JP2639528B2 - メモリ・カートリッジ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の要約 ディジタル画像データを記憶する半導体メモリを備え
たメモリ・カートリッジにおいて，メモリから読出され
たディジタル画像データをアナログ映像信号に変換する
D/A変換器と，この映像信号によって表わされる画像を
表示する表示器とを設けた。

発明の背景 この発明は画像メモリを備えたメモリ・カートリッジ
に関し，たとえばディジタル電子スチル・カメラその他
の画像データ記録装置によって与えられるディジタル画
像データを記憶するためのメモリ・カートリッジに関す
る。

現在実現されかつ市販されている電子スチル・カメラ
またはスチル・ビデオ・カメラといわれるものは映像信
号をFM変調してアナログ信号の形態で記録媒体としての
磁気ディスクに記録する。磁気ディスクはケースまたは
ジャケットといわれるものの内部に回転自在に収められ
ている。磁気ディスクには50駒分程度の画像の映像信号
を記録することができる。CRT表示装置を備えた再生装
置にこのような磁気ディスクを装填して再生駆動する
と，磁気ディスクに記録されていた映像信号が再生され
CRT表示装置に表示される。

近年のICメモリ製造技術の進展にともなって大容量の
半導体メモリ・チップが実現されるようになり，画像デ
ータをディジタル的に記憶するメモリ・カートリッジお
よびこのメモリ・カートリッジに撮像画像を記録できる
ディジタル電子スチル・カメラが脚光をあびてきた。こ
のようなメモリ・カートリッジには，取扱いやすいディ
ジタル信号の形態で画像データが記憶されるので，種々
の応用の展開の可能性がある。

発明の概要 この発明は，ディジタル信号の取扱いおよび記憶が可
能であるというメモリ・カートリッジの特徴を活かし，
記憶されている画像を表示できる機能をもったメモリ・
カートリッジを提供することを目的とする。

この発明は，ディジタル・スチル・カメラに着脱自在
に装着されるメモリ・カートリッジであり，ディジタル
・スチル・カメラに装着されたときにディジタル・スチ
ル・カメラの電気回路と接続するためのコネクタ，ディ
ジタル・スチル・カメラで撮影されることにより得ら
れ，上記コネクタを通して与えられるディジタル画像デ
ータを記憶し，与えられる読出し制御信号に応じて記憶
しているディジタル画像データを出力する半導体メモ
リ，上記半導体メモリに読出し制御信号が与えられるこ
とによって上記半導体メモリから読出されたディジタル
画像データをアナログ映像信号に変換して出力するD/A
変換器，上記D/A変換器から出力されるアナログ映像信
号を入力し，このアナログ映像信号によって表わされる
画像を表示する表示面を有し，メモリ・カートリッジが
ディジタル・スチル・カメラに装着された状態において
この表示面が外部に露出する表示器，上記表示器を駆動
するための太陽電池，ならびに上記表示器に表示されて
いる画像についての保存制御信号に応答して，上記画像
を表わすディジタル画像データの上記半導体メモリによ
る保存を実行する保存実行手段を備え，ディジタル・ス
チル・カメラへの装着および未装着にかかわらず，上記
表示器の表示面に画像を表示することが可能なことを特
徴とする。メモリ・カートリッジとは半導体メモリをケ
ースまたはカーリッジ内に収めたもので，メモリ・カー
ドを含む概念である。

この発明によると，上記メモリに記憶された画像デー
タは読出されてアナログ信号に変換されたのち表示器に
与えられて表示される。メモリ・カートリッジが画像デ
ータの再生可能をもっているので，再生装置を別途に用
意することなく画像の再生が行なえ，手軽で便利であ
る。

メモリ・カートリッジはディジタル・スチル・カメラ
に着脱自在に装着され撮影して得られるディジタル画像
データを一時的に記憶でき，一時的に記憶されたディジ
タル画像データによって表わされる画像を，メモリ・カ
ートリッジの表示器に表示できる。保存制御信号に応答
して表示器に表示されている画像を表わすディジタル画
像データが保存される。したがって撮影した画像を表示
器に試しに表示し表示内容を確認したあと必要な画像デ
ータのみを記憶することが可能となり，必要な画像デー
タと不要な画像データとを選別することができる。

ディジタル・スチル・カメラをメモリ・カートリッジ
に装着して撮影を行なうと撮影画像がメモリ・カートリ
ッジの表示器に表示されるので，必ずしもディジタル・
スチル・カメラにビューファインダを設ける必要もな
い。

