JP2655266B2 - 分散剤およびそれを含有する分散液 - Google Patents

分散剤およびそれを含有する分散液

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JP2655266B2 JP62318611A JP31861187A JP2655266B2 JP 2655266 B2 JP2655266 B2 JP 2655266B2 JP 62318611 A JP62318611 A JP 62318611A JP 31861187 A JP31861187 A JP 31861187A JP 2655266 B2 JP2655266 B2 JP 2655266B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、非極性有機液体中に無機或は有機顔料の如
き微細な粉末状固体を分散させた場合、当該分散系に対
し、優れた流動性と分散安定性を賦与することができる
分散剤に関するものであり、その適用範囲は印刷インキ
や塗料の如き各種被覆用組成物の分野全般に亘るもので
ある。換言すれば、本発明は、高濃度且つ低粘度で経時
的に安定であり、少ない使用量で満足な性能をもった被
覆用顔料分散液を与えることの可能な分散液およびその
様な分散剤を含有することによって、優れた流動性と分
散安定性を有する分散液を提供しようとするのである。
〔従来の技術〕
一般に、印刷インキや塗料の様な各種被覆用の色材組
成物に於て、高い着色力と優れた光沢、鮮明な色調を発
揮することができる有用な顔料は、微細な固体粒子から
成っている。
然し乍ら、公知の各種顔料の如き微細な粒子は、オフ
セットインキ、グラビヤインキ、フレキソインキ及び塗
料におけるが如きビヒクルポリマーを含有する非極性有
機溶剤に分散させた場合、殊に高い顔料濃度に於て、流
動性、貯蔵安定性の優れた色材組成物を得ることが難か
しく、製造工程上、並びに得られた製品の品質に重要な
影響を及ぼす種々の問題を往々にして惹起する。
即ち、微細な粒子から成る顔料を含む濃厚な分散液
は、屡々高粘度を呈し、撹拌、混合する際或は製品を分
散機からとり出す化或は移送時に取扱いが困難になった
り、時には貯蔵中に著しく増粘して使用困難になると
か、フラッディング、フローティング、塗膜光沢の低
下、経時変色など、好ましくない現象が起きる。
非水系の印刷インキ或は塗料は、ビニクルポリマー及
び他の助剤を含有する有機液体を分散媒体とする顔料分
散体であるが、この分散体の流動学的な性質の基本的な
部分は、微細粒子から成る顔料の性質に依存している。
即ち、分散液の流動性が著しく不良であるとか、経時
的な粘度上昇が甚だしい様な分散系にあっては、当該系
内における顔料の凝集が顕著であって、この様な系にお
ける色材は流動性が不良であるだけでなく、良好な分散
状態を保持する色材に比べて展色時の着色力が劣り、粗
大凝集体により塗面に凹凸を生じるので平滑を失うた
め、光沢も著しく低下する傾向があり、従って被塗装物
の商品価値を損う。
つまり、印刷インキの如き高い顔料濃度を有する分散
液にあっては、当該分散液の粘度、流動性を向上させよ
うとすると塗膜の光沢が失われ、光沢を向上させようと
すると、流動性の、貯蔵安定性が損われるなど、流動
性、光沢の両方の適性を満足する様な被覆用色材の製造
は、容易でなかった。
非水系の塗料、或は印刷インキ中における顔料の凝集
を防ぐために、従来さまざまな方法が提案されており、
それらはある程度の効果が認められている。
例えば英国特許第949,739号明細書には、次式 (式中CuPcは銅フタロシアニン基を示し、R1は水素又は
脂肪族基を表わし、R2は脂肪族基を表わすか、又はR1
R2とが、それらの結合する窒素原子と共に複素環式基を
表わし、nは1〜4を示す。)で表される抗凝集性フタ
