JP2656865B2 - 13−エーテル置換ミルベマイシン誘導体の製法 - Google Patents

13−エーテル置換ミルベマイシン誘導体の製法

Info

Publication number
JP2656865B2
JP2656865B2 JP25803691A JP25803691A JP2656865B2 JP 2656865 B2 JP2656865 B2 JP 2656865B2 JP 25803691 A JP25803691 A JP 25803691A JP 25803691 A JP25803691 A JP 25803691A JP 2656865 B2 JP2656865 B2 JP 2656865B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituent
substituted
alkyl group
milbemycin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP25803691A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0597860A (ja
Inventor
彰夫 斉藤
万喜男 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sankyo Co Ltd filed Critical Sankyo Co Ltd
Priority to JP25803691A priority Critical patent/JP2656865B2/ja
Publication of JPH0597860A publication Critical patent/JPH0597860A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2656865B2 publication Critical patent/JP2656865B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】本発明は、13位にエーテル結合を有す
るミルベマイシン誘導体を収率良く、経済的にすぐれ、
かつ、環境汚染を引き起こす重金属を使用せずに製造す
る方法を提供することを目的とする。
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、この13−エーテル置
換ミルベマイシン誘導体を高収率で製造する方法に関す
る。
【0003】
【従来の技術】13位にエーテル結合を有するミルベマ
イシン誘導体が高い駆虫活性を有することは特開平2−
174780号公報に記載されている。
【0004】13−エーテル置換ミルベマイシン誘導体
の製造法としては、特開平2−174780号公報、特
開昭61−178986号公報に記載の方法等が知られ
ている。
【0005】特開平2−174780号公報に記載の方
法は、13−ヨードミルベマイシン誘導体に、銀又は水
銀触媒の存在下、フェネチルアルコール類を反応させる
方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平2−1
74780号公報に記載の方法においては、銀は高価で
あり、また水銀は有毒であり、産業上これら触媒の使用
は困難である。
【0007】本発明者等はミルベマイシン誘導体の13
位にエーテル置換基を導入する方法について鋭意検討を
行なった結果、13−エーテル置換ミルベマイシン誘導
体を高収率で製造できることを見出し、本発明を完成し
た。
【0008】
【発明の構成】
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の、新規な13−
エーテル置換ミルベマイシン誘導体の製造法は、一般式
(I)
【0010】
【化5】
【0011】{式中、R2 は、メチル基、エチル基、イ
ソプロピル基又はsec-ブチル基を示し、R3 は、水素原
子、式R4 CO−で表される基[式中、R4 は、水素原
子、C1 〜C3 アルキル基又はフェニル基を示す(当該
アルキル基及びフェニル基は、下記置換基群Aより選ば
れる1乃至3個の同一又は異なった置換基で置換されて
いてもよい。)。]、C1 〜C6 アルキル基[当該アル
キル基は、下記置換基群Bより選ばれる1乃至3個の同
一又は異なった置換基で置換されていてもよい。]、C
3 〜C6 シクロアルキル基[当該シクロアルキル基は、
下記置換基群Aより選ばれる1乃至3個の同一又は異な
った置換基で置換されていてもよい。]を示し、Xは、
水酸基、保護された水酸基又はオキソ基を示す。}で表
される化合物、或いは、一般式(II)
【0012】
【化6】
【0013】(式中、R2 、R3 及びXは前記と同意義
を示す。)で表される化合物に、トリフルオロメタンス
ルホン酸の存在下、一般式(III)
【0014】
【化7】R1 OH (III) {式中、R1 は、C1 〜C6 アルキル基[当該アルキル
基は、下記置換基群Bより選ばれる1乃至3個の同一又
は異なった置換基で置換されていてもよい。]、C3
6 シクロアルキル基[当該シクロアルキル基は、下記
置換基群Aより選ばれる1乃至3個の同一又は異なった
置換基で置換されていてもよい。]を示す。}で表され
るアルコール化合物を反応させることを特徴とする、一
般式(IV)
【0015】
【化8】
【0016】(式中、R1 、R2 及びXは前記と同意義
を示す)で表される13−エーテル置換ミルベマイシン
誘導体の製造法である。
【0017】[置換基群A]ハロゲン原子、C1 〜C3
アルキル基、C1 〜C3 アルコキシ基、ニトロ基、シア
ノ基。
【0018】[置換基群B]ハロゲン原子、C1 〜C3
アルキル基、C3 〜C6 シクロアルキル基、C1 〜C3
アルコキシ基、(C1 〜C6 アルコキシ)カルボニル
基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基(当該フェニル基
は、下記置換基群Cより選ばれる1乃至3個の同一又は
異なった置換基で置換されていてもよい。)。
【0019】[置換基群C]ハロゲン原子、C1 〜C3
アルキル基、C3 〜C6 シクロアルキル基、C1 〜C3
アルコキシ基、(C1 〜C6 アルコキシ)カルボニル
基、ニトロ基、シアノ基、式R5 SO2 (R6 )N−で
表される基(式中、R5 はC1 〜C6 アルキル基を示
し、R6 は水素原子又はC1 〜C3 アルキル基を示
す。)、C1 〜C8アシルアミノ基、(C1 〜C6 アル
コキシ)カルボニルアミノ基又は窒素原子を少なくとも
1個含有するヘテロ環。
【0020】上記において、R4 、R6 、置換基群A、
置換基群B、置換基群Cの定義における「C1 〜C3
