JP2658319B2 - 吸上げ鋳造法 - Google Patents

吸上げ鋳造法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、溶湯を湯口管を介して差圧により鋳型内に
吸上げる吸上げ鋳造法の改良に関する。
(従来の技術) 吸上げ鋳造法は、湯回り性が良好で、介在物の巻き込
みも少なくかつ湯口よりの強力な押湯効果によって歩留
りも良好であるところから、近年、その利用が拡大しつ
ゝある。
この吸上げ鋳造法において、溶湯を吸上げる湯口管は
鋳造品質を左右する重要な役割をなすもので、例えば、
耐熱性や耐熱衝撃性不足して使用中に溶損したり亀裂が
発生するようなことがあると、外気混入によるブローホ
ール欠陥、未強固溶湯の落下による欠肉、押湯不足によ
る引け巣不良等の不具合を招くようになり、また気密性
に劣る場合も前記同様の不具合を招き、さらには保温性
に劣る場合は湯回り不良を引き起こすようになる。
この湯口管としては、従来より金属製、セラミックス
製、耐火物製等、種々の材種のものが使用されていた
が、融点の高い鉄ベースやニッケルベースの材料の鋳造
には、耐熱性に優れているところから、専ら耐火物から
成る湯口管が使用されていた。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、この耐火物から成る湯口管によれば、
耐熱性と保温性には問題ないものの、気密性と耐熱衝撃
性に関しては、両特性を同時に満足させるのが極めて困
難で、気密性を高めようとすると耐熱衝撃性が劣化し、
一方耐熱衝撃性を高めようとすると気密性が低下するよ
うになって、いま一つ信頼性に乏しいという問題があっ
た。
そこで、耐火物に代えて溶湯と同種の金属製湯口管を
使用することが考えられる。この金属製湯口管の使用に
よれば、耐熱性に劣るため1鋳造毎に消耗品として取換
え使用しなければならないが、気密性、耐熱亀裂性、保
温性の各性能を満足し、鋳造品質を高める上で好都合と
なる。しかしながら、実際にこれら金属製の湯口管を使
用してみると、溶湯の吸上げ時間(一例として60秒)内
に大きく溶損してしまい、到底実用には供し得ないこと
が明らかになった。もちろん、湯口管の肉厚を厚くし
て、この厚さ内に溶損をとどめるようにすることもでき
るが、この場合は、湯口管へ逃げる熱量が大きくなって
溶湯の初期温度が低下し、湯回り不良を招くという新た
な問題が発生することとなって、根本的な解決にはなら
ない。
本発明は、上記従来の問題に解決することを課題とし
てなされたもので、その目的とするところは、金属製の
湯口管の溶損を抑制し、もって金属製湯口管の安定使用
を可能とする吸上げ鋳造法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記課題を解決するため、予め第1のるつ
ぼ内の溶湯に金属製湯口管を浸漬してその先端部に溶湯
を所定厚さ凝着させた後、第2のるつぼ内の溶湯に前記
湯口管を浸漬して差圧により鋳型内に溶湯を吸上げるよ
うにしたことを要旨とする。
本発明において、上記第1のるつぼ内の溶湯として
は、第2のるつぼ内の溶湯とベース金属を同一にするも
のを選択するのが望ましいが、第2のるつぼ内の溶湯に
悪影響を与えない範囲で、それより融点の高い異種金属
あるいは合金を選択することができる。また上記湯口管
も、特にその材種を限定するものでないが、第1のるつ
ぼ内の溶湯とベース金属を同一にするものを選択するの
が望ましい。
本発明において、上記湯口管は、吸上げられる溶湯の
初期温度をあまり低下させることがないように、ある程
度薄肉とするのが望ましい。またこの湯口管に対する第
1のるつぼ内の溶湯の凝着厚さは、該湯口管を第2のる
つぼ内の溶湯に浸漬させた際の溶損量を補うに足る十分
な厚さとする。さらにこの湯口管を第1のるつぼから第
2のるつぼへ移す際、該湯口管を所定時間放冷して凝着
金属を冷却するのが望ましい。
