JP2639736B2 - 紙ウエブを拘束状態で乾燥する方法 - Google Patents

紙ウエブを拘束状態で乾燥する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 本発明は製紙機械のドライヤ部分で紙ウエブを拘束状
態で乾燥する方法に関する。特に、本発明は、ウエブの
辺縁のカールを防ぐようにクロスマシン方向の収縮を生
じないようにウエブを拘束することを含む方法に関す
る。
情報開示の説明 紙ウエブの製造において、ウエブが形成された後、ウ
エブは大部分の湿気をそこから除去するためプレス部分
においてプレスされる。ウエブは、その後ウエブから湿
気を更に除去するためにドライヤ部分を通って案内さ
れ、そこで生じたウエブが必要なシート特性を備えてい
るようになる。
典型的なドライヤ部分は、第1及び第2列として配置
された複数のドライヤを有し、第1列は下部列の上方に
配置される。ウエブは曲りくねった通路を通って上部ド
ライヤと下部ドライヤを交互にまわることによって、ウ
エブの両側が交互に、ドライヤの外面に順次接触するよ
うにされる。
前述の配置において、ドライヤの上列は上部ドライヤ
フェルトによって包囲され、ドライヤの下部列は、下部
ドライヤフェルトによって包囲される。上部フェルトと
下部フェルトは、ウエブがそれぞれの上部ドライヤ及び
下部ドライヤをまわって送られる間、ウエブがクロスマ
シン方向へ収縮しないように拘束される。しかしなが
ら、前述の配置では、ウエブが上部ドライヤと下部ドラ
イヤとの間を送られる間、ウエブが上部フェルト又は下
部フェルトのいずれによっても支持されないという問題
が起る。ウエブがそのように拘束を受けない動きをする
と、クロスマシン方向の収縮が生じ、ひいては辺縁にカ
ールを生じる。
ウエブの辺縁のカールやしわを減らすために、1本の
ドライヤフェルトがウェブに隣接して、それぞれの上部
及び下部ドライヤをまわって伸長し、ドライヤ間におけ
るウエブのオーブンドロー、即ち支持されない状態のウ
エブの通路が発生しないようになっているドライヤ部分
が用いられている。前述の1本のフェルト式、又はウノ
(Uno)走行式ドライヤ部分は、ウエブが上部ドライヤ
と下部ドライヤとの間を送られる間、ウエブを支持する
のに役立つけれども、そのような1本のフェルト式装置
は少くとも次のような欠点を有する。第1に、フェルト
がウエブと下部ドライヤとの間に配置されるので、下部
ドライヤが役に立たない。第2に、ウエブが下部ドライ
ヤをまって送られる間、フェルトの外側に位置するの
で、ウエブは下部ドライヤをまわる間、フェルトに対し
てばたつく(フラッターする)傾向がある。ウエブがそ
のようにばたつくことは、ウエブが下部ドライヤドラム
をまわって送られる間、拘束されないことを意味する。
理想的には、ウエブはドライヤ部分を通って通過し終
わるまで、クロスマシン方向へ収縮しないように拘束さ
れなければならない。そのような理想的な状況は、国際
公開第WO88/06204号に示したトータル・ベル・ラン(TO
TAL BEL RUN)配置を使用することによって達成でき
る。
この米国特許第4,934,067号には、ウエブとフェルト
が互いに隣接して配置され、それらがドライヤと真空ガ
イドロールを交互にまわって案内されるようにした単一
列ドライヤ部分が開示されている。このガイドロール
は、前述の1本フェルト配置の下部の役に立たないドラ
イヤドラムに代わるものである。真空ガイドロールは、
ウエブが同ガイドロールをまわって送られる間、ウエブ
を同ガイドロールの方へ引きつけるので、ウエブは真空
ガイドロールをまわって送られる時、フェルトに対して
押しつけられ、それによって、ウエブはクロスマシン方
向の収縮が生じないように拘束される。
従って、ウエブがドライヤをまわって送られる間だけ
でなく、真空ガイドロールをまわる間も、クロスマシン
方向の収縮が防止される。さらに、真空ガイドロールの
直径はドライヤの直径より非常に小さいので、ドライヤ
と小さなガイドロールとの間でウエブとフェルトが一緒
に走行し、これによって、ウエブは、ドライヤ部分を通
る間の大部分において、クロスマシン方向の収縮が生じ
ないように拘束される。
前述のシートの拘束により、辺縁のカールやしわが減
少し、仕上げシートの辺縁に生じ易い粗度(Grainines
s)も減る。さらに、そのようにシートを拘束すること
により、ヘッドボックスのスライス開口をより均等にす
ることができ、クロス方向の繊維の配向のプロフィルが
改善される。
特に、従来の乾燥工程で生じる不均衡な幅方向のシー
トの収縮を計量するために、従来、種々の実験室の研究
が行われてきた。前述の不均衡な収縮は、ヘッドボック
スのスライスプロフィル、繊維の配向、シートの伸び、
及び引っぱりエネルギーの吸収にも不均等を生ずる原因
となる。