ルキル基」とは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプ
ロピル基のような炭素数1乃至3個の直鎖又は分枝鎖ア
ルキル基であり、好適にはメチル、エチル基である。
【0021】上記において、R1 、R3 、R5 の定義に
おける「C1 〜C6 アルキル基」とは、例えばメチル、
エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブ
チル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチ
ル、2-メチルブチル、ネオペンチル、1-エチルプロピ
ル、n-ヘキシル、4-メチルペンチル、3-メチルペンチ
ル、2-メチルペンチル、1-メチルペンチル、3,3-ジメチ
ルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,1-ジメチルブチル、
1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチ
ルブチル、2-エチルブチルのような炭素数1乃至6個の
直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、好適には炭素数1乃
至4個の直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、更に好適に
は炭素数1乃至3個の直鎖又は分枝鎖アルキル基であ
り、最も好適にはR1 はエチル基である。
【0022】上記において、R1 、R3 、置換基群B、
置換基群Cの定義における「C3 〜C6 シクロアルキル
基」とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペン
チル、シクロヘキシルのような3乃至6員飽和環状炭化
水素基であり、好適には5乃至6員飽和環状炭化水素基
である。
【0023】上記において、Xの定義における「保護さ
れた水酸基」とは、t−ブチルジメチルシリル基のよう
なシリル保護基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル
基、トリクロルエチルオキシカルボニル基のような炭酸
エステル型保護基、アセチル基やベンゾイル基のような
アシル型保護基のような、一般に水酸基の保護基として
用いられる基により保護された水酸基であり、好適に
は、t−ブチルジメチルシリル基である。
【0024】上記において、Xがオキソ基とは、Xが結
合している炭素原子と共にカルボニル基を形成すること
を意味する。
【0025】上記において、置換基群A、置換基群B、
置換基群Cの定義における「ハロゲン原子」とは、弗素
原子、塩素原子、臭素原子又は沃素原子である。
【0026】上記において、置換基群A、置換基群B、
置換基群Cの定義における「C1 〜C3 アルコキシ基」
とは、前記「C1 〜C3 アルキル基」が酸素原子に結合
した基であり、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキ
シ、イソプロポキシのような炭素数1乃至3個の直鎖又
は分枝鎖アルコキシ基であり、好適にはメトキシ、エト
キシ基である。
【0027】上記において、置換基群B、置換基群Cの
定義における「(C1 〜C6 アルコキシ)カルボニル
基」とは、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル、n-プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボ
ニル、n-ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニ
ル、s-ブトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、n-
ペントキシカルボニル、イソペントキシカルボニル、2-
メチルブトキシカルボニル、ネオペントキシカルボニ
ル、n-ヘキシルオキシカルボニル、4-メチルペントキシ
カルボニル、3-メチルペントキシカルボニル、2-メチル
ペントキシカルボニル、3,3-ジメチルブトキシカルボニ
ル、2,2-ジメチルブトキシカルボニル、1,1-ジメチルブ
トキシカルボニル、1,2-ジメチルブトキシカルボニル、
1,3-ジメチルブトキシカルボニル、2,3-ジメチルブトキ
シカルボニルのような炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝
鎖アルコキシ基がカルボニル基と結合した基であり、好
適には炭素数1乃至4個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基
がカルボニル基と結合した基である。
【0028】上記において、置換基群Cの定義における
「C1 〜C8 アシルアミノ基」とは、例えばホルミルア
ミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリル
アミノ、イソブチリルアミノ、ペンタノイルアミノ、ピ
バロイルアミノ、バレリルアミノ、イソバレリルアミ
ノ、オクタノイルアミノ基等の脂肪族アシルアミノ基;
ベンゾイルアミノ、α- ナフトイルアミノ、β- ナフト
イルアミノのようなアリ−ルカルボニルアミノ基等の芳
香族アシルアミノ基であり、好適には脂肪族アシルアミ
ノ基であり、更に好適には、炭素数1乃至6個のアルキ
ルカルボニルアミノ基である。
【0029】上記において、置換基群Cの定義における
「(C1 〜C6 アルコキシ)カルボニルアミノ基」と
は、前記「(C1 〜C6 アルコキシ)カルボニル基」が
アミノ基と結合した基である。
【0030】上記において、置換基群Cの定義における
「窒素原子を少なくとも1個含有するヘテロ環」とは、
例えばピロリル、アゼピニル、ピラゾリル、イミダゾリ
ル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソ
チアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、トリアゾリル、
テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニ
ル、ピリミジニル、ピラジニルのような芳香族複素環基
及びモルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジニル、
ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラ
ゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、ピペラジニ
