JP2637226B2 - 塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、食品輸送用、粉粒体搬送用ホース等の工業
用可撓性ホース等に好適に用いられる塩化ビニル系樹脂
の製造方法に関する。
〔従来技術および発明が解決しようとする課題〕
従来、可撓性ホースの素材としては合成ゴム、軟質塩
化ビニル等が使用されている。特に、軟質塩化ビニル
は、耐候性、耐水性、機械的特性等の優れた特性に加え
て安価な点で工業用可撓性ホースに広く使用されている
が、周知のように軟質塩化ビニルな可撓性を持たせるた
めに多量の可塑剤を必要とする。このため可塑剤を原因
とする次のような問題点がある。
1)可塑剤の溶出による毒性、および製品の硬化が問題
となる。
2)粉粒体等の流動にともない静電気が発生し、ホース
の帯電が問題となる。
上記1)の問題点にたいしては、従来、ポリ塩化ビニ
ルの内部可塑化による解決が図られてきた。例えば、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体やポリウレタンに塩化ビニ
ルモノマーをグラフト共重合する方法(特開昭60−1330
46号公報、特開昭58−40312号公報)などが提案されて
きた。しかしながら、これらの方法も上記2)の問題点
にたいしては、十分な解決法とはなっていない。又、上
記2)の問題点にたいしては、ホース材料にカーボンブ
ラツクを混合したり、銅線をいれてアースとして放電す
るなどの方法があるが、カーボンブラツクの場合は、中
が見えない、食品輸送には不適当等の問題があり、銅線
アース法も、屈曲時の銅線切断などの点が指摘されてい
る。
一方、ラジカル重合開始能を有するアゾ化合物をウレ
タン結合によって結合して有するポリウレタンの存在下
に塩化ビニルモノマーを重合する方法が知られている
(アンゲバンテ・マクロモレキユラーレ・ヘミー(ange
wandte macromoleculare chemie)1巻92号1967年)。
この方法によれば、ラジカル重合開始能を有するアゾ化
合物をウレタン結合によって結合して有するポリウレタ
ンがラジカル開始剤として働き、しかも得られた重合体
中に上記ラジカル開始剤の分解生成物であるポリウレタ
ンの分子鎖を導入することができる。ポリウレタンの分
子鎖の導入によって、重合体にある程度の可撓性を付与
することができるが、その程度の可撓性では実用性の点
で十分ではなかった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、可塑剤を用いることなく可撓性と帯電
防止性とを併せ有する塩化ビニル系樹脂を得る方法につ
いて鋭意研究を行なってきた。そしてその方法として、
ポリウレタンの分子鎖を比較的多量に塩化ビニル系樹脂
中に導入し得るラジカル重合開始剤の探索を行なってき
た。その結果、特定の構造を有するポリウレタンの存在
下に塩化ビニルを重合することにより、上記の目的が達
成し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、ラジカル重合開能を有するアゾ化合
物をウレア結合によって結合して有するポリウレタンの
存在下に、塩化ビニル又はこれと共重合可能な単量体と
塩化ビニルとの混合物を重合することを特徴とする塩化
ビニル系樹脂の製造方法である。
本発明において用いられるポリウレタンは、ラジカル
重合開始能を有するアゾ化合物をウレア結合によって結
合していることが重要であり、他の結合では、得られる
塩化ビニル系樹脂中へのポリウレタンの分子鎖の導入量
が少なく、所望の物性を有する塩化ビニル系樹脂を得る
ことができない。上記のラジカル重合開始能を有するア
ゾ化合物をウレア係合によつて結合して有するポリウレ
タン(以下、単にウレア結合ポリウレタンともいう。)
は、少くとも一方の分子末端にラジカル重合開始能を有
するアゾ化合物を結合していれば良い。該ウレア結合ポ
リウレタンの分子鎖は、得られる塩化ビニル系樹脂の可
撓性及び帯電防止性を勘案すると、ポリアルキレングリ
コールとジイソシアネート化合物との反応により得られ
たポリアルキレングリコールに基づく分子鎖を有するも
のであることが好ましい。上記のウレア結合ポリウレタ
ンの分子量は、特に制限されるものではないが、得られ
る塩化ビニル系樹脂の可撓性及び帯電防止性を勘案する
と1万〜20万好ましくは、3万〜15万の範囲であること
が好ましい。
上記のウレア結合ポリウレタンは、分子末端に少くと
も1つのイソシアネート基を有するポリウレタンに、ア
ゾ基とNH基とを有するラジカル重合開始能を有するアゾ
化合物とを反応させる(以下、この反応を単にウレア結
合生成反応ともいう。)ことによって得られる。
分子末端に少なくとも一つのイソシアネート基を有す
るポリウレタンは、市販されているものをそのまま使用
