JP2655592B2 - 極めて高分子量の硫酸化多糖類の製造方法 - Google Patents

極めて高分子量の硫酸化多糖類の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摂取によってヒト
の腸内コレステロール吸収を低下させると共に、特に体
内で合成されたまたは摂取されたコレステロール エス
テルの膵臓コレステロール エステラーゼ触媒作用によ
る加水分解を抑制し、かつ遊離コレステロールのコレス
テロール エステラーゼ促進作用による吸収を抑制する
ことにより腸内コレステロール吸収を抑制もしくは減少
させる治療剤の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明は、(1)コレステロール エス
テルから誘導されたコレステロールが遊離コレステロー
ルと比較して優先的に吸収され;(2)コレステロール
エステラーゼが遊離コレステロールの吸収を増大さ
せ;さらに(3)食物によるコレステロールおよび/ま
たはコレステロール エステルがコレステロールに吸収
につき新たに見出された腸内−膵臓サイクルにて膵臓に
おけるmRNAおよびコレステロール エステラーゼの
酵素活性レベルを誘発するので、全ゆる食物によるコレ
ステロール吸収に対し膵臓コレステロール エステラー
ゼが重要な寄与因子になると言う知見に基づいている。
米国特許第5,173,408号および第5,063,
210号はコレステロールの食物吸収におけるコレステ
ロール エステラーゼの重要性を記載しており、さらに
コレステロール エステラーゼの抑制方法をも開示して
いる。すなわち、コレステロール エステラーゼを抑制
する驚異的な有用性は、コレステロール エステラーゼ
の有力(5μM未満のKi)かつ安全な抑制剤につき新
たなニーズを示している。
【0003】多くの身体の病気は少なくとも1部には高
レベルの血清コレステロールに起因する。たとえばアテ
ローム性動脈硬化症は米国における主たる死亡原因であ
り、高血清コレステロール濃度が致命的アテローム性動
脈硬化症の危険性増大に関連する。コレステロール エ
ステラーゼ酵素が腸内コレステロール吸収に役割を演ず
ると言う知見は、コレステロール エステラーゼ酵素の
作用を抑制することにより人間における腸内コレステロ
ール吸収を軽減させる努力をもたらした。これら知見の
結果、現在ではヒト膵臓コレステロール エステラーゼ
抑制剤、特に吸収されずかつ実質的に非分解性である抑
制剤を開発する重要なニーズが存在する。各種の多糖類
の薬理性が検討されている[クックおよびカマラタ(1
963)、Arch.Int.Pharmacodyn. 、第144巻、第1
頁]。特に、粗製の硫酸化アミロペクチンが抗癌剤とし
て米国特許第4,150,110号に教示されている
が、そのコレステロール エステラーゼ抑制剤としての
性質については認められていない。
【0004】低分子量の硫酸化デキストランは、高脂血
症の処置に使用が認められ、さらに経口投与の血液凝固
防止剤として使用が認められている(英国特許第95
3,626号)。日本国においては、1800mg/1
日の投与量における低分子量の硫酸化デキストラン(M
DS)が、血液酵素リポ蛋白リパーゼを活性化させるこ
とにより血清コレステロールレベルを減少させるべく使
用されている[ゴロ等(1987)、ジャーナル・クリ
ニカル・バイオケミカル・ニュートリッション(J. Cli
n. Biochem. Nutr. )、第2巻、第55〜70頁]。炭
素−14標識試験により示されるように、この細菌性デ
キストランの低分子量(7〜8,000ダルトン)は硫
酸化デキストランを腸により吸収することを可能にする
[ドラッグス・イン・ジャパン、エシカル・ドラッグス
(Drugs In Japan(Ethical Drugs))、第10版(198
6)]。MDSがこの腸内吸収の性質により開発され、
血清脂質における迅速な減少をこの薬剤の静脈内投与に
より得ることができると共に血漿リポ蛋白リパーゼの活
性化に基づき血清高脂症を治癒すると主張された。明か
に、この投与経路は腸におけるコレステロール エステ
ラーゼの抑制に対し効果を示さない。MDSの吸収は各
種の副作用をもたらし、特に顕著には血液凝固防止作用
を監視せねばならない。この製剤はコレステロール エ
ステラーゼを抑制しないことが知られ、ランダムかつ種
々の環位置にて硫酸化される。高分子量の硫酸デキスト
ランは、吸収の欠如およびそれに伴う血清リポ蛋白リパ
ーゼの活性化能力の欠如により、開発から排除されてい
る。
【0005】極く最近、グルコピラノース環の3位置に
硫酸化された粗製の非吸収性多糖類はコレステロール
エステラーゼの抑制剤として有効であることが突き止め
られた(米国特許出願第08/121,369号参
照)。有用な3−硫酸化多糖類は、海草を含む各種の天
然原料からの多糖類を合成的に硫酸化して誘導すること
ができる。
【0006】さらに、硫酸化多糖類の製造方法も当業界
で知られている。たとえば米国特許第3,624,06
9号は、三酸化硫黄/低級n−ジアルキルアミド硫酸化
複合体によるセルロースの硫酸化を記載している。米国
特許第4,480,091号は3工程におけるセルロー
ス硫酸エステルの製造方法を記載している。最後に米国
特許第4,814,437号は、多糖類を硫酸化に先立
ち還元工程にかけることによる硫酸化多糖類の製造方法
を記載している。
【0007】
【発明が解決しようしする課題】本発明の課題は、消化
管にて実質的に非吸性かつ非分解性であると共に経口投
与した際にヒト膵臓コレステロール エステラーゼ(現
在ではコレステロール吸収の媒介に関与する重要な酵素
として認められている)を抑制することによりヒト血清
コレステロールおよびLDLレベルを減少させるのに有
用である高分子量の3−硫酸化多糖類の製造方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の方法によれば、
硫酸化多糖類化合物はこの化合物の95%以上が75,
000ダルトンより高い分子量を有し、サルフェートと
モノマーとの比が1.0〜3.0であり、さらに遊離サ
ルフェートは物質の0.5重量%未満となるよう調製さ
れる。本発明の方法により製造される極めて高分子量の
硫酸化多糖類は錠剤として或いは食品に混入して或いは
他の任意の方法によりヒトに投与して消化管におけるコ
レステロール吸収を抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明により、腸からのコレステ
ロール吸収を抑制して血清コレステロールのレベルを減
少させると共にアテローム性動脈硬化症の発生を抑制す
る或る種の手法を突き止めた。従来、コレステロール
エステルが食餌にて演ずる役割の理解が欠如していたた
め、コレステロール エステラーゼの有効な抑制剤の開
発を妨げていた。コレステロール エステルから誘導さ
れたコレステロールは、吸収される全食物によるコレス
テロールの僅か10〜15%である[ダイエッチー、
「胃腸管の生理学における腸内脂質吸収(Intestinal L
ipid Absorption in Physiology of the Gastrointesti
nal Tract)」、第2巻、第1170頁、ラベン(Raven)
・プレス社、ニューヨーク(1981)]。さらに、食
物によるコレステロール エステルは、先ず最初に膵臓
コレステロール エステラーゼにより加水分解されなけ
れば小腸から吸収されない[G.バホーニーおよびC.