ル、2−アゼチジノン−1−イル、2−ピロリドン−1
−イル、2−ピペリドン−1−イルのようなこれらの基
に対応する、部分若しくは完全還元型の基のような、窒
素原子を少なくとも1個含有し、更に酸素原子又は硫黄
原子を含んでいてもよい5乃至7員複素環基である。
【0031】R1 としては、好適にはC1 〜C6アルキ
ル基(当該アルキル基は、前記置換基群Bより選ばれる
1個の置換基で置換されている。)であり、更に好適に
はC1 〜C3 アルキル基(当該アルキル基は、前記置換
基群Bより選ばれる1個の置換基で置換されている。)
であり、最も好適にはエチル基(当該エチル基は、前記
置換基群Bより選ばれる1個の置換基で置換されてい
る。)である。この場合の置換基群Bとしては、好適に
はフェニル基(当該フェニル基は、前記置換基群Cより
選ばれる1個の置換基で置換されている。)であり、更
に好適にはフェニル基(当該フェニル基は、前記置換基
群Cより選ばれる1個の置換基でパラ位を置換されてい
る。)である。この場合の置換基群Cとしては、好適に
はニトロ基、式R5 SO2 (R6 )N−で表される基
(式中、R5 及びR6 は前記と同意義を示す。)であ
り、更に好適には式R5 SO2 (R6 )N−で表される
基(式中、R5 及びR6 は前記と同意義を示す。)であ
る。この場合のR5 としては、好適にはメチル基又はエ
チル基であり、更に好適にはメチル基であり、この場合
のR6 としては、好適にはメチル基である。
【0032】本願発明の方法において、一般式(I)に
おけるR3が、一般式(III)におけるR1 と同じ置
換基である場合、本方法は、15−エーテル誘導体から
13−エーテル誘導体への変換反応と見なすことができ
る。
【0033】本発明は、一般式(I)を有する15−ヒ
ドロキシミルベマイシンの誘導体、又は、一般式(I
I)を有する13−ヒドロキシミルベマイシンの誘導体
に、強力な有機酸であるトリフルオロメタンスルホン酸
の存在下、一般式(III)で表されるアルコールを作
用させることにより行なわれる。
【0034】一般式(I)を有する15−ヒドロキシミ
ルベマイシンの誘導体の製造方法は、特開昭60−15
8191号公報に記載されており、その方法に準じて製
造することができる。又、一般式(II)を有する13
−ヒドロキシミルベマイシンの誘導体の製造方法は、米
国特許第4423209号に記載されており、その方法
に準じて製造することができる。
【0035】トリフルオロメタンスルホン酸は触媒とし
て使用されるため、当量は必要としない。
【0036】一般式(I)において、Xは、好適には保
護された水酸基又はオキソ基である。
【0037】本発明の反応は、一般式(I)及び(I
I)においてXがオキソ基である場合、酸に安定である
ため、特に良好な結果を与える。
【0038】また、反応系中に、無機化合物の粉末を添
加すると、反応を促進し、良好な結果をあたえる。その
ような無機化合物としては、トリフルオロメタンスルホ
ン酸銅、沃化第一銅、沃化亜鉛、沃化コバルト、沃化ニ
ッケルのような金属塩、セライト、シリカゲル、アルミ
ナ等を挙げることができ、好適には、トリフルオロメタ
ンスルホン酸銅、沃化第一銅のような銅塩であり、最も
好適には、トリフルオロメタンスルホン酸銅又は沃化第
一銅である。
【0039】反応に使用される溶媒としては、反応を阻
害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に
限定はないが、一般式(III)で表されるアルコール
自身を溶媒として用いることもできる。好適には、ベン
ゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;
メチレンクロリド、1,2−ジクロロエタン、クロロホ
ルムのようなハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸
プロピルのようなエステル類;エ−テル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエ−テ
ル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;ジ
メチルスルホキシドのようなスルホキシド類等を挙げる
ことができる。
【0040】反応温度は−10℃乃至100℃で行なわ
れ、好適には、0℃乃至50℃である。
【0041】反応時間は、主に反応温度、原料化合物又
は使用される溶媒の種類によって異なるが、通常5分間
乃至2時間であり、好適には10分乃至1時間である。
【0042】反応終了後、反応目的物は容易に反応混合
物から、常法に従って採取することができる。例えば、
反応混合物を水不混和性有機溶媒で希釈し、不溶物を瀘
別後、4%炭酸水素ナトリウム、水の順に洗い、溶媒を
留去することによって得ることができる。さらに、必要
なら、常法、例えば再結晶、カラムクロマトグラフィー
等で精製することもできる。
【0043】上記の方法で製造された、前記一般式(I
V)で示される13−エーテル置換ミルベマイシン誘導
体において、Xが保護された水酸基又はオキソ基である
場合、これらの基は必要に応じ、脱保護又は還元等によ
り水酸基に変換される。例えば、Xが、トリクロロエト
キシカルボニル基で保護された水酸基の場合は亜鉛−酢
酸、また、Xがオキソ基の場合はナトリウムボロハイド
ライド等の、これらの官能基の水酸基への変換に通常使
用される試剤を作用させる。この方法により、一般式
(IV)においてXが水酸基である化合物が製造され
る。
【0044】次に、実施例及び参考例によって、本発明
をさらに具体的に説明する。
【0045】
【実施例】
【0046】
【実施例1】 13−ヒドロキシ−5−オキソミルベマイシンA4 から
の5−オキソ−13−〔2−(4−ニトロフェニル)エ
トキシ〕ミルベマイシンA4 の製造 4−ニトロフェネチルアルコール(2.00g) を1,2−ジ
クロルエタン(12ml)に溶解し、トリフルオロメタンスル
ホン酸(0.352ml) 及び沃化第一銅(0.475g)を加え、室温
で5分間撹拌した。13−ヒドロキシ−5−オキソミル
ベマイシンA4(1.39g) を1,2−ジクロルエタン(3ml)
に溶解して上記混合物に加え、室温で30分間撹拌し
た。反応液に酢酸エチル(100ml) を加え、不溶物をセラ
イトを用いて瀘去し、瀘液は、水、4%炭酸水素ナトリ
ウム、ついで水の順で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、減圧下に蒸発乾固した。残留物をカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン=3:7
で溶出)で精製することにより、目的化合物 1.58g(89.
