JP2639101B2 - 圧力検出装置 - Google Patents

圧力検出装置

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、出力電圧の変化として圧力を測定する圧力
検出装置に係り、特に周囲の温度の影響を受けずかつ簡
単に駆動できるように改良された圧力検出装置に関す
る。
<従来の技術> 第3図は従来の圧力検出装置の構成の概要を示す要部
回路図である。この圧力検出装置は特公昭63−13141号
に開示されている。
RA、RB、RC、RDは例えばシリコン基板のダイアフラム
上に不純物を拡散して形成された歪ゲージであり、測定
圧力により抵抗値を変え出力端T1、T2に測定圧力に対応
した圧力信号V01を出力する。r1、r2はブリッジBRのバ
ランスをとるための調整抵抗である。このブリッジBRは
−2000ppm/℃の程度の温度係数を有しているので、この
電源端T3、T4に定電圧ESをそのまま印加しても温度によ
る誤差が発生する。
そこで、この温度による影響を補償するために電源端
T3と定電圧ESとの間に、負の温度係数を持つようにベー
スとコレクタ、ベースとエミッタの間にそれぞれ抵抗
R1、R2が接続されたトランジスタQ1が接続され、これに
より歪ゲージによる温度変動を補償している。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、このような圧力検出装置では、電源と
して安定な定電圧源を必要とし、またブリッジBRの電源
端と、トランジスタQ1或いは定電圧源との間のリード線
の抵抗が歪ゲージの抵抗に対して無視し得ないときには
その影響を受けるなどの問題がある。
<課題を解決するための手段> 本発明は、以上の課題を解決するために、駆動電源が
実質的に電源端に印加され測定圧力に対応して出力端か
ら出力信号を出力する歪ゲージと、この電源端間に接続
されコレクタ電流比が一定になるように制御されかつエ
ミッタが共通に接続された2個のトランジスタのベース
/エミッタ間電圧の差として基準電圧を発生させる基準
電圧発生手段と、電源端間に接続され負の温度係数を持
つ素子と基準電圧が印加された抵抗とが直列に接続され
た直列回路とを具備し、歪ゲージの温度による圧力信号
の変化を補償するように直列回路の定数を実質的に選定
するようにしたものである。
<作 用> 電源端間に接続された基準電圧発生手段によりコレク
タ電流比が一定になるように制御すると共に2個のトラ
ンジスタのベース/エミッタ間電圧の差として基準電圧
を発生させ、これを歪ゲージの温度による圧力信号の変
化を補償するように定数が実質的に選定された直列回路
の抵抗に印加し、これに流れる電流をベースとして歪ゲ
ージの電源端の電圧を制御する。
<実施例> 以下、本発明の実施例について図を用いて説明する。
第1図は本発明の1実施例の構成を示す回路図である。
SGは矩形状のシリコンのダイアフラム上に形成された
剪断形ゲージであり、その電源端T5、T6にリード線のリ
ード抵抗Rl1、Rl2を介して駆動端TB1、TB2から駆動電圧
VSが印加されている。この場合に出力端T7、T8に発生す
る圧力信号V02は次式で示される。
V02=KπτVS …(1) ここに、πはピエゾ抵抗係数、τは測定圧力により発
生する剪断応力、Kは定数である。このピエゾ抵抗係数
πは−2000ppm/℃の温度係数を有している。
この駆動端TB1には、エミッタが共通に接続されたト
ランジスタQ2、Q3のそれぞれのコレクタが抵抗R3、R4
介して接続され、これ等のトランジスタQ2、Q3のエミッ
タはトランジスタQ4のコレクタに接続され、そのエミッ
タは駆動端TB2に接続されている。そして、これらのト
ランジスタQ2、Q3のエミッタ面積比はn:1に選定されて
いる。
トランジスタQ4のベースは、ベースとコレクタとが接
続されたトランジスタQ5のベースに接続され、そのエミ
ッタは駆動端TB2に、そのコレクタは抵抗R5を介して駆
動端B1にそれぞれ接続され、トランジスタQ5とQ4とはミ
ラー回路を構成している。
トランジスタQ2、Q3のそれぞれのコレクタは電源端が
それぞれ駆動端TB1、TB2に接続された演算増幅器Q6の反
転入力端(−)と非反転入力端(+)に接続され、その
出力端は駆動端TB1に接続されている。
さらに、剪断形ゲージSGの電源端T5、T6には、抵抗
R6、R7、R8、およびベースとコレクタとが接続されたト
ランジスタQ7の直列回路SCがリード抵抗Rl3、Rl4を介し
て接続されている。
次に、以上のように構成された実施例の動作について
説明する。
駆動電圧VSにより抵抗R5を介してトランジスタQ5に流
れる電流I1は、トランジスタQ4にコピーされてトランジ
