JP2659184B2 - シヨツトキ障壁型赤外線センサ - Google Patents
シヨツトキ障壁型赤外線センサInfo
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- JP2659184B2 JP2659184B2 JP62032402A JP3240287A JP2659184B2 JP 2659184 B2 JP2659184 B2 JP 2659184B2 JP 62032402 A JP62032402 A JP 62032402A JP 3240287 A JP3240287 A JP 3240287A JP 2659184 B2 JP2659184 B2 JP 2659184B2
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- semiconductor
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は赤外光の信号を電気信号に変換する赤外線セ
ンサに関し、特にショットキ障壁型赤外線センサに関す
る。
ンサに関し、特にショットキ障壁型赤外線センサに関す
る。
従来、この種のショットキ障壁型赤外線センサにおい
ては、金属/半導体ショットキ接触構造を構成する金属
電極(単元素金属と半導体との化合物金属も含む)がほ
ぼ均一の厚さでかつ平坦な形状を有していた。
ては、金属/半導体ショットキ接触構造を構成する金属
電極(単元素金属と半導体との化合物金属も含む)がほ
ぼ均一の厚さでかつ平坦な形状を有していた。
ショットキ障壁型赤外線センサの光電変換機構につい
て第2図を用いて説明する。第2図(a)は金属/p形半
導体ショットキ接触の場合、第2図(b)は金属/n形半
導体ショットキ接触の場合、第2図(b)は金属/n形半
導体ショットキ接触の場合のエネルギー帯構造及び光電
変換機構である。赤外光11の入射方向は裏面照射型の場
合が描かれている。表面照射型の場合には金属側から入
射する。半導体の禁制帯幅Eg以上のエネルギーを持つ光
は半導体内の入射面近傍においてほとんど吸収されてし
まうが、禁制帯幅Egより小さいエネルギーの光(このよ
うな光は通常赤外光である)ではその光エネルギーを吸
収して半導体の価電子帯21中の電子26が伝導帯23へ帯間
遷移する確率が無いので半導体中をほとんど損失なく透
過し金属14に入射する。金属14内ではフェルミ準位Ef下
が電子26で満たされており、ここへ赤外光11が入射する
と電子26はその光エネルギーhν25(h:プランク定数,
ν:光の振動数)を吸収し、フェルミ準位下からフェル
ミ準位上の空準位へ遷移してホット電子13とホットホー
ル12を形成する。ホット電子13とホットホール12は再結
合するまで金属14中を運動するが、この運動はどの方向
へもほぼ等確率で発生する。第2図(a)の構造では運
動中金属/p形半導体界面に達したホットホール12のうち
ショットキ障壁φSBより大きいエネルギーを持ち、その
運動量の界面に対する垂直成分に相当するエネルギーが
ショットキ障壁φSBより大きいものが金属14からp形半
導体15中へ注入され、金属14中に取り残されたホット電
子13とp形半導体15中へ注入されたホットホール12とが
信号電荷となる。なお、ホットホールの持つエネルギー
とは、フェルミ準位を基準(零)はし、原子核に近づく
方向(第2図(a)及び(b)において下向き)を正と
して測られたホットホールのエネルギーを指す。一方、
第2図(b)の構造では金属14中におけるホット電子13
とホットホール12の運動中金属/n形半導体界面に達した
ホット電子13のうちショットキ障壁φSBより大きいエネ
ルギーを持ち、その運動量の界面に対する垂直成分に相
当するエネルギーがショットキ障壁φSBより大きいもの
