JP2635377B2 - 潤滑油添加剤及び潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油添加剤及び潤滑油組成物

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JP2635377B2 JP19472988A JP19472988A JP2635377B2 JP 2635377 B2 JP2635377 B2 JP 2635377B2 JP 19472988 A JP19472988 A JP 19472988A JP 19472988 A JP19472988 A JP 19472988A JP 2635377 B2 JP2635377 B2 JP 2635377B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、改変された摩擦抵抗及び酸化防止特性を有
する新規潤滑油添加剤、並びに該新規添加剤を含む潤滑
油組成物に関する。更に詳しくは、本出願は、トリグリ
セリドと塩基性窒素化合物とを反応させ、次にモリブデ
ン化合物と反応させ、最後にイオウ又はイオウ化合物と
反応させて、モリブデン及びイオウを含有する反応生成
物を製造する一連の反応によって得られる新規な添加剤
である反応生成物に関する。
発明の背景 モリブデン化合物が潤滑油組成物における摩擦抵抗改
変剤として有用であることは公知である。しかしなが
ら、多くのモリブデン化合物は潤滑油中における溶解性
が低い。通常用いられる潤滑添加剤である二流化モリブ
デンは、油中の溶解性が低く、潤滑油における有効性を
改良せしめるために、微粉砕及び分散剤をはじめとする
種々の方法が用いられている。
潤滑油中にモリブデンを導入させるための多数の他の
方法が提案されている。概して、これらの方法は、潤滑
油中において改良された溶解性を示すモリブデン含有コ
ンプレックス反応生成物を製造することを包含してい
る。
開示文献 米国特許第4,263,152号においては、酸性モリブデン
化合物、塩基性窒素化合物及びイオウ化合物を反応させ
て、潤滑油の酸化を防止し、耐摩耗性を与え、及び/又
は摩擦特性を改変するのに有用なモリブデン−イオウ含
有コンプレックスを生成させることによって製造され
る、油溶性イオウ含有モリブデンコンプレックスが開示
されている。
米国特許第4,370,246号には、酸性モリブデン化合
物、塩基性窒素化合物及びイオウ化合物を油溶性芳香族
アミン化合物と組み合わせて反応させることによって得
られる油溶性イオウ含有モリブデンコンプレックスの使
用が開示されている。この文献の開示については参考と
して本明細書に記載する。
発明の概要 潤滑油組成物における摩擦抵抗改変剤及び安定化剤又
は酸化防止剤として有効な新規潤滑油添加剤が見出され
た。本発明の新規潤滑油添加剤は一連の反応によって得
られるコンプレックス反応生成物である。トリグリセリ
ドを塩基性窒素化合物と反応させて反応生成物を生成さ
せる。この反応生成物を、モリブデン化合物と反応させ
てモリブデンを含む第2の反応生成物を調製し、この第
2の反応生成物をイオウ又はイオウ化合物と反応させて
潤滑添加剤として有用なモリブデン含有・イオウ含有反
応生成物を製造する。
発明の詳細な記述 本発明の反応生成物を製造する最初の工程は、トリグ
リセリドと塩基性窒素化合物との反応である。トリグリ
セリドと塩基性窒素化合物とを、該塩基性窒素化合物に
対する該トリグリセリドのモル比2:1〜1:3を用いて反応
させる。これらの反応物質は、不活性ガスを反応混合物
中に吹込むことによって達成される。例えば窒素ガスシ
ール下のような不活性雰囲気中において反応せしめら
れ、反応塔頂物を通して生成する水が全て除去される。
本発明の潤滑添加剤を製造するのに有用なトリグリセ
リド反応物質は、次式: (式中、R、R′及びR″は、7〜21個の炭素原子を有
する脂肪族炭化水素基を表わす) によって表わされる。脂肪族炭化水素基は、飽和であっ
ても不飽和であっても、あるいは飽和及び不飽和基の両
方の混合物であってもよい。好ましいトリグリセリド
