JP2640249B2 - 強誘電性液晶表示装置 - Google Patents

強誘電性液晶表示装置

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JP2640249B2 JP63242573A JP24257388A JP2640249B2 JP 2640249 B2 JP2640249 B2 JP 2640249B2 JP 63242573 A JP63242573 A JP 63242573A JP 24257388 A JP24257388 A JP 24257388A JP 2640249 B2 JP2640249 B2 JP 2640249B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、強誘電性液晶を用いた液晶表示装置に関
し、特に色むら発生を抑制した強誘電性液晶表示装置に
関する。
[従来技術] クラークとラガーウオルは、Applied Physics Letter
s第36巻,第11号(1980年6月1日発行),P.899−901、
米国特許第4367924号および米国特許第4563059号で、表
面安定化強誘電性液晶(Surface−stabilized ferroele
ctric liquid crystal)による双安定性強誘電性液晶を
明らかにした。この双安定性強誘電性液晶は、バルク状
態のカイラルスメクチック相における液晶分子のらせん
配列構造の形成を制御するのに十分に小さい間隔に設定
した一対の基板間に液晶分子を配置させ、かつ複数の液
晶分子で組織された垂直分子層を一方向に配列させるこ
とによって実現された。このようなカイラルスメクチッ
ク液晶は、ディスプレイ画面としての応用が期待されて
いる。
[発明が解決しようとする課題] ところで、このような強誘電性液晶表示装置では、デ
ィスプレイ画面に対して水平または垂直にラビングを施
した場合、配向状態に起因する視角特性によって、ディ
スプレイ使用者が首を左右に振ると、特に白状態が黄色
味がかった白から青味がかかった白へと著しく色が変化
し、首振り時の色むらとして感じられるという問題点が
あった。
これに対して、ラビング方向をディスプレイ画面に対
して斜めに施すと、首振り時の色むらは抑制されるが、
白状態で青味がかった白がディスプレイ使用者側に来る
場合、正面から上下方向約45゜以上の視角では、黒状態
と白状態が入れかわるいわゆるネジ・ポジ(NEG・POG)
反転が観測されるためにディスプレイの表示品位が著し
く低下するという問題を惹き起こしていた。
本発明の目的は、前述の問題点、特に首振り時の色む
らを防止した上で、ディスプレイ使用者側にネガ・ポジ
反転領域が来ることを防止し、ディスプレイ全体の表示
品位を向上させた強誘電性液晶表示装置を提供すること
にある。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は、一組の偏光板の間に、電極およ
び配向膜を有する一対の基板で強誘電性液晶を挟持した
強誘電性液晶セルを配置した強誘電性液晶表示装置にお
いて、前記各基板の配向膜に互いに平行なラビングを右
上から左下または左下から右上へ斜めに施し、該ラビン
グ方向から時計回りに45゜以内の領域(I)に第1の偏
光板の透過軸を配置し、前記ラビング方向と直交する方
向から時計回りに45゜以内の領域(II)に第2の偏光板
の透過軸を配置したこと、ならびにこの強誘電性液晶セ
ルを水平面から立てる設置角を調整する機構を設けたこ
とを特徴としている。
本発明の特に好ましい態様においては、前記ラビング
方向より、時計回りに見かけのチルト角θだけ回転し
た位置から同じく時計回りに45゜−θ以内の領域を領
域(I)とし、同様に前記ラビング方向に垂直な方向よ
り時計回りに見かけのチルト角θだけ回転した位置か
ら同じく時計回りに45゜−θ以内の領域を領域(II)
とし、かつ、前記強誘電性液晶セルの第1の偏光板の透
過軸と第2の偏光板の透過軸のなす角の小さい方の角θ
APが 45゜<θAP<90゜ さらに好ましくは 75゜<θAP<90゜ であることを特徴としている。
[作用] 第2図は領域(I)と領域(II)とラビング方向との
関係を示す。同図において、Rはラビング方向、RNはラ
ビングと直交する方向、(I)は領域(I)、(II)は
領域(II)である。
本発明によると、右上から左下へまたは左下から右上
へ斜めにラビングしているため、パネル正面より約30゜
程度の視角内における、白状態が黄色味がかった白から
青色味がかった白へと急激に変化する領域が斜め方向に
ずれ、これにより首振り時の色むらが抑制される。
