカ設定値であり、下段は、メー
カ設計ベースの各数値を基に本出願人(当社)が再現し
たヒートバランスの再現値である。
【0101】
【表1】
【0102】表1の当社再現値から、出力値であるター
ビン室効率、各タービンの内部効率に関して設計値と再
現値が一致し、図4のプラント熱効率診断のフローチャ
ートで設計ベースのヒートバランスを再現でき、図4の
ヒートバランス作成プログラムに基づくヒートバランス
解析法の妥当性が実証された。
【0103】次に、ヒートバランス解析法で求めた性能
試験解析結果の比較を表2に示す。
【0104】
【表2】
【0105】図1に示された低圧タービン併合型発電プ
ラントを対象とし、性能試験で得られた計測値を基にプ
ラント熱効率診断を行ない、その性能試験解析結果を表
2に示す。
【0106】表2において上段は、最適状態評価を行な
わない従来法を示すもので、下段に、図4に示すヒート
バランス解析法に基づき、最適状態評価を行なって求め
た給水流量、低圧タービン出力効率、ボイラ出力効率を
それぞれ示す。
【0107】従来法では、計測された給水流量をそのま
ま用いると、低圧タービンの出力効率はその設定値より
約7%程度高い値を示し、ボイラ出力効率も精度の高い
損失法と精度上のバラツキのある入出熱法では約2%の
誤差が生じている。
【0108】なお、入出熱法は、燃料による入熱と蒸気
による出熱からボイラ室効率を計算する方法であり、測
定された給水流量を用いる必要がある。この入出熱法に
用いられる値は常設の給水流量計(給水流量基準)の測
定値を用いている。また熱損失法は、燃焼排ガスによる
熱損失の割合を計算し、100%からその熱損失割合を
差し引いてボイラ室効率を計算する方法である。
【0109】最適状態評価を行なった図4のヒートバラ
ンス解析法を用いてヒートバランス解析法を実施する
と、下段に示すように、ヒートバランスの最適状態を予
測することで、計測データのバラツキの影響を低減させ
ることができる。例えば、給水流量は流量計の測定精度
のバラツキが大きく計測精度が低いが,最適状態予測を
行なうことで、計測データのバラツキの影響を解消する
ことができる。
【0110】図4に示されたヒートバランス解析法を用
いた最適状態評価では、従来法と同じ測定値を使用し
た。従来法と同じ測定値の給水流量を用いて最適状態評
価を行なったところ、給水流量は測定流量より+2%程
度で最大確率ポイントとなった。図6は給水流量の最大
確率ポイントとパラメータ偏差の関係を示す相関図であ
る。
【0111】図4に示すヒートバランス解析法を用い、
最適状態評価によってヒートバランスを決定すること
で、従来法では大きく設計値を超えていた低圧タービン
出力効率は設計値以下となり、復水流量偏差が大幅に縮
小し、確率関数は大幅に向上する。このように、図4の
ヒートバランス解析法を用いてヒートバランスの最適状
態を予測することで、計測データのバラツキの影響を低
減させ、解消できることが確認された。
【0112】蒸気タービンのノズルクリアランスとはタ
ービン内部における静翼とロータとの間のシールフィン
の間隙をいう。このノズルクリアランスは通常数mmに
設定されており、クリアランスを小さくすることで後続
タービン段落への蒸気リーク量が減少し、タービン効率
を上昇させ得ることが知られている。
【0113】特に、本実施形態ではヒートバランス解析
法を利用して最適状態評価を行なうことで高圧タービン
13のグランドリーク量を特定することが可能となっ
た。従来は流量計による測定だけであるので、グランド
リーク量の特定ができず、測定バラツキが大きかった。
【0114】高圧タービン13のグランドリーク量の特
定は、性能試験時に中圧タービン15からのタービン抽
気系(タービン排気系)38上流側の抽気バルブ(図示
せず)を閉じることにより行なわれる。抽気バルブの閉
塞により、脱気器27に流入する蒸気は、高圧タービン
13のグランドリーク蒸気と給水ポンプ駆動タービン3
4の第3タービン抽気が合流したものだけとなる。
【0115】次に、給水ポンプ駆動タービン34の第3
タービン抽気の圧力と温度を測定するとともに、脱気器
27流入蒸気の圧力と温度を測定する。そして、脱気器