しても良いが、必要に応じ合成する事もできる。すなわ
ち、ジイソシアネート化合物をポリオール化合物に対し
過剰当量加えて、一般公知の方法により、ウレタン化反
応をおこなう事により製造される。
このウレタン化反応で好適に用いられるポリオール化
合物としては、塩化ビニル系樹脂の帯電防止能の点か
ら、エチレンオキサイド,プロピレンオキサイド,ブチ
レンオキサイド,テトラヒドロフランなどを一種または
二種以上開環重合させて得られるポリエーテルポリオー
ルが好ましく、さらにエチレンオキサイドおよび/また
はプロピレンオキサイドを開環重合させて得られるポリ
エーテルポリオールが好ましい。また、このポリウレタ
ン化反応に好適に用いられるジイソシアネート化合物と
しては、たとえばヘキサメチレンジイソシアネート、ト
リレンジイソシアネート、ジフエニルメタンジイソシア
ネート、ナフタレンジイソシアネート、ジメチルビフエ
ニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネ
ートなどがあげられる。
上記の分子末端に少くとも1つのイソシアネート基を
有するポリウレタンと反応させるアゾ化合物は、分子中
にラジカル重合開始能を有するアゾ基とNH基とを有する
ものであれば、公知の化合物が何ら制限なく採用され
る。具体的に例示すれば、1−〔(1−シアノ−1−メ
チルエチル)アゾ〕ホルムアミド、2,2′−アゾビス
(2−メチル−N−フエニルプロピオンアミジン)、2,
2′−アゾビス〔N−(4−クロロフエニル)−2−メ
チルプオピオンアミジン〕、2,2′−アゾビス〔N−
(4−ヒドロキシフエニル)−2−メチルプロピオンア
ミジン〕、2,2′−アゾビス〔N−(4−アミノフエニ
ル)−2−メチルプロピオンアミジン〕、2,2′−アゾ
ビス〔2−メチル−N−(フエニルメチル)プロピオン
アミジン〕、2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−2−
プロペニルプロピオンアミジン〕、2,2′−アゾビス
(2−メチルプロピオンアミジン)、2,2′−アゾビス
〔N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピオ
ンアミジン〕、2,2′−アゾビス〔2−(5−メチル−
2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕、2,2′−ア
ゾビス〔2−(イミダゾリン−2−イル)プロパン〕、
2,2′−アゾビス〔2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−
1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン〕、2,2′−アゾ
ビス〔2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−
イル)プロパン〕、2,2′−アゾビス〔2−(5−ヒド
ロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イ
ル)プロパン〕、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−
〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエ
チル〕プロピオンアミド}、2,2′−アゾビス{2−メ
チル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル〕
プロピオンアミド}、2,2′−アゾビス〔2−メチル−
N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、2,
2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)及び4,
4′−アゾビス(4−シアノバレロイルクロライド)と
ヘキサメチレンジアミンのような一分子内にアミノ基を
二つ有する化合物との反応によって生成する化合物等が
挙げられる。このなかでも、安定性やイソシアネート基
との反応性および入手の容易さ等の点で、下記構造式
(1)で示されるアゾ化合物、即ち2,2′−アゾビス
〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕が、
最も好適に使用される。
前記のアゾ化合物と分子末端に少なくとも一つのイソ
シアネート基を有するポリウレタンとの反応時の仕込み
比は、ポリウレタン中のイソシアネート基に対し、アゾ
化合物中のN−H基を0.5〜2倍当量、好ましくは0.8〜
1.8倍当量の範囲が適当である。この範囲より小さい場
合、未反応のポリウレタンが残存してくる。一方、大き
い場合は、未反応のアゾ化合物が残存してしまう。いず
