JP5009870B2 - 静電容量式センサの異常検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コンデンサを構成する一対の電極間に被測定物を介在させ、両電極間の静電容量に基づき被測定物の状態を検知する静電容量式センサが異常状態にあるか否かを検出する静電容量式センサの異常検出装置に関するものである。
従来、コンデンサを構成する一対の電極間に被測定物を介在させ、両電極間の静電容量の測定結果に基づいて被測定物の状態を検知する静電容量式センサが知られている。このような静電容量式センサの例として、液体の濃度を検知する濃度センサ、液体の劣化状態を検知する劣化センサ、水位(液位)を検知する水位センサ、気体の湿度を検出する湿度センサ等が挙げられる。
例えば、オイルの劣化状態を検知する劣化センサでは、オイル内に浸漬した一対の電極板によりコンデンサを構成する。その電極板間に電圧が周期的に変動する正弦波波形をなす測定信号を入力すると、その出力として得られるコンデンサを通過した電流を電流電圧変換した検出信号は、測定信号と同じ周波数の正弦波波形となる。この検出信号はコンデンサの静電容量に応じて波形の振幅が変化するので、振幅を測定することにより両電極間の静電容量を測定できる。オイルは、劣化状態に応じてその誘電率が変化するので、測定した静電容量に基づきオイルの劣化状態を判定することができる(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、このような静電容量式センサを用いて被測定物の状態を検知するには、測定信号の生成回路と検出信号のサンプリング回路および解析回路とを設ける必要がある。その一方で、各種回路を有する電装部品には低廉化が求められており、そのためにはこうした信号の処理回路に汎用のマイクロコンピュータを用いることが望ましい。特許文献1では、検出信号から取得する電圧のサンプリング点を減らしつつ、得られたサンプリング点に対し数学的手法を用いて解析を行うことで、マイクロコンピュータに対する負荷が小さい処理ながら正確に検出信号の振幅の算出を行っている。
特開2004−219159号公報
しかしながら、静電容量式センサに異常が生じた場合、検出信号の波形は正常時の波形に対して歪みを生じ得るが、特許文献1ではセンサの異常を検出できず、検出信号の波形がどのような形状であっても取得したサンプリング点を基に波形の振幅を求めるため、被測定物の実際の状態とは異なる状態を検知してしまう虞があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、静電容量式センサが異常状態にあるか否かを検出することができる静電容量式センサの異常検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る発明の静電容量式センサの異常検出装置は、コンデンサを構成する一対の電極間に被測定物を介在させ、前記電極間に電圧が周期的に変動する正弦波波形をなす測定信号を入力し、その出力として得られた検出信号の波形の状態に基づいて前記被測定物の状態を検出する静電容量式センサが異常状態にあるか否かを検出する静電容量式センサの異常検出装置であって、前記測定信号の波形の変動周期に基づいて定められた当該変動周期よりも短い一定間隔の位相であるサンプリング位相ごとに、前記検出信号の信号値を取得するサンプリング手段であって、前記測定信号の前記変動周期の一周期に対して4点以上のサンプリング位相に対応した前記検出信号の信号値を取得するサンプリング手段と、取得した複数の前記検出信号の信号値のうち、当該検出信号の信号値の極値を特定する極値特定手段と、複数の前記検出信号の各信号値の平均値を算出する平均値算出手段と、前記検出信号の信号値のうち、前記サンプリング手段による検出信号の信号値の取得順が連続しつつ前記平均値を挟む2つの信号値を選び、その2つの信号値のうち前記平均値に近い信号値を中近値として特定する中近値特定手段と、予め、90度、または90度に前記サンプリング位相を加えた和のいずれか一方を第1判定位相差として定め、前記中近値の位相と、前記極値のうち、前記平均値に対して前記中近値と同じ側にある前記極値の位相との位相差である第1位相差を、前記第1判定位相差と比較する位相差比較手段と、前記位相差比較手段による比較の結果、前記第1位相差が前記第1判定位相差以上である場合に、前記静電容量式センサに異常が生じたと判定する異常判定手段と、を備えている。
本発明によれば、正弦波波形をなす測定信号を静電容量式センサに入力し、出力される検出信号の波形の形状が正弦波に対して歪んでいる場合に、静電容量式センサに異常が生じたと判定することができる。具体的に、まず、測定信号の変動周期の一周期において、検出信号の信号値をサンプリング位相ごとに4点以上サンプリングし、取得順に連続しつつ平均値を挟む2つの信号値のうち平均値に近い方を中近値とする。また、信号値の極値、すなわち極大値および極小値を特定し、平均値に対して中近値と同じ側にある極値を選び、その極値の位相と中近値の位相との位相差を第1位相差として求める。検出信号の波形に歪みがなく、測定信号と同じく正弦波であれば、検出信号も正弦波をなすため、第1位相差は90度となる。
