JP3017766B2 - ガス処理装置 - Google Patents

ガス処理装置

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JP3017766B2
JP3017766B2 JP2076680A JP7668090A JP3017766B2 JP 3017766 B2 JP3017766 B2 JP 3017766B2 JP 2076680 A JP2076680 A JP 2076680A JP 7668090 A JP7668090 A JP 7668090A JP 3017766 B2 JP3017766 B2 JP 3017766B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、被処理ガスをイオン化して、そのイオンを
金属組織中に注入し、封じ込めて貯蔵するガス処理装置
に関する。
(従来の技術) 従来より、処理施設等から排出される有害物質等を含
むガスを貯蔵する方法として、高圧ボンベ貯蔵法、ゼオ
ライト吸着法、イオン注入法による固定化法等がある。
これらのうち、イオン注入法は常温、低圧で処分操作
ができるだけでなく、経済性や安定性でも他の方法に比
べて優れている。
以下、従来のイオン注入法によるガス処理装置につい
て説明する。このガス処理装置は、第8図に示すよう
に、円筒状のイオン注入電極1、上蓋2、底蓋3により
密閉構造の容器4が形成されている。イオン注入電極1
は、絶縁リング15a,15bによって上蓋2、底蓋3と絶縁
されている。容器4内の中心部には上方に沿って円筒状
のスパッタ電極5がイオン注入電極1と近接状態で対向
配置されており、スパッタ電極5は、ハーメチックシー
ル等の絶縁部材6により、上蓋2に絶縁状態で支持され
ている。
上蓋2には、ガスを導入するための吸気管7と容器4
内のガスを排気するための排気管8がシールド状態で配
設されており、真空ポンプ等(不図示)による排気によ
って容器4内は一定の低圧力に保たれる。
イオン注入電極1にはイオン注入電極9が接続され、
スパッタ電極5にはスパッタ電源10が接続さており、イ
オン注入処理を行うのに必要な放電電圧が印加される。
また、容器4の周囲には放電による温度上昇を防止す
るために、冷却水が配管11a,11bを通して循環される。
次に、前記した装置によるガス貯蔵処理手順について
説明する。
前記したガス処理装置では、密閉された容器4内のガ
ス圧力と、イオン注入電極1とスパッタ電極5とに印加
される電圧が適当な条件を満たす場合には、容器4内で
放電が発生することが知られている。この放電によりガ
スは電離し、イオン状態となって放電プラズマが形成さ
れる。
そして、例えば、ガス圧力を10-1〜10-3Torrに設定
し、イオン注入電極9とスパッタ電源10より、それぞれ
イオン注入電極1に1KV以下の負電圧、スパッタ電極5
に1KV以以上の負の高電圧を連続的に印加する。これに
より、容器4内でガスのグロー放電が発生してガスの電
離が行われ、ガスイオン12が生成される(第9図
(a),(b)参照)。
ガスイオン12は、相対的に強いスパッタ電極5の表面
に衝突してスパッタリングが生じる。その結果、叩き出
されたスパッタリング金属14が対向するイオン注入電極
1の内周面へ積層して堆積層13を形成する(第8図、第
9図(a),(b)参照)。また、この時に、一部のガ
スイオン12は、イオン注入電極1の電界の方に直接加速
されて堆積層13に打ち込まれ注入される(第9図(b)
参照)。以後、同様に堆積層13の累積を行いながら堆積
層13内にガスを連続的に注入して固定化処理する。
(発明が解決しようとする課題) ところで、前記したガスの固定化処理を長期間連続し
て行うには、安定なグロー放電状態を維持する必要があ
る。
しかしながら、第10図(a),(b),(c)に示し
たようにガスの注入運転中に、スパッタ電極5からの不
純物ガス蒸気の噴出(第10図(a))、イオン注入電極
1及びスパッタ電極5の表面における突起の形成(第10
図(b))、ガス圧制御系等への外乱の影響によるガス
圧変動(第10図(c))が発生すると、放電状態はグロ
ー放電からアーク放電に容易に転移してしまう。
アーク放電状態になると、第11図に示した放電電流−
電圧特性から明らかなように、短絡的な大電流が局所的
に流れることによって、ガスイオンのスパッタリング効
果を利用したガスの注入処理は不可能状態となる。ま
た、このアーク放電状態が長時間続くと、イオン注入電
極1及びスパッタ電極5の溶融破損や電源の過負荷破損