27周りのヒートバランス計算から脱気器流入蒸気流量
Gdeaを特定する。
【0116】脱気器流入蒸気流量Gdeaから次式によ
り高圧タービングランドリーク量Gglkを特定でき
る。
【0117】
【数3】
【0118】このように、低圧タービン併合型発電プラ
ントに対して図3に示したプラント熱効率診断装置50
を用い、このプラント熱効率診断装置50に内蔵された
ヒートバランス解析法を用いて最適状態評価を行なうこ
とにより、プラント構成機器のヒートバランスを作成で
き、プラント熱効率低下要因部位を判別し、特定するこ
とができる。このプラント熱効率低下要因部位の特定に
より、熱効率劣化要因機器の特定ができる。
【0119】本実施形態においては火力発電プラントの
プラント熱効率診断は以下の手順で行なわれる。
【0120】低圧タービン併合型火力発電プラント1
0の各計測センサ51で測定された計測データ(PI
D)をコンピュータシステム52に入力する。 測定された計測データの測定精度を考慮し、収束計算
を行なうことでヒートバランスを決定する。 プラントメーカの設計ベースのヒートバランス値と計
測データに基づく現状のヒートバランス値を比較考量す
る。 各プラント構成機器の性能がプラント熱効率に与える
寄与度を分析する。 各プラント構成機器の寄与度から熱効率低下要因部位
(熱効率劣化要因機器)を特定する。
【0121】次に、火力発電プラントとして60万kW
級の低圧タービン併合型プラントに適用した場合を説明
する。
【0122】この場合にも、図4に示されたプラント熱
効率診断のフローチャートを用い、ヒートバランス解析
法によりプラント全体の最適状態評価を行なった。
【0123】まず、60万kW級発電プラント実機の計
測データを用いてヒートバランス解析を行なう前に、表
1で示す設計ベースヒートバランスの解析結果と同様な
ヒートバランス解析を行ない、その解析結果を表3に示
す。表3は、プラントメーカの設計値と本出願人による
再現値とを比較したヒートバランスの比較表である。
【0124】表3は、上段で示されたプラントメーカの
設計ベースで用いたヒートバランスの各数値を基に、ヒ
ートバランス図の再現を図ったものであり、本出願人に
よる再現値を下段に示す。
【0125】
【表3】
【0126】プラントメーカの設計ベースを基準にした
ヒートバランス解析結果から当社再現値で示すように、
出力値であるタービン室効率、各タービンの内部効率に
関して設計値と再現値が一致し、設計ベースのヒートバ
ランスを60万kW級の発電プラントにおいても同様に
再現できた。したがって、図4に示されたフローチャー
トは60万kW級の発電プラントにおいても、ヒートバ
ランス作成プログラムが妥当性を有することが検証でき
た。
【0127】図4に示されたヒートバランス作成手順に
従い、定期検査前のプラント性能試験で得られた計測デ
ータを基に、35万kW級の発電プラントと同様に、ヒ
ートバランス図を作成した。このヒートバランス図は図
1の火力発電プラント10の各構成機器毎あるいはその
前後に具体的数値(図示省略)を書き入れたものであ
る。このプラント性能試験においては、プラント熱効率
診断精度の向上を図るために、常設の計測機器の他に、
中圧タービンの排気圧力を測定する特設計器を設置し
た。
【0128】図7は、図4のプラント熱効率診断方法を
実施して得られたプラント熱効率劣化要因機器を特定す
るため、定期検査前後の性能試験で得られた寄与度をプ
ロットしたものである。
【0129】図7は、定期検査前のプラント性能試験の
結果を基にヒートバランス解析を行なったもので、プラ
ント熱効率に対する各プラント構成機器の寄与度を示
す。
【0130】図7に示されたプラント熱効率に対する各
プラント構成機器の寄与度から、プラント熱効率の低下
にタービン側、特に高圧、中圧、低圧タービンの出力効
率低下が原因機器であることが判明した。
【0131】定期検査前のヒートバランス解析により、
プラント性能低下が判明した各タービン機器について費
用対効果の観点から具体的な補修計画をたてた。補修計
画は当初予定しない定期検査期間内で補修可能で改善効
