JP2642206C - - Google Patents

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JP2642206C
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旭化成工業株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は二次電池に関し、特に高温における安全性に優れた二次電池に関する
。 〔従来の技術〕 近年、一次電池、二次電池、キャパシターあるいはコンデンサー等の電気エネ ルギー蓄積装置においては高容量化および高出力化が進みつつある。これに伴い
、特に電池において、短絡等の異常時に発生する安全上の問題が大きくクローズ
アップされてきている。 例えば近年著しく使用量が増加してきているリチウム電池を例にとると、電池
内外で短絡が起こると電池温度が急激に上昇し、このため電池内容物が噴出し、
さらには爆発が発生する。 かかる問題点を解決するために、正極と負極とを分離するためのセパレーター
に種々の工夫を加えることが試みられている。 例えば特開昭60−23,954号公報では、セパレーターとして微細孔を有する合成
樹脂フィルムを用いることが提案されている。かかる方法によれば従来の不織布
製のセパレーターに比べ、単セルにおける外部短絡が発生した場合はそれなりの
効果が事実見出されるものの、内部短絡あるいは直列に接続された2個以上の単
セルにおける外部短絡等のようにより厳しい条件における短絡に対しては、微細
孔を有する合成樹脂フィルムをセパレーターとして用いることは有効ではなかっ
た。 また、特開平1−186,751号公報ではさらなる改良として、上述の微細孔を有
する合成樹脂フィルムに低融点ワックスを塗布することが記載されている。この
場合、低温、すなわち実使用温度範囲で内部抵抗上昇が起こるので好ましくない
と共に、かかるワックス状の絶縁膜で覆われることにより室温近辺でも基本性能
が損われ好ましくない。 一方、特開昭63−308,866号公報ではポリエチレンとポリプロピレンの2種類
の微細多孔フィルムを重ね合わせて用いることが提案されている。この場合、安
全性面での向上は期待されるが、2枚のセパレーターを用いるので、組立工程に
おける煩雑さが増大し、電池体積が増大し、コストが上昇するという問題点があ
った。 一方、特開昭60−52号公報、特開昭61−232,560号公報、特開昭62-283,553号
公報、特開平1−258,358号公報において不織布製のセパレーターを何とか改良
しようとする試みがなされている。しかしながら、孔径の大きい不織布を基材と
した場合、セパレーターの厚みが大きくなるので電池の小型軽量化の主旨に合 わない。また短絡時に上昇する温度の抑制が不十分であり、厳しい条件下での短
絡に対しては効果がなかった。 〔発明が解決しようとする課題〕 上述のような従来の改良手段は一部においてはその改良の効果が見られたもの
の、下記の点において不充分であった。 例えば外部短絡というケースで云えば前記従来の改良により破裂あるいは爆発
等のようなトラブルは防止できるものの、それよりも厳しい条件下での短絡、例
えば、 多数セルが並列または直列接続された組電池の短絡。 赤熱を伴うような内部短絡。 高温下での短絡。 クギ刺しあるいは圧壊等の瞬間的な破壊に伴う短絡。 セパレーターの劣化時の短絡。 デンドライト短絡。 正,負極タブの内部接触による短絡。 のような激しい短絡が発生した場合には、やはり破裂あるいは爆発といった現象
が起こり、周辺の機器、建物あるいは人体にまでも被害を及ぼすことになるとい
う問題点があった。 特に近年かかる原因に基く事故が頻発しており、従来よりさらに厳しい条件下