ロシアニン誘導体の使用が報告されており、同じく英国
特許第1,441,407号明細書には、銅フタロシアニンスル
フォクロライドとp−ドデシルアニリンを反応させて得
られるフタロシアニン顔料用の分散剤が、同じく英国特
許第1,508,576号明細書には、銅フタロシアニンスルホ
ン酸塩と、例えばジドデシル、ジメチルアンモニウムク
ロライドの様なカチオン活性剤の複分解で得られるフタ
ロシアニンスルホン酸の4級アンモニウム塩を分散剤と
して使用する旨の記載があり、米国特許第4,313,766号
明細書には、次式 (式中CuPcは銅フタロシアニン基を示し、R1,R2はアル
キル基或はR1とR2がそれらの結合する窒素原子と共に複
素環式基を示し、m及びnは1乃至4を示す。)で表さ
れるフタロシアニン誘導体が、フタロシアニン顔料の分
散効果を有する旨の記載がある。また、特公昭39−2888
4号、同57−12067号或は特開昭52−33922号等の各明細
書には、フタロシアニンスルホン酸の様々なアミン塩が
同様な目的に的していることが述べられている。
然し乍らこれらのフタロシアニン誘導体系分散助剤
は、それによって処理される顔料が、同様の色調のもの
である場合に用途が限定されるのは言う迄もない。
次に、アゾ系顔料の分散助剤としては、例えば英国特
許第1,139,294号明細書には、次式 で表される様な、ジスアゾイエローのフェニル基の代り
に長鎖アルキル基を有する化合物がジスアゾ系黄色顔料
の分散に有効であると述べられているし、同じく米国特
許第3,532,520号明細書には、次式 で示されるジスアゾイエローのビス(アルキルケチミ
ン)誘導体が、ジスアゾ系黄色顔料の分散助剤として有
効と記載されているが、これらの分散助剤もそれによっ
て処理される顔料が同様の色調或は類似構造を有する化
合物に用途が限定されるのはフタロシアニン顔料シナー
ジストの場合と同様である。
実質的に無色の分散剤の例としては、特開昭55−1122
73号、英国特許第1,313,745号及び西独特許第2,041,033
号等の明細書に述べられている様なある種の尿素誘導体
とか、英国特許第1,445,104号明細書や特公昭58−24463
号明細書にて記載されている様なウレタン誘導体が挙げ
られる。更に英国特許第1,473,380号明細書には、12−
ヒドロキシステアリン酸と3−ジメチルアミノプロピル
アミンの脱水で得られるアミド化合物が顔料分散剤とし
て有効であると述べられており、特公昭54−34009号、
英国特許第1,342,746号、米国特許第3,778,282号等の明
細書には、12−ヒドロキシステアリン酸の様なヒドロキ
シカルボン酸を脱水して得られる末端カルボキシル基含
有のポリエステル或はその塩に係わる分散剤が報告され
ており、又、当該ポリエステルと、ポリ(低級アルキレ
ン)イミンとを反応させて得られる塩、或はアミドより
成る、インキ製造用の顔料分散液を調製するのに有用な
分散剤が特開昭54−37082号、英国特許出願公開第2,00
1,083号、米国特許4,224,212号、西独特許出願公開第2,
830,860号、或は米国特許第3,882,088号等の明細書に述
べられている。
更に、当該ポリエステル末端カルボキシル基を、ジア
ルキルアミノアルコールでエステル化するとか、(ジア
ルキルアミノ)アルキルアミンと反応させてアミド化し
たのち、ジメチル硫酸の様な4級化剤で末端の3級アミ
ングループを4級アンモニウム基にした分散剤に就て
は、特公昭57−25251号、英国特許第1,373,660号明細書
にみられる。
以上述べた各種の試みにもかかわらず、なおかつ高い
顔料濃度における分散液の流動性、発色性に於て充分満
足すべき性能をもった分散剤を得るに至っていない。
加うるに、12−ヒドロキシステアリン酸の様な長鎖脂