果のできる箇所をポイントとした。具体的には、タービ
ンのノズルクリアランス調整を実施することにした。
【0132】蒸気タービンのノズルクリアランスとはタ
ービン内部における静翼とロータとの間のシールフィン
の間隙をいう。このノズルクリアランスは通常数mmに
設定されており、クリアランスを小さくすることで後続
タービン段落への蒸気リーク量が減少し、タービン効率
を上昇させ得ることが知られている。ただ、ノズルクリ
アランスを狭めすぎると、ロータとシールフィンの摺動
に伴ない、ロータ側にホットスポットが発生し、タービ
ン振動増加の原因となるので、ノズルクリアランスは管
理範囲内の適切な値とする必要がある。
【0133】図8は、60万kW級火力発電プラント実
機におけるタービン分解時のノズルクリアランスと、プ
ラント運転実績を考慮した目標設定に沿って調整した組
立時のノズルクリアランスの関係を高圧、中圧、低圧タ
ービンに関して示すものである。ノズルシールフィンは
組立時に新しいフィンと交換した。
【0134】なお、図8に示された縦軸は間隙値(ノズ
ルクリアランス)を、横軸は高圧、中圧および低圧ター
ビンのタービン段落をそれぞれ示す。低圧タービンはP
ri側の低圧タービンを図示したが、Sec側低圧ター
ビンも同様に表わされる。
【0135】図8から、特に低圧タービンのノズルクリ
アランスが大きく、大きなクリアランス調整幅が必要な
ことを示したり、低圧タービンの分解時と組立時の間で
クリアランス調整を行なった。
【0136】低圧タービンのノズルクリアランス調整を
充分に行なうと、定期検査後のヒートバランス解析によ
って低圧タービンの性能が向上していることが裏付けら
れた。
【0137】具体的には、定期検査後のタービン性能確
認において、タービン室効率で0.3%回復した。この
回復効果は、LNG量で年間2800トンの節約とな
る。また、タービン室効率(プラント熱効率)が性能低
下箇所の補修により例えば1%向上が図れれば、1発電
プラント当たり年間約1億円の燃料費削減に繋がる。
【0138】タービン効率回復によって、各タービン構
成機器のプラント熱効率への寄与度は、図4に示すヒー
トバランス解析法を用いて最適状態評価を行なうと、定
期検査後のプラント性能試験結果から、図7に示す内訳
が得られた。この図7から低圧タービンのノズルクリア
ランスに関する補修を行なうと、低圧タービンの出力効
率を改善させることができ、プラント熱効率を大きく改
善させ、回復させ得ることができる。
【0139】このように、低圧タービン併合型火力発電
プラント10にヒートバランス解析によるプラント熱効
率劣化診断方法を適用することで、35万kW級および
60万kW級出力の火力発電プラントのプラント熱効率
劣化要因機器を特定できる。さらに、プラント熱効率低
下部位であるタービンの内部構造の細部まで検討するこ
とで、その検討結果を定期点検の補修工事に反映させる
ことで、タービン性能の回復を図ることができる。
【0140】なお、本発明に係る実施の形態において
は、35万kW級および60万kW級出力の低圧タービ
ン併合型の二軸発電プラントに適用した例を示したが、
本発明は、低圧タービン併合型のものであれば、高圧タ
ービン、中圧タービンおよび低圧タービンが1つの発電
機に接続されているタンデム型一軸発電プラントに適用
することができる。
【0141】また、本発明は、35万kW級や60万k
W級出力の発電プラントだけでなく、100万kW級や
他の出力のクロスコンパウンド型(二軸)発電プラント
やタンデム型(一軸)発電プラント、コンバインドサイ
クル発電プラントに適用することもできる。
【0142】
【発明の効果】本発明に係る火力発電プラントの熱効率
診断方法および装置においては、ヒートバランス解析手
法を用いてプラント熱効率診断に必要なキーパラメータ
の最適状態評価を行なって収束させたので、高精度計測
が難しい計測データを計測精度の範囲内で最適状態評価
を行なって収束させることができ、プラント熱効率の診
断に必要な他のキーパラメータを偏差が最小で起こり得
る確率が最大となるように最適状態を設定し、これら最
適状態のキーパラメータを用いてプラント熱効率診断を