が金属14からn形半導体16中へ注入され、金属14中に取
り残されたホットホール12とn形半導体16中へ注入され
たホット電子とが信号電荷となる。なお、ホット電子の
持つエネルギーというのもホットホールの持つエネルギ
ーの場合と同様にフェルミ準位を基準(零)として測ら
れるものであるが、エネルギーの正負の向きはホットホ
ールの場合と逆で、こちらは原子核から遠ざかる方向
(第2図(a)及び(b)において上向き)を正として
測られたホット電子のエネルギーを指す。
て第2図を用いて説明する。第2図(a)は金属/p形半
導体ショットキ接触の場合、第2図(b)は金属/n形半
導体ショットキ接触の場合、第2図(b)は金属/n形半
導体ショットキ接触の場合のエネルギー帯構造及び光電
変換機構である。赤外光11の入射方向は裏面照射型の場
合が描かれている。表面照射型の場合には金属側から入
射する。半導体の禁制帯幅Eg以上のエネルギーを持つ光
は半導体内の入射面近傍においてほとんど吸収されてし
まうが、禁制帯幅Egより小さいエネルギーの光(このよ
うな光は通常赤外光である)ではその光エネルギーを吸
収して半導体の価電子帯21中の電子26が伝導帯23へ帯間
遷移する確率が無いので半導体中をほとんど損失なく透
過し金属14に入射する。金属14内ではフェルミ準位Ef下
が電子26で満たされており、ここへ赤外光11が入射する
と電子26はその光エネルギーhν25(h:プランク定数,
ν:光の振動数)を吸収し、フェルミ準位下からフェル
ミ準位上の空準位へ遷移してホット電子13とホットホー
ル12を形成する。ホット電子13とホットホール12は再結
合するまで金属14中を運動するが、この運動はどの方向
へもほぼ等確率で発生する。第2図(a)の構造では運
動中金属/p形半導体界面に達したホットホール12のうち
ショットキ障壁φSBより大きいエネルギーを持ち、その
運動量の界面に対する垂直成分に相当するエネルギーが
ショットキ障壁φSBより大きいものが金属14からp形半
導体15中へ注入され、金属14中に取り残されたホット電
子13とp形半導体15中へ注入されたホットホール12とが
信号電荷となる。なお、ホットホールの持つエネルギー
とは、フェルミ準位を基準(零)はし、原子核に近づく
方向(第2図(a)及び(b)において下向き)を正と
して測られたホットホールのエネルギーを指す。一方、
第2図(b)の構造では金属14中におけるホット電子13
とホットホール12の運動中金属/n形半導体界面に達した
ホット電子13のうちショットキ障壁φSBより大きいエネ
ルギーを持ち、その運動量の界面に対する垂直成分に相
当するエネルギーがショットキ障壁φSBより大きいもの
が金属14からn形半導体16中へ注入され、金属14中に取
り残されたホットホール12とn形半導体16中へ注入され
たホット電子とが信号電荷となる。なお、ホット電子の
持つエネルギーというのもホットホールの持つエネルギ
ーの場合と同様にフェルミ準位を基準(零)として測ら
れるものであるが、エネルギーの正負の向きはホットホ
ールの場合と逆で、こちらは原子核から遠ざかる方向
(第2図(a)及び(b)において上向き)を正として
測られたホット電子のエネルギーを指す。
表面照射型の場合や禁制帯幅Eg以上のエネルギーを持
つ光を透過する程度に半導体を薄膜化あるいは薄板化し
た裏面照射型の場合、利用可能な光エネルギーの上限は
禁制帯幅Egより大きくなる。このとき半導体において価
電子帯から伝導帯への電子の光励起によって生成される
自由電子・ホール対も信号電荷に寄与する。
つ光を透過する程度に半導体を薄膜化あるいは薄板化し
た裏面照射型の場合、利用可能な光エネルギーの上限は
禁制帯幅Egより大きくなる。このとき半導体において価
電子帯から伝導帯への電子の光励起によって生成される
自由電子・ホール対も信号電荷に寄与する。
第2図(a)の構造におけるホットホールあるいは第
