JP2635272B2 - 磁気光学探傷装置 - Google Patents

磁気光学探傷装置

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JP2635272B2
JP2635272B2 JP4259482A JP25948292A JP2635272B2 JP 2635272 B2 JP2635272 B2 JP 2635272B2 JP 4259482 A JP4259482 A JP 4259482A JP 25948292 A JP25948292 A JP 25948292A JP 2635272 B2 JP2635272 B2 JP 2635272B2
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藤 修 治 内
平 尚 大
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼板,鋼片等々強磁性
体(以下対象材)に磁界を印加すると、対象材の表面に
傷があるとそこから磁束が漏れる現象を利用して、この
漏れ磁束を磁気光学効果素子(ファラデ−素子)を介し
て光学的に検出する探傷装置に関する。
【0002】
【従来技術】磁界を加えた対象材の表面に面対向したフ
ァラデ−素子の表面に偏光を照射し、該表面の反射光を
検光子を介して撮影すると、対象材がその表面に垂直な
磁束を発生しないときには、実質上均一な磁区模様(例
えば図3の(a)の、中央の白,黒縞を除く、ランダム
な白,黒模様)が表われた画像が得られる。対象材の表
面に傷があるとそこから磁束が漏れるので垂直磁界が生
じ、そこでは垂直磁界の方向に依存して、黒い磁区の幅
が太ると同時に白い磁区の幅が細る、あるいは白い磁区
の幅が太ると同時に黒い磁区の幅が細る。例えば図3の
(a)の中央部に示すように、白,黒縞が現われる。
白,黒縞の一方は、対象材表面から磁束が出ている箇所
であり他方は該磁束が対象材にまた入っている箇所であ
る。漏れ磁束(磁界)が強い程、白縞の白い面積の割合
が高く黒縞の黒い面積の割合が高くなる。図3の(a)
に見られるように、白縞領域および黒縞領域は磁気模様
に磁区模様の幅変調を施した様なものであるので、視認
では大要を認知しうるが、それらを電気的処理により磁
気模様から弁別することはかなり難かしい。一般的に
は、撮像カメラの画像信号の高周波分(磁区模様)を遮
断し低周波分(白縞領域および黒縞領域)を摘出する
が、傷サイズが小さいと、例えば磁区の幅に近くなる
と、傷信号(白,黒縞領域)まで減衰し、傷検出が困難
となるなど、小さい傷に対して所望の傷検出精度が得ら
れないという問題がある。
【0003】特開平2−227666号公報や特開平3
−245052号公報には、鋼板の圧延方向(鋼板圧延
時の鋼板移動方向)に長辺を合せたスリットを通してフ
ァラデ−素子の反射光を撮影することにより、圧延済鋼
板すなわち探傷対象材の、該圧延方向に延びている傷の
検出精度を高くすることが述べられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしスリットの幅が
狭いので、スリット幅方向すなわち鋼板の幅方向の探傷
範囲が極く狭く、探傷効率がきわめて低くなる。また、
左右方向の分解能が低下する。
【0005】本発明は、探傷効率を格別に下げることな
く検出精度を向上することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気光学探傷装
置は、ある方向yに移動する探傷対象材に、その表面に
実質上平行な磁束を生起する励磁手段; 前記表面に面対向する磁気光学効果素子; 磁気光学効果素子の表面に偏光を投射する偏光照明手
段; 光強度を電気信号レベルに変換する単位素子の2次元配
列でなる素子マトリクスにおける積分転送方向を探傷対
材の移動方向に実質上合せた、磁気光学効果素子の前
記表面を撮影する時間遅延積分型2次元イメ−ジカメ
ラ; 磁気光学効果素子の前記表面と前記イメ−ジカメラの間
の光路に介挿された検光子;および、 前記イメ−ジカメラの素子マトリクスにおける積分転送