後文でTEAとして示した引っぱりエネルギーの吸収
は、紙試験片に応力がかかって張力下でそれが破断する
までに吸収されるエネルギーとして、1980年に発行され
た“紙辞典(The Dictinonary of Paper)”の第4版に
定義されている。それは例えばkg−cm/cm2のように、単
位面積当りのエネルギー単位として表現されている。そ
れは乱暴に取扱われる包装材料を評価するために有用で
ある。
ベロイトコーポレーションのトータル・ベル・ラン
(TOTAL BEL RUN)の考えに示されるような全体的に引
っぱりのないドライヤ部分に使用される連続的乾燥を行
なう拘束は、幅方向の伸びとTEAプロフィルを制御する
ことによって、シートの仕上げ特性に直接的影響を及ぼ
す。さらに、そのように、収縮が減じると、シートの辺
縁のしわや粗度形成も少くなる。
前述の辞書は“不均等な乾燥と収縮から生じるシート
のしわ状態として”しわを定義しており、“それは普
通、乾燥中、殆ど拘束を受けない紙に現れる”としてい
る。
さらに、粗度は前述の辞書では、紙や厚紙の表面の外
観の小さな変形として定義され、それは、例えばワイヤ
やフェルトのくぼみや、色の不規則な分布や、乾燥時の
不均等な収縮のような種々の原因で生じるとされてい
る。
また、シートの幅方向の収縮を拘束することによっ
て、ヘッドボックスのスライスリップの開口も一層均等
に保持され、後文でもっと詳しく説明するように、幅方
向の繊維の配向プロフィルも改善される。
前述のトータル・ベル・ランは、確実に支持してドラ
イヤ間でウエブを移送し、シートを繊維圧とロール真空
で拘束する。前述の配置の組み合せによって、シートの
紙通し、機械の走行性及びシートの特性が改善される。
従来のドライヤ部分では、湿った紙は鋳鉄製のスチー
ムで加熱したドライヤに間歇的に接触することにより乾
燥される。紙とドライヤとの間の熱接触は、張力のかか
ったドライヤ織物により保持され、その織物はそれがド
ライヤに巻付けられる時、紙に圧力をかける。典型的な
織物の張力は、ドライヤの直径によって1.42〜2.14kg/c
m(1直線インチ当り8〜12ポンド(PLI))の範囲内に
あり、これは1.72〜1.41kPa(0.25〜0.35PSI)の圧力を
繊維に与える。
前述の織物圧は、乾燥時の接触を改善するばかりでな
く、収縮が生じないように紙を拘束する。しかしなが
ら、そのような拘束は、前述のように、通常のドライヤ
円筒体間のオープンドローを通ってシートが送られる
時、くり返し緩和される。
織物圧はマシン方向への引っぱりを保持することによ
ってマシン方向へいくらかの拘束を保持するが、クロス
マシン(幅)方向に対しては、紙は実質上、拘束が加え
られない。特に、辺縁部で、紙は幅方向へ自由に収縮
し、シートが外側部分により少くとも一部拘束を受ける
ウエブの中心部近くでは、そのような収縮は、幾らか少
い。
そのような不均等なクロスマシン方向の収縮は、例え
ば伸び、TEA、及び引っぱりのような幅方向のシート特
性を不均等にしてしまう。
伸びは、前述の辞書によれは、“引っぱり強さの測定
時、破断点に対応する伸び”として定義され、“それは
普通、オリジナルの長さのパーセンテージとして表現さ
れる”。
高度の幅方向の辺縁収縮も、また、シートの辺縁のし
わ、カール及び粗度の形成を強める。
前述の辞書は、カールを“紙試験片の片側が湿ってい
る時に生じる湾曲”として定義し、“それは形式的に
は、サイジングの程度の尺度として使用される”。
収縮に対する拘束力が不足すると、湿展度(hygroexp
ansivity)が上り、繊維の配向に悪影響を及ぼす。湿展
度は“細辞書”では、“周囲の相対湿度の変化によって
生じる紙の寸法の変化”として定義され、“それは一般
に、パーセンテージで表わし、クロスマシン方向がマシ
ン方向の場合より何倍も高い値を示す。この特性は紙シ
ート、カード、又は構造ボード(壁ボード、防音タイト
ル)の寸法が大変重要な場合の例においては、重要な要
素である”。
種々のミル試験において、そのような研究の第1局面
は、商業上の製紙機械の不均等性を計量し、それから、
機械の操作と仕上げシートの特性においても、収縮の不
均等による影響を決定することに向けられた。
幅方向のシートの収縮は、ヘッドボックスのスライス
リップから出る時ストック上に落とされるインキの小滴
を測定することによって決定された。それから湿潤端に
あるマーク間の距離を乾燥端にある距離と比較して、幅
方向の収縮プロフィルが決定された。
上質紙の製紙機械に対して行った試験の結果を後文で
検討する。収縮は非常に不均等であることが認められ、
事実、ほとんど放射線を描いた。予期通り、幅方向の拘
束作用が最も少いところの辺縁部に、最も強い収縮が生
じた。そのシートの収縮は、紙が少くとも一部、外側部
分によって拘束される中心部の近くが最も少なかった。
