JP2656542B2 - イオンビーム加工装置 - Google Patents

イオンビーム加工装置

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JP2656542B2 JP63123993A JP12399388A JP2656542B2 JP 2656542 B2 JP2656542 B2 JP 2656542B2 JP 63123993 A JP63123993 A JP 63123993A JP 12399388 A JP12399388 A JP 12399388A JP 2656542 B2 JP2656542 B2 JP 2656542B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はイオンビーム加工装置に係り、特にイオン源
のフイラメント保護に関する。
[従来の技術] イオンビームを利用した従来の微細加工装置はガス圧
制御によつて加工精度を維持しているが、真空容器内の
圧力はスパツタされてできた薄膜のポンプ作用や反応性
ガスの化学反応等で変動しやすく、高精密加工精度を得
ることは困難である。
このため、特開昭62−108440号公報に記載された発明
は、一定の加速電圧が与えられたイオン加速電流に流れ
る電流が一定値になるように、イオン源のフイラメント
出力を制御する制御法を提案している。すなわちこのイ
オンビーム加工装置は、第4図に示すように、真空容器
1に設けられたフイラメント2をフイラメント電源3か
ら給電して加熱し、該フイラメント2と真空容器1の間
にアーク電源4により電圧を印加して放電させることに
よつてプラズマを発生し、加速電源5から一定の加速電
圧が与えられたイオン加速電極6によつてイオンを引出
して加速することによつてイオンビーム7を発生し、該
イオンビーム7を被加工物8に照射して該被加工物8を
加工するように構成され、更に、イオン加速電極6に流
れるイオン加速電流を電流検出器9で検出し、イオン加
速電流検出信号Ibdを設定値Ibrと比較器10で比較して得
た制御信号で前記イオン加速電流が所定値となるように
フイラメント電源3の出力を制御するように制御系が構
成されている。なお、電子抑制電極11は電子抑制電源12
に接続されてイオンビーム7に逆流する電子を抑制す
る。
ところでこのイオンビーム加工装置の加速電源5は、
イオン加速電流検出信号Ibdを監視しイオン加速電極6
に異常放電が発生した場合には加速電源5からイオン加
速電極6に供給する加速電圧を遮断して該加速電源5を
過負荷から保護するように構成されているが、加速電圧
を遮断するとイオン加速電流が零になるためにフイラメ
ント電源3は最大出力状態に制御されてフイラメント2
の寿命が短くなる問題がある。
[発明が解決しようとする課題] 以上のように従来の改良されたイオンビーム加工装置
は、イオン加速電極に異常放電が発生したときに加速電
圧を遮断すると、フイラメント電流が大きくなつてフイ
ラメントの寿命が短くなる問題があり、従つて本発明の
目的は、このようなフイラメントの寿命低下を防止する
ことにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、フィラメントを備えたイオン源と、前記フ
ィラメントに電力を供給するフィラメント電源と、前記
イオン源で発生したイオンを加速して被加工物に照射す
る加速電極と、該加速電極に一定の加速電圧を供給する
と共に加速電極異常時には該加速電圧の供給を停止する
加速電源と、前記加速電極に流れるイオン加速電流を検
出する手段と、イオン加速電流検出信号を第1の設定値
と比較し、イオン加速電流が所定値となるように前記フ
ィラメント電源の出力を制御する制御信号を出力する第
1の比較器とを備えたイオンビーム加工装置において、
前記フィラメントに供給されるフィラメント電流を検出
する手段と、フィラメント電流検出信号を第2の設定値
と比較し、フィラメント電流が所定値となるように前記
フィラメント電源の出力を制御する制御信号を出力する
第2の比較器と、加速電極異常時には前記フィラメント
電源に入力する制御信号を前記第1の比較器の出力から
前記第2の比較器の出力に切換る切換手段とを設けたこ
とを特徴とする。
[作用] 通常時にはイオン加速電流検出手段と前記第1の比較
器からなる定加速電流制御系によつてイオン加速電流が
一定となるようにフイラメント出力が制御されるので従
来のイオンビーム加工装置と同様に高精度なイオンビー
ム加工が可能となり、加速電極異常時にはフィラメント
電流検出手段と前記第2の比較器からなる定フィラメン
ト電流制御系によつてフイラメント出力が所定の一定値
となるように制御されるので加速電圧が遮断されてもフ
イラメント電流が大きくなることがなく、フイラメント
の寿命低下が防止される。
[実施例] 以下本発明の一実施例を第1図〜第3図を参照して説
明する。なお、前述した従来のイオンビーム加工装置と
等価物には同一参照符号を付して詳細説明を省略する。
比較器13は電流検出器14でフイラメント電流を検出し
て得たフイラメント電流検出信号Ifdを設定値Ifrと比較
して前記フイラメント電流が一定値となるように前記フ
イラメント電源3を制御する制御信号を出力する。前記
第1の比較器10及び第2の比較器13とフイラメント電源
3の間には切換制御器15によつて制御される切換リレー
16が接続される。切換制御器15は前記電流検出器9から
出力されるイオン加速電流検出信号Ibdに応じて切換リ
レー16のコイル16aの励磁電流を制御し、イオン加速電
流が零のときは可動接点16bを固定接点16cに接続したオ
フ状態として第2の比較器13から出力される制御信号を
フイラメント電源3に供給し、イオン加速電流が零以外
のときは可動接点16bを固定接点16dに接続したオン状態
として第1の比較器10から出力される制御信号をフイラ
メント電源3に供給する。
以上の構成において、第2図に示すように、タイミン
グT1において該イオンビーム加工装置を始動するために