速度と探傷対象材の移動速度を同一とするための同期化
手段; を備える。
【0007】なお、カッコ内の記号は、図面に示し後述
する各実施例の対応要素を示す。
【0008】
【作用】図2を参照する。探傷対象材(1)がy方向に移
動しその表面に欠陥10があるとすると、磁気光学効果
素子(2)上の、欠陥10対応の白,黒縞(例えば図3の
(a)の中央部に示す)すなわち欠陥像10eは、探傷
対象材(1)の移動と同じく移動するが、磁気光学効果素
子(2)上の磁区模様は静止である。時間遅延積分型2次
元イメ−ジカメラ(9)が、その積分転送方向を探傷対象
材像の移動方向に実質上合せて配置されているので、カ
メラ(9)の光/電気変換単位素子の2次元配列マトリクス
9apg上において、磁気光学効果素子(2)上の磁区模様の
光学像は静止であるが、探傷対象材像(欠陥像10e)
は、探傷対象材(1)の移動速度(Vyo)に比例する速度(Vy
t)で、マトリクス9apgの積分転送方向に移動する。す
なわち、カメラ(9)の光/電気変換単位素子の2次元配列
マトリクス9apg上において、磁気光学効果素子(2)上の
磁気模様の投影像は静止であるが、探傷対象材像(欠陥
像10e)は積分転送方向に流れる。
【0009】ところが、同期化手段(11,20,21,22)が、
イメ−ジカメラ(9)の素子マトリクス9apgにおける積分
転送速度(Vyt)と探傷対象材の移動速度(Vyo対応)を同
とするので、イメ−ジカメラ(9)の転送器9tpgが出力す
る電気信号(Sx)は、欠陥像10eに関してはそれが図2
のマトリクス9apgの最右ラインから最左ラインに移動
する間の露光量すなわちマトリクス9apg上のx方向に
延びる各ラインでの露光量の総和(積分値)を表わすの
で、欠陥像10e(図3の(a)の中央部の白,黒縞)
の白はより高レベルの白に、黒はより高濃度の黒に強調
されたことになる(図3のb)。これに対して、磁区模
様部での転送器9tpgが出力する電気信号(Sx)は、マト
リクス9apgに投影された領域全体のy方向の総和(y
方向積算値)を表わすものとなる。磁区模様は実質上ラ
ンダムな分布であるので、磁区模様部の電気信号(Sx)の
レベルは、磁区模様の明確な白,黒が平均化されて白と
黒の中間値(灰色)となる。すなわち磁区模様が消去し
たものとなる(図3のb)。
【0010】以上により、欠陥10が無い領域では中間
(灰色)レベルで、欠陥10の位置で高レベルの白およ
び高濃度の黒を表わすピ−クが現われる、磁区模様対応
の白,黒ピ−クが無い電気信号レベル(Sx)が得られ、欠
陥検出精度が高い。
【0011】本発明の他の目的および特徴は図面を参照
した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0012】
【実施例】図1に一実施例(実施例1)の外観概要を示
す。鋼板1は実質上定速度でy方向に送られる。鋼板1
の下面には、小ギャップを置いてマグネットコア3の極
端面が対向している。コア3には電気コイル4が巻回さ
れており、図示しない直流電源より、定電圧が印加さ
れ、これにより鋼板1にはその幅方向すなわちx方向に
静止磁界が加えられる。鋼板1の表面に、微小ギャップ
を置いてファラデ−素子(磁気光学効果素子)2が面対
向している。反射板の下方の光源5がファラデ−素子2
の全面を照明するが、光源5とファラデ−素子2の間に
偏光シ−ト6が配置されており、特定方向に偏光面をも
つ光のみがファラデ−素子2を照明する。ファラデ−素
子2の表面は、ファラデ−素子2の偏光作用を受けない
長波長光を遮断する干渉フィルタ7および検光子8を通
して、時間遅延積分2次元イメ−ジカメラ9で撮影され
る。鋼板1にはアィドルロ−ラ10が接触しており、ロ
−ラ10に連結されたロ−タリエンコ−ダ11が、ロ−
ラ10の所定小角度の回転につき1パルスの電気パルス
を発生する。この電気パルスの周波数は、鋼板1のy方
向の移動速度Vyoに比例する。
【0013】図2に、図1に示す鋼板1,ファラデ−素
子2およびイメ−ジカメラ9の配置関係を示す。イメ−
ジカメラ9の、光/電気変換単位素子を2次元配列した