での安全性確保が社会的な急務となっている。そのためにはセパレーターのさら
なる改良が必要である。 本発明の目的は上述の問題点を解決し、安全性に優れたセパレーターを用いる
ことにより異常時においても安全性を維持することができる電池を提供すること
にある。 〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは上述の目的を達成するために短絡等の異常時に起こる現象を詳細
に検討した結果、電池を一定の速度で昇温していったときにその内部インピーダ
ンスの変化がある特定の条件を満たす場合に究めて優れた安全性を示すことを見
出した。 さらに、内部インピーダンスの変化が満たす特定の条件とセパレーターの膜抵
抗値の変化が満たす条件とが一致することを見出した。 すなわち本発明の電池は、正極活物質をAl箔に塗布した正電極と、正電極に
接続された正極リードと負極活物質をCu箔に塗布した負電極と、負電極に接
続された負極リードと、および低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度
ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)の3種の中から
選ばれた少なくとも1種からなる微細孔を有する単層の合成樹脂フィルムよりな
り、95℃以上160℃以下の温度範囲に膜抵抗転移温度(t3℃)を有し、か
つ少なくとも(t3+10)℃の温度範囲に膜抵抗極大温度(t4℃)を有しない
かあるいは(t3+10)℃の温度範囲に前記膜抵抗極大温度を有する場合であ
っても、(t4+5)℃における前記膜抵抗とt4℃における前記膜抵抗との比が
0.25以上1.0未満であるセパレーターとを基本構成とする渦巻き型電
あって、95℃以上160℃以下の温度範囲に内部インピーダンス転移温度(t
1℃)を有し、かつ少なくとも(t1+10)℃の温度範囲に内部インピーダンス
極大温度(t2℃)を有しないかあるいは(t1+10℃)の温度範囲に前記内部
インピーダンス極大温度を有する場合であっても、(t2+5)℃における前記
内部インピーダンスとt2℃における前記内部インピーダンスとの比が0.25
以上1.0未満であることを特徴とする防爆型二次電池である。 〔作用〕 従来から、短絡等の異常時に大きな短絡電流が流れ、電池の内部温度が上昇し
た際にセパレーターが軟化・溶融し、その孔部を閉塞することによりイオンの透
過性を減少させ、短絡電流を減少させることにより一定温度以上には達しないよ
うにすることで安全性を確保するという考え方はあった。しかしながら従来の方
法では前述の如く激しい条件下での短絡等の異常時にはやはり破裂あるいは爆発
という事態をもたらす。 本発明者らは、かかる現象を詳細に検討した結果、従来公知のセパレーターを
用いた場合には内部温度上昇時に上述のようにセパレーターの軟化および溶融に
よりセパレーターの孔部が閉塞されるという現象が起こるのは事実ではあるが、
同時にセパレーターが溶融・流動することにより、本来、正負極を電気的に絶縁 すべき機能が失われ、結果的により激しい短絡につながるという現象も同時に発
生していることを見出した。 特に内部温度の上昇が均一でなく、温度分布がある場合、局部的な温度上昇が
発生する場合などにこの現象が著しい。この現象が安全性を失わせる大きな原因
であることが判明した。 本発明において、電池の昇温時に電池の内部インピーダンス値が上昇する温度
は極めて重要である。 本発明の膜抵抗転移温度(t3℃)とはセパレーターの孔部の閉塞が始まる温
度を表わすものであり、後述の方法で昇温時の膜抵抗の変化を測定することによ
り一義的に定義される値である。また、内部インピーダンス転移温度とは、膜抵