は、R、R′及びR″によって表わされる脂肪族基が約
11〜17個の炭素原子を有するものである。本発明の反応
生成物を製造するために用いる代表的なトリグリセリド
としては、ココナッツ油、ベニバナ油、ヒマワリ油、綿
実油、ピーナッツ油、トウモロコシ油、ヒマシ油、大豆
油、ヤシ油、ゴマ油、並びに動物性油脂、例えば、ラー
ド油及び牛脂油(タロ油)のような、上記構造式を有す
る脂肪類が挙げられる。
塩基性窒素化合物は、ASTM D−664又はD−2896に
よって測定されるような塩基性窒素含有分を有するもの
であり、好ましくは油溶性のものである。代表的な塩基
性窒素化合物としては炭化水素ポリアミン、スクシンイ
ミド及びカルボン酸アミドが挙げられる。
好ましい塩基性窒素化合物はポリアルキレンポリアミ
ンである。ポリアルキレンポリアミンは次式: (式中、Rは水素又はメチル基であり、xは1〜10の値
を有する) によって表わされる。
好ましいポリアルキレンポリアミンは、上式によって
示され、式中、xが2〜6の値を有するものである。上
式に含まれる特定のポリアルキレンポリアミンとして
は、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミ
ンが挙げられる。
トリグリセリドと塩基性窒素化合物とは、塩基性窒素
化合物に対するトリグリセリドのモル比2:1〜1:3を用い
て反応せしめられ、好ましいモル比は約1:1である。反
応は不活性雰囲気下、100℃〜反応物質の分解温度の範
囲の温度で行なわれる。概して、反応は120〜200℃の範
囲の温度で行なわれ、好ましい反応温度は120〜160℃で
ある。反応中に、反応混合物中に不活性ガス流を通し、
反応中に生成する水の全てを除去せしめることが好まし
い。一般的に、反応中のガスシール用及び不活性ガス流
用に選択される不活性ガスは窒素である。反応混合物中
を通るガス流の好ましい速度は、反応物質1あたり不
活性ガス25〜200ml/分である。
以下の実施例において用いた反応物質の量に関して
は、潤滑油添加剤を製造するための第1の反応生成物を
調製するために、記載の反応条件を約5時間保持した。
この第1の反応生成物は、脂肪酸アミド及びグリセリン
部分エステルを含むと考えられる。
反応生成物の中間体は、第1の反応生成物とモリブデ
ン化合物とを、第1の反応において用いたのと同様の反
応条件下で反応させることによって得られる。用いるこ
とのできるモリブデン化合物は、酸性モリブデン化合
物、即ち、上記記載のASTM試験によって測定される塩基
性窒素化合物と反応するモリブデン化合物である。特に
好適なモリブデン化合物としては、モリブデン酸、モリ
ブデン酸アンモニウム、並びに、MoOCl4、MoO2Br2、Mo2
O3Cl6及び三酸化モリブデンのようなモリブデン塩が挙
げられる。
第1の反応生成物と上述のモリブデン化合物とを、該
モリブデン化合物に対する該第1の反応生成物のモル比
2:1〜1:3を用いて反応させる。この反応は、約100〜200
℃の範囲の温度で行なわれ、好ましい反応温度は約120
〜160℃である。この反応は、窒素のような不活性ガス
の掃気を用いて不活性雰囲気下で行なわれる。好適なガ
ス流速は、反応混合物1あたり、窒素約25〜200ml/分
である。
添加工程の最終段階において、中間反応生成物をイオ
ウ又はイオウ含有化合物と反応させる。用いてよいイオ
ウ又はイオウ含有化合物としては、イオウ、硫化水素、
3〜18個の炭素原子を有する硫化オレフィン、硫化アン
モニウム及びポリスルフィドが挙げられる。
中間反応生成物とイオウ又はイオウ化合物とを、モリ
ブデン及び該イオウ又はイオウ化合物を基準とした該中
間反応生成物のモル比1:1〜1:4を用いて反応させる。好
ましいモル比は1〜2である。この反応は、不活性ガス
を反応混合物を通して掃気することによって不活性雰囲
気下で行なわれる。反応温度は、約100〜200℃の範囲で
あってよく、好ましい反応温度は約120〜160℃である。
この反応条件を、本発明のモリブデン含有・イオウ含有
反応生成物及び潤滑添加剤を製造又は生成させるのに十
分な時間保持する。