れの未反応物も反応物との分離が難しく、これら未反応
物の残存は、本発明の製造方法によって得られた塩化ビ
ニル系樹脂の物性に悪い影響を及ぼす場合が多いため、
残存しないようにする事が好ましい。
ウレア結合生成反応には、特に触媒を必要としない
が、低温あるいは反応をより短時間に行わせようとする
場合は触媒を添加する。ここで用いられる触媒として
は、アミン系触媒たとえばトリエチルアミン、トリエチ
レンジアミン、N,N′−ジメチルピペラジン、N−エチ
ルモルホリン;金属触媒たとえばジブチルチンジラウレ
ート、スタナスオクトエート、ジメチル二塩化スズ、ト
リメチルスズヒドロキシド、トリブチルスズアセテー
ト、ジブチルスズジアセテートジブチルスズスルフイド
などのスズ系触媒、鉄アセチルアセトナート、鉄ベンゾ
エートなどの鉄系触媒、ニツケルアセチルアセトナー
ト、ニツケルオクトエート、ニツケルパルミテートなど
のニツケル系触媒、マンガンアセチルアセトナート、マ
ンガン−2−エチルヘキソエートなどのマンガン系触
媒、鉛−2−エチルヘキサノエート、オレイン酸鉛など
鉛系触媒他、従来公知の触媒がいずれも用いられる。以
上の触媒の中で、特に好ましいのはアミン系触媒とスズ
系触媒である。これらの触媒の使用量は分子末端に少な
くとも一つのイソシアネート基を有するポリウレタンの
総量100重量部に対し0.001〜5.0重量部が適当であっ
て、特に0.01〜3.0重量部が好適である。
ウレア結合生成反応は、加熱および強い光の照射を伴
う条件以外の条件であれば、一般公知の反応が適用でき
る。一例をあげて説明すれば、以下の通りである。即
ち、有機溶剤にポリウレタンを溶解し、次に、アゾ化合
物、触媒を加えて、かくはんする。反応温度は、40℃以
下である事が必要であり、好ましくは、20〜−40℃の範
囲である。反応時間は、数時間〜数日の範囲で自由に選
択する事が可能であり、一般的に、反応温度が低いほど
反応時間は長時間を必要とする。また、アゾ化合物に対
し良好な溶解力を有する溶媒ほど反応は速くなる傾向に
ある。
好適に使用される有機溶媒としては、塩化メチレン、
塩化メチル、クロロホルム、塩化ビニル、四塩化炭素、
ジクロロエタン、エチレンクロライドなどの塩素系溶
剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、
スチレン等の芳香族系溶剤;プロパン、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等
の脂肪族系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム、トリグラ
イム、プロピレンオキサイドなどのエーテル系溶剤;ピ
リジン、ジメチルホルムアミドなどの含窒素系溶剤;シ
クロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;メタノール、
エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアル
コール系溶剤等であり、これらの溶剤のなかでも塩素系
溶剤が、アゾ化合物の溶解性および反応に対する不活性
のため、特に好適である。
ここで使用する有機溶剤の量は、溶解させるポリウレ
タンの分子量や化学構造により種々異なるが、一般に、
ポリウレタンに対し0〜20倍重量、より好ましくは、0
〜5倍重量が用いられる。
ウレア結合生成反応の進行は、ゲルパーミエーシヨン
クロマトグラフイーにより反応液を逐次、分析し、分子
量の増加、アゾ化合物のシフト状況を確認することによ
り、追跡することができる。又は、粘度計による反応液
の粘度上昇の測定によっても追跡が可能である。
反応終了後、反応液から溶媒を除去することにより、
ウレア結合ポリウレタンが得られる。溶媒の除去方法と
しては、減圧下で溶媒を気化溜去する方法、沈澱精製す
る方法などが好適である。
上記の方法で得られたウレア結合ポリウレタンは、赤
外吸収スペクトルによる1660cm-1のウレア結合 に基づく吸収、1730cm-1のウレタン結合に基づく吸収、
及び、1100cm-1のポリオール化合物に基づく吸収、アゾ
基の存在は、分光法的に確認する事は濃度と吸光係数の
点で難しく、塩化ビニルの重合開始能によってその存在
が確認される。
本発明においては、上記で得られたウレア結合ポリウ
レタンの存在下に塩化ビニル又はこれと共重合可能な単
量体と塩化ビニルとの混合物の重合が行なわれる。
塩化ビニルと共重合可能な単量体としては、例えば、
エチレン、プロピレン等のオレフイン類、酢酸ビニル、
ステアリン酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸
メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等の