肪族ヒドロキシカルボン酸の脱水縮合ポリエステルから
誘導される分散剤は、各種の顔料に対してかなりの汎用
性を有するとは言え、それを含有する分散液例えば金属
インキ、焼付型塗料に使用した場合、塗膜と、金属との
密着性を損うという難点があり、その用途に制限があっ
た。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者等は、前記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研
究を重ねた結果、非極性の有機液体中に、微細な粉末状
固体特に有機、無機顔料を分散させる場合、殊に、高い
顔料濃度に於て当該分散液中における顔料の凝集を防
ぎ、安定な分散液を形成するのに有効で、かつ熱硬化型
塗料或いはインキに使用した場合、塗膜と金属の密着を
低下させない分散剤を見出すことが急務であると考え、
本発明を完成するに至った。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明のうちの第1の発明は、数平均分子量が2000以
下のアルカリ可溶性スチレンアクリル酸共重合体(化学
物I)と、一般式 HO(CH2CH2O)nR (II) (式中、Rは、アルキル基、アルケニル基又はアルキル
フェニル基を、nは、2乃至20の整数を夫々表わす。) で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルケニルエーテル又はポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル(化合物II)とを、夫々
の当量の比に於いてCOOH/OH>1となる割合で脱水反応
させ、次いで得られた反応物と、一般式 (式中、Xは、NH又はOを、Yは、H又は低級アルキル
基を表わす。) で示される環状アミン(化合物III)又はジアザビシク
ロ(2,2,2)オクタンから成る化合物群から選ばれた1
種或いは2種以上とを反応させて得られる反応物(化合
物IV) を含有することを特徴とする分散剤に関する。
また本発明のうちの第2の発明は、粒径が20μm以下
の粉末状固体、その分散媒となる有機液体および、数平
均分子量が2000以下のアルカリ可溶性の、スチレンアク
リル酸共重合体(化合物I)と、 一般式 HO(CH2CH2O)nR (II) (式中、Rは、アルキル基、アルケニル基又はアルキル
フェニル基を、nは、2乃至20の整数を夫々表わす。) で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルケニルエーテル又はポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル(化合物II)とを、夫々
の当量の比に於いてCOOH/OH>1となる割合で脱水反応
させ、次いで、得られた反応物と、一般式 (式中、Xは、NH又はOを、Yは、H又は低級アルキル
基を表わす。) で示される環状アミン(化合物III)又はジアザビシク
ロ(2,2,2)オクタンから成る化合物群から選ばれた1
種或いは2種以上とを反応させて得られる生成物(化合
物IV)を含有する分散剤を含有することを特徴とする分
散液に関する。
ここで言う粉末状固体とは、例えば無機又は有機化合
物としての各種顔料であり、有機液体とは、その様な粉
末状固体を分散させて例えば印刷インキや塗料を形成す
るための非極性溶剤及びバインダー成分としての各種ビ
ヒクルポリマーを意味する。
第1の発明における化学量IVの原料として使用され
る。低分子量のアルカリ可溶性スチレンアクリル酸共重
合体(化合物I)としては、例えばS.C.Johnson社から
市販されている“Johneryl"67又は同じく678,680,682
(商品名)、或はそれらの相当品が工業に入手容易であ