用いることのできる他の出発物質としては、硫化トリ
グリセリドが挙げられ、この場合には、モリブデン工程
の後の硫化を必要としない。
該して、本発明の潤滑油添加剤は、次の分析値: 窒素含有量 約1〜4重量%; モリブデン含有量 約2〜6重量%; イオウ含有量 約1〜4重量% の組成物を有することを特徴としている。
以下の実施例によって本発明の新規反応生成物の製造
を示す。
実施例1 ココナッツ油1344g(2.0モル)及びジエチレントリア
ミン206g(2.0モル)を、スターラー、熱電対、温度
計、ガス導入管及びDean−Stark水トラップを備えた反
応容器内で配合した。この混合物を窒素ガスシール下12
0℃に加熱した。窒素の速度100ml/分で窒素掃気を始め
た。反応条件を約5時間保持した後、反応生成物を過
し、回収した。この初期生成物を分析すると、窒素5.7
重量%を含んでいることが分かった(理論値5.4重量
%)。
上記反応生成物194g(0.25モル)、三酸化モリブデン
36.0g(0.25モル)及びペールストック(pale stock)
鉱油236gを、上記と同様の反応容器中で配合した。この
混合物を、窒素下で約150℃に加熱し、窒素の速度100ml
/分で窒素掃気を開始した。反応を記載の条件下、撹拌
しながら約1時間行なった後、過すると、非常に暗色
で粘稠性の反応生成物447gが生成したことが分かった。
この中間体又は第2の反応生成物を分析すると、窒素2.
1重量%、モリブデン5.0重量%を有し、100℃において3
4.5センチストークスの動粘度を有していることが分か
った。
該中間反応生成物235g(0.125モル)及びイオウ8g
(0.25モル)を、上記と同様のものを備えた反応容器中
で配合した。この混合物を窒素ガスシール下150℃に加
熱し、窒素流を、窒素の速度50ml/分で反応混合物中を
通した。これらの反応条件を約3時間保持し、反応を完
了せしめた。この反応生成物を過し、沈殿2.0gを分離
すると、室温で固体の、非常に暗色の最終反応生成物22
2gが得られた。最終生成物の分析によって次の含有量が
分かった。
重量% 窒素 2.6 モリブデン 4.8 イオウ 2.8 実施例2 ベニバナ油739g(0.83モル)及びジエチレントリアミ
ン90g(0.83モル)を、実施例1に記載と同様に混合し
反応させた。反応を、窒素雰囲気下及び窒素流下、約12
0℃で5時間行なった。水約0.6mlが塔頂から回収され
た。明色で明澄で熱い、室温では固体の過生成物793g
が得られた。生成物の分析によって窒素4.5重量%が示
された。
上記反応生成物247g(0.25モル)、三酸化モリブデン
36.0g(0.25モル)及びペールストック鉱油283gを配合
し、窒素雰囲気下で150℃に加熱し、窒素流を反応混合
物中に通しながら150℃で約1時間反応させた。過に
よって沈殿3gを除去すると、暗色でやや粘稠性の反応生
成物539gが得られた。この反応生成物を分析すると、窒
素1.9重量%及びモリブデン3.8重量%を含んでいること
が分かった。動粘度は100℃において17.1センチストー
クスであった。
中間反応生成物283g(0.125モル)及びイオウ8g(0.2
5モル)を実施例1と同様に混合し反応させた。混合物
を窒素雰囲気下で150℃に加熱した。反応を、撹拌下、
窒素流を反応混合物に通しながら、150℃で約3時間行
なった。反応生成物を過し、沈殿0.2gを除去すると、
非常に暗色の反応生成物271gが得られた。この反応生成
物を分析すると以下のことが示された。
重量% 窒素 1.8 モリブデン 3.8 イオウ 2.5 100℃における動粘度は45.3センチストークスであっ
た。
実施例3 ヒマワリ油886g(1.0モル)及びジエチレントリアミ
ン(95%)108g(1.0モル)を上記実施例1と同様に混
合し反応させた。混合物を窒素雰囲気下125℃に加熱し
た。反応を、窒素流を反応混合物中に通しながら、か
つ、水塔頂物を全て除去しながら120℃で5時間行なっ
た。明色かつ明澄で熱い、室温でワックス状の固体であ
る過生成物965gが得られた。この反応生成物は窒素4.