2図(b)におけるホット電子(以後両者を合わせてホ
ットキャリアと記す)が寿命の尽きるまでに移動する距
離と比べ金属が薄くなると半導体と逆方向に運動するホ
ットキャリアのうちにも金属/絶縁物界面(図中、絶縁
体を17で示す)によって反射され、半導体方向へ移動し
て金属/半導体界面に達し、半導体中へ注入されるもの
も現れてくる。また、金属/半導体界面に達したホット
キャリアのうち、ショットキ障壁φSBより大きいエネル
ギーを持っていても、界面に対する運動量の垂直成分に
相当するエネルギーがショットキ障壁φSBより小さいも
のは、金属/半導体界面に反射されるが、金属/半導体
界面と金属/絶縁物界面とで反射を繰り返すうちに金属
/半導体界面への入射角が変化し、運動量の垂直成分に
相当するエネルギーがショットキ障壁φSBより大きくな
るものも現れ、半導体中へ注入される現象が生じるよう
になる。これらの現象はホットキャリアの半導体への注
入確率を向上させる効果を持ち、金属が薄い程顕著とな
る。ただし、金属が薄くなると赤外光の吸収確率が低下
するので、金属の厚さには量子効率に対して最適値が存
在する。このためショットキ障壁型赤外線センサにおい
てショットキ接触を成す金属は通常最適値程度に薄膜化
されている。
2図(b)におけるホット電子(以後両者を合わせてホ
ットキャリアと記す)が寿命の尽きるまでに移動する距
離と比べ金属が薄くなると半導体と逆方向に運動するホ
ットキャリアのうちにも金属/絶縁物界面(図中、絶縁
体を17で示す)によって反射され、半導体方向へ移動し
て金属/半導体界面に達し、半導体中へ注入されるもの
も現れてくる。また、金属/半導体界面に達したホット
キャリアのうち、ショットキ障壁φSBより大きいエネル
ギーを持っていても、界面に対する運動量の垂直成分に
相当するエネルギーがショットキ障壁φSBより小さいも
のは、金属/半導体界面に反射されるが、金属/半導体
界面と金属/絶縁物界面とで反射を繰り返すうちに金属
/半導体界面への入射角が変化し、運動量の垂直成分に
相当するエネルギーがショットキ障壁φSBより大きくな
るものも現れ、半導体中へ注入される現象が生じるよう
になる。これらの現象はホットキャリアの半導体への注
入確率を向上させる効果を持ち、金属が薄い程顕著とな
る。ただし、金属が薄くなると赤外光の吸収確率が低下
するので、金属の厚さには量子効率に対して最適値が存
在する。このためショットキ障壁型赤外線センサにおい
てショットキ接触を成す金属は通常最適値程度に薄膜化
されている。
ショットキ障壁型赤外線センサの暗電流はショットキ
障壁φSBの大きさに依存し、温度一定ならばショットキ
障壁φSBが小さい程暗電流が大きくなる。そのためショ
ットキ障壁φSBが小さいものには冷却を必要とするもの
もある。代表的なショットキ障壁型赤外線センサである
白金モノシリサイド(PtSi)/p形単結晶シリコン(Si)
・ショットキ障壁型赤外線センサは、形成されるショッ
トキ障壁φSBが0.2〜0.25eV程度で通常液体窒素温度付
近まで冷却して使用される。
障壁φSBの大きさに依存し、温度一定ならばショットキ
障壁φSBが小さい程暗電流が大きくなる。そのためショ
ットキ障壁φSBが小さいものには冷却を必要とするもの
もある。代表的なショットキ障壁型赤外線センサである
白金モノシリサイド(PtSi)/p形単結晶シリコン(Si)
・ショットキ障壁型赤外線センサは、形成されるショッ
トキ障壁φSBが0.2〜0.25eV程度で通常液体窒素温度付
近まで冷却して使用される。
なお第2図中、18は禁制帯を示している。
以上ショットキ障壁型赤外線センサについて説明して
きた。この頃で述べた光電変換機構は厳密には量子力学
的に取り扱う事象であるが、古典的な剛体球モデルでも
充分に現象や動作を説明できるため、ここでは古典的な