もっとも、サンプリング位相の大きさによっては、第1位相差が、測定タイミングのずれに伴う誤差(測定誤差)を含み、必ずしも90度とはならない場合がある。こうした測定誤差を許容するため、90度にサンプリング位相を加えた和を第1判定位相差とし、第1位相差が第1判定位相差以上となった場合に、静電容量式センサに異常が生じたと判定するのである。このような異常判定は検出信号のサンプリングを行った結果をもとにソフトウェア的な解析により簡易に行うことができるので、静電容量式センサの異常を検出するための新たな構成を必要としない。つまり、静電容量式センサによる被測定物の状態検出の際に入力される測定信号と、その出力の検出信号とを用いた既存の構成で、静電容量式センサに異常が生じたか判定することができる。
次に、予め、180度から前記サンプリング位相を引いた差を第2判定位相差として定めるとともに、180度に前記サンプリング位相を加えた和を第3判定位相差として定めるものとする。本発明における前記前記異常判定手段は、前記位相差比較手段による比較の結果、前記第1位相差が前記第1判定位相差より小さかった場合に、さらに、前記極値間の位相差である第2位相差を前記第2判定位相差および前記第3判定位相差と比較し、前記第2位相差が前記第2判定位相差以下である場合、または、前記第2位相差が前記第3判定位相差以上である場合に、前記静電容量式センサに異常が生じたと判定してもよい。
このように、第1位相差が第1判定位相差より小さい場合に、第2位相差を、さらに第2判定位相差および第3判定位相差と比較し、その比較結果をもって検出信号の波形に歪みが生じていないかを確認すれば、より精度よく、静電容量式センサにおける異常発生の有無を検出することができる。具体的に、検出信号の波形に歪みがなく、測定信号と同じく正弦波であれば、検出信号も正弦波をなすため、第2位相差は180度となる。そこで、上記同様に測定誤差を許容し、180度からサンプリング位相を差し引いた第2判定位相差を下限とし、180度にサンプリング位相を加えた第3判定位相差を上限とする位相の範囲内に第2位相差が収まらなければ、検出信号の波形に歪みが生じた、すなわち、静電容量式センサに異常が生じたと判定するのである。このように、第1位相差が第1判定位相差より小さく、1/4周期分の検出信号の波形からは歪みが検出できなかった場合でも、さらに1/2周期分の検出信号の波形をもって検出信号の歪みの有無の検出を行うことで、静電容量式センサにおける異常発生の有無をより正確に検出することができる。
ところで、検出信号の信号値のサンプリングを行ったタイミングやサンプリング位相の大きさによっては、平均値より大きい値側の極値(極大値)や平均値より小さい値側の極値(極小値)が、同値で2箇所、検出される場合がある。そこで、本発明における前記極値特定手段は、前記極値の特定を行う際に、位相の異なる2つの信号値がともに同値で前記極値を示す場合、前記サンプリング手段による前記検出信号の信号値の取得順において先に取得した信号値を前記極値として特定するとよい。あるいは、前記極値特定手段は、前記極値の特定を行う際に、位相の異なる2つの信号値がともに同値で前記極値を示す場合、前記サンプリング手段による前記検出信号の信号値の取得順において後に取得した信号値を前記極値として特定してもよい。すなわち、極大値を示し位相の異なる2つの信号値があり、先に取得した信号値を極大値として設定したならば、極小値についても、極小値を示し位相の異なる2つの信号値のうち、先に取得した信号値を極小値として設定すればよい。あるいは、極大値を示し位相の異なる2つの信号値があり、後に取得した信号値を極大値として設定してもよく、この場合には、極小値についても、極小値を示し位相の異なる2つの信号値のうち、後に取得した信号値を極小値として設定すればよいのである。
また、本発明における前記異常判定手段は、前記位相差比較手段による比較の結果、前記第1位相差が前記第1判定位相差以上である場合、または、前記第1位相差が前記第1判定位相差より小さく、且つ、前記第2位相差が前記第2判定位相差以下である場合、あるいは、前記第1位相差が前記第1判定位相差より小さく、且つ、前記第2位相差が前記第3判定位相差以上である場合に、前記静電容量式センサに異常が発生したと仮に判定する仮判定手段と、前記仮判定手段によって前記静電容量式センサが異常状態にあると仮に判定された回数を計数する計数手段と、を備えてもよい。そして、前記計数手段により計数された仮判定回数が予め定められた基準回数に達した場合に、前記静電容量式センサに異常が発生したと判定するとよい。このようにすれば、静電容量式センサが異常状態にあるか否かを複数回の判断により行うことができるので、一時的な異常状態を検出してしまうことにより異常判定がなされてしまうことを防止し、静電容量式センサの異常判定に対する信頼性を高めることができる。
なお、本発明では、前記サンプリング位相が90度の約数であるとともに、前記第1判定位相差が90度であることが望ましい。サンプリング位相を90度の約数とすれば、測定誤差を生じにくくすることができるので、第1位相差については90度との比較をもって、また、第2位相差については180度との比較をもって、検出信号の波形に歪みが生じているか否かを検出することができる。したがって、静電容量式センサにおける異常の発生の有無の判断を精度よく行うことができる。