幅方向の紙サンプルを、それから、実験室でテストし
て、シートの特性の変化を決定した。これらの結果につ
いては、後文で更に詳しく検討する。その結果から、マ
シン方向の伸びは、幅方向において大変均等であること
が判った。なぜなら、それはマシン方向の引っぱりによ
り拘束を受けるからである。しかしながら、幅方向の伸
びは非常に不均等である。これはクロス方向の収縮を直
接反映していると思われる。言い換えれば、シートが最
も強く収縮する辺縁部で最も強い伸びが生じる。
マシン方向と幅方向の引っぱり強度プロフィルもま
た、同一サンプルを使って測定した。
引っぱり強度は、前述の辞書では“前述の条件のもと
で破断する前に試験片に生じた最大引っぱり応力”とし
て定義しており、“それは普通、試験片の単位幅当りの
力として示される。
後述するように、マシン方向の引っぱりはかなり均等
であり、これもまた、幅方向へ変化しないマシン方向の
引っぱりによって一部影響される。しかしながら、幅方
向の引っぱりプロフィルは不均等であり、わずかに双曲
線の形を表わす。シートの辺縁近くで、引っぱり強度は
最も弱く、この部分の幅方向の収縮は最も強かった。
前述のテストから、マシン中心部で起るような幅方向
の拘束作用は、伸びを減少させ、これに伴って引っぱり
強度を増加させる。幅方向の引っぱりは幅、方向におい
て変化し、マシン方向の引っぱりはかなり均等であるの
で、引っぱり率も変化し、その最高比率が辺縁に生じ
る。
引っぱり率はマシン方向への引っぱりに対する幅方向
の引っぱりの比であって、これについては後文で詳述す
る。
TEAプロフィルも、また、そのサンプルを使って測定
が行われた。幅方向のブロフィルは、幅方向の伸びの不
均等性を反映していた。しかしながらTEAプロフィル
は、CDの伸びほど大きな変化を示さない。なぜなら、マ
シンの中心部近くの伸びの減少が引っぱり強度の増大に
より大部分相殺されるからである。
辺縁近くで生じる大きな収縮は、ヘッドボックスの性
能に対して悪影響を与える。リールにおいて水平な基礎
重量プロフィルをうるために、スライス開口を辺縁の近
くで閉鎖しなければならない。辺縁近くにおけるスライ
ス開口のそのような閉鎖により、片縁部の基礎重量が軽
減し、辺縁近くに生じる大きい収縮を補償する。そのよ
うな基礎重量の減少により、紙は辺縁が軽い状態でプレ
ス部分とドライヤ部分の前部を通過し、この軽い辺縁は
辺縁が収縮すると重くなる。
基礎重量は、前述の辞書では、“特定のサイズに切断
された連のポンド単位で表わした重量”と定義され、
“連の紙数は普通500枚である”。
前述の不均等なスライス開口は、クロス流を生じさせ
ることによって繊維の配向の歪みを生じさせることが知
られている。
繊維の配向は、前述のサンプルでは、後述するよう
に、ソニックモジュラスプロフィルを測定することによ
って決定された。この繊維配向は、マシン方向からのモ
ジュラス包絡線の主軸線の角度として示される。正の角
は繊維がウエブの後側へ向って配向していることを示
し、負の角は繊維が前側へ向って配向されたことを示
す。
それらの繊維は全部、予期通り、マシンの中心線へ向
って配向される。なぜなら、辺縁の収縮を補償するため
に辺縁の近くでスライス開口が閉鎖されるからである。
ウエブを拘束状態で乾燥することによって得られる前
述の効果は、拘束を受けない状態での乾燥部分において
生じるウエブに比べて商業上の効果が著しいことを反映
している。
均等なスライス開口をもつ時に、水平な重量プロフィ
ルを達成するために、幅方向の収縮を拘束する必要があ
る。この収縮は湿気を除去する時に生じるので、収縮の
大部分は水が飛散するオープンドローの所で生じる。収
縮を少くするためには、オープンドローを確実な拘束手
段に置きかえなければならない。
オープンドローを排除する一般的な商業的な配置は、
1本のフェルト又は曲りくねったドライヤー部分であ
る。そのような曲りくねった配置はオープンドローを排
除するけれども、オープンドローを確実な拘束手段に置
きかることができず、それはシートを片側だけから乾燥
する。
しかしながら、前述のトータル・ベル・ランは、曲り
くねった部分の底部非作動ドライヤを真空ロールに置き
かえる。この配置では、前述の国際公開第WO88/06204号
に示すように、交互に配置された頂部にフェルトがかけ
られ、また、底部フェルトがかけられた単一列部分によ
り両側乾燥が維持される。
前述の単一列部分の中間真空ロールは、後文で詳述す
る実験室での研究で使用される織物真空箱と同様に作用
する。真空は、シートが両ドライヤ間を送られる時、ド
ライヤの織物圧によりかけられる拘束作用を保持する。
従来の曲りくねったブローボックスで生じる真空は、
典型的なものでは、ほんの2.49〜49.81Pa(0.1〜0.2イ
ンチ水柱(WC)であり、この真空では明らかに、大きな
