JP2646419B2 - 水分量検知装置 - Google Patents

水分量検知装置

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JP2646419B2 JP3142793A JP3142793A JP2646419B2 JP 2646419 B2 JP2646419 B2 JP 2646419B2 JP 3142793 A JP3142793 A JP 3142793A JP 3142793 A JP3142793 A JP 3142793A JP 2646419 B2 JP2646419 B2 JP 2646419B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的には、気相や液
相等の被検体中の水分量を検知する水分量検知装置に関
し、特に、水分センサの生産時の感湿特性のばらつきを
調整したり、或は時間経過により特性が変動したり劣化
した場合の調整機能を有するディジタルの電子水分量検
知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、気体中の水分量の検知は石油関
連で石油化学プラントにおける水素ガス、炭酸ガス中の
水分管理、また、油入変圧器や変成器のガス空間の水分
管理に必要とされている。これら現場での水分管理にお
いては、水分量検知装置に対して高信頼性、長期耐久
性、現場への適合性等が要求されることに加えて、高精
度の測定がさらに要求される。通常、水分量検知装置に
使用される水分センサの感湿特性は非線形であるため、
後で詳細に説明するように、アナログ電子回路では十分
な精度を得ることが難しく、また、コンピュータにより
その特性を演算処理する場合、経時変化やセンサを交換
する場合に校正に手間取る等の問題があった。
【0003】周知のように、水分量検知装置に使用され
る水分センサには電解質系、有機物系、金属酸化物系な
どの多くのセンサがあるが、以下、低水分量検知に良く
用いられているアルミニウム酸化被膜型水分センサを例
に取って説明する。勿論、本発明はこれに限定されるも
のではない。
【0004】アルミニウム酸化被膜型水分センサの構成
や表面構造は公知であるのでここでは説明を省略する
が、感湿原理は気体中の水分子がセンサ表面に物理吸着
して誘電率、導電率が増加することによる。よって、水
分センサの電気容量C又は電気抵抗Rを検出することに
より水分濃度に関する情報が得られる。他方、センサ表
面での水分子の吸着は、水蒸気圧Pと飽和水蒸気圧Ps
の比、即ち相対圧H=(P/Ps)の増加にともない、
多分子層を形成し、H=(P/Ps)と水分子の吸着の
体積Xとの関係は一般にBETの式に従い、Xmを吸着
第1層の体積とすると、n=(X/Xm)は見掛け上の
吸着層数とみなすことができ、Hとnの関係は次の式
(1)に従う。
【0005】
【数1】 ただし、cは温度による定数、Nは最大吸着層数であ
る。
【0006】さらに、Hが増加するとnが増加し、誘電
率、導電率を増加させるため、水分センサの電気容量C
は増加し、電気抵抗Rは減少する。
【0007】以上については多くの文献により一般的に
知られていることである。
【0008】電気容量Cから水分濃度を検知する場合、
H=(P/Ps)はセンサの入出力特性により電気容量
Cに変換される。その変換関数をfとする。次に、電気
容量Cは電子回路により電圧V又は周波数Fに変換され
るものとし、その変換関数をgとする。センサと電子回
路の入出力特性は次の式(2)で表わせる。
【0009】
【数2】
【0010】次に、信号V又はFをマイクロコンピュー
タに入力し、それにプログラムされている演算式 H=
h(V又はF) により、被測定量Hを求める。これを
可能にするには、変換関数hは関数fgの逆関数(f
g)-1でなければならない。これら一連のセンサによる
検知から演算処理までの流れを図9に示す。
【0011】従来技術による演算処理の具体例を図1
0、11、12に示す。図10は数値解析により求めた
多次関数の演算式による演算処理の例であり、図11は
各水分Hiに対する信号値ViをROMテーブル化する
