JP2656233B2 - 電圧非直線抵抗体 - Google Patents
電圧非直線抵抗体Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] 本発明は、酸化亜鉛を主成分とする焼結体の電圧非直
線抵抗体に関し、更に詳しくは、電気回路における過電
圧保護装置に使用されて高い信頼性を示す電圧非直線抵
抗体に関する。
線抵抗体に関し、更に詳しくは、電気回路における過電
圧保護装置に使用されて高い信頼性を示す電圧非直線抵
抗体に関する。
[発明の技術的背景とその問題点] 電圧非直線抵抗体は一般にはバリスタと呼ばれ、その
優れた非直線電圧−電流特性が利用されて電圧安定化あ
るいはサージ吸収を目的とした避雷器やサージアブゾー
バに広く利用されている。代表的なものとして酸化亜鉛
バリスタがある。これは酸化亜鉛を主成分とし、これに
少量のビスマス,アンチモン,コバルト,マンガン,ク
ロム等の酸化物を添加し混合造粒、成形した後、空気中
で高温焼成し、その焼結体に電極を取り付けて構成され
るものである。その非直線抵抗特性は非常に優れてお
り、焼結体は酸化亜鉛粒子とその周囲を取りまく添加物
により形成される粒界層からなるものであって、その優
れた非直線抵抗特性は酸化亜鉛粒子と粒界層との界面に
起因すると考えられている。そして電圧−電流特性をあ
る程度任意に調節しうるなど多くの特長を備えている
が、他方では、これらZnO系バリスタを電力用避雷器と
して使用するには次の様な欠点があった。すなわち、大
電流パルスを印加したときの非直線抵抗体の抵抗の変化
率が大きく、従って、長期間にわたって雷パルスや開閉
サージパルスを受ける過電圧保護装置用としては不適当
である。したがって、長期間にわたって安定した電気特
性をもつ、金属酸化物を主成分とする電圧非直線抵抗体
が要望されていた。これら要求に対して、焼結体側面に
エポキシ樹脂コートを施す方法や、Zn2SiO4を中心とし
た高抵抗層を形成する方法等が実施され又は開発されて
いる。しかし、エポキシ樹脂コートは耐電圧特性が悪く
又Zn2SiO4系の高抵抗層は耐湿特性などは改良されたが
大電流パルスを印加した時の抵抗の変化率が大きいとい
う問題はまだ残っていた。
優れた非直線電圧−電流特性が利用されて電圧安定化あ
るいはサージ吸収を目的とした避雷器やサージアブゾー
バに広く利用されている。代表的なものとして酸化亜鉛
バリスタがある。これは酸化亜鉛を主成分とし、これに
少量のビスマス,アンチモン,コバルト,マンガン,ク
ロム等の酸化物を添加し混合造粒、成形した後、空気中
で高温焼成し、その焼結体に電極を取り付けて構成され
るものである。その非直線抵抗特性は非常に優れてお
り、焼結体は酸化亜鉛粒子とその周囲を取りまく添加物
により形成される粒界層からなるものであって、その優
れた非直線抵抗特性は酸化亜鉛粒子と粒界層との界面に
起因すると考えられている。そして電圧−電流特性をあ
る程度任意に調節しうるなど多くの特長を備えている
が、他方では、これらZnO系バリスタを電力用避雷器と
して使用するには次の様な欠点があった。すなわち、大
電流パルスを印加したときの非直線抵抗体の抵抗の変化
率が大きく、従って、長期間にわたって雷パルスや開閉
サージパルスを受ける過電圧保護装置用としては不適当
である。したがって、長期間にわたって安定した電気特
性をもつ、金属酸化物を主成分とする電圧非直線抵抗体
が要望されていた。これら要求に対して、焼結体側面に
エポキシ樹脂コートを施す方法や、Zn2SiO4を中心とし
た高抵抗層を形成する方法等が実施され又は開発されて
いる。しかし、エポキシ樹脂コートは耐電圧特性が悪く
又Zn2SiO4系の高抵抗層は耐湿特性などは改良されたが
大電流パルスを印加した時の抵抗の変化率が大きいとい
う問題はまだ残っていた。
[発明の目的] 本発明の目的は、上記した問題点を解消し、優れた耐
電圧特性を有し、かつ長期間に亘り繰り返し過電圧パル
スが印加されても電気特性の劣化が少ない、信頼性の高
い電圧非直線抵抗体を提供することである。
電圧特性を有し、かつ長期間に亘り繰り返し過電圧パル
スが印加されても電気特性の劣化が少ない、信頼性の高
い電圧非直線抵抗体を提供することである。