素子マトリクス9apg上に、レンズ9Lを通してファラ
デ-素子2の表面像が投影され、鋼板1上の表面欠陥1
0に対応する、ファラデ−素子2上の白,黒縞(図3の
(a)の中央部に示す)すなわち欠陥像10eは、マト
リクス9apg上で、鋼板1のy方向移動速度Vyoに比例
した速度Vytで、右から左に向かって移動する。イメ−
ジカメラ9は、その積分転送方向を、マトリクス9apg
上の欠陥像10eの移動方向に合せて、すなわちy方向
かつ鋼板1の移動方向と逆にして、配置されている。図
2においてファラデ−素子2上の矩形領域90fがマト
リクス9apg上に投影される。マトリクス9apgの、最右
端のラインの電荷は、所定(後述)の速度で順次に最左
端のラインに向かってパラレルにライン間転送されて最
後に転送器9tpgに移り、転送器9tpgからシリアル出力
(Sx)されるが、最右端のラインにあるときから最左端の
ラインにある間に、各ライン位置で露光強度に対応する
電荷の減衰(又は蓄積)を生じ、すなわち電位の低下(又
は上昇)を生じる。これが時間遅延積分型と呼ばれる所
以である。マトリクス9apgの上述のライン間パラレル
転送の速度を、マトリクス9apg上での欠陥像10eの
移動速度(鋼板1の移動速度に比例)に合致させると、欠
陥像10eのある点Dtp(例えば先端:図示せず)がマトリ
クス9apgの、最右端のライン上のある位置LDtp(図示せ
ず)にあるとき、点Dtpの露光によって生じた電荷(初期
値マイナス点Dtp露光分、又は初期値+点Dtp露光分)
は、点Dtpが最右端ラインから1つ左側のラインに進ん
だとき同様にこの左側のラインに移り、このラインでも
同じく点Dtpの露光を受けて変化する。このようにし
て、マトリクス9apgに光/電気変換単位素子がy方向
にnラインあるとすると、点Dtpが最右端のライン上に
ある間の露光時間dtのn倍の露光時間n×dtの間、
点Dtpを同一ライン上に投影したのと同様な荷電量の減
衰(又は上昇)を生じ、これに対応する信号レベルが出
力信号Sxに現われる。ところが磁区模様は静止してい
るので、磁区模様に関しては、マトリクス9apgの最右
端のラインの電荷は、最右端のラインでは撮影領域90
fの最左端のライン上の磁区模様(部分)の露光による
減衰(又は上昇)を生じ、最右端から1つ左側のライン
に進むと、撮影領域90fの最左端から1つ右側のライ
ン上の磁区模様の露光による減衰(又は上昇)を生ず
る。このようにして、転送器9tpgの出力信号Sxは、磁
区模様領域では、撮影領域90fのy方向幅をn分割し
た各領域(ライン)を、1つのリニアイメ−ジセンサに
重複投影又は重複露光したのと同様なものとなる。磁区
模様は実質上ランダムであるので、磁区模様領域の出力
信号Sxは白と黒の中間値(灰色)を示すレベルであ
る。欠陥の各部は上述のようにn倍の露光時間n×dt
となるのに対して、磁区模様の各部はdtの露光時間で
あってしかも異なった部位を重複露光した形となるの
で、出力信号Sxにおいては、図3の(b)に示すよう
に、磁区模様対応のレベル変動は無くなり、欠陥対応の
際立った白ピ−クレベルおよび黒ピ−クレベルが現われ
る。
【0014】図4に、図1に示す時間遅延積分型イメ−
ジカメラ9の出力信号を処理し欠陥判定を行なう電気回
路の概要を示す。ロ−タリエンコ−ダ11が発生する電
気パルスは信号処理回路20で増幅および波形整形され
てF/V変換器21に与えられ、F/V変換器21が、
エンコ−ダ11が発生するパルスの周波数に比例する電
圧すなわち鋼板1の移動速度Vyoにレベルが比例する電
圧を発生する。この電圧はV/F変換器22に与えら
れ、V/F変換器22は与えられる電圧レベルに比例す
る周波数のパルスSvytを発生する。このパルスSvyt
が、積分転送同期パルス(速度指示パルス)として時間
遅延積分型イメ−ジカメラ9に与えられる。イメ−ジカ
メラ9は、このパルスSvytに同期して光/電気変換単
位素子マトリクス9apgの、ライン間パラレル転送を行
なう。これにより、鋼板1の移動速度と、イメ−ジカメ
ラ9の積分転送速度とが比例関係になっている。加え