ことによる演算処理の例であり、図12は図13に示す
アルゴリズムに基づいた折れ線近似による演算処理の例
である。
【0012】以上はコンピュータによる演算処理である
が、アナログ電子回路により逆関数を求めることもでき
る。この場合には、信号Vが被測定量Hと等しくなるに
は、その電子回路の変換関数gはセンサの変換関数fの
逆関数f-1に等しくなければならない。具体的には次の
方法で可能である。
【0013】センサの入出力特性が直線であることを前
提に考えると、逆関数f-1は次の式(3)で表わせる。
【0014】
【数3】 ただし、Co及びaは定数である。
【0015】次に電子回路の変換関数を次の式(4)に
なるように設計する。
【0016】
【数4】 ただし、b及びdは回路定数である。
【0017】上記(4)式において、b=Co、d=a
になるようにb、dを設定することにより、V=Hとな
り、逆関数f-1が求まる。
【0018】ところで、電子回路を量産する場合、一般
的に、電気素子の特性のばらつきにより、b、dもばら
つく。このため計測誤差が発生する。これを防止するた
めに、b及びdを可変できるように、ボリュウーム等に
よる調整機能が必要である。また、各センサ間の特性の
ばらつきやセンサ特性の経時変化による計測誤差を防ぐ
ために、この調整機能を応用することが可能である。
【0019】逆関数を求めるという考えに従い、調整機
能を次のように説明することができる。即ち、b、dの
調整量をΔb、Δdとし、(4)式のb、dの代わりに
b−Δb、d−Δdを代入する。また、(3)式を用い
ると、(4)式は次の式(5)で表わすことができる。
【0020】
【数5】 Coとbがばらつく場合には、(Co+b−Δb)=0
になるようにΔbを調整する。また、aとdがばらつく
場合には、a/(d−Δd)=1になるようにΔdを調
整することにより、(5)式は V=H となり、逆関
数f-1を得ることができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アナロ
グ電子回路で演算処理し、逆関数を得る場合、センサ特
性が非線形であると、次の問題点が発生する。(通常、
水分センサは非線形特性を有する。) (1)回路が複雑になり過ぎ、部品点数が増大し、大型
化し、高価格となり、かつ信頼性が低下する。 (2)耐電気ノイズ性、周辺温度安定性等の耐環境安定
性が低下する。特に、温度安定性の低下は、非線形処理
のため電気素子の非線形特性を利用した場合には著し
い。 (3)十分な計測範囲が得られない場合がある。 (4)計測の全領域において十分な精度を得ることは難
しい。
【0022】これに対して、コンピュータのプログラム
による演算処理で逆関数を得るには上記図10、11、
12に示した方法があり、上記のアナログ電子回路の場
合の問題は十分に抑えられる。しかしながら、コンピュ
ータを含む検知システム全体をセンサ(端末)とみなす
現場使用等においては、高精度、高信頼性、長期耐久
性、現場への適応性の高度な両立性が要求されるため、
新たに次のような問題点が発生する。 (5)各校正時に、データ採取、数値処理、プログラム
の変更、ROM化の作業を行なう必要があり、校正時間
と工数が莫大になる。 (6)電子回路がアナログ方式であると、アナログ−デ
ィジタル変換器(A/D変換器)が必要となり、システ
ム全体の部品点数が増大し、かつ消費電流が大きくな
る。
【0023】本出願人は先に、湿度センサの生産時のば
らつきを調整したり、或は時間経過により特性が変動し
たり劣化した場合の調整機能を有するディジタルの電子
温湿度計を開発し、特許出願している。この温湿度計
は、特開平2−151751号公報に記載されているよ
うに、その特性が指数関数的に変化する抵抗型センサを
使用しており、このセンサの基本特性を平行に移動させ
る調整(同公報の図4の調整)のみコンピュータで行な
い、低湿及び高湿の調整(同公報の図5の調整)はハー
ドウエアのみによって行なっている。
【0024】しかしながら、低湿におけるセンサのRH
が基準値より小さい場合には基本特性に合致するように