アクリル酸エステル類、マレイン酸、フマル酸などの酸
のエステル類および無水物、アクリロニトリルなどのニ
トリル化合物、あるいは塩化ビニリデンのごときビニリ
デン化合物等が挙げられる。
ウレア結合ポリウレタンの使用量は、得られる塩化ビ
ニル系樹脂の性状に応じて決定すれば良いが、良好な可
撓性及び帯電防止性を示す塩化ビニル系樹脂を得るため
には、塩化ビニル又はこれと共重合可能な単量体と塩化
ビニルとの混合物100重量部に対し、上記のウレア結合
ポリウレタンを30〜200重量部、さらに50〜100重量部の
範囲で用いることが好ましい。
本発明の製造方法に於ける重合方法は、塩化ビニルの
重合方法として一般に知られている方法、例えばバルク
重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、沈澱重合および
気相重合のいかなる方法を採用してもよいが、工業的に
は、懸濁重合および乳化重合が好適である。懸濁重合の
場合に使用される懸濁剤は、公知の懸濁剤であればよ
い。例えば、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、メチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、ゼラ
チン等が挙げられる。これらの使用量は、水媒体に対
し、0.01〜2重量%程度であることが好ましい。
本発明において使用される連鎖移動剤は、トリクロル
エチレン、メルカフトエタノール、塩化メチレン、アリ
ルマロン酸ジエチル、トルエン、メタノール、ベンゼン
等の公知のものが使用できる。これらの使用量は、塩化
ビニルまたは塩化ビニルと共重合可能な単量体との単量
体混合物に対し0.1〜50重量5%程度であることが好ま
しい。
重合温度は、30〜70℃、好ましくは40〜60℃が良い。
30℃未満では、重合速度が遅くなり、工業的に有利でな
い。また、70℃を越えると得られる重合体の耐熱性等が
悪くなりがちで好ましくない。
重合後、遠心分離を行い、次に乾燥する事によって塩
化ビニル系樹脂を取得することができる。
〔効 果〕
本発明の方法によれば、塩化ビニル系樹脂中に比較的
多量のポリウレタンの分子鎖を容易に共重合によって導
入することができる。塩化ビニル系樹脂中に導入された
ポリウレタンの分子鎖は、塩化ビニル系樹脂に可撓性と
帯電防止性を付与する。従って、本発明の方法によって
得られた塩化ビニル系樹脂は、一般に使用されているジ
オクチルフタレート等の可塑剤を含むことなく良好な柔
軟性を有している。また、本発明の方法によって得られ
た塩化ビニル系樹脂は、固有電気抵抗値が従来の材料に
比べて極めて小さい。しかも、上記の性質は帯電防止剤
の練り込みや表面塗布と異なり、使用に伴い経時的に低
下するということはない。以上のような優れた性質を有
する塩化ビニル系樹脂は、工業用可撓性ホースの材料と
して好適なものである。
〔実施例〕
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 1. 末端イソシアネートポリウレタンの合成 還流冷却器付きの2のフラスコ中に、両末端に水酸
基を有するポリエチレングリコールプロピレングリコー
ル(旭電化工業(株)製 アデカカーポールPH−2000、
EO/PO=50/50、末端基滴法による数平均分子量13600)2
00g(29.4m当量)、ベンゼン1.2を入れ、かくはんし
均一溶液とした。次に、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト3.3g(39.3m当量)とジラウリン酸ジ−n−ブチルス
ズ0.05gを加え、磁気かくはんしながら加熱し溶媒の還
流を行った。1時間の反応後、かくはん及び加熱を止
め、次にベンゼンを減圧除去した。得られた生成物は、
無色透明な粘ちよう液体約203gであった。生成物の確認
は以下の方法で行った。
(1)ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフイー(GPC
法)による、分子量確認検知部として、示差屈折計(R
I)を用い、テトラヒドロフランを展開溶媒として測定
した結果、ポリスチレン換算で数平均分子量32000であ
った。また、原料のヘキサメチレジイソシアネートおよ
びポリエチレングリコールプロピレングリコールの残存
は、ほとんど確認されなかった。
(2)赤外吸収スペクトル(IR)法による、分子構造の
確認 1720cm-1にウレタン中のC=O伸縮振動に基づく吸収を
確認 1100cm-1にポリエーテル中のC−O−C伸縮振動に基づ
く吸収を確認 2250cm-1にイソシアネート基のN=C=O伸縮振動に基
づく吸収を確認 2. 末端イソシアネートポリウレタンとアゾ化合物との
反応 1.で合成した生成物に、塩化メチレン1.2を加えて
かくはんし均一溶液とした。これに、前記一般式(1)
