JP2647172B2 - 衣料フレームの引き裂き防止用保護チップ - Google Patents

衣料フレームの引き裂き防止用保護チップ

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JP2647172B2
JP2647172B2 JP63264288A JP26428888A JP2647172B2 JP 2647172 B2 JP2647172 B2 JP 2647172B2 JP 63264288 A JP63264288 A JP 63264288A JP 26428888 A JP26428888 A JP 26428888A JP 2647172 B2 JP2647172 B2 JP 2647172B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、衣料フレームの引き裂き防止用保護チップ
に関する。好しくは、衣料の構造を強化するために衣料
に入れる衣料フレームにおいて、衣料フレームにより衣
料が引き裂かれないように保護する保護チップに関す
る。本発明は、例えば、ブラジャーに入れる衣料フレー
ムに適用されるものであるが、これに限定されるもので
はない。
<従来の技術> ブラジャーの製造においては、ブラジャーカップの周
囲に補強用の衣料フレームを入れるのが普通である。ま
た、これらの衣料フレームは、矩形状の断面を有する弓
状の長い平らな材料から形成され、その末端に柔軟なプ
ラスチック材料の保護チップをつけて、衣料の布を摩耗
や引き裂きから保護するのが普通である。
衣料の組立には通常二つの方式が用いられている。一
つは衣料フレームの周囲に、あるべき位置となるように
衣料を縫い合わせるものであり、もう一つは先ず衣料に
衣料フレームを受け入れるチャンネルを縫い付けた後、
このチャンネルに衣料フレームを挿入するものである。
本発明は第一の方式よりむしろ特に第二の方式を指向
するものであり、この第二の方式では、特にチャンネル
内に詰め物を入れて、衣料フレームを滑り良くすること
が通常行なわれている。
通常用いられる詰め物は、比較的接着性や安定性が少
ない心綿より成る柔らかいスクリム材料、或いは柔軟な
発泡プラスチック材料で構成される。これらの材料のい
ずれもチャンネルに衣料フレームを挿入する際に裂けや
すく、特に保護チップに内部へ向かって伸びる凹部を設
けた場合にこれが起こりやすい。
Schwartzのアメリカ合衆国特許第3,599,643号により
知られているように、側面に沿って障害物のない保護チ
ップを衣料フレームに設けることによって、引き裂きに
対する耐性が著しく増加する。
これは、衣料フレームの端部に垂直に固定中子を形状
し、この固定中子を保護チップの主要面の一つに形成さ
れた凹部まで差し込むことによって実現される。
しかしながら、それには固定中子自身が引き裂きを起
こさないように、衣料フレームの端に取り付けられる保
護チップは固定中子を完全に隠すのに十分な厚みを有す
ることが必要である。
それと同時に、固定中子は衣料フレームの一端から保
護チップが引き出されるのを防止するために十分な軸方
向の寸法を有することが必要であり、それには固定中子
が十分な長さを有すると共に、保護チップが固定中子の
方向及び衣料フレームの主要面に垂直な方向に適切な厚
みを有することが必要である。
一方、Schwartzのアメリカ合衆国特許第4,133,316号
には細い形状の保護チップが開示されており、この場合
には衣料フレームの端にかえしが設けられ、このかえし
は衣料フレームの端部で横方向にで伸びている。
しかしながら、この場合には、保護チップの端側に衣
料フレームかえしを受け入れるための切り欠きを設けな
ければならないが、そのため、保護チップと衣料フレー
ムを衣料のチャンネルに挿入する際及びその後における
引き裂きに対する保護チップの耐性を低下させることに
なる。
Schwartzのアメリカ合衆国特許第4,133,316号に開示
された形式の従来の保護チップを成型するための従来の
金型第7図及び第8図を示す。同図において、金型は従
来の射出成型技術によって保護チップ14を成型するなに
用いられる上部金型10及び下部金型12で構成されてい
る。便宜上、上部及び下部金型10及び12は一般的な水平
位置で示した。但し、このような成型金型の位置は特定
の射出成型機で要求されるものであり、他の位置でも用
いられるものである。
上部金型10は成型用凹部16を有し、下部金型12は成型
用凹部18を有し、それぞれの成型用凹部16,18は保護チ
ップ14の対称的形状を作るために互いに鏡像関係にあ
る。
保護チップ14の成型に先立って、コア部材20(第7