トレッドウェル、プロシーディング・ソサエティー・エ
キスペリメンタル・バイオロジカル・メジスン(Proc. S
oc. Exp. Biol. Med.)、第116巻、第496頁(19
64)]。コレステロール エステルが全コレステロー
ル吸収に対し殆ど寄与しないと言う一般的に認められた
理論のため、コレステロール エステルの腸内吸収を抑
制する試みは殆どなされていない。
【0010】今回、エステルから誘導されたコレステロ
ールは遊離コレステロールと比較して優先的に(80%
以上)吸収されることが判明した。さらに、コレステロ
ールエステラーゼは遊離コレステロールの吸収をも促進
する[バイオケミストリー(Biochemistry)、第32巻、
第12085〜89頁(1993)]。これら観察は、
コレステロール エステラーゼが全コレステロール吸収
に対し顕著に寄与することを示し、したがってヒト膵臓
コレステロール エステラーゼの抑制剤を開発する重要
なニーズが存在する。
【0011】本発明は従来技術に対する推測しえない改
良である。何故なら、極めて高分子量の硫酸化多糖類
(上記)は(1)小程度しか酵素を抑制しないヘパリン
および他の低分子量の多糖類よりもずっと強力なコレス
テロール エステラーゼの抑制剤であり;(2)腸から
非吸収性であり;(3)安価であり、(4)上記(1)
および(2)のため腸内酵素と一層連続的に接触し;
(5)実質的に無毒性であるからである。
【0012】コレステロールの食事摂取は心臓病に直結
し、したがって腸内コレステロール吸収は脂質ホメオス
タシス過程の重要な一部である。腸内コレステロール吸
収の律速段階は、コレステロール エステラーゼのコレ
ステロール輸送機能によって媒介される。この蛋白質
は、ヒトにおいて独特であり、遺伝子内に新規なエクソ
ン11が存在すると共に蛋白質の独特なC−末端領域お
よび独特な一次構造における抑制部位が存在している
[クマール等、バイオケミストリー(Biochemistry)、第
31巻、第6077頁(1992)]。大型の3−硫酸
化多糖類はこの独特な配列に結合して、ヒト酵素につき
ナノモル未満の範囲のIC50で強力な抑制を示す。これ
ら抑制剤の1種、すなわち本発明の方法により製造され
る極めて高分子量の硫酸セルロースはヒトの標的に対し
20pMのIC50とウサギコレステロール エステラー
ゼに対し100,000pMのIC50とを有する。高分
子量の硫酸化セルロース(1,500,000Da)は
腸から吸収されず、培養ヒトCaco−2 細胞へのコ
レステロール吸収を抑制する。硫酸セルロースは通常の
給餌ウサギにて血清コレステロールレベルを低下させ、
肝分泌コレステロールの再吸収の抑制を示す。コレステ
ロール給餌ウサギにおいて、極めて高分子量の硫酸セル
ロースの投与(100mg/kg)は、(1)コレステ
ロール吸収を80%低下させ、(2)血清コレステロー
ルを50%以上低下させ、さらに(3)肝コレステロー
ルを30%以上低下させる。これらのデータは、約50
0,000ダルトンより高い分子量を有する硫酸セルロ
ースの少量の投与で血清コレステロールレベルおよびL
DLレベルを減少させるのに有効な医薬製剤であること
を示す。
【0013】遊離サルフェートおよび低分子量の硫酸化
多糖類は、極めて高分子量の硫酸化多糖類の製造におけ
る望ましくない副生成物である。事実、高分子量の硫酸
化多糖類組成物における毒性かつ低分子量の硫酸化多糖
類もしくは無機サルフェートの存在は、任意の目的に関
する摂取可能もしくは注射可能な薬物としての使用を妨
げる。したがって、本発明による極めて高分子量の硫酸
化多糖類は0.5重量%未満の遊離サルフェートしか含
有してはならず、さらに75,000ダルトン未満の分
子量を有する硫酸化物質も5重量%未満しか含有しては
ならない。
【0014】今回、毒性かつ低分子量の多糖類と遊離サ
ルフェート副生成物とを排除する、純粋な極めて高分子
量の硫酸化多糖類の回収方法を見出した。この方法は新
規な極めて高分子量の硫酸化多糖類組成物を生成し、こ
れはコレステロール エステラーゼ媒介のコレステロー
ル吸収に関する極めて有用な抑制剤である。
【0015】本発明による極めて高分子量の硫酸化多糖
類は次のように特性化される:
【表1】
【0016】本発明による極めて高分子量の硫酸化多糖
類は次の工程により作製される: (1)たとえば綿リンタのような原料から高分子量多糖
類もしくはセルロースの無水DMF懸濁物を調製し;
(2)高分子量多糖類もしくはセルロースの無水DMF
懸濁物をたとえば三酸化硫黄/DMF複合体のような硫
黄源と混合し;(3)硫酸化反応がほぼ完結した後に酸
性混合物を中和して、粗製の硫酸化多糖類と反応体水溶
液とを含む粗製の硫酸化多糖類混合物を生成させ;
(4)粗製の極めて高分子量の硫酸化多糖類を粗製の硫
酸化多糖類混合物水溶液から分離し;(5)分離された
粗製の極めて高分子量の硫酸化多糖類を洗浄し;(6)
得られた粗製の中間生成物を乾燥させる。
【0017】乾燥した粗製の中間生成物を次いで精製し
て、ほぼ全部の不純物(たとえば遊離サルフェートおよ
び75,000ダルトン未満の分子量を有する硫酸化多
糖類)を排除する。精製は好ましくは、乾燥された粗製
の中間生成物を水に溶解して、極めて高分子量の硫酸化
多糖類と遊離サルフェートおよび75,000ダルトン
未満の分子量を有する低分子量の硫酸化生成物を含む不
純物とを含有する粗製水溶液を生成させることにより行
われる。この粗製水溶液を、まず濾過工程にかけて、未
反応の多糖類および/または微細物を実質的に含まない
極めて高分子量の硫酸化多糖類を含有する濾液を生成さ
せる。好ましくは、濾過工程は少なくとも2つの順次の
濾過工程で構成される。すなわち最初に5μmのフィル
タに通し、次いでより細かいフィルタに通し、以下同様
にして好ましくは最終的に1μmのフィルタを用いる濾
過工程にかける。
【0018】濾過工程で生成された濾液を次いで透析濾
過工程で500,000ダルトンの分子量カットオフの
膜により脱イオン水に対し透析濾過して、精製された極
めて高分子量の硫酸化多糖類生成物を得る。透析濾過工
程は遊離サルフェートと重炭酸塩とを除去し、さらに濾
過工程からの濾液に残留する75,000ダルトン未満
の分子量を有する低分子量の硫酸化多糖類をも実質的に
除去する。精製された生成物水溶液を好ましくは使用す
る前に乾燥する。たとえば噴霧乾燥、ドラム乾燥、流動
床粒状化または凍結乾燥などのように、当業界で知られ
た溶解した固形物を含有する水溶液から粉末を作製する
ことができる任意の乾燥法を用いることができる。
【0019】本発明により、非哺乳動物性および非細菌
性の多糖類から作製された極めて高分子量の硫酸化多糖
類のヒト膵臓コレステロール エステラーゼ抑制剤(7
5,000ダルトンより高い分子量)の或る種の構造的
特性を突き止めた。これらはヒトコレステロール エス
テラーゼに対しナノモル未満の抑制定数を有する極めて
特異的な誘導体である硫酸化多糖類の合成および特性に
関する知見を含み、その大きなサイズと共にこれらを実
質的に非吸収性かつ非分解性にする。たとえば、本発明
の極めて高分子量の硫酸化多糖類は経口使用の後に血漿
酵素リポ蛋白リパーゼを活性化させない。したがって、
これら硫酸化多糖類は複数のメカニズム、たとえば
(1)コレステロール エステルの酵素的切断の抑制、
(2)腸細胞における酵素結合部位からの酵素の排除、
および(3)小腸細胞への遊離コレステロールの移動抑
制によりコレステロールのコレステロール エステラー
ゼ促進吸収を減少させるよう作用する。さらに、これら
薬剤はテトラヒドロリポスタチンとは異なり動物に与え
られる有効投与量にて脂漏症を生ぜしめない。
【0020】多数の構造的特徴は抑制の程度を調整しう
るが、3−サルフェートの存在は抑制を顕著に増大させ
る。さらに、必ずしも全ての硫酸化多糖類がコレステロ
ールエステラーゼを抑制するとは限らない。たとえば硫
酸コンドロイチンはその未変成の天然状態では抑制性で
はない。この多糖類における反復単位は2個の置換グル
コピラノース状の環で構成され、これら環は一方の環の
3−位置におけるヒドロキシル基を介し他方の環の1−
位置におけるヒドロキシル基に結合する。したがって、
ダイマー反復単位は3−位置に1個しか未置換ヒドロキ
シル基を持たない。この多糖類が硫酸化されるとヒトコ
レステロール エステラーゼの強力な抑制剤となり、グ
ルコピラノース環における3−サルフェートの存在が抑
制作用の発生に必要かつ十分であることを示す。他方、
2−サルフェートの存在は抑制を低下させるのに対し、
6−サルフェートは不必要である。
【0021】コレステロール吸収を減少させる硫酸化多
糖類の効能は、腸からの硫酸化多糖類の吸収を減少させ
ると共に、特に、これらの物質の間で酵素との接触を長
期化することにより増大される。極めて高分子量の硫酸