(作用) 上記構成の吸上げ鋳造法においては、予め湯口管に第
1のるつぼ内の溶湯を所定厚さ凝着させることにより、
湯口管の先端部の肉厚が見掛け上厚くなり、第2のるつ
ぼ内の溶湯による溶損時間が延長されて、吸上げ鋳造を
有効になし得るようになる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を添付図面も参照して説明す
る。
第1図は、本発明にかゝる吸上げ鋳造法を実行する装
置構成を示したものである。同図において、1は鋳型ユ
ニットで、気密チャンバー2と該チャンバー2内に納め
られた鋳型3とを備えている。チャンバー2には減圧手
段(図示略)に連絡する減圧ホース4が接続されてお
り、また鋳型3からは金属製の湯口管5がチャンバー2
を貫通して下方へ延ばされている。鋳型ユニット1の全
体は、天井のレール6に走行可能に配置した駆動ユニッ
ト7のシリンダ8に支持され、左右方向および上下方向
へ任意移動できるようになっている。なお、9は鋳型ユ
ニット1を上下方向へ案内するためのガイドである。一
方、レール6下の鋳型ユニット1の移動範囲内には、第
1のるつぼ10と第2のるつぼ11とが並置されている。各
るつぼ10,11は、耐火物製のるつぼ本体10a,11aと該るつ
ぼ本体10a,11bを囲む誘導加熱コイル10b,11bとから成
り、それぞれの内部には溶湯10c,11cが所定の温度に保
持されている。
鋳造に際しては、別途チャンバー1内に鋳型3が納め
られ、先ず駆動ユニット7によって鋳型ユニット1が第
1のるつぼ10の上方に位置決めされる。そしてこの位置
で、駆動ユニット7のシリンダ8の作動により鋳型ユニ
ット1が下降し、その湯口管5が第1のるつぼ11内の溶
湯11c中に所定深さ浸漬される。この浸漬によって湯口
管5の先端部には溶湯11cが凝着し、所定厚さの凝着層
が得られたところで、シリンダ8の作動により鋳型ユニ
ット1を上昇させる。
次に駆動ユニット7の移動により鋳型ユニット1は第
2のるつぼ12の上方に位置決めされる。この位置で、シ
リンダ8の作動により鋳型ユニット1が再び下降し、そ
の湯口管5が第2のるつぼ12内の溶湯12c中へ浸漬され
る。これにタイミングを合わせて減圧手段が作動し、減
圧ホース4を介してチャンバー2内が減圧され、第2の
るつぼ12内の溶湯は湯口管5を介して鋳型3内に吸上げ
られる。そして鋳型3内に吸上げられた溶湯が凝固した
段階で、減圧手段を停止してチャンバー2内の減圧を解
除すると、湯口管5内の未凝固溶湯が第2のるつぼ12内
に落下し、その後、駆動ユニット7の作動により鋳型ユ
ニット1が上昇、移動して、一連の鋳造は完了する。
しかして、本発明においては、予め湯口管5に第1の
るつぼ11内の溶湯11cに浸漬して、その先端部に溶湯を
所定厚さ凝着させたことにより、湯口管5の先端部の肉
厚が見掛け上厚くなり、その後、湯口管5を第2のるつ
ぼ12内の溶湯12cに浸漬した際、該湯口管5の溶損時間
が実質延長される。したがって鋳型3に溶湯12cを吸上
げている所定の時間、湯口管5は本来の機能を十分に果
し、品質的に優れた鋳造品が得られるようになる。
以下、上記装置を用いて行った本発明の実施例をより
具体的に説明する。
第1、第2のるつぼ11,12に保持する溶湯11c,12cとし
てJIS SCH21耐熱鋳鋼(0.3%C−20%Ni−25%Cr)を、
湯口管5として市販の鉄パイプ(0.08%C)をそれぞれ
選択し、製品重量20kg、最小肉厚部寸法3mmの機械部品
を吸上げ鋳造した。この場合、上記チャンバー2内の減
圧速度として100mmHg/sec,最終減圧度として−600mmHg
が必要となる。また鋳込み温度を少なくとも1480℃、好
ましくは1500℃以上に設定しないと良好な湯回り性を確
保できない。しかもこの湯合、凝固時間は最大肉厚部で
約50秒を要するため、第2のるつぼ12内の溶湯12cに対
する湯口管5の浸漬時間は少なくとも60秒確保する必要