につながる。
このため、従来のガス処理運転においては、このよう
な事態に備えて常時運転員が放電状態を監視する必要が
あった。
また、従来は、グロー放電からアーク放電への転移に
よって流れる異常電流と、装置の故障(蒸着金属剥離短
絡、冷却水漏水による短絡、高電圧部絶縁劣化による短
絡)等によって流れる異常電流との判別ができなかっ
た。よって、異常電流が流れた全ての場合において電源
をオフにすることにより、ガス処理運転を停止させて放
電を消して、その後再びガス圧力条件、電圧条件をグロ
ー放電状態になるよう設定し、マニュアル操作によって
再立ち上げを行う操作を行うことで対応していた。その
ため、効率的な運転を行うことができなかった。
本発明は上記した課題を解決する目的でなされ、アー
ク放電が発生した場合や、装置故障が発生した場合でも
それを正確に検出して迅速に対処できるガス処理装置を
提供しようとするものである。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 前記した課題を解決するために第1の本発明は、イオ
ン注入電極とスパッタ電極とを近接状態で対向配置し、
前記イオン注入電極とスパッタ電極間に被処理ガスを導
入してグロー放電を生じさせ、このグロー放電によって
生成されたガスイオンを電界加速し、前記スパッタ電極
に衝突させてスパッタリング効果を起こさせ、そのスパ
ッタリング効果によって生じるスパッタ金属の堆積層を
前記イオン注入電極上に形成すると共に、前記ガスイオ
ンを前記スパッタ金属の堆積層内に注入して封じ込める
ガス処理装置において、前記イオン注入電極とスパッタ
電極間で発生される放電中の光量を測定する光量測定手
段と、該光量測定手段による測定結果に基づいてグロー
放電か又はアーク放電かを判定する判定手段とを有する
ことを特徴とする。
また、第2の本発明は、イオン注入電極とスパッタ電
極とを近接状態で対向配置し、前記イオン注入電極とス
パッタ電極間に被処理ガスを導入してグロー放電を生じ
させ、このグロー放電によって生成されたガスイオンを
電界加速し、前記スパッタ電極に衝突させてスパッタリ
ング効果を起こさせ、このスパッタリング効果によって
生じるスパッタ金属の堆積層を前記イオン注入電極上に
形成すると共に、前記ガスイオンを前記スパッタ金属の
堆積層内に注入して封じ込めるガス処理装置において、
前記イオン注入電極とスパッタ電極にそれぞれ流れる放
電電流の大きさを測定する放電電流測定手段と、該放電
電流測定手段からの入力情報に基づいて通常のグロー放
電以外の異常放電電流の単位測定時間中の発生頻度を検
出して、アーク放電の発生か又は装置故障の発生かを判
定する判定手段とを有することを特徴とする。
また、第3の本発明は、イオン注入電極とスパッタ電
極とを近接状態で対向配置し、前記イオン注入電極間に
被処理ガスを導入して、グロー放電を生じさせこのグロ
ー放電によって生成されたガスイオンを電界加速し、前
記スパッタリング効果を起させ、そのスパッタリング効
果によって生じるスパッタ金属の堆積層を前記イオン電
極上に形成するとともに、前記ガスイオンを前記スパッ
タ金属の堆積層内に注入して封じ込めるガス処理装置に
おいて、前記イオン注入電極とスパッタ電極にそれぞれ
流れる放電電流の大きさを測定する放電電流測定手段
と、前記イオン注入電極とスパッタ電極間で発生される
放電中の光量を測定する光量測定手段に基づいて、両方
からの信号を演算することにより、アーク放電の発生か
又は装置故障の発生かを短時間に判定する判定手段を有
することを特徴とする。
(作 用) 第1の本発明によれば、運転時のグロー放電からアー
ク放電に転移すると、その光量が急激に増加(50〜100
倍程度)することにより、この時の光量変化を検出する
ことによって、グロー放電かアーク放電かを容易に判定
することができる。
また、第2の本発明によれば、通常のグロー放電によ
る運転中にアーク放電または装置故障が発生した場合、
アーク放電時の異常電流は最悪の状態でも数十秒間に1
回の割合で起き、装置故障時の異常電流は最大100msec
の繰り返しで起きるので、その時に流れる異常電流の単
位設定時間中の発生頻度を検出することによって、アー
ク放電か装置故障による異常電流かを容易に判定するこ
とができる。
また、第3の本発明によれば、通常のグロー放電中に
アーク放電または、装置故障が発生した場合、第1の発
明による光量変化を検出し、また第2の発明による異常
電流を検出することで光量変化と異常電流発生が同時に
起ればアーク放電と判定し光量変化(光量増加50〜100