3重量%を含んでいることが分かった。
上記反応生成物247g(0.25モル)、三酸化モリブデン
36.0g(0.25モル)及びペールストック鉱油283gを混合
し、窒素雰囲気下で約150℃に加熱した。反応を、窒素
流を反応生成物に通しながら150℃に1時間保持した。
反応生成物を過し、沈殿4.7gを除去すると、暗色で僅
かに粘稠性の生成物543gが得られた。分析によって、こ
の生成物が窒素1.9重量%及びモリブデン3.7重量%を含
んでいることが分かった。100℃における動粘度は16.8
センチストークスであった。
上記中間反応生成物283g(0.125モル)及びイオウ8g
(0.25モル)を上記記載の方法で混合し、混合物を窒素
ガスシール下150℃に加熱した。この混合物の反応を、
撹拌下、窒素流を反応混合物中に通しながら150℃で3
時間行なった。微量の水を反応混合物から分離除去し
た。生成物を過して沈殿0.5gを分離すると、非常に暗
色な最終反応生成物267gが得られた。この最終反応生成
物を分析すると以下のことが分かった。
重量% 窒素 1.8 モリブデン 3.6 イオウ 2.5 実施例4 ヒマワリ油222g(0.25モル)及びジエチレントリアミ
ン(95%)27g(0.25モル)を上記実施例1のように混
合し反応させた。混合物を窒素雰囲気下120℃に加熱
し、窒素流(100ml/分/反応混合物)を反応混合物中
に通しながら、反応を、撹拌下120℃で5時間続けた。
水約0.1mlが塔頂から回収された。
三酸化モリブデン36.0g(0.25モル)及びペールスト
ック鉱油283gを上記反応生成物と混合し、混合物全体を
窒素雰囲気下約150℃に加熱した。反応を、窒素流を反
応生成物中に通しながら150℃に1時間保持した。この
中間反応生成物の製造中に微量の水が塔頂から回収され
た。
上記で得られた中間反応生成物及びイオウ16g(0.5モ
ル)を上記の方法で混合し、混合物を窒素ガスシール下
150℃に加熱した。この混合物の反応を、窒素流を反応
混合物中に通しながら、撹拌下、150℃で3時間続け
た。この反応中に、少量(1.1ml)の水が回収された。
最終的な反応生成物を過し、沈殿4.5gを分離すると、
非常に暗色な粘稠性の最終反応生成物547gが得られた。
この最終反応生成物を分析すると次のことが分かった。
重量% 窒素 2.2 モリブデン 3.9 イオウ 2.7 最終反応生成物は、100℃において42.2センチストー
クスの動粘度を有していた。
実施例5 トウモロコシ油222g(0.25モル)及びジエチレントリ
アミン27g(0.25モル)をフラスコ中で配合し、窒素雰
囲気下120℃に加熱した。反応条件を約5時間保持し、
この間に水約0.1mlが回収された。
三酸化モリブデン36g(0.25モル)及びペール鉱油283
gを上記反応生成物に加え、この混合物を150℃に加熱し
た。この反応を、撹拌下約1時間続け、中間反応生成物
を製造した。水約0.2mlが塔頂から回収された。
イオウ16g(1.0モル)を上記中間反応生成物に加え、
この混合物を、窒素雰囲気下150℃で約3時間反応させ
た。水2.6mlが塔頂から回収された。反応生成物を過
し、沈殿1.8gを分離除去すると反応生成物533gが得られ
た。反応生成物を分析すると次の結果が示された。
重量% 窒素 1.7 モリブデン 3.7 イオウ 2.5 100℃における動粘度は44.4センチストークスであっ
た。
実施例6 ピーナッツ油219g(0.25モル)及びジエチレントリア
ミン27g(0.25モル)を、上記手順によって、窒素下120
℃で混合し反応させた。5時間後、微量の水が塔頂から
回収された。