剛体球モデルを用いている。
きた。この頃で述べた光電変換機構は厳密には量子力学
的に取り扱う事象であるが、古典的な剛体球モデルでも
充分に現象や動作を説明できるため、ここでは古典的な
剛体球モデルを用いている。
ショットキ障壁型赤外線センサの大きな利点として、
前項において重点的に述べた“半導体の禁制帯幅よりエ
ネルギーが小さい光(通常赤外光)の光電変換機構”を
挙げることができる。しかし、この動作をさせた場合に
は光によって金属中に生成されたホットキャリアすなわ
ちホット電子とホットホールを別々の領域に分離させる
原動力が、前述のように光を吸収して獲得したエネルギ
ーによってホットキャリアが起こすところの発生確率が
あらゆる方向について等確率の運動であるため、ショッ
トキ接触によって生ずる半導体中の空乏層及びその端か
ら少数キャリアの拡散距離以内で禁制帯幅以上のエネル
ギーを持つ光によって生成された自由電子・ホール対に
見られるところの空乏層に存在する内部電場による分離
と比較して効率がかなり悪い。そのためショットキ障壁
型赤外線センサの使用波長帯の光が半導体の禁制帯幅よ
り小さいエネルギー領域内にある場合、量子効率が小さ
いという欠点がある。
前項において重点的に述べた“半導体の禁制帯幅よりエ
ネルギーが小さい光(通常赤外光)の光電変換機構”を
挙げることができる。しかし、この動作をさせた場合に
は光によって金属中に生成されたホットキャリアすなわ
ちホット電子とホットホールを別々の領域に分離させる
原動力が、前述のように光を吸収して獲得したエネルギ
ーによってホットキャリアが起こすところの発生確率が
あらゆる方向について等確率の運動であるため、ショッ
トキ接触によって生ずる半導体中の空乏層及びその端か
ら少数キャリアの拡散距離以内で禁制帯幅以上のエネル
ギーを持つ光によって生成された自由電子・ホール対に
見られるところの空乏層に存在する内部電場による分離
と比較して効率がかなり悪い。そのためショットキ障壁
型赤外線センサの使用波長帯の光が半導体の禁制帯幅よ
り小さいエネルギー領域内にある場合、量子効率が小さ
いという欠点がある。
本発明は、金属電極と半導体とから成る金属/半導体
ショットキ接触構造を有し、ショットキ障壁高さより大
きく前記半導体の禁制帯幅より小さいエネルギーを持つ
光に関しては前記金属電極内で吸収し、光電変換する機
能を有するショットキ障壁型赤外線センサにおいて、前
記金属電極がほぼ均一の厚さでかつ使用波長帯の赤外光
に関して前記赤外光の進行に作用を与えない程度に小さ
いピッチ及び高低差からなる凹凸形状を有するようにし
たものである。
ショットキ接触構造を有し、ショットキ障壁高さより大
きく前記半導体の禁制帯幅より小さいエネルギーを持つ
光に関しては前記金属電極内で吸収し、光電変換する機
能を有するショットキ障壁型赤外線センサにおいて、前
記金属電極がほぼ均一の厚さでかつ使用波長帯の赤外光
に関して前記赤外光の進行に作用を与えない程度に小さ
いピッチ及び高低差からなる凹凸形状を有するようにし
たものである。
本発明のショットキ障壁型赤外線センサでは、使用波
長帯の赤外光に対する金属電極の表面形状の効果が平坦
な形状の場合と同様なので、入射断面積が等しく光源が
同一ならばどちらの形状でも金属内部に入射する光量は
等しい。しかし、凹凸形状の場合金属電極の厚さが変わ
らずともその体積が増大するため赤外光の吸収確率が改
善される。さらに、金属と半導体との接触面積も拡大す
るので、金属/p形半導体ショットキ接触におけるホット
ホール及び金属/n形半導体ショットキ接触におけるホッ
ト電子の金属から半導体への注入効率が改善される。以
上の理由により、本発明のショットキ障壁型赤外線セン
サでは使用波長帯の赤外光に対して量子効率が改善され
る。そしてこの赤外光がショットキ障壁高さから半導体
の禁制帯幅までのエネルギー範囲内にある場合に特に改