倍)がなく、異常電流のみ検出した場合、装置故障と判
定することで短時間でアーク放電か装置異常かを容易に
判定することが出来る。
(実施例) 以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明す
る。尚、従来例と同一部分には同一符号を付して重複し
た部分の説明は省略する。
第1図は、第1の本発明に係るガス処理装置を示す構
成図である。この図に示すように、イオン注入電極1と
イオン注入電源9間及びスパッタ電極5とスパッタ電源
10間には、それぞれ保護抵抗20a,20bと放電電流モニタ
ー回路21a,21bが接続され、また、放電電流モニター回
路21a,21bには、異常放電判定回路22が接続されてい
る。放電電流モニター回路21a,21bは、それぞれ電源遮
断スイッチ23a,23b、タイマ24a,24b、及び受光素子とし
てフォトダイオード25a,25bを備えている。
吸気管7には、ガスの圧力状態を監視する圧力計26
と、ガス供給タンク27から容器4内に供給されるガスの
流量を制御する自動導入弁28が接続されている。また、
排気管8には、容器4内から排気されるガスの流量を制
御する自動排気弁29と排気ポンプ30が接続されており、
排気ポンプ30で排気されたガスは排気ガス滞留タンク31
に一旦滞留され、供給側戻し配管32、戻し弁33を介して
再びガス供給タンク27に戻される。
異常放電判定回路22、圧力計26からの出力信号は圧力
制御器34に入力され、この入力信号に基づいて圧力制御
器34は、自動導入弁28、自動排気弁29、排気ポンプ30の
動作を制御し、一定圧力条件のもとで連続的なガスの注
入処理が行えるようにしている。
また、上蓋2に配設された吸気管7の先端部には、光
ファイバケーブル35の一端側に取付けられた集光レンズ
36が配設されており(第2図参照)、光ファイバケーブ
ル35の他端側は、放電電流モニター回路21a,21bのフォ
トダイオード25a,25bに接続されている。
このように、本例では集光レンズ36、光ファイバケー
ブル35、フォトダイオード25a,25bによって光量測定手
段が構成されている。
尚、光ファイバケーブル35は、シールド状態で吸気管
7内に挿入されているので、この部分からガスが洩れる
ことはなく、また、集光レンズ36は、容器4内に供給さ
れるガスの流路を妨げないように配設されている。
次に、前記した第1の本発明に係るガス処理装置の動
作について説明する。
通常のガス注入運転時は、圧力制御器34で自動導入弁
28を制御して被処理ガスの圧力を例えば0.1Torr程度に
調整し、また、イオン注入電極1に例えば−150V以上、
スパッタ電極5に例えば−1.5KV以上の電圧を、それぞ
れイオン注入電源9、スパッタ電源10より印加してグロ
ー放電を発生させ、その状態を維持する。この時、自動
排気弁29は閉じたままの状態になっており、また、自動
導入弁28は圧力制御器34からの指令に基づいて開度調整
され、注入処理された分のガスが連続的に補給される。
そして、定常的なグロー放電によるガス注入運転中
に、放電状態がグロー放電からアーク放電に転移した場
合、その発光量が急激に増加する(50〜100倍程度)。
即ち、グロー放電からアーク放電への転移は、その時の
発光光量の急激な増加によって判別することができる。
容器4内で放電によって放射される光の一部は、集光
レンズ36で集光され光ファイバケーブル35を介して、放
電電流モニター回路21a,21b内のフォトダイオード25a,2
5bに受光される。そして、グロー放電からアーク放電へ
転移した時に発光光量が急激に増加すると、それに応じ
てフォトダイオード25a,25bへの受光光量が増加するの
で、フォトダイオード25a,25bから異常放電判定回路22
に入力される出力電流も増加する。異常放電判定回路22
は、その時に入力電流が急激に増加することによって、
グロー放電からアーク放電に転移したと判定する。
そして、この時、圧力制御器34は、異常放電判定回路
22からの入力信号により、排気ポンプ30を起動し自動排
気弁29を開いてガスを排気するように指令を出す。ま
た、この時、圧力制御器34は、圧力計26からの入力情報
により容器4内の圧力上昇を検知すると、自動導入弁28
を閉じてガスの供給を停止するように指令を出す。
前記した操作によって、放電状態がアーク放電からグ
ロー放電に戻ると、自動排気弁29を閉じて排気ポンプ30
を停止させる。これにより、グロー放電によるガスの注
入処理が再開され、グロー放電が消えないよう自動導入