て、F/V変換器21の、入力周波数に対する出力電圧
レベルの比、ならびに、V/F変換器22の入力電圧レ
ベルに対する出力パルス周波数の比、の調整により、鋼
板1のマトリクス9apg上投影像の移動速度に、イメ−
ジカメラ9の積分転送速度を等しく設定している。
【0015】イメ−ジカメラ9は、パルスSvytの周期
の整数倍の周期で転送器9tpgより1ライン分の電気信号
Sx(図2のb)をシリアル出力すると共に、このシリア
ル出力期間を示すライン同期パルスPLsおよび画素同
期パルスPvxを出力する。
【0016】電気信号Sxはロ−パスフィルタ12を介
して3値化回路13に与えられる。ロ−パスフィルタ1
2は、圧延方向に長い表面疵のx方向幅(検出しようと
する最小幅)対応の信号Sxのレベル変動周波数よりも
高い周波数のレベル変動を平滑化(遮断)する。3値化
回路13は2個の比較器と論理素子でなり、信号Sxの
レベルが、第1基準値Rs1以下の第1領域,第1基準
値Rs1を越え第2基準値Rs2未満の第2領域および
第2基準値Rs2以上の第3領域(図3のb)の、いず
れにあるかを示す2ビットデ−タ(図3のc;下位桁b
1,上位桁b2)を出力する。すなわち、信号Sxのレ
ベルが第1領域にあると0(b2),0(b1)、第2
領域にあると0,1および第3領域にあると1,0のデ
−タを出力する。
【0017】鋼板1のy方向移動速度Vyoが高いとき、
イメ−ジカメラ9の積分転送速度が高く、ファラデ−素
子2上の鋼板1の欠陥10対応像10eの露光時間が短
い。鋼板1の移動速度の変動や、変更により該露光時間
が変化し信号Sxの欠陥対応レベルが変動するので、こ
の変動によっても3値化デ−タが実質上変動しないよう
に、鋼板1の速度Vyoを差動増幅器18,19のマイナ
ス入力端に与えて、差動増幅器18,19より、オペレ
−タ設定値より速度Vyo対応値を減算して第1基準値R
s1,第2基準値Rs2を生成し3値化回路13(の比
較器)に与えるようにしている。これにより、鋼板1の
移動速度Vyoの変化に連動(該変化による露光時間の変
化→信号Sxのレベルシフト、に対応)して、第1基準
値Rs1,第2基準値Rs2が信号Sxのレベルシフト
方向に同様にシフトし、3値化デ−タは鋼板1の移動速
度の変化によっては実質上変動しない。
【0018】3値化デ−タ(図3のc)の上位桁ビット
b2はR/Sフリップフロップ14のセット入力端S
に、下位桁ビットb1はリセット入力端に与えられる。
フリップフロップ14は、信号Sxのレベルが第2領域
から第3領域に変化したときにすなわち上位桁ビットが
0から1に立上ったときに、セットされてその出力b3
を0から1に反転する。そして信号Sxのレベルが第1
領域から第2領域に変化したときにすなわち下位桁ビッ
トが0から1に立上ったときに、リセットされてその出
力b3を1から0に反転する(図3のd)。このフリッ
プフロップ14の出力b3の「1」が欠陥有りを意味す
る。なお、フリップフロップ14は、ライン同期信号P
Lsが0から1に立上ったときにもリセットされる。
【0019】信号Sxを高周波分平滑化処理した信号
(図3のb相当),画素同期パルスPvxおよびライン同
期信号PLsはCRTディスプレイCRT1(4値以上
のデジタル階調表示)に与えられ、3値化デ−タ,同期
パルスPvx,同期信号PLsはCRTディスプレイCR
T2(3値表示)に与えられ、欠陥信号b3,同期パル
スPvx,同期信号PLsはCRTディスプレイCRT3
(2値表示)に与えられる。また、これらのディスプレ
イCRT1〜3の画面上像位置を整合させるために、図
4に示すように分周器41が備わっており、これが、ラ
イン同期パルスPLsをカウントして、PLsのF個の
到来毎に1パルスの画面同期パルスPFsを発生し、デ
ィスプレイCRT1〜3に与える。
【0020】ディスプレイCRT1は画像メモリ(多階
調画像デ−タメモリ)を内蔵しており、電源オン後最初
に到来した画面同期パルスPFsに応答して以後到来す
る同期パルスPvx,同期信号PLsに応答して信号Sx
の読込み(デジタル変換,メモリへの書込み,CRTの