る。とりわけJohncry682の様な比較的分子量の小さい共
重合体が、本配の分散剤原料に適している。これらのア
ルカリ可溶型樹脂は、例えば、米国特許第4,036,652号
明細書、或は米国特許第4,166,811号明細書にみられる
如く、従来水性印刷インキ用のバインダー成分として、
或は水性ビヒクル系における易分散型顔料の製造に有用
であることは公知であるが、これらのポリオキシエチレ
ンアルキル、或はアルケニル、或はアルキルフェニルエ
ーテルとの、カルボキシル基を残した部分エステル化物
を、一般式(III)で示される環状アミンと反応させた
化合物が、非極性有機溶剤系における顔料分散剤として
有用であることは、従来知られていなかった。
本発明に於て使用されるポリオキシエチレンアルキ
ル、或はアルケニル、或はアルキルフェニルエーテル
は、例えば花王(株)から市販されている商品名“エマ
ルゲン”或はその相当品が工業的に入手容易である。ス
チレンアクリル酸共重合体とポリオキシエチレンアルキ
ル、或いはアルケニル、或はアルキルフェニルエーテル
の脱水エステル化反応は、公知の酸触媒、例えばリン
酸、p−トルエンスルフォン酸、テトラ−nブチルチタ
ネート、テトライソプロピルチタネート、或はオースト
ラリヤ特許第493,015号明細書に記載されている如く、
メタンスルフォン酸等の存在下に、好ましくは窒素の用
な不活性ガスを反応系に通すとか、或は脱水エステル化
反応を、水と共沸混合物を形成する用な芳香族炭化水
素、例えばトルエン、キシレンの存在下で行い生成した
水を反応系外に共沸除去するのが有利である。脱水反応
によるエステル化の進行度合は、溜出した水の量と反応
物の酸化を測定することによって判定することが出来、
本発明に於て用いられる部分エステル化されたアクリル
オリゴマーの酸価は20乃至120のものが実用上好適であ
る。次に本発明に於て使用される環状アミンの例として
は、ピペラジン、1−メチルピペラジン、1−エチルピ
ペラジン、モルフォリン、N−メチルモルフォリン、N
−エチルモルフォリン等を挙げることが出来る。本発明
に於て使用し得る他の環状アミンはジアゼザシクロ(2,
2,2)オクタン(略称DABCO)である。DABCOは、ピペラ
ジン等を比較すると高価格であるが、これを単用或はピ
ペラジン等と併用すると、有機顔料の分散に更に優れた
効果が期待出来、顔料が高含量である場合の流動性低下
を防止することが出来る。部分エステル化されたスチレ
ンアクリルオリゴマーとこれらの環状アミンの反応生成
物は、当該アミンのうち活性水素を有するものについて
は塩或はアミドであり、活性水素をもたないアミンに関
しては塩である。酸アミドの生成の有無については、例
えば赤外線吸収スペクトルのチャートから判断すること
が出来る。
本発明に係る分散剤に、又は、共に使用される有機液
体としては、トルエン、キシレンの様な芳香族炭化水
素、ミネラルスピリット、ミネラルターペンの様な石油
系炭化水素、クロロホルム、パークロルエチレン、トリ
クロルエチレン、クロルベンゼンの様なハロゲン化炭化
水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン、イソホロンの様な鎖状又は環状のケ
トン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、セロソ
ルブアセテートの如きエステル類、イソロピルアルコー
ル、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコールの如
きアルコール類が挙げられるが、勿論これらの2種ある
いはそれ以上の混合溶剤であっても良く、又公知のアル
キッド樹脂、エポキシエステル樹脂、エポキシ樹脂、メ
ラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビ樹脂、フェノール
