JP2641458B2 - 光テープ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、信号の記録再生または書き換えを行う光ヘ
ッドの、トラッキングに好適な光テープ装置に関するも
のである。

〔従来の技術〕

情報の記録媒体としては磁気媒体が一般的に用いられ
ているが、これに対し、レーザを情報の記録再生に用い
た光ディスク等の光記録媒体は、上記磁気媒体に較べ、
非接触の高密度記録が可能になる利点がある。

磁気媒体のテープを用いる装置においては、第１図に
示すように、高速度で回転するシリンダに対して、低速
度で移動するテープが螺旋状に巻きつくため、信号がテ
ープに対し斜めに記録され、それにより高周波の映像等
の信号が長時間にわたって記録可能となるヘリカル方式
があり、一般家庭用のVTRに応用され広く用いられてい
る。

光記録媒体上に同様の方式で情報を記録して高密度記
録を実現し、画像等の多量情報を長時間記録する装置が
ある。この種の装置としては、例えば特開昭61−273745
等があげられる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

光記録媒体では、レーザをレンズによって直径１μｍ
前後に絞り込んで信号の記録再生を行っているため、高
密度記録が可能になるが、逆に光記録媒体上に記録した
情報の寸法が小さすぎるため、情報の再生時に目標とす
る情報の追跡（トラッキング）を正確にする必要があ
る。特に、ヘリカル方式で記録された情報を再生すると
きには、情報トラックがヘッドの１回転ごとに不連続に
なるため、磁気媒体における電磁石を用いた再生ヘッド
のように、トラック方向に約20μｍ程度の幅が大きい場
合には余り大きな問題にならなかったトラッキングが、
重要になってくる。

上記従来技術では、情報を目標とする場所に正確に記
録し再生するための、案内トラックに関しては配慮され
ておらず、情報の記録再生時のトラッキングに問題があ
った。

テープ状の記録媒体では、光ディスクのような回転円
板に較べると、テープの走行時に速度変動を生じやす
く、上記光ディスクの円板のように、原盤ディスクをも
とに案内トラックを転写することも難しい。

本発明の目的は、情報を目的とする場所に正確に記録
し、再生することを可能にする光テープ装置を得ること
にある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的は、情報の記録再生用の光ヘッドとは別に設
けた他のヘッドによって、テープの走行速度を検出する
ための位置情報を、一定間隔ごとにテープ上に記録する
とともに、上記位置情報をもとに、トラック案内用の情
報を正確に目標とする場所に記録し、これらの信号に基
づき、情報信号の記録再生用光ヘッドによって、正確に
目標とする場所に、情報の信号と番地を記録することに
よって達成される。

〔作用〕

光テープは第１図に示すように、高速で回転するシリ
ンダ２上を低速度で接触しながら移動する。上記シリン
ダ２に光テープ３が正しく巻付くように、かつ、光テー
プ３が一定速度で移動するように、ガイドローラ４、18
やキャプスタン14が光テープ３に接触しながら回転して
いる。そこで、光テープ３の走行に同期して回転するガ
イドローラ４に、案内用の位置情報を示すタイミングマ
ーク信号６と案内用のトラック信号11とを記録する複数
個のヘッド、９を設け、該ヘッド５、９によってトラッ
キング用およびタイミング用の信号を記録すれば、光テ
ープ３の走行速度に変動があった場合にも、上記光テー
プ３上には常に等間隔のタイミングマーク信号６と案内
用トラック信号11とが記録される。情報の記録時には、
上記タイミングマーク信号６をシリンダ２の近傍に設け
た読取り用磁気ヘッド７により再生し、一定時間間隔と
なるように光テープ３の走行速度を制御するとともに、
情報記録用の光ヘッド１を案内用トラック11に従って位
置決めすることにより、目標とする場所に信号が記録さ
れる。したがって、ミクロンオーダの微細なトラックピ
ッチで記録された情報の再生時、あるいは消去時には、
隣りのトラックからの漏れ込みを少なくすることがで
き、記録された番地信号をもとに、目標とする情報トラ
ック10を安定にトラッキングすることが可能になる。

シリンダ２上に巻付けた光テープ３にヘリカルスキャ
ン方式で情報を記録するため、光ビームはシリンダ２の
中心を支点として回転する。このため、光ヘッド１に
は、例えばCDプレーヤに用いられているような１つのレ
ーザビームを３本に分けた３スポット方式を用いると、
光学系が複雑になるため、１つの光ビームでトラッキン
グできる光学系が望まれる。

