JP2658720B2 - 熱転写記録装置 - Google Patents

熱転写記録装置

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JP2658720B2
JP2658720B2 JP7845492A JP7845492A JP2658720B2 JP 2658720 B2 JP2658720 B2 JP 2658720B2 JP 7845492 A JP7845492 A JP 7845492A JP 7845492 A JP7845492 A JP 7845492A JP 2658720 B2 JP2658720 B2 JP 2658720B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、カラープリン
タ装置等の熱転写記録装置に関し、特に転写紙カートリ
ッジの交換操作を容易ならしめた転写紙カートリッジの
着脱機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にカラープリンタ装置等の熱転写記
録装置にあっては、例えば、熱溶融性のインクをプラス
チックフィルムに塗布して固化させたロール状の転写紙
と、記録紙とを重ね合わせ、サーマルヘッドをプラテン
ローラに圧接した状態でサーマルヘッドから記録情報に
従った熱パルスを印加して上記固化したインクを溶融さ
せて記録紙に転写を行なうものである。特に、この種カ
ラープリンタ装置にあってカラー画像の記録に際して
は、イエロー,マゼンタ,シアンの各色インクが連続し
て塗布されたロール状の転写紙を用い、イエロー,マゼ
ンタ,シアンの各色ごとに記録紙に転写を繰返し、その
色の合成によってカラー画像を記録するものであり、従
って、転写紙と記録紙の走行はイエロー,マゼンタ,シ
アンの各色が記録される都度、転写紙の送りと記録紙を
元の位置に戻す逆送りとが繰返し行われるものであっ
た。
【0003】
【発明が解決すべき課題】上記した如く、この種カラー
プリンタ装置にあっては、カラー画像の記録に際し、転
写紙の送りと記録紙を元の位置に戻す逆送りとが繰返し
行われるものであるから、その送り、逆送りの位置制御
が正確に行われるように構成されているものである。と
ころで、ロール状の転写紙は、一定期間使用されること
により摩滅してくるものであるから、交換をする必要性
があり、その交換を容易ならしめるために、このロール
状の転写紙は通常カートリッジ内に収納されているのが
常である。以下、ロール状の転写紙の交換方法につき説
明する。転写紙の交換方法としては次の3種類がある。
すなわち、その1つとしては、特開昭61-44672号公報の
第5図に開示されているような方法である。これによれ
ば、ロール状の転写紙6 はバネ153 に抗してこれを図中
下方に押圧することにより着脱するものであるが、その
構造上甚だ操作性が悪い欠点がある。また、他の交換方
法としては、熱転写記録装置に対して着脱可能な転写紙
カートリッジを有し、カートリッジを使い捨て交換する
方法である特開昭63-295283号公報記載の如くのものが
ある。この方法によれば、操作性は良好であるが、その
構造上ランニングコストが高くなる欠点があると共に使
い捨てのため、交換した新転写紙カートリッジの装置へ
の装着の際の微妙な取付け誤差により走行安定性に欠
け、シワ等が発生する欠点がある。更に他の交換方法と
しては、本件出願人が先に提案した特願平2-82110 号公
報の如くのものがある。これによれば、上記したと同様
熱転写記録装置に対して着脱可能な転写紙カートリッジ
を有するものであるが、カートリッジは使い捨てにせず
ロール状の転写紙のみを交換するものである。
【0004】この方法によれば、操作性は上記した2つ
の従来方法の中間であるが、ランニングコストが安く、
かつ、ロール状の転写紙のみを交換するだけで、転写紙
カートリッジそのものは交換しないので、上記した如く
の装置への装着の際の微妙な取付け誤差が発生するよう
なことはなく、従って、転写紙走行系が安定して良好な
画質が得られる。この本件出願人が先に提案した方法に
よれば、ロール状の転写紙の交換は、フランジ134 F,
135 Fをスプリング136 L.136 Rに抗して押し、ロー
ル140 ,141 を外す。転写紙カートリッジの装着は、同
様にフランジ134 F,135 Fをスプリング136 L.136
Rに抗して押しながらロールをセットしフランジを離し
て芯に合わせることで終了する。なお、供給ロール側の
スプリング136 L.136 Rは、バックテンションを付与
するものであり、一方、巻取りロール側は、巻取りギヤ