で示されるアゾ化合物(和光純薬工業製 VA−061)2.0
g(16.1m当量、理論残存イソシアネート基に対し、1.6
倍当量)およびジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.05g
を加え、氷浴温度で48時間磁気かくはんを行った。反応
進行に伴い、反応液が白濁状態から透明溶液へと変化し
た。反応後、塩化メチレンを減圧除去した。生成物は無
色透明な粘ちよう液体であった。収量は、約205gであっ
た。生成物の確認は以下の方法で行った。
(1)IRによる分子構造の確認 1730cm-1にウレタン中のC=O伸縮振動に基づく吸収を
確認 1660cm-1にウレア中のC=O伸縮振動に基づく吸収を確
認 1100cm-1にポリエーテル中のC−O−C伸縮振動に基づ
く吸収を確認 2250cm-1のイソシアネート基のN=C=O伸縮振動に基
づく吸収消滅を確認 (2)元素分析による組成の確認 炭素 水素 窒素 酸素 理論値(%) 58.78 9.75 0.60 30.87測定値(%) 58.66 9.87 0.58 30.85 (3)GPCによる分子量の確認およびアゾ化合物の結合
確認 日本分光製800シリーズ高速液体クロマトグラフ装置
を用い、カラムとして昭和電工製Sbodex GPC A−804と
A−802を用い、検知部として、RI日本分光製 830−R
I)および紫外光(250nm)検知機(日本分光製 875−U
V)(UV250)を用い、テトラヒドロフランを展開溶媒と
して測定した。RI結果より、ポリスチレン換算の数平均
分子量52000UV250結果より、イミダゾリン環に由来する
吸収が、RIの吸収と重なる事を確認。1.で合成した末端
イソシアネート化合物は、250nmの紫外光を吸収しない
事より、アゾ化合物と1.で合成した末端イソシアネート
化合物とは結合している。
又、原料のアゾ化合物および1.で合成した末端イソシ
アネート化合物に基づく吸収は、ほとんど確認されなか
った。
(4)紫外吸収スペクトル(UV)による、イミダゾリン
環の確認 メタノール溶媒でのUV測定より、イミダゾリン環に由
来する吸収が250nmに、確認された。
以上の分析結果より、ラジカル重合開始能を有するア
ゾ化合物をウレア結合により結合したポリウレタンを確
認した。
3. 塩化ビニルの重合 容量2のステンレス製オートクレーブ中に、2.で合
成したウレア結合ポリウレタン25g、蒸溜水600ml、分散
剤(部分ケン化ポリ酢酸ビニル、日本合成化学工業製KH
−20、4.2%水溶液)3mlおよびアリルマロン酸ジエチル
8gを入れ、つぎに塩化ビニルモノマー37.5ml(34.1g)
を仕込んだ。これを、かくはんしながら加温し、60℃で
9時間、重合をおこなった。得られた白色懸濁状物は、
遠心ろ過し乾燥させた。生成物収量は、37.8gであっ
た。燃焼フラスコ法により、生成物中の塩素の含有率を
測定した結果、27.72%であり、生成物の組成は、ポリ
塩化ビニル部分48.86%、ポリウレタン部分51.14%であ
った。
得られた重合体100重量部に対して、ブチルスズマレ
ート系安定剤(日東化成製TVS−N−2000E)4重量部を
配合し、これを110℃の熱ロールで5分間混練し、次
に、135℃の熱プレスで5分間プレスする事により、厚
さ約1mmの透明性の良いシートを作製した。このシート
を使用して、下記の物性評価を実施した。
(1)引張試験 JIS K−6723に準拠して、23℃における引張強さおよ
び伸び、100%モジユラスを測定した。
(2)表面硬度 JIS K−6301に準拠して、23℃の状態でJIS(A)硬度
計を用いて測定した。
(3)表面固有抵抗値および体積固有抵抗値 JIS C−2318に準拠して、23℃、50%RHの状態で12時
間以上放置後、横河ヒユーレツト・パツカード(株)性
4329A ハイレジスタンスメーターを用いて測定した。
(4)可塑剤の移行性 シートをポリスチレン板にはさみ、70℃で0.5kg/cm2
の加重をかけて24時間放置後、ポリスチレンへの移行物
の有無を観察した。移行の痕跡のないものを合格とし
た。
以上の(1)〜(5)で得られた結果は、表−1に示
した。
実施例2 1. 末端イソシアネートポリウレタンの合成 還流冷却器付きの2のフラスコ中に、両末端に水酸
基を有するポリプロピレングリコール(蒸気圧オスモメ
ーターによる数平均分子量2600)200g(153.8m当量)、
ベンゼン1.2を入れ、かくはんし均一溶液とした。次
に、ヘキサメチレンジイソシアネート12.0g(142.9m当
量)とジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.05gを加え、
磁気かくはんしながら加熱し溶媒の還流を行った。6時
間の反応後、さらにヘキサメチレンジイソシアネート2.