表示器を駆動するための太陽電池を備えているので，
表示器を駆動するための電池を別途に用いる必要もな
い。表示器に表示される画像は明るい所で見られるの
で，メモリ・カートリッジを電子スチル・カメラから取
外した状態であっても，太陽電池を用いて表示器を常に
駆動でき，所望の画像を表示器に持続的に表示できる。
画像表示は，電卓などにおける数字表示，音声出力に比
べ消費電力が大きい。通常の電池を用いて持続的に画像
表示することは，消費電力の点からみて好ましくない
が，本願発明では太陽電池を表示器の駆動電源としてい
るため所望の画像を表示器に持続的に表示できる。

太陽電池によって上記D/A変換器に電力を供給するよ
うにしてもよい。この場合に上記メモリが不揮発性であ
れば太陽電池のみをメモリ・カートリッジに設ければ足
りるようになる。

上記保存制御信号の一例としては，消去指令を挙げる
ことができる。この場合には，消去指令に対応して上記
半導体メモリに記憶させた画像データが消去され，消去
指令が与えられないことにより上記半導体メモリに画像
データが記憶された状態が維持されることによって，上
記保存実行手段によるディジタル画像データの保存が行
なわれる。

また，上記半導体メモリが表示用メモリのときには，
画像データ記憶用主メモリをさらに備える。この場合，
上記保存制御信号は記録指令であり，この記録指令に応
答して上記表示用メモリに記憶されている画像データを
上記主メモリに転送して記憶することにより，上記保存
実行手段によるディジタル画像データの保存を行なう。

実施例の説明 第１図はメモリ・カートリッジの外観を示している。
メモリ・カートリッジ20はディジタル電子スチル・カメ
ラに装着されたときにカメラと電気的に接続するための
多くの端子29を備えている。これらの端子29はデータ・
バス，アドレス・バス，コントロール・ライン等を接続
する。またメモリ・カートリッジ20の表面の一部には液
晶表示器24が設けられ，この液晶表示器24には，メモリ
・カートリッジ20内の後述する半導体画像メモリ（第４
図符号22）に記憶されている画像データによって表わさ
れる画像に加えて，画像メモリに記憶できる残り駒数D
1,撮影した日付D2が表示される。これらのデータに加え
て，撮影した順序を示す駒番号，撮影した場所を示すデ
ータ，その他のインデックス情報等を表示するようにし
てもよい。メモリ・カートリッジ20の表示器24が設けら
れている面には，表示器24に動作電力を供給する太陽電
池27が配置されている。

第２図および第３図は，上述のメモリ・カートリッジ
20が装着されるディジタル電子スチル・カメラの外観を
示している。このディジタル電子スチル・カメラ10の前
面にはレンズを含む光学系12が，上面の右前隅にはシャ
ッタ17が，後面の左上にはファインダ31がそれぞれ設け
られている。さらにカメラ10の後面にはメモリ・カート
リッジ20の装着用の凹部33が形成され，この凹部33の両
側に上下方向にガイド溝32が形成されている。凹部33は
後面が開口している。メモリ・カートリッジ20は第２図
に矢印で示すように端子29を下方に向けて上方からこの
ガイド溝32にそって凹部33に挿入される。取外すときは
カードリッジ20は上方に引き抜かれる。凹部33内に装着
されたメモリ・カートリッジ20の下端の端子29にそれぞ
れ接触するように凹部33の下底部に多くの端子（図示
略）が設けられている。

メモリ・カートリッジ20はその両側をガイド溝32に案
内されて，後面が開口した凹部33に装着されるので，メ
モリ・カートリッジ20をカメラ10に装着した状態で，第
２図に示されるように，液晶表示器24に表示された画像
を外部から見ることができる。またカートリッジ20の太
陽電池27の受光面も凹部33の後面開口から露出するの
で，外部光がこの受光面に入射して太陽電池27は起電力
を発生する。

第４図はディジタル電子スチル・カメラ10とメモリ・
カートリッジ20の電気的構成の一例を示している。

メモリ・カートリッジ20は上述した凹部33に装着され
たときにコネクタ30によってディジタル電子スチル・カ
メラ10と電気的に接続される。コネクタ30は，カートリ
ッジ20側の上述の端子29およびカメラ10の凹部33の下部
に設けられた端子を含む。

