JP2639751C - - Google Patents

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JP2639751C
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、蓄電池用鉛基合金の改良に関するものであり、特に合金溶湯に圧力
を加えて該溶湯を鋳型内に強制的に圧入せしめて蓄電池の極板用基板を形成する
ための加圧式製造法(ダイキャスト式鋳造、回転ドラム式連続鋳造)に好適な性
能を有する鉛基合金を提供せんとするものである。 【0002】 【従来の技術】 従来この種の鉛基合金としては主として機械的強度を重点としているためSb
を4.5〜8.0質量%の如く多量に配合した鉛基合金が知られている。 【0003】 然しながら、この合金を蓄電池の極板用基板に適用した場合、上記Sbが原因
となって電池の自己放電を促進し、容量を低下せしめるのみならず充電完了状態
や過充電状態において激しいガッシング現象を起こして水の補給を必要とするも
のであった。この水を補給するということは現在蓄電池の主流をなす補水を不要
とするメンテナンスフリー電池の極板用基板に対し全く逆作用をもたらすもので
あった。 【0004】 従ってSbを全く含有しない鉛基合金として、例えば特開平1−159340
号公報においてCa0.01〜0.5質量%、Sn0.05〜5.0質量%、A
l 0.005〜0.15質量%、残部Pbからなる蓄電池用鉛基合金が提案されて
いる。 【0005】 然しながら、この合金により基板を得るにおいて回転する金型内に該合金の溶
湯を強制的に注入して基板を連続的に形成し、得られた基板の凝固結晶組織を顕
微鏡にて調査した結果、凝固組織内に直径ほぼ0.5mm以下の球状に近い微細な
ボイドが多数含有することが観察された。しかもこのボイドは上記範囲の合金組
成ではその1部分のみではなく全体に亘り発生していることが確認された。 【0006】 このようなボイドの量を定量的に把握する方法の一つとして、ボイドを含む合
金試料の全ガス分析を行なった結果、ボイドを含有する合金試料の全ガス量はボ
イドが全く認められない合金試料の全ガス量に比して約2倍〜3倍であった。 【0007】 なお全ガス量の測定方法を示すと、試料を溶融することにより該試料中に含ま
れているガスを放出させ、そのガス量を測定する高湿真空法により測定した。こ
の方法は試料の加熱前の排管系の真空度と加熱後の排管系内の真空度との差から
試料中に含まれているガス量を算出するものである。 【0008】 而して鉛基合金を前記の如く加圧方式にて鋳造した場合、該合金内にボイドや
キャビテイが生成され易い状態となる。その理由は該合金の溶湯を鋳型内に注入
時において該溶湯に著しい乱流がおこり、凝固組織はデンドライト主軸及び側枝
が短く且つ形態の破壊した結晶粒の微細なデンドライト状組織となる。更に溶湯
の乱流によって空気の巻き込みやガスの乱流がおこりこれによってボイドやキャ
ビテイが形成される。 【0009】 これらのボイドやキャビテイは全ガス量比が1.90未満であればデンドライ
ト結晶間に空気が形成するようにほぼ均一に分布するが全ガス量比が1.90以
上になるとその形状において球状のボイドが点在してデンドライト状結晶を分断
するようになり、不均質な凝固組織を呈する。 【0010】 又このような凝固組織は合金のクリープ特性や耐食性の低下をもたらすもので
あった。 【0011】 即ち全ガス量比とクリープ強度比との関係を示すと図1の如く表わされる。又
クリープ強度比とは次式の如く定義されるものである。 【0012】 クリープ強度比=C(G>1)/C(G=1) ただし C(G=1)は全ガス量比、G=1の材料のクリープ強度 C(G>1)は全ガス量比、G>1の材料のクリープ強度 図1から明らかな如く全ガス量比が1.90未満の場合には、クリープ強度比
はほぼ1となる。即ち全ガス量比Gが1<G<1.9の材料のクリープ強度とG
=1の材料のクリープ強度とはほぼ等しいが、Gが1.9を超えるとクリープ強
度比は1より大きくなる。即ちG(全ガス量比)が1.9を越えた材料のクリー
プ強度はG=1の材料のクリープ強度より小さくなることを示している。このク
リープ強度が小さいということは材料の伸び、変形量が大きいことを意味するこ