以下、本発明を具体化した静電容量式センサの異常検出装置の一実施の形態について、図面を参照して説明する。ここでは、静電容量式センサの一例として尿素水溶液のレベル(液位)を検出するレベルセンサ100を挙げ、そのレベルセンサ100に搭載され、レベルセンサ100の異常を検出するための回路(異常検出回路20)およびプログラム(後述する異常検出プログラム)からなるシステムを、本発明に係る異常検出装置の一例として説明する。まず、本発明の一実施の形態として、レベルセンサ100の異常を検出するための異常検出回路20の電気的な構成について、図1,図2を参照して説明する。図1は、レベルセンサ100の異常を検出するための異常検出回路20の電気的な構成を示す図である。図2は、レベル検出部10の模式的な構造を示す図である。なお、レベルセンサ100の異常を検出する回路(異常検出回路20)は尿素水溶液のレベルを検出するための回路と共用されており、このレベル検出のための回路構成やプログラムについては公知であるため、その説明(後述)については簡略化する。
図1に示す、本実施の形態のレベルセンサ100は、自動車のディーゼルエンジンから排出される排気ガスの浄化に用いられる尿素水溶液16(図2参照)のレベルを検出するためのセンサとして用いられるものである。レベルセンサ100は尿素水溶液16に浸されてレベルを検出するためのレベル検出部10を有し、このレベル検出部10は、一対の電極間に介在する尿素水溶液16のレベルに応じて両電極間の静電容量が変化するコンデンサを構成する。図2に示すように、レベル検出部10は、円筒状の外筒電極11と、その外筒電極11の内部にて外筒電極11の軸線方向に沿って同心的に配置される円筒状の内部電極12とから構成される。内部電極12の表面上には誘電率の高い絶縁被膜(図示外)が塗布されている。なお、内部電極12は円筒状でなく、中実状であってもよい。
次に、図1に示すように、レベルセンサ100は、レベル検出部10に電圧を印加する回路において異常が生じたか否かを検出するための異常検出回路20を備える。異常検出回路20は、マイクロコンピュータ30、波形生成回路40、検出抵抗51および差動増幅回路50等を有する。マイクロコンピュータ30は、公知の構成のCPU60,ROM70,RAM80や、図示しない各種入出力ポートを備え、尿素水溶液16のレベルの検出結果をECU(エンジン制御装置)に対し出力する。CPU60は、レベルセンサ100の制御(本実施の形態においては、異常検出回路20の制御)を司る。ROM70には、後述する異常検出プログラムや、異常検出プログラムで使用される各種変数の初期値、閾値等が記憶されている。RAM80には、異常検出プログラムの実行時に、異常検出プログラムで使用される各種変数やカウント値、データなどが一時的に記憶される。また、レベル検出部10への測定信号の入力結果として得られる検出信号のサンプリングによって取得される信号値(電圧値)も記憶される。また、ROM70やRAM80は、レベルセンサ100にて実行される他のプログラムと共用されるものであり、図示しないが、それらのプログラムで使用される記憶エリアも有している。
次に、図1に示す、波形生成回路40は、マイクロコンピュータ30の複数の出力ポートを利用して、電圧変化が正弦波波形をなす測定信号を生成する回路である。具体的に、波形生成回路40は、概略、マイクロコンピュータ30の複数の出力ポートにそれぞれ抵抗値の異なる抵抗器の一端を接続し、各抵抗器の他端を、ローパスフィルタの入力に接続した構成をなす。マイクロコンピュータ30の各出力ポートの出力電圧は、例えば0Vおよび+5Vの二値的な電圧であるが、各出力ポートのオン・オフを適宜組み合わせると、各抵抗器を介して合成される出力電圧を、0V〜5Vの範囲で段階的に切り替えることができる。したがって、マイクロコンピュータ30の各出力ポートのオン・オフのタイミングを調整し、予め定められた順序および周期にて切り替えることにより、正弦波の軌跡をたどる階段状の電圧波形を有した信号を出力することができる。なお、各抵抗器の一端を、それぞれトランジスタを介してバッテリに接続し、マイクロコンピュータ30の出力ポートで各トランジスタのオン・オフを制御し、各抵抗器でバッテリ電圧を降圧させて合成し、安定した出力電圧を得てもよい。このように生成した階段状の信号を、ローパスフィルタを通過させてスムージングすれば、電圧が滑らかに変動する正弦波波形の測定信号を生成することができる。本実施の形態では、一周期を8分割した1/8周期(進角45度)ごとにマイクロコンピュータ30の各出力ポートのオン・オフを所定のパターンにしたがって切り替えて階段状の信号を作成しスムージングして正弦波波形をなす測定信号を生成している。なお、この波形生成回路40については、特開2003−110364号公報にも記載されているため、波形生成回路40の詳細についての説明はここまでとする。
波形生成回路40の出力は、検出抵抗51を介してレベル検出部10の内部電極12に接続されており、外筒電極11側は接地されている。そして検出抵抗51の両端には差動増幅回路50が接続されている。レベル検出部10の内部電極12の電位は、波形生成回路40から出力される測定信号によって印加される電圧に応じて変動するが、その変動幅(すなわち振幅)が外筒電極11と内部電極12との間の静電容量によって左右される。内部電極12の電位は検出抵抗51を流れる電流に比例し、検出抵抗51の両端に現れる電位差として現れるので、差動増幅回路50では電流電圧変換して得た信号を検出信号とし、マイクロコンピュータ30へ出力している。