樹脂、ニトロセルロース樹脂などとの混合系であっても
差支えない。
本発明の分散剤によって有機液体中に分散される粉末
状固体は、通常その粒径が20ミクロン以下の微細な固体
であり、例えば二酸化チタン、赤色並びに黄色酸化鉄、
硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、
タルク、クレー、シリカ、磁性酸化鉄、クロム酸鉛、ク
ロム酸亜鉛、クロム酸ストロンチウム、カーボンブラッ
ク、アルミニウム、黄銅、鉄などの様な着色剤、充填
剤、電導材、磁性材その他を包含する各種の無機顔料、
アゾ顔料、レーキ、トナー、フタロシアニン顔料、イソ
インドリノン顔料、キナクリドン顔料、インダンスレン
系顔料、ジオキサジン系顔料の如き有機顔料が挙げられ
るが、特に二酸化チタン、赤色並びに黄色酸化鉄、硫酸
バリウム、炭酸カルシウムの様な有機顔料やレーキ、ト
ナーに於てその効果が顕著である。
本発明に係る分散剤の、分散液中における相対的割合
は、被分散体に対して0.1乃至100%、好ましくは0.1乃
至10%の範囲内で使用するのが有利であり、分散液中の
被分散微粉体含有率は5乃至80%、好ましくは10乃至70
%である。
〔発明の効果〕
以上の様にして調製された分散剤は、例えば特開昭54
−37082号或は特公昭54−34009号明細書に述べられてい
る様な長鎖ポリメチレンオキシカルボン酸縮合ポリエス
ル系分散剤でみられる様に、その配合で得られた塗装材
によって形成される皮膜が、金属との密着を損うという
様な欠点が認められない。
従って本発明に係る顔料分散剤は、表面被覆材への適
用、例えば非水系ペイント、ラッカー及び印刷インキの
製造に使用した場合、特に優れた色濃度、塗膜光沢及び
流動性、貯蔵安定性を示し、とりわけグラビヤ印刷イン
キ又はPCM塗装材用の顔料分散液を調製するのに有用で
ある。
ここに言う顔料分散液とは、顔料−有機液体−分散材
より成る系であって使用目的に応じて所望のビニクルと
配合することにより容易に印刷インキ又は塗布材を調製
し得るので、従来法に較べてミルベースの数を大巾に減
らすことが可能となり、在庫コスト、貯蔵スペースの大
巾な節減が可能となる。
更に応用上の利点を挙げると、通常のミルベースに較
べて遥かに高い顔料濃度においても優れた流動性を保持
し得るので、短時間に練肉出来、労働力、電力、ミリン
グに要する消耗品のコストを低減し得ることから、貯
蔵、輸送コストの節減、附着ロスによる得量減の防止な
どが可能となる。
更に本発明分散剤の応用分野を挙げると、表面極性の
大きい沈降炭酸カルシウムの用な無機顔料のウエットケ
ーキをスラリー状態に於て処理することにより、油性ワ
ニスへのフラッシング時間が大巾に短縮され、分散性の
良好な平版インキを容易に得ることが出来るので、フラ
ッシング助剤としても有用である。
つまり本発明に係る分散剤使用上の利点と特徴を挙げ
ると、(イ)顔料分散時間の短縮とインキ又は塗料ミル
ベース数の削減、(ロ)出来あがったインキ或は塗料中
における顔料分散状態の安定化によるフロキュレーショ
ン、フラッディング、フローティング防止、レベリング
向上、(ハ)顔料フラッシング工程における離水時間の
短縮などを挙げることが出来る。
〔実施例〕
以下に実施例をあげて本発明を一層具体的に説明する
が、勿論、本発明の主旨と適用範囲はこれらの実施例に
よって限定せられるものではない。なお実施例中の部と
は重量部を意味する。
実施例1、分散剤A “Johncryl"682(商品名;S.C.Johnson社製)209.8g
“エマルゲン"105(商品名;花王(株)製、ポリオキシ
エチレンラウリルエーテル、HLB=9.7)155.5g、トルエ
ン35g、オルトチタン酸nブチル0.2gを窒素気流中で168