光ディスクにおいては、案内トラックを離散的に揺動
させて記録したものを、安定にトラッキングする埋込み
サーボ方式のサンプルサーボトラッキング方式が既に公
知であるが、上記方式を用いたトラッキングを光テープ
に適用するように、案内用のトラック信号が記録できれ
ば、光ヘッドは１つのビームで、上記案内トラックによ
って安定したトラッキングおよび情報の書き込みが可能
になる。トラッキングの検出原理は、第６図に示す光テ
ープ３からの反射光26が、第７図に示すトラック用光検
出器37によって検出され、案内用のトラック信号11があ
る光スポット12がトラック10上を通過するとき（第６図
のＡ）と、その左右にずれたとき（第６図のＢ、Ｃ）と
ではその反射光26が異なり、上記反射光26のレベル27が
案内用トラック11の左右でバランスするように、例えば
第７図に示すような光ヘッドにおいて、光スポット12を
左右に振るガルバノミラー28にフィードバックすれば、
上記光スポット12は常にトラック10上に位置することを
利用したものである。上記トラッキング方式の特徴は、
トラック用の光検出器37によって反射光26の全光量を検
出しているため、光テープ３が傾いたことによって生じ
る反射光26のアンバランスと、トラックずれによるアン
バランスとを区別でき、トラッキングの検出誤差が少な
く、光学系が簡単で１つの光ビームでトラッキングおよ
び情報の書き込みが可能であることが特徴としてあげら
れる。

光ヘッド１は第７図にその構成例を示すように、レー
ザ光29を絞り込みレンズ30によって、光テープ３上に直
径１μｍ前後に絞り込む。レーザ光29が目標とする情報
トラック10上に焦点を結ぶように、焦点用光検出器36や
トラック用光検出器37によって反射光26を検出し、自動
焦点やトラッキングをするが、それらの方式は前記の例
の他に種々の方式があるが、その詳細な説明は省略す
る。

〔実施例〕

つぎに本発明の実施例を図面とともに説明する。本発
明の実施例では、光テープに消去可能な光磁気記録媒体
を用いたものについて説明するが、光ディスクに用いら
れている相変化型などの他の記録媒体を望いたものであ
っても、本発明はその本質を損なわずに適用できるもの
である。第１図は本発明による光テープ装置の一実施例
を示す一部破断斜視図、第２図は上記実施例のガイドロ
ーラ部を示す拡大図、第３図は上記実施例における光テ
ープ上のタイミングマークと案内用トラック信号の説明
図、第４図は上記実施例における制御回路を示す図、第
５図は光テープ上のタイミングマークと案内用トラック
信号の他の例を説明する図、第６図はトラッキングの検
出原理を説明する図、第７図は光ヘッドの説明図であ
る。第１図において光ヘッド１を組み込んだシリンダ２
の前後にガイドローラ４、18を配置し、光テープ３が上
記シリンダ２の所定の位置で、正しく一定速度で移動で
きるようにしている。８は上記光テープの移動を行うキ
ャプスタン14の駆動を行うキャプスタンモータであり、
駆動回路15により駆動する。16および17は光テープ３の
供給リールおよび巻取リールである。なお、32は信号処
理回路、33および34は位相比較制御回路およびローパス
フィルタを示している。１個あるいは複数個の情報信号
を記録・再生または消去する光ヘッド１は、シリンダ２
の中に組込まれて、シリンダ２と一体となり1800〜5400
rpmの高速で回転し、光テープ３上に斜めに設けられた
トラック10上に情報を記録する。上記光テープ３はキャ
プスタンモータ８によって、100mm/s前後のゆっくりし
た速度でガイドローラ４に接触しながら移動する。上記
ガイドローラ４は光テープ３との接触摩擦力のため低速
度で回転し、光テープ３の走行速度に同期して回転でき
る。すなわち、光テープ３が速く動くとガイドローラ４
も速く回転する。ガイドローラ４の表面には、説明のた
めに単純化して示すと、第２図に示すように磁気ヘッド
５と、半導体レーザおよび絞り込みレンズ（図示せず）
からなる４個の光ヘッド９（9a、9b、9c、9d）が埋込ま
れており、光テープ３を動かし始めたときのスタート信
号22をトリガーにして、タイマー21を作動させ、ガイド
ローラ４に埋込まれた磁気ヘッド５と光ヘッド９とを、
光テープ３と接触している区間で、ガイドローラ４の１
回転ごとに一定時間間隔で、駆動切換回路20により信号
６、11を記録するように動作させる。磁気ヘッド５によ
る記録は、光テープ３上に塗布した例えば垂直磁化膜の
磁場の向きを変えることによって、位置情報を示すタイ
ミングマーク６を記録し、光ヘッド９による記録は、光
テープ３上にレーザの熱によって案内用のトラック信号
11を記録する。光テープ３は非常にゆるやかに走行する
ので、タイミングマーク６と案内用トラック信号11は正
確に一定間隔になる。