抗転移温度と同様の測定方法で電池の内部インピーダンスを測定することにより
一義的に定義される値である。 以下、膜抵抗転移温度について説明するが、内部インピーダンス転移温度は測
定の対象が異なるだけでその定義は膜抵抗転移温度と同様であるのでその説明は
省略する。 25℃から昇温していったときの膜抵抗値が最初に、25℃における膜抵抗値
の10倍になるときの温度と定義される。すなわち下式で定義される膜抵抗転移
Rt:任意の温度t℃での膜抵抗値 R25:25℃での膜抵抗値 が最初に10となるときの温度である。 本発明によれば内部インピーダンス(t1℃)及び膜抵抗転移温度(t3℃)は
95℃以上160℃以下、好ましくは110℃以上155℃以下である。 内部インピーダンス及び膜抵抗転移温度が95℃未満であることは、安全性の
確保という観点からは好ましいが、電池が通常使用される温度範囲においてセパ
レーターの膜抵抗値が上昇することになるので電池の性能が損われ好ましくない
。 また、内部インピーダンス及び膜抵抗転移温度が160℃を越す場合には、前
記の如く電池の内部温度がこの温度まで上昇することとなり安全性を確保するこ
とができず好ましくない。 前記の如く、あらゆる条件下での異常に対し安全性を確保するには上記条件の
温度範囲に内部インピーダンス(t1℃)及び膜抵抗転移温度(t3℃)を有する
ことは必須条件ではあるが、さらに重要なことはこの内部インピーダンス及び膜
抵抗転移温度を越した温度範囲においても高い膜抵抗値を有していることである
。 すなわち、t1℃と(t1+10)℃およびt3℃と(t3+10)℃の温度範囲
において内部インピーダンス極大温度t2℃及び膜抵抗極大温度(t4℃)を有さ
ない、つまりこの温度範囲において抵抗値が単調増加するか、もしくはt1℃と
(t1+10)℃およびt3℃と(t3+10)℃の温度範囲において抵抗極大温
度(t2℃およびt4℃)を有する場合であってもt2℃と(t2+5)℃およびt
4℃と(t4+5)℃における抵抗値の比(Rt2+5/Rt2)および(Rt4
5/Rt4)の値が0.25以上1.0未満、好ましくは0.40以上1.0未満、
さらに好ましくは0.50以上1.0未満である。 (Rt2+5/Rt2)および(Rt4+5/Rt4)の値が0.25未満の場合
は安全性を確保することができないので好ましくない。更に、t3℃と(t3+1
0)℃の温度範囲において、膜抵抗極大温度(t4℃)を有さない、つまりこの
温度範囲において抵抗値が単調増加するか、もしくはt3℃と(t3+10)℃の
温度範囲において抵抗極大温度(t4℃)を有する場合であってもt4℃と(t4
+5)℃における抵抗値の比(Rt4+5/Rt4)の値が0.25以上1.0未満
、好ましくは0.40以上1.0未満、さらに好ましくは0.50以上1.0未満で
ある。(Rt4+5/Rt4)の値が0.25未満の場合は安全性を確保すること
ができないので好ましくない。 セパレーターが上述の二つの条件を同時に満たすことは二律背反的な関係にあ
り、その実現には多くの困難があった。 すなわち、前述の如く大きな短絡電流が流れて電池の内部温度が上昇した際に
セパレーターが軟化・溶融してその孔部を閉塞することにより、イオンの透過性 を減少させ短絡電流を減少させることは安全性を確保する上で極めて重要な要件
である。 この現象は本発明でいう膜抵抗転移温度(t3℃)近辺で起こる。更に、セパ
レーターが、軟化・溶融すると、正,負電極を電気的に絶縁するという本来果た
すべき機能を失い、逆に内部短絡を増大させるという現象も同時に発生し、安全
上はむしろマイナスの効果が出てくる。 特にこうした現象は内部温度の上昇が均一でなく、温度分布がある場合、局部