図)を成型金型内に位置させる。このコア部材20の目的
は保護チップ14に軸方向の穴22(第8図)を形成するた
めであり、保護チップ14はコア部材20の周囲で成型され
た後、コア部材20から分離される。
ここでは一個の保護チップ14を成型するための成型金
型を示したが、実際には、成型金型は、たとえば100個
までの保護チップ14を一度で成型するための複数の成形
用凹部を有する。その場合、それぞれの保護チップ14を
形成するために必要なコア部材20を櫛状の中子として形
成し、コア部材20を構成するそれぞれの中子が成型金型
のそれぞれの成形用凹部内に同時に正しい方向に伸びる
ように位置させる。
上部金型10は成形用凹部16内に伸びるコア部分24を有
し、下部金型12は成型用凹部18内に伸びる対応するコア
部分26を有する。コア部分24及び26は互いに同等に形成
され、保護チップ14の両側部に側方凹部28を形成するた
めに設けられたものである。これらの側方凹部28は、第
8図に明確に図示するように、矩形穴22の側部と交差し
て穴22の側方開口部を形成している。この側方開口部
は、斜線で示されるように、かえし30が軸方向穴22から
外側に伸びて側方凹部28内に位置できるようにするため
である。これらのかえし30は、衣料フレームの端部に保
護チップ14をつけた後に、保護チップ14が衣料フレーム
から離れるのを防止するものである。
この保護チップ14の構造は良好に機能し、広く受け入
れられるものであるが、衣料に予め形成されたチャンネ
ルに挿入する場合、特にチャンネルがスクリム材料又は
柔らかい発泡プラスチック材料で被覆されている場合に
問題がある。
この問題は、保護チップ14の側方凹部28により生じる
ものであり、詳しくは、上記材料が側方凹部28内で膨れ
る傾向にあり、しかも、側方凹部28の比較的鋭い角部及
び側方凹部28の位置が上記膨れを促し、更には、側方凹
部28の角における衣料が摩耗することにより生じるもの
である。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は、Sohwartzのアメリカ合衆国特許第4,133,31
6号に開示された形式の保護チップのすべての長所を有
するとともに、Schwartzのアメリカ合衆国特許第3,559,
643号に開示きれた形成の保護チップの主たる長所を保
持する保護チップを提供することを目的とする。
即ち、上記問題を解決するすべく本発明の発明者が取
り組んだ課題は、側方凹部28を完全に取り除くのが好ま
しいことであるが、これらの側方凹部28は衣料フレーム
のかえしを受け入れる空間を設けるのに不可欠であり、
そのために側方凹部28に軸方向穴22からの側方開口部を
設けることが必要である。
次の問題は、それぞれの成型金型の形状を、成型済み
の保護チップが金型から成型後に離れるようにすること
である。これは対称的な成型用凹部による従来技術にお
けるように、金型を互いに後退させると、コア部材20と
成型済み保護チップ14を金型から持ち上げることがで
き、次いで保護チップ14をコア部材20から切り離すこと
ができる。
他方、保護チップ14がその輪郭全体にわたり、少なく
とも保護チップの厚みのある部分に渡って平滑であるた
めには、側方凹部28を完全に取り除くことが望ましい。
<課題を解決するための手段> 上記目的を達成する本発明の構成は、衣料フレームを
衣料に挿入する際及びその後の衣料の使用時において、
保護チップの角部による引き裂きを防止するため、保護
チップの角部がその長さ全体に渡り、少なくとも保護チ
ップの厚みのある部分において平滑で障害物がないこと
を特徴とする。
このような構造の保護チップは、Schwartzのアメリカ
合衆国特許第4,133,316号に開示された形式の保護チッ
プの成型に必要な数の可動部分を有する射出金型内で成
型することによって達成される。
それに必要な金型は二つの金型部分から成り、第一の
金型は保護チップの上面及び端面の一部を成型し、第二
の金型は保護チップの下面及び端面の残りの部分を成型
するものであり、衣料フレームの端部及びそれに付属す
るかえしを受け入れるための軸方向の矩形断面の穴を保
護チップに設けるため、保護チップの成型に先立ってコ
ア部材をこれらの金型に挿入する。
上記第一、第二の金型は、保護チップの中央穴に連通
する側方凹部を保護チップの両側部に設けるためのコア
部分を有する。前記側方凹部は衣料フレームの端に横方
向に伸びるかえしを受け入れるために必要なものであ
る。
保護チップの内部に凹部を設けるようなコア部材も考
えられるが、そのようなコア部材は極めて複雑で高価で
あり、実用上の理由から避けるべきである。
即ち、成型操作の際に保護チップの内部に凹部を設け
