JP2654833B2

JP2654833B2 - 吸収冷凍装置

Info

Publication number: JP2654833B2
Application number: JP33639489A
Authority: JP
Inventors: 修行井上
Original assignee: Ebara Corp
Current assignee: Ebara Corp
Priority date: 1989-12-27
Filing date: 1989-12-27
Publication date: 1997-09-17
Anticipated expiration: 2012-09-17
Also published as: JPH03199862A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は吸収冷凍機に係り、特に、単効用と、二重効
用とを組み合せ全体としては三重効用吸収冷凍機として
働き、圧力容器の点検は高圧段側だけでよい吸収冷凍機
に関する。

〔従来の技術〕

従来、二重効用、三重効用等の多重効用吸収冷凍機は
公知であり、高温発生器、中温発生器、低温発生器、凝
縮器、吸収器、蒸発器及び熱交換器類を主要構成機器と
する三重効用吸収冷凍機は、高温発生器の内圧（溶液の
飽和温度）が高くなりがちであり、また、吸収器から出
た希溶液は、熱交換器を通って全量高温発生器に導入さ
れている。

高温発生器の内圧は、圧力容器としての法規制によ
り、所定の圧力以下で運転するのが一般的である。これ
は、圧力容器としての分類でも異なるが、高い圧力とな
るほど機器の製作費が高くなるためである。

しかし、高温発生器の内圧は、冷却水温度が高くなる
に連れて、高くなるし、また、負荷が増えるに従い、す
なわち全負荷近くになるに従い高くなるため、冷却水温
度が高いときとか、全負荷近くの場合の運転をどのよう
にするかという問題があった。

また、二重効用吸収冷凍機においては、吸収器からの
希溶液を分岐して、一部を低温発生器に導入したり、排
熱回収を有効に行う方法等の技術が開発されているが、
三重効用吸収冷凍機においては、いまだ十分に熱量の有
効利用を図った省エネルギー面の研究はなされていなか
った。

〔発明が解決しようとする課題〕

そこで、本発明は、上記のような問題点を解決し、圧
力容器としての点検は高圧段側だけでよく、また二重効
用サイクル単独でも運転でき、しかもエネルギーの有効
利用を図った吸収冷凍装置を提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明では、高温発生
器、吸収器、蒸発器、溶液熱交換器、および外部凝縮器
を主要構成機器とし、これらを溶液配管、冷媒配管で結
んで単効用サイクルを構成する高圧段冷凍機と、中温発
生器、低温発生器、凝縮器、吸収器、蒸発器、および低
温溶液熱交換器、中温溶液熱交換器を主要構成機器と
し、これらを溶液配管、冷媒配管で結んで二重効用サイ
クルを構成する低圧段冷凍機からなり、低圧段の中温発
生器加熱部には、高圧段の高温発生器からの冷媒及び外
部熱源の両方を受け入れ可能に接続したことを特徴とす
る吸収冷凍装置としたものである。

そして、前記吸収冷凍装置において、低圧段の中温発
生器加熱部への外部熱源の導入には、（１）弁切り換え
により、該加熱部における同一伝熱部を利用する方法
と、（２）伝熱部を２系統設ける方法とがある。

すなわち、（１）の方法では、高圧段の高温発生器と
低圧段の中温発生器加熱部との間の冷媒配管、及び低圧
段の中温発生器加熱部と外部熱源との間の配管の両配管
中に弁を設けたものであり、また、（２）の方法では、
低圧段の中温発生器加熱部に、高圧段の高温発生器から
の冷媒を受け入れる伝熱部と、外部熱源を受け入れる伝
熱部とを別々に設けたものである。

〔作用〕

本発明においては、高圧段の冷凍機は、通常の単効用
吸収冷凍機において、凝縮器を外部にもうけ、さらに冷
却媒体として、低圧段の溶液を用いたものである。一
方、低圧段の冷凍機は、通常の二重効用吸収冷凍機にお
いて、熱源を、高圧段からの冷媒蒸気と外部熱源の両方
から受け入れるようにしたものである。