がある。
そこで先ず、上記条件に耐える湯口管5を選定するた
めの基礎データを得るべく、湯口管として管径60mmで肉
厚の種々に異なる鉄パイプを用意し、これらを直接第2
のるつぼ12内の溶湯12c(1500℃)に浸漬して湯口管5
の肉厚と溶損時間との関係を調べた。この結果を第2図
に示す。第2図に示す結果より、溶湯12cに対する湯口
管5の必要浸漬時間60秒を確保するには、少なくとも湯
口管5の肉厚が4.5mm以上必要であることが分った。と
ころで、湯口管5としては、通常、約400mmの長さが必
要であり、この長さで肉厚が4.5mmの湯口管5を用いて
上記吸上げ鋳造を実行すると、薄肉部に湯回り不良が発
生した。これは、湯口管5の熱容量の増加により吸上げ
の初期溶湯温度が低下したことに起因したもので、した
がって肉厚約4mm以上の湯口管の使用は不可であること
が分った。
次に、湯口管5として肉厚2.3mmのものを選択し、こ
れを第1のるつぼ11内の溶湯11cに種々の時間浸漬して
溶湯の凝着層の厚さを調べた。この場合、第1のるつぼ
11内には、上記SCH21から成る溶湯11cを1400℃で保持
し、湯口管5の浸漬深さは50mmとした。この結果を第3
図に示す。第3図に示す結果より、凝着層の厚さは、浸
漬時間が8秒程度までは直線的に増大し、それより浸漬
時間が増すと、逆に凝着厚さが減少することが明らかに
なった。
しかるに上記したように、第2のるつぼ12内の溶湯12
cに対する湯口管5の必要浸漬時間は60秒であり、かつ
この浸漬の間に湯口管5は4.5mm程度溶損することが分
っている。そこで、本実施例においては、湯口管5とし
て長さ400mm,管径60mm,肉厚2.3mmのものを選定し、第1
図に示した態様で、先ず湯口管5の先端50mmを第1のる
つぼ11内の溶湯11c(1400℃)に6秒間浸漬し、引き上
げた後60秒間放冷し、その後直ちに第2のるつぼ12内の
溶湯12c(1500℃)に60秒間浸漬して、上記減圧条件で
吸上げ鋳造を実行した。この結果、湯口管5は、溶損が
進行するものの、全溶の状態までは至らず、ブローホー
ル、欠肉、引き巣等の欠陥はもとより、湯回り不良のな
い、品質的に優れた鋳造品を得ることができた。
(発明の効果) 以上、詳細に説明したように、本発明にかゝる吸上げ
鋳造法によれば、湯口管の先端部に溶湯を凝着させて溶
損時間を可及的に延長するようにしたので、金属製の湯
口管を用いて吸上げ鋳造を有効になし得るようになり、
品質的に優れた鋳造品を安定して得ることができる効果
がある。また凝着層の厚さを適宜設定することにより広
範囲の鋳造条件に対応でき、適用範囲の拡大を達成でき
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかゝる吸上げ鋳造法を実行する装置を
模式的に示す正面図、第2図は湯口管の肉厚と溶損時間
との関係を示すグラフ、第3図は湯口管の浸漬時間と溶
湯の溶着層厚さとの関係を示すグラフである。 2……チャンバー 2………鋳型 5……湯口管 7……駆動ユニット 11……第1のるつぼ 12……第2のるつぼ 11c,12c……溶湯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 結城 勇 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−33051(JP,A) 特開 昭62−187557(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め第1のるつぼ内の溶湯に金属製湯口管
    を浸漬してその先端部に溶湯を所定厚さ凝着させた後、
    第2のるつぼ内の溶湯に前記湯口管を浸漬して差圧によ
    り鋳型内に溶湯を吸上げることを特徴とする吸上げ鋳造
    法。
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