化多糖類は吸収されず、したがってコレステロールの吸
収を抑制するのに必要かつ十分である。さらに分子量の
増大は多糖類の抑制活性を増大させると共に、硫酸化は
溶解度および酵素へのアクセスを増大させて一層高い抑
制をもたらす。たとえば低分子量の硫酸デキストラン
(MW=5000ダルトン)は20nMのIC50を示し
たのに対し、高分子量の硫酸化多糖類(MW=500,
000ダルトン)のIC50は0.02nMであった。し
たがって、本発明は次の構造式で示される、極めて高分
子量の硫酸化多糖類化合物を包含する。
【0022】
【化1】 モノマー単位の化学式はC6 8 Na2 112 であ
り、構造式中、nは1400もしくはそれ以上の数であ
り、Rは−SO3 Naである。
【0023】好ましくは本発明による極めて高分子量の
硫酸化多糖類を製造するには硫酸セルロースを使用し、
基本的な3工程で製造する:すなわち(1)化学的に純
粋なセルロースをジメチルホルムアミド中で三酸化硫黄
を用いて硫酸化し;(2)濾過して水不溶性の汚染物を
除去すると共に500,000ダルトンの分子量もしく
はそれ以上のカットオフの膜に対し透析濾過して、潜在
的に毒性の小分子量の汚染物を除去し;(3)必要に応
じ処方化工程を行って人間の消費に対する極めて高分子
量の硫酸化多糖類を含む錠剤、カプセル、液体もしくは
食品を製造する。
【0024】本発明の極めて高分子量の硫酸化多糖類は
食事の直前、食事と共に或いは食後に毎日3回、約10
〜約5,000mgもしくはそれ以上の範囲の投与量で
摂取することができる。極めて高分子量の硫酸化多糖類
は、コレステロールのコレステロール エステラーゼ媒
介吸収を抑制し、ヒト血清におけるコレステロールの濃
度を低下させるように機能する。
【0025】本発明の好適な極めて高分子量の硫酸化多
糖類は、モノマー1モル当り約2モルのサルフェートの
好適比にて硫酸化された化学的に純粋な綿セルロースリ
ンタで構成される。綿リンタは、既に見出されている最
も化学的に純粋な市販セルロースの形態であるため、好
適なセルロース源である。綿リンタは合計で約14,0
00モノマー単位まで重合したグルコース単位で構成さ
れ、約2,400,000の分子量を有する。
【0026】本質的に、この知見はしばしば廃棄物と見
なされる天然産の極めて高分子量の多糖類(好ましくは
セルロース ポリマー)を極めて有力かつ安価な非吸収
性(経口投与後に血漿リポ蛋白リパーゼを活性化させな
い)の無毒性かつ非分解性のコレステロール抑制剤に変
換する実際的方法をもたらし、抑制剤は少量かつ十分耐
毒性のある量で溶解性の薬剤として投与することができ
る。当業者が認めるように、腸内の抑制剤の分散および
/または増加またはその存在の長期化を行ってコレステ
ロール エステラーゼとの接触を増大させる方法はさら
にコレステロールの吸収を減少させる。
【0027】本発明の方法により製造される極めて高分
子量の硫酸化多糖類抑制剤は、ACAT、アシルCo
A:すなわちコレステロール アシルトランスフェラー
ゼの抑制剤と組合せて投与することもできる。これら化
合物は特に動物でコレステロールを低下させうる[ラル
ギス等、1989]が、これらは吸収され、不活性では
ないため多数の毒性副作用を有する。副作用はその投与
量を減少して低下することができるし、効能は吸収され
ないコレステロール エステラーゼの抑制剤と組合せて
維持することができる。さらに当業者が認めるように、
たとえばハイダー等、ジャーナル・リピド・リサーチ
(J. Lipid Res.) 、第24巻、第1127頁(198
3)に記載されたような各種のACAT抑制剤を本発明
の極めて高分子量の硫酸化多糖類と併用してコレステロ
ールの血清レベルを減少させることができる。
【0028】さらに、コレステロール エステラーゼに
対する極めて高分子量の硫酸化多糖類抑制剤は、コレス
テロール合成阻止剤と組合せて投与することもできる。
コレステロール合成阻止剤を処置された人間は各種の毒
性副作用を経験し、これら副作用は患者に投与する量を
減量して低下させることができる。したがって、腸によ
り吸収されてコレステロールの体内合成を阻止する薬物
と組合せた本発明による硫酸化多糖類の投与は、同じ最
終結果を得るためのコレステロール合成阻止剤の投与量
を減少させうる。コレステロール合成阻止剤に伴う毒性
を効果的に減少させながら血清コレステロールレベルを
減少させることができる。
【0029】当業者は各種のコレステロール合成阻止剤
(たとえばロバスタチン)を知っており、これを本発明
の硫酸化多糖類と併用してコレステロールの血清レベル
を減少させることができる。
【0030】本発明の方法により製造されるコレステロ
ール エステラーゼの極めて高分子量の硫酸化多糖類抑
制剤を、たとえば錠剤、カプセル、液体および粉末のよ
うな各種の医薬投与形態物として単独で或いは1種もし
くはそれ以上の医薬賦形薬(たとえば界面活性剤、着香
料、着色料、澱粉、糖などの賦形薬)の存在下で投与す
ることができる。さらに本発明の極めて高分子量の硫酸
化多糖類はたとえばビスケットおよびクッキーのような
食品に混入することもできる。本質的に、本発明の極め
て高分子量の硫酸化多糖類は、特にコレステロールおよ
び/またはコレステロール エステルの豊富な食品から
のコレステロール吸収を減少させる食事補給物として使
用することができ、予想外の大きい利点が得られる。食
品および医薬技術における当業者は、硫酸化多糖類を投
与するための広範な種類の処方およびビヒクルを知って
いる。
【0031】好ましくは、極めて高分子量の硫酸化多糖
類は食事の時点またはその近く(約30分以内)にヒト
に対し特にコレステロール エステルおよび/または遊
離コレステロール豊富な食品と共に投与される。さら
に、これら高分子量の硫酸化多糖類は、胆汁から腸内に
導入されるコレステロールをも抑制する。
【0032】
【実施例】以下、限定はしないが本発明の範囲および思
想を逸脱せずに実施例につき本発明をさらに説明する。
【0033】実施例1 この実施例は、コレステロール吸収を抑制するのに有用
である本発明の極めて高分子量の硫酸化多糖類を製造す
る方法につき説明する。
【0034】精製された極めて高分子量の硫酸化多糖類
は、無水ジメチルホルムアミド(DMF)溶剤における
三酸化硫黄/ジメチルホルムアミド(DMF/SO3
複合体を用いセルロースを硫酸化することにより次の方
法に従い調製される。
【0035】A. 乾燥した綿リンタ(8.75kg)
を市販のペーパー・シュレッダーにより切断し、窒素シ
ール下で208Lの乾燥DMFに浸漬した。混合物を8
〜10℃まで冷却した。
【0036】B. 3時間後、33kgのDMF/SO
3 複合体を撹拌しながら添加した。反応温度を15〜2
0℃に150分間維持した。
【0037】C. 固体の重炭酸ナトリウム(51k
g)を混合物に添加し、10分間にわたり混合して過剰
の酸を中和した。これに続いて15Lの脱イオン水を添
加した。最後にアセトンを添加し(95L)、混合物を
1晩撹拌した。
【0038】D. 翌日、反応混合物を遠心分離器で遠
心分離し、固体を回収して208Lのアセトンに再懸濁
させた。再懸濁した混合物を再び遠心分離器で遠心分離
した。
【0039】E. 遠心分離から回収された固体を乾燥
テーブルで1晩乾燥させた。
【0040】F. 粗製の乾燥した硫酸化多糖類を、溶
液が約0.5〜1.0重量%固形分となるよう水(60
0〜1000L)に溶解した。
【0041】G. 混合物を順次に50μm、5μmお
よび1μmのフィルタにより濾過した。次いで、50
0,000ダルトンの分子量カットオフの膜が装着され
た透析濾過装置(コッホ・メンブランス社、pm500
A)を使用して、1μmの濾液を脱イオン水に対し<3
00mS/cmの流出液導電度となるまで透析濾過し
た。
【0042】H. 透析濾過された溶液を乾燥し(噴霧
乾燥機もしくはドラム乾燥機)、次いで本発明の得られ
た極めて高分子量の硫酸化多糖類を貯蔵および輸送に適
する寸法の容器に回収した。
【0043】極めて高分子量の硫酸化多糖類は次の性質
を示した(9回の製造試験の平均値):
【表2】
【0044】実施例2 核磁気共鳴(NMR)分光分析が有機分子の構造分析に
関する標準法である。この技術は小分子の構造説明につ
き広範に使用されるが、たとえば本発明による極めて高
分子量の硫酸化多糖類のような巨大分子では、有用性が
制限され、多くの問題が存在する。
【0045】13 CNMRスペクトル 実施例1の方法により調製された極めて高分子量の硫酸
化多糖類の13Cスペクトル(90MHz)を図1に示
す。極めて高分子量の硫酸化多糖類で得られた糖類につ
いて8種の異なる構造の可能性により、48個の信号が
生じる(図2)。しかしながら、観測されたスペクトル
は6個の明確な信号しか発生していないので、全炭素原
子につき明確な割付を不可能にするような重なりが存在