行なう構成としたので、プラント熱効率を精度よく正確
に診断し、プラント熱効率劣化要因機器、ひいてはプラ
ント熱効率低下要因部位を精度よく、正確に特定するこ
とができる。
【0143】また、本発明に係る火力発電プラントの熱
効率診断方法および装置においては、ヒートバランス解
析手法を用いて最適状態評価を行なうことにより、高精
度計測が難しい給水流量や復水流量等の計測データを収
束させ、低圧タービン併合型発電プラントのプラント熱
効率を精度よく正確に診断し、各プラント構成機器個別
の性能変化がプラント熱効率に与える影響を精度よく解
析し、プラント熱効率低下要因部位を精度よく特定し、
点検・補修等の保守管理を効率的かつ簡単に行なうこと
ができる。
【0144】さらに、本発明に係る火力発電プラントの
熱効率診断方法および装置においては、ヒートバランス
解析手法を用いて最適状態評価を行なうことにより、プ
ラント熱効率低下要因部位を精度よく特定し、点検・補
修等の保守管理を効率的かつ適確に行なって、プラント
熱効率の回復を図ることができ、運用のコストダウンを
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した低圧タービン併合型の火力発
電プラントの構成例を示す系統図。
【図2】図1の火力発電プラントに備えられるクロスコ
ンパウンド型二軸発電プラントにおけるタービンと発電
機の連結例を示す概略図。
【図3】本発明の一実施形態を示すもので火力発電プラ
ントにおけるプラント熱効率診断装置を示す図。
【図4】本発明を火力発電プラントのプラント熱効率診
断に適用したもので、ヒートバランス解析法を実施する
フローチャートを示す図。
【図5】ボイラ効率偏差、低圧タービン設計効率偏差、
給水流量偏差および復水流量偏差と確率との相関関数を
示す図。
【図6】給水流量の最大確率ポイントとパラメータ偏差
の関係を示す相関図。
【図7】火力発電プラントのプラント熱効率に対する各
構成機器の寄与度を定期検査前後の性能試験から求めた
図。
【図8】本発明を適用したもので、火力発電プラントの
熱効率診断のためのノズルクリアランスとタービン段落
の関係を示す図。
【図9】従来のクロスコンパウンド型二軸発電プラント
に適用されるタービンと発電機の組合せ例を示す図。
【符号の説明】 10 火力発電プラント 11 ボイラ 12 主蒸気系 13 高圧タービン 14 再熱蒸気系 15 中圧タービン 16,16a,16b 低圧タービン 18,19 発電機 20 復水器 21 復水給水系 22 復水ポンプ 23 復水熱交換器 24 グランドコンデンサ 25,25a,25b,25c 低圧給水加熱器 27 脱気器 28 給水ポンプ 29,29a,29b,29c,29d 高圧給水加熱
器 31 高圧タービン抽気系 32 高圧タービン排気系(高圧タービン排気分岐系、
高圧タービン抽気系) 33 高圧タービン排気分岐系 34 給水ポンプ駆動タービン 35 主蒸気補助系 37 給水ポンプ駆動タービン抽気系 37a,37b,37c タービン抽気系 38 中圧タービン排気分岐系(中圧タービン抽気系) 39 給水ポンプタービン排気系 41,42 低圧タービン抽気系 43 SSR 44 ドレンポンプ 45 グランドシール蒸気系 50 熱効率診断装置 51,51a,51b,…,51n 計測センサ 52 コンピュータシステム 53 A/D変換器 54 CPU 55 メモリ 56 システム本体 57 入力装置 58 出力装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠宮 勝彦 千葉県市原市姉崎海岸3 東京電力株式会 社姉崎火力発電所内 Fターム(参考) 3L021 CA06 DA38

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低圧タービン併合型の火力発電プラント
    の各構成機器について熱入出力に関する計測を行ない、 得られた計測データの中で計測精度の高い発電機出力を
    基準データとして火力発電プラントのヒートバランスを
    決定し、プラント熱効率診断を行なう際、 プラント熱効率診断のキーパラメータで高精度計測が難