るためには、軸方向の穴を形成するためのコア部材に、
更に、横方向外側に伸びる部分を設けることが必要であ
るが、そのような部分は成型された保護チップをコア部
材の端から分離することができるように、コア部材の中
に後退することが必要である。コア部材上にそのような
可動部分を設けることは構造が極めて複雑になることに
加えて、注入された熱可塑性材料によって汚れやすく、
また熔融したプラスチック材料が固化温度に達した場合
に詰まり易いことは明らかである。
本発明は、上記問題を解決するため、他方に対して相
対的に移動可能な金型から、普通のコア部材を通常の方
法によって引き離すことにより成形される保護チップの
構造であって、しかも、側方凹部を連通させることがで
き、且つ、厚みのある部分又はその全体に渡って平滑な
外形輪郭とすることができる保護チップを提供しようと
するものである。
本発明においては、側方凹部が保護チップ何れか一方
の主要面にのみ或いは一方の主要面から何れかの側面に
かけて開放された空間を有するため、言い換えると、側
方凹部は前記保護チップの反対側の主要面には開放され
ていないため、その反対側の主要面は当該保護チップの
外形輪郭と面一であり、従って、障害物がなく平滑であ
るので、その部分は引き裂きに対して耐性を有すること
となる。
また、側方凹部は、保護チップの軸方向穴と連通し、
この軸方向穴から横方向に延長された延長部分である底
面を有するので、衣料フレームの端部に付属するかえし
が保護チップの側方凹部に進入して係合することによ
り、保護チップが衣料フレームから抜け外れるのを防止
する。
或いは、側方凹部の底面である延長部分を上方に仲ば
して保護チップの耐引き裂き性を増加すると同時に、衣
料フレームのかえしを受け入れる空間を保護チップ内に
保持することとすると、更に引き裂しに対する耐性を向
上させることができる。
本発明の最終的な拡張においては、延長部分の外面が
辺の下面から上面まで連続的に延長される結果、側方凹
部は矩形穴の側面に連通するように、何れかの一方の保
護チップの主要面より矩形穴の側面に垂直に伸びる長穴
として構成すれば、一層、引き裂きに対する耐性を向上
させることができる。
<実施例> 本発明の好ましい実施例を図面に基づいて説明する。
第1図及び第2図において、保護チップ34を形成するた
めに同様な構成の上部金型10、下部金型12及びコア部材
20が用いられている。
上部金型10は成形用凹部36を有し、下部金型12は成形
用凹部38を有している。
下部金型12の成形用凹部38は、第7図の従来技術に示
すような内側に伸びるコア部分26がなく、一方、上部金
型10の成形用凹部36にはコア部分40が設けられ、このコ
ア部分40が下向きに伸びて、金型10,12が閉じたときに
そのコア部分40の下面がコア部材20の下面と共通な平面
をなすようになっている。
これによって、保護チップ34は、第2図に明確に示す
ように、側方凹部42が保護チップ34の厚さの一部に渡っ
て伸び、その底面は軸方向穴22の下面と同一平面となっ
ている。
即ち、側方凹部42は保護チップ34の主要面である上面
に開放すると共にその側面に開放されることとなり、保
護チップ34の主要面である下面には開放されないことと
なった。
そのため、衣料フレームのかえし30を受け入れるため
の適切な空間が側方凹部42内に設けられると同時に、か
えし30が保護チップ34に隠れるようになる。
更に、保護チップ34に底部で横方向に伸びる底部幅広
部分44は、二つの側方凹部42を橋渡しし、保護チップ34
の輪郭を形成するため、言い換えると、保護チップ34の
下面には側方凹部42が開放されず平滑面となっているた
め、衣料フレームに取り付けられた保護チップ34を衣料
に予め形成されたチャンネルに挿入する際の引き裂きの
可能性を最小とする。
上記説明により明らかなように、この構成は成形用凹
部38に伸びるコア部分なしに達成され、金型から成型済
み保護チップを分離し、コア部材20からの分離に影響を
与えない。
本発明に係る変形例に係る実施例が第3図及び第4図
に示されており、この場合にも第1図及び第2図に相当
する構造を示すために同一の参照番号が用いられる。
第3図及び第4図において、上部金型10の成形用凹部
36に設けられるコア部分40は、横方向の最外面が傾斜し
た傾斜面50となっている。
これによって、保護チップ34において、横方向に伸び
る底部幅広部分44の側縁52が上方へ延長され、保護チッ
プ34の周縁において、横方向に伸びる底部幅広部分44の
厚みより更に上方に伸びた形状となる。
従って、保護チップ34が実質的に引き裂きなしに、予
め形成された衣料のチャンネルを通過する能力が更に高
められると同時に、衣料フレームのかえし30を受け入れ