する。これら各種の共鳴の位置および強度を実施例1の
化合物につき下記に要約する。
【0046】
【表3】
【0047】幾つかの割付は矛盾する[K.カミデおよ
びK.オカジマ(1981)、ポリマー・ジャーナル(P
olymer Jpurnal) 、第163〜166頁、並びにK.カ
ワサカ、K.オカジマおよびK.カミデ(1991)、
ポリマー・ジャーナル(Polymer Jpurnal) 、第823〜
836頁参照]が、モデル化合物に関する検討から炭素
1および炭素6の分光分析挙動には一致性が存在する。
たとえばβ−D−グルコピラノースから対応の6−サル
フェート誘導体まで進行する際、これら2つの位置にお
ける信号は特徴的にシフトする。このモデル化合物に関
するデータから、分析化合物で観測された100.2p
pmにおける化学シフトが特に炭素1に基づくであろう
と確信をもって予測することができる。さらに、出発未
置換糖類には、硫酸化誘導体で6.69ppmだけシフ
トする共鳴が存在する。要約して、これは60.5pp
mで発生すると共に硫酸化に際し66.0ppmまでシ
フトする天然セルロースにおける共鳴が炭素6に基づく
ことを示す。これに基づき、分析された極めて高分子量
の化合物は約60.5ppmにおける信号が証明されな
いので位置6にて全て硫酸化されたと結論することがで
きる。さらに、これは1個のみの炭素原子に対応するこ
の信号の積算強度(14.85)によっても証明され
る。72.5ppm、74.4ppm、77.4ppm
および78.5ppmにおける積算強度を合計すれば、
全体(62.4)は炭素6からの強度の約4倍である。
このことは、これら信号が各種のモノ−、ジ−、トリ−
および未置換−形態における炭素2、3、4および5か
ら誘導されることを示す。最後に、他の信号強度の僅か
2/3である炭素1からの100.2ppmにおける信
号は、より長い緩和時間のため低い数値を有する。
【0048】炭素6は全ての無水グルコピラノース単位
で硫酸化されるので、13CNMRスペクトルに寄与する
構造の個数は減少する。さらに炭素1および硫酸化され
た炭素6からの共鳴は全ての関与する構造にて同じであ
ると思われ[K.カワサカ、K.オカジマおよびK.カ
ミデ(1991)、ポリマー・ジャーナル(Polymer Jpu
rnal) 、第823〜836頁参照]、磁気的に不均等な
炭素の個数を48個から16個まで減少させる。残余の
16種の構造につき僅か4つの共鳴しか認められないの
で、炭素2と3とにおける硫酸化の相対的比率を決定す
ることはまだ可能でない。
【0049】要約して、炭素6はこの分析の範囲内で全
て硫酸化されることが明かである。多糖類は2個以上の
サルフェートをモノマー1個当りに含有するので、他の
サルフェートは炭素2と3との間に分配される。
【0050】実施例3 この実施例は、本発明による極めて高分子量の硫酸化多
糖類の効能を試験する際に使用するためのヒトコレステ
ロール エステラーゼ酵素の分離方法につき説明する。
【0051】S−セファロースカラムの調製 S−セファロース懸濁物(150mL)を250mLの
目盛付シリンダに注ぎ入れ、ゲルを沈降させた。次いで
上澄液を注ぎ出し、100mLの25mM酢酸溶液(p
H5.1)をシリンダに添加した。このシリンダをパラ
フィルムで覆い、おだやかに目盛付シリンダを数回転倒
し、ゲルを再懸濁させた。再懸濁したS−セファロース
を1度でカラムに注ぎ入れ、重力下で沈降させた。樹脂
が沈降した際、カラムの底部を開いて樹脂を通して緩衝
液を緩衝液の1〜2cmが樹脂床上に残留するまで排液
した。
【0052】S−セファロースクロマトグラフィー −20℃で貯蔵しかつ室温で解凍させた母乳(200m
L)を、撹拌棒が装着された250mLビーカーに移し
た。pHを1M酢酸の滴下により5.1に調整した。母
乳を15,000rpmにて4℃で30分間にわたり遠
心分離し、透明溶液を慎重に上側の脂肪層から取出し
た。残余の脂肪および不溶性物質を、溶液を0.8μm
フィルタに通して除去した。
【0053】S−セファロースカラムに濾過母乳を満た
し、試料を重力を用いて滴下した。全試料を樹脂に添加
した後、カラムの側部を25mLの25mM酢酸(pH
5.1)に続き400mLの300mM NaCl/2
5mM酢酸溶液(pH5.1)により2回洗浄した。次
いで280nmにおける流出液の吸光度を分光光度計に
より検査した。吸光度が0.025より高くなれば、樹
脂をさらに50mLの300mM NaCl/25mM
酢酸緩衝溶液により吸光度が0.025未満となるまで
洗浄した。
【0054】コレステロール エステラーゼを、300
mM NaCl/25mM酢酸(pH5.1)から1.
0M NaCl/25mM酢酸(pH5.1)まで増大
する300mLの塩濃度勾配により60mL/hrの流
速にて樹脂から除去した。2〜4分間毎にフラクション
を集め、各フラクションの280nmにおける吸光度を
測定すると共に、基質として酪酸p−ニトロフェニルを
用いて酵素活性を測定した[W.モムセンおよびH.ブ
ロックマン(1977)、バイオヒミー・バイオフィジ
ーク・アクタ(Biochim. Biophys. Acta.) 、第486
巻、第103〜113頁]。0.030Abs/分より
大きい加水分解活性を有する全フラクションを目盛付シ
リンダに集め、容積を10mM NaCl/20mM酢
酸(pH5.1)により2倍にした。この試料を透析チ
ューブ(MWカットオフ:12〜14,000ダルト
ン)に移し、4℃にて4Lの10mM NaCl/25
mM酢酸 (pH5.1)を3回交換しながら透析し
た。
【0055】SP−セファデックスクロマトグラフィー SP−セファデックスC−25(10g)を10mM
NaCl/25mM酢酸(pH5.1)で膨潤させ、4
℃にて2.6×40cmのガラスカラムに注ぎ入れた。
透析された部分精製コレステロール エステラーゼを6
0mL/hrの速度でSP−セファデックスカラムにポ
ンプ輸送し、樹脂を100mLの10mM NaCl/
25mM酢酸(pH5.1)で洗浄した。酵素を200
mM NaCl/25mM酢酸(pH5.1)で除去し
た。40種のフラクションを集め、280nmにおける
各フラクションの吸光度を測定すると共に、基質として
酪酸p−ニトロフェニルを用いて酵素活性を測定した。
【0056】均質性の評価および貯蔵 ポリアクリルアミド ゲル電気泳動(8%)を用いて
U.K.レムリの方法、[ネイチャー(Nature)、第22
7巻、第680頁(1970)の方法]によりSP−セ
ファデックスカラムからの試料の純度を測定した。ゲル
のオーバーロードを回避するため、0.02の光学密度
単位を次式により各フラクションから除去した: 除去容積(mL)=0.02/Abs 蛋白質を0.2%のクーマシー・ブリリアント・ブルー
で可視化させた。
【0057】酵素部分の希釈および貯蔵 110 kDaにて単一のバンドを示したフラクション
を集め、−80℃で凍結した。この保存物の280nm
における吸光度を200mM NaCl/25mM酢酸
溶液(pH5.1)で0.070の最終値を与えるよう
調整した。次いで、蛋白質溶液を100μLづつに分割
し、使用するまで−80℃にて凍結貯蔵した。
【0058】実施例4 この実施例は、極めて高分子量の硫酸化多糖類の効能
(IC50)を測定する方法につき説明する。
【0059】本発明による非吸収性の極めて高分子量の
硫酸化多糖類は、コレステロールオレエートのヒトコレ
ステロール エステラーゼ(CEアーゼ)−触媒加水分
解の強力な抑制剤である。抑制のIC50を測定するた
め、酵素分析は硫酸化多糖類の量を増加させて行い、5
0%抑制を与える濃度をIC50として規定する。
【0060】10mMトリス(pH7.5)緩衝液にお
ける高分子量の硫酸化多糖類の1mg/mL溶液を順次
に10mMトリス(pH7.5)により希釈して、1×
10-1mg/mLから1×10-6mg/mLまでの濃度
範囲の溶液を得た。各希釈溶液の30μLを一連の試験
管に添加した。30μLの10mMトリス(pH7.
5)を「Enz対照」と標識した試験管に添加し、50
μLの10mMトリス(pH7.5)を「Blk」と標
識した試験管に添加した。150mMトリス(pH7.
5)におけるコレステロール[14C]−オレエート小胞
およびタウロコール酸ナトリウムを含有する基質溶液
(250μL)を記載されたように調製して上記試験管
のそれぞれにピペットで移した[D.コックス、C.
K.T.ロイング、E.カイガー、C.スピルブルグお
よびL.ランゲ(1990)、バイオケミストリー(Bio
chemistry)、第29巻、第3842頁]。実施例3に記
載したように調製したヒトCEアーゼを−80℃の凍結
装置から取出し、氷水浴で解凍し、次いで150mMト
リス(pH7.5)1部と150mMトリス(pH7.