との噛み合いが外れないよう保持するものであり、スプ
リングのバネ力はその目的に応じて最適になるような値
に設定される。このため、転写紙カートリッジ単体を運
搬中に、例えばロール紙の荷重がフランジ側にかかる
と、スプリング136 L.136 Rが撓んでしまい、ロール
紙が脱落してしまう虞れがある。また、記録装置に対す
る着脱に際し、フランジが何等かの部分に当ってしまっ
た場合、脱落してしまう虞れもある。
【0005】なお、かかる従来の方法において、ロール
が所定期間使用され、それを交換するに際しては、ロー
ルを乱暴に取扱っても左程問題はないが、使用途中又は
未使用のロールを転写紙カートリッジより着脱する場合
には、このカートリッジの所定位置への装着が困難とな
る。特に、両ロール(供給ロール、巻取りロール)が予
じめ一体になっているものは、スプリングの弾発力によ
りロールを支持するフランジが退避したままの状態とな
っているので、例えば、一方のロールを所定場所に設置
するときには、他方のロールはフリーな状態となってい
るため、これを押えることが難かしく、そのため他方の
ロールが移動してしまうため転写紙にシワが発生しやす
く、しかもこのフリー状態の他方のロールが装置の一端
に当接した場合には、それが切断してしまう等の欠点が
ある。
【0006】一方、転写紙カートリッジとしては、特開
昭63-254085 号公報の図12記載の如くのものがある。こ
れによれば転写紙カートリッジは、プラスチックス等の
成形品より形成されたカセット上ケース41と下ケース42
とを組合せ一体に形成しているため、強度的に問題があ
るばかりでなく、転写紙の走行安定性において劣る欠点
がある。また、強度の問題を解決するために両ケースを
金属ダイカスト等で形成することが考えられるが、その
場合は強度的には十分であるがコストアップになる欠点
がある。一方、上記した本件出願人が先に提案した特願
平2-82110 号明細書第5図によれば、カートリッジは左
右の側板131 F,131 Bをステー132 L,132 Rで組立
てたものである。この方法によれば、強度的には十分で
あるが部品点数が多くコストアップになり、また、組立
後、転写紙の走行精度を出すためには組立精度そのもの
を高める必要があるため、これ又、コストアップにつな
がる欠点がある。
【0007】また、転写紙カートリッジの交換は、通常
記録装置の所定部分を開口し、その開口部より該転写紙
カートリッジを所定位置にセットすることで行われるも
のである。転写紙カートリッジは、それが安定に走行さ
れるために所定位置にセットされると記録装置側の転写
紙巻取り駆動系と、転写紙カートリッジの巻取り駆動系
とを合致させる必要がある。また、この連結した駆動系
が動作中の時は、その連結が外れないように保持する必
要がある。周知のこの種の熱転写記録装置では、転写紙
カートリッジ着脱レバーを設け、転写紙カートリッジが
所定位置に装着された後、この着脱レバーを所定方向に
回動することで転写紙カートリッジを装置に固定し、同
時に巻取り駆動系の連結が外れないようにしている。し
かるに、この周知の方法によれば交換に際し、作業者が
着脱レバーのセット解除を行う必要があり、操作性が悪
い欠点がある。また、着脱レバーのセットを忘れた場
合、両駆動系の連結が外れ、所望の記録が行われないこ
とになるので、何等かのチェックが必要となり、これ
又、コストアップにつながる欠点がある。
【0008】一方、この欠点を解決したものとして特開
平2-200464号公報記載の如くのものがあり、この構成に
よれば、駆動連結手段によって押圧される方向に転写紙
カートリッジの位置決めストッパーが設けてあるので、
動作中にギヤの噛合いが外れる虞れはないものである。
又、その構造上、上記した着脱レバー等も必要とせず単
にアッパーフレームを閉じるだけで良いものである。し
かしながら、この公報記載の方法では、カートリッジ側
のギヤと記録装置側のギヤとの噛み合い調整が十分に行
われていない場合には、負荷が増大したり、巻取り音が
発生する原因となるものである。又、噛み合いギヤは転
写紙カートリッジの片側に設けられている構成のため、
他方の位置決めが不確実になり、転写紙走行が不安定に
なる為、転写紙にシワ等が発生し易く、記録品位が低下
する欠点がある。
【0009】更に、上記した特開平2-200464号公報記載
の如くの構造によれば、転写紙カートリッジのセット動
作を特定の手順によって行なわねばならないので、操作
性が悪い欠点があると共に操作手順をよく解っていない
人が行った場合、転写紙カートリッジとヘッドとが当接
してしまい、ヘッドを破損させてしまう欠点もある。
又、転写紙カートリッジは板バネ等により上部フレーム