善度合が大きい。
長帯の赤外光に対する金属電極の表面形状の効果が平坦
な形状の場合と同様なので、入射断面積が等しく光源が
同一ならばどちらの形状でも金属内部に入射する光量は
等しい。しかし、凹凸形状の場合金属電極の厚さが変わ
らずともその体積が増大するため赤外光の吸収確率が改
善される。さらに、金属と半導体との接触面積も拡大す
るので、金属/p形半導体ショットキ接触におけるホット
ホール及び金属/n形半導体ショットキ接触におけるホッ
ト電子の金属から半導体への注入効率が改善される。以
上の理由により、本発明のショットキ障壁型赤外線セン
サでは使用波長帯の赤外光に対して量子効率が改善され
る。そしてこの赤外光がショットキ障壁高さから半導体
の禁制帯幅までのエネルギー範囲内にある場合に特に改
善度合が大きい。
次に本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
る。
第1図は本発明の一実施例の縦断面構造図で、(a)
は金属/半導体ショットキ接触部分拡大図、(b)は全
体概要図である。
は金属/半導体ショットキ接触部分拡大図、(b)は全
体概要図である。
第1図の実施例は代表的なショットキ障壁型赤外線セ
ンサである裏面照射型のPtSi/p形単結晶Siショットキ障
壁型赤外線センサを想定している。PtSi1とp形単結晶S
i基板2との接触界面に角張った部分があると暗電流の
増加や耐逆電圧の低下の原因となるので接触面は曲面で
あり、第1図(a)に示すようにPtSi1の断面は波状と
なっている。PtSi1がこの形状のまま紙面に垂直な方向
に伸びているとすると、各種の回折格子と類似しており
大体格子定数に相当する凹凸のピッチより波長の長い赤
外光に対しては表面形状の効果が平坦な形状の場合と同
様なので、ほぼ平坦面として作用するこのセンサでは遮
断波長が5〜6μmであり4μm付近の赤外光検出に用
いられることが多い。この波長に対して凹凸のピッチは
Siの屈折率約3.4を考慮すると大きくとも1μm程度で
ある。PtSi1の膜厚は第1図(a)及び(b)ではかな
り誇張されているが、高い量子効率を得るためには数nm
にする必要がある。従って、PtSi1の膜厚は凹凸のピッ
チや高低差と比較すると桁違いに小さく、この場合同一
の膜厚ならばPtSi1における赤外光の吸収確率の改善度
合もホットキャリアの注入効率同様PtSi1とp形単結晶S
i基板2との接触面積増大分にほぼ比例する。一例とし
てPtSi1の断面形状が半円の組合せから成る波状とし、
前述のようにこの形状のまま紙面に垂直な方向に伸びて
いるとすると、接触面積は平坦な形状の場合に比べ(π
/2)倍となる。
ンサである裏面照射型のPtSi/p形単結晶Siショットキ障
壁型赤外線センサを想定している。PtSi1とp形単結晶S
i基板2との接触界面に角張った部分があると暗電流の
増加や耐逆電圧の低下の原因となるので接触面は曲面で
あり、第1図(a)に示すようにPtSi1の断面は波状と
なっている。PtSi1がこの形状のまま紙面に垂直な方向
に伸びているとすると、各種の回折格子と類似しており
大体格子定数に相当する凹凸のピッチより波長の長い赤
外光に対しては表面形状の効果が平坦な形状の場合と同
様なので、ほぼ平坦面として作用するこのセンサでは遮
断波長が5〜6μmであり4μm付近の赤外光検出に用
いられることが多い。この波長に対して凹凸のピッチは
Siの屈折率約3.4を考慮すると大きくとも1μm程度で
ある。PtSi1の膜厚は第1図(a)及び(b)ではかな
り誇張されているが、高い量子効率を得るためには数nm
にする必要がある。従って、PtSi1の膜厚は凹凸のピッ
チや高低差と比較すると桁違いに小さく、この場合同一
の膜厚ならばPtSi1における赤外光の吸収確率の改善度
合もホットキャリアの注入効率同様PtSi1とp形単結晶S