5)中の100mMタウロコール酸ナトリウム7部から
なる400μLの緩衝液で希釈した。次いで20μLの
CEアーゼを試験管(ただし「Blk」と標識した試験
管を除く)に添加し、試験管ラックを直ちに37℃の水
浴に入れた。10分間の後、試験管ラックを氷水浴に入
れ、D.コックス、C.K.T.ロイング、E.カイガ
ー、C.スピルブルグおよびL.ランゲ(1990)、
バイオケミストリー(Biochemistry)、第29巻、第38
42頁に記載されたように分析を完了させた。
【0061】活性%を計算するため次式を用いた:
【数1】 yを活性%として用いると共にcを極めて高分子量の硫
酸化多糖類の濃度として分析に使用することにより、デ
ータを次の関数によりプロットした: log c=log(1/y−1) 各データ点を通る最良の直線を描き、IC50をx−交点
の真数として規定した。
【0062】実施例5 この実施例は、本発明による極めて高分子量の硫酸化多
糖類の特性化方法につき説明する。
【0063】置換化度の決定 ダウェックス−50Wイオン交換樹脂(H+ 型、乾燥メ
ッシュ200〜400;8%架橋度)をおだやかに回動
させながら、50mLの脱イオン水がはいっている10
0mLビーカーに添加した。水を除去し、手順をさらに
2回反復した。樹脂を18cmの床高さまで1.0×2
0cmのカラムに添加し、カラムを蠕動ポンプにより3
0mL/hrの流速にて25mLの脱イオン水で洗浄し
た。
【0064】極めて高分子量の硫酸化多糖類の1.0m
g/mL水溶液(15mL)を樹脂上にポンプ輸送し、
5分間のフラクションを集めた。全試料を樹脂に施した
際、各フラクションのpHを検定済みpH電極で測定し
た。3.5未満もしくは等しいpHを有するフラクショ
ンはプロトン化された硫酸化多糖類を含有し、これらを
50mLのガラスビーカーに集めた。
【0065】リンスした導電率測定電極をプロトン化さ
れた硫酸化多糖類を含有するビーカーに浸漬し、初期の
導電率測定値を記録した。この溶液を、100μLの
0.1N NaOHをそれぞれ添加して導電率を測定し
ながら滴定した。塩基を添加すると、導電率は当量点に
達するまで低下し、次いで導電率が上昇した。当量点
は、下降する各データ点を通る直線を描くと共に上昇す
る各データ点を通る直線を描いて決定した。2本の直線
の交点が当量点であって、0.10N NaOHのmL
数として現した。
【0066】滴定が完了した後、存在する硫酸化多糖類
の量をトルイジン・ブルーを用いる分光光度法により決
定した。詳細には2.5〜40μg/mLの濃度範囲に
おける200μLの硫酸化多糖類溶液を試験管にピペッ
トで入れた。200μLの水のみを含有するブランクを
調製し、それぞれの量を滴定液から取出して容積を適量
の水の添加により200μLに調整した。各試験管に1
0μLの1mg/mLトルイジン・ブルーを添加した
後、吸光度をブランクに対しゼロ調整した後に540n
mにて測定した。標準曲線を作成し、試料における硫酸
化多糖類の量を曲線の直線部分から決定した。この数値
と当量点とを用い、サルフェート%を次の関係式から決
定することができる:
【数2】
【0067】置換化度を、OSO3 H官能基により置換
された多糖類におけるヒドロキシル基の個数として規定
する。喪失した各OH基はOSO3 H基により置換さ
れ、80だけ分子量が増大する。出発セルロースモノマ
ーの分子量は161であるため分子量(MW)は次の関
係式(ここでx=置換化度である)により増大する: MW=161+80x サルフェートがポリマー中に導入される際、その比率
(y)は次の関係式により変化する: y=80x/(161+80x) この方程式をxにつき解いて、置換化度を試料における
SO3 %から計算することができる: x=161y/80(1−y)
【0068】分子量の決定 極めて高分子量の硫酸化多糖類の分子量プロフィルを、
グルコース−ポリビニルベンゼンGPC−HPLCカラ
ムを用いる水性ゲル透過クロマトグラフィーにより決定
する。本発明の硫酸化多糖類は極めて高い分子量と粘度
とを有するので、カラムを高められた温度で操作して粘
度を低下させることにより圧力問題を防止する。重要な
ことに、この種のカラムは既知の分子量を有する標準試
料により検定して、未知試料の分子量をその溶出容積と
既知分子量の試料との比較により決定することができ
る。このHPLC分析を用いて高分子量の硫酸化多糖類
の分子量範囲を決定すると共に、積算重量フラクション
のプロットを用いて低分子量化合物の比率を計算する。
【0069】200mLのDMSOを800mLの0.
1M NaOHに添加して移動相溶液を調製し、次いで
溶液を0.2μmフィルタにより濾過した。個々の分子
量標準試料を移動相溶液に溶解して1mg/mLの濃度
を得るように、分子量標準試料溶液を調製した。最後
に、硫酸化多糖類を移動相溶液に溶解して1mg/mL
の濃度を得るようにして極めて高分子量の硫酸化多糖類
の試料溶液を調製した。これら試料を、500μLの個
々の標準試料を分子量値の減少順序で注入し、次いで5
00μLの試料溶液を注入することにより分析した。カ
ラムは80℃で操作した。
【0070】既知分子量を有する標準試料のlog
10(Mp )をその溶出時間に対しプロットして標準曲線
を作成した。標準曲線を描く方程式を最小二乗法により
計算した。次いで硫酸化多糖類試料のlog10(Mp
をその溶出時間および誘導した方程式から決定した。
【0071】低分子量の硫酸化化合物の比率は次式を用
いて計算される:
【数3】
【0072】実施例6 赤外分光分析を用いて、本発明により調製された極めて
高分子量の硫酸化多糖類における硫酸基の存在を証明す
る。この実施例は、本発明の方法により作製された極め
て高分子量の硫酸化多糖類におけるフ−リエ変換赤外
(FTIR)スペクトルについて説明する。
【0073】約5mgの固体硫酸化多糖類と495mg
のオーブンで乾燥したKBrとを1個のプレキシガラス
球を含有するポリスチレン小瓶に添加して硫酸化多糖類
/臭化カリウムの試料ペレットを調製した。固体をウィ
ッグ−L−バッグ(インターナショナル・クリスタル・
ラボラトリース社)と混合し、200mgをペレットダ
イに充填した。減圧ダイに6トンの圧力を10分間かけ
て透明ペレットを調製した。この透明ペレットをダイか
ら取出し、FITR試料室に入れた。
【0074】試料スペクトル(図3)を肉眼検査して、
或る種の特徴的吸収の存在を証明することができる。約
800cm-1にはC−O−S伸縮に基づく明瞭なピーク
が存在し、さらに約1240cm-1にはS=O結合伸縮
に基づく明瞭なピークが存在する。綿リンタの比較スペ
クトル(図3の底部)は硫酸基に基づくこれら新規な結
合の存在を示す。
【0075】実施例7 この実施例は、本発明の方法により作製された極めて高
分子量の硫酸セルロースが培養ヒトCaco−2 細胞
へのコレステロール吸収の抑制剤であることを例示す
る。
【0076】結腸腺癌細胞(Caco−2 細胞;アメ
リカン・タイプ・カルチャー・コレクション)をプラス
チックウェル(22.6mm;4cm2 )にて成長させ
集密化し、(ウェル1個当り2.0×106 細胞)、イ
ーグル最小必須培地および10%リポ蛋白欠乏血清にて
1晩インキュベートした。細胞を500mLのPBSで
1回洗浄し、次いで8mMタウロコール酸ナトリウム、
1%牛血清アルブミン、小胞中にホスファチジルコリン
とともに取り込んだ1.0pモルの[3 H]コレステロ
ールおよび種々の濃度の高分子量硫酸セルロースを混入
してインキュベートした。500μLの反応容量にて2
00nMの最終酵素濃度を得るようにヒトコレステロー
ル エステラーゼを添加して実験を開始した。種々の時
間にて、培地を除去すると共に細胞をPBSで洗浄して
反応を停止させた。細胞を1%ドデシル硫酸ナトリウム
溶液(200μL)でウェルから脱着させ、細胞残骸を
計数して細胞に結合したコレステロールの量を決定し
た。図4に示すように、2×106 Caco−2 細胞
の存在下にリポソーム中の[3 H]−コレステロールと
ヒト膵臓コレステロール エステラーゼ(200nM)
を均一にインキュベートすると遊離コレステロールの取
り込みをもたらし、200nM硫酸セルロースの存在下
で完全に作用が排除された。
【0077】実施例8 本発明の極めて高分子量の硫酸化多糖類がコレステロー
ル エステラーゼと相互作用するためには、先ず最初に
2.0未満のpH値である胃を通過せねばならない。セ
ルロース系化合物は酸性pHにて安定性が低いため、こ
の検査を行って効能の低下および損失がシュミレートし
た胃の条件の下で顕著に生じないことを示した。
【0078】シュミレートした胃液(1Lの水における
7mLの濃塩酸、3800単位のペプシンおよび2gの
NaCl)で、極めて高分子量の硫酸化多糖類の1.0
mg/mL溶液を調製し、その1.5μLを分析用に取
出した。この量を直ちにコレステロール[14C]−オレ
エート(実施例3)のコレステロール エステラーゼ触
媒加水分解を抑制する能力につき分析し、その分子量を
決定した(実施例5)。残余の溶液を37℃の水浴に入
れ、試験管を浴中に入れた時を0時間として記録した。
1時間、2時間および25時間にて各量を取出し、効能
と分子量と75,000ダルトン未満の分子量を有する
比率とにつき分析した。表4に示したように、2時間の
インキュベ−トの間IC50の変化はなく、さらに分子量
もほとんど変化しなかった。出発分子量は5,000,
000ダルトンであったが、これらの高い数値には大き
い誤差が存在し、恐らくこの数値と1時間および2時間
で見られる数値、すなわちそれぞれ3,900,000
ダルトンおよび3,600,000ダルトンとの間に有
意の差は存在しない。しかしながら、25時間後に85
0,000ダルトンまで低下する分子量低下の証拠が存