−170℃に10時間加熱還流してディーンスタークトラッ
プ中に7.6gの水分を溜出分離した。40℃に冷却しトルエ
ン322.6gを加え、次で無水ピペラジン37.0gを加えて113
℃で1時間加熱還流した。常温迄冷却しトルエン37.0g
を加え均一に混合して淡黄カッ色透明稍々粘稠な溶液38
7.2gを得た。このものの不揮発分は49.2%、ガードナー
法による色数7、ガードナー法による粘度D、アミン価
60.2mgKOH/g、酸価40.7mgKOH/gであった。これを減圧下
に蒸発乾固して得られる不揮発分の赤外吸収スペクトル
を測定した結果、夫々1120cm-1に脂肪族エーテル、1735
cm-1にエステルカルボニル1630cm-1及び1550cm-1にアミ
ド基に帰属する吸収帯が認められた。
実施例2、分散剤B “Johncryl"682(Mn=980、Mw=1620,酸価235mgKOH/
g、Sobteningpoint110℃、ガラス転位点50℃)122.0g
“エマルゲン"903(ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル、HLB=7.8)90.3g toluene22.0gオルトチタン
酸n−ブチル0.4gをディーン・スタークトラップの附い
た4ツ口フラスコ中で窒素気流中165〜170℃に於て8時
間加熱還流し4.5gの水分を溜去した。40々に冷却しトル
エン209.0gと無水ピペラジン21.5gを加え、再び1時間
加熱還流し常温迄冷却して淡黄カッ色透明な溶液452.3g
を得た。このものの不揮発分は50.0%、アミン価62.3mg
KOH/g、酸価41.3mgKOH/gであった。
実施例3、分散剤C “Johncryl"682 114.7g、“エマルゲン"210(ポリオ
キシエチレンセチルエーテル、HLB=10.7)112.4g、ト
ルエン20.0g、オルトチタン酸nブチル0.2gを窒素気流
中170〜172℃で7時間加熱還流しディーンスタークトラ
ップに水分を溜出せしめた4.1gの水が分離した。これを
40℃に冷却し無水ピペラジン39.6gトルエン220gを加え
1時間加熱還流した。常温迄冷却して淡黄カッ色透明な
溶液463.4gを得た。これの不揮発分は51.0%、アミン価
50.0mgKOH/g、酸価35.1mgKOH/gであった。
実施例4、分散剤D “Johncryl"682 43.9g、“エマルゲン"905(ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル、HLB=9.2)34.1
g、トルエン10g、オルトチタン酸nブチル0.1gを加え同
様にして窒素気流中7時間加熱還流し1.4gの水分を溜去
した。40℃に冷却し無水ピペラジン8.6gとトルエン66.6
gを加え1時間還流した。冷却し153.1gの淡黄カッ色透
明な溶液を得た。不揮発分49.5%アミン価59.8mgKOH/
g、酸価39.6mgKOH/gであった。
実施例5、分散剤E “Johncryl"682 99.1g、“エマルゲン"903 75.0gトル
エン20gオルトチタン酸ノルマルブチル0.2gを混合し、
窒素気流中、160−170℃で7時間還流し3.8gの水を溜去
した。生成物にトルエン150.4gを加え冷却して淡黄カッ
色透明な溶液336.7gを得た。樹脂溶液の不揮発分は50.8
%、酸価は46.4mgKOH/gであった。当該樹脂溶液100gを
とり、モルフォリン7.2gとトルエン7.2を加え116℃で1
時間加熱撹拌還流した。淡黄カッ色透明な分散剤144.4g
を得た。このものの酸価は44.2mgKOH/g、アミン価42.2m
gKOH/gであった。
実施例6、分散剤F 実施例5で使用した樹脂溶液100.0gとN−メチルモル
フォリン8.3gを混合し116℃で1時間還流した。生成物