ここで、尿素水溶液16のレベル(水位)を検出する方法について簡単に説明する。図2に示すように、被測定物としての尿素水溶液16が収容されたタンク15内にレベル検出部10を配置したとき、外筒電極11と内部電極12との間には、尿素水溶液16に満たされる部位と空気層の残る部位とが生ずる。尿素水溶液16は導電性を有するため、外筒電極11と内部電極12との間の静電容量は、尿素水溶液16の介在する部位において形成される、絶縁被膜を誘電体とするコンデンサと、尿素水溶液16が介在しない部位において形成される、絶縁被膜および空気層を誘電体とするコンデンサとの合成容量となる。このため、外筒電極11と内部電極12との間の静電容量は、尿素水溶液16のレベルに応じ変化を生ずるものとなる。
図1に示す波形生成回路40で生成された正弦波波形をなす測定信号がレベル検出部10に入力されると、外筒電極11と内部電極12とからなるコンデンサは、周期変動する測定信号の電圧値と、内部電極12側の電位との電位差に応じて充放電を行う。したがって、波形生成回路40とレベル検出部10との間に設けられた検出抵抗51を流れる電流の向きや大きさが変化し、この検出抵抗51の両端の電位差を差動増幅回路50で検出して得られる検出信号は、もとの測定信号と同じ周波数で変動する正弦波波形をなす。コンデンサの静電容量に変化が生ずると、検出抵抗51を流れる電流の最大値や最小値にも変化が生ずることとなるため、レベルセンサ100では、検出信号の振幅をもとにタンク15内における尿素水溶液16のレベルの検出を行う。
ところで、異常検出回路20において電子部品の不具合やノイズ等の影響により異常が生じた場合、回路上に意図しなかった浮遊容量などが生じ、正常時の検出信号(以下、「基準信号」という。)に対し、サンプリングした検出信号の位相に大きな歪みを生ずることがある。そこで本実施の形態では、後述する異常検出プログラムの実行にしたがって検出信号の位相の歪みの有無を確認し、レベルセンサ100に異常が発生しているか否かの検出を行う。
以下、図3〜図6を参照し、異常検出プログラムの動作について説明する。図3は、本実施の形態の異常検出プログラムのフローチャートである。図4は、極値取得処理のサブルーチンのフローチャートである。図5は、検出信号に歪みが生じた場合の波形形状の一例を示すグラフである。図6は、検出信号に歪みが生じた場合の波形形状の一例を示すグラフであり、図5とは異なるタイミングで信号値のサンプリングが行われた場合の例を示したものである。なお、フローチャートの各ステップについては「S」と略記する。
まず、異常検出プログラムの実行において使用される変数やフラグ、カウンタ等について説明する。「異常状態」フラグは、異常検出プログラムでレベルセンサ100に異常が発生したと判定された場合に立てられるフラグであり、フラグ成立後はレベル検出が行われないように異常検出プログラム実行の終了判定に用いられる。「サンプリング回数」カウンタは、検出信号の信号値(電圧値)をサンプリング(取得)した回数を計数するためのカウンタで、サンプリングの終了タイミングを図るのに用いられる。変数「極大値」および「極小値」は、サンプリングした検出信号の信号値から求められる最大値および最小値をそれぞれ記憶する変数で、総じて「極値」ともいう。変数「極大位相」および「極小位相」は、それぞれ極大値および極小値として求められた信号値がサンプリングされた位相を記憶する変数である。変数「平均値」は、サンプリングした検出信号の信号値の平均値の算出結果を記憶する変数で、サンプリングした検出信号の信号値のうち中近値(後述)を特定するのに用いる。変数「中近値」は、取得順に連続しつつ平均値を挟む2つの信号値のうち、平均値に近い値を有する信号値を記憶する変数である。また、中近値として求められた信号値がサンプリングされた位相は、変数「中近位相」として記憶される。「異常仮発生回数」カウンタは、レベルセンサ100に異常が発生したと仮に判定した回数を計数するカウンタであり、異常仮発生回数が予め定められた設定値(例えば5回)に達すると、レベルセンサ100に異常が発生したと判定される。
変数「位相差X」は、中近位相と、平均値よりも中近値側にある極値(極大値または極小値)の位相(極大位相または極小位相)との位相差を記憶する変数である。変数「位相差Y」は、極値間の位相差(極大位相と極小位相との差)を記憶する変数である。定数「判定位相差K」は、90度に測定誤差として含み得るサンプリング位相(本実施の形態では45度)を加えた値を記憶した定数である。なお、判定位相差Kは、90度としてもよい。また、定数「判定位相差M」は、180度から測定誤差として含み得るサンプリング位相(本実施の形態では45度)を差し引いた値を記憶した定数である。定数「判定位相差N」は、180度に測定誤差として含み得るサンプリング位相(本実施の形態では45度)を加えた値を記憶した定数である。なお、判定位相差K,M,Nが、それぞれ、本発明における「第1判定位相差」,「第2判定位相差」,「第3判定位相差」に相当する。