[発明の概要] 本発明者らは、上記した目的を達成すべく鋭意研究を
重ねた結果、高抵抗層として特定の成分及び組成を用い
ることにより信頼性の高い電圧非直線抵抗体が得られる
ことを見い出し、本発明を完成するに到った。
重ねた結果、高抵抗層として特定の成分及び組成を用い
ることにより信頼性の高い電圧非直線抵抗体が得られる
ことを見い出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の電圧非直線抵抗体は、酸化亜鉛を
主成分とし、副成分としてビスマス、コバルト、マンガ
ン、アンチモンおよびニッケルを、それぞれ、0.1〜5
モル%[酸化ビスマス(III)(Bi2O3)に換算して]、
0.1〜5モル%[酸化コバルト(III)(Co2O3)に換算
して]、0.1〜5モル%[酸化マンガン(II)(MnO)に
換算して]、0.1〜5モル%[酸化アンチモン(III)
(Sb2O3)に換算して]、0.1〜5モル%[酸化ニッケル
(NiO)に換算して]含む焼結素体(ただしクロムを含
まない)と、その側面に形成されたアンチモン、ビスマ
スおよび亜鉛を、それぞれ、10〜80モル%[酸化アンチ
モン(III)(Sb2O3)に換算して]、0.3〜50モル%
[酸化ビスマス(III)(Bi2O3)に換算して]、0.3〜7
0モル%[酸化亜鉛(II)(ZnO)に換算して]の組成比
で含む高抵抗層とからなることを特徴とするものであ
る。
主成分とし、副成分としてビスマス、コバルト、マンガ
ン、アンチモンおよびニッケルを、それぞれ、0.1〜5
モル%[酸化ビスマス(III)(Bi2O3)に換算して]、
0.1〜5モル%[酸化コバルト(III)(Co2O3)に換算
して]、0.1〜5モル%[酸化マンガン(II)(MnO)に
換算して]、0.1〜5モル%[酸化アンチモン(III)
(Sb2O3)に換算して]、0.1〜5モル%[酸化ニッケル
(NiO)に換算して]含む焼結素体(ただしクロムを含
まない)と、その側面に形成されたアンチモン、ビスマ
スおよび亜鉛を、それぞれ、10〜80モル%[酸化アンチ
モン(III)(Sb2O3)に換算して]、0.3〜50モル%
[酸化ビスマス(III)(Bi2O3)に換算して]、0.3〜7
0モル%[酸化亜鉛(II)(ZnO)に換算して]の組成比
で含む高抵抗層とからなることを特徴とするものであ
る。
本発明の抵抗体は、焼結素体と、その側面に形成され
た高抵抗層と、更に他の側面に設けた一対の電極とから
構成され、その具体例を第1図に示す。図において、1
は焼結素体、2はこの焼結素体1の側面に形成された高
抵抗層、3は上・下両面に設けた電極である。
た高抵抗層と、更に他の側面に設けた一対の電極とから
構成され、その具体例を第1図に示す。図において、1
は焼結素体、2はこの焼結素体1の側面に形成された高
抵抗層、3は上・下両面に設けた電極である。
本発明のかかる焼結素体を構成する物質としては、酸
化亜鉛を主成分とするものであり、優れた非直線性及び
寿命特性を示すことにより、副成分としてビスマス,コ
バルト,マンガン,アンチモンおよびニッケルをそれぞ
れ酸化物換算でそれぞれ0.1〜5モル%含むものであ
る。それぞれの存在量が0.1モル%未満の場合および5
モル%を超える場合は、電圧−電流非直線特性および寿
命特性が共に悪化してしまう。さらに、ホウ素を主成分
と副成分の総和に対し、酸化ホウ素(III)に換算して
0.001〜1重量%の範囲内で含むものは、交流寿命特性
が極めて優れたものとなる。0.001重量%未満の場合に
は効果が顕著でなく、1重量%を超えると逆に各特性を
劣化させる。また、銀を主成分と副成分の総和に対し、
0.002〜0.2重量%の範囲内で含むものは、交流寿命特
性、より過酷な直流寿命特性が優れたものとなる。0.00
2重量%未満の場合には効果が顕著でなく、0.2重量%を
超えると逆に各特性を劣化させる。なお、銀のみでは効
果が少なく、ホウ素と併用したときに大きな効果をもた
らす。また、ホウ素,銀は、ともに水に易溶な化合物と
して添加されることが好ましい。水に易溶なものとして
は、例えば、H3BO3、HBO2、AgNO3、B2(OH)4、ZnB4O7、
ホウ酸アンモニウム、AgBO2、Ag2B4O7が挙げられる。