在し、これはIC50の21ng/mLから68ng/m
Lへの3倍の増加を伴う。
【0079】別の減成の測定は、任意の分子量以下で生
ずる炭水化物の比率である。この場合、75,000ダ
ルトンが吸収を生じない数値と理解されるので、この値
を選択した。表4に示すように、2時間後には試料の僅
か約1%しかこの数値以下の分子量に減成せず、25時
間後でさえこの数値は3.4%までしか上昇しなかっ
た。
【0080】
【表4】
【0081】要約して、この実施例は一般に胃内で生ず
る滞留時間にわたり本発明の極めて高分子量の硫酸化多
糖類がその効能を失わず、さらに硫酸化多糖類が殆ど減
成しないことを示す。
【0082】実施例9 この試験の目的は、経口投与された[14C]−標識の極
めて高分子量の硫酸化多糖類が雄ラットにて吸収される
量を決定することにある。この試験で用いた[14C]−
標識セルロースは14CO2 に露出された綿ボールから分
離され、多糖類は実施例1に示した手順により硫酸化さ
れた。
【0083】6匹の雄スプラグ・ドーリー(Sprague-Daw
ley)種ラットには経口投与により、1回の投与量375
mg/kgで硫酸化[14C]標識セルロースを投与した
(表5)。
【0084】
【表5】
【0085】投与の後、動物をエリザベス・カラーに入
れ、フィーカルカップを取付けて採取した尿の糞汚染を
防止した。蓄積尿試料を投与後の0〜4時間、4〜8時
間および8〜24時間に採取した。糞を投与の12時間
および24時間後にフィーカルカップから除去した。一
連の血液試料を投与の0.33時間、1時間、3時間、
6時間、10時間および24時間後に得た。さらに、完
全なケージ洗浄を最後の試料採取後に行った。得られた
血漿、尿、ケージ洗液、糞および投与溶液を酸化にし、
シンチレーションカウントによって放射能含有量につき
分析した。これらの結果を用いて、高分子量の硫酸化[
14C]−セルロースを1回経口投与した後の放射能の経
口吸収につき評価した。
【0086】放射能レベルはこの試験に際し収集した血
漿、尿およびケージ洗液試料のいずれにも検出できなか
った。投与された放射能の量および方法の検出限界か
ら、この試験では極めて高分子量の硫酸化多糖類の9
9.5%以上が吸収されなかった。
【0087】実施例10 この実施例は、硫酸化反応温度を13℃と20℃との間
で制御する重要性を示す。
【0088】綿リンタセルロースをバッキー・セルロー
ス社(メンフィス、TN)から入手し、DMF−SO3
複合体をデュポン社(大規模反応器)またはアルドリッ
チ・ケミカル社(ベンチ規模)から入手した。
【0089】硫酸セルロースポリマーの分子量および7
5,000ダルトン未満の分子量を有する比率を、HP
LCゲル透過クロマトグラフィーにより実施例5に説明
したように決定した。硫酸化度は、実施例5に説明した
導電率測定により決定した。
【0090】ミンチした綿リンタの3種の試料(それぞ
れ300mg)を20℃にて3時間にわたり7.6mL
の無水DMFに浸漬した。フラスコを15℃、20℃お
よび25℃の水浴に浸漬した。30分間静置して温度平
衡に達せしめた後、2.5mLのDMFに溶解された
1.14gのDMF−SO3 複合体を各フラスコに添加
した。3時間の後、反応を915mgの重炭酸ナトリウ
ムに続く25mLの水の添加により停止させた。各試料
を室温にて20時間撹拌し、次いで透析膜(分子量カッ
トオフ10,000ダルトン)に移した。各試料を水に
対し徹底的に透析し、次いで凍結乾燥させ、次の性質を
決定した:分子量、75,000ダルトン未満の分子量
を有する%、硫酸化度および元素分析。下表6に要約す
るように、低い反応温度は低い分子量の汚染物を有する
高分子量ポリマーの生成を促進する。
【0091】
【表6】
【0092】綿リンタセルロースの硫酸化を窒素シール
下で実施例1に記載した手順にしたがい種々の温度にて
大規模に行った。最高反応温度を記録すると共に、結果
を下表7に要約する。
【0093】
【表7】
【0094】これらの結果は、収率および硫酸化度が両
者とも16℃〜27℃の狭い範囲にわたり温度に対し鋭
敏でないことを示す。平均硫酸化度は2.00であり、
これら温度条件下で温度がこのパラメータに影響するこ
とを示す傾向は存在しなかった。他方、分子量の低下に
より証明されるように、硫酸セルロースはこの同じ狭い
温度範囲にわたり顕著な解重合を受けた。低分子量の多
糖類は小腸により吸収されるので、これら反応副生成物
の存在は平均分子量よりも重大な関心事であり、上記表
に示したように高い反応温度は、これら極めて毒性の物
質の発生を促進する。すなわち最高反応温度が16〜1
9℃であると硫酸化物質の僅か1〜2%が75,000
ダルトン未満の分子量を有したのに対し、27℃にてこ
の数値は10〜15%まで上昇した。要約して、これら
データは硫酸化をDMF−SO3複合体で行う場合には
硫酸化反応の温度を20℃未満にすべきことを示す。
【0095】最低反応温度を規定するため、実施例1に
説明した手順にしたがったが、ただし反応混合物を1℃
まで冷却し(工程A)、さらに温度を150分間の反応
時間にわたり決して13℃を越えないようにした。その
他の製造試験は上記試験と同一にした。この手順にした
がい硫酸化多糖類は5,000,000ダルトンの分子
量を有したが、収率は僅か18.5%であった。したが
って高分子量の硫酸化多糖類を良好な収率で製造するに
は、反応温度を13〜20℃にせねばならない。
【0096】実施例11 経口ルートによる毒性試験を、ラットおよびイヌにて本
発明による極めて高分子量の硫酸化多糖類を用いて行っ
た。ここに報告する試験は全て21 CFR58に示さ
れたグッド・ラボラトリー・プラクティス・レギュレー
ションにしたがって行った。2種の試験を行った。第1
に、14日間の観察期間を用いる急性試験(24時間に
わたり2時間毎に投与)をラットで行った。第2に、慢
性試験を行って、高分子量の硫酸化多糖類をラットにて
1,125mg/kgまでの1日投与量レベルでTID
投与し、イヌにて2,700mg/kgまでTID投与
した。
【0097】急性投与(ラット) 10匹の雄および10匹の雌CD(登録商標)ラットを
対照群または極めて高分子量の硫酸化多糖類で処理され
た群に割付けた。硫酸化多糖類で処理された動物には、
3,250mg/kgの全投与量を1日間にわたり2時
間毎にチューブを用いて250mg/kgを投与した。
対照動物には当量のビヒクル(脱イオン水)のみを与え
た。この急性試験では、薬物の高粘度性により投与溶液
濃度は25mg/mLに制限された。投与された投与量
(10mL/kg)と1日の間に各動物により投与され
た全投与回数(13)とを考慮し、1日に投与しうる最
高可能な投与量は3,250mg/kgであった。これ
ら動物を14日間にわたり観察し、次いで死体解剖にか
けた。3匹の動物における一時的な軟便を除き、薬物に
起因する悪影響は存在しなかった。評価したパラメータ
は死亡率、罹患率、体重、臨床症状および全体的症状と
した。これらの結果を下表8に示す。
【0098】
【表8】
【0099】慢性投与(ラット) 実施例1の方法により作製された本発明の極めて高分子
量の硫酸化多糖類を、15匹の雄および15匹の雌チャ
ーリー・リバー(Charles River) 種CD(登録商標)ラ
ットの2群に、それぞれ450および1,125mg/
kg/1日の全投与量レベルにつき150および375
mg/kgの投与量レベルにて1日3回チューブを用い
て経口投与した。15匹の雄および15匹の雌動物より
なる対照群には、比較可能な処方によりビヒクル(脱イ
オン水)を与えた。28日間の処理の後、10匹の動物
/性別/群を安楽死させ、5匹の動物/性別/群を14
日間にわたり回復させ、次いでこれらを安楽死させた。
評価したパラメータは死亡率、臨床症状、体重、食物消
費、検眼鏡検査、血液検査、生化学、尿分析、器官重
量、並びに所定組織の肉眼および顕微鏡検査である。統
計分析を体重、食物消費、血液検査、生化学、尿分析の
各パラメータおよび器官重量につき行った。14日間の
回復期間で評価した基準は検眼鏡検査を除き上記の全て
を行った。
【0100】4週間の処理および2週間の回復の後、全
処理群からの体重と食物消費と食物効率との数値を対照
群と対比したが、顕著な傾向はほとんど示さなかった。
その結果を下表9に示す。
【0101】
【表9】
【0102】要約して、全群における臨床病理学の評価
は、処理群のいずれも試験物質に関連する知見を示さな
かった。解剖学的な病理学評価は試験物質に関連する器
官重量変化を示さず、さらに試験物質に関連する検査し
た任意の器官もしくは組織における顕微鏡的観察による
変化を示さなかった。
【0103】慢性投与(イヌ) 実施例1の方法にしたがい作製した極めて高分子量の硫
酸化多糖類を、ゼラチンカプセルを介し3〜4匹の純血
ビーグル犬/性別の群に300、900および2,70
0mg/kg/1日の全投与量レベルにつき100、3
00および900mg/kg/TIDの投与量レベルに
て28日間にわたり経口投与した。対照群には空ゼラチ
ンカプセルを与えた。28日間の処置の後、3匹のイヌ
/性別/群を死体解剖した。対照中の残余の1匹のイヌ
/性別、900および2,700mg/kg/1日の群
を17日間の回復期間にわたり維持し、次いで安楽死さ
せた。
【0104】1週間に1回、詳細な臨床検査を行った。
全動物を死亡率、罹患率および毒性の明瞭な徴候につき
毎日2回観察すると共に、投与の直前および投与してか
ら約2時間後に薬理毒性症状につき観察した。体重およ
び食物消費を予備試験および毎週記録した。完全な身体
検査を予備試験の際、並びに投与期間および回復期間の
終了時に行った。検眼鏡検査および心電図検査を馴化期
間の際および投与期間の終了時に行った。臨床的病理学