と固定しているので転写紙カートリッジが脱落しやすい
欠点もある。
【0010】なお、従来のいずれの装置にあっても、転
写紙カートリッジが装置に装着されたことを検出する手
段としてカートリッジのフレーム部分によりスイッチの
アクチュエータを押す方式や、カートリッジのフレーム
の左右を光学センサ等で検出する方法がとられている。
しかるに、転写紙カートリッジの着脱は、比較的ラフに
行われることが多いので、この転写紙カートリッジの一
端がスイッチ、センサー等に当接しやすく、そのためス
イッチ等が破損しやすい欠点がある。又、転写紙カート
リッジの装着が不完全な場合でも、誤検出されてしまい
そのため転写紙の正確な走行が行われなくなる等の欠点
につながっていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる従来例
の欠点に鑑がみなされたものであり、転写紙をプラテン
ローラとサーマルヘッド間に挾持して記録を行なう熱転
写記録装置であって、転写紙が巻回される供給ロールと
それが巻取られる巻取りロールとを有し、これら両ロー
ルの両側端を支持する保持部材の少くとも一方がロール
軸方向に退避可能に形成されていると共に、その一部に
上記両ロールを駆動するための駆動部を設けた転写紙カ
ートリッジと、プラテンローラを有すると共に閉蓋時に
その閉蓋状態が完了したか否かを検出する検出手段を有
する上部フレームと、上記サーマルヘッド及び転写紙カ
ートリッジ載置部がそれぞれ設けられており、この転写
紙カートリッジが設置された際、上記駆動部と連結され
る駆動手段を有すると共に上部フレームの閉蓋時、この
上部フレームを所定位置に固定する固定手段を設けた下
部フレームとを設けてなり、上記上部フレームは、転写
紙カートリッジが下部フレームの載置部に設置され駆動
部間が連結された際、その連結関係が維持されるよう構
成した押圧手段を更に設けた熱転写記録装置を提供する
ものである。
【0012】
【実施例】図1は、本発明になる熱転写記録装置に使用
されるプラテンローラ、サーマルヘッド、転写紙の関係
を示す側面図、図2は、転写紙の一実施例を示す斜視
図、図3は、図2においてその一部を拡大して示す図、
図4は、転写紙カートリッジの側面図、図5は、転写紙
カートリッジ要部の拡大側断面図、図6は、転写紙カー
トリッジの支持方法を示す供給ロールの一側の要部側断
面図、図7は、転写紙カートリッジの支持方法を示す巻
取ロールの一側の要部側断面図、図8は、転写紙カート
リッジの支持方法を示す供給ロールの一側の要部側断面
図、図9は、図8において、供給ロールの一移動態様を
示す要部側断面図、図10は、図8において、供給ロー
ルの他の移動態様を示す要部側断面図、図11は、供給
ロールを支持する支持部材の要部斜視図、図12は、転
写紙カートリッジの側面図、図13は、転写紙巻取り制
御を行うための制御回路図、図14は、転写紙カートリ
ッジの装置への装着時のロック機構の動作説明図、図1
5は、同ロック機構の要部を示す斜視図である。まず、
転写紙カートリッジ及び転写紙巻取機構について図1〜
図3を参照して説明する。
【0013】転写紙3は、図2で示すように、Y,M,
Cを面順次にダンダラ状に塗布してあり、各色の塗布長
さは、プラテンローラ1の外周長に一致している。一
方、転写紙3の側部には、1色目頭出し用の黒マーク
4、転写紙巻取制御用のエンコードパターン5が印刷さ
れている。エンコードパターン5は、図示しないプラテ
ン駆動モータ内部のこれ又、図示しないエンコーダのN
倍で1パルスとなるように印刷されている。転写紙3の
エンコードパターン5は、転写紙3一色ピッチの整数分
の1に設定されている。例えば、プラテンローラ1周で
印字ライン数2800、プラテン駆動系の減速比1/400 なら
ば、プラテンモータ一回転7ラインであり、図示しない
プラテンモータエンコーダが8パルスで1ラインなら
ば、プラテンモータエンコーダ1周は、56パルスであ
り、エンコードパターン5がプラテンモータのエンコー
ド35パルスで1パルス発生ならば、転写紙1色分でエ
ンコードパターン5は、80パルス分あることになる。
このように、プラテンモータから発生するパルスを1/8
にしたものを1ラインとし、更に、これを1/35に分周し
た基準パルスと転写紙3を後述する手段にて検出するエ
ンコードパルスとを同期するように転写紙3の巻取を制
御する。以下、その具体的回路構成につき図13を参照
して説明する。
【0014】前記した、プラテンモータから発生するエ
ンコーダパルス出力は、プラテンモータのサーボ制御回
路7に入り、速度制御が行われる。一方、パルス出力は
分周回路8に入り、ラインピッチにあった分周と転写紙