収縮の拘束手段となるには適しない。さらに、そのよう
な低レベルの真空は底部ドライヤ全体のまわりに及ばな
い。頂部ドライヤ間のシートの長さがもっと長い場合、
そのシートは従来の曲りくねったドライヤ部分又は1本
フェルトのドライヤ部分における乾燥周期の大部分にわ
たって拘束を受けないままとなる。
真空ロールの1.49〜1.99kPa(6〜8インチ水柱)の
真空レベルは、実質上ドライヤの織物による制限作用に
等しい。そのような真空レベルは、また、後述のような
確実なシートの拘束作用に必要なレベルでもある。
種々の実験室の研究で使用されたシートの拘束作用は
連続して採用されてきた。そして、商業上のマシンに対
してこの同じ特性改善を達成するために、乾燥時の拘束
作用はまた、継続して採用されてきたし、少くとも、シ
ートが最も収縮する部分において使用されてきた。この
特定の実験室のテストは、自然の、即ち、拘束のない状
態での収縮特性を決定するために、パイロットマシンサ
ンプルにおいて行われた。
この設備を用いたとき、マシン方向及びクロスマシン
方向の収縮は、シートが40〜60%乾燥される時に非常に
少い。シートが一旦、60%の乾燥に達すると、収縮が多
くなり、シートが基本的に乾燥するまで高率で収縮し続
ける。
曲りくねった部分、また、或る場合は単一列ドライヤ
ー部分は、ドライヤ部分の湿潤端で使用されてきた。こ
のような使用の仕方は、走行性を改善するために行われ
たものである。しかしながら、乾燥度が60%以上になる
と前述のように収縮が増大することからみて、紙特性を
改善し、走行性も良好とし、かつ、シートの品質を改善
するためには、単一列ドライヤ部分を機械の乾燥端近く
に配置すべきことが明らかになり、単一列ドライヤ部分
の構成を、前述の国際公開第WO88/06204号に示すよう
に、ドライヤ部分全体に使用すべきである。
従って、本発明の第1の目的は、従来の乾燥方法の前
述の欠点を克服し、紙の乾燥技術に大いに役立つ方法を
提供することである。
本発明のもうひとつの目的は、フェルトと共にウエブ
がドライヤ部分のドライヤをまわって送られる間フェル
トでウエブを包囲し、その後、ウエブの辺縁カールが最
少となるようにドライヤのすぐ下流に配置したガイド装
置の一部のまわりにウエブを巻付ける工程で成る、ドラ
イヤ部分において紙ウエブを拘束状態で乾燥する方法を
提供することである。
本発明のもうひとつの目的は、ウエブの辺縁のカール
を防ぐように、ウエブがガイド装置を通って送られる
間、クロスマシン方向へ収縮しないようにウエブを拘束
する方法を提供することである。
本発明のもうひとつの目的は、シートの辺縁のしわや
粗度を減少するようにした紙ウエブを拘束状態で乾燥す
る方法を提供することである。
本発明のもうひとつの目的は、スライス開口を一段と
均等にし、それによって幅方向の繊維の配向プロフィル
を改善する方法を提供することである。
本発明のその他の目的・効果は、添付図面やグラフに
関連した次の詳細な説明や、請求項の記載から明らかと
なるであろう。
発明の要旨 本発明は紙ウエブを拘束状態で乾燥する方法に関す
る。この方法は、ウエブがフェルトと共に、ドライヤ部
分のドライヤをまわって送られる間、ウエブをフェルト
で包囲し、その後、ウエブの辺縁カールが最少となるよ
うに、ドライヤのすぐ下流に配設されたガイド装置の一
部のまわりにウエブを巻付ける工程を含む。
特に、この方法はウエブが回転円筒形ドライヤの外面
の一部をまわって送られる間、クロスマシン方向の収縮
が生じないようにウエブを拘束し、ドライヤのすぐ近く
でしかもすぐ下流に配設されたウエブガイド装置までウ
エブをドライヤから送り、ウエブをガイド装置の外面の
一部のまわりに巻付け、そして、ウエブの辺縁のカール
を防止できるように、ウエブがガイド装置を通過する
間、クロスマシン方向の収縮が生じないようにウエブを
拘束する工程を含む。
この方法において、前記外面をまわって送られる間ウ
エブを拘束する工程は、ウエブがフェルトと外面との間
にはさまれ、クロスマシン方向の収縮が生じないように
フェルトがウエブを拘束するように、フェルトによって
ウエブを包囲させる工程を含む。
また、ウエブをドライヤからウエブガイド装置まで送
る工程は、ウエブがフェルトとドライヤとの間に配置さ
れるようにウエブとフェルトを一緒にしてドライヤから
ウエブガイド装置まで送る工程を含む。
さらに、ウエブをガイド装置の外面の一部のまわりに
巻付ける工程は、ウエブとそのウエブに隣接するフェル
トとを、ガイド装置の外面の一部をまわりに巻付け、フ
ェルトがウエブとガイド装置の外面の一部との間にはさ
まれるようにする工程を含む。
この方法は、また、ウエブとフェルトをガイド装置の
外面の一部のまわりに巻付け、フェルトとの摩擦接触に
よりガイド装置を回転させる工程を含む。
ウエブがガイド装置をまわって送られる間、そのウエ
