JP2653158B2 - ダイヤモンド被覆炭化タングステン基超硬合金製工具部材 - Google Patents
ダイヤモンド被覆炭化タングステン基超硬合金製工具部材Info
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- JP2653158B2 JP2653158B2 JP5053489A JP5053489A JP2653158B2 JP 2653158 B2 JP2653158 B2 JP 2653158B2 JP 5053489 A JP5053489 A JP 5053489A JP 5053489 A JP5053489 A JP 5053489A JP 2653158 B2 JP2653158 B2 JP 2653158B2
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- cemented carbide
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、炭化タングステン(以下WCで示す)基超
硬合金基体の表面に対するダイヤモンド被覆層の密着強
度が著しく高いダイヤモンド被覆WC基超硬合金製工具部
材に関するものである。
硬合金基体の表面に対するダイヤモンド被覆層の密着強
度が著しく高いダイヤモンド被覆WC基超硬合金製工具部
材に関するものである。
一般に、結合相形成成分としてCo:1〜25%、を含有
し、さらに必要に応じて、 分散相形成成分としてWを除く元素周期律表の4a、5
a、および6a族金属の炭化物、並びにこれらのWCを含む
2種以上の固溶体(以下これらを総称して「金属炭化
物」という)のうちの1種または2種以上:0.5〜30%、 を含有し、残りが同じく分散相形成成分としてのWCと不
可避不純物からなる組成(以下重量%、以下%は重量%
を示す)を有するWC基超硬合金基体の表面に、所定の寸
法出しのための研削を施し、ついで、例えば硝酸や硫酸
などの希釈酸性水溶液を用いてのエツチングによる基体
表面Co除去処理を施した状態で、通常の気相合成法にて
ダイヤモンド被覆層を0.5〜20μmの平均層厚で形成し
てなるダイヤモンド被覆WC基超硬合金製工具部材が、例
えばスローアウエイチツプやエンドミル、さらに小径ド
リルやドリルなどの切削工具部材、さらに各種の耐摩耗
工具部材として適用されていることは良く知られるとこ
ろである。
し、さらに必要に応じて、 分散相形成成分としてWを除く元素周期律表の4a、5
a、および6a族金属の炭化物、並びにこれらのWCを含む
2種以上の固溶体(以下これらを総称して「金属炭化
物」という)のうちの1種または2種以上:0.5〜30%、 を含有し、残りが同じく分散相形成成分としてのWCと不
可避不純物からなる組成(以下重量%、以下%は重量%
を示す)を有するWC基超硬合金基体の表面に、所定の寸
法出しのための研削を施し、ついで、例えば硝酸や硫酸
などの希釈酸性水溶液を用いてのエツチングによる基体
表面Co除去処理を施した状態で、通常の気相合成法にて
ダイヤモンド被覆層を0.5〜20μmの平均層厚で形成し
てなるダイヤモンド被覆WC基超硬合金製工具部材が、例
えばスローアウエイチツプやエンドミル、さらに小径ド
リルやドリルなどの切削工具部材、さらに各種の耐摩耗
工具部材として適用されていることは良く知られるとこ
ろである。
しかし、上記の従来ダイヤモンド被覆WC基超硬合金製
工具部材においては、WC基超硬合金基体表面に対するダ
イヤモンド被覆層の密着強度が低いために、例えばこれ
をAl−Si合金などの断続切削や、高送りおよび高切込み
などの重切削などに用いた場合に剥離が発生し易く、相
対的にきわめて短かい使用寿命しか示さないのが現状で
ある。
工具部材においては、WC基超硬合金基体表面に対するダ
イヤモンド被覆層の密着強度が低いために、例えばこれ
をAl−Si合金などの断続切削や、高送りおよび高切込み
などの重切削などに用いた場合に剥離が発生し易く、相
対的にきわめて短かい使用寿命しか示さないのが現状で
ある。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、上記
の従来ダイヤモンド被覆WC基超硬合金製工具部材に着目
し、これらのダイヤモンド被覆層のWC基超硬合金基体表
面に対する密着強度を向上せしめるべく研究を行なつた
結果、上記の従来ダイヤモンド被覆WC基超硬合金製工具