5%) を得た。
【0047】質量スペクトル m/e:705(M+,C40H51NO10)
、核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3,δppm):1.89(3
H,s,C4-CH3),2.94(2H,t,J=6.3Hz,PhCH2),3.20(1H,d,J=
9.8Hz,C13-H),3.84(1H,s,C7-OH),3.93(1H,s,C6-H)
【0048】
【実施例2】 13ーホルミルオキシ−5−オキソミルベマイシンA4
からの5−オキソ−13−〔2−(4−ニトロフェニ
ル)エトキシ〕ミルベマイシンA4 の製造 工程A ミルベマイシンA4(5.43g)をジクロルメタン(50ml)に溶
解し、氷冷下、二酸化マンガン(20.0g) を加え10分間
撹拌した。さらに室温で3時間撹拌した後、不溶物をセ
ライトを用いて瀘去した。瀘液を減圧下に蒸発乾固して
5−オキソミルベマイシンA4 を得た。
【0049】工程B 前工程で得られた5−オキソミルベマイシンA4(0.541
g) をジオキサン(1.8ml) に溶解し、氷冷下で蟻酸(3.6m
l)及び二酸化ゼレン(0.133g)を加え、室温で2時間撹拌
した。反応混合物に酢酸エチル(50ml)を加え、セライト
を用いて瀘過した。瀘液を、水(2回)、4%炭酸水素
ナトリウム、ついで水の順で洗い、無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、減圧下に蒸発乾固した。残留物を酢酸エチル
に溶解し、シリカゲルのカラムに通して精製した。酢酸
エチルで溶出し、減圧下に溶媒を溜去して、小量の13
−ヒドロキシ−5−オキソミルベマイシンA4 を含む、
13−ホルミルオキシ−5−オキソミルベマイシンを得
た。このものは更に精製することなく、次の工程に使用
した。
【0050】核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3,δp
pm):1.89(3H,m,C−CH),3.8
6(1H,s,C−H),5.06(1H,d,J=
10.7Hz,C13−H),6.55(1H,m,C
−H),8.09,(1H,s,HCOO) 工程C ニトロフェネチルアルコール(0.830g)を1,2−ジクロ
ルエタン(5ml) に溶解し、トリフルオロメタンスルホン
酸(0.088ml) 及び沃化第一銅(0.190g)を加え、室温で5
分間撹拌した。工程Bで得られた粗13−ホルミルオキ
シ−5−オキソミルベマイシンA4を1,2−ジクロル
エタン(1.5ml) に溶解して上記混合物に加え、室温で2
3分間撹拌した。反応液に酢酸エチル(100ml) を加え、
不溶物をセライトを用いて瀘去し、瀘液は、水、4%炭
酸水素ナトリウム、ついで水の順で洗い、無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、減圧下に蒸発乾固した。残留物をカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキ
サン=3:7で溶出)で精製することにより、実施例1
で得られた化合物と同じ質量スペクトル及び核磁気共鳴
スペクトルを有する、目的化合物 0.359g(50.8%,ミルベ
マイシンA4 より)を得た。
【0051】
【実施例3】 5−オキソ−15−ヒドロキシ−Δ13,14 −ミルベマイ
シンA4 からの5−オキソ−13−〔2−(4−ニトロ
フェニル)エトキシ〕ミルベマイシンA4 の製造 4−ニトロフェネチルアルコール(0.0752g) を1,2−
ジクロルエタン(0.2ml) に溶解し、トリフルオロメタン
スルホン酸(0.0056ml)を加え、室温で5分間撹拌した。
5−オキソ−15−ヒドロキシ−Δ13,14 −ミルベマイ
シンA4(0.050g) を1,2−ジクロルエタン(0.2ml) に
溶解して上記混合物に加え、室温で40分間撹拌した。
反応液に酢酸エチル(10ml)を加え、水、4%炭酸水素ナ
トリウム、ついで水の順で洗い、無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、減圧下に蒸発乾固した。残留物をカラムクロマ
トグラフィ(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン=3:
7で溶出)で精製することにより、実施例1工程Aで得
られた化合物と同じ質量スペクトル及び核磁気共鳴スペ
クトルを有する目的化合物0.048g (75.2%) を得た。
【0052】
【実施例4】 5−オキソ−15−ヒドロキシ−Δ13,14 −ミルベマイ
シンA4 からの5−オキソ−13−〔2−(4−ニトロ
フェニル)エトキシ〕ミルベマイシンA4 の製造 4−ニトロフェネチルアルコール(4.35g) を1,2−ジ
クロルエタン(25ml)に溶解し、トリフルオロメタンスル
ホン酸(0.770ml) 及び沃化第一銅(1.05g) を加え、室温
で5分間撹拌した。5−オキソ−15−ヒドロキシ−Δ
13,14 −ミルベマイシンA4(3.00g)を1,2−ジクロル
エタン(5ml) に溶解して上記混合物に加え、室温で30
分間撹拌した。反応液に酢酸エチル(200ml) を加え、不
溶物をセライトを用いて瀘去し、瀘液は、水、4%炭酸
水素ナトリウム、ついで水の順で洗い、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、減圧下に蒸発乾固した。残留物をカラム
クロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサ
ン=3:7で溶出)で精製することにより、実施例1で
得られた化合物と同じ質量スペクトル及び核磁気共鳴ス
ペクトルを有する、目的化合物 3.12g(82.5%) を得た。
【0053】
【実施例5】 5−オキソ−15−ヒドロキシ−Δ13,14 −ミルベマイ
シンA4 からの13−{2−{4−〔N−(メタンスル
ホニル)メチルアミノ〕フェニル}エトキシ}ミルベマ
イシンA4 の製造 2−{4−〔N−(メタンスルホニル)メチルアミノ〕