表示更新)を行なう。なお、一ライン分の信号Sxを受
けるとき、画像メモリ上で既存デ−タをシフトして最も
古い一ライン分のデ−タを捨て、受けた信号(最新の一
ライン分のデ−タ)を画像メモリに書込み、そして画像
メモリのデ−タをCRTに更新表示する。CRTには、
背景が灰色で、欠陥部が白および黒縞の階調画像(アナ
ログ風)が表示される。
【0021】ディスプレイCRT2は画像メモリ(3値
画像デ−タメモリ)を内蔵しており、電源オン後最初に
到来した画面同期パルスPFsに応答して以後到来する
同期パルスPvx,同期信号PLsに応答して3値化デ−
タb2,b1の読込み(メモリへの書込み,CRTの表
示更新)を行なう。なお、一ライン分の3値化デ−タb
2,b1を受けるとき、画像メモリ上で既存デ−タをシ
フトして最も古い一ライン分のデ−タを捨て、受けたデ
−タ(最新の一ライン分のデ−タ)を画像メモリに書込
み、そして画像メモリのデ−タをCRTに更新表示す
る。CRTには、背景が灰色で、欠陥部が白および黒縞
の3値画像が表示される。
【0022】ディスプレイCRT3は画像メモリ(2値
画像デ−タメモリ)を内蔵しており、電源オン後最初に
到来した画面同期パルスPFsに応答して以後到来する
同期パルスPvx,同期信号PLsに応答して2値デ−タ
b3の読込み(メモリへの書込み,CRTの表示更新)
を行なう。なお、一ライン分の2値デ−タb3を受ける
とき、画像メモリ上で既存デ−タをシフトして最も古い
一ライン分のデ−タを捨て、受けたデ−タ(最新の一ラ
イン分のデ−タ)を画像メモリに書込み、そして画像メ
モリのデ−タをCRTに更新表示する。CRTには、背
景が黒で、欠陥部が白の2値画像が表示される。
【0023】図4に示すマイクロプロセッサ(以下CP
U)1は、操作・表示ボ−ド25の入力読取および該ボ
−ド25への表示用の出力を行なう。オペレ−タはディ
スプレイCRT1の表示と、ディスプレイCRT2およ
び/又はディスプレイCRT3の表示とを対比して、し
かもこれらの表示に対応する鋼板1上の欠陥10の形状
等を参照して、基準値Rs1,Rs2のべ−ス値を操作
・表示ボ−ド25で調整しうる。すなわち、CPU1
は、電源オン直後にはプログラム上設定された固定値
(ベ−ス値の基準値)をD/Aコンバ−タ16,17へ
出力(ラッチ)し操作・表示ボ−ド25に表示するが、
その後操作・表示ボ−ド25よりそれらの値の変更入力
があるとそれに応じてベ−ス値を変更してD/Aコンバ
−タ16,17へ更新出力(更新ラッチ)し操作・表示
ボ−ド25に更新表示する。これにより3値化回路13
に与えられる第1基準値Rs1,第2基準値Rs2が変
更される。このように第1基準値Rs1,第2基準値R
s2を調整して、欠陥有無信号b3が示す欠陥幅(図3
の(d)に示すb3の高レベル幅)を、欠陥幅に対応す
るように調整しうる。
【0024】CPU1は、操作・表示ボ−ド25(又は
別途のホストコンピュ−タ)よりスタ−ト信号(鋼板1
先端到来信号)が到来すると、これをCPU2に転送す
る。CPU2は、この信号を受けるとyカウンタ36を
クリアして、yカウンタ36の、速度同期パルスPvy
のカウントアップをスタ−トする。これによりyカウン
タ36のカウントデ−タは、スタ−ト信号(鋼板1先
端)から鋼板1が移動した距離(鋼板1上の探傷位置)
を示すものとなる。CPU2は次いでライン同期パルス
PLsが立上るときにxカウンタ35をクリアして、x
カウンタ35の、画素同期パルスPvxのカウントアッ
プをスタ−トする。これによりxカウンタ35のカウン
ドデ−タは、探傷視野90f(図2)のx方向の走査始
端からの走査進行位置(x位置)を示すものとなる。C
PU2は更に、欠陥有無を示す信号b3をRAM1に書
込み、RAM1上に欠陥有無のビットマップを作成す
る。これはディスプレイ33の画像メモリへのデ−タの
書込みと同様である。CPU2は更に、RAM1(ビッ
トマップ)上で欠陥を示す1の存否をチェックし、それ
があるとそれが分布する領域を切出して、そのy方向長
さ(欠陥領域のy方向最大長)およびx方向幅(欠陥領
域のx方向最大幅)を算出し、これらのデ−タと欠陥始