2g(26.2m当量)を加え反応を続けた。1時間後、加熱
を止め、ベンゼンを減圧除去した。得られた生成物は、
無色透明な粘ちよう液体約215gであった。生成物の確認
は以下の方法で行った。
(1)ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフイー(GP
C)法による、分子量確認 検知部として、示差屈折計(RI)を用い、テトラヒド
ロフランを展開溶媒として測定した結果、ポリスチレン
換算で数平均分子量31800であった。また、原料のヘキ
サメチレジイソシアネートおよびポリプロピレングリコ
ールの残存は、ほとんど確認されなかった。
(2)赤外吸収スペクトル(IR)法による、分子構造の
確認 1730cm-1にウレタン中のC=O伸縮振動に基づく吸収を
確認 1100cm-1にエーテル中のC−O−C伸縮振動に基づく吸
収を確認 2250cm-1にイソシアネート基のN=C=O伸縮振動に基
づく吸収を確認 2. 末端イソシアネートポリウレタンとアゾ化合物との
反応 1.で合成した生成物に、塩化メチレン1.2を加えて
かくはんし均一溶液とした。これに、前記一般式(1)
で示されるアゾ化合物(和光純薬工業製 VA−061)2.0
g(16.0m当量、理論残存イソシアネート基に対し、1.05
倍当量)およびジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.05g
を加え、氷浴温度で48時間磁気かくはんを行った。反応
進行に伴い、反応液が白濁状態から透明溶液へと変化し
た。反応後、塩化メチレンを減圧除去した。生成物は無
色透明な粘ちよう液体であった。収量は、約217gであっ
た。生成物の確認は以下の方法で行った。
(1)IRによる分子構造の確認 1730cm-1にウレタン中のC=O伸縮振動に基づく吸収を
確認 1660cm-1にウレア中のC=O伸縮振動に基づく吸収を確
認 1100cm-1にポリエーテル中のC−O−C伸縮振動に基づ
く吸収を確認 2250cm-1のイソシアネート基のN=C=O伸縮振動に基
づく吸収消滅を確認 (2)元素分析による組成の確認 炭素 水素 窒素 酸素 理論値(%) 60.20 10.12 1.43 27.14測定値(%) 60.95 10.77 1.21 27.07 (3)GPCによる分子量の確認およびアゾ化合物の結合
確認 検知部として、RIおよび紫外光(250nm)検知機(UV2
50)を用い、テトラヒドロフランを展開溶媒として測定
した。
RI結果より、ポリスチレン換算での数平均分子量3460
0 UV250結果より、イミダゾリン環に由来する吸収が、R
Iの吸収と重なる事を確認。1.で合成した末端イソシア
ネート化合物は、250nmの紫外光を吸収しない事より、
アゾ化合物と1.で合成した末端イソシアネート化合物と
は結合している。
又、原料のアゾ化合物に基づく吸収は、ほとんど確認
されなかった。
(4)紫外吸収スペクトル(UV)による、イミダゾリン
環の確認 メタノール溶媒でのUV測定より、イミダゾリン環に由
来する吸収が250nmに、確認された。
以上の分析結果より、ラジカル重合開始能を有するア
ゾ化合物をウレア結合により結合したポリウレタンを確
認した。
3. 塩化ビニルの重合 容量2のステンレス製オートクレーブ中に、2.で合
成したウレア結合ポリウレタン25g、蒸溜水600ml、分散
剤(部分ケン化ポリ酢酸ビニル、日本合成化学工業製KH
−20、4.2%水溶液)3mlおよびトルエン8gを入れ、つぎ
に塩化ビニルモノマー37.5ml(34.1g)を仕込んだ。こ
れを、かくはんしながら加温し、60℃で10時間、重合を
おこなった。得られた白色懸濁状物は、遠心ろ過し乾燥
させた。生成物収量は、42.3gであった。燃焼フラスコ
法により、生成物中の塩素の含有率を測定した結果、2
9.59%であり、生成物の組成は、ポリ塩化ビニル部分5
2.16%、ポリウレタン部分47.84%であった。
得られた重合体から実施例1と同様にして透明性の良
いシートを作製した。また、実施例1と同様にして物性
評価を行った。結果は、表−1に示した。
実施例3 1. 末端イソシアネートポリウレタンの合成 還流冷却器付きの2のフラスコ中に、両末端に水酸
基を有するポリエチレングリコール(末端基滴定法によ
る数平均分子量3450)200g(115.9m当量)、ベンゼン1.