そして、低圧段の中温発生器を高圧段高温発生器から
の冷媒を受け入れ、高圧段の外部凝縮器として働かせる
場合、全体の冷凍装置は、三重効用サイクルになる。

また、切り替えて、低圧段の中温発生器に外部熱源を
入れる場合は、高圧段冷凍機は、休止状態になる。低圧
段側が、二重効用運転になる。

伝熱部が２系統ある場合には、高温発生器からの冷媒
に加えて外部熱源も入れてもよいが、三重効用とは違っ
た運転になる。入れ具合いで変化する。

〔実施例〕

以下、図面を参照にして本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれに限定されない。

第１図は、本発明の吸収冷凍装置の一例を示す概略工
程図である。

第１図に記載のように、本発明の吸収冷凍装置は、中
温発生器と低温発生器をもつ低圧段冷凍機と、高温発生
器をもつ高圧段冷凍機からなっている。

まず、低圧段冷凍機では、吸収器２からの希溶液は溶
液ポンプ８により、低温溶液熱交換器６、冷媒ドレン熱
交換器14、中温溶液熱交換器７の被加熱側を順次通って
熱交換して温度を高めて、中温発生器４に導入される。
中温発生器４では、高圧段冷凍機の高温発生器12から発
生する冷媒蒸気により加熱されて溶液の濃縮が行われ、
この際発生する冷媒蒸気は、管32から低温発生器５の加
熱側に導かれる。一方、濃縮された溶液は管28から中温
溶液熱交換器７の加熱側を通って冷されてから管29から
低温発生器５に導かれ、さらに濃縮されて、管30から低
温溶液熱交換器６の加熱側を通って管31から吸収器２に
入り冷媒ガスを吸収する。

一方、中温発生器４で発生し、低温発生器５の加熱側
を通った冷媒蒸気は管23を通り、低温発生器５で発生し
た冷媒蒸気と共に濃縮器３に導かれ、冷却水23によって
冷却されて凝縮し、管34から蒸発器１に導かれる。蒸発
器１では、冷媒液は冷水20から熱を奪い冷凍効果を発揮
して蒸発する。蒸発した冷媒蒸気は吸収器２で溶液に吸
収され、蒸発しない冷媒は、冷媒ポンプ９により管35を
通り蒸発器１に循環される。

高圧段冷凍機では、吸収器11からの希溶液は溶液ポン
プ18により、溶液熱交換器13の被加熱側を通り、管41か
ら高温発生器12に導かれる。高温発生器12では、外部熱
源25により加熱されて溶液の濃縮が行われ、この際発生
する冷媒蒸気は、管44から、低圧段冷凍機の中温発生器
４の加熱側を通り、次で、管45から冷媒ドレン熱交換器
14の加熱側を通り、さらに、冷媒ドレン冷却器15で冷却
水により冷却されて、蒸発器10に導入される。一方、高
温発生器12で濃縮された溶液は、管42から溶液熱交換器
13の加熱側を通り、管43から吸収器11に入る。

蒸発器10では、低圧段冷凍機で冷却された冷水20が導
入され、この冷水から熱を奪い冷媒液が蒸発して冷凍効
果を発揮する。蒸発した冷媒蒸気は吸収器11で溶液に吸
収され、蒸発しない冷媒は、冷媒ポンプにより管47を通
り蒸発器10に循環される。

この装置において、冷却水は、まず低圧段冷凍機の吸
収器２を通り、次いで、凝縮器３を冷却して、更に高圧
段冷却機の吸収器11に導入される経路で流れる。

また、高温発生器12において、外部熱源25として蒸気
を用いた場合は、高温発生器12を加熱してドレンになっ
た蒸気を管48で引き出し、低圧段冷凍機の中温溶液熱交
換器７を出た希溶液の加熱用である中温ドレン熱交換器
16の加熱側に通し、該熱交換器16を出たドレンを、さら
に、希溶液の冷媒ドレン熱交換器14の後に設けた低温ド
レン熱交換器17の加熱側を通して十分を排熱利用をす
る。