i基板2との接触面積増大分にほぼ比例する。一例とし
てPtSi1の断面形状が半円の組合せから成る波状とし、
前述のようにこの形状のまま紙面に垂直な方向に伸びて
いるとすると、接触面積は平坦な形状の場合に比べ(π
/2)倍となる。
第1図(b)により全体構成の概要について述べる。
両面とも鏡面に磨かれたp形単結晶Si基板2において赤
外光11の入射面すなわち裏面には反射防止膜10を施して
ある。基板表面にはショットキ接触形成部分に凹凸形状
を付けた後にPtSi1を薄膜状に設けてある。PtSi1の周囲
には電界集中を緩和するため、n形のガードリング3が
施してある。PtSi1周辺の基板表面は熱酸化膜(SiO2)
5で覆ってあり、さらにPtSi1上及び熱酸化膜5上をCVD
法等で形成したシリコン酸化物(SiO,SiO2)あるいはシ
リコン窒化物(SiN,Si3N4など)等から成る絶縁膜6で
覆ってある。PtSi1を透過した赤外光を再利用するた
め、絶縁膜6上のPtSi1と対向する部分にアルミニウム
等の金属反射膜8を設けてある。PtSi1において光電変
換によって発生した光信号電荷をセンサ外部に取り出す
ため、PtSi1の一部とオーミック接触するn形の高濃度
不純物領域4が設けてあり、そこからアルミニウム等の
金属配線7を引き出してある。センサの表面側最外部は
保護膜9で覆っている。
両面とも鏡面に磨かれたp形単結晶Si基板2において赤
外光11の入射面すなわち裏面には反射防止膜10を施して
ある。基板表面にはショットキ接触形成部分に凹凸形状
を付けた後にPtSi1を薄膜状に設けてある。PtSi1の周囲
には電界集中を緩和するため、n形のガードリング3が
施してある。PtSi1周辺の基板表面は熱酸化膜(SiO2)
5で覆ってあり、さらにPtSi1上及び熱酸化膜5上をCVD
法等で形成したシリコン酸化物(SiO,SiO2)あるいはシ
リコン窒化物(SiN,Si3N4など)等から成る絶縁膜6で
覆ってある。PtSi1を透過した赤外光を再利用するた
め、絶縁膜6上のPtSi1と対向する部分にアルミニウム
等の金属反射膜8を設けてある。PtSi1において光電変
換によって発生した光信号電荷をセンサ外部に取り出す
ため、PtSi1の一部とオーミック接触するn形の高濃度
不純物領域4が設けてあり、そこからアルミニウム等の
金属配線7を引き出してある。センサの表面側最外部は
保護膜9で覆っている。
なお、本発明のショットキ障壁型赤外線センサは他の
金属材料や半導体材料でも実現することができる。ま
た、実施例で取り上げたようなSiショットキ障壁型赤外
線センサには、重要な応用分野として電子走査の赤外線
線固体イメージセンサの受光部があるが、本発明のセン
サをそれに用いて高感度化することも可能である。
金属材料や半導体材料でも実現することができる。ま
た、実施例で取り上げたようなSiショットキ障壁型赤外
線センサには、重要な応用分野として電子走査の赤外線
線固体イメージセンサの受光部があるが、本発明のセン
サをそれに用いて高感度化することも可能である。
以上説明したように本発明のショットキ障壁型赤外線
センサは、金属/半導体ショットキ接触構造の構成要素
である金属電極がほぼ均一の厚さで、かつ使用波長帯の
赤外光に関して無視し得る程度のピッチ及び高低差から
成る凹凸形状を有することで従来のものより金属におけ
るその赤外光の吸収確率及びホットキャリアの注入効率
の点で優れている。この結果従来より高い量子効率を示
し、より微弱な赤外光の検知やわずかな温度差の検出が
できる効果がある。なお改善効果は使用波長帯の赤外光
がショットキ障壁高さから半導体の禁制帯幅までのエネ
ルギー範囲内にある場合、特に顕著である。
センサは、金属/半導体ショットキ接触構造の構成要素
である金属電極がほぼ均一の厚さで、かつ使用波長帯の
赤外光に関して無視し得る程度のピッチ及び高低差から