部材においては、これを構成する基体表面に対するX線
回折で、WCの(211)面に、単一のピーク波形か、ある
いは高低差のある2つの連続ピーク波形が現われ、かつ
前記2つの連続ピーク波形の場合、2つの連続ピーク間
の谷部から高い方のピーク高さをL、同じく低い方のピ
ーク高さをlとすると、L/lが40以上になる回折曲線を
示すが、前記基体に、表面研削とCo除去処理の間で、非
酸化性雰囲気中、1000〜1500℃の所定温度に所定時間保
持の熱処理を施すと、ダイヤモンド被覆層形成後の基体
は、その表面に対するX線回折で、WCの(211)面に現
われる波形が、第1図に例示されるように上記の2つの
連続ピーク波形ではあるが、L/lの比が35以下の高低差
の小さくなつた回折曲線を示すようになり、このような
波形の変化は、表面研削時に基体表面に圧着あるいはこ
れに圧入して剥離の起点となつていた研削屑が加熱時に
結合相に固溶し、凝固時に析出して結晶化することによ
る基体との一体化およびこれに伴なう基体表面の粗面
化、並びに研削時に発生した表面部内部歪の除去に原因
するものであると推定され、上記波形を示すダイヤモン
ド被覆WC基超硬合金製工具部材においては、ダイヤモン
ド被覆層のWC基超硬合金基体表面に対する密着強度が著
しく高く、したがつて、これを、上記の各種切削工具部
材や、さらに各種のダイスやプリンターヘツド、さらに
熱間加工用ガイドローラや製管用シーミングロールなど
の耐摩耗工具部材として用いた場合に、すぐれた性能を
著しく長期に亘つて発揮するようになるという知見を得
たのである。
の従来ダイヤモンド被覆WC基超硬合金製工具部材に着目
し、これらのダイヤモンド被覆層のWC基超硬合金基体表
面に対する密着強度を向上せしめるべく研究を行なつた
結果、上記の従来ダイヤモンド被覆WC基超硬合金製工具
部材においては、これを構成する基体表面に対するX線
回折で、WCの(211)面に、単一のピーク波形か、ある
いは高低差のある2つの連続ピーク波形が現われ、かつ
前記2つの連続ピーク波形の場合、2つの連続ピーク間
の谷部から高い方のピーク高さをL、同じく低い方のピ
ーク高さをlとすると、L/lが40以上になる回折曲線を
示すが、前記基体に、表面研削とCo除去処理の間で、非
酸化性雰囲気中、1000〜1500℃の所定温度に所定時間保
持の熱処理を施すと、ダイヤモンド被覆層形成後の基体
は、その表面に対するX線回折で、WCの(211)面に現
われる波形が、第1図に例示されるように上記の2つの
連続ピーク波形ではあるが、L/lの比が35以下の高低差
の小さくなつた回折曲線を示すようになり、このような
波形の変化は、表面研削時に基体表面に圧着あるいはこ
れに圧入して剥離の起点となつていた研削屑が加熱時に
結合相に固溶し、凝固時に析出して結晶化することによ
る基体との一体化およびこれに伴なう基体表面の粗面
化、並びに研削時に発生した表面部内部歪の除去に原因
するものであると推定され、上記波形を示すダイヤモン
ド被覆WC基超硬合金製工具部材においては、ダイヤモン
ド被覆層のWC基超硬合金基体表面に対する密着強度が著
しく高く、したがつて、これを、上記の各種切削工具部
材や、さらに各種のダイスやプリンターヘツド、さらに
熱間加工用ガイドローラや製管用シーミングロールなど
の耐摩耗工具部材として用いた場合に、すぐれた性能を
著しく長期に亘つて発揮するようになるという知見を得
たのである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであ
つて、 結合相形成成分としてCo:1〜25%、 を含有し、さらに必要に応じて、 分散相形成成分として金属炭化物のうちの1種または
2種以上:0.5〜30%、 を含有し、残りが分散相形成成分としてのWCと不可避不
純物からなる組成を有するWC基超硬合金基体の研削表面
に、気相合成法によるダイヤモンド被覆層を0.2〜20μ
mの平均層厚で形成してなるダイヤモンド被覆WCの基超
硬合金製工具部材において、 上記ダイヤモンド被覆層形成後の基体が、その表面に
対するX線回折で、WCの(211)面に、高低差のある2
つの連続ピークからなり、かつ前記連続ピーク間の谷部
から高い方のピーク高さをL、同じく低い方のピーク高
さをlとした場合、L/l:35以下を満足する波形が現われ
る回折曲線を示すダイヤモンド被覆WC基超硬合金製工具
部材(以下被覆超硬部材と略記する)に特徴を有するも