巻取制御用の基準パルスに分周される。ラインピッチ
は、通常、1/8 (エンコーダ8パルスを1パルス)に分
周してこれを記録ラインピッチとするが、後述する例え
ば、OHP用紙に記録する場合、濃度アップのため1/4
に分周し、かつ2ライン同一データを記録する。これ
は、マイコン9からの指令により分周比を変更し、分周
したパルスは、ラインカウント用にマイコン9に送り、
一方、記録タイミング用にヘッド信号処理回路10へ送
られる。なお、分周リセット信号が入った時点で分周ス
タートが出来るように構成してある。
【0015】一方、分周回路8は、別にエンコーダパル
スを1/280 に分周する回路を有し、1/280 に分周したも
のは、(普通紙で35ラインOHPで70ライン)転写
紙3のエンコーダパルス1パルスと同一ピッチであり、
これを基準パルスとして転写紙3の巻取りサーボを行う
ようにしている。転写紙エンコーダパルスは、波形整形
回路11で波形整形後、サーボ回路以外に基準パルスと
転写紙3のエンコーダパルスとを位相比較回路12で位
相比較し、その差をアンプ出力回路13を通して転写紙
モータ駆動回路14に送りモータ電圧を変化させる。ま
た、転写紙エンコーダパルスは、波形整形回路11で波
形整形後、サーボ回路以外にマイコン9及びリトリガラ
ブルモノマルチ回路15を通した出力をマイコン9に通
し、後述の転写紙巻取りトラブル検出を行う。
【0016】転写紙3のエンコードパターン5の検出
は、発光,受光素子からなる光学的センサで行うもの
で、以下主として図4,図5を参照して説明する。。転
写紙3は、転写紙カートリッジ20に供給ロール21と
巻取ロール22を支持され、両ロール間をガイドシャフ
ト16,23,24にて案内され走行する。転写紙カー
トリッジ20のフレームは、1枚の板金からなり、略コ
の字状に曲げたステー部25から両ロール保持部材を有
する両側面部26,27,28,29及びガイドシャフ
ト23を保持するリブ30,31を折曲げることによっ
て1個の部分でシャーシが構成できる。この様に、1枚
の板金を曲げてシャーシを構成することによって転写紙
カートリッジ20の部品コスト、組立てコストを低減す
ると共に、強度を向上させ、組立て精度不良による転写
紙走行ムラを防止し、それによりシワの発生を防止する
ことができる。なお、32,33は、転写紙カートリッ
ジ20を熱転写記録装置から着脱操作するためのハンド
ルである。また、34は、サーマルヘッド2をプラテン
ローラ1側へ押圧する時の逃げ穴であり、35は、後述
する転写紙頭出し及びエンコード検出用素子が貫通する
逃げ穴である。
【0017】転写紙3のエンコードパターン5の検出
は、図5の構成により行われる。すなわち、転写紙3
は、転写紙カートリッジ20の巻取側の側面部28,2
9に支持されたガイドシャフト24及びリブ30,31
に支持されたガイドシャフト23にガイドされ図5中、
右方向から左方向に移動する。エンコードパターン5
は、図5中、下側すなわち後述する発光素子36側に印
刷されている。発光素子36は、LED,ランプ等から
なり、回路基板37にハンダ付固定され、熱転写記録装
置側に、図示されていない手段によって固定されてい
る。発光素子36は、その光軸上にピンホール38を有
する遮光性材料からなる光ガイド部材39で覆われてい
る。ピンホール38は、エンコードパターン5の長さl
より小さい径dから成っており、一定の深さL1 を有
している。その結果、ピンホール38から出射する光
は、照射角をαとすると、α=2tan− 1d/L1
になるので、ピンホール38口からエンコードパタ
ーン5迄の距離をL2 とした場合、l>2dL2 /
L1 +d の関係になるようd,L1 ,L2 を選
べば、発光スポットがlより大きくなることはない。受
光素子40は、ホトトランジスタ,ホトダイオード等か
ら成っている。受光素子40は、回路基板41にハンダ
付され、上部フレーム側に図示されていない手段によっ
て固定されており、略発光素子の光軸と同一となるよう
配置されている。このように、発光素子36側がスポッ
ト光構造になっているため、受光素子40側にはガイド
を設ける必要はなく、素子の受光角が広いにもかかわら
ず、エンコードパターン5の検出を確実に行うことがで
きる。なお、受光角は、広い素子程組立て誤差による光
軸ズレを吸収できるが、外乱光には弱くなる。
【0018】転写紙3の走行は、ガイドシャフト23,
24により行われるものであるが、このガイドシャフト
23,24は、その外接線が発光,受光素子の光軸と略
直交しており、発光力が転写紙3の表面で全反射したり
するようなことはない。また、両ガイドシャフト23,