るために必要な側方凹部42を保護チップ内に設けること
ができる。
この考え方を更に拡張した実施例を第5図及び第6図
に示す。本実施例においても下部金型12には第7図のコ
ア部分26のような内側に伸びる部分がない。上部金型10
の内側に伸びるコア部材40は更に形成されており、コア
部分40の外側を向く側面60は、成型用凹部36の内側の側
面に対して隙間を有する。
本実施例では、第6図に明確に示されるように、横方
向に伸びた底部幅広部分44の上方延長部62が保護チップ
34の厚さに渡って設けられ、横方向に伸びる凹部42を連
通すると同時に、衣料の衣料フレームのかえし30を受け
入れるための十分な空間を保護チップ34内に設けること
ができる。
本実施例のように、側方凹部42が連通されると同時
に、成型用凹部38のコア部分をなくして、コア部分によ
る障害なしに成型用凹部及びコア部材20から成型済み保
護チップ34を取り外すことができる。
<発明の効果> 以上、実施例に基づいて具体的に説明したように、本
発明によれば、保護チップの両側部に設けられる側方凹
部を保護チップの二つの主要面に開放しないように形成
したため、いずれか一方の主要面が保護チップの外形輪
郭を構成する。そのため、本発明に係る保護チップは、
その表面が比較的平滑で障害物がなくなる。その結果、
本発明に係る保護チップを装着した衣料フレームを衣料
のチャンネルに挿入する際及びその後において、衣料に
対する保護チップの摩擦が少なくなり、衣料の引き裂き
を確実に防止することが可能となる。尚、上記実施例は
本発明の好ましい実施例であって、特許請求の範囲内に
おける種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明の第一の実施例の説明図、第
2図は第1図のII−II線に沿った断面図、第3図及び第
4図は本発明の第二の実施例の説明図、第4図は第3図
のIV−IV線に沿った断面図、第5図及び第6図は本発明
の他の実施例を示す断面図、第6図は第5図のIV−IV線
に沿った断面図、第7図及び第8図は従来の金型のコア
上に形成された従来の保護チップの概略図、第8図は第
7図のVIII−VIII線に沿った断面図である。 図面中、 10,12は金型、 20はコア部材、 22は軸方向穴、 30はかえし、 34は保護チップ 36,38は成型用凹部、 40はコア部分、 42は側方凹部である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】矩形状の断面を有すると共にその端部に隣
    接する側面に横方向に広がるかえしを有する衣料フレー
    ムに対する保護チップであって、前記衣料フレームの一
    端を受け入れるために可撓性プラスチック材料からなる
    長形の成型物に前記衣料フレームの断面に対応する矩形
    状の軸方向穴を形成すると共に、前記フレームのかえし
    を受け入れるために前記保護チップの両側部に前記軸方
    向穴と連通する凹部をそれぞれ設けた衣料フレームの引
    き裂き防止用保護チップにおいて、前記凹部は前記保護
    チップの外形輪郭とは面一でなく、更に、下記の構成を
    備えることを特徴とする衣料フレームの引き裂き防止用
    保護チップ。 イ)前記凹部は、前記保護チップ何れか一方の主要面に
    のみ或いは一方の主要面から側面にかけて開放された空
    間を有すること。 ロ)前記凹部は、前記軸方向穴から横方向に延長された
    延長部分である底面を有すること。 ハ)前記凹部の開放された前記保護チップと反対側の主
    要面は、当該保護チップの外形輪郭と面一であること。 ニ)その結果、前記凹部は、前記衣料フレームのかえし
    を受け入れる空間を備えること。
  2. 【請求項2】前記延長部分は、前記軸方向穴の外側にお
    いて上向きに傾斜する上方傾斜面を持ち、該上方傾斜面
    は挿入後の前記かえしより外側に位置し、かつ、外側へ
    向かうに従い厚さを増加することを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の衣料フレームの引き裂き防止用保護
    チップ。
  3. 【請求項3】前記上方傾斜面は、前記保護チップの反対
    側の主要面まで伸びて前記凹部と前記軸方向穴の側方を
    連通する空間を与えると共に、それぞれが前記衣料フレ
    ームの前記かえしを受け入れる空間を与えることを特徴
    とする特許請求の範囲第2項記載の衣料フレームの引き
    裂き防止用保護チップ。
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