的な温度上昇がある場合など実際の電池の異常時にしばしば起こるときに大きな
問題点として暴露され、破裂あるいは爆発といったトラブルが発生することとな
る。従来公知のセパレーターでは、かかる二律背反的な要件を同時に満足するこ
とは不可能であった。 本発明者らは種々の検討の結果、特に限定されるものではないが本発明の要件
を満たす電池を得るための、次のようないくつかの方法を見出した。 特定のセパレーターを用いる方法。 特定の温度以上において電解液を吸液する性質を有する物質(三次元化メタ
クリル,アクリル系樹脂等)を電池内部、正,負電極内部、セパレーター内部等
に存在せしめる方法。 特定の温度以上において電解液に対し、増粘作用を示す物質を電池内部、正
負電極内部、セパレーター内部等に存在せしめる方法。 マイクロカプセル化されたミネラルオイル,ワックス等の絶縁性物質を電池
内部,正負電極内部およびセパレーター内部に存在せしめる方法。 については、特に限定されるものではないが、セパレーターの材質選定、分
子量または分子量分布、セパレーターの孔部の形状、セパレーターの厚み、セパ
レーターの表面構造、表面状態、セパレーターの延伸度合あるいは異方性等のよ
うな種々の因子を組合せることにより達成される。 特に限定されるものではないがその一例を示す。セパレーターの材質選定は特
に膜抵抗転移温度(t3℃)を本発明の範囲内に納めることが要素として重要で
ある。材質選定基準の一つを示すと、例えばガラス転移温度(Tg)および融点
(Tm)等が95℃から160℃の温度範囲にある材料を選ぶことができる。一 例を示すと、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L
LDPE)および高密度ポリエチレン(HDPE)の3種の中から選ばれた少な
くとも1種からなるものが挙げられる。 分子量、分子量分布、セパレーターの孔部の形状および延伸の度合、異方性等
は膜抵抗転移温度(t3℃)を越した温度領域での膜抵抗値の維持を図る上で重
要である。それらの選定基準の目安を示すと、分子量は高ければ高い方が好まし
い。ただし、分子量が高い程成形性が犠牲になるので成膜方法、開孔方法に当然
工夫が必要となる。例えば可塑剤の併用、また場合によっては高分子量体と低分
子量体の混合による分子量分布の拡大等の方策も場合によっては必要となる。 また、セパレーターの孔部の形状としては、厚み方向に対して直線的に孔いて
いるような孔部形状(例えば商品名セルガード(米国セラニーズ社製)の製法と
して知られている延伸による開孔方法によって得られる)は好ましくない。抽出
法等の製造で得られる網状の孔部形状が好ましい。また、延伸については過度の
延伸がかかったセパレーターは、やはり、熱収縮の度合いが大きく好ましくない
。 また、本発明において特に限定するものではないが基本性能としての25℃に
おける膜抵抗値(R25)は低ければ低い方が好ましいが通常0.5〜50Ω・c
m2好ましくは0.5〜20Ω・cm2、さらに好ましくは0.5〜10Ωcm2の範囲で
ある。 また、同じく特に限定するものではないが25℃における透気度は300秒/
100cc以下、好ましくは200秒/100cc以下、さらに好ましくは150秒
/100cc以下である。 セパレーターの膜厚についても特に限定するものではないが、通常5〜500
μ、好ましくは10〜100μ、さらに好ましくは10〜50μの範囲である。
5μ未満の場合は余りに薄すぎて絶縁機能が損われ好ましくない。500μを越
す場合には体積が大きくなり電池の小型軽量化という観点からは好ましくない。 セパレーター孔部の孔径についても特に限定するものではないが通常、平均孔
径0.01〜10μ、好ましくは0.05〜5μ、さらに好ましくは0.05〜0.