試験(血液学、血清生化学および尿分析)を予備試験の
際に1回、並びに投与期間および回復期間の終了時に行
った。完全な肉眼病理学検査を全動物につき投与期間お
よび回復期間の後の死体解剖時に行った。絶対的および
相対的な器官重量を選択された器官につき記録した。顕
微鏡検査は全対照動物および高投与量の動物の選択した
組織につき行った。
【0105】全動物は試験終了時まで生き延びた。試験
物質に関連する臨床徴候は1匹の雄にて一過性の嘔吐
と、液状粘稠な軟便および未形成糞であった。嘔吐の発
生は対照と対比し2,700mg/kg/1日の投与量
レベルの雄で増加した。軟便の投与量と関連する増加が
主として900および2,700mg/kg/1日の投
与量レベルにて認められた。2,700mg/kg/1
日を摂取した雄イヌおよび雌イヌは対照と対比して未形
成の液便の発生が顕著に増加した。300および900
mg/kg/1日の投与量レベルの群で観察された発生
率は対照と対比しかろうじて増加した。これら知見にも
拘らず、4週間の投与期間に際し体重または食物消費に
て有意の差は観察されなかった。回復期間に際し、これ
ら臨床徴候の発生は全ての群で同様であった。試験の結
果を下表10に示す。
【0106】
【表10】
【0107】毒物学上有意または試験物質関連の知見は
次のパラメータにて認められなかった:身体検査、検眼
鏡検査および心電図検査:血液学、生化学および尿分析
のパラメータ;器官重量;肉眼および顕微鏡の病理学。
すなわち、全身的毒性の証拠は900mg/kg TI
D(2,700mg/kg/1日)までのレベルにてカ
プセルを介し高分子量の硫酸化多糖類を28日間にわた
り経口投与した後にも雄および雌イヌにて検出されなか
った。
【0108】実施例12 実施例1の方法により作製した本発明による極めて高分
子量の硫酸化多糖類をサルモネラ−大腸菌/哺乳動物−
ミクロソーム復帰突然変異分析、L5178YTK+/
−マウス リンパ腫前進突然変異分析およびインビボに
おけるマウス微小核分析にて突然変異誘発活性につき試
験した。
【0109】サルモネラ−大腸菌/哺乳動物−ミクロソ
ーム復帰突然変異分析(エ−ムス試験)
【0110】この分析は特定のサルモネラ・チフィムリ
ウム(Salmonella typhimurium)試験菌株および大腸菌試
験菌株のゲノムにおける復帰突然変異を誘発する能力に
つき高分子量の硫酸化多糖類および/またはその代謝物
を評価し、これら菌株の両者につきアロクロール(登録
商標)誘発ラット肝臓(S9)から誘導された哺乳動物
ミクロソーム酵素の外因性の代謝活性化系を存在させる
か或いは存在させずに行った。突然変異誘発試験に用い
た試験菌株はサルモネラ・チフィムリウム(Salmonella
typhimurium)TA98、TA100、TA1535、T
A1537、TA1538および大腸菌(エッシェチア
・コリ(Escherichia coli)試験菌株WP2uvrAであ
る。各分析は高分子量の硫酸化多糖類を6回投与するこ
とによって行い、1回の投与につき3枚のプレートをビ
ヒクル(脱イオン水)と同時に使用し、さらに陽性およ
び陰性対照をS9ミックスの存在下および不存在下の両
者で用いた。この試験にて試験した物質の投与量は1枚
のプレート当り66.7、100、333、667、
1,000および1,500μgとした。実験の測定結
果を下表11に示す。
【0111】
【表11】
【0112】表11における結果は、この試験の条件下
で高分子量の硫酸化多糖類がラット肝臓(S9)から調
製されたミクロソーム酵素の存在下または不存在下のい
ずれでも試験菌株のプレートで復帰突然変異体の個数に
プラスの増加を与えないことを示す。
【0113】マウス リンパ腫進行突然変異分析 このインビボ分析は、試験物質がマウス リンパ腫L5
178Y細胞ラインにおけるチミジンキナーゼ(TK)
座にて前進突然変異を誘発する能力を評価する。1回の
突然変異分析を非活性化およびラット肝臓S9代謝活性
化の両条件につき行った。500μg/mL〜5,00
0μg/mLの6回の処理を活性化と共に或いは活性化
なしに開始させた。精々、弱い細胞毒性しか誘発されな
かった。非活性化および活性化の条件下で、6回の分析
した処理はいずれも陽性反応に対する最小基準を越える
突然変異体の頻度を誘発せず、投与量に関連する傾向は
観察されなかった。したがって、高分子量の硫酸化多糖
類は、この試験で用いた非活性化およびS9代謝活性化
の条件下でL5178Yマウス リンパ腫細胞における
TK座の前進突然変異を誘発するか否かについて陰性で
あると考えられる。
【0114】インビボにおけるマウス微小核分析 この分析は、試験物質がCD−1(ICR)マウスの骨
髄多染性赤血球にて微小核を誘発する能力を評価する。
この分析につき800、1600および3200mg/
kgの高分子量硫酸化多糖類の投与レベルを選択した。
10匹の動物(5匹の雄および5匹の雌)を各投与量/
回収時間群にランダムに割付け、40mL/kgにて投
与した。陽性対照群は、投与してから約24時間後に安
楽死させた。高分子量の硫酸化多糖類を投与した動物
は、骨髄を抽出すべく投与してから24時間、48時間
および72時間後に安楽死させた。実験結果を下表12
に示す。
【0115】
【表12】
【0116】これらデータから、ここで用いた高分子量
の硫酸化多糖類はこの分析の条件下で骨髄多染性赤血球
における微小核の有意の増加を誘発しないと結論され、
さらにマウス骨髄微小核試験にて陰性であると考えられ
る。
【0117】実施例13 今回、食事時間またはほぼ食事時間にて約1000mg
の量で実施例1で作製した極めて高分子量の硫酸化多糖
類をヒトに投与すれば全コレステロールおよびLDLの
両者を低下させることが判明した。
【0118】年齢21〜70才の男性もしくは女性から
なる5名のヒト検体を試験集団につき選択した。医学的
病状および薬物乱用の経歴を有するヒト、妊娠の可能性
を有する女性、試験の2週間以内に薬物を摂取したヒ
ト、メトロポリタン・ライフ・インシュアランス・カン
パニー社の表に示されたよりも30%高い或いは20%
低い体重を有するヒト、過去にタバコ製品を使用したヒ
トおよび他の治療剤試験を受けたヒト或いは過去30日
間にわたり試験したヒトを集団から除外した。
【0119】実施例1で作製した実質的に非吸収性の極
めて高分子量の硫酸化多糖類を粉末状で供給し、その1
000mgを沸騰水中で予め混合された8オンスの市販
の既製ダイエット ソフトドリンク(たとえばクリスタ
ル・ライト(登録商標))に添加した。粉末化された硫
酸化多糖類を液体混合物に20分間まで或いは溶解する
まで撹拌混入した。最後に溶液を冷却した後にヒト検体
に投与した。
【0120】調合した投与物は午前8時、12時および
午後6時の食事の直前に毎日3回投与した。この正確な
投与計画を7日間の試験のそれぞれにつき行った。
【0121】血清試料を第1投与の直前、1日目、4日
目、8日目および14日目に各検体から採取し、各試料
を全コレステロールおよびLDLにつき分析した。その
結果を下表13に示す。
【0122】
【表13】
【0123】同じ分析を、上記したと同様にプラシーボ
(クリスタル・ライト(登録商標)のみ)を摂取した検
体の群にき行った。これらプラシーボの結果を下表X1
4に示す。
【0124】
【表14】
【0125】プラシーボ実験および高分子量の硫酸化多
糖類からのコレステロールレベルを下表15に要約す
る。
【0126】
【表15】
【0127】このデータは、実施例1により製造された
高分子量の硫酸化多糖類が血清コレステロールを217
mg/dLから194mg/dLまで10.6%低下さ
せると共にLDL−コレステロールをも156mg/d
Lから129mg/dLまで17.3%低下させること
を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による極めて高分子量の硫酸化多糖類の
13C−NMRスペクトルを示す図である。
【図2】本発明による硫酸化セルロースの各種の構造を
示す図である。
【図3】本発明による極めて高分子量の硫酸化多糖類の
FTIRスペクトルを示す図である。
【図4】Caco−2 細胞におけるコレステロール吸
収の経時的プロットを示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 カーティス エイ. スピルバーグ アメリカ合衆国 94087 カリフォルニ ア州 サニーヴェイル ライト アヴェ ニュー 1626 (72)発明者 デイトン ティー. リアダン アメリカ合衆国 55331 ミネソタ州 エクセルスィオール ブラケッツ ロー ド 22345

Claims (27)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1.0〜3.0のサルフェートとモノマ
    ーとの比を有し、75,000ダルトン未満の分子量を
    有する約5.0重量%未満の硫酸化多糖類を含有しかつ
    0.5重量%未満の無機サルフェートを含有する実質的
    に非吸収性の極めて高分子量の硫酸化多糖類を製造する
    方法であって、(a)水を粗製の乾燥した高分子量の硫
    酸化多糖類と混合して、粗製の硫酸化多糖類水溶液を生
    成させる工程と、(b)粗製の硫酸化多糖類水溶液を第
    1の濾過工程で濾過して濾液を生成させる濾過工程と、
    (c)工程(b)の濾液を500,000もしくはそれ
    以上の分子量カットオフを有する膜を用いて水に対し透
    析濾過して、精製された極めて高分子量の硫酸化多糖類
    を生成させる工程とを備えることを特徴とする極めて高
    分子量の硫酸化多糖類の製造方法。
  2. 【請求項2】 乾燥した高分子量の硫酸化多糖類は、