フェニル}エチルアルコール(0.575g)をジクロルメタン
(4.5ml) に溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸(0.0
70ml) 及び沃化第一銅(0.096g)を加え、室温で5分間撹
拌した。5−オキソ−15−ヒドロキシミルベマイシン
4(0.279g) を上記混合物に加え、室温で20分間撹拌
した。反応液に酢酸エチル(50ml)を加え、不溶物をセラ
イトを用いて瀘去し、瀘液は、水、4%炭酸水素ナトリ
ウム、ついで水の順で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、減圧下に蒸発乾固した。残留物を酢酸エチル/シク
ロヘキサンで処理し、析出した結晶を瀘去して、瀘液を
カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/
ヘキサン=3:7で溶出)で精製することにより、5−
オキソ−13−{2−{4−〔N−(メタンスルホニ
ル)メチルアミノ〕フェニル}エトキシ}ミルベマイシ
ンA4(0.344g, 89.6%)を得た。
【0054】核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3,δpp
m):1.89(3H,m,C4-CH3),2.82(3H,s,SO2CH3),3.22(1H,d,J
=9.8Hz,C13-H),3.30(3H,s,N-CH3),3.85(1H,s,C6-H),6.5
5(1H,m,C3-H)。
【0055】この5−オキソ−13−{2−{4−〔N
−(メタンスルホニル)メチルアミノ〕フェニル}エト
キシ}ミルベマイシンA4 を、メタノール(3.7ml) に溶
解し、−25℃で、ナトリウムボロハイドライド(0.019
g)を加え、1時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(50ml)
を加え2回水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧
下に蒸発乾固した。残留物をカラムクロマトグラフィー
(ODS、85%アセトニトリルで溶出)で精製し、酢
酸エチル−ヘキサンから結晶化して、目的化合物 0.307
g(90.0%)を得た。
【0056】質量スペクトル m/e:769(M+,C42H59NO
10S)、核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3,δppm):1.8
7(3H,s,C4-CH3),2.82(3H,s,SO2CH3),3.21(1H,d,J=7.6H
z,C13-H),3.30(3H,s,N-CH3),3.95(1H,d,J=6.3Hz,C6-H)
【0057】
【実施例6】 5−オキソ−15−ヒドロキシ−Δ13,14 −ミルベマイ
シンA3 からの13−{2−{4−〔N−(メタンスル
ホニル)メチルアミノ〕フェニル}エトキシ}ミルベマ
イシンA3 の製造 2−{4−〔N−(メタンスルホニル)メチルアミノ〕
フェニル}エチルアルコール(11.0g) をジクロルメタン
(100ml) に溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸(1.4
0ml)及び沃化第一銅(4.00g) を加え、室温で5分間撹拌
した。5−オキソ−15−ヒドロキシ−Δ13,14 −ミル
ベマイシンA3(5.81g)を上記混合物に加え、室温で30
分間撹拌した。反応液に酢酸エチル(500ml) を加え、不
溶物をセライトを用いて瀘去し、瀘液は、水、4%炭酸
水素ナトリウム、ついで水の順で洗い、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、減圧下に蒸発乾固した。残留物を酢酸エ
チル/シクロヘキサンで処理し、析出した結晶を瀘去し
て、瀘液をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢
酸エチル/ヘキサン=3:7で溶出)で精製することに
より、5−オキソ−13−{2−{4−〔N−(メタン
スルホニル)メチルアミノ〕フェニル}エトキシ}ミル
ベマイシンA3(7.42g, 91.9%) を得た。
【0058】核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3,δpp
m):1.89(3H,m,C4-CH3),2.82(3H,s,SO2CH3),3.23(1H,d,J
=9.8Hz,C13-H),3.30(3H,s,N-CH3),3.86(1H,s,C6-H),6.5
5(1H,m,C3-H) このものを、メタノール(80ml)とテトラヒドロフラン(4
0ml)の混液に溶解し、−25℃で、ナトリウムボロハイ
ドライド(0.360g)を加え、3.5時間撹拌した。反応液
に酢酸エチル(500ml) を加え2回水洗し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、減圧下に蒸発乾固した。残留物をカラ
ムクロマトグラフィー(ODS、85%アセトニトリル
で溶出)で精製し、目的化合物 6.74g(90.6%) を得た。
【0059】質量スペクトル m/e:755(M+,C41H57NO
10S)、核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3,δppm):1.8
7(3H,s,C4-CH3),2.82(3H,s,SO2CH3),3.21(1H,d,J=7.6H
z,C13-H),3.30(3H,s,N-CH3),3.95(1H,d,J=6.3Hz,C6-H)
【0060】
【実施例7】 5−オキソ−15−〔2−(4−ニトロフェニル)エト
キシ〕−Δ13,14 −ミルベマイシンA4 からの5−オキ
ソ−13−〔2−(4−ニトロフェニル)エトキシ〕 4−ニトロフェネチルアルコール(0.334g)を1,2−ジ
クロルエタン(4ml) に溶解し、トリフルオロメタンスル
ホン酸(0.044ml) 及び沃化第一銅(0.095g)を加え、室温