三酸化モリブデン36g(0.25モル)及びペール鉱油278
gを上記混合物に加え、この混合物を約150℃に加熱し、
約1時間反応させた。水約0.1mlが塔頂から回収され
た。
イオウ16g(1.0モル)を上記反応混合物に加え、この
混合物を、窒素下約150℃で3時間反応させた。水2.5ml
が回収された。反応生成物を過し、沈殿2.4gを分離す
ると、反応生成物544gが得られた。この反応生成物を分
析すると、次の値が得られた。
窒素 1.9 重量% モリブデン 3.75重量% イオウ 2.54重量% 100℃における動粘度 51.8 cSt 実施例7 ヒマワリ油443g(0.5モル)及びテトラエチレンペン
タミン95g(0.5モル)をフラスコ中で配合し、混合物を
窒素下120℃に加熱した。この反応を、撹拌下、これら
の条件下で約5時間続けた。生成物を過すると、次の
分析値を有する過生成物507gが得られた。
窒素 6.0 % 全塩基価 117.6 上記反応生成物270g(0.25モル)、三酸化モリブデン
36g(0.25モル)及びペール鉱油313gをフラスコ中で配
合した。この混合物を150℃に加熱し、反応条件を、窒
素下、撹拌下で約1時間続けた。水は塔頂から回収され
なかった。
上記で得られた反応生成物を約120℃に冷却し、イオ
ウ16g(0.5モル)を加えた。イオウ含有混合物を150℃
に加熱し、窒素下、撹拌下でこの温度において3時間反
応させた。水0.5mlが回収された。反応生成物を過す
ると、生成物573gが得られた。分析によって次の値が得
られた。
窒素 2.5重量% モリブデン 3.7重量% イオウ 2.4重量% 100℃における動粘度は44.2センチストークスであっ
た。
実施例8 ヒマワリ油443g(0.5モル)及びペンタエチレンヘキ
サミン116g(0.5モル)を混合し、前述の実施例におい
て記載したようにして、窒素下、撹拌下、約120℃で約
5時間反応させた。反応生成物を過すると、次の値を
有する反応生成物539gが得られた。
窒素 6.9重量% 全塩基価 149 上記反応生成物280g(0.25モル)、三酸化モリブデン
36g(0.25モル)及びペール鉱油320gを混合し、混合物
を約150℃に加熱した。反応を、窒素下、撹拌しながら
この温度において約1時間続けた。水は塔頂から回収さ
れなかった。
上記反応生成物を120℃に冷却し、イオウ16g(0.5モ
ル)を加えた。イオウ含有混合物を約150℃に加熱し、
窒素下、撹拌しながらこの温度において約3時間反応さ
せた。水0.4mlが塔頂から回収された。反応生成物を
過すると、次の値を有する反応生成物605gが得られた。
窒素 3.0重量% モリブデン 3.6重量% イオウ 2.4重量% 100℃における動粘度は48.5センチストークスであっ
た。
潤滑油用の摩擦抵抗改変剤としての本発明の新規潤滑
添加剤の有効性を、小型エンジン摩擦試験(SEFT)を用
いた実験によって示した。小型エンジン摩擦試験は、電
気モーターによって駆動する単気筒空冷6馬力エンジン
を用いる。エンジンは鋳鉄ブロックを有し、アルミニウ
ムピストン及びクロムメッキされたリングが取付けられ
ている。電気モーターはクレードル設置されているの
で、反応トルクを歪アームによって測定することができ
る。エンジンは、電気ヒーターを有する断熱容器中に設
置され、2000rpmで駆動される。
それぞれの試験実験の前に、1.14(1クォート)の
試験油でエンジンを3回洗浄した。試験実験中は、エン
ジン及び油の温度を、室温から油温が138℃(280゜F)
に達するまで連続的に上昇させた。加熱は、エンジンの
摩擦、空気圧縮運動及び電気ヒーターによって得られ