弁28を開いてガスを導入し、ガスの圧力を調整して定常
運転に復帰させる。
また、前記したガスの排気操作を一定時間行ってもア
ーク放電状態が継続する場合には、放電電流モニター回
路21a,21b内の電流遮断スイッチ23a,23bを作動させて、
ガス注入運転を一時的に中断する。そして、その後、条
件設定を行いグロー放電発生維持状態に復帰させて運転
を開始する。尚、アーク放電状態の継続時間の測定及び
電源遮断スイッチ23a,23bの作動時間の設定は、放電電
流モニター回路21a,21bのタイマ24a,24bによって行われ
る。
また、前記したアーク放電発生時において、注入処理
されずに排気されたガスは自動排気弁29、排気ポンプ30
を通して排気ガス滞留タンク31に一時的に滞留され、適
時、供給戻し配管32、戻し弁33を経由して再び注入処理
されるので、ガスが大気放出されることはなく安全に処
理される。
このように、本発明では放電の光量によってアーク放
電を検出することにより、イオン注入電源9、スパッタ
電源10に、アーク放電時の異常放電電流を検出するため
の固定抵抗器を直列に接続する必要がない。よって、イ
オン注入電源9、スパッタ電源10の出力インピーダンス
を上げずにすむので、一度に大きな放電電流を流すこと
ができ、短時間のアーク放電でアーク洗浄ができる。
また、放電状態を高絶縁物である光ファイバで伝送す
るため、高電圧に対する安全性と耐ノズル性の向上を図
ることができ、更に、吸気管7に集光レンズ36、光ファ
イバケーブル35を配設することにより、容器4内のアー
ク放電の影響によるその受光面の汚れを少なくできる。
第3図は、第1の発明の他の実施例に係るガス処理装
置の要部を示す断面図である。
本例では、上蓋2の複数本(図では3本)の吸気管7,
7a,7bがシールド状態で配設されており、各吸気管7,7a,
7bの先端部には、前記同様光ファイバケーブル35,35a,3
5bの一端側に取付けられた集光レンズ36,36a,36bが配設
されている。また、光ファイバケーブル35,35a,35bの他
端側は、前記同様放電電流モニター回路21a,21bのフォ
トダイオード25a,25bに接続されている。本例も前記同
様、容器4内で放電によって放射される光を集光レンズ
36,36a,36b、光ファイバケーブル35,35a,35bを介してフ
ォトダイオード25a,25bで受光する。そして、フォトダ
イオード25a,25bからの出力は、加算時のアナログ信号
処理か、或いはロジック変化した後のOR回路のようなデ
ジタル信号処理が施されて異常放電判定回路22に入力さ
れる。他の構成及び動作は、前記実施例と同様である。
第4図は、第2の発明に係るガス処理装置を示す構成
図である。この図に示すように、イオン注入電極1とイ
オン注入電源9間及びスパッタ電極5とスパッタ電源10
間には、それぞれ保護抵抗20a,20bと放電電流モニター
回路21a,21bが接続され、また放電電流モニター回路21
a,21bには、異常放電判定回路22が接続されている。ま
た、放電電流モニター回路21a,21bは、それぞれ電源遮
断スイッチ23a,23b、タイマ24a,24b、及び電流計37a,37
bを備えている。異常放電判定回路22は、OR(論理和)
回路38、パルス発生回路39、計測タイマ40、プリセット
カウンタ41が備えられており、計測タイマ40にはリセッ
ト押釦スイッチ42が接続されている。
吸気管7には、ガスの圧力状態を監視する圧力計26
と、ガス供給タンク27から容器4内に供給されるガスの
流量を制御する自動導入弁28が接続されている。また、
排気管8には、容器4内から排気されるガスの流量を制
御する自動排気弁29と排気ポンプ30が接続されており、
排気ポンプ30で排気されたガスは排気ガス滞留タンク31
に一旦滞留され、供給側戻し配管32、戻し弁33を介して
再びガス供給タンク27に戻される。
異常放電判定回路22、圧力計26からの出力信号は圧力
制御器34に入力され、この入力信号に基づいて圧力制御
器34は、自動導入弁28、自動排気弁29、排気ポンプ30の
動作を制御し、一定圧力条件のもとで連続的なガスの注
入処理が行えるようにしている。
次に、前記した第2の本発明に係るガス処理装置の動
作について説明する。
通常のガス注入運転時は、圧力制御器34で自動導入弁
28を制御して被処理ガスの圧力を例えば0.1Torr程度に
調整し、また、イオン注入電極1に例えば−150V以上、
スパッタ電極5に例えば−1.5KV以上の電圧を、それぞ
れイオン注入電極9、スパッタ電源10より印加してグロ