で5分間撹拌した。5−オキソ−15−〔2−(4−ニ
トロフェニル)エトキシ〕−Δ13,14 −ミルベマイシン
4 (0.353g)を上記混合物に加え、室温で20分間撹拌
した。反応液に酢酸エチル(50ml)を加え、不溶物をセラ
イトを用いて瀘去し、瀘液は、水、4%炭酸水素ナトリ
ウム、ついで水の順で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、減圧下に蒸発乾固した。残留物をカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン=3:7
で溶出)で精製することにより、実施例1で得られた化
合物と同じ質量スペクトル及び核磁気共鳴スペクトルを
有する、目的化合物 0.318g(90.2%)を得た。
【0061】
【参考例】
【0062】
【参考例1】 5−オキソ−15−ヒドロキシ−Δ13,14 −ミルベマイ
シンA4 の製造 工程A イミダゾール(2.99g) をジクロルメタン(88ml)に溶解
し、クロルトリメチルシラン(5.60ml)及びミルベマイシ
ンA4(9.55g)を加え、7時間加熱還流した後、室温で一
晩放置した。反応液を瀘過して不溶物を瀘去し、瀘液
は、冷0.1M−クエン酸、ついで水で洗い、無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、減圧下に蒸発乾固した。残留物を
ジクロルメタン(88ml)に溶解し、氷冷下、70%m-クロ
ル過安息香酸(5.27g) を加え、同温度で40分間撹拌し
た。反応液を瀘過して不溶物を除き、瀘液は、10%チ
オ硫酸ナトリウム、4%炭酸水素ナトリウム、水の順に
洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒を
溜去することにより、5,7−ビストリメチルシリル−
14,15−エポキシミルベマイシンを得た。このもの
は精製すること無く、次の工程に使用した。 工程B 前工程で得られたエポキシドをトルエン(88ml)に溶解
し、−25℃で、2,6−ルチジン(6.14ml)及びトリメ
チルシリルトリフレート(5.10ml)を加え、4℃で4時間
撹拌した。反応液にシクロヘキサン(50ml)を加え、不溶
物瀘去し、瀘液は、1N−塩酸、水、4%炭酸水素ナト
リウム、水の順に洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
減圧下に蒸発乾固した。残留物をメタノール(230ml) に
溶解し、p−トルエンスルホン酸・1水和物(1.88g) を
加え、室温で20分間撹拌した。反応液に酢酸エチル(7
00ml) を加え、4%炭酸水素ナトリウム、及び水で洗
い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に蒸発乾固し
た。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、
酢酸エチル/シクロヘキサン=1:1で溶出)で精製す
ることにより目的化合物(9.38g, 95.3%)を得た。
【0063】質量スペクトル m/e:558(M+,C32H46O8) 、
核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3,δppm):1.88(3H,
s,C4-CH3),4.03(1H,d,J=6.3Hz,C6-H),4.29(1H,d,J=1.5H
z,C5-H),5.15(1H,d,J=9.3Hz,C13-H) 工程C 工程Bで得られた、15−ヒドロキシ−Δ13,14 −ミル
ベマイシンA4(9.38g)をジクロルメタン(150ml) に溶解
し、氷冷下に二酸化マンガン(53g) を加え、窒素雰囲気
下、室温で80分間撹拌した。セライトを使用して不溶
物を瀘去し、瀘液を減圧下に蒸発乾固して目的化合物
(8.6g,93.4%)を得た。
【0064】質量スペクトル m/e:556(M+,C32H44O8) 、
核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3,δppm):1.89(3H,
s,C4-CH3),3.92(1H,s,C6-H),4.08(1H,d-d,J=10.8,4.4H
z,C15-H),5.16(1H,d,J=9.3Hz,C13-H)
【0065】
【参考例2】 5−オキソ−15−ヒドロキシ−Δ13,14 −ミルベマイ
シンA3 の製造 工程A 4−ジメチルアミノピリジン(1.525g)をアセトニトリル
(25ml)に溶解し、クロルトリメチルシラン(1.590ml) 及
びミルベマイシンA4(2.645g) を加え、45℃で7時間
撹拌した後、室温で一晩放置した。反応液を瀘過して不
溶物を瀘去し、瀘液は、2回水洗し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、減圧下に蒸発乾固した。残留物をジクロル
メタン(50ml)に溶解し、氷冷下、70%m-クロル過安息
香酸(1.488g)を加え、同温度で40分間撹拌した。反応
液を瀘過して不溶物を除き、瀘液は、10%チオ硫酸ナ
トリウム、4%炭酸水素ナトリウム、水の順に洗い、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒を溜去する
ことにより、5,7−ビストリメチルシリル−14,1
5−エポキシミルベマイシンA3 を得た。このものは精
製すること無く、次の工程に使用した。 工程B 前工程で得られたエポキシドをアセトニトリル(25ml)に
溶解し、−30℃で、2,6−ルチジン(1.74ml)及びヨ
ードトリメチルシラン(1.07ml)を加え、−30〜−25
℃で45分間撹拌した。反応液にシクロヘキサン(50ml)
を加え、不溶物瀘去し、瀘液は、1N−塩酸、水、4%
炭酸水素ナトリウム、水の順に洗い、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、減圧下に蒸発乾固した。残留物をメタノー