化亜鉛を主成分とするものであり、優れた非直線性及び
寿命特性を示すことにより、副成分としてビスマス,コ
バルト,マンガン,アンチモンおよびニッケルをそれぞ
れ酸化物換算でそれぞれ0.1〜5モル%含むものであ
る。それぞれの存在量が0.1モル%未満の場合および5
モル%を超える場合は、電圧−電流非直線特性および寿
命特性が共に悪化してしまう。さらに、ホウ素を主成分
と副成分の総和に対し、酸化ホウ素(III)に換算して
0.001〜1重量%の範囲内で含むものは、交流寿命特性
が極めて優れたものとなる。0.001重量%未満の場合に
は効果が顕著でなく、1重量%を超えると逆に各特性を
劣化させる。また、銀を主成分と副成分の総和に対し、
0.002〜0.2重量%の範囲内で含むものは、交流寿命特
性、より過酷な直流寿命特性が優れたものとなる。0.00
2重量%未満の場合には効果が顕著でなく、0.2重量%を
超えると逆に各特性を劣化させる。なお、銀のみでは効
果が少なく、ホウ素と併用したときに大きな効果をもた
らす。また、ホウ素,銀は、ともに水に易溶な化合物と
して添加されることが好ましい。水に易溶なものとして
は、例えば、H3BO3、HBO2、AgNO3、B2(OH)4、ZnB4O7、
ホウ酸アンモニウム、AgBO2、Ag2B4O7が挙げられる。
さらにまた、アルミニウム、インジウム及びガリウム
からなる群より選ばれる少なくとも1種のものを主成分
と副成分の総和に対し、それぞれAg3+,In3+,Ga3+に換
算して0.05モル%以下の範囲内で含むものは、非直線性
が極めて優れている。0.05モル%を超えると逆に寿命特
性を劣化させる。これらは、ごく微量で特性向上の効果
を示すため、硝酸塩等の水に易溶な化合物の水溶液とし
て混合添加することが望ましい。
からなる群より選ばれる少なくとも1種のものを主成分
と副成分の総和に対し、それぞれAg3+,In3+,Ga3+に換
算して0.05モル%以下の範囲内で含むものは、非直線性
が極めて優れている。0.05モル%を超えると逆に寿命特
性を劣化させる。これらは、ごく微量で特性向上の効果
を示すため、硝酸塩等の水に易溶な化合物の水溶液とし
て混合添加することが望ましい。
本発明にかかる高抵抗層はアンチモン、ビスマス、亜
鉛を前記した割合で含むものである。アンチモンの存在
量が10モル%未満あるいは80モル%を超える場合、ビス
マスの存在量が0.3モル%未満あるいは50モル%を超え
る場合、さらにまた亜鉛の存在量が0.3モル%未満ある
いは70モル%を超える場合、耐電圧特性およびパルスに
対する安定性が非常に劣化する。
鉛を前記した割合で含むものである。アンチモンの存在
量が10モル%未満あるいは80モル%を超える場合、ビス
マスの存在量が0.3モル%未満あるいは50モル%を超え
る場合、さらにまた亜鉛の存在量が0.3モル%未満ある
いは70モル%を超える場合、耐電圧特性およびパルスに
対する安定性が非常に劣化する。
所定の範囲内で含む混合物を塗布した後、焼成して形
成された高抵抗層は、これらの層と焼結体との相互接触
界面において、焼結体の酸化亜鉛等の成分と該層内の酸
化物とは共存状態にあるため、接触界面での反応が促進
され、その結果、その部分の密着性が格段に向上する。
各成分の配合量を限定した理由は、前記した通りであ
る。
成された高抵抗層は、これらの層と焼結体との相互接触
界面において、焼結体の酸化亜鉛等の成分と該層内の酸
化物とは共存状態にあるため、接触界面での反応が促進
され、その結果、その部分の密着性が格段に向上する。
各成分の配合量を限定した理由は、前記した通りであ
る。
さらにまた、Zn2.33Sb0.67O4等の亜鉛アンチモンスピ
ネルを前記した所定の範囲内で含む混合物を塗布した
後、焼成して形成された高抵抗層も本発明の優れた効果
を発揮する。亜鉛アンチモンスピネルの配合量が10モル
%未満の場合には、亜鉛アンチモンスピネル添加の効果
が現われず、80モル%を超えると耐電圧特性もパルス安
定性も悪化する。
ネルを前記した所定の範囲内で含む混合物を塗布した
後、焼成して形成された高抵抗層も本発明の優れた効果
を発揮する。亜鉛アンチモンスピネルの配合量が10モル
%未満の場合には、亜鉛アンチモンスピネル添加の効果