調整することはできず、一方、高湿におけるセンサのR
Hが基準値より大きい場合には、やはり基本特性に合致
するように調整することはできない。従って、調整でき
るセンサ特性のばらつきに制約がある。
【0025】また、コンピュータによる演算処理を変え
ないで、それに入力される値そのものを変えているため
に、S/N低下等の問題が生じる。さらに、センサのば
らつきの物理定数の変化に対応して調整を行っている訳
ではなく、回路定数を変えるだけであるので、簡易では
あるが正確な調整が行なえない。
【0026】このように、特開平2−151751号公
報に記載された発明は特性が指数関数的に変化する抵抗
型センサについてある程度の補正を与えるものであり、
水分センサのように物理吸着による容量(C)変化型の
センサにおいてはBETの式により非線形の変化である
ため、上記公報記載の補正方法に準じた補正では高精度
の補正が行なえない。
【0027】その上、精度以前の問題として、容量変化
型の場合には調整手段としてボリューム(可変抵抗)で
はなくて可変容量を使用しなければならず、このため、
大型化する、機械振動に弱い、温度変化により特性が変
わり易い、高価である等の問題があり、実用上、好まし
くない。
【0028】従って、本発明の目的は、ディジタル方式
の電子回路の採用により回路構成を単純化し、逆関数の
演算処理をマイクロコンピュータにより高精度に行な
い、しかも、非線形特性の校正が簡単に、正確に行なえ
る水分量検知装置を提供することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
水分量検知装置によって達成される。要約すれば、本発
明は、被検体中の水分量を水分センサで検知し、該検知
出力から演算処理手段により被検体中の水分量を計測す
る水分量検知装置において、水分センサをパルス周波数
決定用素子として含むパルス発生手段と、該パルス発生
手段から出力されたパルス信号から検知水分量に対応す
る周波数を検出し、該検出された周波数に基づいて水分
量を算出するディジタル演算処理手段と、水分センサの
感湿特性を調整する補正手段とを具備し、前記ディジタ
ル演算手段には少なくとも水分センサの標準特性と前記
パルス発生手段の変換関数の逆関数を記憶させ、前記デ
ィジタル演算手段によって前記水分センサの標準特性と
前記パルス発生手段の変換関数の逆関数の演算処理を行
なわせるとともに、前記補正手段によって水分センサの
特性の補正量を周波数情報として前記ディジタル演算手
段に入力してその演算処理内容を変更できるようにした
ことを特徴とする水分量検知装置である。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面を参
照して詳細に説明する。
【0031】水分量検知装置に使用される水分センサの
入出力特性の理論式は感湿モデルとBETの式により表
わすことができ、次の式(6)のようになる。
【0032】
【数6】
【0033】各水分センサにより決まる定数の標準値を
b′、d′、Nとすると、(6)式は標準特性を表わ
し、それは図2の特性であるとする。
【0034】あるセンサの定数b′がb′+Δbである
とすると(他の定数は標準値)、それは図2の特性に
なる(この場合、Δb<0)。定数d′がd′+Δdに
なった場合、それは図2の特性になる。さらに、定数
NがN+ΔNになった場合、それは図2の特性にな
る。
【0035】このようにセンサ特性にばらつきΔb、Δ
d、ΔNが存在する場合、(6)式の代わりに次の式
(7)の逆関数を与えればよい。
【0036】
【数7】
【0037】その1つの方法として、センサの標準特
性、即ち(6)式の逆関数を初めに与え、次にΔb、Δ
d、ΔNを補正量としてその逆関数に付加することが考
えられる。その具体的なアルゴリズムを図3に示す。
【0038】本発明は図3に示すアルゴリズムの大部分
をコンピュータ(ディジタル)により実行し、かつ補正
量が外部から変更できるように構成したものである。
【0039】図1は本発明による水分量検知装置の第1
の実施例を示す回路構成図であり、水分センサとして水
分量の変化に応じて電気容量が変化するアルミニウム酸