のである。
つて、 結合相形成成分としてCo:1〜25%、 を含有し、さらに必要に応じて、 分散相形成成分として金属炭化物のうちの1種または
2種以上:0.5〜30%、 を含有し、残りが分散相形成成分としてのWCと不可避不
純物からなる組成を有するWC基超硬合金基体の研削表面
に、気相合成法によるダイヤモンド被覆層を0.2〜20μ
mの平均層厚で形成してなるダイヤモンド被覆WCの基超
硬合金製工具部材において、 上記ダイヤモンド被覆層形成後の基体が、その表面に
対するX線回折で、WCの(211)面に、高低差のある2
つの連続ピークからなり、かつ前記連続ピーク間の谷部
から高い方のピーク高さをL、同じく低い方のピーク高
さをlとした場合、L/l:35以下を満足する波形が現われ
る回折曲線を示すダイヤモンド被覆WC基超硬合金製工具
部材(以下被覆超硬部材と略記する)に特徴を有するも
のである。
なお、この発明の被覆超硬部材において、基体のCo含
有量を1〜25%と限定したのは、その含有量が1%未満
では所望の靭性および強度を確保することができず、一
方その含有量が25%を越えると、耐摩耗性の低下が著し
い(特に切削工具部材にあつては10%以下の含有が望ま
しい)という理由によるものであり、また耐摩耗性を向
上させる目的で必要に応じて含有される金属炭化物の含
有量を0.5〜30%としたのは、その含有量が0.5%未満で
は所望の耐摩耗性向上効果が得られず、一方その含有量
が30%を越えると靭性の低下が著しいという理由による
ものであり、さらにダイヤモンド被覆層の平均層厚を0.
5〜20μmとしたのは、その平均層厚が0.5μm未満では
所望の耐摩耗性を確保することができず、一方その平均
層厚が20μmを越えると、被覆層に欠けやチツピングが
発生し易くなるという理由によるものである。
有量を1〜25%と限定したのは、その含有量が1%未満
では所望の靭性および強度を確保することができず、一
方その含有量が25%を越えると、耐摩耗性の低下が著し
い(特に切削工具部材にあつては10%以下の含有が望ま
しい)という理由によるものであり、また耐摩耗性を向
上させる目的で必要に応じて含有される金属炭化物の含
有量を0.5〜30%としたのは、その含有量が0.5%未満で
は所望の耐摩耗性向上効果が得られず、一方その含有量
が30%を越えると靭性の低下が著しいという理由による
ものであり、さらにダイヤモンド被覆層の平均層厚を0.
5〜20μmとしたのは、その平均層厚が0.5μm未満では
所望の耐摩耗性を確保することができず、一方その平均
層厚が20μmを越えると、被覆層に欠けやチツピングが
発生し易くなるという理由によるものである。
また、WCの(211)面に現われる2つの連続ピーク波
形におけるL/lの割合が、従来被覆超硬合金におけるよ
うに40以上ではダイヤモンド被覆層の基体表面に対する
密着性は不十分であり、この割合を35以下とすることに
よつて強固な密着強度が得られるようになるが、このL/
l:35以下のピーク波形は、熱処理時の加熱温度を1000℃
以上とすることによつて可能となるものであり、しか
し、その加熱温度が1500℃を越えると、結晶粒が粗大化
して強度が低下するようになることから、熱処理時の加
熱温度を1000〜1500℃とするのが望ましく、この場合の
保持時間は、例えば切削用スローアウエイチツプで30〜
90分で十分である。
形におけるL/lの割合が、従来被覆超硬合金におけるよ
うに40以上ではダイヤモンド被覆層の基体表面に対する
密着性は不十分であり、この割合を35以下とすることに
よつて強固な密着強度が得られるようになるが、このL/
l:35以下のピーク波形は、熱処理時の加熱温度を1000℃
以上とすることによつて可能となるものであり、しか
し、その加熱温度が1500℃を越えると、結晶粒が粗大化
して強度が低下するようになることから、熱処理時の加
熱温度を1000〜1500℃とするのが望ましく、この場合の
保持時間は、例えば切削用スローアウエイチツプで30〜
90分で十分である。
つぎに、この発明の被覆超硬部材を実施例により具体
的に説明する。
的に説明する。
原料粉末として、いずれも0.5〜10μmの範囲内の所
定の平均粒径を有するWC粉末、各種の金属炭化物粉末、
およびCo粉末を用意し、これら原料粉末をそれぞれ第1
表に示される配合組成に配合し、ボールミルで72時間湿
式混合し、乾燥した後、1.5ton/cm2の圧力で圧粉体にプ