ー放電を発生させ、その状態を維持する。この時、自動
排気弁29は閉じたままの状態になっており、また、自動
導入弁28は圧力制御器34からの指令に基づいて開度調整
され、注入処理された分のガスが連続的に補給される。
そして、定常的なグロー放電によるガス注入運転中
に、放電状態がグロー放電からアーク放電に転移した場
合、または、装置の故障等による異常が発生した場合に
は、放電電流が急激に増加する。この時の異常電流値
は、放電電流モニター回路21a,21bの各電流計37a,37bか
らパルス信号化されて異常放電判定回路22のOR回路38に
入力される。そして、OR回路38で異常電流パルス信号の
ORをとりパルス発生回路39へトリガパルスを与える。パ
ルス発生回路39は、圧力制御器34へ出力するパルス(パ
ルス幅は例えば1sec)と、放電電流モニター回路21a,21
bの電源遮断スイッチ23a,23bへ出力するパルス(パルス
幅は例えば100msec)をつくる。
そして、圧力制御器34は、パルス発生回路39から入力
されるパルス信号により、自動導入弁28を全閉してガス
の供給を停止させると共に、排気ポンプ30を起動し、自
動排気弁29を開いて容器4内のガスを排気させる。即
ち、容器4内の圧力を下げてアーク放電をしにくくす
る。また、電源遮断スイッチ23a,23bは、パルス発生回
路39から入力されるパルス信号によって作動し、イオン
注入電源1、スパッタ電極5への電極印加を一時的(例
えば100msec)に中断する。
このように、自動導入弁28を閉にし、自動排気弁29を
開にして容器4内を放電維持ガス圧以下にすると共に、
電源遮断スイッチ23a,23bの動作によって、イオン注入
電極1、スパッタ電極5への電極印加を中断することに
よって、アーク放電は消弧される。そして、その後、条
件設定を行いグロー放電発生維持状態に復帰させて運転
を再開する。
ところで、装置の故障(蒸着金属剥離短絡、冷却水漏
水による短絡、高電圧部絶縁劣化による短絡等)によっ
て異常電流が流れ、この異常電流が異常放電判別回路22
に入力された場合には、前記した動作を行ってもグロー
放電発生維持状態には復帰せず、再び異常電流が流れ
る。以下、装置の故障等によって異常電流が流れ、この
異常電流が異常放電判別回路22に入力される場合の動作
を、第5図、第6図を参照して説明する。
装置の故障等によって放電電流モニター回路21a,21b
から入力される異常電流値パルス信号は、OR回路38を経
由してパルス発生回路39でパルスに整形され、このパル
ス信号はそれぞれ電流遮断スイッチ23a,23b、圧力制御
器34へ出力される。また、パルス発生回路39からのパル
ス信号は、プリセットカウンタ41にもプリセットカウン
タ入力bとして入力される。プリセットカウンタ41は、
プリセットカウンタ入力bに応じてカウント値を1つづ
つ増す。第6図のタイムチャートでは、プリセットカウ
ンタ入力bは、通常アーク放電時と装置異常時における
入力パターンの一例が示されている。即ち、この図に示
すように、通常アーク放電時の異常電流は最悪状態の場
合でも数十秒間に1回の割で起きるが、システム異常時
の異常電流は最大100msecの繰り返しで起きるので、単
位時間当たりの異常電流の回数を計測すれば、アーク放
電か装置異常による異常電流かを識別することができ
る。
そして、プリセットカウンタ41は、計測タイマ40によ
り周期的(設定時間T毎)に計測タイマパルス(プリセ
ットカウンタセットパルス)aを出力し、プリセットカ
ウンタ41のプリセットカウンタ入力のカウント値をリセ
ットする。プリセットカウンタ41には予め、例えば0〜
999の間で任意の設定回数値(セットデータ)が入力さ
れており、プリセットカウンタ41は、計測タイマパルス
aのインターバル間(設定時間T毎)にプリセットカウ
ンタ入力bのカウンタ値と、前記設定回数値が等しくな
った時に、電源遮断スイッチ23a,23bへプリセットカウ
ンタ出力Cを出す。電源遮断スイッチ23a,23bは、プリ
セットカウンタ41から入力されるプリセットカウンタ出
力Cによって作動し、イオン注入電極1、スパッタ電極
5への電圧印加を中断する。
そして、装置の故障等が修復されて異常電流が流れな
くなると、リセット押釦スイッチ42をオンにしてリセッ
ト信号dをプリセットカウンタ41に出力することによ
り、電源遮断スイッチ23a,23bに出力されているプリセ
ットカウンタ出力Cをリセットする。そして、その後、
条件設定を行いグロー放電発生維持状態に復帰させて運
転を再開する。
次に第7図は、第3の発明に係るガス処理装置を示す