フイラメント電源3がオンされるとフイラメント電流が
立上がる。このときアーク電源4、加速電源5及び電子
抑制電源12はオフしておりイオン加速電流が零であるの
で切換制御器15は切換リレー16をオフして可動接点16b
を固定接点16cに接続している。従つて、フイラメント
電源3はフイラメント電流検出信号Ifdが設定値Ifrと等
しくなるように定フイラメント電流制御される。その後
T2において加速電源5と電子抑制電源12がオンされ、更
にT3においてアーク電源4がオンされるとイオンが加速
されてイオンビーム7が発生する。これによりイオン加
速電極6にイオン加速電流が流れるので、電流検出器9
からイオン加速電流検出信号Ibdが発生する。切換制御
器15は制御移行遅れ時間T0後のT4において切換リレー16
をオンにして可動接点16bを固定接点16dに接続し第1の
比較器10から出力される制御信号をフイラメント電源3
に供給する。従つて、フイラメント電源3はイオン加速
電流検出信号Ibdが設定値Ifrと等しくなるように定加速
電流制御される。
イオン加速電流はイオンビーム7の量に比例するの
で、この定加速電流制御状態では真空容器1内の圧力が
変動してもイオンビーム7の量は変動せず、従つて、被
加工物8を高精度に加工することができる。
ところでT5において、何らかの原因でイオン加速電極
6に異常放電が発生すると、加速電源5は該イオン加速
電極6への加速電圧の供給を遮断する。このとき、同時
に、アーク電源4と電子抑制電源12も電圧供給を遮断す
る。これによりイオン加速電流がなくなつて電流検出器
9から出力されるイオン加速電流検出信号Ibdが零にな
るが、切換制御器15はイオン加速電流検出信号Ibdが零
になると切換リレー16をオフにして可動接点16bを固定
接点16cに接続して定フイラメント電流制御に移るの
で、フイラメント電源3からフイラメント2に大きな電
流が供給されることがない。
T6において異常放電保護動作が終了すれば、再び、加
速電源5と電子抑制電源12がオンされ、更にT7において
アーク電源4がオンされ、更に制御移行遅れ時間T0後の
T8において切換リレー16が切換られて定加速電流制御に
移る。
なお、制御移行遅れ時間T0はアーク電源4をオンした
直後のプラズマ発生の不安定時間内における制御の安定
性を確保する時間である。
定フイラメント電流制御系の設定値Ifrは、フイラメ
ント保護のためには、アーク電源4、加速電源5及び電
子抑制電源12をオンしたときに発生するイオンビーム7
によりイオン加速電極6に流れるイオン加速電流に応じ
たイオン加速電流検出信号Ibdを切換制御器15が感知で
きるよう最小値とするのがよいが、定フイラメント電流
制御から定加速電流制御へ移行するときの安定性のため
には通常の定加速電流制御時のフイラメント電流に近い
値になるようにするのがよい。
以上に述べた実施例は、フイラメント電源3、加速電
源5と電子抑制電源12、アーク電源4の順に電源をオン
にするものであるが、フイラメント電源3とアーク電源
4を同時にオンする方法等のように電源オン順序を変え
てもよく、異常放電保護時の電源オフに関しても変形す
ることができる。また、イオン加速電極6の異常放電は
加速電源5の出力電圧を監視することによつても検出で
きるので、切換制御器15は加速電源5の出力電圧に応動
するように変形することもできる。この場合には、定フ
イラメント電流制御系の設定値Ifrを零にすることもで
きる。
更にまた、フイラメント電源として第3図に示すよう
な定電流電源18を用いる場合には比較器18aと電流検出
器18bが内蔵されているので、これを前述した第2の比
較器13と電流検出器14として利用することができ、これ
に第1の比較器10、切換制御器15及び切換リレー16を追
加すれば2つの制御系を構成できる。
[発明の効果] 以上のように本発明は、イオンを加速する加速電極に
異常が発生して加速電圧を遮断するときにはイオン源の
フイラメントを定フイラメント電流制御するようにした
ので、フイラメント電流を抑制してフイラメントの寿命
の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明になるイオンビーム加工装置のブロツク
図、第2図は動作タイミングチャート、第3図は定電流
電源のブロツク図、第4図は従来のイオンビーム加工装
置のブロツク図である。 1……真空容器、2……フイラメント、3……フイラメ
ント電源、5……加速電源、6……イオン加速電極、7
……イオンビーム、8……被加工物、9,14……電流検出
器、10,13……比較器、15……切換制御器、16……切換
リレー。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィラメントを備えたイオン源と、前記フ
    ィラメントに電力を供給するフィラメント電源と、前記
    イオン源で発生したイオンを加速して被加工物に照射す
    る加速電極と、該加速電極に一定の加速電圧を供給する
    と共に加速電極異常時には該加速電圧の供給を停止する
    加速電源と、前記加速電極に流れるイオン加速電流を検
    出する手段と、イオン加速電流検出信号を第1の設定値
    と比較し、イオン加速電流が所定値となるように前記フ
    ィラメント電源の出力を制御する制御信号を出力する第
    1の比較器とを備えたイオンビーム加工装置において、
    前記フィラメントに供給されるフィラメント電流を検出
    する手段と、フィラメント電流検出信号を第2の設定値
    と比較し、フィラメント電流が所定値となるように前記
    フィラメント電源の出力を制御する制御信号を出力する
    第2の比較器と、加速電極異常時には前記フィラメント
    電源に入力する制御信号を前記第1の比較器の出力から
    前記第2の比較器の出力に切換える切換手段とを設けた
    ことを特徴とするイオンビーム加工装置。
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