が現われず、80モル%を超えると耐電圧特性もパルス安
定性も悪化する。
本発明の電圧非直線抵抗体は次のようにして製造され
る。まず、酸化亜鉛を主成分とする焼結素体を常法に従
って、製造する。すなわち、前記した所定の原料粉末を
所定量、これらの原料粉末を十分に混合するために水、
分散剤、バインダー、潤滑剤とともに混合装置に入れて
混合する。この混合物スラリーを例えばスプレードライ
ヤーを用いて例えば平均粒径100μになる様に造粒し、
この粉末をプレスにかけ所望の形状に成形する。なお、
添加した分散剤を除去するために、後述の高抵抗層を形
成するに先立って、成形された粉末を500℃で仮焼す
る。
る。まず、酸化亜鉛を主成分とする焼結素体を常法に従
って、製造する。すなわち、前記した所定の原料粉末を
所定量、これらの原料粉末を十分に混合するために水、
分散剤、バインダー、潤滑剤とともに混合装置に入れて
混合する。この混合物スラリーを例えばスプレードライ
ヤーを用いて例えば平均粒径100μになる様に造粒し、
この粉末をプレスにかけ所望の形状に成形する。なお、
添加した分散剤を除去するために、後述の高抵抗層を形
成するに先立って、成形された粉末を500℃で仮焼す
る。
つぎに、上記により得られた素体の側面周囲に高抵抗
層を形成して被覆する。高抵抗層形成用スラリーは、前
記した原料粉末の所定量を純水に添加して得られる。こ
のとき、塗膜の強度を向上させるために、ポリビニルア
ルコールのようなバインダーを例えば0.1重量%程度添
加する。また、塗膜の形成には、スプレーガン等の常用
のものを用いればよい。ついで、全体を例えば電気炉を
用いて、通常、1050〜1300℃で焼成する。
層を形成して被覆する。高抵抗層形成用スラリーは、前
記した原料粉末の所定量を純水に添加して得られる。こ
のとき、塗膜の強度を向上させるために、ポリビニルア
ルコールのようなバインダーを例えば0.1重量%程度添
加する。また、塗膜の形成には、スプレーガン等の常用
のものを用いればよい。ついで、全体を例えば電気炉を
用いて、通常、1050〜1300℃で焼成する。
さらに、このようにして得た焼結素体の両面を研摩
し、アルミニウムの溶射により電極を形成して本発明の
電圧非直線抵抗体が得られる。
し、アルミニウムの溶射により電極を形成して本発明の
電圧非直線抵抗体が得られる。
なお、本発明では原料として酸化物を用いたが、焼結
して酸化物になるものであれば良く、例えば、水酸化
物、炭酸化物、シュウ酸化物であっても同じ効果が得ら
れることは言うまでもない。また、前記した添加物以外
に非直線抵抗体の特性を向上させる目的で他の成分を加
えてもよく、耐湿特性や耐電圧非直線抵抗体の外側にガ
ラス成分などを焼付ける事は望ましい事である。
して酸化物になるものであれば良く、例えば、水酸化
物、炭酸化物、シュウ酸化物であっても同じ効果が得ら
れることは言うまでもない。また、前記した添加物以外
に非直線抵抗体の特性を向上させる目的で他の成分を加
えてもよく、耐湿特性や耐電圧非直線抵抗体の外側にガ
ラス成分などを焼付ける事は望ましい事である。
以下において、実施例及び比較例を掲げ、本発明を更
に詳しく説明する。
に詳しく説明する。
[発明の実施例] (実施例1〜15及び比較例1〜8) 96.5モル%量のZnO粉末、0.5モル%量のBi2O3粉末、
0.5モル%量のCo2O3粉末、0.5モル%量のMnO粉末、1.0
モル%量のSb2O3粉末1.0モル%量のNiO粉末を、十分に
混合するために水、分散剤、バイダー、潤滑剤等を混合
した。この混合スラリーをスプレードライヤーにかけて
造粒し、平均粒径100μの球状団粒を得た。
0.5モル%量のCo2O3粉末、0.5モル%量のMnO粉末、1.0
モル%量のSb2O3粉末1.0モル%量のNiO粉末を、十分に
混合するために水、分散剤、バイダー、潤滑剤等を混合
した。この混合スラリーをスプレードライヤーにかけて
造粒し、平均粒径100μの球状団粒を得た。
これを加圧成形して直径40mm、厚さ40mmの円板とし
た。この円板を空気中で、500℃、1時間の条件で乾燥
した後、電気炉中で、1020℃、2時間の条件で仮焼して
素体を得た。
た。この円板を空気中で、500℃、1時間の条件で乾燥