また、この斜めラビング方向に対して時計回りに0〜
45゜の領域(I)に第1の偏光板の透過軸を設定し、か
つこの斜めラビングの方向に直交する方向に対して時計
回りに0〜45゜の領域(II)に第2の偏光板の透過軸を
設定するようにしたため、常に、白状態が青色味がかっ
た白がディスプレイ使用者側に来るように制御でき、左
右の視角特性においてネガ・ポジ反転領域をなくするこ
とができる。
さらに、ラビングの方向および偏光板の透過軸の方向
を上述のように設定することによって、上下方向の視角
で黒状態と白状態が入れかわるネガ・ポジ反転領域が発
生するという問題が生じるが、強誘電性セルの水平面か
ら立てる設置角を調整できるようにしたため、ディスプ
レイ使用者がネガ・ポジ反転領域が生じない位置に設置
角を調整することができる。
また、前述の好ましい態様に示したように、2つの偏
光板の透過軸の交差角θAPを90゜より小さい非クロスニ
コル状態に設定することによって、このネガ・ポジ反転
領域を正面から十分離れた50゜以上の位置へ遠ざけるこ
とができる。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、首振り時の色むらが
防止されて、かつコントラストおよび視角特性の優れた
強誘電性液晶表示装置を実現することができる。
[実施例] 以下、図面により本発明の実施例を説明する。
第1図は、本発明の一実施例に係る強誘電性液晶表示
装置の外観を示し、第3図は、第1図の液晶パネルの断
面構造を示す。第1図を参照して、1は液晶パネル、2
は操作装置、例えばキーボード、3は強誘電性液晶セル
10(第3図)の水平方向に対する設置角を調整するため
の設置角調整機構である。この液晶パネル1の裏側に
は、この液晶パネル1を裏側から照明する不図示のバッ
クライトが配設してある。また、Rは斜めにラビング方
向、Pは第1の偏光板(第3図の17a)の透過軸、Aは
第2の偏光板(第3図の17b)の透過軸、Hは水平方
向、θDPは液晶セル10の設置角である。
第3図を参照して、11a,11bは基板、12a,12bは基板11
a,11b上に形成された透明電極13a,13bは基板11a,11bお
よび透明電極12a,12b上に形成された絶縁膜、14a,14bは
絶縁膜13a,13b上に形成された配向膜、15は強誘電性液
晶(FLC)、16はビーズスペーサ、17aは偏光子(バック
ライト側の偏光板)、17bは検光子(表示側の偏光板)
である。この液晶パネル1は、図示のように、電極12a,
12bおよび配向膜14a,14bをそれぞれ有する一対の基板11
aと11bで強誘電性液晶15を挟持してなる強誘電性液晶セ
ル10を、一組の偏光板17a,17bの上に配置することによ
り構成されている。Rは基板11aおよび11b上の配向膜14
aおよび14bに平行に施されたラビングの方向を示してい
る。このように配向膜14aおよび14bに平行にラビングを
施すことにより、強誘電性液晶分子15′がこのラビング
方向に配向され、第4図に示すようなシェブロン・スプ
レイ(chevron splay)構造が形成される。
この実施例においては、第1図の液晶パネル1の配向
膜14a,14bに互いに平行なラビングを、第1図、第2図
および第5図に示す如く、パネル枠6の上下方向に対し
て45゜の方向に右上から左下へ斜めに向って施した。こ
の時、使用した液晶は、ピリミジン系の混合液晶であ
り、見かけのチルト角θは7゜であった。この見かけ
のチルト角θとは、液晶に正極性パルスを印加してか
ら解除したときの平均分子軸方向θPOと負極性パルスを
印加してから解除したときの平均分子軸方向θNOとの中
心軸(θPO−θNO)/2であり、通常、ラビング方向に一
致する。
この実施例では、さらに、第5図に示す如く、偏光子
17aの透過軸方向Pは、ラビング方向Rに対し時計回り
に7゜の位置に設定し、検光子17bの透過軸方向Aは、
ラビング方向と直交する方向から時計回りに7゜の位置
に設定した。
この実施例によると、斜めラビングによってパネル正
面より約30゜程度の視角において、白状態が黄色味がか
った白から青色味がかった白へと急激に変化する傾斜が
斜め方向にずれるため、首振り時の色むらは抑制され
た。第5図の( )内に示した色味は、第6図に示すよ
うに、パネル中心に立てた法線zに対する角度が約30゜
以下の円錐領域内からパネル1の各方面を望んだ時のこ
の各方面における白状態の色味を概念的に示したもので
ある。
この実施例においては、さらに、前述の如く、右上か
ら左下への斜めラビングに対して、略時計回りに偏光板
の透過軸を設定することによって、自発分極Psの正負や
シェブロン・スプレイ構造を有する強誘電性液晶(FL