2を入れ、かくはんし均一溶液とする。次に、ヘキサ
メチレンジイソシアネート8.77g(104.4m当量)とジラ
ウリン酸−ジ−n−ブチルスズ0.05gを加え、磁気かく
はんしながら加熱し溶媒の還流を行った。6時間の反応
後、さらにヘキサメチレンジイソシアネート1.85g(22.
0m当量)を加え反応を続けた。1時間後、加熱を止め、
ベンゼンを減圧除去した。得られた生成物は、無色透明
な粘ちよう液体約211gであった。生成物の確認は以下の
方法で行った。
(1)ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフイー(GP
C)法による、分子量確認検知部として、示差屈折計(R
I)を用い、テトラヒドロフランを展開溶媒として測定
した結果、ポリスチレン換算で数平均分子量33000であ
った。また、原料のヘキサメチレンジイソシアネートお
よびポリプロピレングリコールの残存は、ほとんど確認
されなかった。
(2)赤外吸収スペクトル(IR)法による、分子構造の
確認 1730cm-1にウレタン中のC=O伸縮振動に基づく吸収を
確認 1100cm-1にエーテル中のC−O−C伸縮振動に基づく吸
収を確認 2250cm-1にイソシアネート基のN=C=O伸縮振動に基
づく吸収を確認 2. 末端イソシアネートポリウレタンとアゾ化合物との
反応 1.で合成した生成物に、塩化メチレン1.2を加えて
かくはんし均一溶液とした。これに、前記一般式(1)
で示されるアゾ化合物(和光純薬工業製 VA−061)1.9
7g(15.8m当量、理論残存イソシアネート基に対し、1.5
0倍当量)およびジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.05g
を加え、氷浴温度で48時間磁気かくはんを行った。反応
進行に伴い、反応液が白濁状態から透明溶液へと変化し
た。反応後、塩化メチレンを減圧除去した。生成物は無
色透明な粘ちよう液体であった。収量は、約213gであっ
た。生成物の確認は以下の方法で行った。
(1)IRによる分子構造の確認 1730cm-1にウレタン中のC=O伸縮振動に基づく吸収を
確認 1660cm-1にウレア中のC=O伸縮振動に基づく吸収を確
認 1100cm-1にポリエーテル中のC−O−C伸縮振動に基づ
く吸収を確認 2250cm-1のイソシアネート基のN=C=O伸縮振動に基
づく吸収消滅を確認 (2)元素分析による組成の確認 炭素 水素 窒素 酸素 理論値(%) 54.44 9.00 1.14 35.42測定値(%) 54.01 9.86 1.03 35.10 (3)GPCによる分子量の確認およびアゾ化合物の結合
確認 検知部として、RIおよび紫外光(250nm)検知機(UV2
50)を用い、テトラヒドロフランを展開溶媒として測定
した。
RI結果より、ポリスチレン換算での数平均分子量3920
0 UV250結果より、イミダゾリン環に由来する吸収が、R
Iの吸収と重なる事を確認。1.で合成した末端イソシア
ネート化合物は、250nmの紫外光を吸収しない事より、
アゾ化合物と1.で合成した末端イソシアネート化合物と
は結合している。
又、原料のアゾ化合物に基づく吸収は、ほとんど確認
されなかった。
(4)紫外吸収スペクトル(UV)による、イミダゾリン
環の確認 メタノール溶媒でのUV測定より、イミダリン環に由来
する吸収が250nmに、確認された。
以上の分析結果より、ラジカル重合開始能を有するア
ゾ化合物をウレア結合により結合したポリウレタンを確
認した。
3. 塩化ビニルの重合 容量2のステンレス製オートクレーブ中に、2.で合
成したウレア結合ポリウレタン25g、蒸溜水600ml、分散
剤(部分ケン化ポリ酢酸ビニル、日本合成化学工業製HK
−20、4.2%水溶液)3mlおよびアリルマロン酸ジエチル
6gを入れ、つぎに塩化ビニルモノマー37.5ml(34.1g)
を仕込んだ。これを、かくはんしながら加温し、60℃で
10時間、重合をおこなった。得られた白色懸濁状物は、
遠心ろ過し乾燥させた。生成物収量は、33.9gであっ
た。燃焼フラスコ法により、生成物中の塩素の含有率を
測定した結果、32.61%であり、生成物の組成は、ポリ
塩化ビニル部分57.49%、ポリウレタン部分42.51%であ