回転している磁気ヘッド５や光ヘッド９は、直流モー
タ回転のブラシやVTRに用いられている磁場変化を利用
した方法と同様に、回転軸23に設けたヘッドの数に応じ
た電極24を通じて駆動される。

第３図に光テープ３上に記録されたタイミングマーク
６と案内用のトラック信号11とを示す。記録は基盤目状
になり、光ヘッド１が光テープ３の斜め方向に情報信号
25を記録する際のトラック10に対して、左右交互に案内
用のトラック信号11が位置する。第６図で説明したよう
に、案内トラック信号11はトラック10に対して左右に位
置しており、埋込みクロックによるサンプラサーボが可
能になり、安定したトラッキングが行われる。

基盤目状の案内トラック信号11は、本説明では４個の
光ヘッド９によってガイドローラ４の１回転に１回記録
されているが、１回転に記録する回数やその間隔ａ、ｂ
の値について、光テープ３の走行速度や情報トラック10
のトラッキング性能等によって変化するものであり、本
発明では上記数値を限定するものではない。

光テープ３がシリンダ２に巻付く直前に設けられた磁
気ヘッド７によって、垂直磁化膜の例えば上向きに記録
されたタイミングマーク６を光テープ３により磁場の変
化として読み取り、例えば第４図に示すような回路によ
って、移動速度に対応した基準周波数とタイミングマー
ク６とを位相比較するなどによって、上記タイミングマ
ーク６の時間間隔の変動がわかる。この変動を光テープ
の巻取り用のキャプスタンモータ８における駆動電圧の
変動量に置き換えることによって、光テープ３の走行速
度が常に一定になるようにキャプスタンモータ８が回転
制御される。光ヘッド１はシリンダ２の中に組込まれて
高精度に回転し、光テープ３はシリンダ２上を数μｍ程
度浮上して一定速度で移動する。

光ヘッド１が光テープ３上をスキャニング開始する場
所は、例えばシリンダ２の下側に設けたエンコーダ（図
示せず）よりの信号をもとに求められ、上記エンコーダ
よりのタイミングによって光ヘッド１が光テープ３上の
案内用トラック信号11にしたがって、トラッキングを開
始する。上記光ヘッド１が最初に引込むトラック10は、
最初のものになるとは限らず、最初の数トラック分は使
用しない場合があるが、いまはこれを問題としないこと
にする。

光ヘッド１が１つの光スポットによって案内用トラッ
ク信号11を検出後、光スポット12がトラック10の中心に
なるように、ガルバノミラー28等によって光スポット12
の位置制御をするとともに、信号を記録した最初のトラ
ックであることを示す番地信号13を、番地信号の記録エ
リア31に記録するように、信号処理回路32を通じて光ヘ
ッド１に指令する。番地信号13を記録後、信号処理回路
32を通じてトラック10上の案内用トラック信号11の間に
だけ、情報信号25を記録するように上記情報信号25が送
られる。

トラック10上に記録された情報信号25と案内用のトラ
ック信号11とは、区別が難しくなるが、上記案内用のト
ラック信号11は、上記トラック10に対して左右に振られ
て位置するとともに、記録される位置（第３図の6a、6
b、6c等）が決まっているので、一定時間間隔で案内用
のトラック信号11だけをサンプリングしてトラッキング
の検出を行えば、常に案内用のトラック信号11だけを検
出することができる。つぎのトラック10上に情報信号25
を記録する時に、光テープ３は一定速度で移動するよう
に速度制御しているので、シリンダ２が１回転した時に
は、光ヘッド１がほぼつぎのトラック10の中心部に位置
する。最初のトラック10上に記録したのと同じ方法で、
トラック10上をトラッキングし、番地信号13と情報信号
25とが案内トラック10上に正確に記録される。以下、同
様な方法で、情報信号25の量に応じたトラック数だけ記
録が繰返される。