端のx位置(ビットマップ上)およびそのときのyカウ
ンタ36のカウントデ−タをRAM2に書込み、CPU
1に「出力」を指示する。CPU1はこの指示に応答し
てRAM2のデ−タを操作・表示ボ−ド25に出力す
る。プリンタ等他の出力手段もあればこれにも出力す
る。これにより、ビットマップ(RAM1)上でCPU
2が検出した欠陥のx,y位置ならびに欠陥のy方向長
さおよびx方向幅が操作・表示ボ−ド25に表示され、
プリンタ等で印字される。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、欠陥10が無い領域で
は中間(灰色)レベルで、欠陥10の位置で高レベルの
白および高濃度の黒を表わすピ−クが現われる、磁区模
様対応の白,黒ピ−クが無い、電気信号レベル(Sx)が得
られ、欠陥検出精度が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の外観概要を示す斜視図で
あり、一部は破断して断面を示す。
【図2】 図1に示すファラデ−素子2と時間積分イ
メ−ジカメラ9内の素子マトリクス上に投影される素子
上の像領域を示す斜視図である。
【図3】 図2に示すファラデ−素子2上の画像を示す
平面図であり、イメ−ジカメラ9の出力信号Sxならび
に図4に示す3値化回路13およびフリップフロップ1
4の出力信号をも示す。
【図4】 図1に示すイメ−ジカメラ9の欠陥有無信号
Sx等より欠陥有無および欠陥位置を判別する電気回路
の構成概要を示すブロック図である。
【符号の説明】
1:鋼板(探傷対象材) 2:ファラデ−素
子(磁気光学効果素子) 3:マグネットコア 4:電気コイル 5:光源 6:偏光シ−ト 7:干渉フィルタ 8:検光子 9:時間積分2次元イメ−ジカメラ 10:アイドルロ−
ラ 11:ロ−タリエンコ−ダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永 沼 洋 一 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 昭63−104015(JP,A) 特開 平1−250847(JP,A) 特開 平2−77643(JP,A) 特開 平4−148850(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ある方向yに移動する探傷対象材に、その
    表面に実質上平行な磁束を生起する励磁手段; 前記表面に面対向する磁気光学効果素子; 磁気光学効果素子の表面に偏光を投射する偏光照明手
    段; 光強度を電気信号レベルに変換する単位素子の2次元配
    列でなる素子マトリクスにおける積分転送方向を探傷対
    材の移動方向に実質上合せた、磁気光学効果素子の前
    記表面を撮影する時間遅延積分型2次元イメ−ジカメ
    ラ; 磁気光学効果素子の前記表面と前記イメ−ジカメラの間
    の光路に介挿された検光子;および、 前記イメ−ジカメラの素子マトリクスにおける積分転送
    速度と探傷対象材の移動速度を同一とするための同期化
    手段; を備える磁気光学探傷装置。
  2. 【請求項2】イメ−ジカメラが出力する電気信号レベル
    が、第1基準レベルRs1以下の第1領域にあるか、第
    1基準レベルRs1より高い第2基準レベルRs2以上
    の第3領域にあるかを検出するレベル検出手段、およ
    び、前記電気信号レベルが第1領域および第3領域にあ
    る間傷有りを示す信号を発生しこれらの傷有りの区間の
    間の信号区間にも同じく傷有りを示す信号を発生する傷
    信号発生手段、を更に備える請求項1記載の磁気光学探
    傷装置。
  3. 【請求項3】探傷対象材の移動速度に対応してそれが高
    いと低光強度側に、低いと高光強度側に第1基準レベル
    Rs1および第2基準レベルRs2をシフトする基準レ
    ベル調整手段を更に備える請求項2記載の磁気光学探傷
    装置。
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