化被膜型水分センサCH が使用されている。この水分量
検知装置は、例えばC−MOS型の第1のシュミットイ
ンバータ11と、このインバータ11の帰還回路に挿入
されたパルス周波数決定用素子である固定抵抗R0と、
インバータ11の入力と接地間に接続されたパルス周波
数決定用素子である水分センサCH とによって水分量に
関する周波数のパルス信号を発生する第1のパルス発生
回路を構成し、パルス周波数決定用素子である水分セン
サCH の電気容量が水分量の変化に応じて変化すること
によってこのパルス発生回路の出力周波数F0 を対応的
に変化させ、その周波数出力、即ち方形波パルス信号を
スイッチSW0を介してマイクロコンピュータ13に送
る。
【0040】スイッチSW0は1つの可動接点X0と2
つの固定接点X1、X2を備え、可動接点X0がマイク
ロコンピュータ13のカウンタ14に接続され、一方の
固定接点X1に第1のパルス発生回路からの周波数出力
0 が供給される。カウンタ14は入力されたパルス信
号を計数してCPU(中央処理装置)15に送り、パル
ス発生回路の出力周波数F0 を演算処理によって検出
し、その周波数に対応する水分量を算出する。この周波
数F0 は、センサCH の容量をC、固定抵抗R0の抵抗
値をR、kを定数とすると、F0 =1/kCRとなる。
【0041】一方、補正量Δb、Δd、ΔNはそれぞれ
可変抵抗VR1、VR2、VR3によって与えられ、そ
れらの値は校正に対応して外部から変えることができ
る。各可変抵抗VR1、VR2、VR3は3状態バッフ
ァのようなスイッチSW1、SW2、SW3をそれぞれ
直列に介して、例えばC−MOS型の第2のシュミット
インバータ12の帰還回路に接続されており、このイン
バータ12の入力と接地間に接続されたパルス周波数決
定用素子である固定容量C1とによって各補正量に関す
る周波数のパルス信号を発生する第2のパルス発生回路
を構成している。この第2のパルス発生回路の周波数出
力Fb、Fd、FNはスイッチSW0の他方の固定接点
X2に供給される。
【0042】各スイッチSW0、並びにSW1〜SW3
はマイクロコンピュータ13のI/Oポート16から制
御線17、18、19、20を介してそれぞれ供給され
る制御信号によって切り換え動作、並びにオン、オフ制
御がそれぞれ行なわれる。これら制御信号は図4に示す
ように時分割的に供給され、従って、第1及び第2のパ
ルス発生回路の周波数出力F0 、Fb、Fd、FNも時
分割状態でマイクロコンピュータ13に送られる。
【0043】マイクロコンピュータ13は、上記カウン
タ14、CPU15、I/Oポート16の他に、メモリ
としてRAM21及びROM22を、また、演算処理結
果を出力するI/Oポート23を具備しており、ROM
22にはセンサの代表特性である図2の特性と回路の
特性(6)式の逆関数(fg)-1等を予めプログラムし
ておく。
【0044】なお、上記シュミットインバータを使用し
たパルス発生回路の動作は良く知られているのでここで
はその説明を省略するが、このパルス発生回路は、構成
は簡単であるが、水分センサの検知出力(容量変化)を
高精度に周波数信号に変換することができ、また、信頼
性も高い。
【0045】次に、上記構成の水分量検知装置を使用し
て水分センサの感湿特性を補正する具体例について説明
する。
【0046】無作為に取り出した3つの水分センサA、
B、Cの感湿特性を実測したところそれぞれ図5に示す
ような特性であった。まず、センサAの特性をセンサB
の特性に調整するため、図6に示すように、可変抵抗V
R1(オフセット)を調整して補正量Δb(=5.0)
を与え、特性Aを上方に平行移動して特性A1を得た。
次に、この特性A1が点(H1、C1)を通過するよう
に、可変抵抗VR2(ゲイン)を調整して補正量Δd
(=0.45)を与え、特性A2を得た。その結果、こ
の特性A2はセンサBの特性とほぼ一致した。
【0047】次に、センサAの特性をセンサCの特性に
調整するため、図7に示すように、可変抵抗VR1を調
整して補正量Δb(=2.0)を与え、特性Aを上方に
平行移動して特性A1を得た。次に、この特性A1が点