した後、電気炉中で、1020℃、2時間の条件で仮焼して
素体を得た。
Sb2O3、Bi2O3、ZnOをそれぞれに純水に溶解して各種
濃度の水溶液とし、同時に0.1重量%のポリビニルアル
コールを加えて高抵抗層形成用スラリーを得た。
濃度の水溶液とし、同時に0.1重量%のポリビニルアル
コールを加えて高抵抗層形成用スラリーを得た。
この高抵抗層形成用スラリーを上記した素体の側面周
囲に100〜1000μの厚さで塗布した。ついで風乾した
後、全体を1200℃の温度で焼成して焼結素体を得た。
囲に100〜1000μの厚さで塗布した。ついで風乾した
後、全体を1200℃の温度で焼成して焼結素体を得た。
この焼結素体の両面を研摩した後、そこにアルミニウ
ムを溶射して電極を添着し、本発明の電圧非直線抵抗体
を得た。
ムを溶射して電極を添着し、本発明の電圧非直線抵抗体
を得た。
この電圧非直線抵抗体に大電流パルスを印加した時の
耐電圧特性(ここでは4×10マイクロ秒の波形で2回印
加により側面閃絡しない値を用いた)と塗布した高抵抗
層形成用スラリーの組成との関係、さらに8×20マイク
ロ秒の波形で10kAの電流を20回印加後における印加方向
と逆方向のV10μAの変化率と高抵抗層形成用スラリー
の組成との関係の実施例を表に示した。
耐電圧特性(ここでは4×10マイクロ秒の波形で2回印
加により側面閃絡しない値を用いた)と塗布した高抵抗
層形成用スラリーの組成との関係、さらに8×20マイク
ロ秒の波形で10kAの電流を20回印加後における印加方向
と逆方向のV10μAの変化率と高抵抗層形成用スラリー
の組成との関係の実施例を表に示した。
なお、比較例としては、実施例1〜15における高抵抗
層を有する素体に代えて、その組成が異なる層を形成し
たもの、高抵抗層を形成しないもの、エポキシ樹脂を用
いて形成したものを使用した以外は、実施例と同様にし
て試料を作成し、同様の評価をした。結果を第1表に一
括して示した。
層を有する素体に代えて、その組成が異なる層を形成し
たもの、高抵抗層を形成しないもの、エポキシ樹脂を用
いて形成したものを使用した以外は、実施例と同様にし
て試料を作成し、同様の評価をした。結果を第1表に一
括して示した。
第1表に示したように高抵抗層原料としてアンチモ
ン、ビスマス、亜鉛をそれぞれSb2O3、Bi2O3、ZnOに換
算して Sb2O3:10〜80モル% Bi2O3:0.3〜50モル% ZnO:0.3〜70モル% の範囲に選ぶことにより耐電圧特性、パルス20回印加後
のV10μAの変化率の優れた高抵抗層を形成することが
できる。
ン、ビスマス、亜鉛をそれぞれSb2O3、Bi2O3、ZnOに換
算して Sb2O3:10〜80モル% Bi2O3:0.3〜50モル% ZnO:0.3〜70モル% の範囲に選ぶことにより耐電圧特性、パルス20回印加後
のV10μAの変化率の優れた高抵抗層を形成することが
できる。
実施例1の素体に更にAl0.01mol%を含む組成に対
し、Ag0.01wt%及びB0.01wt%を添加したものを用い、S
b2O3(25mol%)−Bi2O3(25mol%)−ZnO(50mol%)
の高抵抗層を同様に形成したところ、耐電圧特性は80,V
10μAの変化率は−0.2と慣れたものであった。
し、Ag0.01wt%及びB0.01wt%を添加したものを用い、S
b2O3(25mol%)−Bi2O3(25mol%)−ZnO(50mol%)
の高抵抗層を同様に形成したところ、耐電圧特性は80,V
10μAの変化率は−0.2と慣れたものであった。
本発明においては素体中にCrを含まない。素体中にCr
を含むと高抵抗層と素体とが十分反応せず強固な結合層
ができにくい。例えば、上記例での放電耐量が260±20
[J/cm3](50個データ)であるのに比べ、素体にCrを
含む場合は140±20[J/cm3]にすぎない。
を含むと高抵抗層と素体とが十分反応せず強固な結合層
ができにくい。例えば、上記例での放電耐量が260±20
[J/cm3](50個データ)であるのに比べ、素体にCrを
含む場合は140±20[J/cm3]にすぎない。
(実施例16〜20及び比較例9) 第2表には、実施例1に用いた焼結素体の側面に、実
施例1と同様な方法で設けた、アンチモン、ビスマス、