レス成形し、この圧粉体を、1×10-3torrの真空中、13
50〜1500℃の範囲内の所定温度に90分間保持の条件で焼
結して配合組成と実質的に同一の成分組成をもつたWC基
超硬合金基体を製造し、この基体表面に上下面および外
周研削機を用いて研削加工を施して、その形状をCIS
(超硬工具協会)規格SPP422のスローアウエイチツプと
し、引続いてこのチツプ基体に、1×10-3torrの真空
中、1000〜1500℃の範囲内の所定温度に30〜90分間保持
の条件で熱処理を施し、さらにこの熱処理後の表面を5
%硝酸水溶液にてエツチングして表面部のCoを除去し、
この状態で金属W製フライメントを備えた直径:120mmの
石英製管状反応容器内に装入し、 雰囲気圧力:35torr、基体温度:700℃、 反応ガス:CH4/H2=0.05、 の条件で3〜6時間の範囲内の所定時間の気相合成反応
を行なつて同じく第1表に示される平均層 厚のダイヤモンド被覆層を上記チツプ基体表面に形成す
ることにより本発明被覆超硬チツプ1〜18をそれぞれ製
造した。
定の平均粒径を有するWC粉末、各種の金属炭化物粉末、
およびCo粉末を用意し、これら原料粉末をそれぞれ第1
表に示される配合組成に配合し、ボールミルで72時間湿
式混合し、乾燥した後、1.5ton/cm2の圧力で圧粉体にプ
レス成形し、この圧粉体を、1×10-3torrの真空中、13
50〜1500℃の範囲内の所定温度に90分間保持の条件で焼
結して配合組成と実質的に同一の成分組成をもつたWC基
超硬合金基体を製造し、この基体表面に上下面および外
周研削機を用いて研削加工を施して、その形状をCIS
(超硬工具協会)規格SPP422のスローアウエイチツプと
し、引続いてこのチツプ基体に、1×10-3torrの真空
中、1000〜1500℃の範囲内の所定温度に30〜90分間保持
の条件で熱処理を施し、さらにこの熱処理後の表面を5
%硝酸水溶液にてエツチングして表面部のCoを除去し、
この状態で金属W製フライメントを備えた直径:120mmの
石英製管状反応容器内に装入し、 雰囲気圧力:35torr、基体温度:700℃、 反応ガス:CH4/H2=0.05、 の条件で3〜6時間の範囲内の所定時間の気相合成反応
を行なつて同じく第1表に示される平均層 厚のダイヤモンド被覆層を上記チツプ基体表面に形成す
ることにより本発明被覆超硬チツプ1〜18をそれぞれ製
造した。
また、比較の目的で、上記WC基超硬合金基体に対する
研削後の熱処理を施さない以外は、同一の条件で従来被
覆超硬チツプ1〜18をそれぞれ製造した。
研削後の熱処理を施さない以外は、同一の条件で従来被
覆超硬チツプ1〜18をそれぞれ製造した。
つぎに、この結果得られた本発明被覆超硬チツプ1〜
18および従来被覆超硬チツプ1〜18について、まず、チ
ツプ基体表面に対して、 管球:Cu、フイルター:Ni、 管電圧:40KV、管電流:40mA、 時定数:5、 レコーダー速度:40mm/2θ(度)、 レコーダーフルスケール:10000cps、 の条件でX線回折を施して回折曲線を求め、この回折曲
線からWCの(211)面に現われた波形のL/l比を算出し
た。
18および従来被覆超硬チツプ1〜18について、まず、チ
ツプ基体表面に対して、 管球:Cu、フイルター:Ni、 管電圧:40KV、管電流:40mA、 時定数:5、 レコーダー速度:40mm/2θ(度)、 レコーダーフルスケール:10000cps、 の条件でX線回折を施して回折曲線を求め、この回折曲
線からWCの(211)面に現われた波形のL/l比を算出し
た。
さらに、上記の各種の被覆超硬チツプについて、 被削材:Al−11%Si合金の溝入り材、 切削速度:500m/min、 切込み:2.0mm、 送り:0.2mm/rev.、 切削時間:30分、 の条件でのAl合金の乾式フライス断続切削試験、並び
に、 被削材:Al−20%Si合金の丸棒、 切削速度:130m/min、 切込み:1.5mm、 送り:0.5mM/rev.、 切削時間:10分、 の条件でのAl合金の乾式高送り連続切削試験をそれぞれ
10個の切刃について行ない、切刃:10個の平均逃げ面摩
耗幅を測定すると共に、切刃におけるダイヤモンド被覆
層の剥離発生本数を測定した。これらの測定結果を第1
表に示した。
に、 被削材:Al−20%Si合金の丸棒、 切削速度:130m/min、 切込み:1.5mm、 送り:0.5mM/rev.、 切削時間:10分、 の条件でのAl合金の乾式高送り連続切削試験をそれぞれ