ブを拘束する工程は、また、ウエブが回転ガイドロール
のまわりをまわって送られる間、クロスマシン方向の収
縮を生じないようにウエブが拘束されるように、フェル
トをウェブと回転ガイドロールであるガイド装置の外面
との間にはさむ工程を含む。
ガイドロールをこえて送られる間ウエブを拘束する工
程は、ウエブとフィルトがガイドロールをまわって送ら
れる間、ウエブがフェルトに密着するように押圧されウ
エブがクロスマシン方向の収縮を生じないように拘束さ
れるように、ウエブからガイドロールへ向って気流を導
く工程を含む。
本発明は、詳細な説明に記載の方法の種々の工程に拘
束されるものでなくて、請求の範囲により限定されるだ
けである。前述の本発明の方法の工程は、本発明の請求
の範囲により規定される発明の本旨と範囲から離れるこ
となしに多くの変形が可能である。
図面の簡単な説明 第1図は典型的な従来の二重フェルト色ドライヤ部分
の側面図であり、 第2図はシートの前縁から後縁までの収縮のパーセン
テージを示すグラフであり、 第3図はマシン方向とクロスマシン方向のシートの伸
びプロフィルを比較したグラフであり、 第4図はマシン方向とクロスマシン方向のシートの引
っぱり強さのプロフィルを比較したグラフであり、 第5図はシートの前縁から後縁までのシートの引っぱ
り率プロフィルを示すグラフであり、 第6図はそれぞれマシン方向とクロスマシン方向のシ
ートの前縁から後縁までのシートの引っぱりエネルギー
吸収プロフィルを示すグラフであり、 第7図は前縁から後縁までのシートの乾燥容量を示す
グラフであり、 第8図は乾燥重量が第7図に示すように得られるよう
に構成された開口プロフィルを有するヘッドボックスの
スライス輪郭を示すグラフであり、 第9図はシートの前縁から後縁までのシートの繊維の
配向プロフィルを示すグラフであり、 第10図はマシン方向とクロスマシン方向の収縮と、そ
のようなシートの収縮に対するシートの真空拘束の影響
を示すグラフであり、 第11図は第9図のクラフの類似グラフであるが、サン
プルの伸びに対するシートの真空拘束の影響を示す。
第12図はサンプルの引っぱり強さに対するシートの真
空拘束の影響を示すグラフであり、 第13図はサンプルTEAに対するシートの真空拘束の影
響を示すグラフであり、 第14図は単一フェルトのドライヤ部分、曲りくねった
走行ドライヤ部分又はウノ走行部分の側面図であり、 第15図は国際公開第WO88/06204号に示したトータル・
ベル・ラン単一列ドライヤ部分の側面図であり、 第16図はマシン方向とクロスマシン方向のサンプルの
収縮特性を示すグラフであり、 第17図は湿展性に対する拘束状態と非拘束状態の影響
を示すグラフであり、 第18図は自由に乾燥したシートの表面を示す顕微鏡写
真のコピーであり、 第19図は拘束乾燥シートの表面を示す顕微鏡写真であ
る。
図面に示す種々の実施例を通して同一符号に同一部品
を示す。
図面の詳細な説明 第1図は、全体を13で示す上部列のドライヤ11,12を
有する典型的な二重フィルト式ドライヤ部分10の側面図
である。このドライヤ部分10は、また、全体を16で示す
下部列の下部ドライヤ14,15を有する。ウエブWは、ド
ライヤ14,11,15,12をこえて曲りくねって伸長するの
で、ウエブの両側がドライヤ14,11,15,12のそれぞれの
外面17,18,19,20と接触する時、その両側は交互に乾燥
される。上部フェルト21はガイドロール22をまわり、ド
ライヤ11をまわって伸長し、それからガイドロール23を
まわって上部ドライヤ12をまわる。同様に、下部フェル
ト24は、ドライヤ14をまわり、下部ガイドロール25をま
わり、ドライヤ15をまわって、さらにもうひとつの下部
ガイドロール26をまわって伸長する。
この従来のドライヤ部分は、それぞれ上部及び下部ド
ライヤ11,12,14,15をまわって送られる間にシートが拘
束されるけれども、ウエブは例えばドライヤ14と11との
間を移動する間、支持されないので、収縮しないように
拘束されることもない。そのような支持されないウエブ
は、この技術分野では、オープンドロー27として知られ
ている。ウエブWは、オープンドロー27を通って送られ
る間支持されないので、ウエブにクロスマシン方向の収
縮が生じ、それに伴って、辺縁のカールや、粗度の形成
さらに辺縁のしわが生じる。
第2図は、上質紙の製紙機械において、収縮が不均等
に多く見られ、グラフが殆んど放物線を描いているよう
な結果を示すグラフである。予期されるように、シート
の収縮が最も多く見られるのは、シートの横断方向の拘
束が最も小さい辺縁部であり、シートの収縮が最も小さ
いのは、紙が外側部分に上り少くとも一部拘束されてい
る中心に近い部分である。第2図のグラフにおいて、X
軸はサンプルウエブの前縁から後縁までの読みを示し、