の酸価は48.2mgKOH/g、アミン価は43.6mgKOH/gであっ
た。
実施例7、分散剤G 実施例5で使用した樹脂溶液100gと、N−メチルピペ
ラジン8.3gを混合し、116〜118℃で1時間還流した。生
成物の酸価は45.6mgKOH/g、アミン価は84.1mgKOH/gであ
った。
実施例8、分散剤H “Johncryl"682 119.4g“エマルゲン"404(ポリオキ
シエチレンオレイルエーテル、HLB=8.8)119.9g、トル
エン24.0g、オルトチタン酸ノルマルブチル0.2gを混合
し窒素気流中で7時間還流してディーン・スタークトラ
ップ中4.5gの水分を分離した。反応生成物を40℃に冷却
し無水ピペラジン21.5gトルエン147.3gを加え115〜116
℃で1時間還流した。淡黄カッ色透明な溶液425.0gを得
た。このものの不揮発分は50.0%、アミン価64.4mgKOH/
g、酸価38.1mgKOH/gであった。
実施例9、分散剤I “Johncryl"682 477.7g、“エマルゲン"105 362.1g、
トルエン84.0g、オルトチタン酸nブチル0.5gを窒素気
流中で7時間還流してディーン・スタークトラップ中に
18.0gの水を分離した。反応混合物を120℃/30mmHgの減
圧下で3時間保ってトルエンを溜出除去した。
これを40℃に冷却しイソプロピルアルコール606.7gを
加えて撹拌溶解し、無水ピペラジン88.3gを添加し、70
℃で1時間撹拌した。冷却後とり出し1534.8gの淡黄カ
ッ色透明、稍々粘稠な溶液を得た。このものの酸価は4
7.0mgKOH/g、アミン価は73.9mgKOH/gであった。
実施例10 ルチル型チタン白SR−1A(堺化学製)70部、分散剤A5
部、キシレン25部の混合物に径3mmのガラスビーズ150部
を加えレッドデビル社製ペイントシェーカーで3時間振
盪して解膠、分散させた。分散液は良好な流動性を示し
貯蔵安定性も優れていた。一方分散剤を添加しない系に
あっては混合物は粘着塊状を呈し非流動的であった。
実施例11 チオキシドR−CR−3(BTP社製ルチル型チタン白の
被覆型)60部、分散剤B6部、トルエン34部の混合物を径
3mmのガラスビーズ150部と共にレッドデビル社製ペイン
トシェーカーで3時間振盪して解膠、分散させた。分散
液は良好な流動性を示したが、分散剤を添加しない系に
あっては混合物は凝結状態にあり非流動的であった。
実施例12 赤色酸化鉄140M(バイエル社製商品名)60部、イソホ
ロン/ソルベッソ150=1/1の混合溶剤35部、分散剤C5部
の混合物にφ3mmのガラスビーズ150部を添加し、レッド
デビル社製ペイントシェーカーで3時間振盪し解膠、分
散させた。分散液の流動性は良好であったが分散剤を配
合しない系にあっては粘着塊状を呈し非流動性であっ
た。
実施例13 “Carmine 6B"Toner750(大同化成製商品名:C.I.Pigm
ent Red57)20部、トルエン40部、メチルエチルケトン2
5部、酢酸エチル10部分散剤D5部を径3mmのスチールボー
ル200部と共にレッドデビル社製ペイントシェーカーで
3時間振盪して解膠分散させた。分散液は良好な流動性
を示しグラビヤ印刷インキの製造に適しており、すくな
くとも一週間は凝集、沈降が認められなかった。
実施例14 “タイペーク"R−850(商品名;石原産業(株)製、
二酸化チタン)60部、トルエン20部、メチルエチルケト
ン10部、酢酸エチル5部分散剤E5部を径3mmのガラスビ
ーズ150部と共にペイントシェーカーで3時間振盪して
解膠分散させた。分散液は良好な流動性を示しグラビヤ
印刷インキの製造に適していた。他方分散剤を配合しな
い系ではビーズは全く動かず分散状態の良好な分散ペー
ストを得ることが出来なかった。
実施例15 レジノレッドBH−1(商品名;レジノ・カラー製C.I.