ル(75ml)に溶解し、p−トルエンスルホン酸・1水和物
(0.25g) を加え、室温で20分間撹拌した。反応液に酢
酸エチル(300ml) を加え、4%炭酸水素ナトリウム、及
び水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に蒸
発乾固した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリ
カゲル、酢酸エチル/シクロヘキサン=1:1で溶出)
で精製することにより目的化合物(1.99g, 74.5%)を得
た。
【0066】質量スペクトル m/e:544(M+,C31H44O8) 、
核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3,δppm):1.87(3H,
s,C4-CH3),4.02(1H,d,J=6.3Hz,C6-H),5.14(1H,d,J=9.3H
z,C13-H) 工程C 工程Bで得られた、15−ヒドロキシ−Δ13,14 −ミル
ベマイシンA3(1.98g)をジクロルメタン(30ml)に溶解
し、氷冷下に二酸化マンガン(11g) を加え、窒素雰囲気
下、室温で70分間撹拌した。セライトを使用して不溶
物を瀘去し、瀘液を減圧下に蒸発乾固して目的化合物
(1.76g,89.1%) を得た。
【0067】質量スペクトル m/e:542(M+,C31H42O8) 、
核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3,δppm):1.88(3H,
s,C4-CH3),3.92(1H,s,C6-H),4.07(1H,d-d,J=10.8,4.4H
z,C15-H),5.15(1H,d,J=9.3Hz,C13-H)
【0068】
【参考例3】 5−オキソ−15−〔2−(4−ニトロフェニル)エト
キシ〕−Δ13,14 −ミルベマイシンA4 の製造 4−ニトロフェネチルアルコール(4.18g) を1,2−ジ
クロルエタン(20ml)に溶解し、トリフルオロメタンスル
ホン酸銅(II)(2.17g) を加え、窒素雰囲気下、室温で1
0分間撹拌したのち、5−オキソ−13−(1,2,4
−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジン−3−オン−2−
イルカルボニルオキシ)−ミルベマイシンA4(3.60g)を
1,2−ジクロルエタン(10ml)に溶解して加えた。混合
物を室温で20分間撹拌した後、酢酸エチル(300ml) を
加え、不溶物をセライトを用いて瀘去した。瀘液は、
水、4%炭酸水素ナトリウム、ついで水の順に洗い、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に蒸発乾固した。残
留物シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィで分離
精製した。酢酸エチルとシクロヘキサンの混液(1:
3)で溶出し、5−オキソ−13−〔2−(4−ニトロ
フェニル)エトキシ〕ミルベマイシンA4 の後から溶出
したフラクションの溶媒を溜去することにより、0.752g
の目的物を得た。
【0069】質量スペクトル m/e:705(M+,C40H51NO10)
、核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3,δppm):1.89(3
H,s,C4-CH3),2.94(2H,t,J=8.8Hz,PhCH2),3.80(1H,s,C7-
OH),3.92(1H,s,C6-H),5.10(1H,d,J=9.3Hz,C13-H)
【0070】
【発明の効果】本発明により、13位にエーテル結合を
有するミルベマイシン誘導体、特に特開平2−1747
80号公報に記載のような13位にフェネチルエーテル
タイプの置換基を有する駆虫活性の高いミルベマイシン
誘導体を、収率良く、経済的にすぐれ、かつ、高価な銀
や有毒な水銀のような環境汚染を引き起こす重金属を使
用せずに製造することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 {式中、R2 は、メチル基、エチル基、イソプロピル基
    又はsec-ブチル基を示し、R3 は、水素原子、式R4
    O−で表される基[式中、R4 は、水素原子、C1 〜C
    3 アルキル基又はフェニル基を示す(当該アルキル基及
    びフェニル基は、下記置換基群Aより選ばれる1乃至3
    個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよ
    い。)。]、C1 〜C6 アルキル基[当該アルキル基
    は、下記置換基群Bより選ばれる1乃至3個の同一又は
    異なった置換基で置換されていてもよい。]、C3 〜C
    6 シクロアルキル基[当該シクロアルキル基は、下記置
    換基群Aより選ばれる1乃至3個の同一又は異なった置
    換基で置換されていてもよい。]を示し、Xは、水酸
    基、保護された水酸基又はオキソ基を示す。}で表され
    る化合物、或いは、一般式(II) 【化2】 (式中、R2 、R3 及びXは前記と同意義を示す。)で
    表される化合物に、トリフルオロメタンスルホン酸の存
    在下、一般式(III) 【化3】 {式中、R1 は、C1 〜C6 アルキル基[当該アルキル
    基は、下記置換基群Bより選ばれる1乃至3個の同一又
    は異なった置換基で置換されていてもよい。]、C3
    6 シクロアルキル基[当該シクロアルキル基は、下記
    置換基群Aより選ばれる1乃至3個の同一又は異なった
    置換基で置換されていてもよい。]を示す。}で表され
    るアルコール化合物を反応させることを特徴とする、一
    般式(IV) 【化4】 (式中、R1 、R2 及びXは前記と同意義を示す)で表
    される13−エーテル置換ミルベマイシン誘導体の製造
    法。 [置換基群A] ハロゲン原子、C1 〜C3 アルキル基、C1 〜C3 アル