スタQ2、Q3に流れる電流の和の電流I2として流される。
一方、トランジスタQ2、Q3の各々に流れる電流I3、I4
演算増幅器Q6で検出されてこれ等の電流I3、I4が等しく
なるように制御されている。
従って、トランジスタQ2とQ3のそれぞれのベース/エ
ミッタ間の電圧の差の電圧ΔVbeは次式のように表され
る。
ΔVbe=(kT/q)・ln(n) …(2) 但し、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電子
の電荷である。
この電圧ΔVbeは絶対温度Tの影響を受けるが駆動電
圧VSには無関係であり基準電圧として機能し、抵抗R7
印加されて直列回路SCに電流I5を流す。
従って、剪断形ゲージSGの電源端T5、T6の電圧VS′は
(2)式を用いて次式で表すことができる。
VS′=(kT/q)・ln(n)(Rl3 +R6+R7+R8+Rl4)/R7 +Vbe …(3) 但し、VbeはトランジスタQ7のベース/エミッタ間の
電圧である。
ここで、ΔVbeは(2)式で示すように+の温度係数
を持ち、トランジスタQ7の温度係数は−であり、抵抗
R6、R7、R8、とリード抵抗Rl3、Rl4の温度係数は+2500
ppm/℃程度であるので、これらを組み合わせることによ
り+2000ppm/℃の温度係数を作り、剪断形ゲージSGの−
2000ppm/℃の温度係数を補償することができる。
なお、第1図におけるトランジスタQ7の代わりにダイ
オードでも良く、また負の温度係数を持つセンサであっ
ても良い。
この場合に、(3)式から分かるように直列回路SCの
抵抗R6、R7、R8、とリード抵抗Rl3、Rl4はこれ等の比率
のみに関係するのでこれ等のバラッキの影響を受け難
く、従って第2項のバラツキ、つまりトランジスタQ7
製造のバラツキに主として支配される。トランジスタQ7
はその両端の電圧0.6Vに対してほぼ±0.01V程度のバラ
ツキであり、VS′が2.5V程度であるので、(0.01/0.6)
/2.5=0.6(%)程度のバラツキである。
一方、剪断形ゲージSGのバラツキは±1%程度である
ので実質的にバラツキを調整する必要がない。
第2図は第1図に示す圧力検出装置10を駆動する場合
の使用状態を示すブロック図である。
圧力検出装置10は外付抵抗r3、r4を介して電源+VC
−VCに接続するのみで動作をさせることができる。この
場合、電源+VC、−VCは精密な定電圧源である必要はな
い。
<発明の効果> 以上、実施例と共に具体的に説明したように本発明
は、電源端間に接続された基準電圧発生手段によりコレ
クタ電流比が一定になるように制御すると共に2個のト
ランジスタのベース/エミッタ間電圧の差として基準電
圧を発生させ、これを歪ゲージの温度による圧力信号の
変化を補償するように定数が実質的に選定された直列回
路の抵抗に印加し、これに流れる電流をベースとして歪
ゲージの電源端の電圧を制御するようにしたので、電源
電圧が変化しても圧力信号に変化を来たさないように制
御されると共に周囲温度の変化の影響をも受けないよう
にすることができる。さらに、温度補償のための回路を
バラツキなく形成することができ、温度補償のための調
整を実質的に無調整とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の1実施例の構成を示す回路図、第2図
は第1図に示す回路を動作させるための使用例を示す構
成図、第3図は従来の圧力検出装置の構成の概要を示す
構成図である。 10……圧力検出装置、BR……ブリッジ、ES……定電圧、
SC……直列回路、SG……剪断形ゲージ、V01、V02……圧
力信号、r3、r4……外付抵抗、Rl1〜Rl4……リード抵
抗、VS……駆動電圧、+V、−V……電源。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動電源が実質的に電源端に印加され測定
    圧力に対応して出力端から圧力信号を出力する歪ゲージ
    と、この電源端間に接続されコレクタ電流比が一定にな
    るように制御されかつエミッタが共通に接続された2個
    のトランジスタのベース/エミッタ間電圧の差として基
    準電圧を発生させる基準電圧発生手段と、前記電源端間
    に接続され負の温度係数を持つ素子と前記基準電圧が印
    加された抵抗とが直列に接続された直列回路とを具備
    し、前記歪ゲージの温度による圧力信号の変化を補償す
    るように前記直列回路の定数を実質的に選定したことを
    特徴とする圧力検出装置。
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