た。エンジン及び油の温度、並びにエンジン駆動トルク
を4時間の試験の間、継続的に記録した。それぞれの試
験油の評価の前に、同等の時間、比較用の油に関して実
験を行なった。エンジンの比較用トルク値は、エンジン
の摩耗の結果、時間と共に僅かに変化した。正確な評価
のために、試験油の結果を、試験油の評価に先立って行
なった3回の比較実験及びその後に行なった3回の比較
実験からのデータからなる比較域と比較して記録した。
本試験において用いた基油は、摩擦抵抗改変剤を含ま
ない完全配合10W−40市販潤滑油組成物であった。第2
の比較油は、変性基油、即ち、公知の摩擦抵抗改変剤を
含む完全配合10W−40市販潤滑油組成物であった。本発
明の潤滑添加剤を、基油に相当する完全配合10W−40市
販潤滑油中で試験した。
小型エンジン摩擦試験で得られた結果を下表1に示
す。
上記の試験は、市販の摩擦抵抗改変剤に対する、本発
明の潤滑油添加剤の摩擦抵抗改変剤としての有効性を示
した。
本発明の添加剤の有効性について、また、ASTM燃料効
率エンジンオイル(FEEO)動力計試験において測定し
た。試験結果において、公知の摩擦抵抗改変剤を含む完
全配合5W−30油組成物と、本発明の摩擦抵抗改変剤を含
むものとを比較した。本試験の第2列をパスするために
は、少なくとも+2.75の結果が必要であった。結果を下
表2に示す。
得られた結果から、本発明の摩擦抵抗改変剤を用いて
得られた燃料有効性が改良されたことが明確に示され
た。
本発明の新規添加剤を、潤滑粘度の油組成物中におい
て用いた際の酸化防止性に関して試験した。酸化安定性
は、ベンチ酸化試験によって測定した。この試験におい
ては、油組成物を窒素ガスシール下175℃に加熱した。
試料を採り、基試料とした。空気流を500ml/分の速度で
通しながら油を175℃に6時間保持した。試料を1時間
毎に採取し、それぞれの試料のDIRを、1712cm-1におけ
る基線に対して測定した。6時間のDIRを用いて酸化を
測定した。この値が小さいほど、酸化特性が良好であ
る。
これらの試験において、用いた油は、38℃(100゜F)
におけるSUS粘度130を有する溶媒中性油(Solvent Neut
ral Oil)であった。この油を、過塩基性スルホネート
と混合してカルシウム0.18重量%を含む基油組成物を得
た。試験油においては、酸化防止添加剤を0.5重量%の
濃度で用いた。結果を下表3に示す。
表3の実施例によって、潤滑油組成物中で用いた際
の、本発明の新規潤滑添加剤の酸化防止添加剤としての
驚くべき有効性が示された。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 133:06 133:16 135:04 125:10 135:20 125:22) C10N 10:12 30:06 30:10 40:25 (72)発明者 ジョセフ・ブリアン・ビアソッティ アメリカ合衆国、ニューヨーク 12540、 ラグレインジヴィル、スキッドモア・ロ ード、ルート 1 (56)参考文献 特開 昭57−185392(JP,A) 特開 昭57−177095(JP,A)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリグリセリドと塩基性窒素化合物とを、
    該塩基性窒素化合物に対する該トリグリセリドのモル比
    2:1〜1:3の範囲を用いて反応させて反応生成物を調製
    し、該反応生成物と酸性モリブデン化合物とを、該モリ
    ブデン化合物に対する該反応生成物のモル比2:1〜1:3を
    用いて反応させて第2の反応生成物を調製し、該第2の