亜鉛に亜鉛アンチモンスピネルを加えた高抵抗層の特性
を示した。第2表から明らかなように亜鉛アンチモンス
ピネルを添加することにより高抵抗層の耐電圧特性とパ
ルス20回印加後のV10μAの変化率が亜鉛アンチモンス
ピネルを添加しないものと比較して優れていることがわ
かる。
施例1と同様な方法で設けた、アンチモン、ビスマス、
亜鉛に亜鉛アンチモンスピネルを加えた高抵抗層の特性
を示した。第2表から明らかなように亜鉛アンチモンス
ピネルを添加することにより高抵抗層の耐電圧特性とパ
ルス20回印加後のV10μAの変化率が亜鉛アンチモンス
ピネルを添加しないものと比較して優れていることがわ
かる。
亜鉛アンチモンスピネルを加えた場合、さらにTiO2、
SiO2等を加えることもできる。SiO2は50モル%以下程
度、TiO2は30モル%以下程度である。合計では60モル%
以下程度である。
SiO2等を加えることもできる。SiO2は50モル%以下程
度、TiO2は30モル%以下程度である。合計では60モル%
以下程度である。
(実施例21〜25) 第3表には、実施例1に用いた焼結素体の側面に、実
施例1と同様な方法で設けた、チタン、ビスマス、アン
チモン、シリカに亜鉛アンチモンスピネルを添加した高
抵抗層の特性を示した。第3表から亜鉛アンチモンスピ
ネルを添加することにより耐電圧特性とパルス変化率特
性が向上することがわかる。
施例1と同様な方法で設けた、チタン、ビスマス、アン
チモン、シリカに亜鉛アンチモンスピネルを添加した高
抵抗層の特性を示した。第3表から亜鉛アンチモンスピ
ネルを添加することにより耐電圧特性とパルス変化率特
性が向上することがわかる。
このように高抵抗層用原料の種類にかかわらず亜鉛ア
ンチモンスピネルを添加することにより耐電圧特性とパ
ルス変化率特性を向上させることができる。亜鉛アンチ
モンスピネルの添加量は10モル%〜80モル%で効果があ
るが、特に30モル%〜70モル%が特に好ましい。
ンチモンスピネルを添加することにより耐電圧特性とパ
ルス変化率特性を向上させることができる。亜鉛アンチ
モンスピネルの添加量は10モル%〜80モル%で効果があ
るが、特に30モル%〜70モル%が特に好ましい。
[発明の効果] 以上に詳述したとおり、本発明の電圧非直線抵抗体は
優れた過電圧特性を有し、かつ長期間に亘り繰り返し過
電圧パルスが印加されても電気特性の劣化の少ない、信
頼性の高い抵抗体であるため、その実用的価値は極めて
大である。
優れた過電圧特性を有し、かつ長期間に亘り繰り返し過
電圧パルスが印加されても電気特性の劣化の少ない、信
頼性の高い抵抗体であるため、その実用的価値は極めて
大である。
第1図は、本発明に係る電圧非直線抵抗体の構造を示す
断面図である。 1…焼結素体、2…高抵抗層、3…電極
断面図である。 1…焼結素体、2…高抵抗層、3…電極
フロントページの続き (72)発明者 今井 基真 川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社 東芝総合研究所内 (72)発明者 原田 光雄 川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社 東芝総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭56−69804(JP,A) 特開 昭60−116105(JP,A) 特開 昭49−119188(JP,A) 特開 昭53−62160(JP,A)
Claims (6)
- 【請求項1】酸化亜鉛を主成分とし、副成分としてビス
マス、コバルト、マンガン、アンチモンおよびニッケル
を、それぞれ、0.1〜5モル%[酸化ビスマス(III)
(Bi2O3)に換算して]、0.1〜5モル%[酸化コバルト
(III)(Co2O3)に換算して]、0.1〜5モル%[酸化
マンガン(II)(MnO)に換算して]、0.1〜5モル%
[酸化アンチモン(III)(Sb2O3)に換算して]、0.1
〜5モル%[酸化ニッケル(NiO)に換算して]を含む
焼結素体(ただしクロムを含まず)と、その側面に形成
されたアンチモン、ビスマスおよび亜鉛を、それぞれ、
10〜80モル%[酸化アンチモン(III)(Sb2O3)に換算