ここで、本実施の形態の異常検出プログラムでは、上記したように、CPU60の指示により生成した測定信号をレベル検出部10に入力し、出力される検出信号のうち狙いの位相において信号値を取得する。そして狙いの位相をサンプリング位相分ずらし、同処理を繰り返し行って、検出信号一周期分の信号値を取得している。サンプリング位相の大きさによっては、検出信号の信号値を取得するタイミングのずれに伴う誤差(測定誤差)を生ずる場合がある。本実施の形態では、このような測定誤差を見込んだ上で、レベルセンサ100の異常発生の有無について判断できるように、判定位相差K,M,Nを設定している。
次に、異常検出プログラムの動作について説明する。本実施の形態の異常検出プログラムは、レベルセンサ100で尿素水溶液16のレベル検出を行うにあたって、レベルセンサ100で実行されている制御プログラム(図示外)からコールされるサブルーチンである。図3に示す、異常検出プログラムがコールされると、まず、異常状態フラグが参照され、以前の異常検出プログラムの実行の際に、既にレベルセンサ100に異常状態が検出されていないか確認される(S11)。そして検出されている場合(異常状態フラグが成立している場合)にはそのまま異常検出プログラムを終了し、制御プログラムに戻る(S11:YES)。異常状態が検出されていなければ(S11:NO)、初期化が行われ(S13)、サンプリング回数カウンタ、サンプリング位相、極大値、極小値、中近値、平均値、極大位相、極小位相、および中近位相がリセットされる。なお、異常状態フラグと異常仮発生回数カウンタはリセットされず、その値が持ち越される。
次のS15において、予め定められたサンプリング位相ごとに、検出信号一周期分の信号値のサンプリングが行われる。マイクロコンピュータ30において、測定信号の生成タイミングと検出信号のサンプリングを行うタイミングを同期させ、測定信号を基準に設定したタイミングにて検出信号の信号値(電圧値)のサンプリングが行われる。具体的には以下の手順にて検出信号のサンプリングが行われる。まず、マイクロコンピュータ30において測定信号の生成を開始し、開始したタイミングを基準に設定された第1のタイミングに検出信号のサンプリングを行い、得られた信号値を検出信号の現在の位相(初回の位相を0度とし、以降はサンプリング位相を加えた位相とする。)と関連付けてRAM80に記憶する。次に、第1のタイミングに、予め定められたサンプリング位相(本実施の形態では45度)分ずらしたタイミングを第2のタイミングに設定する。そして同様に測定信号の生成を開始し、開始したタイミングを基準として第2のタイミングに検出信号のサンプリングを行い、得られた信号値を現在の位相(2回目であるので初回の位相(0度)にサンプリング位相(45度)を加えた位相(すなわち45度))と関連付けてRAM80に記憶する。以下同様に、サンプリング位相ごとに検出信号のサンプリングを行い、測定信号の一周期分における検出信号の信号値を取得する。本実施の形態ではサンプリング間隔が45度であるので、サンプリングを8回行えば、測定信号の一周期分における検出信号の信号値を得られる。なお、S15において、差動増幅回路50を介して検出信号の信号値を取得するCPU60が、本発明における「サンプリング手段」に相当する。
次のS17では、極値取得処理のサブルーチンがコールされる。図4に示す、極値取得処理のサブルーチンでは、まず、検出信号の信号値のうち最初に取得された信号値が極大値および極小値として設定され、各変数に上書きされる(S51)。また、その信号値に関連付けられた位相が、極大位相および極小位相として設定される。次いで、2番目に取得された信号値が着目される(S53)。着目された信号値が極大値以下の値であればそのままS59に進み(S55:NO)、極大値より大きければ(S55:YES)、その信号値で極大値が上書きされるとともに、その信号値の位相が極大位相として設定されて(S57)、S59に進む。S59では同様に、着目された信号値が極小値以上の値であればそのままS63に進み(S59:NO)、極小値より小さければ(S59:YES)、その信号値で極小値が上書きされるとともに、その信号値の位相が極小位相として設定されて(S61)、S63に進む。このS53〜S61の処理は、サンプリングされた一周期分(本実施の形態ではサンプリングの回数で8回分)の全ての信号値に対し行われる。このため、まだ着目していない信号値があれば、S53に戻る(S63:NO)。
具体例を挙げて説明すると、図5に示すように、S51において、測定信号の位相を基準に設定された第1のタイミングに得られた信号値Aが、極大値ならびに極小値として設定される。また、極大位相、極小位相はともに信号値Aの位相(ここでは便宜上0度とする。以下同様とする。)が設定される。S53で、第2のタイミングに取得された信号値Bが着目され、S55,S57で、A<Bなので極大値が信号値Bに、極大位相が信号値Bの位相(45度(便宜上))に更新される。A<Bなので極小値および極小位相は更新されない。3周目には極大値が信号値Cに、4周目には極大値が信号値Dに更新される。このようにして一周期分の信号値が順に着目されて、図5の例の場合は、極大値が信号値G(極大位相270度(便宜上))に、極小値が信号値A(極小位相0度(便宜上))が設定される。そしてサンプリングされた一周期分の全ての信号値について着目され、極値の更新が終わると、図4に示すように、極値取得処理のサブルーチンを終了し、異常検出プログラムのメインルーチンに戻る(S63:YES)。なお、S51〜S63の処理によって検出信号の極値(極大値および極小値)を特定するCPU60が、本発明における「極値特定手段」に相当する。