構成図である。この第7図においては、第1、第4図と
同一部分には同一符号を付している。この図に示すよう
に、イオン注入電極1とイオン注入電源9間及びスパッ
タ電極5とスパッタ電源10間にはそれぞれ保護抵抗20a,
20bと放電電流モニター回路21a,21bが接続されまた、放
電電流モニター回路21a,21bには異常判定回路22が接続
されている。また第1の発明に係る光ファイバケーブル
によって放電部光量を計測しうるフォトダイオード25a
が異常判定回路22に取り付けてある。また異常判定回路
22内にはOR回路(論理和)回路38,49、AND(論理積)回
路44,46、タイミング回路43、パルス発生回路47、ホー
ルド回路48、インバータ回路45が備えられており、ホー
ルド回路48にはリセット押釦スイッチ42が接続されてい
る。
吸気管7には、ガスの圧力状態を監視する圧力計26
と、ガス供給タンク27から容器4内に供給されるガスの
流量を制御する自動導入弁28が接続されている。また、
排気管8には、容器4内から排気されるガスの流量を制
御する自動排気弁29と排気ポンプ30が接続されており、
排気ポンプ30で排気されたガスは排気ガス滞留タンク31
に一旦滞留され、供給側戻し配管32、戻し弁33を介して
再びガス供給タンク27に戻される。
異常放電判定回路22、圧力計26からの出力信号は圧力
制御器34に入力され、この入力信号に基づいて圧力制御
器34は、自動導入弁28、自動排気弁29、排気ポンプ30の
動作を制御し、一定圧力条件のもとで連続的なガスの注
入処理が行えるようにしている。
次に、前記した第3の本発明に係るガス処理装置の動
作について説明する。
通常のガス注入運転時には、圧力制御器34で自動導入
弁28を制御して被処理ガスの圧力を例えば0.1Torr程度
に調整し、また、イオン注入電極1に例えば−150V以
上、スパッタ電極5に例えば−1.5KV以上の電圧を、そ
れぞれイオン注入電源9、スパッタ電源10より印加して
グロー放電を発生させ、その状態を維持する。この時、
自動排気弁29は閉じたままの状態になっており、また、
自動導入弁28は圧力制御器34からの指令に基づいて開度
調整され、注入処理された分のガスが連続的に補給され
る。
そして、定常的なグロー放電によるガス注入運転中
に、放電状態がグロー放電からアーク放電に転移した場
合には、放電電流が急激に増加する。この時の異常電流
値は、放電電流モニター回路21a,21bの各電流計37a,37b
からパルス信号化されて異常放電判定回路22のOR回路38
に入力される。そして、OR回路38で異常電流パルス信号
のORをとりAND回路44,46へ送られる。
また吸気管7の先端部に取り付けられた光ファイバケ
ーブル35の一端側に取付けられた集光レンズ36が配置さ
れており、光ファイバケーブル35の他端側は、異常放電
判定回路22のフォトダイオード25aに接続されている。
このように、本例では集光レンズ36、光ファイバケー
ブル35、フォトダイオード25aによって光量測定手段も
構成されている。
次に、前記した第3の発明に係るガス処理装置の動作
について説明する。定常的なグロー放電によるガス注入
運転中に、放電状態がグロー放電からアーク放電に転移
した場合、または、装置の故障等による異状が発生した
場合には、放電電流が急激に増加する。この時の異常電
流値は、放電電流モニター回路21a,21bの各電流計37a,3
7bからパルス信号化されて異常放電判定回路のOR回路38
に入力される。この時異常電流の起因がグロー放電への
転移によるものとすると容器4内で放電によって放射さ
れる発光量がグロー放電からのアーク放電に転移した場
合、その発光量が急激に増加し(50〜100倍程度)その
時の発光光量の急激な増加によってグロー放電からアー
ク放電への転移を判別することが出来る。
容器4内で放電によって放射される光の一部は、集光
レンズ36で集光され光ファイバケーブル35を介して、異
常放電判別回路22内のフォトダイオード25aに受光され
る。そして、グロー放電からアーク放電へ転移した時に
発光光量が急激に増加すると、それに応じてフォトダイ
オード25aへの受光光量が増加するので、フォトダイオ
ード25aから波形整形回路43に入力される波形整形回路4
3では、フォトダイオード25aからの信号をデジタルレベ
ル電圧に変換しAND回路44へ伝送する。ここで前記した
各電流計37a,37bからパルス信号化されて異状放電判定
回路22のOR回路38を経てAND回路44で先のフォトダイオ
ード25aから波形整形回路43でデジタル信号化されたも