収縮量は最初の幅のパーセンテージとして示されてい
る。
第3図はシートの特性の変化を決定するために実験室
でテストした幅方向の紙サンプルを示すグラフである。
第3図に示すように、マシン方向とクロスマシン方向の
シートの伸びプロフィルが示される。マシン方向の伸び
は、それがマシン方向の引っぱりによって制御されるの
で、幅方向へ非常に均等である。しかしながら、クロス
マシン方向の伸びは、グラフで示すように、非常に不均
等である。グラフ28とマシン方向のグラフ29とを比較す
ることにより、クロス方向の収縮が直接反映している、
即ち、シートの収縮が最も強いところの辺縁に最も強い
伸びが生じることが判る。
第4図に示すグラフはクロスマシン方向に対するシー
トの引っぱり強度プロフィルのグラフ30と、マシン方向
のグラフ31とを有する。第4図に示すようなマシン方向
の引っぱりはかなり均等であるが、これも幅方向へは変
化しないマシン方向の引っぱりにより一部影響を受け
る。しかしながら、幅方向の引っぱりプロフィルは不均
等である。それはわずかに“まゆをひそめた”形、即ち
双曲線の形を表わす。最も引っぱりが小さいのは、シー
トの辺縁近くであって、ここはクロスマシン方向の収縮
が最も大きいところでもある。
上のデータから、マシンの中心に近いところのクロス
マシン方向の拘束が強くなると伸びが減退し、それに応
じて引っぱり強度が増すことが判る。クロスマシン方向
の引っぱりは幅方向において変化し、その時、マシン方
向の引っぱりはかなり均等であるので、引っぱり率もま
た、変化し、その最大率は第5図の引っぱり率グラフ32
で示すように、辺縁に生じる。
第6図は、2本のグラフ33,34を示す。グラフ33はマ
シン方向のシートTEAプロフィルを示し、グラフ34はク
ロスマシン方向のシートTEAプロフィルを示す。
TEAプロフィルは同一サンプルに対して測定したもの
である。第6図に示すクロスマシン方向のプロフィル
は、クロスマシン方向の伸びの不均等性を反映してい
る。しかしながらTEAプロフィルは、マシンの中心近く
の伸びの減少が引っぱり強度の増大により一部相殺され
るので、クロスマシン方向の伸びほど大きな変化は生じ
ない。
辺縁近くで収縮が増出することもまた、ヘンドボック
スの性能に対して悪影響を与える。リールに水平な基礎
重量プロフィルを生じさせるために、スライス開口は辺
縁の近くで閉鎖されなければならず、その辺縁部におけ
る基礎重量の減少がその辺縁近くに生じる収縮の増大を
補償する。このことによって、紙はプレス部分とドライ
ヤ部分の前部を通過するが、軽い辺縁は、それが収縮す
る時、結局、重くなる。
第7図はその前縁から後縁までのサンプルシートの乾
燥重量を示すグラフ35である。
第8図は第7図の結果を得るために必要なスライスプ
ロフィルを示すグラフである。第8図に示すように、ス
ライス開口は、収縮後、比較的均等なウエブにするため
に、それぞれの辺縁が小さくなっている。
繊維の配向は、ソニックモジュールプロフィルを測定
することにより決定される。そのプロフィルは第9図に
示しており、これはシートの前から後までのグラフであ
る。このグラフは実際の読みを示し、グラフ36は平均配
向を示す。繊維の配向はマシン方向からのモジュラス包
絡線の第1軸線の角度として示される。正の角度は繊維
が後側へ向った配向を示し、負の角度は繊維が前側へ向
った配向を示す。
ここに用いたサンプルでは、繊維は全て、予期される
ように、マシンの中心線へ向って配向される。なぜな
ら、スライス開口が辺縁の近くで閉鎖され、辺縁の収縮
を補償するからである。
例: 実験室で、ハンドシートの試験を何度も行った結果、
乾燥中、シートの拘束が増すと、伸びが減り、引っぱり
強度が増し、モジュラスが増大した。
この試験で、ハンドシートを使用する代わりに、2本
ワイヤのパイロットマシンでサンプルを商業速度で製造
した。これらのシートは、それから真空ボックスにより
支持されたドライヤー織物の上で自由に乾燥が行われ
た。シートに種々のレベルの拘束制限を与えるために、
ボックスの種々のレベルの真空により、別々のシートが
乾燥された。
ボックスに真空がない場合、マシンメイドシートは拘
束されないで収縮した。マシン方向の総収縮は約1%で
あり、クロスマシン方向の総収縮は、第9図に示すよう
に、7%に近かった。しかしながら、真空レベルが上昇
すると、収縮は次第に減少した。
これらのサンプルに対応するシート特性が伸び、引っ
ぱり強度、モジュラス、TEAについて第10図〜第13図に
示されている。これらの特性にも、ミル試験で示される
のと同じ傾向が見られる。クロスマシン方向の拘束が増
すと(商業用機械の中央サンプルにより経験され、実験
室の研究中、真空ボックスにより誘導される)、仕上げ
シート特性に同様の変化が生じた。
特に、第10図は、グラフ37で示すマシン方向と、グラ