10個の切刃について行ない、切刃:10個の平均逃げ面摩
耗幅を測定すると共に、切刃におけるダイヤモンド被覆
層の剥離発生本数を測定した。これらの測定結果を第1
表に示した。
第1表に示される結果から、本発明被覆超硬チツプ1
〜18は、いずれもWCの(211)面における波形が高低差
のある2つの連続ピーク波形を示し、かつそのL/l比が3
5以下を示し、ダイヤモンド被覆層のWC基超硬合金基体
に対する密着強度が著しく強固なので、苛酷な条件下で
の切削となるフライス断続切削や高送り切削で、ダイヤ
モンド被覆層の剥離がほとんどなく、すぐれた耐摩耗性
を示すのに対して、従来被覆超硬チツプ1〜18では、い
ずれもWCの(211)面における波形が、単一波形か、2
つの連続ピーク波形を示しても、両ピークの高低差が著
しく大きく、いずれもL/l比が40以上となつており、こ
の結果ダイヤモンド被覆層の基体表面に対する密着性が
不十分なものとなつているので、いずれの切削試験でも
半数以上に剥離が発生しており、かつ著しい摩耗の発生
が見られることが明らかである。
〜18は、いずれもWCの(211)面における波形が高低差
のある2つの連続ピーク波形を示し、かつそのL/l比が3
5以下を示し、ダイヤモンド被覆層のWC基超硬合金基体
に対する密着強度が著しく強固なので、苛酷な条件下で
の切削となるフライス断続切削や高送り切削で、ダイヤ
モンド被覆層の剥離がほとんどなく、すぐれた耐摩耗性
を示すのに対して、従来被覆超硬チツプ1〜18では、い
ずれもWCの(211)面における波形が、単一波形か、2
つの連続ピーク波形を示しても、両ピークの高低差が著
しく大きく、いずれもL/l比が40以上となつており、こ
の結果ダイヤモンド被覆層の基体表面に対する密着性が
不十分なものとなつているので、いずれの切削試験でも
半数以上に剥離が発生しており、かつ著しい摩耗の発生
が見られることが明らかである。
上述のように、この発明のダイヤモンド被覆WC基超硬
合金製工具部材は、ダイヤモンド被覆層のWC基超硬合金
基体に対する密着強度がきわめて高いので、切削工具や
耐摩耗工具として、通常の条件は勿論のこと、特に断続
切削や重切削などの苛酷な条件での適用に際してもすぐ
れた耐摩耗性を示し、使用寿命の著しい延命化を可能と
するものである。
合金製工具部材は、ダイヤモンド被覆層のWC基超硬合金
基体に対する密着強度がきわめて高いので、切削工具や
耐摩耗工具として、通常の条件は勿論のこと、特に断続
切削や重切削などの苛酷な条件での適用に際してもすぐ
れた耐摩耗性を示し、使用寿命の著しい延命化を可能と
するものである。
第1図はこの発明のダイヤモンド被覆WC基超硬合金製工
具部材を構成する基体表面へのX線回折でWCの(211)
面に現われた波形を例示する図である。
具部材を構成する基体表面へのX線回折でWCの(211)
面に現われた波形を例示する図である。
Claims (2)
- 【請求項1】結合相形成成分としてCo:1〜25%、 を含有し、残りが分散相形成成分としての炭化タングス
テンと不可避不純物からなる組成(以上重量%)を有す
る炭化タングステン基超硬合金基体の研削表面に、気相
合成法によるダイヤモンド被覆層を0.5〜20μmの平均
層厚で形成してなるダイヤモンド被覆炭化タングステン
基超硬合金製工具部材において、 上記ダイヤモンド被覆層形成後の基体が、その表面に対
するX線回折で、炭化タングステンの(211)面に、高
低差のある2つの連続ピークからなり、かつ前記2つの
連続ピーク間の谷部から高い方のピーク高さをL、同じ
く低い方のピーク高さをlとした場合、L/l:35以下を満
足する波形が現われる回折曲線を示すことを特徴とする
密着強度の高いダイヤモンド被覆炭化タングステン基超
硬合金製工具部材。 - 【請求項2】結合相形成成分としてCo:1〜25%、 を含有し、さらに、 分散相形成成分としてWを除く元素周期律表の4a、5a、
および6a族金属の炭化物、並びにこれらの炭化タングス
テンを含む2種以上の固溶体のうち1種または2種以
上:0.5〜30%、を含有し、残りが分散相形成成分として
の炭化タングステンと不可避不純物からなる組成(以上
重量%)を有する炭化タングステン基超硬合金基体の研
削表面に、気相合成法によるダイヤモンド被覆層を0.5
〜20μmの平均層厚で形成してなるダイヤモンド被覆炭