Pigment Red48−3)15部、トルエン25部、分散剤F2部
を径3mmのスチールボール100部と共にペイントシェーカ
ーで5時間振盪して充分に解膠、分散させた。分散液は
良好な流動性を示しグラビヤ印刷インキの製造に適して
おり長時間放置後も凝集、或は沈降の現象はみられなか
った。
実施例16 “Irgazine"Yellow2GLTE(商品名;CIBA−Geigy社製、
C.I.Pigment Yellow109)20部、トルエン45部、メチル
エチルケトン25部、酢酸エチル5部、分散剤G5部を径3m
mのスチールボール200部と共に3時間ペイントシェーカ
ーで振盪解膠して分散液を調製した。分散液は良好な流
動性を示し、グラビヤ印刷インキの製造に適しており、
一週間経過後も流動性に変化が認められなかった。
実施例17、分散剤J “Johncryl"682 119.5g、“エマルゲン"105 90.5g、
トルエン23.3g、ジブチル錫オキサイド0.1gを混合し、
窒素気流中で170〜172℃に於て8時間還流し、4.5gの水
をディーン・スタークトラップに分離させた。
生成物の不揮発分は90.0%、酸価は78.7mgKOH/gであ
った。
この部分エステル化物219.6gにトルエン206.2gを加え
均一な溶液としたのち、ジアザビシクロ(2,2,2)オク
タン17.3gを30゜〜35℃で添加し溶解したのち、35℃で
1時間撹拌し、次で無水ピペラジン13.3gを加え、113℃
で1時間撹拌還流し、冷却した。淡黄褐色透明な分散溶
液454.2g(不揮発分46.5%)を得た。
このものの酸価は39.0mgKOH/g、アミン価は75.5mgKOH
/g、ガードナー法による粘度はA以下であり、色数は8
であった。
実施例18 “ファストゲン”スーパーマゼンタR(商品名;大日
本インキ化学工業(株)製:C.I.Pigment Violet19)24
部、実施例17の分散剤(分散剤J)1.2部、“スーパー
ベッカミン"L−105(商品名;同上製)4部、“ソルベ
ッソ"150(商品名)70.8部を径3mmのスチールボール200
部と共にレッド・デビル社製ペイントコンディショナー
で2時間振盪して解膠、分散させた。分散液の粘度は25
℃に於てB型粘度計60回転の粘度が400cpsであった。分
散液は良好な流動性を示し、PCM塗装材料のミル・ベー
ス製造に適しており、1週間放置後も顔料の沈降分離、
或は粘度の変化が認められなかった。分散剤Jの代りに
分散剤Aを使用した場合の分散液粘度は4000cpsであっ
た。又、分散剤を使用しない系では組成物は非流動的で
PCM塗装材ミルベースの製造は不適当であった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数平均分子量が2000以下のアルカリ可溶性
    の、スチレンアクリル酸共重合体(化合物I)と、 一般式 HO(CH2CH2O)nR (II) (式中、Rは、アルキル基、アルケニル基又はアルキル
    フェニル基を、nは、2乃至20の整数を夫々表わす。) で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
    オキシエチレンアルケニルエーテル又はポリオキシエチ
    レンアルキルフェニルエーテル(化合物II)とを、夫々
    の当量の比に於いてCOOH/OH>1となる割合で脱水反応
    させ、次いで、得られた反応物と、一般式 (式中、Xは、NH又はOを、Yは、H又は低級アルキル
    基を表わす。) で示される環状アミン(化合物III)又はジアザビシク
    ロ(2,2,2)オクタンから成る化合物群から選ばれた1
    種或いは2種以上とを反応させて得られる生成物(化合
    物IV) を含有することを特徴とする分散剤。
  2. 【請求項2】生成物(化合物IV)がアミン塩、アミド又
    は両者の混合物である特許請求の範囲第1項記載の分散
    剤。
  3. 【請求項3】粒径が20μm以下の粉末状固体、その分散
    媒となる有機液体および、数平均分子量が2000以下のア
    ルカリ可溶性の、スチレンアクリル酸共重合体(化合物
    I)と、 一般式 HO(CH2CH2O)nR (II) (式中、Rは、アルキル基、アルケニル基又はアルキル
    フェニル基を、nは、2乃至20の整数を夫々表わす。) で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
    オキシエチレンアルケニルエーテル又はポリオキシエチ
    レンアルキルフェニルエーテル(化合物II)とを、夫々
    の当量の比に於いてCOOH/OH>1となる割合で脱水反応
    させ、次いで、得られた反応物と、一般式 (式中、Xは、NH又はOを、Yは、H又は低級アルキル
    基を表わす。) で示される環状アミン(化合物III)又はジアザビシク
    ロ(2,2,2)オクタンから成る化合物群から選ばれた1
    種或いは2種以上とを反応させて得られる生成物(化合
    物IV)を含有する分散剤を含有することを特徴とする分
    散液。
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