(H1、C1)を通過するように、可変抵抗VR2を調
整して補正量Δd(=1.38)を与え、特性A2を得
た。さらに、関数fの非線形の状態を修正するため、可
変抵抗VR3(リニア化)を調整して補正量ΔN(=
1.23)を与え、特性A3を得た。その結果、この特
性A3はセンサCの特性とほぼ一致した。
【0048】以上のような補正を無作為に取り出した2
0個の水分センサに対して行なった結果を次の表1に示
す。この表1から、本発明によれば高精度に各センサの
特性を補正できることが分かる。
【0049】
【表1】
【0050】このように本実施例によれば、ディジタル
電子回路によって水分センサの検知出力を周波数信号に
変換するものであるから、センサ特性が非線形であって
も高精度の変換が行なえる。また、電子回路の構成が極
めて単純化できるから、部品点数を減少でき、小型化で
き、低価格になるとともに、信頼性が高くなる。
【0051】また、耐電気ノイズ性、周辺温度安定性等
の耐環境安定性が向上し、十分な計測範囲が得られ、計
測の全領域において十分な精度を得ることができる。
【0052】さらに、逆関数の演算処理はマイクロコン
ピュータのプログラムによって容易に行なうことができ
る上、各校正時に、データ採取、数値処理、プログラム
の変更、ROM化の作業を行なう必要がないので、校正
時間と工数が大幅に減少できる。勿論、A/D変換器を
使用する必要がなく、かつ消費電流が少なくなるという
利点もある。
【0053】ちなみに、本実施例の検知装置において
は、マイクロコンピュータ13にはミニ・フラット・パ
ッケージ・タイプのディジタルIC程度の大きさ(12
mm×10mm)の簡易マイクロコンピュータが利用で
き、全体の大きさを25mm×25mm×5mm以下に
形成することができた。また、消費電流は1mA以下に
抑えることができた。
【0054】なお、上記実施例のようにΔb、Δd、Δ
Nの各補正量を可変抵抗VR1〜VR3によって連続可
変する代わりに、図8に示すように、多数のスイッチS
W1〜SWnをデコーダD1、D2、D3に接続し、こ
れらスイッチの設定により離散的に各補正量を設定する
ようにしてもよい。
【0055】また、上記実施例は本発明の単なる例示に
過ぎず、アルミニウム酸化被膜型水分センサ以外の水分
センサを使用する種々の装置にも本発明が容易に適用で
き、同様の作用効果が得られることは言うまでもない。
勿論、上記実施例に示した回路構成、使用する素子等は
必要に応じて任意に変更できるものである。例えば、水
分センサとしてインピーダンス型のセンサ等を使用して
も良く、インピーダンス型の場合にはパルス発生回路の
他方のパルス周波数決定用素子が固定の容量となること
は言うまでもない。また、3ステートバッファ以外の電
子スイッチや論理ゲートを使用しても、或はアナログス
イッチを使用してもよい。さらに、パルス発生回路にC
−MOSシュミットインバータ以外のインバータや他の
回路素子を使用することもでき、また、マイクロコンピ
ュータ以外のディジタルの演算処理手段を使用してもよ
い。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
水分量検知回路を構成簡単でかつ高精度のディジタル回
路によって構成し、また、水分センサの非線形な感湿特
性のメカニズムに基づいた補正をコンピュータの演算処
理によって行なうようにしたので、コンピュータによる
演算処理とアナログ回路の利点とが両立し、高信頼性、
長期耐久性で、かつ小型化することができ、さらに高精
度の測定が行なえるという効果がある。また、コンピュ
ータによりその特性を演算処理するので高精度な測定値
が得られ、その上、各センサの校正時に、データ採取、
数値処理、プログラムの変更、ROM化の作業等を行な
う必要がないので、校正時間と工数が大幅に減少できる
という効果がある。さらに、部品点数が大幅に減少し、
A/D変換器も必要ないから、消費電流を相当に減少で
きるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水分量検知装置の第1の実施例を
示す回路構成図である。