化タングステン基超硬合金製工具部材において、 上記ダイヤモンド被覆層形成後の基体が、その表面に対
するX線回折で、炭化タングステンの(211)面に、高
低差のある2つの連続ピークからなり、かつ前記2つの
連続ピーク間の谷部から高い方のピーク高さをL、同じ
く低い方のピーク高さをlとした場合、L/l:35以下を満
足する波形が現われる回折曲線を示すことを特徴とする
密着強度の高いダイヤモンド被覆炭化タングステン基超
硬合金製工具部材。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5053489A JP2653158B2 (ja) | 1989-03-02 | 1989-03-02 | ダイヤモンド被覆炭化タングステン基超硬合金製工具部材 |
EP89123666A EP0374923B2 (en) | 1988-12-21 | 1989-12-21 | Diamond-coated tool member, substrate thereof and method for producing same |
US07/454,513 US5068148A (en) | 1988-12-21 | 1989-12-21 | Diamond-coated tool member, substrate thereof and method for producing same |
ES89123666T ES2057084T5 (es) | 1988-12-21 | 1989-12-21 | Elemento de herramienta revestido de diamante, substrato correspondiente y metodo para fabricarlo. |
DE68916207T DE68916207T3 (de) | 1988-12-21 | 1989-12-21 | Diamantbeschichtetes Werkzeug, Substrate dafür und Verfahren zu dessen Herstellung. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5053489A JP2653158B2 (ja) | 1989-03-02 | 1989-03-02 | ダイヤモンド被覆炭化タングステン基超硬合金製工具部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02232105A JPH02232105A (ja) | 1990-09-14 |
JP2653158B2 true JP2653158B2 (ja) | 1997-09-10 |
Family
ID=12861666
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5053489A Expired - Lifetime JP2653158B2 (ja) | 1988-12-21 | 1989-03-02 | ダイヤモンド被覆炭化タングステン基超硬合金製工具部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2653158B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5585176A (en) * | 1993-11-30 | 1996-12-17 | Kennametal Inc. | Diamond coated tools and wear parts |
US5716170A (en) * | 1996-05-15 | 1998-02-10 | Kennametal Inc. | Diamond coated cutting member and method of making the same |
-
1989
- 1989-03-02 JP JP5053489A patent/JP2653158B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02232105A (ja) | 1990-09-14 |
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Legal Events
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