成る凹凸形状を有することで従来のものより金属におけ
るその赤外光の吸収確率及びホットキャリアの注入効率
の点で優れている。この結果従来より高い量子効率を示
し、より微弱な赤外光の検知やわずかな温度差の検出が
できる効果がある。なお改善効果は使用波長帯の赤外光
がショットキ障壁高さから半導体の禁制帯幅までのエネ
ルギー範囲内にある場合、特に顕著である。
第1図は本発明の一実施例の縦断面構造図で、(a)は
金属/半導体ショットキ接触部分拡大図、(b)は全体
概略図である。 第2図はショットキ障壁型赤外線センサのエネルギー帯
構造及び光電変換機構の説明図で、(a)が金属/p形半
導体ショットキ接触の場合、(b)が金属/n形半導体シ
ョットキ接触の場合である。 1……金属(PtSi) 2……半導体(p形Si基板) 3……n形ガードリング 4……n形高濃度不純物領域 5……熱酸化膜(SiO2) 6……絶縁膜 7……金属配線 8……金属反射膜 9……保護膜 10……反射防止膜 11……赤外光 12……ホットホール 13……ホット電子 14……金属 15……p形半導体 16……n形半導体 17……絶縁体 18……禁制体 21……価電子帯 23……伝導帯 26……電子 28……バイアス
金属/半導体ショットキ接触部分拡大図、(b)は全体
概略図である。 第2図はショットキ障壁型赤外線センサのエネルギー帯
構造及び光電変換機構の説明図で、(a)が金属/p形半
導体ショットキ接触の場合、(b)が金属/n形半導体シ
ョットキ接触の場合である。 1……金属(PtSi) 2……半導体(p形Si基板) 3……n形ガードリング 4……n形高濃度不純物領域 5……熱酸化膜(SiO2) 6……絶縁膜 7……金属配線 8……金属反射膜 9……保護膜 10……反射防止膜 11……赤外光 12……ホットホール 13……ホット電子 14……金属 15……p形半導体 16……n形半導体 17……絶縁体 18……禁制体 21……価電子帯 23……伝導帯 26……電子 28……バイアス
Claims (1)
- 【請求項1】金属電極と半導体とから成る金属/半導体
ショットキ接触構造を有し、ショットキ障壁高さより大
きく前記半導体の禁制帯幅より小さいエネルギーを持つ
光に関しては前記金属電極内で吸収し、光電変換する機
能を有するショットキ障壁型赤外線センサにおいて、前
記金属電極がほぼ均一の厚さでかつ使用波長帯の赤外光
に関して前記赤外光の進行に作用を与えない程度に小さ
いピッチ及び高低差からなる凹凸形状を有することを特
徴とするショットキ障壁型赤外線センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62032402A JP2659184B2 (ja) | 1987-02-17 | 1987-02-17 | シヨツトキ障壁型赤外線センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62032402A JP2659184B2 (ja) | 1987-02-17 | 1987-02-17 | シヨツトキ障壁型赤外線センサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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-
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- 1987-02-17 JP JP62032402A patent/JP2659184B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Also Published As
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