JP2638772B2 - 音波吸収体 - Google Patents

音波吸収体

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JP2638772B2
JP2638772B2 JP60181232A JP18123285A JP2638772B2 JP 2638772 B2 JP2638772 B2 JP 2638772B2 JP 60181232 A JP60181232 A JP 60181232A JP 18123285 A JP18123285 A JP 18123285A JP 2638772 B2 JP2638772 B2 JP 2638772B2
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志郎 武田
文博 並木
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Description

【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂などによって形成さ
れた母材に常温で弾性を有する所定の厚さの被膜を形成
した無機粉末を分散することにより、超音波の高い減衰
特性が得られるようにしたものである。
〔産業上の利用分野〕
本発明は超音波が発生する装置などから外部に超音波
が放射されないように覆う構造体として、または、トラ
ンスデューサ素子の音波放射側の反対側に固着されるバ
ッキング層として用いられる音波吸収体に係り、特に、
所定の厚さの弾性材による被膜が形成された無機粉末を
母材に分散するようにした音波吸収体に関する。
例えば、超音波診断装置などに用いられる超音波探触
子は、一般的にトランスデューサ素子の音波放射側には
被検体の媒体との整合をとるための音響整合層が形成さ
れ、その反対側には不要な音波を吸収するための音波吸
収体によるバッキング層が形成されている。
このようなバッキング層に用いられる音波吸収体とし
ては超音波の良好な応答特性を得るには、音波の減衰率
αを大にし、音響インピーダンスZをトランスデューサ
素子に合わせるようにすることが重要である。このよう
な音響インピーダンスZを合わせることはタングステン
粉末のような真比重の大きな粉末を樹脂などの母材に分
散させることで行うことができる。
しかし、このような構成では音響インピーダンスZを
合わせることは、容易であるが、音波の減衰率αを大に
することは困難である。そこで、音波の減衰率αを大き
くすることはバッキング層の厚さを厚くすること、また
は、母材を軟質化することで、大きくすることが行われ
ているが、バッキング層を厚くすることは超音波探触子
の外形を大きくし、また、母材を軟質化することは加工
精度が悪くなり、いづれの場合でも好ましくない。
したがって、厚さを厚くしたり、母材を軟質化したり
することなく音波の減衰率αを大にすることが望まれて
いる。
更に、一般的に、音波吸収体は軟質であったり、空気
孔が形成されたりしており、機械的強度の圧縮強さ、曲
げ強さなどが小さくなるため、特に、構造体として用い
られる場合は、これらの機械的強度の向上が要求されて
いる。
〔従来の技術〕
従来は第4図の従来の断面図に示すように構成されて
いた。
音波の放射側1Aに整合層11が設けられたトランスデュ
ーサ素子12にはバッキング層10が接着などによって固着
され、バッキング層10により不要な音波が吸収されるよ
うに構成されている。
このようなバッキング層10は音波の減衰が大きくなる
よう、比較的軟質なエポキシ樹脂などの母材2にタング
ステン粉末などの無機粉末2を分散することで形成され
ている。
したがって、矢印A1のように無機粉末2の粒子に当接
された音波は反射により次の粒子に矢印A2のように当接
し、更に、矢印A3のように反射され、次々の反射が繰り
返されて減衰されるように配慮されていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このような構成では、音波の減衰率αを大きくするこ
とは母材2を軟質化することにより得られる。しかし、
このようなトランスデューサ素子1はアレー型として用
いる場合はダイシングなどによって点線に示すように分
割する場合があり、この場合は母材2を軟質化すると分
割時に変形が生じ加工精度が悪くなる。
そこで、ある程度の軟質化を行い、バッキング層10の
厚さHを大きくすることにより、音波の減衰率αを大き
くすることが行われていた。
したがって、よりトランスデューサ素子1の超音波の
反射特性の向上を図るためにはバッキング層10の厚さH
を大きくすることとなり、超音波探触子の外形が大きく
なる問題を有していた。
〔問題点を解決するための手段〕
第1図は本発明の原理断面図である。
第1図に示すように、無機粉末(3)を真比重が2以
上で、かつ、粒径(D)が0.3μm〜100μmに形成する
と共に該無機粉末(3)の外周には該粒径(D)の0.01
〜0.3倍の厚さ(t)の常温で弾性を有する有機ポリマ
ーによる被膜(4)が形成されるようにしたものであ
る。
このように構成することによって前述の問題点は解決
される。
〔作 用〕
即ち、無機粉末の外周に所定の厚さの被膜を形成する
ことにより、超音波による振動の伝達が被膜と無機粉体
との慣性力の差により異なり、振動のエネルギーの一部
が摩擦熱に変換され、母材の材質に影響されることなく
大きな超音波の減衰率αが得られる。
したがって、母材を軟質化することなく、しかも、バ
ッキング層の厚さHを薄くすることが可能になり、小型
化され、かつ、超音波の反射特性の良い超音波探触子を
形成することができる。
〔実施例〕
以下本発明を第2図および第3図を参考に詳細に説明
する。第2図は本発明による一実施例の断面図,第3図