24を発光素子36近傍に配置してあるので、転写紙3
が停止中にたるんでも自重で発光素子36上に落ちるよ
うなことはなく再動作開始直後でも黒マーク4、エンコ
ードパターン5の検出不良を発生させるようなことはな
い。更に、巻取ロール径が変化しても、走行経路は一定
である。なお、本発明の一実施例では、発光素子36側
に光ガイド部材39を設けたが受光素子40側にそれを
設けた構成としても勿論良いものである。また、発光素
子36を上フレームユニット、受光素子40を下フレー
ムユニットに配置するようにしても勿論良いものであ
る。黒マーク4の検出に際し、その送紙方向長さがエン
コードパターン5のそれより長いので、光ガイド部材3
9が仮に無くてもそれの検出は可能である。しかしなが
ら、エンコードパターン5の検出と同様に黒マーク4を
発光,受光素子で検出するならば、この黒マーク4検出
用の発光素子36がエンコードパターン検出用の受光素
子40に入光する可能性を有するので、光ガイド部材3
9を用いることが望ましい。それにより、黒マーク4の
検出精度も向上する。
【0019】次に、カートリッジ20上の供給ロール2
1,巻取ロール22の支持方法について図6〜図7を参
照して説明する。供給ロール21,巻取ロール22共に
円筒状の転写紙コア42,43の外周に設けたこのロー
ル21上に図示しない転写紙を巻回したものである。供
給側の円筒状コア42は、巻回された転写紙の種類によ
ってコアの長さを変えている。一方、巻取側の円筒状コ
ア43の側端部には、切欠き溝44が設けられ、この切
欠き溝44は、後述する巻取り駆動系と連結するよう構
成されている。
【0020】供給ロール21を支持するのは、回転可能
な右フランジ45と、この右フランジ45の回転及びこ
の供給ロール21の長さ方向に直動可能な軸受47にて
支持される。すなわち、供給ロール21を支持する右フ
ランジ45は、供給側の円筒状コア42の内径と嵌合し
ている。また、右フランジ45に圧入、固定されたシャ
フト46は、転写紙カートリッジの側面部26に圧入固
定された軸受47に回転自在に支持されている。なお、
48は、抜け止め用のEリングである。
【0021】一方、図8に示す如く、供給ロール21を
支持する左フランジ49は、右フランジ45と同様に供
給側の円筒状コア42の内径と嵌合しているものであ
り、シャフト50に圧入され、これと軸受51により一
体化されている。軸受51には図示しないI溝が形成さ
れており、シャフト50に垂直に貫通したピン52が通
過できるよう構成されている。一方、シャフト50の左
フランジ49の反対側の側端部には、ノブ53が圧入、
固定されている。転写紙カートリッジの側面部27と左
フランジ49間にはテーパ状のコイルスプリング54が
設けられ、この左フランジ49を常時、図8中、右方向
に付勢している。この為、ノブ53を把持して、このノ
ブ53をテーパ状のコイルスプリング54に抗して図8
中左方向に引いたとしても、図示しないI溝とピン52
とが一致していない場合は、供給側の円筒状コア42か
らフランジ49が完全に外れるようなことはない。この
結果不用意な操作による供給ロール21の脱落が防止で
きるものである。
【0022】上記したことより理解できるように、図示
しないI溝とピン52の向きを一致させて図8中ノブ5
3を左方向に引くことにより、供給ロール21を、供給
側の円筒状コア42より外すことができる(図9の状
態)。更に、ノブ53を同方向に引くことによりピン5
2はI溝から外れ、ここで、ノブ53を左右どちらか一
方向に回転した後、このノブ53を離すと、I溝は、ピ
ン52と一致した位置になってはいないので、左フラン
ジ49は、供給ロール21から離れた状態で保持するこ
とができる(図10の状態)。この状態で、ノブ53を
前記した方向と逆方向に回転して再びピン52とI溝と
が一致した位置に戻せば、テーパ状のコイルスプリング
54の弾発力によって左フランジ49は元の位置に復帰
する(図8の状態)。この様に、簡単な構成によって左
フランジ49を供給ロール21から離した状態で保持で
きるので、供給ロール21の交換作業が容易になり、か
つ、ピン52とI溝が一致した状態に移行しないと、供
給側の円筒状コア42からフランジ49が完全に外れな
いので、供給ロール21の不用意な脱落を防止すること
が出来る。
【0023】一方図8に示す如く、ノブ53に対向した
位置で、このノブ53の有無を検出するための反射型の
光センサ55が下フレーム73に固定されている。これ
は、転写紙の種類が異なっている場合、コア長を変更さ
せる必要があるからである。すなわち、図9中で示す様
に、供給コア421 の巻胴長さが通常のものより長い
場合、ノブ53が左方向へずれてしまい、反射型の光セ