【図2】水分量検知装置に使用される代表的な水分セン
サの入出力特性を示す特性曲線図である。
【図3】水分センサの特性補正方法の一具体例であるア
ルゴリズムを示すフローチャートである。
【図4】図1の回路において各スイッチに供給される制
御信号を示すタイミングチャートである。
【図5】図1の回路におけるセンサ特性の補正動作を説
明するための線図である。
【図6】図1の回路におけるセンサ特性の補正動作を説
明するための線図である。
【図7】図1の回路におけるセンサ特性の補正動作を説
明するための線図である。
【図8】本発明による水分量検知装置の第2の実施例を
示す回路構成図である。
【図9】水分センサの検知出力から水分濃度を検知する
までの一連の動作の流れを示すブロック図である。
【図10】従来のコンピュータによる演算処理の第1の
例を説明する概略図である。
【図11】従来のコンピュータによる演算処理の第2の
例を説明する概略図である。
【図12】従来のコンピュータによる演算処理の第3の
例を説明する概略図である。
【図13】図12の演算処理のアルゴリズムを示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
11、12 C−MOS型シュミットインバータ 13 マイクロコンピュータ 14 カウンタ 15 CPU 16、23 I/Oポート 17〜20 制御線 21 RAM 22 ROM CH 水分センサ D1〜D3 デコーダ SW0 スイッチ SW1〜SW3 3ステートバッファスイッチ VR1〜VR3 可変抵抗

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体中の水分量を水分センサで検知
    し、該検知出力から演算処理手段により被検体中の水分
    量を計測する水分量検知装置において、水分センサをパ
    ルス周波数決定用素子として含むパルス発生手段と、該
    パルス発生手段から出力されたパルス信号から検知水分
    量に対応する周波数を検出し、該検出された周波数に基
    づいて水分量を算出するディジタル演算処理手段と、水
    分センサの感湿特性を調整する補正手段とを具備し、前
    記ディジタル演算手段には少なくとも水分センサの標準
    特性と前記パルス発生手段の変換関数の逆関数を記憶さ
    せ、前記ディジタル演算手段によって前記水分センサの
    標準特性と前記パルス発生手段の変換関数の逆関数の演
    算処理を行なわせるとともに、前記補正手段によって水
    分センサの特性の補正量を周波数情報として前記ディジ
    タル演算手段に入力してその演算処理内容を変更できる
    ようにしたことを特徴とする水分量検知装置。
  2. 【請求項2】 前記補正手段は、水分センサの感湿特性
    を平行移動させる補正量と、水分センサの特性をある特
    定の座標点を通過するように修正する補正量と、水分セ
    ンサの非線形の状態を修正する補正量をそれぞれ調整す
    るものであることを特徴とする請求項1の水分量検知装
    置。
  3. 【請求項3】 前記パルス発生手段は、シュミットイン
    バータと、該インバータの帰還回路に挿入された固定の
    抵抗と、前記インバータの入力と接地間に接続された水
    分センサとから構成され、前記水分センサの電気容量が
    水分量の変化に応じて変化することによって対応的に変
    化する周波数の方形波パルス信号を出力することを特徴
    とする請求項1の水分量検知装置。
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JP3142793A Expired - Lifetime JP2646419B2 (ja) 1993-01-27 1993-01-27 水分量検知装置

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JPH06222023A (ja) 1994-08-12

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