    (i)セルロースを無水DMFと混合してセルロース/
    無水DMF混合物を生成させる工程と、(ii)三酸化
    硫黄/DMF複合体をセルロース/無水DMF混合物に
    添加してセルロース反応混合物を生成させると共に、こ
    のセルロース反応混合物を硫酸化セルロースを生成する
    のに充分な時間にわたり反応させる工程と、(iii)
    硫酸化セルロースをセルロース反応混合物から分離する
    工程と、(iv)硫酸化セルロースを洗浄する工程と、
    (v)硫酸化セルロースを乾燥させて、粗製の乾燥した
    高分子量の硫酸化多糖類を得る工程とを備える製造方法
    によって製造された硫酸化セルロースである請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 濾過工程(b)が1μmのフィルタで終
    了する順次の濾過を行う工程を含む請求項1に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 精製された極めて高分子量の硫酸化多糖
    類を乾燥すると共に、少なくとも1種の医薬賦形剤と混
    合して粉末化した治療剤を形成する請求項1に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 粉末化した治療剤を医薬上許容しうる投
    与形態物に形成する請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 精製された極めて高分子量の硫酸化多糖
    類を食品中に混入する請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 1.0〜3.0のサルフェートとモノマ
    ーとの比を有し、75,000ダルトン未満の分子量を
    有する約5.0重量%未満の硫酸化多糖類を含有しかつ
    0.5重量%未満の遊離サルフェートを含有する精製さ
    れた極めて高分子量の硫酸化多糖類を製造する方法であ
    って、(a)乾燥された綿リンタを微粉砕して切断綿リ
    ンタを生成させる工程と、(b)切断綿リンタを無水D
    MFに浸漬して綿リンタ懸濁物を形成させる工程と、
    (c)DMF/三酸化硫酸複合体を綿リンタ懸濁物に添
    加して硫酸化反応混合物を生成させると共に、硫酸化反
    応混合物を硫酸化反応が実質的に完結するまで反応させ
    る工程と、(d)塩基水溶液を硫酸化反応混合物に添加
    して、粗製の硫酸化多糖類と反応体水溶液とを含む粗製
    の硫酸化多糖類混合物を形成させる工程と、(e)粗製
    の硫酸化多糖類をDMFおよび反応体水溶液から、粗製
    の硫酸化多糖類混合物をたとえばアセトンなどの適する
    有機溶剤で洗浄することにより分離する工程と、(f)
    水を添加して粗製の硫酸化多糖類混合物の水溶液を調製
    する工程と、(g)粗製の硫酸化多糖類混合物の水溶液
    を濾過して粗製の濾過された第一の硫酸化多糖類を生成
    させる濾過工程と、(h)この粗製の濾過された第一の
    硫酸化多糖類を透析濾過して、精製された極めて高分子
    量の硫酸化多糖類を得る濾過透析工程とを備えることを
    特徴とする極めて高分子量の硫酸化多糖類の製造方法。
  8. 【請求項8】 透析濾過工程を500,000ダルトン
    もしくはそれ以上の分子量カットオフを有する膜で行う
    請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 硫酸化反応混合物を13〜20℃の温度
    に維持する請求項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】 濾過工程(g)が2つもしくはそれ以
    上の濾過工程を含み、各濾過工程が事前の濾過工程で用
    いたよりも小さい細孔寸法を有するフィルタを用いる請
    求項7に記載の方法。
  11. 【請求項11】 (a)乾燥された綿リンタを微粉砕し
    て切断綿リンタを生成させる工程と、(b)切断綿リン
    タを無水DMFに浸漬して綿リンタ懸濁物を形成させる
    工程と、(c)DMF/三酸化硫黄複合体を綿リンタ懸
    濁物に添加して、20℃未満の反応温度を含む硫酸化反
    応条件で硫酸化反応混合物を生成させると共に、硫酸化
    反応混合物を硫酸化反応が実質的に完結するまで反応さ
    せる工程と、(d)塩基水溶液を硫酸化反応混合物に添
    加して、粗製の硫酸化多糖類と反応体水溶液とを含む粗
    製の硫酸化多糖類混合物を生成させる工程と、(e)粗
    製の硫酸化多糖類をDMFおよび反応体水溶液から、粗
    製の硫酸化多糖類混合物をたとえばアセトンなどの適す
    る有機溶剤で洗浄して分離する工程と、(f)水を添加
    して粗製の硫酸化多糖類混合物水溶液を調製する工程
    と、(g)粗製の硫酸化多糖類混合物水溶液を濾過して
    粗製の濾過された第一の硫酸化多糖類を生成させる工程
    と、(h)粗製の濾過された第一の硫酸化多糖類を50
    0,000ダルトンもしくはそれ以上の分子量カットオ
    フを有する膜で透析濾過して、精製された極めて高分子
    量の硫酸化多糖類を得る工程とを備える製造方法によっ
    て製造された、約2のサルフェートとモノマーとの比を
    有し、75,000ダルトン未満の分子量を有する5.
    0重量%未満の硫酸化多糖類を含有しかつ0.5重量%
    未満の遊離サルフェートを含有し、さらに2,000,
    000 Daより大きい平均分子量を有する実質的に非
    吸収性の高分子量の硫酸化多糖類。
  12. 【請求項12】 1.0〜3.0のサルフェートとモノ
    マーとの比を有し、75,000ダルトン未満の分子量
    を有する約5.0重量%未満の硫酸化多糖類を含有しか
    つ0.5重量%未満の無機サルフェートを含有する極め
    て高分子量の硫酸化多糖類を、治療量でヒトに摂取させ
    ることにより投与し、ヒトの血清コレステロールを低下
    させる方法。
  13. 【請求項13】 治療量の高分子量の硫酸化多糖類を食
    事摂取の時間の30分間以内に摂取する請求項12に記
    載の方法。
  14. 【請求項14】 治療量の高分子量の硫酸化多糖類を食
    事と同時に摂取する請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 治療量の高分子量の硫酸化多糖類を摂
    取前の食品に混入する請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 治療量の高分子量の硫酸化多糖類を1
    種もしくはそれ以上のコレステロール合成阻止剤と一緒
    に投与する請求項12に記載の方法。
  17. 【請求項17】 治療量の高分子量の硫酸化多糖類を錠
    剤、カプセル、液体もしくは粉末よりなる群から選択さ
    れる医薬投与形態物にて1種もしくはそれ以上の医薬賦
    形剤と一緒に投与する請求項12に記載の方法。
  18. 【請求項18】 治療量の高分子量の硫酸化多糖類をコ
    レステロール豊富な食餌と共に投与する請求項12に記
    載の方法。
  19. 【請求項19】 約2のサルフェートとモノマーとの比
    を有し、75,000ダルトン未満の分子量を有する
    5.0重量%未満の硫酸化多糖類を含有しかつ0.5重
    量%未満の遊離サルフェートを含有し、さらに2,00
    0,000ダルトンより高い平均分子量を有する実質的
    に非吸収性かつ高分子量の硫酸化多糖類を治療量で摂取
    させ、ヒトの血清コレステロールを低下させる方法。
  20. 【請求項20】 1.0〜3.0のサルフェートとモノ
    マーとの比を有し、75,000ダルトン未満の分子量
    を有する約5.0重量%未満の硫酸化多糖類を含有しか
    つ0.5重量%未満の無機サルフェートを含有する治療
    量の極めて高分子量の硫酸化多糖類からなることを特徴
    とするヒトコレステロール吸収の抑制剤。
  21. 【請求項21】 治療量の高分子量の硫酸化多糖類が1
    0〜5000mgである請求項20に記載の抑制剤。
  22. 【請求項22】 治療量の高分子量の硫酸化多糖類が食
    品に混入される請求項20に記載の抑制剤。
  23. 【請求項23】 治療量の高分子量の硫酸化多糖類が錠
    剤、カプセル、液体もしくは粉末よりなる群から選択さ
    れる医薬投与形態物にて1種もしくはそれ以上の医薬賦
    形剤と一緒に投与される請求項20に記載の抑制剤。
  24. 【請求項24】 約2のサルフェートとモノマーとの比
    を有し、75,000ダルトン未満の分子量を有する
    5.0重量%未満の硫酸化多糖類を含有しかつ0.5重
    量%未満の遊離サルフェートを含有し、さらに2,00
    0,000ダルトンより高い平均分子量を有する実質的
    に非吸収性かつ高分子量の硫酸化多糖類を、10〜50
    00mgの範囲で含有するヒトコレステロール エステ
    ラーゼの抑制剤。
  25. 【請求項25】 食品に混入される請求項24に記載の
    抑制剤。
  26. 【請求項26】 液体、錠剤およびカプセルよりなる群
    から選択される医薬投与形態物に混入される請求項24
    に記載の抑制剤。
  27. 【請求項27】 少なくとも1種の医薬賦形剤を含む請
    求項25に記載の抑制剤。
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