ンサ55と一致せず、従って、ノブ53の有無を検出す
ることが出来なくなってしまう。このように、光センサ
55とノブ53とを対向する如く配置構成したことによ
り転写紙の長さが異なった場合、例えば、この2種類の
転写紙を容易に識別することが出来る。一方、巻取ロー
ル22の可動フランジも供給ロール21と同一部品から
構成されており両者の違いは、反射型の光センサが設け
られていないことだけである。この為、可動フランジ側
は、同一部品で良く、転写紙カートリッジのローコトト
化が図れる。巻取ロール22の他方のフランジ56は、
図7に示すように、フランジ部に後述する巻取駆動系用
のギヤ57が一体的に成形されており、かつ、前記した
巻取側の円筒状コア43の切欠き溝44と噛み合う為の
ノッチ部58が設けてある。他方、シャフト59,軸受
60,Eリング61等は、供給側と同一部品で良くこれ
又、転写紙カートリッジのローコスト化が図れる。
【0024】巻取駆動系用のギヤ57は、転写紙カート
リッジ20を所定位置にセットすると、下フレーム側に
あるギヤ62と噛合う。図4,図7を併せ参照して説明
すると、ギャ62は、軸63を介してギヤ64と一体的
に連結されており、このギヤ64は、ギヤ65,ギヤ6
6を介してモータギヤ67と連結している。これらのギ
ヤ列によってモータ68の回転は減速され、巻取ロール
22は図4中左方向に回転される。モータ68は、前記
した転写紙3のエンコードパターン5と、プラテン駆動
系基準パルスによって記録中はサーボ制御される。記録
以外、例えば、転写紙頭出し時は、この限りではない。
【0025】例えば、転写紙カートリッジ20の交換に
際し、この転写紙カートリッジ20を記録装置の所定位
置に設置するには、図12に示す如く、転写紙カートリ
ッジ20側の側面部26〜29から外側に突出している
軸受47,51,60を所定位置に装着することにより
によって行なう。すなわち、特殊なセット動作をさせる
ことなく下部フレーム74の一部をなす右フレーム74
aに設けた略V字状の溝69,70と同じく左フレーム
75aに設けた略V字状の溝71,72に前記した円柱
状の軸受47,51,60を上方より落し込むことによ
って転写紙カートリッジ20はそこに位置決め保持され
る。上記した略V字状の溝69〜72の底部はカートリ
ッジ軸受部の半径と同一半径で形成されており、転写紙
カートリッジ20は、そこに落し込まれることによって
ガタなく設置される。また、底部は、V形状のため仮に
ラフに合わせたとしても所定位置にセットされる。更
に、軸受47,51,60等を導電性材料で形成してい
る場合は、左右フレーム74,75は金属で形成されて
いるので、転写紙3から発生する静電気を除電すること
ができる。転写紙カートリッジ20の軸受47,51,
60等を上方よりV字状の溝69〜72に落し込むこと
によって転写紙カートリッジ20側のギヤ57と記録装
置側のギヤ62が噛み合うが、巻取駆動力によって噛み
合いが外れる危険性があるので、図示しない上フレーム
の閉動作によって転写紙カートリッジ20を固定するよ
う構成している。
【0026】次に、転写紙カートリッジ20の固定及び
検出部について、図14,図15を用いて説明する。8
0は、上部フレーム85に固定された軸受、81は、こ
の軸受80内に挿通される上下方向に摺動可能な押圧ピ
ン、82は、この押圧ピン81を常時一方向に付勢する
バネ、83は、前記押圧ピン81の両側に配置されたカ
ートリッジセンサであり、このカートリッジセンサは、
透過型フォトインタラプタである。なお84は、転写紙
カートリッジの上端部である。一方、104は、上フレ
ームに突設したバネ係止部で、ここには後述する復帰バ
ネ94の一端が係止される。また、105は、略L字状
の板金部材95の側面部95bに突設したバネ係止部
で、ここには、前記した復帰バネ94の一端が係止され
る。すなわち、略L字状の板金部材95は、その一端に
突設したバネ係止部105と上フレームに突設したバネ
係止部104間に掛装された復帰バネ94により常時上
フレーム方向に付勢されているものである。106は、
略L字状の板金部材95に設けられた透孔108,10
9内を挿通した軸107を固定するための締結具であ
り、これは略L字状の板金部材95の位置が決定され次
第、それを締結することにより略L字状の板金部材95
をそこに固定するものである。
【0027】また、本発明になる転写紙カートリッジ2
0固定のためのロック機構によれば、その位置を例え
ば、開閉用の図示しない左右ステー近傍の上部フレーム
85上に設けたので、開閉に際し、図示しない上部フレ
ームユニットを閉蓋した際にも強度的な問題がなく、従