    反応生成物とイオウ又はイオウ化合物とを、該イオウ又
    はイオウ化合物に対する、モリブデンを基準とした該第
    2の反応生成物のモル比1:1〜1:4を用いて反応させるこ
    とによって製造される潤滑油添加剤。
  2. 【請求項2】該トリグリセリドが次式: (式中、R、R′及びR″は、それぞれ7〜21個の炭素
    原子を有する脂肪族炭化水素基を表わす) によって表わされる請求項1記載の潤滑油添加剤。
  3. 【請求項3】トリグリセリドと塩基性窒素化合物との反
    応が100℃を超える温度、不活性雰囲気下で行なわれる
    請求項1記載の潤滑油添加剤。
  4. 【請求項4】上記反応が120〜200℃の範囲の温度で行な
    われる請求項3記載の潤滑油添加剤。
  5. 【請求項5】該トリグリセリドが、ココナッツ油、ベニ
    バナ油、ヒマワリ油、綿実油、ピーナッツ油、トウモロ
    コシ油、ヒマシ油、大豆油、ヤシ油、ゴマ油、動物性
    油、並びにラード油及び牛脂油(タロ)のような脂肪類
    からなる群より選択される請求項1記載の潤滑油添加
    剤。
  6. 【請求項6】該酸性モリブデン化合物が、三酸化モリブ
    デン、モリブデン酸及びモリブデン酸アンモニウムから
    なる群より選択される請求項1記載の潤滑油添加剤。
  7. 【請求項7】反応生成物と酸性モリブデン化合物との反
    応工程が、窒素雰囲気下で、窒素流を、反応混合物1
    あたり25〜200mlの範囲の速度で反応混合物中を通しな
    がら行なわれる請求項1記載の潤滑油添加剤。
  8. 【請求項8】窒素1〜4重量%、モリブデン2〜6重量
    %及びイオウ又はイオウ化合物1〜4重量%を有する請
    求項1記載の潤滑油添加剤。
  9. 【請求項9】塩基性窒素化合物が、ポリアルキレンポリ
    アミンのような炭化水素ポリアミン、スクシンイミド及
    びカルボン酸アミドからなる群より選択される請求項1
    記載の潤滑油添加剤。
  10. 【請求項10】ポリアルキレンポリアミンが、ジエチレ
    ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
    ンペンタミン又はペンタエチレンヘキサミンである請求
    項1記載の潤滑油添加剤。
  11. 【請求項11】イオウ又はイオウ化合物が、原子状イオ
    ウ、硫化オレフィン、硫化水素及び硫化アンモニウム並
    びにポリスルフィドから選択される請求項1記載の潤滑
    油添加剤。
  12. 【請求項12】ヒマワリ油とジエチレントリアミンと
    を、該ジエチレントリアミンに対する該ヒマワリ油のモ
    ル比1:1を用いて、125〜175℃の範囲の温度、不活性雰
    囲気下で反応させて反応生成物を調製し、該反応生成物
    と三酸化モリブデンとを、該三酸化モリブデンに対する
    該反応生成物のモル比1:1を用いて、125〜175℃の範囲
    の温度、不活性雰囲気下で反応させて第2の反応生成物
    を調製し、該第2の反応生成物とイオウ又はイオン化合
    物とを、該イオウ又はイオウ化合物に対する該第2の反
    応生成物のモル比1〜2を用いて、125〜175℃の範囲の
    温度、不活性雰囲気下で反応させることによって製造さ
    れる請求項1記載の潤滑油添加剤。
  13. 【請求項13】請求項1〜12のいずれか1項記載の潤滑
    油添加剤を含む潤滑油組成物。
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