5μである。 気孔率は特に限定されるものではないが35〜85%好ましくは45〜80%
、さらに好ましくは50〜80%である。 本発明でいう電池とは、特に限定されるものではないが、その一例を示すと、
リチウム電池、マンガン−亜鉛電池および銀−亜鉛電池等のような一次電池、ニ
ッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池、ポリマー
電池、リチウム二次電池およびカーボン二次電池等のような二次電池等が挙げら
れる。 本発明の要件を満足するセパレーターを用いることにより電池の安全性は飛躍
的に向上し、厳しい条件下での短絡、逆充電あるいは過充電等の異常時において
も破裂あるいは爆発等の現象を起こすことがなくなる。 〔実施例〕 以下、本発明を詳細に説明するために実施例を示すが、本発明は以下の実施例
に特に限定されるものではない。 なお、諸物性は次の測定方法によった。 <内部インピーダンス転移温度(t1℃)および内部インピーダンス極大温度(
2℃)> 電池缶壁に熱電対をつけ、周波数1kHZで連続的にインピーダンスを測定し
ながら、25℃から175℃まで2℃/min の昇温速度に設定されたオープン内
で電池を昇温する。 25℃におけるインピーダンスの10倍の値に最初に到達する温度を測定し、
この温度を内部インピーダンス転移温度(t1℃)とする。さらに昇温を続け、
1℃と(t1+10)℃の温度範囲にインピーダンスの極大値を有する場合には
、この温度を測定し内部インピーダンス極大温度(t2℃)とする。 <膜抵抗> 第1図は本発明で定義する膜抵抗の測定装置である。 第1図(A)において、1Aおよび1Bは10μ厚のNi箔であり、インピーダ
ンス測定装置8と接続されている。第1図(C)に示すように、Ni箔1Aは、
たて15mm、横10mmの長方形を残してテフロンテープ6でマスキングされてい
る。3は規定の電解液が含浸されたセパレーターであり、1Aおよび1Bの間に 配置され、その四方はテフロンテープで固定されている。5は温度を測定するた
めの熱電対であり、テフロンテープでガラス板2Bに貼り付けられている。ガラ
ス板2Aと2Bとの間は規定の電解液が満たされている。 Ni箔1Aおよび1B、ガラス板2Aおよび2B、セパレーター3および熱電
対5を、第1図(B)に示すケース4の中に収納して使用する。9は温度と測定
したインピーダンスを記録するための記録装置である。 電解液として1M−ホウフッ化リチウム/プロピレンカーボネート溶液を用い
る。測定は25℃で測定周波数は1kHzであり、下式により25℃における膜
抵抗R25を求める。 R25=測定値(Ω)×1cm×1.5cm(単位:Ω・cm2) <膜抵抗転移温度(t3℃)および膜抵抗極大温度(t4℃)> 第1図に示した膜抵抗測定装置を用い、連続的にインピーダンスを測定しなが
ら、25℃から175℃まで2℃/min の昇温速度に設定されたオーブン内で電
池を昇温する。 25℃におけるインピーダンスの10倍の値に最初に到達する温度を測定し、
この温度を膜抵抗転移温度(t3℃)とする。さらに昇温を続け、t3℃と(t3
10)℃の温度範囲にインピーダンスの極大値を有する場合には、この温度を測
定し膜抵抗極大温度(t4℃)とする。 <分子量> 。 GPC測定装置−Waters社製Model 200 カラム−東洋ソーダ製G 7000S〜G 3000S 溶剤−トリクロルベンゼン 測定温度−135℃ <気孔率> 気孔率は以下の式によって算出する。 空孔容積=含水重量−絶乾重量 <平均孔径> 多孔膜表面の走査型電子顕微鏡写真で観察される開孔部200個の長径と短径
の平均を加重平均して算出する。単位はμである。 <透気度> ASTM D−726 Method Aにより測定する。単位は秒/100cc・枚で
ある。 実施例1 本実施例はセパレーターの製造例を示す。 微粉珪酸13容量%とジオクチルフタレート61.5容量%をヘンシェルミキ
ポリエチレン樹脂25.5容量%を添加し、再度ヘンシェルミキサーで混合した
。 この混合物を直径30m/mの二軸抽出機で混練しペレットにした。このペレ
ットを直径30m/mの二軸押出機に450m/m幅のTダイを取付けたフィル
ム製造装置において厚さ100μの膜状に成形した。成形された膜を1,1,1
−トリクロルエタン中に5分間浸漬し、DOPを抽出した後に乾燥させ、さらに