った。
得られた重合体から実施例1と同様にして透明性の良
いシートを作製した。また、実施例1と同様にして物性
評価を行った。結果は、表−1に示した。
比較例1 ポリ塩化ビニル(重合度1030)100重量部に対して、
ジオクチルフタレート100重量部、安定剤としてBa−Zn
系安定剤(アデカアーガス(株)AC−158)2重量部お
よびエポキシ化大豆油(日本ライヒホールド(株)W−
100S)3重量部を配合し、これを160℃の熱ロールで5
分間混練し、次に、180℃の熱プレスで6分間プレスす
る事により、厚さ約1mmの透明なシートを作製した。こ
のシートを使用して、実施例1と同様にして、表面固有
抵抗値、体積固有抵抗値、可塑剤の移行性の評価を行っ
た。得られた結果は、表−1に示した。
比較例2 容量2のステンレス製オートクレーブ中に、塩化ビ
ニルモノマー可溶型の熱可塑性ウレタンエラストマー
(大日本インキ化学工業(株)パンデツクスT−5265)
40g、蒸溜水200ml、分散剤(実施例1と同様のもの)10
mlおよび重合開始剤として、ジエチルヘキシルパーオキ
シジカーボネート0.08gを入れ、次に、塩化ビニルモノ
マー90ml(81g)を仕込んだ。これをかくはんしながら
加温し、58℃で15時間反応させた。未反応の塩化ビニル
モノマーを除去したのち、生成物は脱水乾燥した。得ら
れた重合体中の組成はポリ塩化ビニル部分52.6%ポリウ
レタン部分47.4%であった。
得られた重合体は、実施例1と同様にして透明性の良
いシートを作製した。また、実施例1と同様にして、表
面固有抵抗値、体積固有抵抗値、可塑剤の移行性の評価
を行った。その結果、可塑剤の移行性は認められなかっ
たが、表面固有抵抗値は2×1013Ω、また体積固有抵抗
値は5×1010Ω−cmであった。
比較例3 市販のエチレン−酢酸ビニル(EVA)−グラフト塩ビ
(EVA含量49.1Wt%)を使用して、実施例1と同様にし
て透明性の良いシートを作製した。また、実施例1と同
様にして、表面固有抵抗値、体積固有抵抗値、可塑剤の
移行性の評価を行った。その結果、可塑剤の移行性は認
められなかったが、表面固有抵抗値は1×1014Ω、また
体積固有抵抗値は2×1011Ω−cmであった。
比較例4 実施例1で合成した末端イソシアネートポリウレタン
203gに、塩化メチレン1.2を加えてかくはんし均一溶
液とした。これに、2,2′−アゾビス(2−シアノプロ
パノール)1.57g(16.0m当量、理論残存イソシアネート
基に対し、1.6倍当量)およびジラウリン酸ジ−n−ブ
チルスズ0.05gを加え、氷浴温度で48時間磁気かくはん
を行った。その後、塩化メチレンを減圧除去した。生成
物を赤外吸収スペクトル法により測定した結果、2250cm
-1にイソシアネート基に基づく吸収の残存が認められ
た。また、テトラヒドロフランを展開溶媒としてGPCに
よる分析を行った結果、原料の2,2′−アゾビス(2−
シアノプロパノール)に基づくピークが観察された。こ
こで得られたウレタン結合により結合したアゾ系ラジカ
ル重合開始剤をもちいて実施例1と同様に塩化ビニルの
重合を行った結果、ポリ塩化ビニル部分82.9%を含む重
合体29.5gを得た。
得られた重合体を使用して、実施例1と同様にしてシ
ートを作製したところ、柔軟性のない、硬いシートとな
った。このシートを使用して実施例1と同様にして表面
硬度の測定を行なった結果、JIS A硬度が95であった。
実施例4〜7 実施例1〜2で製造したウレア結合ポリウレタンを用
いて、表−2に示したごとき仕込み組成で、塩化ビニル
の重合を60℃で10時間行った。生成物中の組成および実
施例1と同様にして物性評価を行った結果を表−2に併
記する。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラジカル重合開始能を有するアゾ化合物を
    ウレア結合によって結合して有するポリウレタンの存在
    下に、塩化ビニル又はこれと共重合可能な単量体と塩化
    ビニルとの混合物を重合することを特徴とする塩化ビニ
    ル系樹脂の製造方法。
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