    コキシ基、ニトロ基、シアノ基。 [置換基群B] ハロゲン原子、C1 〜C3 アルキル基、C3 〜C6 シク
    ロアルキル基、C1 〜C3 アルコキシ基、C1 〜C6
    ルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、フェニル
    基(当該フェニル基は、下記置換基群Cより選ばれる1
    乃至3個の同一又は異なった置換基で置換されていても
    よい。)。 [置換基群C] ハロゲン原子、C1 〜C3 アルキル基、C3 〜C6 シク
    ロアルキル基、C1 〜C3 アルコキシ基、(C1 〜C6
    アルコキシ)カルボニル基、ニトロ基、シアノ基、式R
    5 SO2 (R6 )N−で表される基(式中、R5 はC1
    〜C6 アルキル基を示し、R6 は水素原子又はC1 〜C
    3 アルキル基を示す。)、C1 〜C8 アシルアミノ基、
    (C1 〜C6 アルコキシ)カルボニルアミノ基又は窒素
    原子を少なくとも1個含有するヘテロ環。
JP25803691A 1991-10-04 1991-10-04 13−エーテル置換ミルベマイシン誘導体の製法 Expired - Lifetime JP2656865B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25803691A JP2656865B2 (ja) 1991-10-04 1991-10-04 13−エーテル置換ミルベマイシン誘導体の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25803691A JP2656865B2 (ja) 1991-10-04 1991-10-04 13−エーテル置換ミルベマイシン誘導体の製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0597860A JPH0597860A (ja) 1993-04-20
JP2656865B2 true JP2656865B2 (ja) 1997-09-24

Family

ID=17314646

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25803691A Expired - Lifetime JP2656865B2 (ja) 1991-10-04 1991-10-04 13−エーテル置換ミルベマイシン誘導体の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2656865B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2105251C (en) * 1992-09-01 2004-12-07 Mitsugi Shibano Novel processes for the production of 13-ether derivatives of milbemycins, and novel intermediates therefor
JP2002121195A (ja) * 2000-10-12 2002-04-23 Sankyo Co Ltd 13位置換ミルベマイシン誘導体の製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0597860A (ja) 1993-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2654337B2 (ja) 13−エーテル置換ミルベマイシン誘導体の新規中間体
US4461902A (en) Thiazolidine derivatives and production thereof
EP0912495B1 (en) Asymetric synthesis of chiral beta-amino acids
JP2656865B2 (ja) 13−エーテル置換ミルベマイシン誘導体の製法
JP2656866B2 (ja) ミルベマイシンエーテル誘導体の製法
JP2698249B2 (ja) 13−置換ミルベマイシン誘導体の製法
KR20010005943A (ko) 0-(3-아미노-2-히드록시-프로필)-히드록심산할라이드의 제조방법
JP2579532B2 (ja) アミノアセトニトリル誘導体及びその製造方法
CA1229619A (en) Method for the synthesis of 5-thio-1,2,3-thiadiazole
JP2591552B2 (ja) 15−ヒドロキシミルベマイシン誘導体及びその製法
KR100841044B1 (ko) 세팔로스포린 화합물의 제조 방법
JP2698250B2 (ja) 5,15−ジヒドロキシミルベマイシンの製法
JP4175067B2 (ja) アルコキシアクリル酸アリールエステル誘導体、及びその製法
CA2050345C (en) Process for producing isoxazole derivatives
JPS6259707B2 (ja)
JPS6310143B2 (ja)
Wang et al. Synthesis and biological activity of novel N‐tert‐butyl‐N, N′‐substitutedbenzoylhydrazines containing 2‐methyl‐3‐(triphenylgermanyl) propoxycarbonyl
JPH07138282A (ja) 24―オキソコレステロール類の製造法
JPH023672A (ja) 2,6‐ジエチルアニリン誘導体およびその製法
JPH0344066B2 (ja)
KR850001474B1 (ko) 1-페닐-3(2,2-디알콕시)에틸-3,6-디아자헵탄-4,7-디온 유도체의 제조방법
JPH02149574A (ja) ホモスタチン誘導体
JPH0578550B2 (ja)
JPH01197487A (ja) 5−オキソミルベマイシン誘導体の製造方法
JPH0569830B2 (ja)