70℃の20%苛性ソーダ中に30分浸漬して、微粉珪酸を抽出した後に乾燥さ
せ多孔膜を得た。 次いで、この多孔膜を、115℃に加熱されたロール延伸機によりたて方向に
2.7倍に延伸し、続いて120℃の雰囲気下で10秒間熱処理を行った。以上
のような工程により得られた膜の特性を表−1に示す。昇温時の膜抵抗の変化を
第2図の曲線Aに示す。表−2に膜抵抗転移温度(t3℃)および膜抵抗極大温
度(t4℃)を示す。 実施例2 本実施例はセパレーターの製造例を示す。 重量平均分子量85万でMw/Mn=15の高密度ポリエチレンを用いた以外
は実施例1と同様の操作を行った。得られた膜の特性を表−1に示す。昇温時の
膜抵抗変化を第2図の曲線Bに示す。 次に、実施例1および2で得られた膜の特性を確かめるための比較例を示す。 比較例1 本比較例はセパレーターの製造例を示す。 重量平均分子量8万でMw/Mn=13の高密度ポリエチレンを用いた以外は
実施例1と同様の操作を行った。得られた膜の特性を表−1に示す。昇温時の膜
抵抗変化を第2図の曲線Dに示す。表−2に膜抵抗転移温度(t3℃)および膜
抵抗極大温度(t4C)を示す。 実施例3 本実施例はセパレーターの製造例を示す。 重量平均分子量43万でMw/Mn=13の低密度ポリエチレンを用いた以外
は実施例1と同様の操作を行った。得られた膜の特性を表−1に示す。昇温時の
膜抵抗変化を第2図の曲線Cに示す。 参考例1 二酸化マンガンを正極活物質とし、グラファイトおよびアセチレンブラックを
導電剤とし、四フッ化エチレンを結着剤とし、各々二酸化マンガン:グラファイ
ト:アセチレンブラック:四フッ化エチレン=85:5:5:5の重量比で混合
したものを水ペーストとし、ステンレスラス板に塗布乾燥したシートを正電極と
し、リチウム金属箔を負電極とし、第3図に示す単2型の電池を製造した。第3
図はうず巻き型電池の半裁断面図である。ここで、11は正極、12はセパレー
ター、13は負極、14は絶縁板、15は負極リード、16は正極リード、17 はガスケットである。 なお、セパレーター3としては実施例1で得られた膜を使用し、電解液として
プロピレンカーボネートとジメトキシエタンの混合溶媒(体積比1:1)に過塩
素酸リチウムを1.0Mの濃度に調整した液を用いた。この電池の内部インピー
ダンス転移温度(t1)は135℃であり、135℃〜145℃の範囲に内部イ
ンピーダンス極大温度(t2)はなかった。この電池の各種試験評価結果を表−
3に示す。実施例4 LiCoO2を正極活物質とし、グラファイトおよびアセチレンブラックを導
電剤とし、フッ素ゴムを結着剤とし各々LiCoO2:グラファイト:アセチレ
ンブラック:フッ素ゴム=88:7.5:2.5:2の重量比で混合したものを
ジメチルホルムアミドペーストとして、Al箔に塗布乾燥したシートを正電極と
し、ニードルコークス粉末を負極活物質とし、フッ素ゴムを結着剤としニードル
コークス:フッ素ゴム=95:5の重量比で混合したものをジメチルホルムアミ
ドペーストとしてCu箔に塗布乾燥したシートを負電極とし、第3図に示す単2
型の電池を製造した。 なお、セパレーター3として実施例1で得られた膜を使用し、電解液としてプ
ロピレンカーボネートとブチロラクトンの混合溶媒(体積比=1:1)にホウフ
ッ化リチウムを1.0Mの濃度に調整した液を用いた。この電池を定電圧4.2V
で5時間充電した。この電池のt1は135℃であり、135℃〜145℃の範
囲にt2はなかった。この電池の各種試験評価結果を表−3に示す。参考例2 セパレーターとして実施例2で得られた膜を用いた以外は参考例1と同様の操
作を行った。この電池のtlは137℃,t2は144℃であった。また149℃
と144℃でのインピーダンスの比は0.83であった。この電池の各種試験評
価結果を表−3に示す。 以下に述べる比較例はそれぞれの実施例において作製された電池の性能を確か
めるためのものである。 比較例2 セパレーターとして比較例1で得られた膜を用いた以外は参考例1と同様の操
作を行った。この電池のt1は133℃,t2は140℃であり、145℃と14
0℃のインピーダンスの比は0.15であった。この電池の各種試験評価結果を
表−3に示す。 比較例3−5 セパレーターとして表−2に示すセパレーターを用いた以外は参考例1と同様