フ38で示すクロスマシン方向におけるシートの収縮に対
するシートの真空拘束の影響を示す。
第11図はサンプルの伸びに対するシートの真空拘束の
影響を示し、マシン方向のグラフ39と、クロスマシン方
向のグラフ40とを示す。
第12図はサンプルの引っぱり強度に対するシートの真
空拘束の影響を示し、マシン方向のグラフ41とクロスマ
シン方向のグラフ42とを示す。
第13図はサンプルTEAに対するシートの真空拘束の影
響を示し、グラフ43はマシン方向を示し、グラフ44はク
ロスマシン方向を示す。
不均等なスライス開口を有しないで水平な重量プロフ
ィルを達成し、均等な幅方向の特性プロフィルを有する
シートを製造するためには、クロスマシン方向の収縮を
制御する必要がある。湿気が除去される時に収縮が生じ
るので、収縮の大部分は、水が飛散するオープンドロー
の場所で生じる。収縮を減らすために、オープンドロー
は国際公開第WO88/06204号に示すような確実な拘束手段
に置きかえなければならない。
オープンドローを排除する一般的な市販の配置は,第
14図に示す単一フェルト型又は曲りくねったドライヤ部
分である。
第14図において、ドライヤ100,101,102は全体を103で
示す上部列を構成し、ドライヤ104,105は下部列106を構
成する。ウエブWAとフェルトFは一緒になってそれぞ
れ、ドライヤ100,104,101,105,102を回って曲りくねっ
た形で走行する。ドライヤとドライヤ間をウエブが移動
する間、ブローボックス107,108はウエブを左方へ引き
寄せるけれども、その真空は弱いので、ウエブに或る程
度の拘束を加えるほどではない。この配置はオープンド
ローの部分を有していないけれども、オープンドローを
確実な拘束に置きかえている訳ではなく、また、シート
は片側だけを乾燥するに過ぎない。
第15図は国際公開第WO88/06204号に開示したトータル
・ベル・ラン装置を示し、これは全体を203で示す。一
列配置として示されたドライヤ200,201,202を有する。
ドライヤ200と201との間には、真空ガイドロール204が
介在する。さらに、もう1個のガイドロール205がドラ
イヤ201と202との間に配置される。この設計では、第14
図に示す曲りくねった部分の下部ドライヤはなくて、真
空ロール204,205に置きかえられている。この配置で
は、前記国際公開第WO88/06204号に示すように、頂部フ
ェルト型一列部分と底部フェルト型一列部分との間を交
互に移動するこによって両側乾燥が維持される。
前述の単一列部分203の中間真空ロール204,205は、前
述の実験室での研究に使用される織物真空ボックスとほ
ぼ同じように作用する。この真空は、シートがドライヤ
ー間を移送される時、ドライヤの織物圧よる拘束を維持
する。
普通の曲りくねったブローボックスにより誘起される
真空は、典型的には、ほんの2.49〜49.81Pa(0.1〜0.2
インチ水柱)であり、第9図から示されるように、大き
な収縮拘束を行うには明らかに不十分である。さらに、
この低レベル真空は底部ドライヤー全体に及ばない。頂
部ドライヤ間のシートの長さが長い場合、そのシートは
通常の曲りくねったドライヤ部分の乾燥周期の大部分に
わたって拘束を受けないままである。
真空ロールにおける1.49〜1.99kPa(6〜8インチ水
柱)の真空レベルは、乾燥織物に作用する拘束と基本的
には同じである。それはまた、第9図に示すような確実
なシートの拘束を与えるのに必要な真空レベルである。
上の実験室の研究に使用したシートの制限は、連続し
てかけられた。商業上の機械の特性を同様に改善するた
めに、乾燥の制限もまた、連続して行なわれなければな
らず、又は少くともシートが最も収縮する部分には乾燥
の制限を行なわなければならない。パイロットマシンの
サンプルに対して、この実験室のテストを行い、自然の
収縮特性、即ち、拘束を加えない状態での収縮特性を決
定した。これらの1つのサンプルの結果を第16図に示
す。
第16図において、特定の設備で、マシン方向の収縮を
300で示し、クロスマシン方向の収縮を301で示すが、シ
ートが40%から60%まで乾燥する時、収縮は非常に少
い。シートが一旦60%まで乾燥すると、収縮は増大し、
シートが実質的に乾燥してしまうまで高率で収縮し続け
る。
真空ガイドロールを有しない曲りくねった単一列ドラ
イヤは、従来、ドライヤ部分の湿潤端部に使用された。
これは走行性を改善するために行われた。しかしなが
ら、第16図の結果に基づけば、単一列ドライヤ部分は機
械の乾燥端近くで使用されねばならない。最良の走行性
とシートの最良の品質をもつように紙の特性を改善する
ためには、ドライヤ部分全体に、単一列ドライヤ部分構
成体を使用しなければならない。
乾燥中におけるシートの拘束によるシートの品質の前
述の如き改良に加えて、最近の研究から、拘束状態で乾