ディジタル電子スチル・カメラ10における撮影，画像
データを含む各種データのメモリ・カートリッジ20への
転送，その他の処理はシステム・コントローラ11によっ
て制御される。システム・コントローラ11はCPU,その実
行プログラムを格納したROM,必要なデータを記憶するた
めのRAM,日付，時間を計時する時計，駒数等を係数する
カウンタ等から構成されている。

被写体像は光学系12を経てイメージ・センサ13上に結
像し，イメージ・センサ13から映像信号が出力される。
この映像信号は次に信号処理回路14で増幅，露出調整，
色調整等の必要な信号処理が加えられたのち,A/D変換回
路15でディジタル信号に変換される。このディジタル信
号はさらに信号処理回路16において色成分への分解等の
必要な処理が加えられる。この信号処理回路16の出力側
のデータ・バスはコネクタ30に接続されている。システ
ム・コントローラ11のアドレス・バス，データ・バスお
よびコントロール・ラインもコネクタ30に接続されてい
る。シャッタ17からのシャッタ信号はシステム・コント
ローラ11に与えられる。

メモリ・カートリッジ20には，ディジタル電子スチル
・カメラ10から与えられるディジタル画像データを記憶
する画像メモリ22,画像メモリ22から読出されたディジ
タル画像データをアナログ映像信号に変換するD/A変換
器26,上記の液晶表示器24,D/A変換された映像信号を受
けて表示器24にその映像信号によって表わされる画像を
表示するように駆動する駆動回路25,上記太陽電池27,な
らびに画像メモリ22,駆動回路25およびD/A変換器26に動
作電力を供給する乾電池28が備えられている。画像メモ
リ22には一般には複数駒分の画像データの記憶が可能で
あるが，場合によっては１駒分の容量をもつものでもよ
い。

液晶表示器24を備えたメモリ・カートリッジ20がカメ
ラ10に装着されたときに，カメラ10によって撮影された
映像をただちに表示器24に表示し，この表示によって撮
影した映像が所望のものかどうかをチェックすることの
できる機能を例にとって，第４図のシステムの動作およ
び表示器24を備えたメモリ・カートリッジ20の効果につ
いて説明する。

カメラ10のシステム・コントローラ11はメモリ・カー
トリッジ20が装着されたときに，画像メモリ22の内容を
サーチして，空エリアの場所および残り駒数を示すデー
タを得る。残り駒数は撮影ごとに上記のカウンタによっ
て計数される。カートリッジ20が装着されたことはカメ
ラ10側に設けられた検知器（図示略）によって検知され
る。

シャッタ17が押されると撮影処理が開始され，このと
き得られた画像データは信号処理回路16からコネクタ30
を通して画像メモリ22に与えられる。またシステム・コ
ントローラ11から画像データを書込むべきアドレスを示
すアドレス信号とライト指令がコネクタ30を通してメモ
リ22に与えられるので，上記の画像データはメモリ22の
指定された場所に記憶される。コントローラ11からは残
り駒数データ，駒番号データ，日付データ等もメモリ22
に与えられ，同じように記憶される。

続いてコントローラ11からリード指令と表示制御信号
がコネクタ30を通してメモリ・カートリッジ20に与えら
れるので，上記で書込まれた画像データがメモリ22から
読出されるとともに,D/A変換器26および駆動回路25が動
作を開始し，撮影された映像が表示器24に表示される。
このとき，残り駒数D1や日付D2等も表示される。

操作者はこの表示をみて所望の画像であると判断した
場合にはその画像データをそのままメモリ22に記憶させ
ておき，不可と考えたときにはカメラ10のキャンセル押
ボタン（図示略）を用いてキャンセル入力を与える。す
るとコントローラ11は画像メモリ22の該当する画像デー
タを消去する。

上記の例ではメモリ・カートリッジ20における表示制
御をカメラ10のシステム・コントローラ11が行なってい
るが，メモリ・カートリッジ20にCPUを設け，このCPUに
よって表示制御を行なわせるようにしてもよい。また，
表示用のバッファ・メモリをカートリッジ20に設けてお
き，このバッファ・メモリに直接に撮影した画像データ
を与え，バッファ・メモリから読出して表示させるよう
にしてもよい。そして，記録OKの入力に応じてバッファ
・メモリの画像データをメモリ22の所定のエリアにスト
アするようにする。

メモリ・カートリッジ20はファインダとして用いるこ
ともできる。この場合には，入力する被写体像の画像デ
ータをメモリ・カートリッジ20の上記バッファ・メモリ
に常に与えておき，これを表示器24に表示するようにす
る。そしてシャッタ17が押されたときにバッファ・メモ
リの画像データを画像メモリ22の所定のエリアに格納す
る。