って、圧着力が弱くなるというようなことはなく、転写
画像が劣化するようなことはない。更に、上部フレーム
85の強度も左程必要ないので、軽量化、低コスト化が
可能となる。
【0028】次に、上部フレームユニット90のロック
動作につき説明する。上部フレームユニット90を図1
4(A)の状態より閉蓋方向に回動すると、下部フレー
ムに設けた固定軸91の先端部92のテーパ状の先端部
92aと略タマゴ形の長孔93の径小部932 とが当接
する。なお、931 は、略タマゴ形の長孔93に設けた
径大部である。上部フレームユニット90を更に復帰バ
ネ94の付勢力に抗して閉蓋方向に回動すると、略L字
状の板金部材95の底面部95aの各透孔さらにいえば
略タマゴ形の長孔93は、テーパ状の先端部92aのテ
ーパに沿ってスライドし、テーパ部を越え段部96に達
すると、略L字状の板金部材95は、復帰バネ94の付
勢力によりT2 方向へ復帰し、その位置で確実に固定ロ
ックされる(図14(B))。閉蓋時は、把持部材97
を把持し、それを復帰バネ94の付勢力に抗してT1
向へ移動させることにより前記ロック状態は解除され
(図9(C)参照)、上部フレームユニット90は、容
易に持ち上げることができる。なおこの閉蓋動作に際
し、上部フレームユニット90は軽量化されているの
で、その動作をスムーズに行うことができる。このロッ
ク機構は、左右フレームの2カ所に設けられているもの
である。
【0029】次に、固定部材100と略L字状の板金部
材95に設けられたスイッチ98との関連につき説明す
る。前記した如く略L字状の板金部材95の側面部95
bには、上部フレームユニット90の開閉を検出するス
イッチ98が固定されている。このスイッチ98のレバ
ー99は、上部フレームユニット90が閉蓋すると固定
部材100上のテーパ状の先端部92aに当接してスイ
ッチ98はON状態となる(図9(B))。なお上記し
た如く、このスイッチ98は、その一部に長孔101を
を有し、ネジ102により調整自在な調整部材103上
に固定されているので、その当り調整は容易に行われる
ものである。上部フレームユニット90の開蓋時、前記
した如く、把持部材97をT1 方向に移動し、これによ
りレバー99はテーパ状の先端部92aより離れるの
で、直ちにスイッチOFFの状態となる(図9(C)参
照)。
【0030】本発明になる熱転写記録装置における上部
フレームユニットのロック機構によれば、従来のように
回動爪に相当する部分が突出するようなことはないの
で、転写紙カートリッジ交換の際、それを破損するよう
なことは全くなく、かつ、それに手を引掛ける虞れもな
い。また、スイッチ98は、ロック解除で直ちにOFF
となるので、不完全なロック状態のまま記録が行われる
ようなことはなく、従って、ヘッド破損などの事故を未
然に防止できる。なおスイッチ98は、片側であっても
よいが、両側に設けておけば安全性が更に向上するもの
である。
【0031】ここで、転写紙カートリッジ20と、上部
フレームユニット90との関連部分について図15を参
照して説明する。転写紙カートリッジ20を下部フレー
ム74に設けたV字状溝70内にその軸部が嵌合するよ
う設置することにより、この転写紙カートリッジ20は
位置決めされる。このように、位置決めされることによ
り転写紙カートリッジ巻取駆動用ギヤ57と下部フレー
ム側のギヤ62とが噛み合うが、巻取駆動力によって噛
み合いが外れる虞れがあるので、本発明においては、上
部フレームユニット90の閉動作によって上部フレーム
ユニット90により転写紙カートリッジを固定するよう
にしたものである。以下その固定動作について詳述す
る。
【0032】図14(A)の状態より上部フレームユニ
ット90を転写紙カートリッジ側に押し下げると、まず
押圧ピン81は転写紙カートリッジ20の上端部84に
当接する。しかる後、バネ82の付勢力に抗して更にそ
れを押し下げることにより、この略L字状の板金部材9
5は、転写紙カートリッジの上端部84と、所定の押圧
関係を持ってそこに固定される。すなわち、閉蓋状態が
完了する。その際、押圧ピン81が、転写紙カートリッ
ジ20によりV2 方向に押され、軸受内を通り透過型フ
ォトインタラプタ83間に介在することになるので、こ
の透過型フォトインタラプタ83は遮断され、図示しな
いセンサーが作動して記録可能状態になる。すなわち、
完全な閉蓋状態に至らない場合には、記録動作は不可能
となるものである。なお、転写紙カートリッジ20が下
部フレーム74の所定位置に装着されていない状態で、
上部フレームユニット90(略L字状の板金部材95)
を押し下げた場合、透過型フォトインタラプタ83は遮