C)分子の上下界面でのねじれ方向に関係なく、常に、
白状態が青色味がかった白がディスプレイ使用者側に来
るように制御できるようになった。
こうした制御によって、まず左右の視角特性におい
て、ネガ・ポジ反転する領域がなくなった。
一方、上述の視角制御によって、正面から約45゜以上
の上下方向の視角で黒状態と白状態が入れかわるネガ・
ポジ反転領域が発生し、ディスプレイの表示部品位を低
下させる問題が生じたが、第1図に示して強誘電性液晶
セル10の水平面から立てる設置角を調整できる機構3を
使用することにより、ディスプレイ使用者がネガ・ポジ
反転が生じない位置に設置角を調整できた。
第7図は、本発明の他の実施例を示す。
この実施例は、第1図のものに対し、検光子17bの透
過軸方向Aを前記見掛けのチルト角θ(=7゜)より
大きい12゜に設定し、偏光子17aと検光子17bとを非クロ
スニコルに配置したものである。
このように偏光子17aの透過軸Pと検光子17b透過軸A
とのなす小さいほうの角度θAPを、ここでは85゜として
2状態がともに明るくなる方向の非クロスニコルとなる
ようにすることによってネガ・ポジ反転領域がクロスニ
コル状態では上下方向に正面から約50゜の視角だったも
のが、正面から十分離れた上下方向に約70゜付近の位置
へと改善することができた。
[変形例] なお、本発明は上述の実施例に限定されることなく適
宜変形して実施することができる。例えば上述において
は、ラビング方向に対する偏光板の透過軸の方向に関
し、偏光子17aを第1の偏光板、検光子17bを第2の偏光
板として説明したが、検光子17bが第1の偏光板、偏光
子17aが第2の偏光板であってもよい。また、上述の実
施例におてい、液晶パネル1は180゜回転して用いても
良い。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例に係る強誘電性液晶表示装
置の外観図、 第2図は、本発明におけるラビング方向と領域(I)と
領域(II)との関係を示す説明図、 第3図は、第1図における液晶パネルの断面構造説明
図、 第4図は、第3図の液晶セルにおける結晶構造説明図、 第5図は、第1図の表示装置におけるラビング方向と領
域(I)と領域(II)との関係を示す説明図、 第6図は、液晶パネルの色味を観察の様子を示す説明
図、そして 第7図は、本発明の他の実施例に係る強誘電性液晶表示
装置のラビング方向と領域(I)と領域(II)との関係
を示す説明図である。 1:液晶パネル 3:セル設置角調整機構 10:強誘電性液晶セル 11a,11b:基板 12a,12b:透明電極 14a,14b:配向膜 15:強誘電性液晶 17a:偏光子(第1の偏光板) 17b:検光子(第2の偏光板) R:ラビング方向 P:第1の偏光板の透過角 A:第2の偏光板の透過角 θDP:セル設置角 (I):領域(I) (II):領域(II)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極および配向膜を有する一対の基板で強
    誘電性液晶を挟持してなる強誘電性液晶セルであって、
    前記配向膜のそれぞれに互いに平行なラビングを右上か
    ら左下または左下から右上の同一方向へ斜めに施された
    ものと、 前記強誘電性液晶セルを挟んで各配向膜に対向して配置
    され、前記ラビング方向から時計回りに45゜以内の領域
    (I)に透過軸を設定された第1の偏光板および前記ラ
    ビング方向と直交する方向から時計回りに45゜以内の領
    域(II)に透過軸を設定された第2の偏光板と、 前記強誘電性液晶セルを水平面から立てる設置角を調整
    する機構と を具備することを特徴とする強誘電性液晶表示装置。
  2. 【請求項2】前記領域(I)が、前記ラビング方向より
    時計回りに見かけのチルト角θだけ回転した位置から
    同じく時計回りに45゜−θ以内の領域であり、前記領
    域(II)が、前記ラビング方向に垂直な方向より時計回
    りに見かけのチルト角θだけ回転した位置から同じく
    時計回りに45゜−θ以内の領域であり、 かつ、前記第1の偏光板の透過軸と第2の偏光板の透過
    軸のなす角の小さい方の角θAPが 45゜<θAP<90゜ であることを特徴とする請求項1の強誘電性液晶表示装
    置。
  3. 【請求項3】前記第1の偏光板の透過軸と第2の偏光板
    の透過軸のなす角の小さい方の角θAPが 75゜<θAP<90゜ であることを特徴とする請求項2の強誘電性液晶表示装
    置。
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