のとの論理積をとる。この時アーク放電時であるので光
信号が“1"、異常電流信号が“1"でAND回路44の出力が
“1"となり圧力制御器34とAND回路46へデジタル信号が
送られる。
そして、圧力制御器34は、AND回路44から入力される
パルス信号により、自動導入弁28を全閉してガスの供給
を停止させると共に、排気ポンプ30を起動し、自動排気
弁29を開いて容器4内のガスを排気させる。即ち、容器
4内の圧力を下げてアーク放電をしにくくする。また、
電源遮断スイッチ23a,23bは、OR回路38の出力信号で駆
動される。パルス発生回路47からのパルス信号(100mse
c)がOR回路49を経て作動し、イオン注入電極1、スパ
ッタ電極5への電圧印加を一時的(例えば100msec)に
中断する。
このように、自動導入弁28を閉にし、自動排気弁29を
開にして容器4内を放電維持ガス圧以下にすると共に、
電源遮断スイッチ23a,23bの動作によって、イオン注入
電源1、スパッタ電極5への電極印加を中断することに
よって、アーク放電は消弧される。そして、その後、条
件設定を行いグロー放電発生維持状態に復帰させて運転
を再開する。
ところで、装置の故障(蒸着金属剥離短絡、冷却水漏
水による短絡、高電圧部絶縁劣化による短絡等)によっ
て異常電流が流れ、この異常電流が異常放電判別回路22
に入力された場合には、前記した動作を行ってもグロー
放電発生維持状態には復帰せず、再び異常電流が流れ
る。
しかし、この時容器4で放射される光の変化は増加方
向でないので波形整形回路43の出力も“0"である。従っ
てAND回路44の出力も“0"で反転回路45の出力が“1"と
なりOR回路38出力“1"とのAND回路46で論理積をとると
出力は“1"となりホールド回路48が駆動され出力“1"が
OR回路49へ出力されつづける。OR回路49はイオン注入電
極1、スパッタ電極5への電圧印加を連続的に中断す
る。
そして、装置の故障等が修復されて、異常電流が流れ
なくなると、リセット押釦スイッチ42をオンしてリセッ
ト信号をホールド回路48へ送りホールド状態を解除し復
帰する。そしてその後、条件設定を行いグロー放電発生
維持状態に復帰させて運転を再開する。
〔発明の効果〕
以上、実施例に基づいて具体的に説明したように第1
の本発明によれば、ガスの注入運転中グロー放電状態か
らアーク放電状態に移転した場合、その時の放電光量の
増加を検出することによって、アーク放電の発生を容易
に且つ正確に検知することができるので、ガスの供給、
排出の制御によるアーク放電状態から脱却や、電源遮断
による運転停止の処理を迅速に行うことができ、安全性
及び信頼性の高いガス処理装置を提供することができ
る。
また、第2の発明によれば、ガスの注入運転中にグロ
ー放電状態からアーク放電状態に転移した場合、また
は、装置の故障等による異常が発生した場合、その時に
流れる異常電流の単位設定時間中の発生頻度を検出する
ことによって、アーク放電の発生か装置故障の発生かを
容易に且つ正確に判定することができるので、ガスの供
給、排出の制御によるアーク放電状態からの脱却や、電
源遮断による運転停止の処置を迅速に行うことができ、
安全性及び信頼性の高いガス処理装置を提供することが
できる。
また、第3の発明によればガスの注入運転中にグロー
放電状態からアーク放電状態に転移した場合、または、
装置の故障等による異常が発生した場合、その時に流れ
る異常電流の信号と容器内光量変化信号の論理積をとる
ことにより、異常電流発生毎に異常電流がアーク放電に
よるものか、または、装置故障による発生かを容易に且
つ正確、短時間に判定することができるので、ガス供
給、排出の制御によるアーク状態からの脱却や、電源遮
断による運転停止の処理を迅速に行うことが出来、安全
性及び信頼性の高いガス処理装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、第1の本発明に係るガス処理装置を示す構成
図、第2図は、その要部を示す断面図、第3図は、第1
の本発明の他の実施例に係るガス処理装置の要部を示す
断面図、第4図は、第2の本発明に係るガス処理装置を
示す構成図、第5図は、同ガス処理装置の異常放電判別
回路を示すブロック図、第6図は、異常放電判別回路の
動作を示すタイムチャート、第7図は、第3の本発明に
係るガス処理装置を示す構成図、第8図は、従来のガス
処理装置を示す断面図、第9図(a),(b)は、それ
ぞれガスの注入処理状態を示す説明図、第10図は、グロ
ー放電からアーク放電に転移する要因を示す図,第11図