図3に示すように、次のS19では、サンプリングされた検出信号一周期分の全ての信号値の平均値が演算され、RAM80に記憶される(S19)。そして、サンプリングされた一周期分の全ての信号値から、サンプリング順が連続しつつ平均値を挟む2つの信号値が特定され、その2値のうち、平均値に近い値を持つ信号値が、中近値として設定される。さらに、中近値に設定された信号値の位相が中近位相として設定され、中近値とともにRAM80に記憶される(S21)。具体的に、図5において、連続しつつ平均値を挟む2つの信号値は信号値Dと信号値Eであり、そのうち平均値に近い値は信号値Dである。したがって、中近値には信号値Dが設定され、中近位相には135度(便宜上)が設定される。なお、S19の処理によって検出信号の平均値を算出するCPU60が、本発明における「平均値算出手段」に相当し、S21の処理によって検出信号の中近値を特定するCPU60が、本発明における「中近値特定手段」に相当する。
次に図3に示すように、S23において、中近値の位相(中近位相)と、極値(極大値および極小値)のうち、値の大小が平均値よりも中近値側にある極値の位相(極大位相または極小位相)との位相差Xが求められる。具体的に、図5において、中近値として設定された信号値Dは、平均値より値が小さい。平均値より小さな極値は極小値であるため、ここでは、中近位相(135度(便宜上))と極小位相(0度(便宜上))との位相差X(この場合135度(便宜上))が算出される。さらに、図3のS23では、極値(極大値および極小値)間の位相差Y(極大位相と極小位相との位相差)も求められる。具体的に、図5において、極値の位相は、極大位相が135度、極小位相が0度(ともに便宜上)であり、位相差Yとして135度(便宜上)が算出される。
図3に示すように、次のS25では、位相差Xが判定位相差Kより小さいか否かが確認される。測定信号は正弦波であり、レベルセンサ100に異常がなければ検出信号も正弦波となるため、正常な検出信号であれば、平均値から極値までの位相差が90度となる。判定位相差Kは上記のように、測定誤差を考慮した上でのしきい値であり、位相差Xが判定位相差K(90度に測定誤差の許容値としてのサンプリング位相(45度)を加えた位相差)以上であれば(S23:NO)、検出信号に歪みが生じていると判断される。異常検出回路20において電子部品の不具合が生じたりノイズ等が混入したりするなど、レベルセンサ100に異常が生じたと仮に判断されて、異常仮発生回数が1加算される(S35)。このとき、異常仮発生回数が設定値(例えば5回)未満であれば(S37:NO)、そのまま異常検出プログラムを終了して制御プログラムに戻り、次回のレベル検出の際には、今回加算された異常仮発生回数のまま、レベルセンサ100の異常状態の検出が行われる。なお、S25において位相差Xを判定位相差Kと比較するCPU60が、本発明における「位相差比較手段」に相当する。
異常検出プログラムの2周目の実施においても、上記同様に、新たに検出信号の信号値のサンプリングが行われ、極値および中近値、ならびに位相差X,位相差Yが求められる(S11〜S23)。ここで、例えば、検出信号の信号値のサンプリングが行われたタイミングが異常検出プログラムの1周目のときと異なったりすると、信号値同士の関係にも変化が生ずる。具体的に、図6において、連続しつつ平均値を挟む2つの信号値は信号値Eと信号値Fであり、そのうち平均値に近い値は信号値Fである。したがって、中近値には信号値Fが設定され、中近位相には225度(便宜上)が設定される。また、信号値Fは平均値より値が大きく、位相差Xは、中近値である信号値Fの中近位相と、極大値である信号値Hの極大位相(315度(便宜上))との位相差より求められ、90度(便宜上)となる。
図3に示す、S25において、位相差Xが判定位相差Kより小さければ(S25:YES)、次は、極値間の位相差Yをもって異常判定が行われる。すなわち、位相差Yと判定位相差Mおよび判定位相差Nとの比較がなされ(S27,S29)、位相差Yが判定位相差M以下である場合(S27:NO)、または位相差Yが判定位相差N以上である場合には(S27:YES,S29:NO)、レベルセンサ100に異常が生じたと仮に判断されて、異常仮発生回数が1加算される(S35)。なお、S25において位相差Xが判定位相差K以上であった場合、またはS27において位相差Yが判定位相差M以下であった場合、あるいはS29において位相差Yが判定位相差N以上であった場合に、レベルセンサ100に異常が発生したと仮に判定するCPU60が、「仮判定手段」に相当する。また、S35で異常仮発生回数を1加算するCPU60が、「計数手段」に相当する。