の操作を行った。この電池の各種試験評価結果を表−3に示す。この電池のt1
は各々、169℃,137℃,>175℃であった。又、比較例4の電池のt2
は139℃であり、144℃と139℃でのインピーダンスの比は0.05であ
った。このとき用いたセパレーターの昇温時の膜抵抗変化曲線を第4図に示す。
曲線E,FおよびGはそれぞれ比較例3,4および5の膜抵抗変化を示す。表−
2に膜抵抗転移温度(t3℃)および膜抵抗極大温度(t3℃)を示す。実施例5 セパレーターとして実施例2で得られた膜を用いた以外は実施例4と同様の操
作を行った。この電池のt1は137℃,t2は144℃であった。また、149
℃と144℃でのインピーダンスの比は0.83であった。この電池の各種試験
評価結果を表−3に示す。実施例6 セパレーターとして実施例3で得られた膜を用いた以外は実施例4と同様の操
作を行った。この電池のt1は116℃,t2は121℃であった。126℃と1
21℃のインピーダンスの比は0.30であった。この電池の各種試験評価結果
を表−3に示す。 比較例6−8 セパレーターとして表−2に示すセパレーターを用いた以外は実施例4と同様
の操作を行った。この電池の各種試験評価結果を表−3に示す。この電池のt1
は各々、169℃,137℃,>175℃であった。また、比較例7の電池のt
2は139℃であり、144℃と139℃でのインピーダンスの比は0.05であ
った。このとき用いたセパレーターの昇温時の膜抵抗変化曲線を第4図に示す。
曲線E,FおよびGはそれぞれ比較例6,7および8の膜抵抗変化を示す。 表−2に膜抵抗転移温度(t3℃)および膜抵抗極大温度(t4℃)を示す。 *1:2セルを直列の状態で短絡させる *2:3mmφのクギを電池缶に刺しこむ *3:2A定電流,9V上限電圧で10時間通電する。 ( )内は最高到達温度 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明で限定する電池は、厳しい条件下での短絡等の異
常時に対しても破裂あるいは爆発等の現象が発生せず、安全性および信頼性に優
れた性能を発揮することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明において定義する膜抵抗測定装置を示す図、 第2図は本発明の実施例におよび比較例におけるセパレーター昇温時の膜抵抗の
変化を示す図、 第3図は本発明の実施例および比較例におけるうず巻き型電池の半裁断面図、 第4図は比較例におけるセパレーターの昇温時の膜抵抗値変化を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)正極活物質をAl箔に塗布した正電極と、正電極に接続された正極リード
    負極活物質をCu箔に塗布した負電極と、負電極に接続された負極リードと
    、および低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLD
    PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)の3種の中から選ばれた少なくとも1
    種からなる微細孔を有する単層の合成樹脂フィルムよりなり、95℃以上160
    ℃以下の温度範囲に膜抵抗転移温度(t3℃)を有し、かつ少なくとも(t3+1
    0)℃の温度範囲に膜抵抗極大温度(t4℃)を有しないかあるいは(t3+10
    )℃の温度範囲に前記膜抵抗極大温度を有する場合であっても、(t4+5)℃
    における前記膜抵抗とt4℃における前記膜抵抗との比が0.25以上1.0未
    満であるセパレーターとを基本構成とする渦巻き型電池であって、95℃以上1
    60℃以下の温度範囲に内部インピーダンス転移温度(t1℃)を有し、かつ少
    なくとも(t1+10)℃の温度範囲に内部インピーダンス極大温度(t2℃)を
    有しないかあるいは(t1+10)℃の温度範囲に前記内部インピーダンス極大
    温度を有する場合であっても、(t2+5)℃における前記内部インピーダンス
    とt2℃における前記内部インピーダンスとの比が0.25以上1.0未満であ
    ることを特徴とする防爆型二次電池。

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