とから蓄電池の鉛基合金において材料の伸び変形はできうる限り小さいことが必
要であり、従って全ガス量比として1.90未満のものが要望されているもので
あった。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】 本発明はかかる現状に鑑み鋭意研究を行なった結果、圧力方式にて基板を鋳造
するも該基板内にボイドを生成することなく機械的強度に優れた蓄電池用鉛基合
金を開発したものである。 【0014】 【課題を解決するための手段】 本発明はCa0.01〜0.50質量%、Sn0.05〜5.0質量%、Al
0.001〜0.20質量%、Bi0.001〜1.0質量%、残部Pbよりな
る蓄 電池用鉛基合金である。 【0015】 【作用】 本発明は前記の公知な鉛基合金に対しBiを添加するものであり、Biを添加
することによりBi無添加の場合に比してデンドライト結晶成長が早くなり、そ
の結果湯流れ性が低下しキャビテイ量が増加するが、Biの添加量が増大するに
伴って全ガス量比の値が小さくなりクリープ特性も向上する。 【0016】 而してBiの配合量を0.001〜1.0質量%に限定した理由は0.001
質量%未満の場合には上記の効果が極めて薄く、又1.0質量%を越えても全ガ
ス量比の効果において顕著に向上しないためである。 【0017】 本発明においてCa添加することにより機械的強度を向上せしめるものである
が、その配合量を0.01〜0.50質量%に限定した理由は0.01質量%未
満の場合には、その効果が薄く又0.50質量%を越えたとしても低い鋳造温度
において良好な鋳造品をうることが出来ず、他方鋳造温度を高くすると酸化して
Caの損失量が大きくなるためである。 【0018】 又Snを添加することにより合金の湯流れ性並びに機械的強度を改善し更にボ
イドの発生を抑制するものであり、その配合量を0.05〜5.0質量%に限定
した理由は0.05質量未満の場合には、その効果が薄く又5.0質量%を越え
た場合にはボイド発生の抑制効果の向上はほとんど認められず、しかもSn量の
増加により耐食性が劣り好ましくない。 【0019】 又Alを添加することにより、溶湯の酸化によるCaの損失を防止し、引張り
強さの歪速度依存性を小さくしクリープ特性を向上せしめるものでありその配合
量を0.01〜0.50質量%に限定した理由は、0.01質量%未満の場合に
はその効果が薄く又0.50質量%を越えた場合には上記の歪速度依存性を小さ
くする効果が顕著に表われないためである。 【0020】 【実施例】 鉛溶湯中にCa,Sn,Al及びBiを夫々添加して表1に示す組成による本
発明鉛基合金を得た。これらの合金の溶湯を鋳型内に圧入して夫々蓄電池用極板
基板を作製し、その凝固組織中における全ガス量比を測定して該基板としての良
否を判定した。 【0021】 なお表1中にボイドをまったく含有することのない鉛基合金(標準合金)によ
る冷間圧延板を作製し本発明合金と比較した。 【0022】 【表1】 【0023】 表1から明らかな如く本発明蓄電池用鉛基合金によればBiの含有量を規定
して添加することにより比較例鉛基合金に比し著しく全ガス量比が少なくなり
その値を1.90未満にすることが出来た。これによりクリープ特性及び耐食性
を改善することを確認した。 【0024】 【発明の効果】 以上詳述した如く本発明蓄電池鉛基合金によればメンテナンスフリー用蓄電池
の極板基板に適用するもボイド並びにキャビテイの発生を著しく抑制し長寿命性
の蓄電池をうる等工業上有用なものである。
【図面の簡単な説明】 【図1】 クリープ強度比と全ガス量比との関係図。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 合金溶湯に圧力を加えて該溶湯を鋳型内に強制的に圧入せしめ
    て蓄電池の極板用基板を形成するための加圧式製造法に用いられる鉛基合金にお
    いて、Ca0.01〜0.50質量%、Sn0.05〜5.0質量%、Al0.
    001〜0.20質量%、Bi0.001〜1.0質量%、残部Pbよりなる
    とを特徴とする蓄電池用鉛基合金。

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