断されないので、記録可能状態には移行しない。すなわ
ち、転写紙カートリッジ20の有無の検出が行われるも
のである。本発明になる熱転写記録装置によれば、転写
紙カートリッジは、押圧ピン81の押圧力により常時V
字状溝側に付勢され安定した状態で固定されるので、ギ
ヤ57,62の巻取駆動力によって持ち上げられるよう
なことはない。従って、高品質の転写画像が得られるも
のである。
【0033】
【発明の効果】本発明は上記詳細に説明した如く構成し
たことにより、転写紙カートリッジ及び装置側のそれぞ
れに設けた駆動部間の連結関係が強固なものとなり、そ
れにより転写紙の安定した走行が行なえるので、高品質
の転写画像が得られるものである。また、下部フレーム
には、プラテンローラを有する上部フレームの閉蓋時、
この上部フレームを所定位置に固定する固定手段を設け
たことにより、閉蓋状態が確実に維持されるので、これ
又高品質の転写画像が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる熱転写記録装置に使用されるプラ
テンローラ、サーマルヘッド、転写紙の関係を示す側面
図である。
【図2】転写紙の一実施例を示す斜視図である。
【図3】図2において、その一部を拡大して示す図であ
る。
【図4】転写紙カートリッジの側面図である。
【図5】転写紙カートリッジ要部の拡大側断面図であ
る。
【図6】転写紙カートリッジの支持方法を示す供給ロー
ルの一側の要部側断面図である。
【図7】転写紙カートリッジの支持方法を示す巻取ロー
ルの一側の要部側断面図である。
【図8】転写紙カートリッジの支持方法を示す供給ロー
ルの一側の要部側断面図である。
【図9】図8において、供給ロールの一移動態様を示す
要部側断面図である。
【図10】図8において、供給ロールの他の移動態様を
示す要部側断面図である。
【図11】供給ロールを支持する支持部材の要部斜視図
である。
【図12】転写紙カートリッジの側面図である。
【図13】転写紙巻取り制御を行うための制御回路図で
ある。
【図14】転写紙カートリッジの装置への装着時のロッ
ク機構の動作説明図である。
【図15】転写紙カートリッジの装置への装着時のロッ
ク機構の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 プラテンローラ 2 サーマルヘッド 3 転写紙 6 プラテンローラ 20 転写紙カートリッジ 21 供給ロール 22 巻取ロール 57 駆動部 62 駆動手段 80,81,82 押圧手段 83 検出手段 92,93 固定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神戸 聡 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12 番地 日本ビクター株式会社内 審査官 吉村 尚 (56)参考文献 特開 平2−200464(JP,A) 特開 昭63−51167(JP,A) 特開 昭60−192668(JP,A) 特開 昭62−208976(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】転写紙をプラテンローラとサーマルヘッド
    間に挾持して記録を行なう熱転写記録装置であって、転
    写紙が巻回される供給ロールとそれが巻取られる巻取り
    ロールとを有し、これら両ロールの両側端を支持する保
    持部材の少くとも一方がロール軸方向に退避可能に形成
    されていると共に、その一部に上記両ロールを駆動する
    ための駆動部を設けた転写紙カートリッジと、プラテン
    ローラを有すると共に閉蓋時にその閉蓋状態が完了した
    か否かを検出する検出手段を有する上部フレームと、上
    記サーマルヘッド及び転写紙カートリッジ載置部がそれ
    ぞれ設けられており、この転写紙カートリッジが設置さ
    れた際、上記駆動部と連結される駆動手段を有すると共
    に、上部フレームの閉蓋時、この上部フレームを所定位
    置に固定する固定手段を設けた下部フレームとを設けて
    なり、上記上部フレームは、転写紙カートリッジが下部
    フレームの載置部に設置され駆動部間が連結された際、
    その連結関係が維持されるよう構成した押圧手段を更に
    設けたことを特徴とする熱転写記録装置。
JP7845492A 1992-02-28 1992-02-28 熱転写記録装置 Expired - Lifetime JP2658720B2 (ja)

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