メモリ・カートリッジ20をカメラ10から取外したのち
にも表示器24に画像を表示させるようにすることもでき
る。駆動回路25およびD/A変換器26を自走式のものとし
ておけば，システム・コントローラ11によって一旦指令
が与えられるとメモリ・カートリッジ20をカメラ10から
取外しても表示器24への表示を続行する。必要ならばカ
ートリッジ20にCPUを内蔵させてこれに表示制御を行な
わせるようにしてもよい。さらに，カートリッジ20に駒
送りスイッチを設け，このスイツチ入力に応答して上記
CPUが画像メモリ22から読出す画像データを順次変える
ように制御すれば，メモリ22にストアされている所望の
画像を表示器24に表示できるようになる。

このように，メモリ・カートリッジ20をカメラ10から
取外した状態で所望の画像を表示器24に表示させるよう
にした場合には，メモリ・カートリッジは机上に置くポ
ートレイトとして，または所持者の映像写真付のIDカー
ドとして，その他の用途に利用することができよう。

表示器24に表示する画像は，撮影した画像のすべてで
あっても一部であってもよい。

上記実施例ではメモリ・カートリッジはディジタル電
子スチル・カメラその他の記録装置または再生装置と電
気的接点によって接続されるようになっているが，光学
的または磁気的結合によって接続される構成としてもよ
いのはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図はメモリ・カートリッジの外観を示す斜視図であ
る。 第２図および第３図はディジタル電子スチル・カメラの
外観を示すものであって，第２図は斜視図，第３図は平
面図である。 第４図は，メモリ・カートリッジがディジタル電子スチ
ル・カメラに装着されたときの電気的構成を示すブロッ
ク図である。 20……メモリ・カートリッジ， 22……画像メモリ， 24……液晶表示器， 25……表示駆動回路， 26……D/A変換器， 27……太陽電池。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 精基 東京都港区西麻布２丁目26番30号 富士 写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−78285（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−78284（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−43472（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−15687（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−60522（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−176791（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−81263（ＪＰ，Ｕ)

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ディジタル・スチル・カメラに着脱自在に
   装着されるメモリ・カートリッジであり， ディジタル・スチル・カメラに装着されたときにディジ
   タル・スチル・カメラの電気回路と接続するためのコネ
   クタ， ディジタル・スチル・カメラで撮影されることにより得
   られ，上記コネクタを通して与えられるディジタル画像
   データを記憶し，与えられる読出し制御信号に応じて記
   憶しているディジタル画像データを出力する半導体メモ
   リ， 上記半導体メモリに読出し制御信号が与えられることに
   よって上記半導体メモリから読出されたディジタル画像
   データをアナログ映像信号に変換して出力するD/A変換
   器， 上記D/A変換器から出力されるアナログ映像信号を入力
   し，このアナログ映像信号によって表わされる画像を表
   示する表示面を有し，メモリ・カートリッジがディジタ
   ル・スチル・カメラに装着された状態においてこの表示
   面が外部に露出する表示器， 上記表示器を駆動するための太陽電池，ならびに 上記表示器に表示されている画像についての保存制御信
   号に応答して，上記画像を表わすディジタル画像データ
   の上記半導体メモリによる保存を実行する保存実行手段
   を備え， ディジタル・スチル・カメラへの装着および未装着にか
   かわらず，上記表示器の表示面に画像を表示することが
   可能なメモリ・カートリッジ。
2. 【請求項２】上記保存制御信号が消去指令であり，この
   消去指令に応答して上記半導体メモリに記憶させた画像
   データが消去され，消去指令が与えられないことにより
   上記半導体メモリに画像データが記憶された状態が維持
   されることによって，上記保存実行手段によるディジタ
   ル画像データの保存が行なわれるのである，特許請求の
   範囲第１項に記載のメモリ・カートリッジ。
3. 【請求項３】上記半導体メモリが表示用メモリであり，
   かつ画像データ記憶用主メモリをさらに備え， 上記保存制御信号が記録指令であり，この記録指令に応
   答して上記表示用メモリに記憶されている画像データが
   上記主メモリに転送されて記憶されることにより，上記
   保存実行手段によるディジタル画像データの保存が行な
   われるものである，特許請求の範囲第１項に記載のメモ
   リ・カートリッジ。