異常仮発生回数が設定値に達しないうちは(S37:NO)、制御プログラムからレベル検出のため異常検出プログラムがコールされる度に、上記一連の処理による異常発生の有無の検出が行われる。S25〜S29において上記のようにレベルセンサ100に異常が生じたと仮に判断されるうちは、異常仮発生回数が加算されていく。そして、異常仮発生回数が設定値に達すると(S37:YES)、レベルセンサ100に異常が発生したと断定され、異常状態フラグが成立されて(S39)、異常検出プログラムが終了する。以後、制御プログラムから異常検出プログラムがコールされても、異常状態フラグが成立しているので(S11:YES)、レベルセンサ100の異常発生の検出やレベル検出は行われない。なお、S25において位相差Xが判定位相差K以上であった場合、またはS27において位相差Yが判定位相差M以下であった場合、あるいはS29において位相差Yが判定位相差N以上であった場合に、S35〜S37の処理を行い、その結果に応じS39にて異常状態フラグを成立させて、レベルセンサ100に異常が生じたと判定するCPU60が、本発明における「異常判定手段」に相当する。
一方、レベルセンサ100に異常がなければ検出信号が正弦波をなし、極値(極大値と極小値)間の位相差Yは180度となる。位相差Yが、測定誤差を考慮した上での下限値である判定位相差Mより大きく、上限値である判定位相差Nより小さければ(S27:YES,S29:YES)、レベルセンサ100に異常は生じていないと判断される。すると異常仮発生回数のリセット後に(S31)、尿素水溶液16のレベルの検出が行われ(S33)、その後、異常検出プログラムが終了されて、制御プログラムに戻る。
なお、本発明は各種の変形が可能なことはいうまでもない。本実施の形態では検出信号の信号値の位相(現在の位相)を、初回に取得したときを基準(すなわち位相0度)に決定し、以降はサンプリング位相を加えた上で、信号値と関連付けて記憶したが、測定信号の位相を基準にして検出信号の信号値と関連付けて記憶してもよい。
また、本実施の形態では、検出信号の歪みの判定を位相差の比較によって行ったが、サンプリング順位の比較によって行ってもよい。一例として、本実施の形態のように、サンプリング位相が45度の場合には、極値と中近値とのサンプリング順位の差が2で、極値間のサンプリング順位の差が4であれば、検出信号が正弦波であるとみなすことができる。サンプリング位相が30度であるなら、極値と中近値とのサンプリング順位の差が3で、極値間のサンプリング順位の差が6であればよい。
また、サンプリング位相を45度として検出信号一周期分の信号値の取得を、8回のサンプリングにより取得した。このサンプリング位相は検出信号一周期よりも短ければよいが、短いほど精度の高いサンプリングを行える反面、検出信号一周期分のサンプリングにかかる時間が増えることとなる。正弦波であれば極大値、中近値および極小値の位相が90度ずつずれることから、サンプリング位相を90度の約数とすれば、測定誤差を考慮しなくともよく、サンプリングにかかる時間の増加を抑制できるとともに、検出の精度を高めることができる。この場合、位相差Xは90度と比較し、位相差Yを180度と比較すればよい。
本実施の形態では、S25〜S29で、位相差Xや位相差Yが、検出信号が正弦波であるとみなせる条件を満たさなかった場合、異常仮発生回数を加算し、その異常仮発生回数が設定値に達したら、レベルセンサ100に異常が発生したと判定したことにより、誤判断による異常判定をなくし、判定の信頼性を高めることができた。もちろん、異常仮発生回数のカウントを行わず、S25〜S29のいずれかがNOであれば即座にレベルセンサ100に異常が発生したと判定してもよい。
また、レベルセンサ100に搭載した異常検出回路20は、レベル検出を行う回路とは別途設けてもよい。また、レベルセンサ100とは別体に設け、例えばレベルセンサとECUとの間にて中継するように配置させてもよい。
ところで、図7に示すように、レベルセンサ100に異常がなく検出信号が正弦波を示す場合、サンプリングが行われるタイミングによっては、同値の2つの信号値が極値を示す場合がある。具体的に、図7では、信号値Bと信号値Cが同値であり、ともに極大値を示す。また、信号値Fと信号値Gも同値であり、ともに極小値を示す。こうした場合に、例えば、極大値として信号値Bが設定され、極小値として信号値Gが設定されてしまうと、位相差Yが225度(便宜上)となり、異常検出プログラムのS29において、異常と判定されてしまう虞がある(図3参照)。本実施の形態では、極値取得処理(図4参照)において、サンプリングした信号値を取得順に着目し、S55およびS59において、着目した信号値が極値を更新した場合にのみ、その信号値を新たな極値として設定している。これにより、例えば信号値Aから信号値Hへ向けて順に着目して極値の設定が行われた場合、極大値には信号値B、極小値には信号値Fが設定されることとなり、上記のような問題は生じない。もちろん、S55およびS59において、着目した信号値が極値と同値であった場合に、その信号値を新たな極値として設定し直してもよい。この場合、S55では、着目した信号値が極大値以上である場合にS57へ、そうでなければS59へ進み、S59では、着目した信号値が極小値以下である場合にS61へ、そうでなければS63へ進むようにすればよい。また、極値の特定の際に、信号値の着目する順番を、信号値の取得順とは逆の順番に行ってもよい。具体的に、図7では、信号値Hから信号値Aへ向けて順に着目してもよい。