して]、0.3〜50モル%[酸化ビスマス(III)(Bi
2O3)に換算して]、0.3〜70モル%[酸化亜鉛(II)
(ZnO)に換算して]の組成比で含む高抵抗層とからな
ることを特徴とする電圧非直線抵抗体。 - 【請求項2】高抵抗層が、酸化アンチモン、酸化ビスマ
スおよび酸化亜鉛を、それぞれ10〜80モル%、0.3〜50
モル%、0.3〜70モル%の組成比で含む混合物を塗布し
た後、焼成して形成された層である特許請求の範囲第1
項記載の電圧非直線抵抗体。 - 【請求項3】高抵抗層が、亜鉛アンチモンスピネル10〜
80モル%を含む混合物を塗布した後、焼成して形成され
た層である特許請求の範囲第1項記載の電圧非直線抵抗
体。 - 【請求項4】焼結素体が、さらにホウ素を主成分と副成
分の総和に対し、0.001〜1重量%[酸化ホウ素(III)
(B2O3)に換算して]の範囲内で含むものである特許請
求の範囲第1項記載の電圧非直線抵抗体。 - 【請求項5】焼結素体が、さらに銀を主成分と副成分の
総和に対し、0.002〜0.2重量%の範囲内で含むものであ
る特許請求の範囲第1項記載の電圧非直線抵抗体。 - 【請求項6】焼結素体が、さらにアルミニウム、インジ
ウム及びガリウムからなる群より選ばれる少なくとも1
種のものを主成分と副成分の総和に対し、0.05モル%以
下(それぞれ、Al3+,In3+,Ga3+に換算して)の範囲内
に含むものである特許請求の範囲第1項記載の電圧非直
線抵抗体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60139138A JP2656233B2 (ja) | 1985-06-27 | 1985-06-27 | 電圧非直線抵抗体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60139138A JP2656233B2 (ja) | 1985-06-27 | 1985-06-27 | 電圧非直線抵抗体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS621202A JPS621202A (ja) | 1987-01-07 |
JP2656233B2 true JP2656233B2 (ja) | 1997-09-24 |
Family
ID=15238426
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60139138A Expired - Lifetime JP2656233B2 (ja) | 1985-06-27 | 1985-06-27 | 電圧非直線抵抗体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2656233B2 (ja) |
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JPS62226023A (ja) * | 1986-03-28 | 1987-10-05 | Nippon Denki Sanei Kk | 放射率測定装置 |
JPH01202633A (ja) * | 1988-02-08 | 1989-08-15 | Minolta Camera Co Ltd | 放射温度計 |
JP2585394Y2 (ja) * | 1993-08-16 | 1998-11-18 | 新日本製鐵株式会社 | 輻射温度計用背光遮蔽装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5941284B2 (ja) * | 1979-11-12 | 1984-10-05 | 松下電器産業株式会社 | 電圧非直線抵抗器の製造方法 |
-
1985
- 1985-06-27 JP JP60139138A patent/JP2656233B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS621202A (ja) | 1987-01-07 |
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