このような運転において、高圧段の圧力が高くなりす
ぎて、三重効用サイクルの運転が不能になった場合は、
高温発生器12への熱源25を弁52を閉とすることにより停
止する。次いで、冷媒蒸気の供給を弁54を閉にして止
め、さらに冷媒管46に設けた弁55を閉にして冷媒循環系
を止める。そして、熱源25を弁53と弁56を開にすること
により低圧段の中温発生器の加熱側に通す。そうするこ
とにより、高圧段冷凍機は停止状態になり、低圧段冷凍
機の二重効用運転となる。

第２図は、本発明の吸収冷凍装置の他の一例を示す概
略工程図である。

第２図においては、第１図の弁53,54,55,56に代え
て、熱源からの配管36が低圧段の中温発生器の伝熱部を
通り配管37で熱源のドレン配管48に接続している。そし
て、他の機器類及び通常運転時においては第１図と同じ
である。また、配管37及び配管48にはチェッキ弁38及び
39を設けてもよい。

このような装置とすると、高圧段の圧力が高くなった
場合は、熱源25の弁51,52を調整することにより、高温
発生器への熱量をコントロールすると共に、低圧段の中
温発生器にも熱源を送ることができる。

なおこれらの例では、低圧段冷凍機をシリーズフロー
で示したが、パラレルフロー機、分岐フロー機でもよ
い。

〔発明の効果〕

本発明によると、全体としては三重効用吸収冷凍機と
して働き、しかも、圧力容器としての点検は高圧段側だ
けですむ。また、高圧段の圧力が所定の圧力以上となっ
た場合は、高圧段への熱源を停止して、低圧段の中温発
生器へ熱源を送ることができ、そうすれば、低圧段は高
圧段と切り離されて二重効用吸収冷凍機として働く。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の吸収冷凍機の一例を示す概略工程図
であり、第２図は、本発明の吸収冷凍機の他の例を示す
概略工程図である。 1,10……蒸発器、2,11……吸収器、３……凝縮器、４……中温発生器、５……低温発生器、６……低温溶液熱交換器、７……中温溶液熱交換器、 8,18……溶液ポンプ、 9,19……冷媒ポンプ、 12……高温発生器、 13……溶液熱交換器、 14……冷媒ドレン熱交換器、 15……冷媒ドレン冷却器、 16……中温ドレン熱交換器、 17……低温ドレン熱交換器、 20,21……冷水、22,23,24……冷却水、 25……熱源、38,39……チェッキ弁、 51〜56……弁

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】高温発生器、吸収器、蒸発器、溶液熱交換
器、および外部凝縮器を主要構成機器とし、これらを溶
液配管、冷媒配管で結んで単効用サイクルを構成する高
圧段冷凍機と、中温発生器、低温発生器、凝縮器、吸収
器、蒸発器、および低温溶液熱交換器、中温溶液熱交換
器を主要構成機器とし、これらを溶液配管、冷媒配管で
結んで二重効用サイクルを構成する低圧段冷凍機からな
り、低圧段の中温発生器加熱部には、高圧段の高温発生
器からの冷媒及び外部熱源の両方を受け入れ可能に接続
したことを特徴とする吸収冷凍装置。
【請求項２】高圧段の高温発生器と低圧段の中温発生器
加熱部との間の冷媒配管、及び低圧段の中温発生器加熱
器と外部熱源との間の配管の両配管中に弁を設けること
を特徴とする請求項１記載の吸収冷凍装置。
【請求項３】低圧段の中温発生器加熱部には、高圧段の
高温発生器からの冷媒を受け入れる伝熱部と、外部熱源
を受け入れる伝熱部とを別々に設けたことを特徴とする
請求項１記載の吸収冷凍装置。