JP2635645B2 - 油圧自動監視装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は油入電気機器の保守に使用され、特に油入電
気機器の異常にともなう機器タンク内の油の圧力上昇を
自動的に検知することのできる油圧自動監視装置に関す
る。

（従来の技術） 近年、例えば油入変圧器等のごとき油入電気機器の高
電圧化、大容量化が急激に進むとともに、これらの電気
機器の故障による停電などの社会的影響が大きくなって
いる。したがって、これらの輸入電気機器の故障を防ぐ
ための保守がますます重要視されるようになってきた。

一方、これらの油入電器機器が配置されている変電所
などの電気所では、油入電気の故障が引き起こす社会的
影響や電気所用地確保の困難さを考慮し、周辺環境から
遠く人里離れた場所に設けられることが多くなってきて
いる。したがって、これら電気所に設置される電気機器
の保守においては自動化の傾向が強くなり、無人の変電
所などもできている。

このような遠隔地の変電所などでは、油入電気機器の
異常を早期に検出し、大事故に至らないようにするため
の検出装置が配置されている。その一つとして、油入電
気機器の内部事故にともなうタンク内の油圧力の急激な
上昇を検出する衝撃油圧継電器がある。

この衝撃油圧継電器に油の異常な圧力上昇を極めて短
時間に検出する装置であり、異常を伝達する信号をう
け、機器の運転停止を指示するようになっている。その
ため、例えば地震による油面変動による継電器の誤動作
防止の回路が組み込まれている。

（発明が解決しようとする課題） 上記の誤動作防止の回路は、地震計と連動しており、
地震検知から一定時間、衝撃油圧継電器を回路から切り
離し、地震による誤動作の危険がなくなってから再び回
路に接続するような制御システムになっている。

したがって、油圧継電器が回路から切り離されている
一定時間は、内部事故による圧力の異常を検知すること
ができない空白時間となってしまう。

本発明の目的は、油入電気機器のタンク内の油圧異常
を連続して検出でき、しかも地震等による誤動作のない
油圧自動監視装置を提供することである。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本発明においては、 油入電気機器の油圧レベルを連続的に検出して電気信
号に変換する機能をもつ圧力センサを有した油圧検出装
置と、地震の発生を検知して電気信号に変換する機能を
もつ地震計と、油入電気機器の冷却ポンプの運転状況を
示す信号を検出する回路とを備え、これらの信号からマ
イクロコンピュータのごとき演算装置による油圧を算出
し、その油圧値を出力する出力装置を設けるようにした
ことを特徴とする。

（作 用） このように構成されたものにおいては、連続的に検出
される油圧レベルに対して、演算装置が地震発生や冷却
ポンプの運転状況による油圧変動分を除去し、油入電気
機器内部に発生した異常による油の圧力上昇か否かの判
定を行う。

（実施例） 以下本発明の一実施例を図面によって説明する。

第１図は本発明の構成図であって、油入電気機器のタ
ンク１の側面に取りつけた油圧センサを備えた油圧検出
装置２による連続的に油入電気機器の油圧レベルを検出
し、その油圧レベルを電気信号に変換する。一方、冷却
ポンプ制御装置３により冷却ポンプの運転状況を示す信
号を検出し、地震計４により地震の発生を検出し電気信
号に変換する。そしてマイクロコンピュータ５により油
圧検出装置２、冷却ポンプ制御装置３、地震計４からの
信号を演算処理して出力する。

第２図はマイクロコンピュータによる演算処理の方法
を示し、第３図は各検出装置からの信号とこれらの演算
出力を示している。油圧検出装置２から連続的に検出さ
れる油圧レベル（ａ）に対して、冷却ポンプ制御装置３
からの冷却ポンプ運転状況（ｂ）による油圧の変動レベ
ルと地震計４から（ｃ）の油圧の変動レベルを除去する
ことによって、油入電気機器内部の油圧レベル（ｄ）を
算出して出力装置により、結果を出力する。

冷却ポンプが作動すると圧力センサによる油圧検出装
置２の油圧レベルは通常の運転時よりも変動巾が大きく
なる。また地震計４の変動巾が大きくなるときも同様で
ある。このときマイクロコンピュータ５により演算処理
を行ない、冷却ポンプの作動や地震などの外因による油
圧の変動巾を除去した油入電気機器内部の油圧レベルの
変動巾が算出される。この変動巾の大きさを示す値が異
常を示す設定値以上によれば、出力装置に内部の異常を
表示するとともに油入電気機器の運転を停止する。以上
のような制御システムにより、機器内部の異常を連続的
に且つ誤動作なしに検出することができる。

〔発明の効果〕

以上述べてきたように、本発明によれば、油入電気機
器の機器内部の油圧レベルの変動が外部要因に何ら左右
されることなく検出可能となり、連続的に検出できると
ともに誤動作を防止し信頼性を向上した油圧自動監視装
置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す油入電気機器の油圧自
動監視装置の具体的な構成図、第２図はマイクロコンピ
ュータによる処理のブロック図、第３図は油圧検出装置
による油圧レベルの波形図（ａ）と、地震計の波形図
（ｂ）と、冷却ポンプの作動状態図（ｃ）と、マイクロ
コンピュータにより処理した機器内部の油圧レベルの波
形図（ｄ）である。 １……タンク ２……油圧検出装置 ３……冷却ポンプ制御装置 ４……地震計 ５……マイクロコンピュータ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】油入電気機器の油圧レベルを連続的に検出
   して電気信号に変換する油圧検出装置と、地震の発生に
   よる油圧の変動レベルを検知して電気信号に変換する地
   震計と、冷却ポンプの運転状況による油圧の変動レベル
   を示す信号を検出する冷却ポンプ制御回路と、これらの
   信号により前記連続的に検出した油圧レベルより前記油
   圧の変動レベルを除去し、前記油入電気機器の油圧レベ
   ルを連続的に算出するとともに、この連続的に算出した
   前記油入電気機器の油圧レベルの変動巾より異常を検知
   する演算装置とを備えて成ることを特徴とする油圧自動
   監視装置。