    しい計測データを、計測精度の範囲内で最適状態評価を
    行なって収束させ、 上記最適状態評価においては、上記キーパラメータなら
    びにこのキーパラメータを用いて計算されるプラント熱
    効率の診断に必要な他のキーパラメータおよび各状態値
    の計算値と計測値の偏差が最小で、起こり得る確率が最
    大となるように最適状態を決定し、 この最適状態のキーパラメータを用いてプラント熱効率
    の診断を行なうことを特徴とする火力発電プラントの熱
    効率診断方法。
  2. 【請求項2】 プラント熱効率診断のキーパラメータは
    計測された給水流量あるいは復水流量であり、このキー
    パラメータを最適状態に収束させてプラント熱効率診断
    に必要な他のキーパラメータの精度向上を含むプラント
    全体の熱効率診断精度向上を図ることを特徴とする請求
    項1記載の火力発電プラントの熱効率診断方法。
  3. 【請求項3】 プラント熱効率診断に必要な他のキーパ
    ラメータは、タービン室効率、ボイラ室効率および低圧
    タービン内部効率であり、プラント熱効率診断のキーパ
    ラメータである給水流量あるいは復水流量を収束させる
    ことで、他のキーパラメータの精度向上を含むプラント
    全体の熱効率診断精度向上を図ることを特徴とする請求
    項1または2記載の火力発電プラントの熱効率診断方
    法。
  4. 【請求項4】 前記キーパラメータならびにこのキーパ
    ラメータを用いて計算されるプラント熱効率診断に必要
    な他のキーパラメータおよび各状態値の計算値と計測値
    の各偏差により起こり得る確率は、上記各偏差の算出精
    度に基づいた正規分布関数あるいは正規分布関数の積算
    計を用いて算出する請求項1記載の火力発電プラントの
    熱効率診断方法。
  5. 【請求項5】 低圧タービン併合型の火力発電プラント
    の各構成機器の計測データをコンピュータシステムを入
    力させ、 入力された各計測データの計測精度を考慮し、最適状態
    評価を行なって火力発電プラントの現状のヒートバラン
    スを決定し、 この現状のヒートバランスを予め設定された設計ベース
    のヒートバランスと比較考量し、 火力発電プラントの各構成機器がプラント熱効率に与え
    る寄与度を分析し、 各構成機器の寄与度からプラント熱効率低下要因部位で
    ある熱効率劣化要因機器を特定することを特徴とする火
    力発電プラントの熱効率診断方法。
  6. 【請求項6】 低圧タービン併合型の火力発電プラント
    の各構成機器について熱入出力に関する計測を行なう計
    測センサと、この計測センサから出力された計測データ
    を記憶するメモリと、前記計測データの中から予め高精
    度と認定された計測データを抽出し、その抽出された計
    測データに基づいて高精度データが得られる構成機器の
    ヒートバランス計算を行なうヒートバランス計算手段
    と、高精度計測データを基準値として低精度と認められ
    る計測データの最適状態評価を行なう計算手段と、この
    計算手段で決定されたデータ最適値および前記高精度と
    認められた計測データを入力し、プラント熱効率診断に
    必要なタービン室効率、ボイラ室効率および低圧タービ
    ン内部効率を求め、プラント全体のヒートバランスを決
    定するプラント熱効率計算手段とを備えたことを特徴と
    する火力発電プラントの熱効率診断装置。
  7. 【請求項7】 火力発電プラントの各構成機器について
    各構成機器の性能がプラント全体の熱効率に与える寄与
    度を計算する寄与度計算手段と、得られた寄与度とプラ
    ント全体のヒートバランスとに基づいて、熱効率劣化要
    因機器を特定する劣化要因機器特定手段とを備えたこと
    を特徴とする火力発電プラントの熱効率診断装置。
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