情報信号25を再生あるいは消去するときには、記録を
行ったときと同様に、位置情報のタイミングマーク６の
時間間隔より光テープ３の走行速度を一定に制御すると
ともに、光ヘッド１は案内トラック10に記録された番地
信号13をもとに、目標とする情報トラック10をトラッキ
ングする。番地信号13を記録する記録エリア31の長さ
は、シリンダ回転数、トラックピッチ等のトラッキング
性能に左右されて変化するので、本発明では特に限定す
るものではない。

第５図は光テープ上のトラックにおける別の実施例を
示すモデル図である。この場合は、案内用トラック信号
11が近接して記録されており、トラック10からのずれ量
が直ぐわかるという特徴がある。上記の場合も、番地信
号13と情報信号25とを上記同様に記録でき、信号の再生
あるいは消去が安定してできるようになる。

上記のように本発明によれば、光テープ上に位置検出
用のタイミングマークとトラック案内用の信号とを、正
確な位置に一定間隔で記録でき、これらの信号によって
光テープが一定速度で移動可能となり、情報信号を安定
に記録再生あるいは消去できる効果がある。

なお、本実施例の説明では、案内用のトラック信号の
記録に磁気ヘッドと半導体レーザとを用いたが、マルチ
ビームの半導体レーザや薄膜磁気ヘッドなどを複数個ガ
イドローラに埋込んだもの等も考えられ、特に上記構造
について限定するものではない。また、速度検出用のタ
イミングマークは光テープの上側、下側のいずれの場所
に設けてもよく、さらに、垂直磁化膜の磁界の向きの変
化に限らず、レーザ等の熱によって光テープ上に孔をあ
けたり変形させたりしてもよい。同様に、案内用トラッ
クの信号も、垂直磁化膜の磁界の向きの変化を利用して
記録してもよい。

〔発明の効果〕

上記のように本発明による光テープ装置は、光学式記
録媒体であるテープに、光ビームを照射して情報の記録
再生あるいは書き換えを行う光テープ装置において、上
記情報の記録再生あるいは書き換えを行う光ヘッドの前
方に、上記光ヘッドの案内用情報を記録する別のヘッド
を設けたことにより、情報を目的とする場所に正確に記
録し、再生することを可能とする光テープ装置を得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による光テープ装置の一実施例を示す一
部破断斜視図、第２図は上記実施例のガイドローラ部を
示す拡大図、第３図は上記実施例における光テープ上の
タイミングマークと案内用トラック信号との説明図、第
４図は上記実施例における制御回路を示す図、第５図は
光テープ上のタイミングマークと案内用トラック信号の
他の例を説明する図、第６図はトラッキングの検出原理
を説明する図、第７図は光ヘッドの説明図である。 １……光ヘッド、３……テープ ４、18……ガイドローラ、５……磁気ヘッド ６……タイミングマーク、10……信号記録のトラック 15……キャプスタンモータ駆動回路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江藤 良純 東京都国分寺市東恋ケ窪１丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 三田 誠一 東京都国分寺市東恋ケ窪１丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 泉田 守司 東京都国分寺市東恋ケ窪１丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−117326（ＪＰ，Ａ)

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光学式記録媒体である光テープに、光ビー
   ムを照射して情報の記録再生あるいは書き換えを行なう
   光テープ装置において、情報書き込みヘッドの前方に案
   内用トラック信号書き込みヘッド部が設けられており、
   かつ上記案内用トラック信号の検出および上記情報の記
   録再生あるいは書き換えを行なうための単一光学系を有
   する光ヘッドを用いたことを特徴とする光テープ装置。
2. 【請求項２】上記案内用トラック信号書き込みヘッド部
   は、上記光テープの上に、案内用のトラック信号を、情
   報を記録するトラックに沿って離散的に書き込む構成と
   なっていることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記
   載した光テープ装置。
3. 【請求項３】上記離散的に記録された案内用の信号は、
   情報記録のトラックに対して揺動（Wobbling）して記録
   されていることを特徴とする特許請求の範囲第２項に記
   載した光テープ装置。
4. 【請求項４】上記案内用トラック信号を記録するヘッド
   部は、上記テープに接触し、かつテープの走行に応じて
   回転する構造であることを特徴とする特許請求の範囲第
   １または第２項に記載した光テープ装置。
5. 【請求項５】上記案内用信号を記録するヘッド部は、上
   記テープの側縁部にテープの走行速度を検出するための
   一定の間隔を有するタイミングマークを記録するための
   ヘッドと、上記情報トラックに沿って案内用トラック信
   号を書き込むための少なくとも１個以上のヘッドとから
   構成されていることを特徴とする特許請求の範囲第４項
   に記載した光テープ装置。