は超音波の減衰率のグラフである。全図を通じ、同一符
号は同一対象物を示す。
第2図に示すように、バッキング層10として母材2に
弾性材の膜厚tの被膜4を形成した粒径Dの無機粉末3
を分散させた音波吸収体を用いるようにしたもので、そ
の他は前述と同じ構成である。
例えば、硬い母材2の中に比重の大きな無機粉末3の
粒子が分散されている時、その母材2を一つのブロック
として振動を与えると慣性力の違いによって粒子の振動
と母材2の振動に差が生じるが、母材2の硬さによって
大きな振動の差は生じない。
しかし、母材2が軟質であれば大きな差が生じ、結果
として、大きな摩擦熱が生じ、振動のエネルギーは大幅
に減少する。この効果は粒子から離れた箇所にまで及ぶ
ことはなく、粒子の極近傍の箇所で生じる。
したがって、粒子を更に所定の弾性材の被膜によって
覆うことにより、その振動のエネルギーを母材2と被膜
4との界面および被膜4と粒子との界面のそれぞれ2つ
の箇所によって摩擦熱を発生させるようにし、音波の減
衰率αを高めるように形成することができる。
このように構成することにより、矢印A1の音波は従来
の反射よりも弱められた反射A11,A12と次々行われ、減
衰率αが高くなりバッキング層10の厚さはH1と薄くする
ことができる。
また、母材2は硬質の材質によって形成しても音波の
減衰率αに余り影響することがなくなるため、硬質にす
ることができる利点がある。
この場合の無機粉末3は母材2の比重よりも大きな材
質であれば良いが、比重2以上の材質でなければ余り効
果が得られない、最も効果が得られるのは3以上の比重
の場合である。
また、無機粉末3としては金属粉末,金属酸化物,金
属チッ化物,硫化物などの全てが適用可能である。
更に、無機粉末3の粒径Dは分散を均一に行えるよう
0.3μm〜100μmが適しており、100μmを越える場合
は好ましくない。
被膜4の材質としては、常温で弾性力が有る有機ポリ
マーが良く、ガラス転移温度ができるだけ低いことが好
ましく、例えば、シリコーンゴム,ウレタンゴム,天然
ゴム,ブチルゴム,スチレンゴムなどで、また、これら
の一部をフッ素,臭素,塩素などのハロゲンで置換した
ものであっても良い。
この場合の膜厚tは粒径Dの0.01倍以上、または0.05
倍以上である。膜厚tは薄い場合は効果がなく、厚くな
る程効果は期待されるが、膜厚tを厚くすると被膜形成
時に粒子間の結合が起き、凝縮するため、母材2に均一
に分散することが困難となりる。また、薄い被膜を繰り
返して形成して厚くすることも考えられるが、粒径の0.
3倍程度が限界であり、厚くし過ぎると被膜形成後の全
体の比重が小さくなり、被膜の形成する作業の困難な割
合に対して効果が得られない。
したがって、膜厚tとしては粒径Dの0.01倍〜0.3倍
の範囲であることが望ましい。
このような被膜4を形成した無機粉末3は実際には以
下のようにして製造することができる。
平均粒径40μmのタングステン粉末116gを容量200ml
のナス形フラスコに入れ、次にトレエン10gに溶かした
付加反応型ポリジメチルシロキサン2gの混合溶液を加え
る。
ロータリエバポレータでトルエンを蒸発させたあと、
ナス形フラスコから粉末を取り出し、ステンレス製バッ
トの上に移し、そのままの状態で恒温槽に入れ150℃で
1時間加熱を行う。
このようにして製造した粉末を光学顕微鏡で見ると均
一ではないが、タングステン粉末表面には平均約2μm
の厚さのポリジメチルシロキサン層の被膜を形成するこ
とができた。
このようにして製造した被膜を有する粉末をエポキシ
樹脂に混合して、混練後圧縮成形によって40×40×2mm
の薄板を作り、その音響特性を測定すると第3図の超音
波の減衰率のグラフに示すようになる。
グラフに於ける○印はシリコーンゴムを被覆した酸化
鉄粉末を体積比で14%混合した場合で、×印はシリコー
ンゴムを被覆したタングステン粉末を体積比で40%混合
した場合で、粒径Dはいづれの場合でも10μmを使用し
たものである。
このグラフより明らかなように、膜厚tが大となるに
従って減衰率αは増加するが酸化鉄粉末の場合は粒径D
の0.2倍、タングステン粉末の場合は粒径Dの0.3倍が限
度でそれ以上膜厚tを厚くすることは困難となり、ま
た、減衰率αの増加は点線で示すようになると想定さ
れ、余り期待できない。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、母材の硬度に
影響することなく、音波の減衰率αを高くすることがで
きる。
したがって、バッキング層の厚さHを薄くしても、良
好な超音波の反射特性が得られ、超音波探触子の小型化
が図れ、実用的効果は大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理断面図, 第2図は本発明による一実施例の断面図, 第3図は音波の減衰率のグラフを表す図, 第4図は従来の断面図を示す。 図において、 1はトランスデューサ素子, 2は母材, 3は無機粉末, 4は被膜, Dは粒径, tは膜厚を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】母材(2)に所定量の無機粉末(3)を分
    散させることにより形成され、超音波(A)の伝播を減
    衰させる音波吸収体であって、 前記無機粉末(3)を真比重が2以上で、かつ、粒径
    (D)が0.3μm〜100μmに形成すると共に、 該無機粉末(3)の外周には該粒径(D)の0.01〜0.3
    倍の厚さ(t)の常温で弾性を有する有機ポリマーによ
    る被膜(4)が形成されたことを特徴とする音波吸収
    体。
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