レベルセンサ100の異常を検出するための異常検出回路20の電気的な構成を示す図である。 レベル検出部10の模式的な構造を示す図である。 本実施の形態の異常検出プログラムのフローチャートである。 極値取得処理のサブルーチンのフローチャートである。 検出信号に歪みが生じた場合の波形形状の一例を示すグラフである。 検出信号に歪みが生じた場合の波形形状の一例を示すグラフであり、図5とは異なるタイミングで信号値のサンプリングが行われた場合の例を示したものである。 正常な検出信号の波形形状を示すグラフであり、サンプリングのタイミングによっては2つの信号値が同値の極値を取る例を示したものである。したものである。
符号の説明
11 外筒電極
12 内部電極
16 尿素水溶液
20 異常検出回路
60 CPU
100 レベルセンサ

Claims (6)

  1. コンデンサを構成する一対の電極間に被測定物を介在させ、前記電極間に電圧が周期的に変動する正弦波波形をなす測定信号を入力し、その出力として得られた検出信号の波形の状態に基づいて前記被測定物の状態を検出する静電容量式センサが異常状態にあるか否かを検出する静電容量式センサの異常検出装置であって、
    前記測定信号の波形の変動周期に基づいて定められた当該変動周期よりも短い一定間隔の位相であるサンプリング位相ごとに、前記検出信号の信号値を取得するサンプリング手段であって、前記測定信号の前記変動周期の一周期に対して4点以上のサンプリング位相に対応した前記検出信号の信号値を取得するサンプリング手段と、
    取得した複数の前記検出信号の信号値のうち、当該検出信号の信号値の極値を特定する極値特定手段と、
    複数の前記検出信号の各信号値の平均値を算出する平均値算出手段と、
    前記検出信号の信号値のうち、前記サンプリング手段による検出信号の信号値の取得順が連続しつつ前記平均値を挟む2つの信号値を選び、その2つの信号値のうち前記平均値に近い信号値を中近値として特定する中近値特定手段と、
    予め、90度、または90度に前記サンプリング位相を加えた和のいずれか一方を第1判定位相差として定め、前記中近値の位相と、前記極値のうち、前記平均値に対して前記中近値と同じ側にある前記極値の位相との位相差である第1位相差を、前記第1判定位相差と比較する位相差比較手段と、
    前記位相差比較手段による比較の結果、前記第1位相差が前記第1判定位相差以上である場合に、前記静電容量式センサに異常が生じたと判定する異常判定手段と、
    を備えたことを特徴とする静電容量式センサの異常検出装置。
  2. 予め、180度から前記サンプリング位相を引いた差を第2判定位相差として定めるとともに、180度に前記サンプリング位相を加えた和を第3判定位相差として定め、
    前記前記異常判定手段は、前記位相差比較手段による比較の結果、前記第1位相差が前記第1判定位相差より小さかった場合に、さらに、前記極値間の位相差である第2位相差を前記第2判定位相差および前記第3判定位相差と比較し、前記第2位相差が前記第2判定位相差以下である場合、または、前記第2位相差が前記第3判定位相差以上である場合に、前記静電容量式センサに異常が生じたと判定することを特徴とする請求項1に記載の静電容量式センサの異常検出装置。
  3. 前記極値特定手段は、前記極値の特定を行う際に、位相の異なる2つの信号値がともに同値で前記極値を示す場合、前記サンプリング手段による前記検出信号の信号値の取得順において先に取得した信号値を前記極値として特定することを特徴とする請求項1または2に記載の静電容量式センサの異常検出装置。
  4. 前記極値特定手段は、前記極値の特定を行う際に、位相の異なる2つの信号値がともに同値で前記極値を示す場合、前記サンプリング手段による前記検出信号の信号値の取得順において後に取得した信号値を前記極値として特定することを特徴とする請求項1または2に記載の静電容量式センサの異常検出装置。
  5. 前記異常判定手段は、
    前記位相差比較手段による比較の結果、前記第1位相差が前記第1判定位相差以上である場合、または、前記第1位相差が前記第1判定位相差より小さく、且つ、前記第2位相差が前記第2判定位相差以下である場合、あるいは、前記第1位相差が前記第1判定位相差より小さく、且つ、前記第2位相差が前記第3判定位相差以上である場合に、前記静電容量式センサに異常が発生したと仮に判定する仮判定手段と、
    前記仮判定手段によって前記静電容量式センサが異常状態にあると仮に判定された回数を計数する計数手段と、
    を備え、
    前記計数手段により計数された仮判定回数が予め定められた基準回数に達した場合に、前記静電容量式センサに異常が発生したと判定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電容量式センサの異常検出装置。
  6. 前記サンプリング位相が90度の約数であるとともに、前記第1判定位相差が90度であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静電容量式センサの異常検出装置。
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