燥されるシートの湿展性が著しく減少することが判っ
た。第17図に示すこれらの結果は、シートが拘束状態で
乾燥される時、一層安定しており、シートの湿展性もシ
ートの密度の変化、即ちプレス作用及びファイニングに
よる微細物(fine)含有量により影響されないことを示
す。
拘束作用のもとで乾燥したシートは自由に乾燥したも
のとは大変異なる。
収縮が減少すると、シートがカールしたり、しわにな
ったり、粗な辺縁が形成される傾向も減る。これらのシ
ートの欠陥は全て、湿展性により生じ、それは、密度、
フィラーの分布や、微細物の分布及び繊維の配向による
Z方向の不均等によって増加される。その湿展性を少く
することによって、これらの欠陥を非常に少くし、また
は全く排除することもできる。第17図は湿展性に対する
拘束の効果を示す。上のグラフ400,401,402は自由に乾
燥したシートを表わし、グラフ403,404,405は拘束作用
のもとで乾燥したシートを表わす。
第18図及び19図に示す電子顕微鏡写真は、クロスマシ
ン方向に部分的に拘束をかけた状態でマシンの中央から
とったシートの繊維表面の特性と、拘束していない状態
でのクロスマシン方向の辺縁からとったシートのそれを
比較したものである。
要するに、乾燥工程で生じる幅方向のシートの収縮に
は非常に不均等である。この不均等な収縮は直接、クロ
スマシン方向の伸び、引っぱり、モジュール及びTEAプ
ロフィルに影響を与える。収縮は辺縁部の近くで最も強
い。リールの所で基礎重量プロフィルを水平にするため
には、辺縁の収縮を再び補うために、辺縁の近くでヘッ
ドボックスのスライス開口を減小させなければならな
い。それによって不均等な収縮が繊維の配向に間接的に
影響し、クロスマシン方向の収縮をコントロールするた
めに、中間真空ロールを備えた単一列のドライヤ部分を
使用することができる。1.49〜1.99kPa(6〜8インチ
水柱)の範囲内の中間ロール又はガイドロールの真空レ
ベルは、ドライヤの織物圧による拘束を連続させ、ま
た、辺縁の収縮を著しく減少させる。
この収縮の制御は、幅方向の特性フロフィルを一層均
等にし、スライス開口を水平にし、クロスマシン方向の
繊維の配向の変化を減少させ、辺縁にカールもしくはし
わが形成され、又は辺縁が粗になる傾向を最も少くす
る。また、ウエブは国際公開第WO88/06204号に示すよう
に乾燥部分間を送られる間に拘束作用が加えられ、その
シートの拘束作用は少くとも1.49kPa(6インチ水柱)
の真空で行なわれる。
フロントページの続き (72)発明者 ウェデル、グレゴリー・エル アメリカ合衆国、ウイスコンシン 53511、ベロイト、モーニング グロー リー レイン、761 (56)参考文献 特開 平1−321991(JP,A) 特開 昭64−85390(JP,A) 実開 昭55−15242(JP,U) 米国特許3868780(US,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙ウエブとドライヤフエルトとが複数個の
    回転ドライヤの加熱面の一部に巻付けられ、ウエブがド
    ライヤフエルトと加熱面との間に配置されるように、紙
    ウエブとドライヤフエルトとを互いに隣接して移動させ
    る工程; ウエブがドライヤと真空ガイドロールとの間の通過する
    間、ドライヤフエルトによってウエブが支持されるよう
    に、各々が前記複数個をドライヤの相隣るドライヤ間に
    配設された複数個の真空ガイドロールをまわって、ウエ
    ブとフエルトを互いに隣接して案内し、ウエブとフエル
    トが真空ガイドロールの表面の一部のまわりに巻付けら
    れる時、ウエブと真空ガイドロールとの間にフエルトが
    配置されるようにする工程; ウエブとフエルトが前記真空ガイドロールのまわりに巻
    付けられる時、フエルトを通ってウエブへ真空をかけ、
    ウエブとフエルトが真空ガイドロールのまわりに巻付け
    られる時、ウエブがフエルトと密着するように引っぱら
    れるように、前記ガイドロールを真空源に接続する工
    程; からなる製紙機械の単一列ドライヤ部分を通って連続的
    に走行する紙ウエブを拘束状態で乾燥する方法であっ
    て; ウエブがほぼ60%の乾燥度に達した後、そのまわりを通
    る前記真空案内ロールに1.49〜1.99kPa(6〜8インチ
    水柱)の真空レベルを適用し、ほぼ60%の乾燥度に達し
    た後のウエブの乾燥中のクロスマシン方向の収縮を防ぐ
    ことを特徴とする; 製紙機械の単一例ドライヤ部分を通って連続的に走行す
    る紙ウエブを拘束状態で乾燥する方法。
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