は放電電流−電圧特性を示す図である。 8……排気管、9……イオン注入電源 10……スパッタ電源、11……ガスイオン 13……堆積層、14……スパッタリング金属 21a,21b……放電電流モニター回路 22……異常放電判定回路 23a,23b……電源遮断スイッチ 24a,24b……タイマ 25a,25b……フォトダイオード 26……圧力計、28……自動導入弁 35,35a,35b……集光レンズ 37a,37b……電流計、38,49……OR回路 39,47……パルス発生回路 40……計測タイマ、41……プリセットカウンタ 42……リセット押釦スイッチ 43……波形整形回路、44,46……AND回路 45……反転回路、48……ホールド回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−272998(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21F 9/02 C23C 14/00 - 14/58 C23C 16/00 - 16/56 B01D 53/34 B01J 19/00 - 19/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン注入電極とスパッタ電極とを近接状
    態で対向配置し、前記イオン注入電極とスパッタ電極間
    に被処理ガスを導入してグロー放電を生じさせ、このグ
    ロー放電によって生成されたガスイオンを電界加速し、
    前記スパッタ電極に衝突させてスパッタリング効果を起
    こさせ、そのスパッタリング効果によって生じるスパッ
    タ金属の堆積層を前記イオン注入電極上に形成すると共
    に、前記ガスイオンを前記スパッタ金属の堆積層内に注
    入して封じ込めるガス処理装置において、 前記イオン注入電極とスパッタ電極間で発生される放電
    中の光量を測定する光量測定手段と、 該光量測定手段による測定結果に基づいてグロー放電か
    又はアーク放電かを判定する判定手段と、 を有することを特徴とするガス処理装置。
  2. 【請求項2】イオン注入電極とスパッタ電極とを近接状
    態で対向配置し、前記イオン注入電極とスパッタ電極間
    に被処理ガスを導入してグロー放電を生じさせ、このグ
    ロー放電によって生成されたガスイオンを電界加速し、
    前記スパッタ電極に衝突させてスパッタリング効果を起
    こさせ、そのスパッタリング効果によって生じるスパッ
    タ金属の堆積層を前記イオン注入電極上に形成すると共
    に、前記ガスイオンを前記スパッタ金属の堆積層内に注
    入して封じ込めるガス処理装置において、 前記イオン注入電極とスパッタ電極にそれぞれ流れる放
    電電流の大きさを測定する放電電流測定手段と、 該放電電流測定手段からの入力情報に基づいて通常のグ
    ロー放電以外の異常放電電流の単位測定時間中の発生頻
    度を検出して、アーク放電の発生か又は装置故障の発生
    かを判定する判定手段と、 を有することを特徴とするガス処理装置。
  3. 【請求項3】イオン注入電極とスパッタ電極とを近接状
    態で対向配置し、前記イオン注入電極とスパッタ電極間
    に被処理ガスを導入してグロー放電を生じさせ、このグ
    ロー放電によって生成されたガスイオンを電界加速し、
    前記スパッタ電極に衝突させてスパッタリング効果を起
    こさせ、そのスパッタリング効果によって生じるスパッ
    タ金属の堆積層を前記イオン注入電極上に形成すると共
    に、前記ガスイオンを前記スパッタ金属の堆積層内に注
    入して封じ込めるガス処理装置において、 前記イオン注入電極とスパッタ電極にそれぞれ流れる放
    電電流の大きさを測定する放電電流測定手段と、 前記イオン注入電極とスパッタ電極間で発生される放電
    中の光量を測定する光量測定手段と、 前記放電電流測定手段と前記光量測定手段との測定結果
    に基づいて、アーク放電の発生か又は装置故障の発生か
    を判定する判定手段と、 を有することを特徴とするガス処理装置。
  4. 【請求項4】前記光量測定手段は、前記イオン注入電極
    に設けられた吸気管に光ファイバおよび集光用光学部材
    とを配置して構成したものであることを特徴とする請求
    項1あるいは請求項3に記載のガス処理装置。
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